JPH05156582A - 亜鉛メッキ鋼線用被覆組成物およびこれを施したケーブル用亜鉛メッキ鋼線 - Google Patents

亜鉛メッキ鋼線用被覆組成物およびこれを施したケーブル用亜鉛メッキ鋼線

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JPH05156582A
JPH05156582A JP15204491A JP15204491A JPH05156582A JP H05156582 A JPH05156582 A JP H05156582A JP 15204491 A JP15204491 A JP 15204491A JP 15204491 A JP15204491 A JP 15204491A JP H05156582 A JPH05156582 A JP H05156582A
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實 米野
Kazuo Yoshii
和雄 吉井
Tadashi Nishimoto
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、現場施工が容易で、かつ耐食性が
優れているケーブル用亜鉛メッキ鋼線に関するものであ
る。 【構成】 エポキシ樹脂あるいはフェノキシ樹脂、硬化
剤、シリカを必須成分とする被覆組成物を15〜28重
量%含み、その粘度を20〜170センチポイズとなる
ように有機溶剤と混合した塗液を塗布、焼付硬化し、硬
化後の樹脂被覆層の厚みを3〜30μm としたケーブル
用亜鉛メッキ鋼線。 【効果】 耐食性、密着性に優れ、現場施工に適した摩
擦係数を有するケーブル用亜鉛メッキ鋼線を提供するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、亜鉛メッキ鋼線用被覆
組成物およびこれを施した現地施工が容易で、かつ耐食
性が優れている橋梁ケーブル用亜鉛メッキ鋼線に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】橋梁ケーブルは、ケーブル架設後、橋梁
完成までの期間、屋外に暴露され橋梁完成後に防食を行
う。そのためケーブル製造、保管からさらに橋梁完成ま
での間のケーブル防食対策として、ケーブル素線には亜
鉛メッキを施し、さらに亜鉛の腐食を防止するため表面
処理(一次防錆処理と言われている)を行っている。古
くはクロメート処理が行われていたが、降雨によりクロ
メート被覆層が溶出し、環境への影響が懸念されること
から1980年代以降は非クロメート処理が施されるよ
うになった。
【0003】非クロメート処理としては(イ)特公昭6
2−40473号公報、(ロ)特公昭63−11383
号公報などに記載されている処理が公知になっている。
これらの防食被覆は、前記のクロメート処理に比べると
必ずしも十分な耐食性を有していない。特に被覆層の加
工性、密着性が十分でないため、橋梁建設地におけるケ
ーブル施工の間に剥離などの損傷を受け耐食性を損なう
ことになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ケーブル鋼
線に要求される特性は、長期間の屋外暴露に耐え得る耐
食性、ケーブル施工時の鋼線の引出し時に摩擦、折り曲
げ加工等に耐える被覆層の密着性、および施工し易い適
度な摩擦係数である。摩擦係数はケーブル素線引き出し
に際しては小さいことが好ましく、橋板を支えるための
ケーブルバンドを設置するためには大きい方が好まし
い。これまでのケーブル施工機器は表面処理なしの亜鉛
メッキ鋼線を対象としたものが多いため、亜鉛メッキ鋼
線の摩擦係数と差が少ないことが望まれる。
【0005】一次防錆処理のための被覆層の要求性能
は、耐食性、密着性、過度な摩擦係数を有することであ
るが、橋梁が長大化するに従いケーブル用鋼線の製造か
らケーブル全体の防食までの期間が長くなり、従来の非
クロメート系の一次防錆処理では十分な耐食性が得られ
なかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる観
点から亜鉛メッキを施した鋼線表面に密着性の良好なエ
ポキシ樹脂を基体樹脂とし、硬化剤およびシリカから成
る被覆組成物を均一な厚さに被覆して、加熱乾燥するこ
とによって、耐食性、加工性、密着性に優れ、かつ適度
な摩擦係数を有する被覆層を形成することができること
を見出し、本発明の亜鉛メッキ鋼線用被覆組成物および
これを被覆したケーブル用亜鉛メッキ鋼線を開発するに
至った。かくして、本発明に従う被覆組成物は、(A)
