JPH0515947U - 指圧治療用補助具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】指圧突起を有する指サック状の指圧治療用補助
具の長さや太さを調整可能にして使用者の指に合わせら
れるようにする。また指圧治療用補助具を指圧用として
だけでなく、鍼治療における円皮針の施術用補助具とし
ても使用できるようにする。 【構成】柔軟性を有する素材で形成された指サック本体
(1) と、指サック本体(1) の先端部に着脱可能に設けら
れた先部指圧突起(2) とを備えている。指サック本体
(2) は、指腹部分に対応して設けられた側部指圧突起(1
1)と、基側の開口部寄りに設けられた段階的に切離可能
な切離部(13)とを備えている。先部指圧突起体(2)は、
先端部に粘着テープの小片が仮止め可能な掛止部が設け
てある円皮針の施術用の突起体(2a)と交換できるように
した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、指圧治療の他に鍼治療の補助具としても使用できるようにした指圧 治療用補助具に関するものである。

【０００２】

【従来技術】

指圧は民間療法の一方法として従来より行なわれてきた。その方法は、指によ る患部の押圧を繰り返すことによって、筋肉内の血液、リンパ液等の体液の循環 をよくして治療するものである。 指圧は、通常は指でのみ行なわれるが、この指による押圧を更に効果的にする ものとして、指サックに突起を設けたものが提案されている。これによると、力 が集中しやすいので、指による押圧と同等の効果が比較的軽い力で得られる利点 がある。また、指圧は、効果をより高めるために鍼灸治療と併せて施術されるこ とが多い。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

けれども、突起を設けた指サックには次のような課題があった。 （ａ）指サックは、通常は長さが決まっており、いわゆるフリーサイズとなって いるが、実用上は使用者の指に合っていないと使いづらい。 （ｂ）指サックは、単に突起が一体に設けてあるだけで、他に特別な機能は持た ず、指圧以外の他の用途、例えば鍼治療の補助具等としての使用はできない。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために講じた本考案の技術手段は次のとおりである。 第１の考案にあっては、 柔軟性を有する素材で形成された指サック本体と、この指サック本体の先端部 に設けられた先部指圧突起と、前記指サック本体の側部に設けられた側部指圧突 起と、大きさが異なる指に装着を可能にするサイズ調整手段と、 を備えた指圧治療用補助具である。 第２の考案にあっては、 サイズ調整手段が、周方向に脆弱に形成された切離部である第１の考案にかか る指圧治療用補助具である。 第３の考案にあっては、 サイズ調整手段が、周方向に伸縮自在に形成された蛇腹部である第１の考案に かかる指圧治療用補助具である。 第４の考案にあっては、 指サック本体の内部先端部に、爪逃げ部を設けた第１または第２または第３の 考案に係る指圧治療用補助具である。 第５の考案にあっては、 先部指圧突起の先端部に粘着テープの小片が仮止め可能な掛止手段が設けてあ る、第１、第２、第３または第４の考案に係る指圧治療用補助具である。

【０００５】 指サック本体はゴムや合成樹脂等の柔軟性素材で形成されていて、指に装着し やすいようにしている。 サイズ調整手段が切離部であるものは、指の長さの違いに対応できるようにし たものである。この場合、指サック本体は長い指にも対応できるようにやや長め に設定されており、長すぎる場合は必要に応じて切離部から余長部を切離する。 切離部は、通常は数条並設され、その構造は例えば指サック本体の基側の全周 にわたって切込み線を断続的に設けたものや、長孔を断続的に設けたもの、或は 全周にわたって薄肉部を設けたもの等であるが、指で切離できる程度に脆弱に形 成されていれば特に限定はしない。 サイズ調整手段が蛇腹部であるものは、指の太さの違いに対応できるようにし たものである。蛇腹部は、指サックの側部の指圧に支障のない位置に設けられ、 指がやや太くてもそのまま押し込めば広がって容易に装着できる。 なお、サイズ調整手段は切離部と蛇腹部とを組み合わせるようにしてもよい。

