JPH05162894A - 用紙搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】用紙ジャムを自動的かつ迅速に解消する。 【構成】搬送手段（１０）を含み所定方向（Ｘ１）から
供給された用紙（Ｐ）を付勢して印字部（１，２）へ搬
送するように形成された用紙搬送装置（３，１０）にお
いて、定長搬送制御手段（３１，３２），用紙検出セン
サー（２０），搬送不良判別手段（３１，３２），逆戻
制御手段（３１，３２）を設け、用紙（Ｐ）を基準位置
から所定長さ（Ｌ）だけ搬送した段階で搬送良否を自動
判別しかつ搬送不良と判別された場合にはその用紙
（Ｐ）を所定長さ（Ｌ）分だけ逆戻しすることができる
構成である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プリンタ等に利用され
る用紙搬送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図４にプリンタに使用される用紙搬送装
置の一例を示す。同図において、対向配設された印字ヘ
ッド１とプラテン２とは、印字部を形成し本体ケース５
内に格納されている。印字ヘッド１は、紙面垂直方向に
往復移動するキャリア４に取付けられている。したがっ
て、印字部１，２に用紙Ｐを給送すれば、所定の印字動
作を行える。

【０００３】ここに、印字部１，２への用紙搬送は、用
紙Ｐが連続紙の場合、搬送手段１０，用紙ガイド３等を
含む用紙搬送装置によって行われる。すなわち、搬送手
段１０は、本体１１に回動可能に装着されたフィードピ
ン１２と用紙押え１３とを含むピンフィードトラクタ型
とされ、用紙送りモータ（ＬＦモータ）３７Ｍ１を回転
駆動することによって、所定方向（図で左上方）から供
給された用紙Ｐを付勢して印字部１，２に搬送するもの
と形成されている。

【０００４】ところで、適用用紙Ｐの厚さ，曲ぐせある
いは用紙ガイド３の位置ずれ等があると、搬送された用
紙Ｐが途中でジャムしてしまうことがある。さらに、印
字部１，２の隙間が非常に小さいので、印字部１，２へ
用紙Ｐを吸込みできない場合が生じる。

【０００５】そこで、従来は、用紙ガイド３の周辺ある
いは印字部１，２の周辺に例えばリミットスイッチ等か
らなるジャム発生検出器を設け、ジャム発生が検出され
ると、搬送手段１０（３７Ｍ１）を停止し、その吸込異
常の表示や警告を行うものと構成されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構成だと、搬送手段１０（３７Ｍ１）を緊急停止する
ことによりジャムの拡大防止を図ることはできるが、そ
の後の処理に多大な労力と時間とを費やさなければなら
ない。

【０００７】すなわち、搬送手段１０の用紙押え１３を
開放し用紙Ｐを引き戻さなければならない。また、人手
による引戻作業は用紙Ｐの一部分に大きな力を加えるこ
とになるので、用紙Ｐが途中で破れてしまうことも多
い。この場合には、本体ケース５を開放して機内に残存
する用紙小片をピンセット等を用いて取り出さなければ
ならず一段と作業が煩わしいばかりか、新たな用紙Ｐを
搬送するまでの用紙掛け替えを含む復旧作業に長時間を
必要とする。

【０００８】なお、以上の問題は、搬送手段（１０）が
ピンチローラ等からなる構成の場合にも同様に生ずる。

【０００９】本発明の目的は、用紙ジャムの発生を最小
限に抑制するとともにそのジャムを自動的かつ迅速に解
消することのできる用紙搬送装置を提供することにあ
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明に係る用紙搬送装
置は、搬送手段を含み所定方向から供給された用紙を付
勢して印字部へ搬送するように形成された用紙搬送装置
において、前記搬送手段を駆動して基準位置にある用紙
を前記印字部へ向けて所定長さだけ搬送制御する定長搬
送制御手段と、搬送された用紙の先端が前記印字部に到
達したことを検出する用紙検出センサーと、該定長搬送
制御手段による用紙の所定長さ搬送制御が終了後におい
ても該用紙検出センサーで用紙が検出できなかった場合
に搬送不良と判別する搬送不良判別手段と、搬送不良と
判別された場合に該所定長さ分だけ用紙を逆戻しさせる
ように前記搬送手段を逆搬送制御する逆戻制御手段と、
を設けたことを特徴とする。

【００１１】

【作用】上記構成による本発明では、用紙搬送指令を行
うと定長搬送制御手段が搬送手段を駆動して基準位置に
ある用紙を印字部へ向けて所定長さだけ搬送制御する。
この所定搬送制御が終了しても用紙検出センサーで用紙
が検出されないと、搬送不良判別手段が途中でのジャム
発生を含む搬送不良と判別する。すると、逆戻制御手段
は搬送手段を逆動作させ定長搬送制御手段によって搬送
された長さと等しい長さ分だけ用紙を自動的に逆戻しす
る。よって、ジャム処理を自動的かつ迅速に解消でき
る。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。

