JP3279415B2 - 近赤外線吸収透明樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

近赤外線吸収透明樹脂組成物およびその成形体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は近赤外線吸収材料に関す
る。近赤外線吸収材料は、最近とくに研究開発が盛んに
行われている機能材料であり、近赤外領域の波長を有す
る半導体レーザー光等を光源とする感光材料、光ディス
ク用記録材料などの光学材料、熱線吸収性グレージング
材料として利用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来、近赤外線吸収性の光透過性材料と
しては、米国特許第3692688 号明細書に示されるように
六塩化タングステン(WCl6) と塩化スズ(SnCl2・2H2O)
をメタクリル酸メチルシラップ(モノマー)に溶解して
重合して得られる実質的にヘイズのない近赤外線吸収能
に優れた材料が知られている。
【0003】更に、このほか、これまでに開発された近
赤外線吸収材料としては、特公昭60−42269 号公報にク
ロム、コバルト錯塩、特開昭60−21294 号公報にチオー
ルニッケル錯体、特開昭61−115958号公報にアントラキ
ノン誘導体、特開昭61−218551号公報には 700〜800nm
の領域に極大吸収波長のある新規スクアリリウム化合物
が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の近赤外線吸収材
料は、有機系のものは耐久性が悪く環境条件の変化や時
間の経過にともなって初期の能力が劣化してくるという
問題点があり、一方錯体系のものは耐久性があるが近赤
外部のみならず可視部にも吸収があり化合物そのものが
強く着色しているものが多く用途が制限されてしまうと
いった問題があった。更にどちらの系のものも特定の波
長において吸収ピークがみられ、そのピークからはずれ
た波長では殆ど吸収能はないものであった。これらの素
材を利用して、たとえば近赤外部の波長を有するレーザ
ー光を光源とする記録体を考えると、レーザーの波長と
材料の吸収ピークを合わせる必要がある。しかし、レー
ザーの波長も近赤外吸収材料の吸収波長も限られたもの
しか得られないから、レーザーの波長と近赤外線吸収材
料の吸収ピークが合致する組み合わせは極く限られたも
のにならざるを得なかった。
【0005】また、上記従来技術のWCl6と SnCl2・2H2O
をメタクリル酸メチルシラップに溶解した組成物は濃青
色に発色し近赤外線をよく吸収する性質を持っている
が、暗所で長期間放置の間に褪色するという問題点を有
していた。このように緩やかに進行するフォトクロミズ
ムなどは一定の品質を備えた光学フィルターや熱線吸収
性グレージングなどの工業製品を提供する上で好ましく
ない問題点であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
を重ねた結果、硫化鉛、又は硫化鉛とチオ尿素誘導体及
び/又はアミド誘導体とを請求項1に記載した(A)の
樹脂中に含有せしめることによって800〜2000nmの近赤
外領域全体に一様に吸収がみられ、着色が少なくかつ耐
久性が優れた近赤外線吸収材料が得られることを見出し
本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明は、(A)ポリカーボネート系
樹脂、スチレン系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂、
塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリスルホン系
樹脂又はポリアリレート系樹脂(以下、これらを
「(A)成分の樹脂」と称する)100重量部に対し、(B)
粒径が平均8〜12μmで粒径20μm以上の粒子が存在し
ない硫化鉛0.01〜5重量部を配合してなる近赤外線吸収
能に優れた樹脂組成物に関する。
【0008】また、本発明は、(A)ポリカーボネート系
樹脂、スチレン系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂、
塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリスルホン系
樹脂又はポリアリレート系樹脂100重量部に対し、(B)
