JPH05163400A - 近赤外線吸収スチレン系樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents
近赤外線吸収スチレン系樹脂組成物及びその成形体Info
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- JPH05163400A JPH05163400A JP33197591A JP33197591A JPH05163400A JP H05163400 A JPH05163400 A JP H05163400A JP 33197591 A JP33197591 A JP 33197591A JP 33197591 A JP33197591 A JP 33197591A JP H05163400 A JPH05163400 A JP H05163400A
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Abstract
特定の銅化合物0.05〜5重量部、特定のチオ尿素誘導体
及び/又は特定のチオアミド誘導体0.05〜50重量
部を含有して成る近赤外線吸収スチレン系樹脂組成物、
及びこの組成物がシート又はフィルム状に成形されて成
る近赤外線吸収スチレン系樹脂成形体。 【効果】 褪色などの不安定性はなく、暗所に長期間放
置により褪色するというフォトクロミズムも見られず、
優れた近赤外線吸収能を示すので、光学的フィルター、
熱線吸収性グレージング材等として工業的に有用であ
る。また、得られた近赤外線吸収シートは 800〜2000nm
の近赤外領域全域に渡る強い吸収性を有しているので近
赤外線カットフィルターなどの光学材料、記録材料、熱
線遮蔽材料、蓄熱材料、近赤外線検出センサー等として
利用できる。
Description
透過し、近赤外線吸収能に優れた新規なスチレン系樹脂
組成物及びシート又はフィルム状に成形されて成る近赤
外線吸収スチレン系樹脂成形体に関するものである。近
赤外線吸収材料は、最近特に研究開発が盛んに行われて
いる機能材料であり、近赤外領域の波長を有する半導体
レーザー光等を光源とする感光材料、光ディスク用記録
材料等の情報記録材料、赤外線カットフィルターやフィ
ルム等の光学材料、熱線吸収性グレージング材料として
利用することができる。
しては、米国特許第3692688号明細書に示される
ように六塩化タングステン (WCl6)と塩化スズ(SnCl2・
2H2O)をメタクリル酸メチルシラップ(モノマー)
に溶解して重合して得られる実質的にヘイズのない近赤
外線吸収能に優れた材料が知られている。更に、このほ
か、これまでに開発された近赤外線吸収材料としては、
特公昭60−42269号公報にはクロム、コバルト錯
塩、特公昭60−21294号公報にはチオールニッケ
ル錯体、特開昭61−115958号公報にはアントラ
キノン誘導体、特開昭61−218551号公報には
700〜800nm の領域に極大吸収波長のある新規スクア
リリウム化合物が開示されている。
料は、有機系のものは耐久性が悪く環境条件の変化や時
間の経過にともなって初期の能力が劣化してくるという
問題点があり、一方錯体系のものは耐久性があるが、近
赤外部のみならず可視部にも吸収があり化合物そのもの
が強く着色しているものが多く、用途が制限されてしま
うといった問題があった。更にどちらの系のものも特定
の波長において吸収ピークがみられ、そのピークからは
ずれた波長では殆ど吸収能はないものであった。これら
の素材を利用して、例えば近赤外部の波長を有するレー
ザー光を光源とする記録体を考えると、レーザー線の波
長と材料の吸収ピークを合わせる必要がある。しかし、
レーザー線の波長も近赤外吸収材料の吸収波長も限られ
たものしか得られないから、レーザー線の波長と近赤外
線吸収材料の吸収ピークでの波長が合致する組み合わせ
は極く限られたものにならざるを得なかった。
をメタクリル酸メチルシラップに溶解した組成物は濃青
色に発色し、近赤外線を良く吸収する性質を持っている
が、暗所で長期間放置の間に褪色するという問題点を有
していた。このように緩やかに進行するフォトクロミズ
