JPH05159271A - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体およびその製造方法

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JPH05159271A
JPH05159271A JP32768191A JP32768191A JPH05159271A JP H05159271 A JPH05159271 A JP H05159271A JP 32768191 A JP32768191 A JP 32768191A JP 32768191 A JP32768191 A JP 32768191A JP H05159271 A JPH05159271 A JP H05159271A
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recording medium
substrate
magnetic
radial direction
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JP32768191A
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Teruhisa Yokozawa
照久 横澤
Shoji Sakaguchi
庄司 坂口
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 テクスチャー構造を適正化することによっ
て、摩擦特性を犠牲とすることなく、その表面粗さを低
減して、高記録容量化が可能な磁気記録媒体およびその
製造方法を実現すること。 【構成】 磁気記録ディスク用基板10へのテクスチャ
リング工程において、凹凸のゴムローラを用いて、部位
によって研削深さが異なるテクスチャーを形成し、その
基板面の半径方向および円周方向のいずれの方向にも起
伏を形成する。これにより、磁気ヘッドとの摩擦力を低
減して、基板面の表面粗さを小さくすることを可能とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体およびその
製造方法に関し、特に、磁気記録媒体の表面に反映され
る磁気記録媒体用基板の表面形状技術に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピューターの記録装置などに搭載さ
れる従来の磁気記録媒体は、例えば、図11および図1
2に示すように、アルミニウム合金の基体11にNi−
Pメッキ層12が形成された磁気記録ディスク用基板1
0(磁気記録媒体用基板)の表面に、同心円状の凹凸
(スクラッチ)が均一に形成された後、その上に磁性層
13および保護層14が積層されたものである。
【0003】この同心円状のスクラッチはテクスチャー
3と呼ばれており、このテクスチャーを形成するため
に、従来の製造方法においては、磁気記録ディスク用基
板10の基板面上にテクスチャーテープ(研磨テープ)
の研磨面を平坦なローラ面を有するゴムローラで押しつ
けた状態で、磁気記録ディスク用基板10をその円周方
向に回転させるテクスチャリング工程が行われている。
このような工程により形成されたテクスチャーは、保磁
力の配向性を確保しながら、磁気ヘッドと磁気記録媒体
との実質的な接触面積を低減することによって、それら
の間の摩擦力を低減している。
【0004】また、このような構成の磁気記録媒体にお
いては、その最表面層に潤滑剤膜を所定の厚さに形成し
て、その摺動摩擦係数を低減することも行われている。
ここで、磁気記録媒体の表面粗さをRa60Åとしたと
きの潤滑剤膜厚さと、摺動摩擦係数および静止摩擦係数
との関係を図13に示す。なお、摺動摩擦係数は、磁気
ヘッドを磁気記録媒体面上に接触させ、磁気記録媒体を
100rpmで1時間回転させた後の最大動摩擦係数を
測定したものであり、静止摩擦係数は、磁気記録媒体を
温度が33℃、相対湿度が80%RHの雰囲気中に24
時間放置した後における磁気ヘッドと磁気記録媒体との
静止摩擦係数を測定したものである。この図に示すよう
に、潤滑剤膜が厚い場合には、摺動摩擦係数が低減す
