JPH05156639A - 薄膜壁体造成用掘削孔形成方法と形成装置 - Google Patents

薄膜壁体造成用掘削孔形成方法と形成装置

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JPH05156639A
JPH05156639A JP34960391A JP34960391A JPH05156639A JP H05156639 A JPH05156639 A JP H05156639A JP 34960391 A JP34960391 A JP 34960391A JP 34960391 A JP34960391 A JP 34960391A JP H05156639 A JPH05156639 A JP H05156639A
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Shiyouji Nishisaka
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KINKI ISHIKO KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 縦長長方形のパネル2,3を前後に間隔を設
けて対設させてなる薄幅枠本体1の前後二重パネル2,
3間に一対のエンドレスチェーンソー4a,4bを懸架
し、一対のエンドレスチェーンソー4a,4bを回転駆
動せしめて地中を掘削することによって、これらを支持
する薄幅枠本体1を地中に沈下し、且つ一対のエンドレ
スチェーンソー4a,4bを互いに独立して正逆回転駆
動させるようにしたこと。 【効果】 垂直性の良好な掘削孔を形成することができ
ると共に、前後幅の薄くて横幅の広い掘削孔が形成され
ることになり、従ってこの掘削孔によって従来の地下連
続壁体に比べて格段に薄膜状の地下連続壁体を形成する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地中に土留め壁や止水
壁あるいは上下水道等地中構造物の外周壁等の地中壁体
を造成するために地中に掘削孔を形成するための方法と
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、地中に土留め壁や止水壁あるいは
上下水道等地中構造物の外周壁等の地中壁体を造成する
ために地中を掘削するために、一般に円柱状の杭を連続
的に形成した柱列壁造成用掘削方法とその装置が用いら
れている。
【0003】この従来の掘削方法及びその装置によれ
ば、所謂アースオーガーによって地中に円形の孔を互い
に隣接して掘削し、これに円柱状の場所打ち杭を連続し
て形成するものである。
【0004】このように従来の掘削方法では、地中に円
形の掘削孔を横方向に連続して形成するようになってい
るため、当然にこれに打ちこまれる地中壁体は円柱状杭
が連続するものとなって肉厚になると共に、円形の掘削
孔を形成するために所謂多軸タイプのアースオーガーが
用いられるため、装置が大型化して掘削作業に広い作業
現場を必要とする難点があった。
【0005】市街化密集地域におけるビル地下部分の工
事等では、狭隘な用地内での施工が容易で土留め壁等の
地中壁体の幅(肉厚)を出来るだけ薄くして土地をより
有効に利用することが要望されているが、従来の柱列壁
造成用掘削方法とその装置では、地中壁体の幅を薄くす
ることに限界があり、また装置も大型化して現場用地の
面積も多く必要とする難点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
柱列壁造成用掘削方法とその装置では、これによって形
成される地中壁体の薄幅化に限界がある。従って、本発
明は上記の方法や装置を用いないで、従来方法に比べて
格段に地中壁体の薄幅化を可能とする薄膜壁体造成用掘
削孔形成方法とその装置を提案することを目的とするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、実施例に示す参照符号を付して示せば、請
求項1にあっては、縦長長方形のパネル2,3を前後に
間隔を設けて対設させてなる薄幅枠本体1の前後二重パ
ネル2,3間に一対のエンドレスチェーンソー4a,4
bを並行に懸架し、一対のエンドレスチェーンソー4
a,4b回転駆動せしめて地中を掘削することによっ
て、これらを支持する薄幅枠本体1を地中に沈下し、且