ム等は一定の品質を備えた光学フィルターや熱線吸収性
グレージング等の工業製品を提供する上で好ましくない
問題点であった。
の近赤外領域全体に一様に吸収がみられ、着色が少なく
且つ耐久性が優れた近赤外線吸収材料について鋭意検討
を重ねた結果、銅化合物とチオ尿素系誘導体又は(及
び)チオアミド系誘導体とをスチレン系樹脂中に含有せ
しめることによって、目的とする優れた近赤外線吸収材
料が得られることを見出だし本発明を完成した。
量部に対し、(B) 下記一般式(I) (R−X)nCu (I) 〔式中、R は水素、アルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基、アラルキル基及び複素環残基(各基は1個以
上の置換基を有していても良い)から成る群から選ばれ
る一価基,X は−COO,−SO4,−SO3,−PO4,−O 、n は1
〜4の整数〕で表わされる銅化合物、クロロフィル銅、
銅クロロフィリンナトリウム及びビスアセチルアセトナ
ート銅より成る群から選ばれる少なくとも一種の銅化合
物0.05〜5重量部、(C) 下記一般式(II)
ロアルキル基、アリール基、アラルキル基及び5員又は
6員の複素環残基から成る群から選ばれる一価基を表わ
し、各基は1個以上の置換基を有していても良く、R1と
R2又はR2とR3は連結して環を形成しても良い) で示され
るチオ尿素誘導体及び下記一般式(III)
ルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキ
ル基及び5員又は6員の複素環残基から成る群から選ば
れた一価基を表わし、R5は更にアルコキシ基をも表わ
し、各基は1個以上の置換基を有していても良く、R4と
R5は連結して環を形成しても良い) で示されるチオアミ
ド誘導体から選ばれる少なくとも1種0.05〜50重量部を
含有して成ることを特徴とする近赤外線吸収スチレン系
樹脂組成物に関する。又本発明は、前記の組成から成る
近赤外線吸収スチレン系樹脂組成物がシート又はフィル
ム状に成形されて成る近赤外線吸収スチレン系樹脂成形
体に関する。
は、スチレン系単量体並びに該単量体と共重合可能な他
のビニル単量体から成るそれぞれの群から選ばれる少な
くとも一種の単量体を用い、更に必要に応じて、ゴム状
物質をも存在させて得られるものが示されるが、それら
のうち、まずスチレン系単量体とは、スチレン、α−メ
チルスチレン、及びベンゼン核の水素原子がハロゲン原
子や炭素数1〜2のアルキル基で置換されたスチレン誘
導体などを総称するものである。かかるスチレン系単量
体として代表的なものを例示すれば、スチレン、o−ク
ロルスチレン、p−メチルスチレン、 2,4−ジメチルス
チレン又はt−ブチルスチレン等である。
量体として代表的なものには、(メタ)アクリロニトリ
ル、α−クロロアクリロニトリル若しくはシアン化ビニ
リデンの如きアクリロニトリル系単量体;(メタ)アク
リル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリ
ル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキ
シルブチル若しくは(メタ)アクリル酸−β−ヒドロキ
シエチルの如き(メタ)アクリル酸、及びそれらの各種
エステル酸;或は酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、ビニルピロリドン、(メタ)アクリルアミド、無
水マレイン酸、無水イタコン酸、又はマレイミドをはじ
め、ビニルケトン類、又はビニルエーテル類等がある。
ものにはポリブタジエン・ゴム、スチレン・ブタジエン
・スチレンブロック共重合ゴム、エチレン・プロピレン
ターポリマー系ゴム、ブタジエン・アクリロニトリル共
重合ゴム、ブチルゴム、アクリル系ゴム、スチレン・イ
ソブチレン・ブタジエン共重合ゴム、又はイソプレン・
アクリル酸エステル系共重合ゴムをはじめとするイソプ
レン若しくはクロロプレンの如き共役 1,3−ジエン系単
量体を用いて得られるゴム等があるが、これらは一種或
は二種以上の組合わせで用いられる。また、これらのス
チレン系樹脂は、乳化・塊状懸濁あるいは連続塊状等ど