る。但し、潤滑剤膜が厚すぎた場合には、磁気ヘッドに
対する潤滑剤層の吸着現象などが生じ、静止摩擦係数が
増大する傾向にある。このため、いずれの摩擦係数をも
低減可能なように、潤滑剤膜厚さは約13Åから約23
Åまでの範囲に設定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような磁気記録媒
体に対しては、その高記録容量化が望まれているが、こ
の要求に対応するには、磁気記録媒体表面に対する磁気
ヘッドの浮上距離を圧縮する必要がある。ここで、磁気
記録媒体の表面粗さと磁気ヘッドの浮上距離との関係を
図14に示すように、表面粗さがRa60Åのときに
は、磁気ヘッドの浮上量は約0.1μmであり、表面粗
さがRa30Åのときには、磁気ヘッドの浮上量は約
0.06μmである。すなわち、磁気ヘッドの浮上距離
は、磁気記録媒体表面の粗さが小さいほど圧縮できる。
しかしながら、従来の磁気記録媒体においては、その表
面粗さがRa60Åであるため、磁気ヘッドの浮上量は
大きく確保されており、高記録容量化できないという問
題点がある。
【0006】そこで、磁気記録媒体用基板におけるテク
スチャーの粗さを抑えて、磁気ヘッドの浮上距離を圧縮
する方法が考えられる。しかしながら、表面粗さを、例
えば、Ra30Åにまで抑えると、図6に示すように、
静止摩擦係数が急増するポイントが、潤滑剤膜が薄い側
に大幅にシフトしてしまい、適正な潤滑剤膜厚さが約1
3Åから約15Åまでの範囲という現状の製造プロセス
では実現不可能な範囲となってしまう。このため、従来
の磁気記録媒体においては、テクスチャーの粗さを小さ
くすることによって、磁気ヘッドの浮上特性を改善し、
磁気記録媒体を高記録容量化することには限界があっ
た。
【0007】以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、
テクスチャー構造を適正化することによって、上記のよ
うな磁気記録媒体のトライボロジーを満足させながら、
その表面粗さを低減して、磁気ヘッドの浮上距離を圧縮
し、その高記録容量化が可能な磁気記録媒体およびその
製造方法を実現することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る磁気記録媒体において講じた手段は、
円板状の非磁性体からなる磁気記録媒体用基板の磁性層
が形成された基板面側には、その部位によって研削深さ
の異なるテクスチャーが形成されており、その研削深さ
の差異に対応して、基板面には、半径方向および円周方
向のいずれの方向にも所定のろ波うねり曲線をもつ起伏
を有していることである。
【0009】ここで、ろ波うねり曲線を、例えば、円周
方向および半径方向のいずれの方向に対しても、低域フ
ィルタのカットオフ値fhが80μmの条件で、ろ波中
心線うねりWCAが40Åから100Åまでの範囲であっ
て、ろ波最大うねりWCMが500μm以下に設定するこ
とができる。
【0010】このような磁気記録媒体を形成するため
に、本発明に係る製造方法においては、磁気記録媒体用
基板の表面に対して、その半径方向に研磨テープの研磨
面を所定の間隔をもって断続的に接触させた状態で、磁
気記録媒体用基板と研磨テープとを磁気記録媒体用基板
の円周方向に相対的に回転移動させながら、その半径方
向にも相対的にオシレーション移動させて、テクスチャ
ーを形成するテクスチャリング工程を行う。
【0011】ここで、上記のテクスチャリング工程を容
易に行うために、例えば、テクスチャリング工程とし
て、研磨テープを、ローラ面のローラ軸方向に並列形成
された少なくとも1条の周囲溝を有するローラ部材によ
って背面側から押圧することによって、その研磨面を磁
気記録媒体用基板の基板面に対して、その半径方向に断
続的に接触させた状態とし、かつ、このローラ部材の磁
気記録媒体用基板の半径方向へのオシレーション動作に
よって、研磨テープのオシレーション移動を行う工程を
採用することが好ましい。
【0012】
【作用】本発明においては、磁気記録媒体用基板の表面
に研削深さの異なるテクスチャーを形成することによっ
て、基板の表面が半径方向および円周方向のいずれの方
向にも所定のろ波うねり曲線をもつ起伏、例えば、低域