数平均分子量8,000〜20,000のフェノキシ樹
脂(i)、または脂肪酸変性もしくは無変性のエポキシ
当量300以上のエポキシ樹脂(ii)、(B)尿素樹
脂、メラミン樹脂およびポリイソシアネート化合物から
選ばれる少なくとも1種の硬化剤、(C)シリカ、を必
須成分として含有し、かつ{(A)+(B)}/(C)
の割合が重量比で95/5〜50/50の範囲であるこ
とを特徴とする。
【0007】本発明において(A)成分として用いられ
るフェノキシ樹脂(i)はビスフェノールA型とエピク
ロルヒドリンから合成される数平均分子量約8,000
〜20,000のポリヒドロキシポリエーテル樹脂であ
る。このようなフェノキシ樹脂は、従来から公知であ
り、ユニオンカーバイド社(米国)からPKHH等の銘
柄で市販されている。
【0008】またエポキシ樹脂(ii)としては、ビス
フェノールA型、ビスフェノールF型、ノボラック型、
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、またエポキシ樹脂
中のエポキシ基およびヒドロキシル基を乾性油脂肪酸中
のカルボキシル基と反応させたエポキシエステル樹脂、
イソシアネートと反応させたウレタン変性エポキシ樹脂
などの変性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂の末端に少なく
とも1個以上の塩基性窒素原子と少なくとも2個以上の
1級水酸基を付加させた塩基性エポキシ樹脂などを挙げ
ることができる。
【0009】本発明において(B)成分として用いられ
る硬化剤は、尿素樹脂、メラミン樹脂、およびポリイソ
シアネート化合物であり、これらは単独または組み合わ
せて使用することができる。また、本発明において
(C)成分として用いられるシリカにはコロイダルシリ
カ、フュームドシリカと呼ばれる親水性シリカと疎水性
シリカがあり、いずれも使用することができるが防食性
の面からフュームドシリカが好ましい。シリカの粒径と
しては1〜500mμが適当であり、特に10〜100
mμが好ましい。
【0010】本発明において、前記した(A)〜(C)
成分を{(A)+(B)}/(C)の重量比で、95/
5〜50/50、好適には90/10〜70/30の範
囲で配合することが必要である。前記した配合割合以外
では、すなわち樹脂成分がシリカより多い場合には、被
覆層の耐食性が劣り、他方、シリカが樹脂成分より多い
場合には密着性が劣るという問題がある。
【0011】本発明において前記した(A)〜(C)成
分からなる被覆組成物が従来の課題を十分に解決する
が、より高度の耐食性が要求される場合には、(A)成
分として、エポキシ樹脂の末端に少なくとも1個以上の
塩基性窒素原子と少なくとも2個の1級水酸基を付加さ
せてなる塩基性エポキシ樹脂の使用が好適である。エポ
キシ樹脂に塩基性窒素原子と1級水酸基を導入するに
は、例えばアルカノールアミンをエポキシ樹脂のオキシ
ラン基に付加させる方法などをとることができる。これ
らのアルカノールアミンとしては、例えばモノエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノ
ール、モノプロパノールアミン、ジプロパノール、ジブ
タノールアミンなどがあり、これらのアミンは単独また
は混合して使用することができる。
【0012】本発明の被覆組成物を用いて被覆層を形成
する場合、フェノキシ樹脂(i)を使用する組成物では
それ自体が高分子であるため硬化剤を必ずしも必要とし
ないが、エポキシ樹脂(ii)を用いる場合には硬化剤
の使用が必要である。硬化剤としてはメラミン、尿素、
ベンゾグアナミンから選ばれた1種以上にホルムアルデ
ヒドを反応させてなるメチロール化合物の一部もしくは
全部に炭素数1〜5の1価アルコールを反応させてなる
従来から公知のアルキルエーテル化アミノ樹脂を使用す
ることもできるが、本発明の被覆組成物を用いて被覆層
を形成する場合、ポリイソシアネート化合物を使用して
基体樹脂中の水酸基との間にウレタン結合を形成するこ
とが好適である。
【0013】本発明の被覆組成物を安定に保存させるた
めには、硬化剤として用いられるポリイソシアネート化
合物中のイソシアネート基を一次的に保護する必要があ
る。イソシアネート基の保護方法としては、加熱時に保
護基(ブロック剤)が脱離し、イソシアネート基が再生
する保護方法を採用できる。ポリイソシアネート化合物
は、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有
する脂肪族、脱環族(複素環も含む)または芳香族イソ
シアネート化合物、もしくはそれらの化合物を多価アル