径が平均8〜12μmで粒径20μm以上の粒子が存在しな
硫化鉛0.01〜5重量部、(C)下記の一般式(I)
【0009】
【化3】
【0010】(R1、R2、R3は、水素、アルキル基、シク
ロアルキル基、アリール基、アラルキル基および5員又
は6員の複素環残基からなる群から選ばれた一価基を表
し、各基は置換基として塩素原子、臭素原子、ヒドロキ
シル基、アミノ基、ニトロ基又はメトキシ基を有してい
てもよく、R1とR2またはR2とR3は連結して環を形成して
もよい) で表される化合物の中から選択された少なくとも1種の
チオ尿素誘導体 0.001〜1重量部及び/又は下記の一般
式(II)
【0011】
【化4】
【0012】(R4、R5は、水素、アルキル基、アルケニ
ル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基お
よび5員又は6員の複素環残基からなる群から選ばれた
一価基を表すか、又はR5はアルコキシ基を表し、各基
換基として塩素原子、臭素原子、ヒドロキシル基、ア
ミノ基、ニトロ基又はメトキシ基を有していてもよく、
R4とR5は連結して環を形成してもよい) で表される化合物の中から選択された少なくとも1種の
アミド誘導体 0.001〜1重量部を配合してなる近赤外線
吸収能に優れた樹脂組成物に関する。
【0013】更に、本発明は、これらの近赤外線吸収能
に優れた樹脂組成物シート、フィルム状に成形されて
なる近赤外線吸収樹脂成形体に関する。
【0014】本発明において用いられる(A)成分の樹
脂は、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、メタ
クリル酸エステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリオレ
フィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、不飽和ポリエステ
ル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂
である
【0015】ポリカーボネート系樹脂とは、2価フェノ
ールとカーボネート前駆体とを溶液法または溶融法で反
応せしめて製造されたものであり、2価フェノールの代
表的な例をあげると、2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン〔ビスフェノールA〕、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)メタン、1,1 −ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン、2,2 −ビス(4−ヒドロキ
シ−3,5 −ジメチルフェニル)プロパン、2,2 −ビス
(4−ヒドロキシ−3,5 −メチルフェニル)プロパン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等があげられる。
好ましい2価フェノールは、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)アルカン系、特にビスフェノールAを主原料とす
るものである。また、カーボネート前駆体としてはカル
ボニルハライド、カルボニルエステルまたはハロホルメ
ート等があげられ、具体的にはホスゲン、ジフェニルカ
ーボネート、2価フェノールのジハロホルメートおよび
これらの混合物である。
【0016】スチレン系樹脂とは、スチレン系単量体並
びに該単量体と共重合可能な他のビニル単量体からなる
それぞれの群から選ばれる少なくとも一種の単量体を用
い、更に必要に応じて、ゴム状物質をも存在させて得ら
れるものであり、スチレン系単量体とはスチレン、α−
メチルスチレン、およびベンゼン核の水素原子がハロゲ
ン原子や炭素数1〜2のアルキル基で置換されたスチレ
ン誘導体などを総称するものであり、かかるスチレン系
単量体として代表的なものを例示すれば、スチレン、o
−クロルスチレン、p−メチルスチレン、2,4 −ジメチ
ルスチレン、またはt−ブチルスチレンなどである。ま
た、前記した共重合可能な他のビニル単量体として代表
的なものには、(メタ)アクリロニトリル、α−クロロ
アクリロニトリルもしくはシアン化ビニリデンの如きア
クリロニトリル系単量体;(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸グリシ
