JP6746451B2 - 手の第一関節変形矯正用サポータ - Google Patents
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Description
ところが、これほど多く、そして身近な症状であるのに命に関わることが無いため、研究も進まず、それ故に一般的にあまり知られていないのが現状である。
このヘバーデン結節の症状としては、確かに命に関わることはないが、変形の初期には痛みを伴う場合が多く、病院に行っても原因が不明であり、治し方も確立されていないのが現状であるため、そのまま放置をしてしまう場合が多い。
そのため、放置により症状が進行してしまい、指先が曲がるなど変形が起き、物を取る時に当たってしまい、突き指の状態を繰り返し、さらに変形が進行する。画像診断では、関節の隙間が少なく、骨棘という骨のトゲができていて亜脱臼している場合がある。
このヘバーデン結節は、急性の場合は腫れや痛みがあり、半年から1年くらいで自然と治まるが、今度は他の指に次々に同じような痛みと変形が起こり、反対の手の指先にも飛んで、10〜15年位で両手の指先が全部変形してしまうのが一般的な経過症状である。
また、複数の指先が同時に変形することが多いので、複数の指先に従来の装具で固定するには硬く、そして大き過ぎて邪魔になり、また第2関節まで固定してしまうので、日常生活においては、なおさら不便であり、使用困難であった。そのため、炎症と共に変形、または変形が進行するのを防ぐことができないまま放置状態になってしまい、益々変形が酷くなってしまうという現状がある。
従来技術としては、指の先端から第二関節までの長さを有し、伸縮性素材からなる筒状のサポーター本体であって、前記サポーターの指の内側の第一関節及び第二関節の屈曲部分に矩形状の開口部を各々1ヵ所設け、手指の第一関節と第二関節に装着可能とすることができ、前記サポーター本体の外周面上の左右両側の手指第一関節及び第二関節の部位に、X字状に対向して弓状弾性素材を備え、前記弓状弾性素材が当接する部位は線状弾性素材で前記弓状弾性素材を固着し、手指の第一関節及び第二関節の曲げ伸ばしにおける関節部の支点軸を形成するとともに、前記支点軸の維持が可能になり、指の横方向の変形を改善する手指関節用サポーター。(例えば、特許文献1参照)が存在している。
本発明は、これを解決するために、指の関節を固定する本体中央部である固定部を挟んでトンボ状の羽根部を設けた手の第一関節変形矯正用サポータに関し、従来の技術では、以下のような問題点が解決できなかった。
(1) 手の各指先の第一関節(末節関節)のみに使用できない。
(2)人差し指、中指、薬指、小指の各指の第一関節に同時に使用できないので、不便である。
(3)第2関節(中節関節)は、運動に制限があり、第一関節を曲げることが可能な状態で使用できなく、日常生活に支障をきたす。
(4)一つ一つが安価でないため、使い捨てができなく、台所での作業や水仕事に適していない。
(5)誰でも患部となる第一関節を簡便に確実に固定できない。
(6)医療機関に行かなくても気軽に自分で改善できない。
(7)手掌側に副木がないので患部部位の固定支持、疼痛防止の治療的効果を奏さない。
(8)少しくらい手の各指の長さ、太さに違いがあると装着に無理が生じてしまう。
また、前記従来技術では、ヘバーデン結節による腫れや変形を隠すことができ、回復期における患部部位の支持および保温効果を高め疼痛防止を目的としている。図中、手指関節用サポーターの指関節部の手のひら側に穴部を設けているが、本来変形などを矯正・疼痛防止のためには、指の手掌側を固定することで効果を得ることができるため、手のひら側に穴部を設けた従来技術では変形矯正の効果はあまり期待できないものであった。
また、指の変形時の患部側である指の爪側や側部に弓状弾性素材等の硬いものが当接されるため、患部に悪影響を与えてしまう恐れもあった。
手の指先を固定する手の第一関節変形矯正用サポータであって、前記第一関節を挟んで上下に分割したトンボ形の薄い通気性のある柔軟な材料で形成された基材に、本体中央部を挟んで左右に2枚ずつ、指に巻回できる羽根状のフラップを設け、この本体中央部には副木を設け、さらに副木を有する本体中央部と羽根状フラップ全体に皮膚に優しい接着剤を塗布し、その上を剥離紙で覆う構成である。