フィルタのカットオフ値fhが80μmの条件で、ろ波
中心線うねりWCAが40Åから100Åまでの範囲であ
って、ろ波最大うねりWCMが500μm以下のろ波うね
り曲線をもつ起伏を有しており、この起伏は磁気記録媒
体表面にまで反映されている。このため、起伏の頂上部
を磁気ヘッドが摺動することになるので、磁気ヘッドと
磁気記録媒体との実質的な接触面積が極めて小さく、そ
れらの間の摩擦係数が本質的に小さい。それ故、潤滑剤
膜厚さの許容範囲が広いので、磁気記録媒体の潤滑特性
を犠牲にすることなく、テクスチャーの粗さを小さくで
きる。その結果として、磁気ヘッドの浮上距離を圧縮し
て、磁気記録媒体の高記録容量化を図ることができる。
すなわち、本発明においては、磁気記録媒体の表面粗さ
のオーダーが、Raで数10Å、ピッチでサブミクロン
といった非常に細かなものであるのに対し、磁気ヘッド
のサイズは、例えば、ABS幅が350μm、スライダ
ー長さが40mmであり、磁気記録媒体の表面粗さに比
較すると非常に大きなものであることを利用して、磁気
ヘッドの実質的な摺動面を磁気記録媒体の表面の起伏の
頂上部とすることによって、磁気ヘッドと磁気記録媒体
との潤滑特性を確保してある。
【0013】このような磁気記録媒体を形成するため
に、本発明に係る製造方法のテクスチャリング工程にお
いて、磁気記録媒体用基板の表面に対して、その半径方
向に研磨テープの研磨面を所定の間隔をもって断続的に
接触させた状態で、磁気記録媒体用基板と研磨テープと
を磁気記録媒体用基板の円周方向に相対的に回転移動さ
せると、磁気記録媒体用基板の表面には、その半径方向
で研磨テープが接触している領域と接触していない領域
とがある状態でテクスチャーが形成されるため、磁気記
録媒体用基板表面の削れ量(研削深さ)は不均一とな
り、半径方向に起伏が形成されるのに加えて、研磨テー
プのオシレーション移動によって、円周方向においても
削れ量(研削深さ)は不均一となり、その方向にも起伏
が形成される。
【0014】
【実施例】本発明では、磁気記録媒体表面に半径方向お
よび円周方向のいずれの方向にも所定の起伏を設けるこ
とにより、磁気記録媒体表面の粗さを小さくしても、磁
気ヘッドと磁気記録媒体表面との実質的な接触面積が小
さく、潤滑特性を損なうことのない磁気記録媒体を実現
している。
【0015】以下に、添付図面を参照して本発明の実施
例を説明する。ここで、従来の磁気記録媒体と同じ機能
を有する部分には、同符号を付してある。
【0016】図1は本例に係る磁気記録ディスク(磁気
記録媒体)の表面を一部拡大して示す平面図、図2はそ
の磁気記録ディスクの断面図、図3はそれに用いた磁気
記録ディスク用基板の平面図である。
【0017】これらの図において、磁気記録ディスク1
は、円板状のアルミニウム合金の基体11の表面にNi
−Pメッキ12が施された磁気記録ディスク用基板10
を備えており、その基板面には、その部位によって研削
深さが異なるテクスチャー2が形成されている。その研
削深さの差に対応して、磁気記録ディスク用基板10表
面は半径方向および円周方向のいずれの方向にも起伏を
有している。磁気記録ディスク1は、この磁気記録ディ
スク用基板10の表面上に、スパッタ成膜されたCr中
間層およびCo合金磁性層からなる磁性層13と、スパ
ッタ成膜されたアモルファスカーボン層たる保護層14
とを有し、その最表層には潤滑剤膜がディッピング法に
より塗布されている。そして、磁気記録ディスク用基板
10の起伏は、その表面側に磁性層13,保護層14お
よび潤滑剤膜が塗布されても、磁気記録ディスク1の最
表層にまで反映されている。本例においては、磁気記録
ディスク用基板10の起伏は、円周方向および半径方向
のいずれの方向に対しても、低域フィルタのカットオフ
値fhが80μmの条件で、ろ波中心線うねりWCAが4
0Åから100Åまでの範囲であって、ろ波最大うねり
CMが500μm以下のろ波うねり曲線を有し、その起
伏上には、図4に示すように、微細な凹凸を有する。
【0018】このような構成の磁気記録ディスク1にお
いては、その表面粗さのオーダーが、Raで数10Å、
ピッチでサブミクロンといった非常に小さなものである
のに対し、その表面上をCSS(コンタクトスタートス