ジル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルブチル
もしくは(メタ)アクリル酸−β−ヒドロキシエチルの
如き(メタ)アクリル酸およびそれらの各種エステル
酸;あるいは酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、ビニルピロリドン、(メタ)アクリルアミド、無水
マレイン酸、無水イタコン酸、またはマレイミドをはじ
め、ビニルケトン類、またはビニルエーテル類などがあ
る。更に、前記したゴム状物質として代表的なものには
ポリブタジエン・ゴム、スチレン・ブタジエン・スチレ
ンブロック共重合ゴム、エチレン・プロピレンターポリ
マー系ゴム、ブタジエン・アクリロニトリル共重合ゴ
ム、ブチルゴム、アクリル系ゴム、スチレン・イソブチ
レン・ブタジエン共重合ゴム、またはイソプレン・アク
リル酸エステル系共重合ゴムをはじめとするイソプレン
もしくはクロロプレンの如き共役1,3 −ジエン系単量体
を用いて得られるゴムなどがあるが、これらは一種ある
いは二種以上の組み合わせで用いられる。
【0017】メタクリル酸エステル系樹脂とは、重合性
原料としてメタクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチ
ルを主成分とする重合性不飽和単量体により製造された
ものであり、メタクリル酸メチルと共重合可能な重合性
不飽和単量体の例としては(メタ)アクリル酸(アクリ
ル酸あるいはメタクリル酸の意。以下同様)、アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)ア
クリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テ
トラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラ(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル
酸アリル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等が具
体例として挙げることができる。重合原料としてメタク
リル酸メチルを主成分とする重合性不飽和単量体を使用
する場合、メタクリル酸メチルを50重量%以上、好まし
くは60重量%以上含むことが望ましい。重合原料として
メタクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチルを主成分
とする重合性不飽和単量体中に該単量体の重合体を含有
するシラップを得る方法としては、通常行われているよ
うに塊状予備重合により部分重合物を得る方法、あるい
は重合物を単量体に溶解する方法が挙げられ、キャステ
ィング時の注入を考慮して35重量%以下の重合体含有率
に調整することが好ましい。また、次のような代表的な
重合方法である懸濁重合、乳化重合、溶液重合を用いて
製造したメタクリル酸エステル系樹脂も使用できる。
【0018】塩化ビニル系樹脂としては、熱安定性、引
張強度、耐熱性、更には、兼価性に優れたホモ塩化ビニ
ル樹脂が望ましいが、少量のコモノマーを共重合させた
塩化ビニルを主体とする塩化ビニル系共重合体、グラフ
ト共重合体、さらには塩化ビニル系樹脂と相溶性の良い
樹脂、例えば塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、塩素化ポリエチレン等を少量含むブレンドポリ
マーでも差し支えない。更に、これらの混合物も有用で
ある。
【0019】ポリオレフィン系樹脂とは、α−オレフィ
ンの単独重合体、α−オレフィンを主成分とする異種単
量体との共重合体であり、例えばポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−
ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン
共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
アクリル酸共重合体等が挙げられる。これらのうち、密
度が 0.910〜0.935 の低密度ポリエチレンやエチレン−
α−オレフィン共重合体及び酢酸ビニル含有量が30重量
%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体が透明性や耐候
