JPH05161767A - 模様データ作成装置 - Google Patents

模様データ作成装置

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Publication number
JPH05161767A
JPH05161767A JP35008891A JP35008891A JPH05161767A JP H05161767 A JPH05161767 A JP H05161767A JP 35008891 A JP35008891 A JP 35008891A JP 35008891 A JP35008891 A JP 35008891A JP H05161767 A JPH05161767 A JP H05161767A
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JP
Japan
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needle
feed amount
stitch
point
sewing
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Application number
JP35008891A
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English (en)
Inventor
Masahiro Mizuno
雅裕 水野
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多重縫い模様の各針落ち点における最適な針
揺動データを自動的に演算し、所望の形状をなす刺繍模
様データを自動的且つ短時間に作成すると共に、刺繍模
様データに基づいて形成される刺繍模様を綺麗なものに
する。 【構成】 模様データ作成装置本体は、ROMに記載さ
れた目標点の座標データに基づいて、刺繍模様の針落ち
点間の距離に応じて、所望の刺繍模様の左端の針落ち点
から右端の針落ち点までの横方向の距離を演算し、針の
揺動動作テーブルを作成し、更に多重縫い用の最適針揺
動データを各針落ち点に対して演算する。その後、布の
送りデータを自動的に演算する。こうして演算された模
様の縫製データがミシンに送られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば刺繍模様の形成
が可能なコンピュータミシンに格納される模様データを
作成するための模様データ作成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータミシンと称される家
庭用ミシンにおいては、使用者の選択操作により、か
な,ローマ字等の文字や簡単な図形などの刺繍縫いを実
行することができるようになっている。かかるミシン
は、図5に示すように、加工布を縦(前後)方向及び横
(左右)方向に自在に送ることができる送り歯5を備え
ると共に、縫針8も針孔3の範囲内で左右方向に自在に
移動(揺動)させることができるようになっている。
【0003】そして、例えば図7に示すようなローマ字
「A」の筆記体の刺繍模様Aを加工布Wに形成する場合
には、ミシンの制御装置は、模様データに基づいて、加
工布Wに対して、点「あ」,点「い」,点「う」……点
「ゆ」の順に縫針8が落ちるように、前記送り歯5や縫
針8を制御して刺繍縫い動作を実行させるようになって
いる。これにて、加工布Wには、隣合う点をステッチs
で順につなぐようにして刺繍模様Aが形成されるのであ
る。
【0004】しかして、前記模様データは、一針毎の加
工布Wの縦送り量,横送り量及び縫針8の針振り位置を
指示するデータの集合からなり、予め、制御装置のメモ
リに格納されるようになっている。この場合、模様デー
タは、例えば予めミシンメーカー側にて作成されるもの
であるが、従来では、模様データの作成者が、一つの針
落ち位置から次の針落ち位置に縫針8が相対的に移動す
るために、加工布Wの縦送り量,横送り量及び縫針8の