つ一対のエンドレスチェーンソー4a,4bを互いに独
立して正逆回転駆動させることによって薄幅枠本体1の
地中への沈下途中における垂直性を維持し、もって地中
に薄幅枠本体1の外径に相当する薄膜壁体造成用の掘削
孔Pを形成するようした薄膜壁体造成用掘削孔形成方法
からなるものである。
【0008】また請求項2にあっては、縦長長方形のパ
ネル2,3を前後に間隔を設けて対設させてなる薄幅枠
本体1の前後二重パネル2,3間に一対のエンドレスチ
ェーンソー4a,4bを並行に懸吊し、一対のエンドレ
スチェーンソー4a,4bを回転駆動せしめて地中を掘
削することによって、これらを支持する薄幅枠本体1を
地中に沈下し、且つ一対のエンドレスチェーンソー4
a,4bを互いに独立して正逆回転駆動させることによ
って薄幅枠本体1の地中への沈下途中における垂直性を
維持し、もって地中に薄幅枠本体1の外径に相当する薄
膜壁体造成用の掘削孔Pを形成すると共に、薄幅枠本体
1の沈下時または引上げ時にセメントミルクまたは泥水
を掘削孔Pに注入するようにした薄膜壁体造成用掘削孔
形成方法からなるものである。
【0009】また請求項3にあっては、縦長長方形のパ
ネル2,3を前後に間隔を設けて対設させてなる薄幅枠
本体1の前後二重パネル2,3間に一対の縦長伝動チェ
ーン4a,4bを、互いに独立して正逆回転する一対の
上部側駆動スプロケット5a,5bと下部側従動スプロ
ケット6a,6bとによって並行に懸架し、前記伝動チ
ェーン4a,4bに薄幅枠本体1の外周縁に沿って突出
する掘削刃7を取り付け、上記上下部側両スプロケット
のうち、下部側従動スプロケット6a,6bと一体回転
する支持軸8a,8bに、外周部に掘削刃を有する掘削
ロータ9a,9bを取り付けてなる薄膜壁体造成用掘削
孔形成装置からなるものである。また請求項4にあって
は、前記薄幅枠本体1を形成する二重パネル2,3はそ
れぞれ前記両上部側駆動スプロケット5a,5bを取り
付ける上部側パネル2a,3aと前記両下部側従動スプ
ロケット6a,6bを取り付ける下部側パネル2b,3
bとに分断すると共に、上部側パネル2a,3aと下部
側パネル3a,3bとはその対向部分が互いに重合して
上下動のみ自在に連係され、且つ上部側パネル2a,3
aと下部側パネル2b,3bとは緩衝連結装置10a,
10bによって互いに連結されてなる請求項3記載の薄
膜壁体造成用掘削孔形成装置からなるものである。
【0010】更に請求項5にあっては、前記薄幅枠本体
1を形成する二重パネル2,3間にその上部から下部側
に向かって延びるセメントミルクまたは泥水用導入管1
1を配設してなる請求項3または4記載の薄膜壁体造成
用掘削孔形成装置からなるものである。
【0011】
【作用】請求項1にあっては、エンドレスチェーンソー
4a,4bを回転駆動させて地中を掘削することによっ
て、エンドレスチェーンソー4a,4bを支持する薄幅
枠本体1は徐々に地中に沈下して薄幅枠本体1の外径に
略相当する内径と形状の掘削孔Pが形成されていくが、
その掘削途上で薄幅枠本体1の掘進方向が左右にずれ気
味になってその垂直性を維持することができなくなれ
ば、互いに並行して設けたエンドレスチェーンソー4
a,4bの回転方向をそれぞれ時計方向あるいは反時計
方向にそれぞさ独立して変更調節することによって、薄
幅枠本体1の掘進方向の垂直性を維持することができ、
この状態で薄幅枠本体1の縦長さ全長にわたって地中に
掘進させることによって、薄幅枠本体1の外径と外形に
相当する掘削孔が形成され、この際薄幅枠本体1は肉厚
が薄く横幅が大きいため、前後幅の薄くて横幅の広い掘
削孔が形成されることになる。
【0012】また請求項2にあっては、請求項1の発明
によって掘削孔Pが形成される途上でセメントミルクま
たは泥水用導入管11からセメントミルクまたは泥水を
掘削孔Pに導入することによって掘削孔Pの崩壊を防止
すると共に、場所打ち杭の形成作業を迅速に行うことが
できる。掘進途上で同時にセメントミルクまたは泥水を
導入することによって一種の潤滑作用を発揮して掘削作
業の迅速化に貢献することができる。
【0013】また請求項3にあっては、薄幅枠本体1を
クレーン車12に支持されて立設されるリーダー13に
薄幅枠本体1を吊持させ、該リーダ13に沿って降下さ
せることによって伝動チェーン4a,4bに突設した掘
削刃7と、薄幅枠本体1の下端部の掘削ロータ9a,9
bとの回転によって地中を掘削し、これに伴って薄幅枠