んな重合方法で製造されたものでも良い。
で示される銅化合物として、下記のものを例示できる
が、これらに限定されるものではない。 ステアリン酸銅、パナミチン酸銅、オレイン酸銅、ベヘ
ン酸銅、ラウリル酸銅、カプリン酸銅、カプロン酸銅、
吉草酸銅、イソ酪酸銅、酪酸銅、プロピオン酸銅、酢酸
銅、ギ酸銅、水酸化銅、安息香酸銅、オルトトルイル酸
銅、メタトルイル酸銅、パラトルイル酸銅、パラターシ
ャリブチル安息香酸銅、オルトクロル安息香酸銅、ジク
ロル安息香酸銅、トリクロル安息香酸銅、p−ブロム安
息香酸銅、p−ヨード安息香酸銅、o−ベンゾイル安息
香酸銅、p−ニトロ安息香酸銅、アントラニル酸銅、p
−アミノ安息香酸銅、シュウ酸銅、マロン酸銅、コハク
酸銅、グルタル酸銅、アジピン酸銅、ピメリン酸銅、ス
ベリン酸銅、アゼライン酸銅、セバシン酸銅、フタル酸
銅、モノエステルフタル酸銅、ナフテン酸銅、ナフタリ
ンカルボン酸銅、酒石酸銅、ジフェニルアミン−2−カ
ルボン酸銅、4−シクロヘキシル酪酸銅、ジエチルジチ
オカルバミン酸銅、グルコン酸銅、ジエトキシ銅、ジ−
i−プロポキシ銅、オクチル酸銅、アルキルベンゼンス
ルホン酸銅、p−トルエンスルホン酸銅、ナフタリンス
ルホン酸銅、ナフチルアミンスルホン酸銅、n−ドデシ
ルベンゼンスルホン酸銅、ドデシル硫酸銅、 2,5−ジメ
チルベンゼンスルホン酸銅、2−カルボメトキシ−5−
メチルベンゼンスルホン酸銅、α−ナフチルリン酸銅、
ジ−2−エチルヘキシルリン酸銅、イソデシルリン酸
銅。
チオ尿素誘導体として以下のものを例示できるが、これ
らに限定されるものではない。 1−エチル−3−フェニルチオウレア、 1,3−ジフェニ
ルチオウレア、 1,3−ジエチルチオウレア、1−エチル
−3−p−クロロフェニルチオウレア、1−エチル−3
−(2−ヒドロキシエチル)チオウレア、1−(2−チ
アゾリル)−3−フェニルチオウレア、 1,3−ジステア
リルチオウレア、 1,3−ジベヘニルチオウレア、1−エ
チルチオウレア、1−p−ブロモフェニル−3−フェニ
ルチオウレア、1−(2−チオフェニル)−3−フェニ
ルチオウレア、 1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)チ
オウレア、1−p−アミノフェニル−3−フェニルチオ
ウレア、1−p−ニトロフェニル−3−フェニルチオウ
レア、1−p−ヒドロキシフェニル−3−フェニルチオ
ウレア、 1,3−ジ−m−クロルフェニルチオウレア、エ
チレンチオウレア、チオウレア、1−メチル−3−p−
ヒドロキシフェニルチオウレア、1−フェニルチオウレ
ア、1−m−ニトロフェニルチオウレア、1−p−ニト
ロフェニルチオウレア、1−p−アミノフェニルチオウ
レア、 1,3−ジメチルチオウレア、 1,3−ジシクロヘキ
シルチオウレア、1−フェニル−3−p−クロロフェニ
ルチオウレア、1−フェニル−3−p−メトキシフェニ
ルチオウレア、 1,1−ジフェニルチオウレア、 1,1−ジ
ベンジル−3−フェネチルチオウレア、1−フェニル−
3−(2−ヒドロキシエチル)チオウレア。
チオアミド誘導体として以下のものを例示できるが、こ
れらに限定されるものではない。 N−メチルチオベンツアミド、N−フェニルチオベンツ
アミド、N−エチルチオエチルアミド、N−エチルチオ
−p−クロルベンツアミド、N−プロピルチオベンツア
ミド、N−エチルチオステアリルアミド、N−1−(2
−チアゾリル)チオベンツアミド、N−ステアリルチオ
ステアリルアミド、N−ベヘニルチオベヘニルアミド、
チオアセトアミド、N−フェニル−チオ−p−ブロモベ
ンツアミド、N−1−(2−チオフェニル)チオベンツ
アミド、N−ベヘニルチオアセトアミド、N−p−アミ
ノフェニルチオベンツアミド、N−p−ニトロフェニル
チオベンツアミド、N−p−ヒドロキシフェニルチオベ
ンツアミド、N−m−クロルフェニルチオベンツアミ
ド、チオニコチン酸アミド、チオアセトアニリド、O−
エチル−N−フェニル(チオカルバマート)、チオベン
ツアミド、チオ−m−ニトロベンツアミド、チオ−p−
ニトロベンツアニド、チオ−p−アミノベンツアミド、
N−メチルチオアセトアミド、N−シクロヘキシルベン
