JPH05157734A - 超音波検査装置のインピーダンス整合器 - Google Patents

超音波検査装置のインピーダンス整合器

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JPH05157734A
JPH05157734A JP3347783A JP34778391A JPH05157734A JP H05157734 A JPH05157734 A JP H05157734A JP 3347783 A JP3347783 A JP 3347783A JP 34778391 A JP34778391 A JP 34778391A JP H05157734 A JPH05157734 A JP H05157734A
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probe
impedance
impedance matching
piezoelectric element
ultrasonic inspection
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JP3347783A
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Sakae Takeda
栄 竹田
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型化を図ることができ、しかも探触子を交
換しても、探触子に設けた圧電素子のインピーダンスと
方向性結合器のインピーダンスとを、容易に整合させる
ことができる超音波検査装置のインピーダンス整合器の
提供。 【構成】 抵抗回路6と複数のインダクタンス回路9、
12、15とからなるインピーダンス整合手段33と、
このインピーダンス整合手段33と探触子とを電気的に
接続する複数の接点17A、17B、17Cを有する接
続手段17とをケーシング2に収納し、インピーダンス
整合器1を小型化し、且つ、探触子を交換しても、探触
子に設けた圧電素子のインピーダンスと方向性結合器2
6のインピーダンスとを、容易に整合させることができ
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波検査装置のイン
ピーダンス整合器に係り、特に、探触子を励振させる信
号を送信する送信器と探触子からの信号を受信する受信
器とを選択的に探触子に結合する方向性結合器のインピ
ーダンスと、探触子に設けた圧電素子のインピーダンス
とを整合させる超音波検査装置のインピーダンス整合器
に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のインピーダンス整合器を有する
超音波検査装置の一例を、図9および図10を用い説明
する。図9は従来の超音波検査装置の系統図、図10は
同装置のインピーダンス整合器として用いたスタブチュ
ーナの斜視図である。
【0003】図9において、探触子23は、圧電素子2
0および音響レンズ19からなる。送信器24は、バー
スト波電圧を出力し圧電素子20を励振させる。受信器
25は、圧電素子20から出力される信号を受信する。
方向性結合器26は、圧電素子20の接続関係を送信器
24の接続に、または、受信器25の接続に切換える。
インピーダンス整合器27は、図10に示すように主線
路30に対し垂直に結合された複数のスタブ31と、各
スタブ31間を短絡する複数のバー32とからなり、探
触子23と方向性結合器26との間に設置され、探触子
23に設けた圧電素子20のインピーダンスと方向性結
合器26のインピーダンスとを整合させる。また、試料
28は、接触媒体(水等)29を介し、探触子23と接
するようになっている。
【0004】このように構成した超音波検査装置では、
送信器24は、バースト波電圧を出力し、方向性結合器
26およびインピーダンス整合器27を介し、圧電素子
20に印加する。圧電素子20は、印加されたバースト
波電圧により励振されて超音波を発生する。この超音波
は、音響レンズ19により集束されて接触媒体29を介
し、試料28に照射される。試料28に照射された超音
波は、試料28の表面、および、内部の欠陥あるいは異
なる材質の接合界面等から反射される。この試料28か
ら反射された超音波は、接触媒体29および音響レンズ
19を介し、圧電素子20に到達する。圧電素子20
は、試料28から反射された超音波の音圧に比例した電