本体1は順次地中に沈下され、この際薄幅枠本体1の沈
下途上で薄幅枠本体1が左右にずれ気味となってその垂
直性を維持することができなくなったときには、一対の
上部側駆動スプロケット5a,5bをそれぞれ独立して
正逆回転することによって薄幅枠本体1を垂直状態に修
正し、この状態で更に掘削作業を進め、薄幅枠本体1の
略全長が地中に埋まった状態から薄幅枠本体1をリーダ
ー13に沿って引き抜くことによって、地中には薄幅枠
本体1の外径と外形とに相当する前後幅の狭くて横幅の
広い横長状の掘削孔Pが形成されることになる。
【0014】また請求項4にあっては、薄幅枠本体1を
形成する前後両二重パネル2,3は、上部側パネル2
a,3aと下部側パネル2b,3bとに分断され、両者
は緩衝連結装置10a,10bによって連結されている
ため、薄幅枠本体1の先端部で突出する伝動チェーン4
a,4bの掘削刃7及び掘削ロータ9a,9bがその掘
進途上で岩石等の硬質物に当たった場合には、下部側パ
ネル2b,3bが緩衝連結装置10a,10bの弾発力
に抗して上動して下部側パネル2b,3bに支持される
前記掘削刃7と掘削ロータ9a,9bとは岩石等の硬質
物から逃げることができ、これがためにこれら掘削具の
損傷を防ぐことができる。
【0015】更に請求項5にあっては、掘削途上で同時
にセメントミルクまたは泥水用導入管11からセメント
ミルクまたは泥水を掘削部に導入することができるた
め、薄膜壁体の形成作業を迅速に行うことができると共
に、掘進時にこれに並行してセメントミルクまたは泥水
用導入管11を導入することによって掘削部の潤滑作用
を発揮することになり、より一層掘削作業を円滑に行う
ことができる。
【0016】
【実施例】図1は本発明の一実施例の使用状態の全体を
示すもので、クレーン車12によってリーダー13が直
立状態に支持され、これに周知の昇降装置14が取り付
けられている。そして該昇降装置14に薄幅枠本体1が
その連結用ブラケット15によって連結されており、こ
の状態で昇降装置14によって薄幅枠本体1を鎖線に示
すように地中に導入するようになっている。
【0017】昇降装置14の一例を念のため図11によ
って説明すると、装置本体34がリーダー13に沿って
係合部35に保持されて昇降自在となっており、この装
置本体34に油圧モーター等によって作動する駆動スプ
ロケット36とその上下のガイドローラ37,38が設
けられ、リーダー13に沿ってその全長に設けられその
両端部がリーダー13に固定されたラックチェーン39
を駆動スプロケット36と上下のガイドローラ37,3
8との間を通って駆動スプロケット36に噛み合わせ、
該スプロケット36を駆動することによって昇降装置1
4が昇降するようになっている。
【0018】図2及び図3に示すように、薄幅枠本体1
は縦長長方形の前部側のパネル2と同後部側のパネル3
とからなり、両パネル2,3間にH型鋼やボルト等から
なる間隔保持具16を介装して両パネル2,3間に所要
の間隔を設けて両者を一体的に固着してなり、両パネル
2,3間に、図2に示すようにその上部側に一対の駆動
スプロケット5a,5bが左右に並行して取り付けら
れ、その下部側に同じく一対の従動スプロケット6a,
6bが左右に並行して取り付けられ、両スプロケット5
a,6a,5b,6bにわたって伝動チェーン4a,4
bが懸架され、伝動チェーン4a,4bには掘削刃7が
適当間隔に取り付けられている。各駆動スプロケット5
a,5bは図3に示すように、それぞれに駆動モーター
17a,17bが設けられ、各駆動スプロケット5a,
5bはそれぞれの駆動モーター17a,17bによって
独立して正逆回転するようになっている。
【0019】両パネル2,3は、それぞれ上部側パネル
2a,3aと下部側パネル2b,3bとに分断されてお
り、且つ図3に示すように両者の対向部分aは互いに重
合しており、従って両上下部パネル2a,3aと2b,
3bとは上下にのみ移動自在となっている。そして両上
下部パネル2a,3aと2b,3bは一対の緩衝連結装
置10a,10bによって連結されている。緩衝連結装
置10a,10bはシリンダ本体18a,ピストン18
b、ロッド18cおよびピストン18bを押圧するばね
18dとからなり、常時はロッド18cは伸長状態にあ
る。
【0020】また前後両パネル2,3間には一対のセメ
ントミルクまたは泥水用導入管11がその上部から下端
部にかけて設けられ、図3に示すようにその上部側開口