針振り位置を夫々どれだけにすれば良いかを演算して求
め、この演算を全ての針落ち位置に対して繰返し行うこ
とにより、全体の模様データを作成していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、ミシ
ンの機能の向上や使用者の嗜好の多様化等に伴い、刺繍
模様のより大形化及び複雑化が図られる傾向にある。ま
た、刺繍模様の線を太く強調するため、例えば図7の例
で点「あ」,点「い」,点「あ」,点「い」,点「う」
……といった順に縫針8が落ちるようにして、複数本
(例えば3本)のステッチsを重ねるようにしながら刺
繍模様を形成するいわゆる多重縫いが行われてきてい
る。
【0006】ところが、刺繍模様が大形で複雑となりま
た多重縫いを行うような場合には、1つの模様データに
おけるデータ量(針落ち位置の数)が膨大なものとなる
ため、データの作成者の労力が極めて大きくなり、デー
タの作成に多大な時間がかかると共に、ミスの発生の虞
も大きくなっていた。
【0007】このため、模様データの作成の自動化が要
望されるものであるが、模様データを自動的に作成する
装置は、未だ開発されていなかった。
【0008】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的は、模様データを自動的に作成すること
を可能としたものであって、綺麗な刺繍模様を形成する
ことができる模様データを作成することができる模様デ
ータ作成装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の模様データ作成
装置は、加工布の隣合う目標点間を縫針が相対的に往復
動することにより複数本のステッチでそれら目標点間を
結ぶような刺繍動作をミシンに実行させる模様デ−タを
作成するためのものであって、前記目標点の座標データ
を記憶する座標データ記憶手段と、前記座標データから
一針毎の縦送り量を決定する縦送り量決定手段と、前記
座標データから隣合う目標点間を縫針が相対的に往復動
する間の総横送り量ができるだけ少なくなるように一針
毎の横送り量及び針振り位置を決定する決定手段とを具
備するところに特徴を有するものである。
【0010】
【作用】本発明の模様データ作成装置によれば、縦送り
量決定手段により、記憶手段に記憶された目標点の座標
データから一針毎の縦送り量が決定されると共に、決定
手段により、一針毎の横送り量及び針振り位置が決定さ
れる。これにて、模様データが自動的に作成される。
【0011】ところで、加工布に対して縫針を横方向に
相対的に移動させるためには、横送り手段による加工布
の移動と、針振り手段による縫針の移動との両方の方途
がある。ところが、加工布を移動させる際には、加工布
に滑りが生じたり、伸びや縮みが発生することがあるた
め、横送り手段による横移動では、実際の針落ち位置が
目標点からずれやすく、ひいては刺繍模様に若干の歪み
が生じてしまう事情がある。これに対し、針振り手段に
よる縫針の移動では、正確に目標とする位置に縫針を移
動させることができる。
【0012】従って、加工布に対して縫針を横方向に相
対的に移動させる際には、できるだけ縫針を移動させる
方が、刺繍模様を綺麗に形成することができる。本発明
においては、決定手段は、隣合う目標点間を縫針が相対
的に往復動する間の総送り量ができるだけ少なくなるよ
うに横送り量及び針振り位置を決定するようにしている
から、その模様データに基づいて形成される刺繍模様を
綺麗なものとすることができるのである。
【0013】
【実施例】以下、本発明を家庭用のいわゆるコンピュー
タミシンにおける模様データの作成に適用した一実施例
について、図面を参照して説明する。尚、図5及び図7
に示したミシンの要部及び加工布Wについては、本実施
例にも共通するので、新たな図示を省略する。
【0014】まず、コンピュータミシンの構成につい
て、図4乃至図7を参照して簡単に述べる。詳しく図示
はしないが、ミシン本体1は、ベッド部2とアーム部と
から構成され、アーム部の先端部には、縫針8(図5参
照)を備えた針棒が上下動するように設けられると共