トップ)される磁気ヘッドのサイズは、例えば、ABS
幅が350μm、スライダー長さが40mmである。
【0019】従って、磁気記録ディスク用基板10の表
面側の粗さを小さくしても、磁気ヘッドは磁気記録ディ
スク1の最表層に反映された起伏の頂上部を摺動するた
め、磁気ヘッドと磁気記録ディスク1との実質的な接触
面積が極めて小さく、それらの間の摩擦力が本質的に小
さい。それ故、磁気記録ディスク1の最表層に塗布され
る潤滑剤膜の厚さの許容範囲が広いので、表面の粗さを
小さく、例えばRa30Åにしても、磁気ヘッドの摺動
特性が犠牲とならない。その結果、磁気ヘッドの浮上距
離を圧縮して、磁気記録ディスク1の高記録容量化を図
ることが可能になる。
【0020】つぎに、本例の磁気記録ディスクの製造方
法におけるテクスチャリング工程を以下に説明する。
【0021】ここで、テクスチャリング工程において
は、磁気記録ディスク用基板10の表面に対して、その
半径方向に研磨テープの研磨面を所定の間隔をもって断
続的に接触させた状態で、磁気記録ディスク用基板10
を円周方向に回転移動させながら、かつ、研磨テープを
半径方向にオシレーション移動させて、テクスチャーを
形成する。そのため、図7および図8に示す研磨装置を
用いる。
【0022】図7は研磨装置の要部を示す正面図、図8
はその側面図である。
【0023】これらの図に示すように、この研磨装置を
用いたテクスチャリング工程においては、磁気記録ディ
スク用基板10は回転シャフト23に固定されて、円周
方向に回転しており、この磁気記録ディスク用基板10
を挟み込むように磁気記録ディスク用基板10の両面に
ゴムローラ22が配置されている。ここで、ゴムローラ
22には、図9および図10に示すように、ローラ面2
2aのローラ軸方向にピッチが6mm、幅が3mm、深
さが1mmの周囲溝22bが並列に形成されており、こ
の凹凸のローラ面22aを有するゴムローラ22によっ
て、テクスチャーテープ21は磁気記録ディスク用基板
10の表面に押圧されている。このため、テクスチャー
テープ21の研磨面は、磁気記録ディスク用基板10の
半径方向に対して断続的に押しつけられた状態にある。
このように、ゴムローラ22のローラ面22aに凹凸が
あると、磁気記録ディスク用基板10の表面は、その半
径方向において、テクスチャーテープ21が接触してい
る領域と、接触していない領域とがある状態でテクスチ
ャー加工される。その結果、磁気記録ディスク用基板1
0の表面の研削深さは円周方向で不均一となり、半径方
向に起伏が形成される。加えて、本研磨装置において
は、ゴムローラ22は、ステム24に固定されて、磁気
記録ディスク用基板10の半径方向25にオシレーショ
ン動作される。
【0024】このため、ゴムローラ22のローラ面に形
成されている凹凸形状に対応して、円周方向にも研削深
さが異なる状態でテクスチャーが形成されて、その方向
にも起伏が形成される。ここで、テクスチャーテープ2
1は、磁気記録ディスク用基板10の表面を小さな粗さ
に研磨可能なものが使用されるため、図4を用いて説明
したように、円周方向および半径方向に形成された起伏
上に、微細な凹凸が形成された表面を形成することがで
きる。なお、研磨中においては、テクスチャーテープ2
1と磁気記録ディスク用基板10との間に向けて、ノズ
ル26から研磨液27が供給される。
【0025】つぎに、本例に係る磁気記録ディスクと、
従来例に係るテクスチャーを有する磁気記録ディスクと
について、潤滑剤膜厚さと、その摩擦特性との関係を評
価した結果を説明する。なお、本例においては、凹凸の
ローラ面22aを有するゴムローラ22を用いたのに対
して、従来例ではローラ面が平坦なゴムローラを用い
た。ここで、いずれのテクスチャリング工程において
も、ゴムローラをオシレーション動作させながらテクス
チャーを形成した。その他の条件については、表1に示
すように、それぞれのテクスチャリング工程に適応した
条件で行った。
【0026】
【表1】
【0027】ここで、各磁気記録ディスクの最表層に塗
布された潤滑剤層の膜厚さを変えて、摺動摩擦係数およ
び静止摩擦係数を計測した。その結果を図5および図6
に示す。なお、磁気記録ディスク用基板の表面粗さは共
に約Ra30Åである。