気信号を出力する。この圧電素子20からの信号は、イ
ンピーダンス整合器27および方向性結合器26を介し
て受信器25に受信される。受信器25に受信された信
号は、図示しない信号処理装置等により所定の処理がな
される。 ところで、上述した方向性結合器26のイン
ピーダンスと圧電素子20のインピーダンスとが一致し
ていない場合には、送信器24から方向性結合器26を
介し出力されたバースト波電圧の多くが、圧電素子20
により反射されて圧電素子20を励振させることができ
ない。したがって、検査前にインピーダンス整合器27
に設けた各バー32の位置を上下に移動させ、探触子2
3の入力端からみたインピーダンスと方向性結合器26
のインピーダンスとがほぼ等しくなるように調整し、こ
の調整が終了した後に、上述した動作にしたがって検査
を行う(参考文献名:電気通信II、朝倉書房、19項
から24項)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術例え
ば図9および図10に示すものでは、インピーダンス整
合器27に設けたスタブ31の長さが数mに及ぶものが
ある。さらに、このスタブ31が3組あるいは4組と数
多く使用される場合もある。したがって、インピーダン
ス整合器27が大型になりやすく、インピーダンス整合
器27を設置するために広いスペースを要すという問題
があった。
【0006】なお、検査目的や試料に応じて探触子23
が取替え使用される。このように探触子23が交換され
ると、当然探触子23に設けた圧電素子20のインピー
ダンスも変化する。このため、探触子23を取替えたと
きには、その都度、前述したインピーダンス整合器27
に設けた各バー32の位置を上下に移動させ、受信器2
5に受信された信号の大きさを読みとりながら調整を行
う必要がある。したがって、上記した従来技術では、イ
ンピーダンス整合器27による調整に多くの手間と時間
を要していた。
【0007】本発明のうちの請求項1に係る発明の目的
は、小型化を図りうる超音波検査装置のインピーダンス
整合器を提供することにある。
【0008】また、本発明のうちの請求項2に係る発明
の目的は、小型化を図ることができ、しかも探触子を交
換しても、探触子に設けた圧電素子のインピーダンスと
方向性結合器のインピーダンスとを、容易に整合させる
ことができる超音波検査装置のインピーダンス整合器を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明は、探触子と、この探触子を励振
させる信号を出力する送信器と、前記探触子からの信号
を受信する受信器と、前記送信器と前記受信器を選択的
に前記探触子に結合する方向性結合器とを備えた超音波
検査装置に設けられ、前記方向性結合器と前記探触子と
の間に配置され、前記探触子に設けた圧電素子のインピ
ーダンスと前記方向性結合器のインピーダンスとの整合
周波数帯域を広くする広帯域整合手段と、前記圧電素子
の共振周波数に対応する共振整合手段とを備えたインピ
ーダンス整合手段と、このインピーダンス整合手段と前
記探触子とを電気的に接続する接続手段とを備えたイン
ピーダンス整合器において、前記インピーダンス整合手
段と前記接続手段とを収納するとともに前記探触子を保
持するケーシングを備えたことを特徴とする。
【0010】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の共振整合手段が、複数の探触子に設けた圧電素子の
それぞれの共振周波数に対応する複数の共振整合手段か
らなり、さらに、請求項1記載の前記接続手段が、前記
共振整合手段に対応し、且つ、それぞれの探触子の接点
位置に対応した複数の接続手段からなることを特徴とす
る。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明は、上記のように構成して
いるので、ケーシング内に収納された広帯域整合手段と
共振整合手段とからなるインピーダンス整合手段によ
り、インピーダンス整合器の入力端からみたインピーダ
ンスと方向性結合器のインピーダンスとがほぼ等しくな
る。これにより、前記ケーシングに備えられた接続手段
によりインピーダンス整合手段に電気的に接続された探
触子に対し、送信器から出力されたバースト波電圧が、
探触子に設けた圧電素子により反射されることなく圧電
素子に印加される。
【0012】また、請求項2記載の発明では、探触子を
交換した場合には、ケーシングに備えた複数の接続手段
の中から、交換した探触子の接点位置に対応する接続手