に、その針棒の後方に位置して押え足が設けられてい
る。この場合、針棒(縫針8)は矢印B及びCで示す横
方向(左右方向)に移動可能に設けられている。
【0015】一方、図5に示すように、前記ベッド部2
の上面には、前記縫針8に対応して、加工布Wが配置さ
れる針板4が設けられている。そして、この針板4に
は、前記縫針8が通る針穴3が横長に形成されていると
共に、4個の矩形孔4aが形成されている。ベッド部2
内には、前記針穴3の下方に位置して図示しない釜機構
が設けられていると共に、前記押え足との協働により加
工布Wを移動させるための送り歯5が、前記矩形孔4a
から出没するように設けられている。
【0016】図4に示すように、前記送り歯5は、ベッ
ド部2内に設けられた縦送りステップモータ6により前
後方向に駆動され、針板4上の加工布Wを矢印D及びE
で示す縦方向(前後方向)に移動させるようになってい
ると共に、やはりベッド部2内に設けられた横送りステ
ップモータ7により左右方向に駆動され、加工布Wを矢
印F及びGで示す横方向(左右方向)に移動させるよう
になっている。従って、送り歯5及び縦送りステップモ
ータ6により縦送り手段が構成され、送り歯5及び横送
りステップモータ7により横送り手段が構成されてい
る。
【0017】この場合、加工布Wは、縦送りステップモ
ータ6の正回転により、矢印D方向(奥方、この方向を
「+」方向とする)に、逆回転により、矢印E方向(前
方、この方向を「−」方向とする)に移動され、その移
動量は、例えば0.34mmが一単位(1ステップ角の駆
動)とされている。また、加工布Wは、横送りステップ
モータ7の正回転により、矢印F方向(左方、この方向
を「+」方向とする)に、逆回転により、矢印G方向
(右方、この方向を「−」方向とする)に移動され、そ
の移動量は、例えば0.5mmが一単位(1ステップ角の
駆動)とされている。
【0018】そして、前記針棒即ち縫針8は、アーム部
に設けられた針振り手段としての針振りステップモータ
9(図4参照)により、左右方向の任意の位置に移動さ
れるようになっており、縫針8は、この場合、前記針穴
3の範囲内で、例えば0.5mm間隔の15個の絶対的な
位置を取り得るようになっている。ここでは、図6に示
すように、縫針8が取り得る15個の位置を、左から右
に向って−7〜7の数字で表わすこととする。
【0019】さらに、ミシン本体1内には、マイクロコ
ンピュータを主体とした制御装置10が設けられてい
る。そして、この制御装置10のメモリ11には、刺繍
動作を実行させるための後述する模様データや、各種の
縫製作業を実行させるための制御プログラム及びデータ
等が記憶されている。制御装置10は、これらのデータ
に基づいて、前記針棒及び釜機構を制御すると共に、図
4に示すように、ドライバ12,13及び14を介して
前記針振りステップモータ9,縦送りステップモータ6
及び横送りステップモータ7を夫々制御し、もって、針
棒を上下動させつつ、その針棒の上昇時に、縫針8を横
移動させると共に加工布Wを所定方向に所定量だけ移動
することを行い、もって、加工布Wに対する所定の縫製
作業を自動的に実行するようになっている。
【0020】本実施例では、具体例として図7に示すよ
うなローマ字「A」の筆記体の刺繍模様Aを三重縫いに
より加工布Wに形成する場合について述べるが、この場
合には、制御装置10は、模様データに基づいて、加工
布Wに対して、目標となる点「あ」,点「い」,点
「あ」,点「い」,点「う」,点「い」,点「う」,点
「え」……の順に縫針8が落ちるように、前記送り歯5
や縫針8を制御して刺繍動作を実行させるのである。こ
れにて、加工布Wには、隣合う目標点を三重のステッチ
sで順につなぐようにして、刺繍模様Aが形成されるの
である。
【0021】このとき、図8に示すように、加工布Wに
は、横方向(X軸方向)の間隔が0.5mm、縦方向(Y
軸方向)の間隔が0.34mmの格子状の目盛から構成さ
れるX−Y座標平面が仮想され、ミシンは、この格子状
の目盛の交点部分に針落ち点が来るような縫製動作を自
在に実行することができるようになるのである。尚、こ