部11aは導入用可撓管19に連結されると共に、下端
部開口部は各前後一対の掘削ロータ9a,9b間から下
方に連通している。
【0021】薄幅枠本体1の上端部にはその中心部を支
点として薄幅枠本体1を水平回転させて薄幅枠本体1の
水平角を設定するための角度決め用モーター20が設け
られると共に、その上部に連結用ブラケット15が取り
付けられている。また薄幅枠本体1の上端部側縁にはチ
ャック装置21が設けられ、薄幅枠本体1の下端部側縁
には係合装置22が設けられており、その役割について
は後述する。
【0022】なお、図1及び図3に示すように薄幅枠本
体1の後部中央部縦方向全長にわたって突条部31が突
設され、図1に示すように該突条部31はクレーン車1
2またはリーダー13に設けた支持アーム32に支持さ
せて薄幅枠本体1の昇降時の揺れを防止するようになっ
ている。
【0023】図4は、薄幅枠本体1の下部側の従動スプ
ロケット6a,6bとこれに懸架される伝動チェーン4
a,4b及び掘削ロータ9a,9bの横断平面図であ
り、従動スプロケット6a,6bには角軸状の支持軸8
a,8bが前後に一体に突設され、一方掘削ロータ9
a,9bにはその中心部に角孔状の筒状部23a,23
bとその外周側のメタル軸受24a,24bが一体に突
設され、該筒状部23a,23bを支持軸8a,8bに
嵌合することによって、従動スプロケット6a,6bと
掘削ロータ9a,9bとは前記メタル軸受24a,24
bと薄幅枠本体側のメタル軸受25a,25bとを介し
て薄幅枠本体1に支持されると共に、、両者にわたって
抜け止めピン26a,26bを差し込むことによって掘
削ロータ9a,9bは従動スプロケット6a,6bと一
体に回転する。掘削ロータ9a,9bが磨耗した場合や
厚みの相違するものと交換する場合には抜け止めピン2
6a,26bを抜くことによって掘削ロータ9a,9b
を容易に取り替えることができる。
【0024】図5に示すように伝動チェーン4a,4b
には、略縦長三角状の掘削刃7が二本のボルト27によ
って固定され、伝動チェーン4a,4bの長手方向に適
当間隔に設けられている。なお、本発明においてエンド
レスチェーンソー4a,4bとは上記の伝動チェーン4
a,4bと掘削刃7とを組み合わせたものの意味に用い
られる。
【0025】本発明は以上の構成からなり、これを使用
するには図1に示すように、薄幅枠本体1の連結用ブラ
ケット15をリーダー13に取り付けられている昇降装
置14に連結し、伝動チェーン4a,4bと掘削ロータ
9a,9bとを回転しながら昇降装置14を下降させる
ことによって薄幅枠本体1の主に先端部分の掘削刃7と
掘削ロータ9a,9bとによって土壌を掘削し、掘削孔
Pを形成しつつ薄幅枠本体1は沈下してゆき、薄幅枠本
体1の略全長が沈下した後に薄幅枠本体1を昇降装置1
4によって上方に引抜くことによって、地中に薄幅枠本
体1の外径と外形とに相当する掘削孔Pが形成される。
そして薄幅枠本体1の沈下途上において薄幅枠本体1先
端部の掘削刃7と掘削ロータ9a,9bが岩石等の硬質
物に衝接したときには、緩衝連結装置10a,10bの
弾発力に抗して、リーダー13に吊持されている上部側
パネル2a,3aに対して下部側パネル2b,3bは上
動し、掘削刃7と掘削ロータ9a,9bとは硬質物から
逃げて急激の掘削作用を阻止し、これによってこれら掘
削具の損傷を未然に防ぐことになる。
【0026】次に薄幅枠本体1の引抜き途上でセメント
ミルクまたは泥水用導入管11からセメントミルクまた
は泥水を薄幅枠本体1の先端部分に導入することによっ
て掘削孔Pの崩壊を防止すると共に、その後の薄膜壁体
の形成を迅速に行うことができる。なお、薄幅枠本体1
が沈下する途上でセメントミルクまたは泥水を導入する
ことによって、薄幅枠本体1の先端部分での掘削作業に
おける潤滑作用をも発揮することになり、より一層円滑
に掘削作業を行うことができる。
【0027】ついで図6に示すように、複数枚の鋼矢板
S(その断面構造については図9を参照)を吊り上げ具
28を介してリーダー13上端のシーブ29(図1)か
ら延びるワイヤー30によって吊り上げ、図7に示すよ
うに鋼矢板Sを薄幅枠本体1の側面に沿わせ、鋼矢板S
の下端部の係合部31(図9に鎖線で示す)を薄幅枠本
体1の下端部に設けた係合装置22(図1)に係合し、
鋼矢板Sの上端部を薄幅枠本体1の上端部に設けたチャ
ック装置21(図1)にチャックさせて該鋼矢板Sを薄