手の指先を固定する手の第一関節変形矯正用サポータであって、略矩形状の薄い柔軟な通気性のある材料で形成された基材に、第一関節を挟んで指の幅の本体中央部を残して上下に分割できるようにカット部を設け、該カット部を挟んで、指に巻回できる4枚のフラップ部を設け、前記本体中央部には副木を設け、さらに本体中央部と4枚のフラップ部全体に皮膚に優しい接着剤を塗布し、その上を剥離紙で覆う構成である。
請求項1に記載の発明に加えて、前記4枚のフラップ部は、装着時に指先側に装着される上側左右2つのフラップ部が下側左右のフラップ部より長さが短い構成である。
(1)手の各指先の第一関節(末節関節)のみに使用できる。
(2)本体が薄手に形成されているため、人差し指、中指、薬指、小指の第一関節に同時に巻回使用できるので、便利である。
(3)通気性のある柔軟な素材で形成されているため、第2関節(中節関節)の運動に制限がないようにでき、第一関節を曲げることが可能な状態で使用でき、日常生活に支障をきたさない。
(4)安価で簡便なため、使い捨てができ、台所での作業や水仕事に適している。
(5)誰でも患部となる第一関節を簡便に確実に固定できる。
(6)医療機関に行かなくても気軽に自分で改善できる。
(7)手掌側に副木があるので、患部部位の固定支持、及び疼痛防止の治療的効果を奏するものである。
(8)少しくらい手の各指の長さ、太さに違いがあっても、巻回して固定装着することができるので、各指のサイズに関係なく汎用性が高いものである。
(9)装着時に指先側に装着される上側左右2つのフラップ部が下側左右のフラップ部より長さが短いため、指先に向かって幅に小さくなる指先への装着時にしわ等を発生させてしまうことなく、確実に装着することができる。
(10)さらに固定力が必要な場合は、素材が薄いので、2重に貼って使用することができる。
(11)フラップ素材は、締め付けが一定であり、装着時に輪ゴムのようにそれ以上締め付けることがないため、安全である。
本発明の手の第一関節変形矯正用サポータは、手指の爪のすぐ下の第一関節(末節関節)5が太く変形したり、骨が隆起し指先が曲がったりする症状が起こるヘバーデン結節の治療に効果のあるものである。この症状は、未だ原因が特定できていないため、根本治療、標準的な治療法は、今のところ確立されていない。対処療法として、手指の関節を固定することにより、炎症や変形を最小限にくい止めることができることは解ってきている。炎症期に固定をすることにより、「変形を最小限にくい止めておく」ということは重要なポイントとなる。その理由は、炎症期が終わった後の日常生活に支障を残さないことからである。固定をすると炎症や腫れが治まり、変形も最小限にくい止めることができ、日常生活にも支障をきたさないという事実を突き止めた。
本発明の第一実施例は、手の指先を固定するもので、手の第一関節変形矯正用サポータであって、第一関節5を挟んで上下に分割したトンボ形の柔軟な通気性のある伸縮性材料で形成された基材に、本体中央部1を含む胴体を挟んで左右に2枚ずつの指に巻回できる指先を覆う羽根状のフラップ2と、第一関節と第二関節間を覆う羽根部3を設け、この本体中央部1には副木7を設け、さらに副木7を有する本体中央部1を含む胴体と羽根状のフラップ2と羽根部3の全体に皮膚に優しい接着剤を塗布し、その上を剥離紙8で覆った手の第一関節変形矯正用サポータである。
以上のような構成の手の第一関節変形矯正用サポータは、本体中央部1、フラップ2、羽根部3を伸縮性がある通気性素材、例えばゴム入り不織布、ゴム入り織布、軟質な通気性のあるプラスチック材など、通気性と伸縮性があり、人体に悪影響のない材料であれば種々選択することが可能である。
この通気性、伸縮性のある布製の帯で形成した{例えばバンドエイド(登録商標)}のような材料で本体、羽根部を形成し、できれば羽根部3を薄くし、全体に剥離紙8、本体中央部1には副木7(弾力性があり、サポータ装着時に違和感の少ない材料で形成されたもの、例えば不織布)を設け、この副木7の設け方は、貼り付けたり、縫い付けたり、また本体中央部1を袋状にして、この袋状部内に封入して固定したもの等が考えられる。
この副木7を設けた本体中央部1を手掌側の第一関節に合わせることにより固定部となるように残し、その他の剥離紙8を順番に剥がしながら簡便に指に巻回して装着するものである。また、前記剥離紙8は、従来の剥離紙の素材より固い強度の少し強いものを使用することで、この剥離紙8を副木7の代用とすることもできる。