の座標平面では、加工布Wと縫針8との相対関係から、
右方向及び下(前)方向が夫々「+」方向とされてい
る。
【0022】ここで、前記模様データについて簡単に述
べておく。この模様データとは、一針毎の加工布Wの縦
送り量,横送り量及び縫針8の針振り位置を指定するデ
ータの集合からなり、上記図7に示す刺繍模様Aの例で
は、模様データは例えば図13に示すようになる。この
模様データによれば、例えば1針目が針振り位置「−
6」にて針落ちがなされた後、2針目の針落ちがなされ
る前に、加工布Wは、縦方向に「+4」(図13では
「+」の文字は省略している)即ち奥方に4単位分(4
ステップ角分)だけ送られると共に、横方向に「−2」
即ち右方に2単位分(2ステップ角分)だけ送られ、さ
らに、針棒8の位置が「−7」の位置に移動されるので
ある。
【0023】さて、上述のような模様データを自動作成
するための模様データ作成装置について述べる。本実施
例に係る模様データ作成装置は、例えば汎用のパーソナ
ルコンピュータからなる作成装置本体15に、図示しな
いキーボード,ディスプレイ,フロッピーディスクドラ
イブを接続して構成されている。前記作成装置本体15
は、図4に示すように、周知のCPU16,ROM1
7,RAM18等から構成され、このうち、ROM17
には、模様データ作成用のプログラムなどが記憶され、
また、RAM18には、後述する座標データがフロッピ
ーディスクドライブから読込まれて記憶されるようにな
っている。これにて、RAM18が、座標データを記憶
する座標データ記憶手段として機能するようになってい
る。
【0024】この模様データ作成装置本体15は、前記
目標点の座標データに基づいて模様データを作成するも
のであるが、このとき、そのソフトウエア構成により、
前記座標データから一針毎の縦送り量を決定する縦送り
量決定手段として機能すると共に、前記座標データから
隣合う目標点間を縫針が相対的に往復動する間の総横送
り量ができるだけ少なくなるように一針毎の横送り量及
び針振り位置を決定する決定手段として機能するように
なっている。詳しくは後述するが、これら各手段の機能
については、図1,図2及び図3に示す模様データ作成
のフローチャートにて明らかとなる。
【0025】ここで、座標データとは、加工布Wにおけ
る針落ちの目標となる各目標点の、上述のような仮想座
標平面上の(X,Y)座標で表される位置のことであ
り、これは、図8に示すように、所望の刺繍模様に座標
平面を重ね合わせ、適当な原点Oを設定することにより
容易に求めることができ、上述の刺繍模様Aの場合に
は、図10に示すようになる。図8からも明らかなよう
に、例えば点「あ」のX座標は4でY座標は0、点
「い」のX座標は1,Y座標は4、というように求めら
れるのである。尚、この場合、目標点が必ずしも格子の
交点上に来ないことも考えられるが、この場合には、最
も近い交点の座標を目標点の座標とする。
【0026】このような座標データは、例えば予めオペ
レータにより作成され、図示しないフロッピーディスク
に記憶されている。
【0027】次に、上記構成の模様データ作成装置によ
り、模様データを作成する手順について述べる。尚、こ
こでは上述のような刺繍模様Aを具体例として上げ、ま
た、三重縫いにより刺繍動作を実行させる場合について
述べる。この三重縫いとは、図9に示すように、ある目
標点(第P点)から隣合う次の目標点(第P+1点)に
向って延びるステッチを形成する場合、点P,点P+
1,点P,点P+1と順に針が落ちることにより、2点
間を結ぶ3本のステッチSが形成されることをいう。
【0028】ここで、本実施例における刺繍データ作成
の基調となる考え方は、次の通りである。即ち、図9に
示すように、点Pから点P+1に向けて三重縫いを行う
場合、上述のように縫針8は相対的に2点間を往復動す
るのであるが、針落ち位置を点Pから点P+1に移動さ
せるには、加工布Wを、送り歯5により縦方向(Y軸方
向)にdyだけ縦送りさせる必要がある。このdyは、
点Pと点P+1とのY座標の差により求められる。これ
は、点P+1から点Pに移動させる場合も同様である。