ツアミド、N−クロロフェニルチオベンツアミド、N−
p−メトキシフェニルチオベンツアミド、N−ステアリ
ルチオベンツアミド。
尿素誘導体又は(及び)チオアミド誘導体は、可視及び
近赤外域の透過率の設定によって含有させる量を変化さ
せることができる。銅化合物の添加量は、スチレン系樹
脂 100重量部に対して0.05〜5重量部、好ましくは0.05
〜 2.5重量部である。また、チオ尿素誘導体の添加量
は、スチレン系樹脂 100重量部に対して0.05〜50重量
部、好ましくは0.05〜10重量部である。また、チオアミ
ド誘導体の添加量は、スチレン系樹脂100重量部に対し
て0.05〜50重量部、好ましくは0.05〜10重量部である。
また、同じ含有量でも透過率は本発明で得られる樹脂材
料が例えば板であるとき、その板厚によって変化するの
で、最終的には設定した板厚における透過率が得られる
様に含有量を決定する必要がある。
又は(及び)チオアミド誘導体の添加量がスチレン系樹
脂 100重量部に対してそれぞれ0.05重量部未満の場合に
は、近赤外線吸収能の向上が十分でなく、一方銅化合物
の添加量がスチレン系樹脂 100重量部に対して5重量部
を超える場合には、近赤外線吸収能の向上は見られず、
又チオ尿素誘導体又は(及び)チオアミド誘導体の添加
量がスチレン系樹脂 100重量部に対して50重量部を超え
る場合には、近赤外線吸収能の向上が見られず、材料中
にヘイズが発生する恐れがある。なお上記成分の他に、
必要に応じて一般に使用されている添加剤、例えば難燃
剤、熱安定剤、抗酸化剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑
剤、着色剤、無機充填剤、ガラス繊維等の補強材等を配
合することもできる。
誘導体、チオアミド誘導体、銅化合物の混合方法として
は、特別な手段、混合順序を要することなく、汎用の混
合装置、例えば熱ロール、バンバリーミキサー又は押出
機により容易に製造できる。フィルム又はシートは、通
常の製造法によって製造されたもので良い。押出機によ
るTダイ法、インフレーション成形法、カレンダー成形
法、圧縮成形法によって製造できる。フィルム又はシー
トの厚さは、特に制限はないが、0.01〜10mmの範囲内で
あるのが好ましい。なお、更にシートの強度を増加した
り、模様を付ける時は、例えば約5mm角の格子状にガラ
スフィラメントヤーンを編織したガラス繊維ネットやス
テンレス製金網を内部に含有させて成形しても良い。
ロフィル銅、銅クロロフィリンナトリウム、ビスアセチ
ルアセトナート銅と一般式(II)のチオ尿素誘導体また
は一般式(III)のチオアミド誘導体とを含有した混合物
をスチレン系樹脂に上記混合方法により加熱混練するこ
とによって 800〜2000nmの全域にわたりほぼ一様に近赤
外線を吸収するようになる。その理由は明らかでない
が、以下に示す実施例及び比較例から明らかなように、
チオ尿素誘導体、チオアミド誘導体或は銅化合物をそれ
ぞれ単独でスチレン系樹脂に加熱混練しても 800〜2000
nmの近赤外領域全域に渡りほぼ一様に且つ強度に近赤外
線を吸収することはなく、単にスチレン系樹脂、チオ尿
素誘導体、チオアミド誘導体と銅化合物とを混合しただ
けでも同様であることからすれば、チオ尿素誘導体又は
チオアミド誘導体と銅化合物とを含有した混合物を、ス
チレン系樹脂に上記混合方法により加熱混練することに
より、チオ尿素誘導体又はチオアミド誘導体と銅化合物
との間で何らかの反応が起き、コンプレックス(錯体)
が生じていることによると推定される。
るが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではな
い。尚、実施例中の添加割合は全て重量部を示す。
は、分光光度計((株)日立製作所製:323型) で測
定した。近赤外線吸収性の判定は、900 、1000、1100、
1500nmの各波長の吸収値の平均が80%以上のものを◎、
60%以上を○、30%以上を△、30%以下を×とした。
定性を下記の方法で測定した。
80℃、 100%RHのオーブン中に480時間放置した後、
近赤外線吸収性を再度分光光度計 (1000nm) で測定し