段が選択される。この接続手段は、ケーシング内に収納
された複数の共振整合手段のうち、交換した探触子に設
けた圧電素子のインピーダンスに対応した共振整合手段
と電気的に接続しているため、インピーダンス整合器の
入力端からみたインピーダンスと方向性結合器のインピ
ーダンスとがほぼ等しくなる。これにより、送信器から
出力されたバースト波電圧が、圧電素子により反射され
ることなく圧電素子に印加される。
【0013】したがって、上記請求項1および請求項2
に記載の発明によれば、探触子のインピーダンスと方向
性結合器のインピーダンスを整合させるインピーダンス
整合器を小型化することができる。また、特に、請求項
2記載の発明によれば、インピーダンスの異なる探触子
に交換した場合でも、探触子のインピーダンスと方向性
結合器のインピーダンスとを、確実に整合させることが
できる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を用い説明する。
【0015】図1〜図8は本発明の超音波検査装置のイ
ンピーダンス整合器の実施例の説明図で、図1はインピ
ーダンス整合器を含む超音波検査装置を示す図、図2は
接続手段例えば接続基板の斜視図、図3は探触子の外観
図、図4はケーシングに探触子が係合した状態を示す図
1のG矢視図、図5は共振整合手段例えばインダクタン
ス回路と圧電素子を電気回路的に表現した模式図、図6
は広帯域整合手段例えば抵抗回路の回路図、図7はイン
ピーダンス整合手段と圧電素子を電気回路的に表現した
模式図、図8は周波数に対する共振曲線図である。
【0016】なお、これらの図で、図9に示した従来技
術の系統図と共通する部分については、共通の符号を付
している。すなわち、送信器24から出力されるバース
ト波電圧は、方向性結合器26を介しインピーダンス整
合器1に入力される。逆に、図示しない試料からの反射
波は、図3に示す圧電素子20A、または、20B、あ
るいは、20Cにより電圧信号に変換され、インピーダ
ンス整合器1および方向性結合器26を介し、受信器2
5により受信される。また、圧電素子20A、または、
20B、あるいは、20Cと送信器24または受信器2
5との接続関係は、方向性結合器26により選択切換え
られる。
【0017】この実施例では、図1に示すように、広帯
域整合手段例えば抵抗回路6を備えた抵抗回路基板5
と、共振整合手段例えばインダクタンス回路9、12、
15をそれぞれ備えたインダクタンス回路基板8、1
1、14と、探触子の接点と電気的に接続する接続手段
例えば接点17A、17B、17Cを有する接続基板1
7とをケーシング2内に収納してある。これらの抵抗回
路基板5と、インダクタンス回路基板8、11、14と
でインピーダンス整合手段33を形成している。
【0018】また、ケーシング2の外側部分には方向性
結合器26に接続されるコネクタ3を設けてあり、この
コネクタ3を介して信号の送受信を行う。さらに、コネ
クタ3のピン3Aと抵抗回路6とを導線4により、抵抗
回路6とインダクタンス回路9、12、15とを導線7
および導線7から分岐した導線7A、7B、7Cによ
り、インダクタンス回路9、12、15と接点17C、
17B、17Aとを導線10、13、16によりそれぞ
れ接続している。
【0019】また、図2にも示すように、接続基板17
に設けた接点17A、17B、17Cは板ばね状の導体
に形成してある。これらの各接点17A、17B、17
Cは、図3(a)、(b)、(c)に示すインピーダン
スの異なる3種類の探触子23A、23B、23Cのい
ずれか1つをケーシング2に係合させたとき、各探触子
23A、23B、23Cに設けた突起状の接点21A、
21B、21Cと位置的に一致し、インピーダンス整合
器1と使用される探触子23A、23B、23Cとが電
気的に接続する。その際、図4に示すようにケーシング
2には係合手段例えば最終端を円形状に広げた溝18を
設けており、この溝18に沿って図3に示した探触子2
3A、23B、23Cのピン22を移動させ、溝18の
最終端でピン22を固定することにより、前記接続基板
17の接点17A、17B、17Cと探触子23A、2
3B、23Cの接点21A、21B、21Cのそれぞれ
対応するものとが位置的に一致する。
【0020】このように構成した超音波検査装置のイン
ピーダンス整合器では、例えば図3(a)に示した探触
子23Aを使用した場合には、送信器24からのバース
ト波電圧が、方向性結合器26およびコネクタ3を介
し、インピーダンス整合器1に入力される。この入力さ