【0029】一方、縫針8の相対的なdxだけの横方向
(X軸方向)の移動は、送り歯5による加工布Wの横送
りと針振りによる縫針8の移動との両方の方途がある。
このときのdxの値も、点Pと点P+1とのX座標の差
により求められるが、このdxの値を、加工布Wの横送
りと縫針8の針振り移動とに適切に割振らなければなら
ない。ここで、最初(0針目)の点Pにおける針振り位
置をZs、一針目の点P+1における針振り位置をZ
1、二針目の点Pにおける針振り位置をZ2、三針目の
点P+1における針振り位置をZeとすると、まずこれ
らZs,Z1,Z2,Zeの値を決定することにより、
各針目における加工布Wの横送り量を求めることができ
る。本実施例では、この縫針8の相対的な横方向移動
を、極力針振りにより達成できるようにし、三針間にお
ける総横送り量をできるだけ少なくなるようにしている
のである。具体的な処理の手順を以下詳述する。
【0030】今、刺繍模様Aの座標データは既に作成さ
れてフロッピーディスクに記憶されている。オペレータ
がキーボードを操作して模様データの作成及び刺繍模様
Aを指定すると、図1,図2及び図3のフローチャート
に従って模様データの作成が行われる。
【0031】まず、ステップS1にて、刺繍模様Aの座
標データがフロッピーディスクドライブからRAM17
に読込まれる。次のステップS2〜S7では、各目標点
における、針振り位置Nnの仮設定が行われる。この仮
設定は、刺繍模様Aの横方向の両端に位置する目標点
(右端の点「せ」及び左端の点「う」,点「に」)に縫
針8が落ちるときに、夫々針振り位置が「7」及び「−
7」に来るように、全体の目標点における針振り位置を
仮に割振るものである。
【0032】ここでは、まず各目標点のX座標の最小値
Xminと最大値Xmaxが求められ(ステップS
2)、次のステップS3にて、これら最大値Xmaxか
ら最小値Xminが減算されて、刺繍模様Aの最大横幅
寸法Hが求められる。図8及び図10に示すように、刺
繍模様Aでは、最小値Xminの値は0、最大値Xma
xの値は38であり、Hは38となる。
【0033】次に、刺繍模様Aの最大横幅寸法Hの範囲
内において、15個の針振り位置をほぼ均等に各目標点
に対して割振るのであるが、まず、最大横幅寸法Hを針
揺動ステップ数である14で除算して換算係数Kを求め
(ステップS4)、針振り位置が「0」となる点のX座
標値Xoを求める(ステップS5)。刺繍模様Aでは、
換算係数K=38/14、Xo=19となる。続いて、
ステップS6にて、目標点の針振り位置Nnが、各目標
点のX座標値Xnから前記Xoを差引いた値を換算係数
Kで除算することにより求められる。このとき、小数点
以下は四捨五入するものとする。例えば、点「あ」の場
合には、Xn=4であるので、針振り位置Nn=−6
(図11参照)と求められる。
【0034】このような針振り位置Nnの演算を、全て
の目標点についての針振り位置Nnが求められるまで繰
返し行う(ステップS7)。これにて、図11に示すよ
うに、刺繍模様Aの全ての目標点の針振り位置Nnが仮
設定されるのである。このようにして求められたNnに
より、上記Zs及びZeがそのNnに固定的に決定され
るのである。
【0035】そして、ステップS8〜S10では、Z1
及びZ2の値を求めることが行われる。ここでは、ま
ず、上述の点Pから点P+1に向かう三針間での、最低
必要な加工布Wの総横送り量Tsを、dxからZeとZ
sとの差を差引くことにより求める(ステップS8)。
刺繍模様Aで、例えば点「け」から点「こ」に向う場
合、図10及び図11より、Zs=2、Ze=4、dx
=4と求められるので、総横送り量Ts=2となる。
【0036】そして、次のステップS9では、その三針
間での一針目の横送り量t1、二針目の横送り量t2、
三針目の横送り量t3を、総横送り量Tsをできるだけ
均等に割振ることにより求める。この場合、割振りの優
先順位を上からt3,t1,t2とし、この順に横送り
量Tsを3で割った余りを割振っていくようにしてい
る。例えば、点「け」から点「こ」に向う場合には、T