た。その保存性は、下記式により算出した結果で評価し
た。
外線)テスター(大日本プラスチックス(株)製超促進
耐光試験機)で 200時間光照射した後、近赤外線吸収性
を再度分光光度計 (1000nm) で測定した。その保存性
は、下記式により算出した結果で評価した。
設定温度で滞留時間20分後に成形を実施し、得られたサ
ンプルの色調変化を日本電色(株)製色差計にて測定
し、L.a.b.法により色差(ΔE)を求め、以下のように
判定した。 ◎:優良 ○:良好 △:ヤケ無(黄色変化大) ×:ヤケ有実施例1〜23 表1、表2に示す組合わせのチオ尿素化合物2重量部と
銅化合物 0.2重量部とをポリスチレン樹脂 100重量部に
添加し、タンブラーミキサーで20分間混合し、40mmφ押
出成型機によって 220℃で混練後、ペレットにした。次
いでこのペレットを乾燥し、射出成型機を用いて厚さ3
mmのヘイズのない緑色の透明樹脂板を作製した。得られ
たこれらの板について透過スペクトルを測定した。表5
に結果を示すが、近赤外域の吸収性に優れていた。
物とをポリスチレン樹脂 100重量部に添加し、タンブラ
ーミキサーで20分間混合し、40mmφ押出成型機によって
220℃で混練後、ペレットにした。次いでこのペレット
を乾燥し、射出成型機を用いて厚さ3mmのヘイズのない
緑色の透明樹脂板を作製した。得られたこれらの板につ
いて透過スペクトルを測定した。表6に結果を示すが、
近赤外域の吸収性に優れていた。
合物 0.2重量部とをポリスチレン樹脂 100重量部に添加
し、タンブラーミキサーで20分間混合し、40mmφ押出成
型機によって 220℃で混練後、ペレットにした。次いで
このペレットを乾燥し、射出成型機を用いて厚さ3mmの
ヘイズのない緑色の透明樹脂板を作製した。得られたこ
れらの板について透過スペクトルを測定した。表6に結
果を示すが、近赤外域の吸収性に優れていた。
物 0.2重量部とをスチレン系樹脂 100重量部に添加し、
タンブラーミキサーで20分間混合し、40mmφ押出成形機
によって 220℃で混練後、ペレットにした。次いでこの
ペレットを乾燥し、射出成形機を用いて厚さ3mmのヘイ
ズのない緑色の透明樹脂板を作製した。得られたこれら
の板について透過スペクトルを測定した。表6に結果を
示すが、近赤外域の吸収性に優れていた。
間混合し、40mmφ押出成形機によって 220℃でTダイ成
形法により1mm厚にシート化した。冷却ロールの温度は
95℃であった。得られた近赤外線吸収性シートの遮熱効
果を図1に示した装置を用いて測定した。1は60Wの白
熱電球、2は測定試料、3は精密温度計である。その結
果は図2の通りであった。近赤外線吸収性シートの遮熱
効果を図中のAで示すが、同図に示す近赤外線吸収剤を
含まない通常のポリスチレン樹脂の遮熱効果を示したB
との比較から、近赤外域の遮熱能に優れていることがわ
かる。また、得られた透明樹脂シートの透過スペクトル
を図3中のAで示すが、同図に示す近赤外線吸収剤を含
まない通常のポリスチレン樹脂シートの透過スペクトル
Bとの比較から分かるように、この樹脂シートは可視域
の光は比較的よく透過するが、通常のポリスチレン樹脂
シートに見られない近赤外域の吸収能に優れていた。
くは銅化合物を各々単独でポリスチレン樹脂 100重量部
に添加し、タンブラーミキサーで20分間混合し、40mmφ
押出成型機によって 220℃で混練後、ペレットにした。
次いでこのペレットを乾燥し、射出成型機を用いて厚さ
3mmのヘイズのない緑色の透明樹脂板を作製した。得ら
れたこれらの板について透過スペクトルを測定し、表6
に結果を示すが、全て30%以下の近赤外線吸収性しかな
かった。
オアミド化合物と銅化合物とを混練したスチレン系樹脂
のシートは、強い近赤外線吸収性シートとなることが明
らかである。また、この近赤外線吸収性は、加熱や加湿
或は露光によって殆ど低下せず、取扱いや保存の環境条
件の変化に対し安定性が高いものであることが判る。
尚、チオ尿素化合物又はチオアミド化合物或は銅化合物
とを単独に混練したスチレン系樹脂のシートは、近赤外
線吸収性を実質的に示さなかった。
成物を加熱混練し、シート又はフィルム状に成形されて
成る樹脂材料は褪色などの不安定性はなく、暗所に長期