【００１３】本用紙搬送装置は、基本的構成が従来例
（前出図４）と同じとされるとともに同プリンタに供さ
れるものとされ、かつ図１，図３に示す如く、定長搬送
制御手段（３１，３２）と用紙検出センサー２０と搬送
不良判別手段（３１，３２）と逆戻制御手段（３１，３
２）とを設け、発生ジャムの最小限化とジャムが発生し
た場合の処理を自動的かつ迅速に行えるように形成され
ている。

【００１４】図１において、３０は本プリンタ全体を駆
動制御する制御装置で、ＣＰＵ３１，ＲＯＭ３２，ＲＡ
Ｍ３３，ホストコンピュータとの通信用インターフェー
ス（Ｉ／Ｆ）３４，オペレータパネル３５等を含み形成
されている。この制御装置３０には、印字ヘッド３６Ｍ
用の通電回路３６，用紙送りモータ（ＬＦモータ）３７
Ｍ１やキャリアモータ（ＣＡモータ）３７Ｍ２用のモー
タ駆動回路３７が接続されている。

【００１５】まず、用紙Ｐは所定方向〔図３（Ａ）のＸ
１方向〕から搬送手段１０の所定位置つまり基準位置に
セットされる。この実施例では、この基準位置に用紙Ｐ
がセットされたか否かを自動検出するために、セット用
紙検出センサー２１が設けられている。

【００１６】一方、印字部１，２の下流側には、図３に
示すように、搬送手段１０によって搬送された用紙Ｐの
先端が印字ヘッド１とプラテン２との隙間に吸込みされ
たか否かを検出するための用紙検出センサー２０が設け
られている。

【００１７】なお、用紙検出センサー２０は、印字部
１，２の近傍であれば、その上流側に配設するようして
もよい。

【００１８】ここに、定長搬送制御手段は、基準位置に
セットされた用紙Ｐを印字部１，２へ向けて所定長さだ
け搬送するように搬送手段１０を駆動制御する手段で、
ＣＰＵ３１，ＲＯＭ３２からなり、図２に示すＳＴ１２
で実行される。

【００１９】詳しくは、図３（Ａ）に示す如く、基準位
置に配設されたセット用紙検出センサー２１と印字部
１，２に配設された用紙検出センサー２０との間の距離
Ｌつまり所定長さ（Ｌ）をＲＯＭ３２に固定データとし
て記憶させておく。

【００２０】ここで、オペレータパネル３５中の吸込キ
ー（図示省略）を押下する（図２のＳＴ１０）と、ＣＰ
Ｕ３１はセット用紙検出センサー２１がＯＮ（用紙Ｐが
基準位置にセットされている）でかつ用紙検出センサー
２０がＯＦＦ（印字部１，２に用紙Ｐが吸込まれていな
い、つまり初期状態にある。）であることを確認（ＳＴ
１１のＹＥＳ）し、定長搬送制御手段の動作を許可す
る。

【００２１】すると、定長搬送制御手段としてのＣＰＵ
３１は、記憶された所定長さＬを読み取り、当該所定長
さＬだけ用紙Ｐを搬送させるように搬送手段１０のＬＦ
モータ３７Ｍ１を回転駆動する。用紙Ｐは図３（Ａ）の
Ｘ１方向（印字部１，２に向う方向）に送られる。

【００２２】この実施例におけるＬＦモータ３７Ｍ１
は、ステッピングモータとされているので、モータ駆動
回路３７に所定数の駆動パルス信号を加えて行う。した
がって、駆動パルス信号が所定数になれば、ＬＦモータ
３７Ｍ１は自動停止され定長搬送制御が終了する（ＳＴ
１２）。

【００２３】したがって、搬送円滑ならば、図３（Ｂ）
に示すように、用紙Ｐの先端が印字部１，２へ吸込まれ
ているので、用紙検出センサー２０はＯＮとなる。しか
し、同（Ｃ）に示す如く、用紙Ｐにジャム（Ｐｊ）が発
生すると用紙検出センサー２０はＯＮとならない。

【００２４】すなわち、ＣＰＵ３１，ＲＯＭ３２からな
る搬送不良判別手段は、定長搬送制御終了後に用紙検出
センサー２０がＯＮ（ＳＴ１４のＹＥＳ）となれば、用
紙Ｐの吸込（ローディング）が良好と判別する（ＳＴ１
８）が、ＯＦＦのまま（ＳＴ１４のＮＯ）だと搬送不良
と判別する。

【００２５】なお、定長搬送制御（ＳＴ１２）の終了
後、セット用紙検出センサー２１がＯＦＦ（基準位置に
用紙Ｐがない。）となった場合（ＳＴ１３のＮＯ）、Ｃ
ＰＵ３１は用紙切れ（ペーパーエンプティー）と判断す
る（ＳＴ１７）。