【０００６】 爪逃げ部は、例えば一部の女性のように爪を伸ばした人でも施術できるように するものである。爪逃げ部の形状は、通常は爪の形状に沿うように湾曲して設け られるが、爪が収まれば、それに限定するものではない。 先部指圧突起の先端部に設けられる掛止手段は、粘着テープを粘着面を外側に した状態で仮止めできれば、その構造は限定しない。 なお粘着テープには、鍼治療で用いられる円皮針（えんぴしん）が針部を外側 にして貼付けられる。円皮針とは、ごく細い金属線材で小さい環状の台部を形成 し、それを中央部へ伸ばし、中央部で直角に折曲して立ち上げて針部を形成した ものである。そして、患部に針部を刺し、これを粘着テープで押えて持続的に刺 激を与えて治療する。

【０００７】

【実施例】

本考案を図面に示した実施例に基づき更に詳細に説明する。 図１は本考案の第１の実施例を示す断面図である。 符号Ａは指圧治療用補助具で、指サック本体１を備えている。 指サック本体１は、硬質ゴムによってやや肉厚に形成されている。指サック本 体１の全体形状はほぼ有底円筒形で、内部は指装着部１７となっている。 指サック本体１の先端部は、更に肉厚に形成されており、係合穴１０が形成さ れている。係合穴１０は、入口がやや狭く内部が広がった形状である。なお本実 施例における係合穴１０は、指サック本体１の先端部壁を貫通していないが、貫 通して設けてもよい。

【０００８】 指サック本体１の側壁部の先端部寄りには、側部指圧突起１１が形成されてい る。側部指圧突起１１の形成位置は、挿入される指の腹に対応しており、指腹に よる指圧がより効果的にできるようにしている。 指サック本体１の周壁部には所要数の通気孔１２が設けられており、使用中に 指がむれないようにしている。 指サック本体１の開口側の端部周壁にはサイズ調整手段である切離部１３が設 けてある。切離部１３は、周壁を貫通して形成された切込み１３０を周方向にそ れぞれ六個、二列に並設して設けてある。 前記係合穴１０には先部指圧突起２が取外し可能に装着してある。先部指圧突 起２の密着面は、指サック本体１の先端部の形状に沿うように形成してあり、そ の中央部には係合突起２０が設けてある。先部指圧突起２は、この係合突起２０ を前記係合穴１０に係合させて指サック本体１に装着されている。

【０００９】 （作 用） 図１を参照して本実施例の作用を説明する。 指圧治療用補助具Ａの指サック本体１の太さは、通常は親指に装着できる太さ に設定されているが、必要に応じて他の指に装着できるように形成することは任 意である。 まず、指圧治療用補助具Ａを親指に装着する。このとき、指圧治療用補助具Ａ の指サック本体１の長さが長すぎるようであれば、切離部１３の切込み１３０の 部分から指でちぎって切離し、長さを合わせるようにする。 そして、本実施例における先部指圧突起２を患部に当てて押圧すると、指で押 すより力が集中するためより効果的な指圧治療ができる。 なお、先部指圧突起２を更に細く形成して先部を尖らせると、東洋医学で言う ツボが集中しているといわれる耳部の指圧に好適である。

【００１０】 図２は、先部指圧突起の装着部構造の他の例を示す要部断面図である。 本実施例においては、指サック本体１の先端部には突出して取着凸部１５が形 成してあり、その先端部には係合穴１０が形成してある。また、取着凸部１５の 基部には全周にわたって嵌合溝１６が設けてある。 先部指圧突起２ｃの基部には、取着凸部１５と嵌め合う取着凹部２４が設けて あり、その入口の周縁部には全周にわたって前記嵌合溝１６と嵌め合う嵌合突条 ２３が設けてある。また、取着凹部２４の底部には係合突起２０が設けてある。 そして、先部指圧突起２ｃを取着凸部１５に装着すれば、係合穴１０と係合突 起２０および取着凸部１５と取着凹部２４が嵌め合って、装着が堅固となる。