【0028】図5には、本例の磁気記録ディスクにおけ
る潤滑剤層の膜厚さと、摺動摩擦係数および静止摩擦係
数の関係、図6には、従来例の磁気記録ディスクにおけ
る潤滑剤層の膜厚さと、摺動摩擦係数および静止摩擦係
数の関係を示してある。ここでの摺動摩擦係数は、磁気
ヘッドを磁気記録ディスク面上に接触させた状態で、磁
気記録ディスクを100rpmで1時間回転させた後の
最大動摩擦係数を測定したものであり、静止摩擦係数
は、磁気記録ディスクを温度が33℃、相対湿度が80
%RHの雰囲気中で24時間放置した後における磁気ヘ
ッドとの静止摩擦係数を測定したものである。
【0029】図6に示すように、従来の磁気記録ディス
クにおいては、静止摩擦係数が急増する潤滑剤膜厚さが
約15Åであるため、摺動摩擦係数および静止摩擦係数
のいずれをも最適なものとするには、潤滑剤膜厚さを約
13Åから約15Åまでの範囲に設定する必要がある。
この範囲は、現状の製造プロセスにおいては実現不可能
なレベルである。すなわち、表面粗さをRa30Åにす
ることが不可能であることを意味する。
【0030】これに対して、図5に示すように、本例の
磁気記録ディスクにおいては、摺動摩擦係数を小さくす
るには、潤滑剤膜厚さを従来の磁気記録ディスクと同様
に、約13Å以上に設定する必要がある。これに対し
て、静止摩擦係数は、潤滑剤膜厚さが15Åのときでも
約0.2と小さく、静止摩擦係数が急増する潤滑剤膜厚
さは約25Åである。従って、本例の磁気記録ディスク
においては、潤滑剤膜厚さが約13Åから約25Åまで
の広い範囲にわたって、摺動摩擦係数および静止摩擦係
数のいずれをも最適なものとすることができる。この範
囲であれば、現状の製造プロセスにおいても、充分制御
可能である。
【0031】以上のとおり、本例の磁気記録ディスクに
おいては、凹凸のローラ面を有するゴムローラを用い
て、磁気記録ディスク用基板をテクスチャー加工するこ
とによって、その基板面が半径方向および円周方向のい
ずれの方向にも起伏を有するようにして、磁気ヘッドと
磁気記録ディスクとの摩擦係数を本質的に低減してい
る。それ故、磁気記録ディスクの最表層に塗布すべき潤
滑剤膜の厚さの許容範囲を広くして、トライボロジーを
満足させながら、表面の粗さをRa30Åにまで小さく
することを可能にしている。従って、磁気ヘッドの浮上
距離を圧縮して、磁気記録媒体の高記録容量化を実現で
きる。
【0032】なお、磁気記録媒体を構成する材料などに
ついては、その磁気記録媒体の用途などによって最適な
条件に設定されるべき性質のものであり、限定のないも
のである。また、ローラ部材のローラ面における凹凸の
条数などについても、磁気記録媒体や研磨テープのサイ
ズなどに対応して任意に設定可能である。さらに、研磨
テープの研磨面側において、砥粒が固定されている研磨
面が幅方向に断続的に形成されている研磨テープなどを
利用して、テクスチャーを形成する方法などを採用して
もよい。
【0033】
【発明の効果】以上のとおり、本発明においては、磁気
記録媒体用基板の表面と研磨テープとを半径方向に断続
的に接触させた状態で、相対的に回転移動および半径方
向へのオシレーション移動させることによって、基板の
表面部位によって研削深さが異なるテクスチャーを形成
し、その基板面に起伏を設けることに特徴を有してい
る。従って、本発明によれば、磁気ヘッドは磁気記録媒
体表面に反映された起伏の頂上部を摺動するので、それ
らの間の摩擦係数が本質的に小さい。従って、表面粗さ
を小さくしても、潤滑剤膜厚さの許容範囲が広い。すな
わち、従来の技術では背反する関係にあった摺動特性お
よび浮上特性のいずれをも良好としているため、磁気ヘ
ッドを低浮上化させて、磁気記録媒体の高記録容量化を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る磁気記録ディスクの表面
を一部拡大して示す平面図である。
【図2】図1に示す磁気記録ディスクのVI−VI断面を示
す模式断面図である。
【図3】図1に示す磁気記録ディスク用基板表面に形成
したテクスチャーの形状を示す模式図である。
【図4】図1に示す磁気記録ディスク用基板表面の起伏
を示す模式図である。
【図5】本発明の実施例に係る磁気記録ディスクにおい