性や価格の点から農業用フィルムとして好ましい。さら
に、酢酸ビニル含有量が5重量%以上、30重量%以下の
エチレン−酢酸ビニル共重合体はこれらのうちでも透明
性、柔軟性、耐候性等の点でより好ましい。
【0020】ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、
不飽和ポリエステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリ
アリレート系樹脂としては、ナイロン−6、ナイロン−
66、ナイロン−12、ナイロン−46、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリア
クリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレ
ート、ポリスルホン等が例示できる。
【0021】本発明に使用する硫化鉛は、常法により製
造された粉末状のものであればよく、その平均粒径が12
μm 以下であり、10μm 以下であることが好ましく、20
μm以上の粒子が存在しないことが好ましい。平均粒径
が該範囲を越えると得られる成形体の外観を悪化させ、
表面凹凸による平行光線透過性を悪化させるのみなら
ず、成形体物性と近赤外線吸収性も低下するので好まし
くない。
【0022】本発明で使用する一般式(I)で示される
チオ尿素誘導体としては、例えば、1−エチル−3−フ
ェニルチオウレア、1,3 −ジフェニルチオウレア、1,3
−ジエチルチオウレア、1−エチル−3−p−クロロフ
ェニルチオウレア、1−エチル−3−(2−ヒドロキシ
エチル)チオウレア、1−(2−チアゾリル)−3−フ
ェニルチオウレア、1,3 −ジステアリルチオウレア、1,
3 −ジベヘニルチオウレア、1−エチルチオウレア、1
−p−ブロモフェニル−3−フェニルチオウレア、1−
(2−チオフェニル)−3−フェニルチオウレア、1,3
−ビス(2−ヒドロキシエチル)チオウレア、1−p−
アミノフェニル−3−フェニルチオウレア、1−p−ニ
トロフェニル−3−フェニルチオウレア、1−p−ヒド
ロキシフェニル−3−フェニルチオウレア、1,3 −ジ−
m−クロルフェニルチオウレア、エチレンチオウレア、
チオウレア、1−メチル−3−p−ヒドロキシフェニル
チオウレア、1−フェニルチオウレア、1−m−ニトロ
フェニルチオウレア、1−p−ニトロフェニルチオウレ
ア、1−p−アミノフェニルチオウレア、1,3 −ジメチ
ルチオウレア、1,3 −ジシクロヘキシルチオウレア、1
−フェニル−3−p−クロロフェニルチオウレア、1−
フェニル−3−p−メトキシフェニルチオウレア、1,1
−ジフェニルチオウレア、1,1 −ジベンジル−3−フェ
ネチルチオウレア、1−フェニル−3−(2−ヒドロキ
シエチル)チオウレアなどが例示できるが、これらに限
定されるものではない。
【0023】本発明で使用する一般式(II)で示される
アミド誘導体としては、例えば、N−メチルベンツアミ
ド、N−フェニルベンツアミド、N−フェニルステアリ
ルアミド、N−エチルエチルアミド、N−エチル−p−
クロルベンツアミド、N−プロピルベンツアミド、N−
エチルステアリルアミド、N−1−(2チアゾリル)ベ
ンツアミド、N−ステアリルステアリルアミド、N−ベ
ヘニルベヘニルアミド、アセトアミド、N−フェニル−
p−ブロモベンツアミド、N−ベヘニルアセトアミド、
N−p−アミノフェニルベンツアミド、N−p−ニトロ
フェニルベンツアミド、N−p−ヒドロキシフェニルベ
ンツアミド、N−m−クロルフェニルベンツアミド、ニ
コチン酸アミド、アセトアニリド、o−エチル−N−フ
ェニル(カルバマート)、ベンツアミド、m−ニトロベ
ンツアミド、p−ニトロベンツアミド、p−アミノベン
ツアミド、N−メチルアセトアミド、N−シクロヘキシ
ルベンツアミド、N−クロロフェニルベンツアミド、N
−p−メトキシフェニルベンツアミド、N−ステアリル
ベンツアミドなどが例示できるが、これらに限定される
ものではない。
【0024】本発明において用いられる硫化鉛、チオ尿
素誘導体及びアミド誘導体は、可視および近赤外域の透
過率の設定によって含有させる量を変化することができ
る。硫化鉛の添加量は、(A)成分の樹脂 100重量部に
対して0.01〜5重量部、好ましくは0.02〜3.0 重量部で
ある。チオ尿素誘導体及びアミド誘導体の添加量は、そ
れぞれ(A)成分の樹脂 100重量部に対して0.001 〜1