【００２６】さて、搬送不良判別手段（３１，３２）で
搬送不良と判別される（ＳＴ１４のＮＯ）と、逆戻制御
手段が動作する。すなわち、逆戻制御手段（３１，３
２）のＣＰＵ３１は、ＬＦモータ３７Ｍ１を逆回転させ
上記所定長さＬ分だけ用紙Ｐを図３（Ｄ）に示すＸ２方
向に自動的に逆戻す（ＳＴ１５）。

【００２７】したがって、ジャム（Ｐｊ）は解消され搬
送手段１０のセット用紙検出センサー２１の配設位置ま
で引戻されるので、用紙Ｐの先端部をカットしたりフィ
ードピン１２に掛け直す等の対処を迅速かつ容易に行え
る。

【００２８】なお、この逆戻制御が終了すると、搬送不
良と判別（ＳＴ１６）され、オペレータパネル３５に表
示される。もとより、ＳＴ１８で吸込良好と判別される
と、ＣＰＵ３１は搬送手段１０を通常の印字動作制御す
る。

【００２９】しかして、この実施例によれば、定長搬送
制御手段（３１，３２），用紙検出センサー２０，搬送
不良判別手段（３１，３２），逆戻制御手段（３１，３
２）を設け、用紙Ｐを基準位置から所定長さＬだけ搬送
した段階で搬送良否を自動判別しかつ搬送不良と判別さ
れた場合にはその用紙Ｐを所定長（Ｌ）分だけ逆戻しす
ることができる構成とされているので、ジャム処理と次
の円滑搬送作業を迅速かつ簡単に行える。

【００３０】また、定長搬送制御手段（３１，３２）
は、基準位置にある用紙Ｐをセット用紙検出センサー２
１と用紙検出センサー２０との距離に相当する所定長さ
Ｌだけ自動的に送って停止させるように形成されている
ので、搬送路途中のジャム発生を最小限に抑制すること
ができる。

【００３１】また、逆戻制御手段（３１，３２）は、Ｌ
Ｆモータ３７Ｍ１を定長搬送制御の場合と同じ所定長さ
（Ｌ）分だけ逆戻しするように逆回転制御する構成であ
るから、すなわち定長搬送制御手段（３１，３２）と同
一構成つまり兼用として逆動作させるだけでよいから、
構造簡単で低コストに具現化できる。

【００３２】さらに、基準位置にセット用紙検出センサ
ー２１が設けられかつ定長搬送制御終了時にＣＰＵ３１
がその検出動作を確認する構成とされているので、ペー
パーエンプティーも自動検出できる。

【００３３】

【発明の効果】本発明によれば、定長搬送制御手段，用
紙検出センサー，搬送不良判別手段，逆戻制御手段を設
け、用紙を基準位置から所定長だけ搬送した段階で搬送
良否を自動判別しかつ搬送不良と判別された場合にはそ
の用紙を所定長さ分だけ逆戻しすることができる構成と
されているので、ジャム処理と次の円滑搬送作業を迅速
かつ簡単に行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示すブロック図である。

【図２】同じく、動作を説明するためのフローチャート
である。

【図３】同じく、動作を説明するための図である。

【図４】従来例を示す側断面図である。

【符号の説明】

１ 印字ヘッド（印字部） ２ プラテン（印字部） ３ 用紙ガイド（用紙搬送装置） ４ キャリア ５ 本体ケース １０ 搬送手段（用紙搬送装置） ２０ 用紙検出センサー ２１ セット用紙検出センサー ３０ 制御装置 ３１ ＣＰＵ（定長搬送制御手段，搬送不良判別手段，
逆戻制御手段） ３２ ＲＯＭ（定長搬送制御手段，搬送不良判別手段，
逆戻制御手段） ３３ ＲＡＭ ３７Ｍ１ 用紙送りモータ（搬送手段）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 搬送手段を含み所定方向から供給された
   用紙を付勢して印字部へ搬送するように形成された用紙
   搬送装置において、 前記搬送手段を駆動して基準位置にある用紙を前記印字
   部へ向けて所定長さだけ搬送制御する定長搬送制御手段
   と、 搬送された用紙の先端が前記印字部に到達したことを検
   出する用紙検出センサーと、 該定長搬送制御手段による用紙の所定長さ搬送制御が終
   了後においても該用紙検出センサーで用紙が検出できな
   かった場合に搬送不良と判別する搬送不良判別手段と、 搬送不良と判別された場合に該所定長さ分だけ用紙を逆
   戻しさせるように前記搬送手段を逆搬送制御する逆戻制
   御手段と、 を設けたことを特徴とする用紙搬送装置。