て、その表面粗さをRa30Åとした場合の潤滑剤膜厚
と摺動摩擦係数および静止摩擦係数との関係を示すグラ
フ図である。
【図6】従来の実施例に係る磁気記録ディスクにおい
て、その表面粗さをRa30Åとした場合の潤滑剤膜厚
と摺動摩擦係数および静止摩擦係数との関係を示すグラ
フ図である。
【図7】図3に示すテクスチャーを形成するための研磨
装置の要部を示す説明図である。
【図8】図7に示す研磨装置の VII−VII 断面を示す説
明図である。
【図9】図7に示す研磨装置のゴムローラの正面図であ
る。
【図10】図9に示すゴムローラの側面図である。
【図11】従来の磁気記録ディスクの平面図である。
【図12】図11に示す磁気記録ディスクのVIII−VIII
断面を示す断面図である。
【図13】従来の実施例に係る磁気記録ディスクにおい
て、その表面粗さをRa60Åとした場合の潤滑剤膜厚
と摺動摩擦係数および静止摩擦係数との関係を示すグラ
フ図である。
【図14】表面粗さと磁気ヘッドの浮上特性との関係を
示したグラフ図である。
【符号の説明】
1 ・・・磁気記録ディスク 2,3・・・テクスチャー 10 ・・・磁気記録ディスク用基板 11 ・・・基体 12 ・・・Ni−Pメッキ層 13 ・・・磁性層 14 ・・・保護層 21 ・・・テクスチャーテープ 22 ・・・ゴムローラ 22a・・・ローラ面 22b・・・周囲溝 24 ・・・ステム 25 ・・・オシレーション方向 26 ・・・ノズル 27 ・・・研磨液

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円板状の非磁性体からなる磁気記録媒体
    用基板の磁性層が形成された基板面側には、その部位に
    よって研削深さの異なるテクスチャーが形成されてお
    り、その研削深さの差異に対応して、前記基板面は、半
    径方向および円周方向のいずれの方向にも所定のろ波う
    ねり曲線をもつ起伏を有していることを特徴とする磁気
    記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記ろ波うねり曲線
    は、円周方向および半径方向のいずれの方向に対して
    も、低域フィルタのカットオフ値fhが80μmの条件
    で、ろ波中心線うねりWCAが40Åから100Åまでの
    範囲であって、ろ波最大うねりWCMが500μm以下で
    あることを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に規定する磁気
    記録媒体の製造方法であって、前記磁気記録媒体用基板
    の表面に対して、その半径方向に研磨テープの研磨面を
    所定の間隔をもって断続的に接触させた状態で、前記磁
    気記録媒体用基板と前記研磨テープとを前記磁気記録媒
    体用基板の円周方向に相対的に回転移動させながら、そ
    の半径方向に相対的にオシレーション移動させて、前記
    テクスチャーを形成するテクスチャリング工程を有する
    ことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記テクスチャリン
    グ工程では、前記研磨テープを、ローラ面のローラ軸方
    向に並列形成された少なくとも1条の周囲溝を有するロ
    ーラ部材によって背面側から押圧することによって、そ
    の研磨面を前記磁気記録媒体用基板の基板面に対して、
    その半径方向に断続的に接触させた状態とし、かつ、こ
    のローラ部材の前記磁気記録媒体用基板の半径方向への
    オシレーション動作によって、前記オシレーション移動
    を行うことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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JP32768191A Pending JPH05159271A (ja) 1991-12-11 1991-12-11 磁気記録媒体およびその製造方法

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