重量部、好ましくは0.002 〜0.5 重量部である。また、
同じ含有量でも透過率は本発明で得られる樹脂材料が例
えば板であるとき、その板厚によって変化するので最終
的には、設定した板厚における透過率が得られるように
含有量を決定することができる。
【0025】本発明において(A)成分の樹脂 100重量
部に対して硫化鉛の添加量が0.01重量部未満で、チオ尿
素誘導体及びアミド誘導体の添加量が 0.001重量部未満
の場合には、近赤外線吸収能の向上が十分でなく、一方
硫化鉛の添加量が5重量部を越える場合、チオ尿素誘導
体又はアミド誘導体の添加量が1重量部を越える場合に
は近赤外線吸収能の向上は見られず、材料中にヘイズが
発生する恐れがある。
【0026】なお上記成分の他に、必要に応じて硫化鉛
の分散をより良好にするために、例えばソルビタンモノ
ステアレートのようなソルビタン脂肪酸エステルやグリ
セリンモノステアレートのようなグリセリン脂肪酸エス
テルなどの分散剤を本発明の組成物に対して添加して用
いることも有効であり、また適当な添加剤、例えば難燃
剤、熱安定剤、抗酸化剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑
剤、着色剤、無機充填剤、ガラス繊維等の補強材などを
配合することもできる。
【0027】本発明における(A)成分の樹脂、硫化
鉛、チオ尿素誘導体及び/又はアミド誘導体の混合方法
としては、特別な手段、順序を要することなく、慣用の
混合装置、例えば、熱ロール、バンバリーミキサーまた
は押出機により容易に製造できる。
【0028】フィルムまたはシートは、通常の製造法に
よって製造されたもので良い。押出機によるTダイ法、
インフレーション成形法、カレンダー成形法、圧縮成形
法によって製造できる。
【0029】フィルムまたはシートの厚さは、特に制限
はないが、0.01〜10mmの範囲内であるのが好ましい。な
お、更にシートの強度を増加したり、模様を付けるとき
は、例えば約5mm角の格子状にガラスフィラメントヤー
ンを編織したガラス繊維ネットやステンレス製金網を内
部に含有させて成形してもよい。
【0030】
【作用】上記の如く、平均粒径が8〜12μmで粒径20μ
m以上の粒子が存在しない硫化鉛、または硫化鉛とチオ
尿素誘導体及び/又はアミド誘導体とを含有した(A)
成分の樹脂に上記混合方法により加熱混練することによ
って 800〜2000nmの全域にわたりほぼ一様に近赤外線を
吸収するようになるが、その詳しい作用機構は明らかで
ない。
【0031】
【実施例】以下に実施例を掲げて、本発明の詳細を述べ
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、
以下の例における添加割合は全て重量部を示す。
【0032】また、得られた樹脂材料の透過スペクトル
は、分光光度計((株)日立製作所製:323型)で測
定した。
【0033】近赤外線吸収能の判定は、 900、1000、11
00、1500nmの各波長の吸収値の平均が80%以上のものを
◎、60%以上のものを○、30%以上を△、30%以下を×
とした。
【0034】近赤外線吸収能の熱、湿度、光に対する安
定性を下記の方法で測定した。耐熱性、耐湿性:近赤外
線吸収性シートを80℃、 100%RHのオーブン中に480時
間放置した後、近赤外線吸収性を再度分光光度計(1000
nm)で測定した。その保存性は、下記式により算出した
結果で評価した。
【0035】
【数1】
【0036】耐光性:近赤外線吸収性シートをUVテス
ター(大日本プラスチックス(株)製、超促進耐光試験
機)で 200時間光照射した後、近赤外線吸収性を再度分
光光度計(1000nm)で測定した。その保存性は、下記式
により算出した結果で評価した。
【0037】
【数2】
【0038】熱安定性:射出成形機を用いてポリカーボ
ネート系樹脂は 280℃、ポリスチレン系樹脂及びメタク
リル酸エステル系樹脂は 230℃、塩化ビニル系樹脂及び
ポリオレフィン系樹脂は 150℃の設定温度で滞留時間20
分後成形を実施し、得られたサンプルの色調変化を色差
計 (日本電色(株)製) にて測定し、L.a.b.法により色
差(ΔE)を求め、以下のように判定した。
【0039】◎:優秀 ○:良好 △:ヤケ無(黄色変化大) ×:ヤケ有 実施例1〜18 表1に示す組み合わせと重量部で平均粒径8μmの硫化
鉛などをビスフェノールAからなるポリカーボネート樹