【００１１】 図３は本考案の第２の実施例を示す斜視図、図４は断面図である。 指圧治療用補助器具Ｂは、先部指圧突起２ｂが指サック本体１ｂと一体に形成 されている。 指サック本体１ｂの側壁にはサイズ調整手段である蛇腹部１８が形成されてい る。蛇腹部１８は五本の蛇腹条１８０を有し、その先端部は指サック本体１ｂの 長さの２／３程度まで延ばして形成されている。 そして、中央の蛇腹条１８０の先方には側壁を貫通して止め孔１９が形成され ている。また、各蛇腹条１８０の間の溝部には四本の調整スリット１８１が設け てある。調整スリット１８１は、図３に示すように、蛇腹部１８のほぼ中間部に 設けられ、その長さは溝部の長さの約１／３に設定してある。各調整スリット１ ８１の両端部には、調整スリット１８が裂けることがないように止め孔１８２が 設けてある。 指装着部１７の先端部には、爪逃げ部１７０が先部指圧突起２ｂの内部まで延 ばして形成してある。爪逃げ部１７０は、爪部が無理なく収容できるように爪の 形状に合わせて湾曲させて設けてある。 なお、図３および図４において、図１と同一または同等箇所には同一の符号を 付して示している。

【００１２】 （作 用） 図３および図４を参照して本実施例の作用を説明する。 指圧治療用補助器具Ｂは、先部指圧突起２ｂと側部指圧突起１１によって、指 による指圧以上の指圧効果が得られることは第１の実施例と同様である。 蛇腹部１８は伸縮可能であるので様々な太さの指に対応できる。蛇腹部１８の 伸びだけでは対応できない場合は、各調整スリット１８１が開き、自動的に調整 される。このときにも、各調整スリット１８１は止め孔１８２の作用により、端 部が裂けることはない。 また、爪逃げ部１７０を備えていることによって、爪を伸ばしている人でも装 着でき、施術が可能である。 なお、施術者の指が太すぎて蛇腹部１８と調整スリット１８１によっても対応 しきれない場合は、中央部の蛇腹条１８０の突出部に、開口端部から止め孔１９ まで切り込みを入れる。これにより上記のような太い指への装着も可能となる。 また止め孔１９の作用により、切り込みがそれ以上裂けることはない。なお、止 め孔１９は通気孔を兼ねているものである。

【００１３】 図５は本考案の第３の実施例を示す斜視図である。 指圧治療用補助器具Ｃの指サック本体１ｂの側壁には蛇腹部１８が形成されて いる。蛇腹部１８の先部には、蛇腹部１８とほぼ同じ幅を有するハート形の調整 孔１９ａが設けられている。 図６は本実施例の第４の実施例を示す斜視図である。 指圧治療用補助器具Ｄの指サック本体１ｂの側壁には蛇腹部１８が形成されて いる。蛇腹部１８の先部には、蛇腹部１８とほぼ同じ幅を有するハート形の調整 孔１９ａが設けられており、その先部には止め孔１９ｂが設けられ、調整孔１９ ａと止め孔１９ｂの間には調整スリット１９０が設けられている。 作用効果については、前記第２の実施例とほぼ同様である。 なお、第３、第４の本実施例においては、調整孔１９ａはハート形に形成して いるが、これに限定するものではなく、例えば円形、楕円形、多角形など、他の 形状にすることもできる。

【００１４】 図７は本考案の第５の実施例を示す要部分解斜視図である。 本実施例における先部指圧突起２ａの先端部には、正方形の掛止面２２が形成 されている。掛止面２２の一方の相対向する二辺には断面Ｌ型の掛止片２１が設 けられており、これによって粘着テープ３が仮止め可能な掛止部が構成されてい る。 なお本実施例において、掛止面２２の一辺の長さは、約１２ｍｍである。 （作 用） 図７を参照して本実施例の作用を説明する。 指サック本体１の先端部に先部突起体２ａを装着する。先部突起体２ａの先端 部の掛止面２２に正方形に切った粘着テープ３を図７に示すようにして嵌め込み 、仮止めする。粘着テープ３の一辺の長さは約１０ｍｍである。このとき、粘着 テープ３の粘着面３０は外側になっており、この粘着面３０に円皮針４を貼着し て取付けるようにする。 そして、円皮針４を患部に当てて先部突起体２ａで押圧すれば、円皮針４の針 部は患部の皮膚面に刺さり、粘着テープ３は円皮針４を押えたまま患部の皮膚に 接着する。次に、先部突起体２ａを皮膚から離せば、粘着テープ３は掛止面２２ から容易に離れて皮膚に接着して残り、円皮針４が患部の皮膚に施術されること になる。 なお従来は、粘着テープ３をピンセットや指でつまんで貼っていたため、円皮 針４の針部を皮膚面と垂直にして刺すのは難しく、針部が斜めに刺さったまま粘 着テープ３を貼ると皮膚面にストレスが残って不快な痛みを感じていた。しかし 、上記したように施術すれば、円皮針４の針部を皮膚面と垂直になるようにして 刺すことが容易にでき、このような不都合は生じない。