s=2であるから、t1=1、t2=0、t3=1とな
る。また、Ts=8ならば、t1=3、t2=2、t3
=3となる。ただし、これにて一針毎の横送り量が最終
的に決定されたわけでなく、仮に設定されたものであ
る。
【0037】このようにしてt1,t2,t3が求めら
れると、次のステップS10にて、Z1及びZ2が求め
られる。具体的には、Z1はZsとdxとの和からt1
を差引くことで求められ、Z2はそのZ1からdxとt
2との和を差引くことで求められる。例えば、点「け」
から点「こ」に向う場合には、Z1=5、Z2=1とな
る。
【0038】ところが、このようにして求められたZ1
及びZ2の値が、両端の針振り位置「7」あるいは「−
7」を超えてしまうことがある。そこで、次のステップ
S11〜S39においては、Z1及びZ2の値を「−
7」から「7」の範囲内におさめるように補正が行われ
る。尚、図2及び図3のフローチャートでは、図7にお
いて刺繍動作が右方向に進行される場合、即ちdxが正
または0の場合についての処理を示している。
【0039】まず、ステップS11〜S18ではZ1の
値が「7」を超えてしまったときのZ1及びZ2の補正
が行われる。Z1の値が「7」を超えてしまった場合は
(ステップS11でYES)、ステップS12にてt2
の値を元のt2からZ1の値と「7」の差を差引いた値
に補正する。この結果、t2の値が負となってしまうと
きには(ステップS13でYES)、t2の値を強制的
に「0」とする(ステップS14)。このように処理す
るのは次の理由による。即ち、図8において刺繍動作が
右方向(正の方向)に進行されるにもかかわらず、二針
目にそれと逆方向(負の方向)に横送りされることにな
ると、加工布Wの横送りに無駄が生じてしまうからであ
る。
【0040】そして、次のステップS15では、Z1の
値を強制的に「7」に補正し、その後、補正後のt2及
びZ1からZ2を求める(ステップS16)。具体的に
は、ステップS10と同じ演算式、即ちZ1からdxと
t2との和を差引くことで求める。このようにして求め
られたZ2の値が「−7」を超えてしまうときは(ステ
ップS17でYES)、強制的にZ2を「−7」とする
(ステップS18)。例えば、点「し」から点「す」に
向う場合には、補正前はZ1=8、Z2=6であり、補
正の結果、Z1=7、Z2=5となる。
【0041】次に、ステップS19〜S39ではZ1の
値は「7」を超えないが、Z2の値が「−7」を超えて
しまったときのZ1及びZ2の補正が行われる。Z2の
値が「−7」を超えてしまったということは(ステップ
S19でYES)、「−7」からZ2を差引いたOsの
分だけ、横送りが余分だった訳であるから(ステップS
20)、一針目及び二針目の横送り量をOs分だけ少な
くすれば良い。このとき、ステップS9で求められたt
1とt2との値が同じ場合には(ステップS21でYE
S)、最初にt2を「1」減らし、後はt1とt2とを
交互に「1」ずつ減らしていき(ステップS22〜S2
7)、t1とt2との値が異なる場合には(ステップS
21でNO)、最初にt1を「1」減らし、後はt2と
t1とを交互に「1」ずつ減らしていくようにする(ス
テップS28〜S33)。
【0042】そして、その結果、t1及びt2の値が負
となってしまうときには(ステップS34及びステップ
S36でYES)、t1及びt2の値を強制的に「0」
とする(ステップS35,S37)。このように処理す
る理由は、前述したのと同様、加工布Wの横送りに無駄
が生じないようにするためである。このようにしてt1
及びt2を補正した後、ステップS38にて、ステップ
S10と同様の演算式からZ1及びZ2を求める。この
ようにして求められたZ1の値が「7」を超えてしまう
ときには(ステップS39でYES)、ステップS12
〜S18の演算処理を行う。例えば、刺繍模様Aにおい
て点「に」から点「ぬ」に向う場合には、補正前Z1=
−3、Z2=−9であり、2単位分だけの横送りが余分
だったことになり、補正の結果、Z1=−2、Z2=−
7となる。
【0043】以上説明したような演算を、全ての目標点