脂 100重量部に添加し、タンブラーミキサーで20分間混
合し、40mmφ押出成型機によって 300℃で混練後、ペレ
ットにした。次いでこのペレットを乾燥し、射出成型機
を用いて厚さ3mmのヘイズのない青色の透明樹脂板を作
成した。得られたこれらの板について透過スペクトルを
測定し、表4に 800〜2000nmにおける結果を示すが、近
赤外域の吸収能に優れていた。
【0040】実施例19〜23 表2に示す組み合わせと重量部で平均粒径8μmの硫化
鉛などをポリスチレン樹脂及びアクリロニトリル−スチ
レン共重合体 100重量部に添加し、タンブラーミキサー
で20分間混合し、40mmφ押出成型機によって 220℃で混
練後、ペレットにした。次いでこのペレットを乾燥し、
射出成型機を用いて厚さ3mmのヘイズのない青色の透明
樹脂板を作成した。得られたこれらの板について透過ス
ペクトルを測定し、表4に 800〜2000nmにおける結果を
示すが、近赤外域の吸収能に優れていた。
【0041】実施例24〜26 表2に示す組み合わせと重量部で平均粒径8μmの硫化
鉛などをメタクリル酸メチル樹脂 100重量部に添加し、
タンブラーミキサーで20分間混合し、40mmφ押出成型機
によって 220℃で混練後、ペレットにした。次いでこの
ペレットを乾燥し、射出成型機を用いて厚さ3mmのヘイ
ズのない青色の透明樹脂板を作成した。得られたこれら
の板について透過スペクトルを測定し、表4、5に 800
〜2000nmにおける結果を示すが、近赤外域の吸収能に優
れていた。
【0042】実施例27〜29 表2に示す組み合わせと重量部で平均粒径8μmの硫化
鉛などを塩化ビニル樹脂(重合度P=1000)100 重量部
に添加し、その他の塩化ビニル樹脂添加剤として錫系安
定剤(ジブチル錫マレート)3重量部、滑剤(ステアリ
ン酸)0.8 重量部、加工助剤1重量部を添加し、タンブ
ラーミキサーで20分間混合し、40mmφ押出成型機によっ
て 170℃で混練後、ペレットにした。次いでこのペレッ
トを乾燥し、射出成型機を用いて厚さ3mmのヘイズのな
い青色の透明樹脂板を作成した。得られたこれらの板に
ついて透過スペクトルを測定し、表5に 800〜2000nmに
おける結果を示すが、近赤外域の吸収能に優れていた。
【0043】実施例30〜34 表2に示す組み合わせと重量部で平均粒径8μmの硫化
鉛などをエチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含
有量15重量%)及び低密度ポリエチレン樹脂 100重量部
に添加し、タンブラーミキサーで20分間混合し、40mmφ
押出成型機によって 170℃で混練後、ペレットにした。
次いでこのペレットを乾燥し、射出成型機を用いて厚さ
3mmのヘイズのない青色の透明樹脂板を作成した。得ら
れたこれらの板について透過スペクトルを測定し、表5
に 800〜2000nmにおける結果を示すが、近赤外域の吸収
能に優れていた。
【0044】実施例35 実施例2の配合をタンブラーミキサーで20分間混合し、
40mmφ押出成型機によって 300℃でTダイ成形法により
1mm厚にシート化した。冷却ロールの温度は、120 ℃で
あった。得られたこれらの板について透過スペクトルを
測定し、表5に 800〜2000nmにおける結果を示すが、近
赤外域の吸収能に優れていた。
【0045】比較例1〜10 表3に示す組み合わせと重量部で平均粒径8μmの硫化
鉛または金属鉛などを各々単独で樹脂 100重量部に添加
し、タンブラーミキサーで20分間混合し、40mmφ押出成
型機によって 300℃で混練後、ペレットにした。次いで
このペレットを乾燥し、射出成型機を用いて厚さ3mmの
ヘイズのない青色の透明樹脂板を作成した。得られたこ
れらの板について透過スペクトルを測定し、表5に 800
〜2000nmにおける結果を示すが、全て30%以下の近赤外
線吸収能しかなかった。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
【0051】表4、5によれば硫化鉛を混練したPC、
PS、AS、PMMA、PVC、EVA、LDPEのシ
ートは、強い近赤外線吸収性シートとなることが明らか
である。また、この近赤外線吸収性は、加熱や加湿ある
いは露光によって殆ど低下せず、取り扱いや保存の環境
条件の変化に対し安定性が高いものであることがわか
る。
【0052】金属銅を単独に混練したPC、PS、PM
MAのシートは、近赤外線吸収性を実質的に示さなかっ