この本発明の手の第一関節変形矯正用サポータは、図3〜図5に示すように第一関節だけを固定できるようにトンボ形に形成し、その本体中央部1を残し、羽根の付け根部分の剥離紙8だけにカットラインを入れておくことにより、剥離紙8を順番に剥がして、指に巻回固定するものである。使用時は、手指先の第一関節の手掌部側(内側)に本体中央部1を合わせ、内側に「副木」、「シーネ」、「添え木」等を設けることによって、固定の機能を持たせる。尚、剥離紙8に副木7の役目を生じさせるようにしても良いし、別の副木7を設けても良いことは言うまでもない。
すなわち、羽根の部分だけを上下どちらからでも順次剥離紙を剥がし、指に巻回して貼り付け装着していくものである。このように装着することで、本体中央部1に固定効果が奏され、しかも、「副木」、「シーネ」、「添え木」の役割を有するので、固定効果が持続する期待が持てるものである。
また、本体中央部1を、手の第一関節変形矯正用サポータ装着時に湾曲させてR状に圧力をかけて使用することで、「副木」、「シーネ」、「添え木」効果を上げることができる。
すなわち、第一関節5(末節関節)だけを固定保持するので、第2関節6(中節関節)は運動に制限がなく、動かすことができるので、日常生活での不便さは極めて少ないものである。
また、装着した際のサポータがとても薄いため、複数の第一関節5(末節関節)を同時に使用しても不便さは極めて少ない。
尚、トンボ形の羽根は、上側(指先を覆う)の左右の羽根状のフラップ2は、下側の第一関節と第二関節間を覆う左右の羽根部3に比べて長さは、やや短め、幅もやや細めに形成することで、手指の形状、長さ、太さに合致する形状になるものである。また、使用者の体形等に合わせて羽根の長さや幅等は、種々の組み合わせを採用することができる。
この第二実施例は、前記第一実施例のトンボ形の羽根形状を、図6に示すように縦方向の中央両側にカット部4を施し、上下に設けた羽根状のフラップの部分に隙間を設けたものである。
その他の構成、効果は第一実施例と同様なので、詳細な説明は、省略する。
前記第二実施例では、指の部分、部分に分割して指に巻回することができるが、この第三実施例では、指に巻回する際、丁寧に注意を払って巻回をしなければならない。すなわち、前記第二実施例の本体中央部1の両側に縦方向のカット部を施し、カット部を挟んで上下に形成した2枚ずつ、計4枚のフラップ部に替えて、全体的に本体中央部1を含めた一枚の矩形フラップを設けたものである。
さらに、本体中央部1には副木を設け、さらに、本体中央部1を挟んで両側フラップ部を設けた本体全体に皮膚に優しい接着剤を塗布し、その上を剥離紙で覆ったことを特徴とする手の第一関節変形矯正用サポータが第三実施例である。
また本体とは別に、片面に接着剤(両面シール)を備えた副木だけを添付させることによって、利用者が患部の症状に合わせて副木の厚みを変えることも考えられる。
2・・・・指先を覆う羽根状のフラップ
3・・・・第一関節と第二関節間を覆う羽根部
4・・・・カット
5・・・・第一関節
6・・・・第二関節
7・・・・副木
8・・・・剥離紙
Claims (3)
- 手の指先を固定する手の第一関節変形矯正用サポータであって、前記第一関節を挟んで上下に分割したトンボ形の薄い柔軟な通気性のある材料で形成された基材に、本体中央部を挟んで左右に2枚ずつ、指に巻回できる羽根状のフラップを設け、この本体中央部には副木を設け、さらに副木を有する本体中央部と羽根状フラップ全体に皮膚に優しい接着剤を塗布し、その上を剥離紙で覆ったことを特徴とする手の第一関節変形矯正用サポータ。
- 手の指先を固定する手の第一関節変形矯正用サポータであって、略矩形状の薄い柔軟な通気性のある材料で形成された基材に、第一関節を挟んで指の幅の本体中央部を残して上下に分割できるようにカットを設け、該カットを挟んで、指に巻回できる4枚のフラップ部を設け、前記本体中央部には副木を設け、さらに本体中央部と4枚のフラップ部全体に皮膚に優しい接着剤を塗布し、その上を剥離紙で覆ったことを特徴とする手の第一関節変形矯正用サポータ。
- 前記4枚のフラップ部は、装着時に指先側に装着される上側左右2つのフラップ部が下側左右のフラップ部より長さが短いことを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の手の第一関節変形矯正用サポータ。
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