【００１５】 図８は掛止部の他の実施例を示す要部斜視図である。 本実施例における先部指圧突起２ｄの先端部には掛止面２７が設けてあり、そ の相対向する二辺寄りには、それぞれ切り込み２５が設けてある。切り込み２５ は、斜めに傾斜した側壁に沿って所要の深さに形成されており、これにより、掛 止面２７の両側に掛止片２６が形成されている。 粘着テープ３の掛止方法を説明すれば、まず一方の掛止片２６を開き、そこに 粘着テープ３の一辺を粘着面３０を上にして差し入れ、掛止片２６を閉じる。次 に、他方の掛止片２６を開け、そこに粘着テープ３の上記と相対向する一辺を差 し入れ、同様に掛止片２６を閉じ、掛止片２６の内面に粘着面３０の端部を接着 して粘着テープ３を仮止めする。 なお、本考案は図示の実施例に限定されるものではなく、実用新案登録請求の 範囲の記載内において種々の変形が可能である。

【００１６】

【考案の効果】

本考案は上記構成を備え、次の効果を有する。 （ａ）指圧治療用補助具は、サイズ調整手段により、施術者の指のサイズに柔軟 に対応できて便利である。 すなわち、切離部を設けたものでは、指に装着して指サック本体の長さが長す ぎるようであれば、切離部の部分から指でちぎって切離し、長さを使用者の指に 合わせることができる。また、蛇腹部を設けたものでは、指サック本体の周壁が 伸縮するので指の太さが多少違っても装着が可能である。 （ｂ）指サック本体内に爪逃げ部を備えたものでは、爪を伸ばしている人でも支 障なく装着でき、施術が可能である。 （ｃ）先部指圧突起の先端部に掛止手段を設けたものは、鍼治療における円皮針 を患部に施術する際の補助具として使用できるので便利である。これによると、 円皮針の針部を皮膚面と垂直にして皮膚に刺すことができ、従来のように、針部 が斜めに刺さり、皮膚面にストレスが残って不快な痛みを感じる等の不都合は生 じない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例を示す断面図である。

【図２】先部指圧突起の装着部構造の他の例を示す要部
断面図である。

【図３】本考案の第２の実施例を示す斜視図である。

【図４】本考案の第２の実施例を示す断面図である。

【図５】本考案の第３の実施例を示す斜視図である。

【図６】本考案の第４の実施例を示す斜視図である。

【図７】本考案の第５の実施例を示す要部分解斜視図で
ある。

【図８】掛止部の他の実施例を示す要部斜視図である。

【符号の説明】

Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ 指圧治療用補助具 １、１ｂ 指サック本体 １１ 側部指圧突起 １２ 通気孔 １３ 切離部 １８ 蛇腹部 １９ａ 調整孔 ２、２ｂ、２ｃ、２ｄ 先部指圧突起 ２ａ 先部突起体 ２１、２６ 掛止片 ２２、２７ 掛止面

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 柔軟性を有する素材で形成された指サッ
   ク本体と；この指サック本体の先端部に設けられた先部
   指圧突起と；前記指サック本体の側部に設けられた側部
   指圧突起と；大きさが異なる指に装着を可能にするサイ
   ズ調整手段と；を備えたことを特徴とする指圧治療用補
   助具。
2. 【請求項２】 サイズ調整手段が、周方向に脆弱に形成
   された切離部であることを特徴とする請求項１記載の指
   圧治療用補助具。
3. 【請求項３】 サイズ調整手段が、周方向に伸縮自在に
   形成された蛇腹部であることを特徴とする請求項１記載
   の指圧治療用補助具。
4. 【請求項４】 指サック本体の内部先端部に、爪逃げ部
   を設けたことを特徴とする請求項１、２または３記載の
   指圧治療用補助具。
5. 【請求項５】 先部指圧突起の先端部に粘着テープの小
   片が仮止め可能な掛止手段が設けてあることを特徴とす
   る請求項１、２、３または４記載の指圧治療用補助具。