についての一針目の針振り位置Z1及び二針目の針振り
位置Z2が求められるまで繰返し行う(ステップS4
0)。尚、図2には省略しているが、図8において刺繍
動作が左方向に進行される場合、即ちdxの値が負の場
合には、Z1が「−7」を超えてしまうとき及びZ2が
「7」を越えてしまうときについては、Z1及びZ2の
値を「−7」から「7」の範囲内におさめる補正を同様
の手法にて行えば良い。これにて、図12に示すよう
に、刺繍模様Aの全ての目標点の一針目の針振り位置Z
1及び二針目の針振り位置Z2が決定されるのである。
【0044】そして、次のステップS41で三針間での
一針目,二針目及び三針目の縦送り量を求める。それぞ
れの縦送り量は、前述のように、針落ち位置を点Pから
点P+1に移動させるとすると、点Pと点P+1とのY
座標の差により求められ、点P+1から点Pに移動させ
る場合も同様にして求められる。例えば、点「あ」から
点「い」に向う場合には、一針目の縦送り量は「4」、
二針目の縦送り量は「−4」、三針目の縦送り量は
「4」となる。このような演算を全ての目標点について
行うことにより、図13に示すように、刺繍模様Aの全
ての目標点における一針目,二針目及び三針目の縦送り
量が決定されるのである。
【0045】最後に、ステップS42で最終的な三針間
での一針目の横送り量t1、二針目の横送り量t2、三
針目の横送り量t3が決定される。具体的には、上述し
たステップS10で求められたZ1及びZ2の値が、両
端の針振り位置「−7」から「7」の範囲内におさまっ
ている場合には、ステップS9にて求めたt1,t2,
t3が一針目,二針目,三針目の横送り量として決定さ
れる。そして、ステップS10で求められたZ1及びZ
2の値が、両端の針振り位置「7」あるいは「−7」を
超えてしまう場合には、ステップS11〜S39におい
て「−7」から「7」の範囲内に補正されたZ1及びZ
2の値に基づいて、ステップS10の演算式から一針目
の横送り量t1及び二針目の横送り量t2を逆算し、そ
れら一針目の横送り量t1及び二針目の横送り量t2と
ステップS8にて求められた総横送り量Tsとの関係式
から三針目の横送り量t3を求め、それぞれが最終的な
三針間での一針目の横送り量t1、二針目の横送り量t
2、三針目の横送り量t3として決定される。
【0046】これにて、図7に示すようなローマ字
「A」の筆記体の刺繍模様Aを、三重縫いにより加工布
Wに形成する場合についての一針毎の加工布Wの縦送り
量,横送り量及び縫針8の針振り位置を指示する模様デ
ータの作成が終了する。このようにして作成された刺繍
模様Aの模様データは図13に示す通りである。
【0047】以上のように本実施例の模様データ作成装
置によれば、三重縫いにより刺繍動作を実行させる模様
データの作成の自動化を実現することができた。従っ
て、データ作成者がいちいち演算により模様データを作
成していた従来と異なり、データ作成者の労力を著しく
軽減することができ、短時間でミスのない模様データの
作成が可能となったのである。
【0048】ところで、加工布Wに対して縫針8を横方
向に相対的に移動させるためには、送り歯5による加工
布Wの移動と、針振りによる縫針8の移動との両方の方
途がある。ところが、加工布Wを移動させる際には、加
工布Wに滑りが生じたり、伸びや縮みが発生することが
あるため、送り歯5による横移動では、実際の針落ち点
が目標点からずれやすく、ひいては刺繍模様に若干の歪
みが生じてしまう事情がある。これに対し、針振りによ
る縫針8の移動では、正確に目標とする位置に縫針8を
移動させることができる。
【0049】従って、加工布Wに対して縫針8を横方向
に相対的に移動させる際には、できるだけ縫針8を移動
させる方が、刺繍模様を綺麗に形成することができるの
である。本実施例の模様データ作成装置においては、隣
合う目標点間を縫針8が相対的に往復動する間の総送り
量Tsができるだけ少なくなるように一針毎の横送り量
(t1,t2,t3)及び針振り位置(Z1及びZ2)
を決定するようにしているから、その模様データに基づ
いて形成される刺繍模様Aを綺麗なものとすることがで