幅枠本体1の側面に一体的に係止させ、この状態で図8
に示すように掘削作業を行って薄幅枠本体1を地中に沈
下させることによって鋼矢板Sは先に形成した掘削孔P
に同時に打ち込まれることになり、掘削作業と鋼矢板S
の打設作業とを同時に行うことができる。
【0028】図9は掘削孔Pに多数の鋼矢板Sが互いに
隣接して連結された状態を示し、その内部空間と周囲に
セメントミルクが一体に硬化することによって強固にし
て薄膜の連続壁体Tが地中に形成されることになる。
【0029】図10は左右の一対の駆動スプロケット5
a,5b、従って伝動チェーン4a,4bと掘削ロータ
9a,9bの回転状態を示すもので、そのAは右側が時
計方向に回転し、左側が反時計方向に回転する場合を示
し、この場合は薄幅枠本体1をその沈下方向に真っ直ぐ
に掘進させることになる。そのBは薄幅枠本体1の沈下
途上で薄幅枠本体1が鎖線で示すように左寄りにずれ気
味となった場合に左右両側とも時計方向に回転させるこ
とによって垂直状態に修正しながら掘削を行うようにし
た場合を示す。そのCは薄幅枠本体1の沈下途上で薄幅
枠本体1が鎖線で示すように右寄りにずれ気味となった
場合に左右両側とも反時計方向に回転させることによっ
て垂直状態に修正しながら掘削を行うようにした場合を
示す。
【0030】このように一対の駆動スプロケット5a,
5bをそれぞれ独立して正逆回転するようにすることに
よって単に掘削幅を大きく取ることができるだけでな
く、薄幅枠本体1の沈下時の垂直性を維持することがで
きるという大きな作用を発揮することになる。
【0031】更には垂直状態のみならず、現場の作業条
件に応じて所要の傾斜方向に掘進させることも可能であ
る。
【0032】
【発明の効果】請求項1にあっては、エンドレスチェー
ンソーの回転方向をそれぞれ時計方向あるいは反時計方
向にそれぞさ独立して変更調節することによって、薄幅
枠本体の掘進方向の垂直性を維持することができ、垂直
性の良好な掘削孔を形成することができると共に、前後
幅の薄くて横幅の広い掘削孔が形成されることになり、
従ってこの掘削孔によって従来の地下連続壁体に比べて
格段に薄膜状の地下連続壁体を形成することができ、そ
れだけ高価な用地の有効利用を計ることができる。
【0033】また請求項2にあっては、請求項1の発明
によって掘削孔が形成される途上でセメントミルクまた
は泥水用導入管からセメントミルクまたは泥水を掘削孔
に導入することによって掘削孔の崩壊を防止すると共
に、場所打ち杭の形成作業を迅速に行うことができる。
なおまた掘進途上で同時にセメントミルクまたは泥水を
導入することによって一種の潤滑作用をも発揮して掘削
作業の迅速化に貢献することができる。
【0034】また請求項3にあっては、薄幅枠本体の外
径と外形とに相当する前後幅の狭くて横幅の広い横長状
の掘削孔を形成することができ、これがために該掘削孔
によって従来に比べて格段に薄膜の地下連続壁体を形成
することができ、それだけ高価な用地の有効利用を計る
ことができる。
【0035】また左右一対のエンドレスチェーンソーと
掘削ロータとを備えた薄幅枠本体をリーダーに吊持する
だけの前後幅の狭い装置からなるため、現場施工用地も
従来に比べて少なくて済み、それだけ施工費の低減化に
貢献することができる。更に、一対の掘削ロータと掘削
刃を設けることによって掘削作業の能率を向上すること
ができるのみならず、垂直性の高い掘削孔を形成するこ
とができると共に、掘削孔の掘進方向を自在に調節する
ことができるから掘削土壌の条件に合わせて掘削作業を
行うことができ、実用的である。
【0036】また請求項4にあっては、薄幅枠本体の先
端部の掘削刃と掘削ロータとがその掘進途上で岩石等の
硬質物に当たった場合には、自動的にこれらの硬質物か
ら逃げることができ、これら掘削具の損傷を防ぎ長期に
わたって安定して使用することができる。
【0037】更に請求項5にあっては、掘削途上で同時
にセメントミルクまたは泥水用導入管からセメントミル
クまたは泥水を掘削部に導入することができるため、薄
膜壁体の形成作業を迅速に行うことができると共に、掘
進時にこれに並行してセメントミルクまたは泥水用導入
管を導入することによって掘削部の潤滑作用を発揮する
ことになり、より一層掘削作業を円滑に行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の使用状態を示す全体図であ
る。
【図2】本発明の一実施例の半断面正面図である。