コールで部分反応させた化合物である。
【0014】また、ブロック剤は、脂肪族モノアルコー
ル類、フェノール、クレゾール類などの芳香族アルコー
ル、アセトオキシム、メチルエチルケトンオキシムなど
のオキシムなどがあり、これらはポリイソシアネート化
合物と反応させることにより、常温下で安定に保護され
たポリイソシアネート化合物が得られる。このようなブ
ロックされたポリイソシアネート化合物は、硬化剤とし
て基体樹脂(固形分)100部に対して5〜40部、好
ましくは10〜30部の割合で配合される。
【0015】本発明の被覆組成物から形成される被覆層
の耐食性は、被覆層の厚さが4μm以上あれば十分であ
り、厚みを増大させても耐食性向上の効果は比較的小さ
い。また被覆層の厚さが30μmを超えると折り曲げ加
工による被覆層の密着性が低下する。また被覆した鋼線
の摩擦係数は被覆層の厚さにより変動するが3〜30μ
mの範囲で、前記した従来技術(イ)および(ロ)の被
覆鋼線に比較して、より無処理の亜鉛メッキ鋼線に近い
値となる。従って使用に際しての性能面から、前記エポ
キシ樹脂を基体樹脂とする被覆層を3〜30μmの厚さ
に被覆することによって適度な摩擦係数を得るという目
的を達成することができる。
【0016】鋼線に前記した範囲内の厚さに、エポキシ
樹脂を基体樹脂とする被覆組成物を被覆するには被覆組
成物中の固形分濃度を15〜28重量%とし、これ以外
の成分を有機溶剤とする塗液を作成して、その塗液の粘
度を20〜170センチポイズの範囲に調整する必要が
ある。鋼線を水平方向に走行させながら連続的に被覆す
る場合には鋼線の上表面と下表面との間では当然のこと
ながら被覆層の厚さに差が生じる。塗液の粘度が20セ
ンチポイズ未満では上面の被覆層の厚さを3μm以上に
保持することができず、また170センチポイズを超え
た場合には下面の被覆層の厚さは30μm超となってし
まう。
【0017】一方、塗液の固形分濃度を15重量%未満
にすると、粘度を上記範囲内に調整しても、鋼線の上面
の被覆層の厚さを3μm以上に保持することがてきず、
また28重量%を超えると有機溶剤の溶解力、沸点等の
特性から塗液の粘度を前記範囲に調整しても鋼線の下面
の被覆層の厚さが30μmを超える。本発明によって得
られる被覆組成物は亜鉛メッキ鋼線に直接塗布しても、
あるいは、りん酸塩処理、クロメート処理などを施して
から塗布してもよい。塗布方法としては通常浸漬塗装が
用いられる。被覆組成物の乾燥は、常温〜250℃の温
度で自然乾燥または加熱乾燥することによって行われ
る。
【0018】
【実施例】以下に実施例より本発明を具体的に説明す
る。実施例1、2および3は、それぞれ塩基性エポキシ
樹脂、フェノキシ樹脂、脂肪酸変性エポキシ樹脂を基体
樹脂とする被覆層の厚さに対する耐食性を示し、実施例
4および5は塗液の固形分濃度(重量%)および塗液の
粘度について数値限定の根拠を示すものである。
【0019】樹脂溶液の調製 (1)塩基性エポキシ樹脂溶液の調製 反応装置に、エピコート1009(シェル化学社製エポ
キシ樹脂、分子量約3,750)1,880g(0.5
モル)とブチルセロソルブ/メチルイソブチルケトン=
78/22(重量比)の混合溶剤1,950gを加えた
後、攪拌加熱し、均一に溶解した。ついで70℃まで冷
却し、液体滴下装置に分取したジ(n−プロパノール)
アミン70gを30分間要して滴下した。この間反応温
度を70℃に保持した。滴下終了後120℃で2時間保
持し、冷却後に前記ブチルセロソルブ/メチルイソブチ
ルケトン=78/22の混合溶剤950gを加え反応を
終了させた。得られた反応物を塩基性エポキシ樹脂溶液
とする。樹脂の有効成分は50%である。
【0020】(2)フェノキシ樹脂(ポリヒドロキシポ
リエーテル樹脂)溶液の調製 ポリヒドロキシポリエーテル樹脂(フェノキシ樹脂、ユ
ニオンカーバイト社製の商品名 PKHH、数平均分子
量12,000)200gにシクロヘキサノン溶液1,
000gを加えた後、60℃に加熱し、均一に溶解し有
効成分が20%の樹脂溶液を得た。
【0021】(3)硬化剤の調製 反応容器にイソホロンジイソシアネート222部を取
り、これにセロソルブアセテート100部を加え、均一
に溶解した後、50%のトリメチロールプロパンのセロ
ソルブアセテート溶液88部を、前記滴下ロートから7
0℃に保持した攪拌状態のイソシアネート溶液中に1時
間を要して滴下した。この後、さらに1時間、70℃に
保持した後、90℃で1時間保持した。その後、メチル
エチルケトンオキシム90部を加え、90℃で3時間反
応させてブロック化ポリイソシアネートを得た。冷却後
にセロソルブアセテート70部を加え、得られたものを