きるのである。
【0050】尚、上記実施例では、三重縫いで刺繍動作
を実行させる模様データの作成手順について説明した
が、五重縫いあるいは七重縫い等の多重縫いにより刺繍
動作を実行させる場合全般にわたって適用することがで
きる。また、上記実施例では、刺繍模様Aの最大横幅寸
法Hの範囲内において、例えば目標点の針振り位置Nn
を均等に割振るようにしたが、目標点が左右どちらかに
偏っている刺繍模様であれば、目標点の偏っている方に
重みをつけて針振り位置Nnを割振るようにしても良
い。さらには、模様データにおいては、針振り位置を絶
対的な位置でなく、矢印BあるいはC方向への縫針8の
移動量にて指示するようにしても良い。
【0051】その他、例えば家庭用のコンピュータミシ
ンに限らず、刺繍模様の形成が可能なミシン全般に適用
することができる等、本発明は要旨を逸脱しない範囲内
で適宜変更して実施し得るものである。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の模様データ作成装置によれば、隣合う目標点間を縫針
が相対的に往復動することにより複数本のステッチでそ
れら目標点間を結ぶような刺繍動作を実行させるための
一針毎の縦送り量,横送り量及び針振り位置を指定する
模様データを自動的に作成することができる。しかも、
縫針が相対的に往復動する間の総横送り量ができるだけ
少なくなるように一針毎の横送り量及び針振り位置を決
定するようにしたので、その模様データに基づいて形成
される刺繍模様を綺麗なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す模様データ作成のフロ
ーチャート(その1)
【図2】模様データ作成のフローチャート(その2)
【図3】模様データ作成のフローチャート(その3)
【図4】ミシン及び作成装置本体の概略的な電気的構成
を示すブロック図
【図5】ミシンの針板部分の斜視図
【図6】縫針の針振り位置を概念的に示す図
【図7】加工布に刺繍模様が形成された様子を示す図
【図8】加工布に仮想される座標平面を示す図
【図9】三重縫いの様子を誇大的に示す図
【図10】座標データを示す図
【図11】目標点のX座標に対応する縫針の針振り位置
を示す図
【図12】三重縫いの際の一針目及び二針目の針振り位
置を示す図
【図13】模様データを示す図
【符号の説明】
1はミシン本体、3は針孔、5は送り歯、6は縦送りス
テップモータ、7は横送りステップモータ、8は縫針、
9は針振りステップモータ、10は制御装置、15は模
様データ作成装置本体(縦送り量決定手段,決定手
段)、18はRAM(記憶手段)、Aは刺繍模様、Sは
ステッチ、Wは加工布である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工布を縦方向に移動させる縦送り手段
    と、前記加工布を横方向に移動させる横送り手段と、縫
    針を横方向に移動させる針振り手段とを備え、一針毎の
    縦送り量,横送り量及び針振り位置を指定する模様デー
    タに基づいて、前記加工布に複数個の目標点を順につな
    ぐような刺繍模様を形成するミシンにおける、隣合う目
    標点間を縫針が相対的に往復動することにより複数本の
    ステッチでそれら目標点間を結ぶような刺繍動作を実行
    させる模様デ−タを作成するためのものであって、 前記目標点の座標データを記憶する座標データ記憶手段
    と、 前記座標データから一針毎の縦送り量を決定する縦送り
    量決定手段と、 前記座標データから隣合う目標点間を縫針が相対的に往
    復動する間の総横送り量ができるだけ少なくなるように
    一針毎の横送り量及び針振り位置を決定する決定手段と
    を具備することを特徴とする模様データ作成装置。
JP35008891A 1991-12-10 1991-12-10 模様データ作成装置 Pending JPH05161767A (ja)

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