間放置により褪色するというフォトクロミズムも見られ
ず、優れた近赤外線吸収性を示すので、光学的フィルタ
ー、熱線吸収性グレージング材等として工業的に有用で
ある。また、得られた近赤外線吸収シートは 800〜2000
nmの近赤外領域全域に渡る強い吸収性を有している。こ
れらの性質を利用することによって近赤外線カットフィ
ルターなどの光学材料、記録材料、熱線遮蔽材料、蓄熱
材料、近赤外線検出センサー等として利用できる。本発
明の組成物は、金属を含んでいるにもかかわらず、着色
が少ないから、これらを含有したシート、フィルム等の
成型体は外観が優れたものとなる。
置の概略図である。
Claims (2)
- 【請求項1】(A) スチレン系樹脂 100重量部に対し、 (B) 下記一般式(I) (R−X)nCu (I) 〔式中、R は水素、アルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基、アラルキル基及び複素環残基(各基は1個以
上の置換基を有していても良い)から成る群から選ばれ
る一価基,X は−COO,−SO4,−SO3,−PO4,−O 、n は1
〜4の整数〕で表わされる銅化合物、クロロフィル銅、
銅クロロフィリンナトリウム及びビスアセチルアセトナ
ート銅より成る群から選ばれる少なくとも一種の銅化合
物0.05〜5重量部、 (C) 下記一般式(II) 【化1】 (R1, R2, R3は、水素、アルキル基、シクロアルキル
基、アリール基、アラルキル基及び5員又は6員の複素
環残基から成る群から選ばれる一価基を表わし、各基は
1個以上の置換基を有していても良く、R1とR2又はR2と
R3は連結して環を形成しても良い) で示されるチオ尿素
誘導体及び下記一般式(III) 【化2】 (R4, R5は、水素、アルキル基、アルケニル基、
シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及び5員
又は6員の複素環残基から成る群から選ばれた一価基を
表わし、R5は更にアルコキシ基をも表わし、各基は1個
以上の置換基を有していても良く、R4とR5は連結して環
を形成しても良い) で示されるチオアミド誘導体から選
ばれる少なくとも1種0.05〜50重量部を含有して成るこ
とを特徴とする近赤外線吸収スチレン系樹脂組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載の近赤外線吸収スチレン系
樹脂組成物がシート又はフィルム状に成形されて成る近
赤外線吸収スチレン系樹脂形成体。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP33197591A JP3088161B2 (ja) | 1991-12-16 | 1991-12-16 | 近赤外線吸収スチレン系樹脂組成物及びその成形体 |
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---|---|---|---|
JP33197591A JP3088161B2 (ja) | 1991-12-16 | 1991-12-16 | 近赤外線吸収スチレン系樹脂組成物及びその成形体 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2001077250A1 (fr) * | 2000-04-10 | 2001-10-18 | Kureha Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | Composition et materiau optique absorbant le proche infrarouge |
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1991
- 1991-12-16 JP JP33197591A patent/JP3088161B2/ja not_active Expired - Fee Related
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