硬化剤Aとする。硬化剤の有効成分は60%であった。
【0022】(実施例1)希釈溶剤として、ブチルセロ
ソルブ/キシレン=1/1の組成のものを使用し、固形
分20%の塗液を調製した。塗液の組成を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】この塗液(粘度20℃、80センチポイ
ズ)を溶融亜鉛メッキ鋼板(板厚0.8mm、メッキ付
着量90g/m2 )にバーコーターで被覆層の厚さを変
えて塗布後、最終鋼板温度を220℃、時間60秒間の
条件で加熱硬化を行った。これらの鋼板を塩水噴霧試験
(JIS Z 2371)に供し、72時間後の全表面
積に対する白錆発生面積比率を調べた結果を表4に示
す。被覆層の厚さは3μm以上、望ましくは4μm以上
であることがわかる。この結果より、本発明の被覆組成
物は耐食性に優れていることが明らかである。
【0025】(実施例2)希釈溶剤にシクロヘキサノン
を使用し、固形分が15%の塗液を調製した。この塗液
の組成を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】この塗液(粘度20℃、95センチポイ
ズ)を溶融亜鉛メッキ鋼板(板厚0.8mm、メッキ付
着量90g/m2 )にバーコーターで被覆層の厚さを変
えて塗布後、最終鋼板温度を220℃、時間60秒間の
条件で加熱硬化を行った。これらの鋼板を塩水噴霧試験
(JIS Z 2371)に供し、72時間後の全表面
積に対する白錆発生面積比率を調べた結果を表4に示
す。被覆層の厚さは3μm以上、望ましくは4μm以上
であることがわかる。この結果より、本発明の被覆組成
物は耐食性に優れていることが明らかである。
【0028】(実施例3)希釈溶剤にブチルセロソルブ
/キシレン=1/1を使用し、固形分25%の塗液を調
製した。この塗液の組成を表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】この塗液(粘度20℃、45センチポイ
ズ)を溶融亜鉛メッキ鋼板(板厚0.8mm、メッキ付
着量90g/m2 )にバーコーターで被覆層の厚さを変
えて塗布後、最終鋼板温度を220℃、時間60秒間の
条件で加熱硬化を行った。これらの鋼板を塩水噴霧試験
(JIS Z 2371)に供し、72時間後の全表面
積に対する白錆発生面積比率を調べた結果を表4に示
す。被覆層の厚さは3μm以上、望ましくは4μm以上
であることがわかる。
【0031】(比較例)特公昭63−11383号公報
に記載のNo.1の水分散型被覆組成物を用いた。性能
比較を表4に示す。
【0032】
【表4】
【0033】(実施例4)前記実施例1と同じ組成の被
覆組成物の固形分を10〜30重量%に変動させ、有機
溶剤としてブチルセロソルブとキシレンの比率を変えて
表5に示す塗液を作成した。
【0034】
【表5】
【0035】この時、塗液の20℃における粘度は表5
に示すように9〜240センチポイズであった。これら
の塗液に直径5.2mm、長さ250mmの亜鉛メッキ
鋼線を浸漬し、垂直に保持して最終鋼線温度が220
℃、時間60秒間の条件で加熱硬化を行うと表5に示す
被覆層の厚さとなった。これらの被覆した鋼線について
直径500mmの曲げ加工を施し、外径頂点部分を接着
テープを用いて剥離試験を行い、図1の結果が得られ
た。この結果から、被覆層の厚さは30μm以下にしな
ければならないことがわかる。
【0036】表5には被覆した鋼線の摩擦係数も示され
ており、無処理の亜鉛メッキ鋼線では0.13〜0.1
5、特公昭63−11383号公報記載の組成物を用い
たものでは、0.24〜0.48であり、本発明の被覆
組成物を用いたものでは、厚さ3〜30μmの間では従
来品より無処理の亜鉛メッキ鋼線に近いことがわかる。
摩擦係数はHEIDON社のHEIDON−14で測定
した(測定条件 荷重1kg、引っ張りスピード10c
m/分)。
【0037】(実施例5)前記実施例1の被覆組成のも
のについて希釈溶剤としてブチルセロソルブを使用し、
塗液の固形分を5〜28%に変動させ、塗液槽のなかに
直径5.2mmの溶融亜鉛メッキ鋼線を毎分10mの速
度で水平方向に走行させ、塗液槽を通過させた後、最終
鋼線温度が220℃となるように調整された加熱炉中で
加熱硬化させた。その際、鋼線の上面と下面では被覆層
の厚さに差を生じ、塗液の固形分(重量%)と被覆層の
厚さとの関係をプロットしたものが図2であり、塗液の
粘度と被覆層の厚さとの関係をプロットしたものが図3
である。図2より塗液の固形分が15重量%未満では鋼
線の上面の被覆層の厚さが3μm未満となり、28重量