れたバースト波電圧はピン3Aおよび導線4により、抵
抗回路6へ導かれる。また、このバースト波電圧は導線
7および導線7から分岐した導線7Aにより、インダク
タンス回路15へと導かれ、さらに導線16により接点
17Aへと導かれる。また、上述したように、インピー
ダンス整合器1の接点17Aと探触子23Aの接点21
Aとは、位置的に一致しており導通状態にあるため、バ
ースト波電圧は探触子23Aの圧電素子20Aに印加さ
れる。このバースト波電圧により、圧電素子23Aが励
振され超音波を発生する。この超音波は音響レンズ19
Aを介し、図示しない試料に照射され、試料表面および
試料内部の欠陥あるいは異なる材質の接合界面等により
反射される。この試料から反射された超音波は、音響レ
ンズ19Aを介し、圧電素子20Aに到達する。圧電素
子20Aは、この反射された超音波の音圧に比例した電
気信号を出力する。この圧電素子20Aからの信号は、
探触子23Aの接点21Aと接続したインピーダンス整
合器1の接点17Aを介し、インピーダンス整合器1へ
伝達される。このインピーダンス整合器1内では、導線
16によりインダクタンス回路15へ、さらに、導線7
Aおよび導線7により抵抗回路6へ、そして、導線4に
よりコネクタ3のピン3Aおよびコネクタ3へと導かれ
る。インピーダンス整合器1からの信号は、方向性結合
器26を介し、受信器25で受信される。この受信器2
5で受信された信号は、図示しない信号処理装置等によ
り所定の処理がなされる。
【0021】その際、方向性結合器26のインピーダン
スと図3(a)に示す探触子23Aに設けた圧電素子2
0Aのインピーダンスとが一致していない場合には、印
加されたバースト波電圧が圧電素子20Aにより反射さ
れる。上記抵抗回路6およびインダクタンス回路15
は、両者のインピーダンスがほぼ等しくなるように、以
下に示す公知の手法により設定される(参考文献名:電
気回路論、電気学会、79項から87項)。
【0022】一般に、最も単純なR−L−C直列回路で
は、インダクタンスZは、式(1)により表される。
【0023】 Z=R+j・ω・L+1/(j・ω・C) (1) なお、同式において、Rは抵抗(Ω)、Lはインダクタ
ンス(H)、Cはキャパシタンス(F)である。また、
jは虚数を示し、ωは角周波数(rad/sec)であ
り、この角周波数ωは、 ω=2・π・f (2) で表される。ここで、fは周波数(1/sec)を示
す。
【0024】また、方向性結合器26のインピーダンス
Z0は簡易的に、 Z0=R0 (3) として扱うことができる。
【0025】一方、音響レンズ19Aに配設した圧電素
子20Aは、電気回路的にはキャパシタンスCで置換す
ることができる。この圧電素子20Aのキャパシタンス
Cは、圧電素子20Aを音響レンズ19Aに配設したと
きに測定することにより求められる。また、キャパシタ
ンスCとインダクタンスLとを直列に接続すると、入力
電圧の周波数f0を共振周波数として共振を生じさせる
共振回路を形成することができる。この回路構成を図5
に示す。このL−C回路のインピーダンスZ1は、
Z1=j・ω・L+1/(j・ω・C) =j・{ω・L−1/(ω・C)} (4) と表すことができ、ω=2・π・f0のとき、 ω・L−1/(ω・C)=0 (5) となる。この式(5)を変形し、Lを求めると、 L=1/{(ω**2)・C} =1/[{(2・π)**2}・C] (6) となる。ただし、**2は2乗を示す。したがって、上
述したインダクタンス回路15のインダクタンスLは、
計測した圧電素子20AのキャパシタンスCに基づき、
式(6)により設定する。
【0026】また、入力側すなわち方向性結合器26の
インピーダンスがZ0で、負荷側すなわち圧電素子20
AのインピーダンスがZ1のとき、入力電圧と反射され
る電圧の比は次式のように表される。
【0027】 Γ=(Z1−Z0)/(Z1+Z0) (7) したがって、インピーダンスZ0とZ1とが一致した場
合、Γ=0となり反射される電圧は存在せず両者のイン
ピーダンスの整合が達成されたことになる。ところで、
ここで用いる圧電素子のQ値は大きいためインピーダン
スが整合する帯域は非常に狭くなってしまう。そこで整
合する帯域を広げるために、方向性結合器26と同等の
インピーダンスを持った回路を付加する。この回路とし
て、例えば図6に示すように3本の抵抗体で構成するπ
形等価回路とよばれる抵抗回路を用いる。この抵抗回路
を図7に示すように、前述したL−C回路に接続しR−