【図3】同側面図である。
【図4】同要部の横断平面図である。
【図5】同要部の部品拡大図である。
【図6】同使用状態の使用順序の第1を示す。
【図7】同使用状態の使用順序の第2を示す。
【図8】同使用状態の使用順序の第3を示す。
【図9】同地下壁体の形成状態を示す平面図である。
【図10】同使用時における作用を示す。
【図11】本発明の使用時に用いられる昇降装置の一例
を示す図である。
【符号の説明】 1 薄幅枠本体 2 パネル 2a 上部側パネル 2b 下部側パネル 3 パネル 3a 上部側パネル 3b 下部側パネル 4a エンドレスチェーンソー 4b エンドレスチェーンソー 5a 駆動スプロケット 5b 駆動スプロケット 6a 従動スプロケット 6b 従動スプロケット 7 掘削刃 8a 支持軸 8b 支持軸 9a 掘削ロータ 9b 掘削ロータ 10a 緩衝連結装置 10b 緩衝連結装置 11 セメントミルクまたは泥水用導入管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦長長方形のパネルを前後に間隔を設け
    て対設させてなる薄幅枠本体の前後二重パネル間に一対
    のエンドレスチェーンソーを並行に懸架し、一対のエン
    ドレスチェーンソーを回転駆動せしめて地中を掘削する
    ことによって、これらを支持する薄幅枠本体を地中に沈
    下し、且つ一対のエンドレスチェーンを互いに独立して
    正逆回転駆動させることによって薄幅枠本体の地中への
    沈下途中における垂直性を維持し、もって地中に薄幅枠
    本体の外径に相当する薄膜壁体造成用の掘削孔を形成す
    るようした薄膜壁体造成用掘削孔形成方法。
  2. 【請求項2】 縦長長方形のパネルを前後に間隔を設け
    て対設させてなる薄幅枠本体の前後二重パネル間に一対
    のエンドレスチェーンソーを並行に懸架し、一対のエン
    ドレスチェーンソーを回転駆動せしめて地中を掘削する
    ことによって、これらを支持する薄幅枠本体を地中に沈
    下し、且つ一対のエンドレスチェーンを互いに独立して
    正逆回転駆動させることによって薄幅枠本体の地中への
    沈下途中における垂直性を維持し、もって地中に薄幅枠
    本体の外径に相当する薄膜壁体造成用の掘削孔を形成す
    ると共に、薄幅枠本体の沈下時または引上げ時にセメン
    トミルクまたは泥水を掘削孔に注入するようにした薄膜
    壁体造成用掘削孔形成方法。
  3. 【請求項3】 縦長長方形のパネルを前後に間隔を設け
    て対設させてなる薄幅枠本体の前後二重パネル間に一対
    の縦長伝動チェーンを、互いに独立して正逆回転する一
    対の上部側駆動スプロケットと下部側従動スプロケット
    とによって並行に懸架し、前記伝動チェーンに薄幅枠本
    体の外周縁に沿って突出する掘削刃を取り付け、上記上
    下部側両スプロケットのうち、下部側従動スプロケット
    と一体回転する支持軸に、外周部に掘削刃を有する掘削
    ロータを取り付けてなる薄膜壁体造成用掘削孔形成装
    置。
  4. 【請求項4】 前記薄幅枠本体を形成する二重パネルは
    それぞれ前記両上部側駆動スプロケットを取り付ける上
    部側パネルと前記両下部側従動スプロケットを取り付け
    る下部側パネルとに分断すると共に、上部側パネルと下
    部側パネルとはその対向部分が互いに重合して上下動の
    み自在に連係され、且つ上部側パネルと下部側パネルと
    は緩衝連結装置によって互いに連結されてなる請求項3
    記載の薄膜壁体造成用掘削孔形成装置。
  5. 【請求項5】 前記薄幅枠本体を形成する二重パネル間
    にその上部から下部側に向かって延びるセメントミルク
    または泥水用導入管を配設してなる請求項3または4記
    載の薄膜壁体造成用掘削孔形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103352487A (zh) * 2013-08-05 2013-10-16 张璐 曲轴成孔机
CN108999575B (zh) * 2017-05-12 2022-04-22 周兆弟 带辅助切割组件的土体充分搅拌型链式钻头

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