%を超えると鋼線の下面の被覆層の厚さは30μmを超
える。図3からは塗液の粘度が20センチポイズ未満で
は鋼線の上面の被覆層の厚さが3μm未満となり、20
0センチポイズを超えると鋼線の下面の被覆層の厚さが
30μmを超えることがわかる。
【0038】
【発明の効果】本発明の被覆組成物を用いてその固形分
および粘度を調整した塗液を鋼線表面に塗布し、加熱硬
化させることにより、耐食性、密着性に優れ、現場施工
に適した摩擦係数を有するケーブル用亜鉛メッキ鋼線を
提供することができる。そしてケーブル架設後の長期に
わたる屋外暴露においても亜鉛メッキ鋼線の腐食を防止
することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】被覆層の厚さに対する剥離の程度を示す図であ
る。 剥離の程度の評価基準(○:剥離なし、△:一部剥離、
×:全面剥離)
【図2】塗液の固形分に対する被覆層の厚さを示す図で
ある。 ○:下面の厚さ、●:上面の厚さ。
【図3】塗液の粘度に対する被覆層の厚さを示す図であ
る。 ○:下面の厚さ、●:上面の厚さ。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年8月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】一次防錆処理のための被覆層の要求性能
は、耐食性、密着性、適度な摩擦係数を有することであ
るが、橋梁が長大化するに従いケーブル用鋼線の製造か
らケーブル全体の防食までの期間が長くなり、従来の非
クロメート系の一次防錆処理では十分な耐食性が得られ
なかった。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】一方、塗液の固形分濃度を15重量%未満
にすると、粘度を上記範囲内に調整しても、鋼線の上面
の被覆層の厚さを3μm以上に保持することがきず、
また28重量%を超えると有機溶剤の溶解力、沸点等の
特性から塗液の粘度を前記範囲に調整しても鋼線の下面
の被覆層の厚さが30μmを超える。本発明によって得
られる被覆組成物は亜鉛メッキ鋼線に直接塗布しても、
あるいは、りん酸塩処理、クロメート処理などを施して
から塗布してもよい。塗布方法としては通常浸漬塗装が
用いられる。被覆組成物の乾燥は、常温〜250℃の温
度で自然乾燥または加熱乾燥することによって行われ
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】
【表2】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 163/00 PKJ 8830−4J 171/10 PLQ 9167−4J 175/04 PHP 8620−4J PHW 8620−4J (72)発明者 吉井 和雄 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (72)発明者 西本 忠史 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)数平均分子量8,000〜20,
    000のフェノキシ樹脂(i)、または脂肪酸変性もし
    くは無変性のエポキシ当量300以上のエポキシ樹脂
    (ii)、 (B)尿素樹脂、メラミン樹脂およびポリイソシアネー
    ト化合物から選ばれる少なくとも1種の硬化剤、 (C)シリカ、を必須成分として含有し、かつ{(A)
    +(B)}/(C)の割合が重量比で95/5〜50/
    50の範囲で成る亜鉛メッキ鋼線用被覆組成物。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂が末端に少なくとも1個以
    上の塩基性窒素原子と少なくとも2個以上の1級水酸基
    を有するものである請求項1記載の亜鉛メッキ鋼線用被
    覆組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の被覆組成物を1
    5〜28重量%含み、その粘度を20〜170センチポ
    イズとなるように有機溶剤と混合した塗液を塗布、焼付
    硬化し、硬化後の樹脂被覆層の厚みを3〜30μmとし
    たケーブル用亜鉛メッキ鋼線。
JP3152044A 1991-06-24 1991-06-24 亜鉛メッキ鋼線用被覆組成物およびこれを施したケーブル用亜鉛メッキ鋼線 Expired - Lifetime JP2563006B2 (ja)

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