L−C直列回路とすると、方向性結合器26からみたイ
ンピーダンスZ01と探触子23A側からみたインピー
ダンスZ11は等しくなり、 Z01=Z11 =SQRT[R1・R2・R3・(1+R1/R3)/ {(R1+R2+R3)・(1+R2/R3)}] (8) となる。ただし、SQRTは平方根を表す。また、π形
等価回路ではR2=R3である。このR−L−C直列回
路全体のインピーダンスZ2は、 Z2=Z11+j・{ω・L−1/(ω・C)} (9) となる。
【0028】ところで、式(1)において共振周波数f
0における角周波数をω0とすると、式(1)は下記に
示す式(10)のように変形することができる。
【0029】 Z=R・{1+j・(ω0・L/R)・(ω/ω0−ω0/ω)} (10) ここで、Q=ω0・L/Rとおくと、式(5)からω0
・L=1/(ω0・C)だから、 Q=(1/R)・SQRT(L/C) (11) となる。このQを用い、式(10)を変形すると、 Z/R=1+j・Q・(ω/ω0−ω0/ω) (12) と表すことができる。共振周波数f0すなわち角周波数
ω0のとき、回路を流れる電流|I|は最大値|I0|
となり、入力電圧をEとすると、 |I0|=E/R (13) となる。また、回路を流れる電流|I|は、 |I|=E/|Z| (14) したがって、|I|/|I0|は式(13)、式(1
4)より、 |I|/|I0|=R/|Z| =1/SQRT{1+Q**2・(ω/ω0 −ω0/ω)**2} (15) となる。この式(15)は、R−L−C直列回路の|I
|/|I0|の周波数特性を示し、横軸にω/ω0を、
縦軸に|I|/|I0|をとり、Qの値をパラメータと
して|Q・(ω/ω0−ω0/ω)|を描くと、図8の
ようになる(上述の文献、電気回路論、85項参照)。
【0030】この図8は、Qの種々の値に対応し、入力
電圧の周波数に対するR−L−C直列回路の周波数特性
を示す。同図からわかるように、入力電圧の周波数fが
R−L−C直列回路の共振周波数f0に等しいとき、|
I|が最大値|I0|となる。また、Qが大きくなるほ
ど共振曲線がせん鋭となり、R−L−C直列回路に電流
を流し得る入力電圧の周波数帯域が狭くなることがわか
る。逆にいえば、Qの値を小さくすることにより、周波
数帯域を広げることができる。式(11)に示したよう
に、QはR、L、Cの値で決まり、このうち、LとCは
圧電素子20Aにより設定される固定値のため、結局は
Rにより決定される。
【0031】したがって、図6に示した抵抗R1、R
2、R3の値を調整することにより、圧電素子20Aの
インピーダンスと、方向性結合器26のインピーダンス
とが整合する周波数帯域を調整することができる。
【0032】なお、探触子が23Bあるいは23Cの場
合であっても、圧電素子20Bあるいは20Cのキャパ
シタンスCを測定し、上述した公知の手法に則りインダ
クタンスLを設定する。さらに、上述した手法に則りイ
ンダクタンス回路9、12、15および抵抗回路6が設
定される。
【0033】このように構成した超音波検査装置のイン
ピーダンス整合器では、広帯域整合手段と使用する探触
子の種類に応じた数の共振整合手段および接続手段とを
ケーシング内に収納し、さらに、探触子と一体化するた
めの係合手段をケーシングに設けているため、小型化を
図ることができ、しかも探触子を交換しても、探触子に
設けた圧電素子のインピーダンスと方向性結合器のイン
ピーダンスとを、確実に整合させることができる。
【0034】なお、上述した実施例では、方向性結合器
26と圧電素子20A、20B、20Cとの間のインピ
ーダンスを整合させる際、実際上、整合周波数帯域を厳
密に設定する用途が少ないことから、広帯域整合手段と
しての抵抗回路6を1個のみ使用しているが、各圧電素
子20A、20B、20Cに応じた抵抗回路6を複数作
製し、インダクタンス回路9、12、15に対応させて
もよい。
【0035】さらに、実施例としては、対応する探触子
の数を23A、23B、23Cの3種類としたが、その
数に限定されることはなく、もっと多くても、少なくて
もよい。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、超音波検査装置のイン
ピーダンス整合器を形成する広帯域整合手段と共振整合
手段および接続手段とを、1個のケーシング内に収納す
るため、インピーダンス整合器を小型化することができ
る。したがって、インピーダンス整合器を設置するため
の広いスペースは不要となる。さらに、このケーシング