た。
【0053】
【発明の効果】本発明は、以上述べたように、(A)成
分の樹脂 100重量部に対して硫化鉛0.01〜5重量部、ま
たは、硫化鉛0.01〜5重量部とチオ尿素誘導体 0.001〜
1重量部及び/又はアミド誘導体 0.001〜1重量部を加
熱混練することを特徴とする近赤外線吸収樹脂組成物お
よびシート又はフィルム状に成形されてなる近赤外線吸
収樹脂成形体であるから、得られた樹脂材料は褪色など
の不安定性はなく、暗所に長期間放置することにより褪
色するというフォトクロミズムも見られず、優れた赤外
線吸収能を示すので、光学的フィルター、熱線吸収性グ
レージング材等として工業的に有用である。
【0054】また、得られた近赤外線吸収シートは 800
〜2000nmの近赤外領域全域にわたる強い吸収性を有して
いる。これらの性質を利用することによって近赤外線カ
ットフィルターなどの光学材料、記録材料、熱線遮蔽材
料、蓄熱材料、近赤外線検出センサー等として利用でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08K 3/00 - 13/08 C08J 5/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリカーボネート系樹脂、スチレン
    系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂、塩化ビニル系樹
    脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、不飽
    和ポリエステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂又はポリア
    リレート系樹脂100重量部に対し、(B)粒径が平均8〜12
    μmで粒径20μm以上の粒子が存在しない硫化鉛0.01〜
    5重量部を配合してなる近赤外線吸収能に優れた樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 (A)ポリカーボネート系樹脂、スチレン
    系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂、塩化ビニル系樹
    脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、不飽
    和ポリエステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂又はポリア
    リレート系樹脂100重量部に対し、(B)粒径が平均8〜12
    μmで粒径20μm以上の粒子が存在しない硫化鉛0.01〜
    5重量部、(C)下記の一般式(I) 【化1】 (R1、R2、R3は、水素、アルキル基、シクロアルキル
    基、アリール基、アラルキル基および5員又は6員の複
    素環残基からなる群から選ばれた一価基を表し、各基
    換基として塩素原子、臭素原子、ヒドロキシル基、ア
    ミノ基、ニトロ基又はメトキシ基を有していてもよく、
    R1とR2またはR2とR3は連結して環を形成してもよい) で表される化合物の中から選択された少なくとも1種の
    チオ尿素誘導体 0.001〜1重量部及び/又は下記の一般
    式(II) 【化2】 (R4、R5は、水素、アルキル基、アルケニル基、シクロ
    アルキル基、アリール基、アラルキル基および5員又は
    6員の複素環残基からなる群から選ばれた一価基を表す
    か、又はR5はアルコキシ基を表し、各基は置換基として
    塩素原子、臭素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、ニト
    ロ基又はメトキシ基を有していてもよく、R4とR5は連結
    して環を形成してもよい) で表される化合物の中から選択された少なくとも1種の
    アミド誘導体 0.001〜1重量部を配合してなる近赤外線
    吸収能に優れた樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の近赤外線吸収能に
    優れた樹脂組成物シート、フィルム状に成形されてな
    る近赤外線吸収樹脂成形体。
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