には探触子を係合する係合手段が備えられているため、
インピーダンス整合器と探触子とを結ぶ配線が不要とな
る。
【0037】また、特に、請求項2に記載の発明によれ
ば、使用する探触子の特性に応じた複数の共振整合手段
および複数の接続手段を設けているため、探触子を交換
しても、探触子に設けた圧電素子のインピーダンスと方
向性結合器のインピーダンスとを確実に整合させること
ができる。したがって、検査者等は両者のインピーダン
スを整合させるための、余分な手間と時間を費やすこと
がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波検査装置のインピーダンス整合
器の実施例を含む超音波検査装置の構成図である。
【図2】本発明の超音波検査装置のインピーダンス整合
器の実施例に備えられた接続基板の斜視図である。
【図3】探触子の外観図である。
【図4】本発明の超音波検査装置のインピーダンス整合
器の実施例に備えられたケーシングに探触子を係合させ
た状態を示す外観図である。
【図5】本発明の超音波検査装置のインピーダンス整合
器の実施例に備えられた共振整合手段例えばインダクタ
ンス回路と探触子とを電気回路的に表現した模式図で有
る。
【図6】本発明の超音波検査装置のインピーダンス整合
器の実施例に備えられた広帯域整合手段例えば抵抗回路
の回路図である。
【図7】本発明の超音波検査装置のインピ−ダンス整合
器に備えられたインピ−ダンス整合手段と探触子とを電
気回路的に表現した模式図である。
【図8】R−L−C直列回路の入力周波数に対する共振
曲線である。
【図9】従来の超音波検査装置の系統図である。
【図10】従来の超音波検査装置のインピ−ダンス整合
器に用いられたスタブチュ−ナの斜視図である。
【符号の説明】
1 インピ−ダンス整合器 2 ケ−シング 6 抵抗回路基板(広帯域整合手段) 8 インダクタンス回路基板(共振整合手段) 11 インダクタンス回路基板(共振整合手段) 14 インダクタンス回路基板(共振整合手段) 17 接続基板(接続手段) 18 溝(係合手段) 20 圧電素子 23 探触子 24 送信器 25 受信器 26 方向性結合器 33 インピーダンス整合手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 探触子と、この探触子を励振させる信号
    を出力する送信器と、前記探触子からの信号を受信する
    受信器と、前記送信器と前記受信器を選択的に前記探触
    子に結合する方向性結合器とを備えた超音波検査装置に
    設けられ、前記方向性結合器と前記探触子との間に配置
    され、前記探触子に設けた圧電素子のインピーダンスと
    前記方向性結合器のインピーダンスとの整合周波数帯域
    を広くする広帯域整合手段と、前記圧電素子の共振周波
    数に対応する共振整合手段とを備えたインピーダンス整
    合手段と、このインピーダンス整合手段と前記探触子と
    を電気的に接続する接続手段とを備えた超音波検査装置
    のインピーダンス整合器において、前記インピーダンス
    整合手段と前記接続手段とを収納するとともに前記探触
    子を保持するケーシングを備えたことを特徴とする超音
    波検査装置のインピーダンス整合器。
  2. 【請求項2】 前記共振整合手段は、複数の探触子に設
    けた圧電素子のそれぞれの共振周波数に対応する複数の
    共振整合手段からなり、さらに、前記接続手段は、前記
    共振整合手段に対応し、且つ、それぞれの探触子の接点
    位置に対応した複数の接続手段からなることを特徴とす
    る請求項1記載の超音波検査装置のインピーダンス整合
    器。
  3. 【請求項3】 前記ケーシングに前記探触子を係合させ
    る係合手段を設けたことを特徴とする請求項1あるいは
    請求項2記載の超音波検査装置のインピーダンス整合
    器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100573967B1 (ko) * 2003-12-19 2006-04-25 한국시설안전기술공단 비파괴검사형 초음파탐사시스템
JP2016201805A (ja) * 2012-06-01 2016-12-01 ノースン・カンパニー・リミテッドNohsn Co., Ltd. インピーダンスマッチング装置及び方法

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