JPH0515566Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、吸気マニホールドにおける集合チヤ
ンバに、二連式気化器を接続した吸気装置の改良
に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、気化器からの混合気は、吸気マニホー
ルドを介して各気筒に分配されるが、気化器にお
いてそのメインノズル及びスローノズル等から供
給された燃料の一部は、気化器におけるボアの内
壁面を伝い流下するから、気化器からの混合気
を、そのまゝ吸気マニホールド内に導くことは、
各気筒に対する燃料の分配が不均一になつたり、
失火又は着火不良等を生じるのであり、特に、こ
の燃料が気化器におけるボアの内壁面を伝い流下
する現象は、気化器として、一次側と二次側とを
有する二連式気化器を使用した場合において、そ
の一次側において顕著に発生するのであつた。

そこで、先行技術としての実開昭54−150713号
公報は、吸気マニホールドにおける集合チヤンバ
内に、気化器における一次側に連通する一次側パ
イプと、及び気化器における二次側に連通する二
次側パイプとを挿入することにより、気化器のボ
ア内壁面を伝う燃料が、前記各パイプの下端から
垂れ落ちるようにして、燃料の気化促進を図るこ
とを提案している。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、このものは、気化器におけるボア内壁
面を伝い流下する燃料は、その一次側のボア内壁
面を伝う燃料方が、二次側のボア内壁面を伝う燃
料よりも!?かに多いにも拘わらず、一次側のボア
内壁面を伝う燃料は、一次側パイプの下端から垂
れ落ちるとき、一次側から流入する一部の混合気
に対して接触するのみであるから、気化器におけ
る一次側に供給された燃料に対する気化促進の効
果が低いのであり、しかも、気化器からの混合気
の総てが、前記両パイプを通過することにより、
その混合気の流れ抵抗が大きくなる点に問題があ
つた。

本考案は、二連式気化器における一次側のボア
内壁面を伝う燃料の気化を、混合気の流れ抵抗を
増大することなく、十分に達成できる装置を提供
するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するため本考案は、一次側及び
二次側を有する二連式気化器と、該気化器からの
混合気を内燃機関における各気筒に分配する吸気
マニホールドとから成り、前記吸気マニホールド
において前記気化器が取付く集合チヤンバに、気
化器における一次側に連通する一次側通孔と、気
化器における二次側に連通する二次側通孔とを穿
設して成る吸気装置において、前記吸気マニホー
ルドにおける集合チヤンバの内面には、当該集合
チヤンバ内への前記一次側通孔及び二次側通孔の
開口部の左右両側の部位に、一次側通孔から二次
側通孔の方向に延びる突条を造形した構成にし
た。

〔実施例〕

以下本考案における第一の実施例を図面（第１
図〜第５図）について説明すると、図において符
号１は、４つの気筒を列状に備えた内燃機関を、
符号２は、一次側２１と二次側２２とを備えた二
連式気化器を、符号３は、前記気化器２からの混
合気を前記内燃機関１における各気筒に分配する
ための吸気マニホールドを各々示す。

前記吸気マニホールド３は、前記気化器２が取
付く集合チヤンバ４と、該集合チヤンバ４から気
筒列の方向に二叉状に分岐する二本の中間吸気管
路５，６と、該両中間吸気管路５，６から更に二
叉状に各々分岐して、前記内燃機関１における各
気筒における吸気ポートに接続される枝管路７，
８，９，１０とによつて、いわゆるトーナメント
型に構成されており、また、前記集合チヤンバ４
には、前記気化器２における一次側２１に連通す
る一次側通孔１１と、二次側２２に連通する二次
側通孔１２とが穿設されている。

そして、前記吸気マニホールド３における集合
チヤンバ４の内面には、当該集合チヤンバ４内へ
の前記一次側通孔１１及び二次側通孔１２の開口
部の左右両側の部位に、一次側通孔１１から二次
側通孔１２の方向に延びる突条１３，１４を一体
的に造形する。

この構成において、気化器２から集合チヤンバ
４内に流入した混合気は、両中間吸気管路５，６
の両方に分岐し、更に、両中間吸気管路５，６か
らそれぞれの枝吸気管路７，８，９，１０に分岐
したのち、内燃機関１における各気筒に導入され
る。

一方、気化器２における一次側２１のボア内壁
面２１ａを伝つて流下する燃料は、前記吸気マニ
ホールド３における集合チヤンバ４内への一次側
通孔１１及び二次側通孔１２の開口部の左右両側
に一次側通孔１１から二次側通孔１２に延びるよ
うに造形した突条１３，１４の箇所に至り、該両
突条１３，１４をその長手方向に沿つて二次側通
孔１２の方向に伝い流れ、長い区間から垂れ落ち
るから、集合チヤンバ４内への混合気の全体に対
して接触することになる。

その結果、一次側２１に対する供給燃料の気化
を、確実に促進できる一方、前記突条１３，１４
は、一次側通孔１１及び二次側通孔１２の全周囲
を囲うものではないから、気化器２からの混合気
に対する流れ抵抗になることが少ないのである。

また、第６図〜第８図は、第二の実施例を示す
もので、この実施例は、前記突条１３，１４を、
一次側通孔１１及び二次側通孔１２の内面から適
宜距離（Ｓ）だけ外側の部位に造形したものであ
り、このように構成すると、一次側２１のボア内
壁面２１ａを伝い流下する燃料の一部が、一次側
通孔１１における角部１１ａからも垂れ落ち、残
りの燃料が、突条１３，１４から二次側通孔１２
の方に移行しながら垂れ落ちることになるから、
燃料の気化をより促進できるのである。

更にまた、前記両突条１３，１４の下端縁を、
第２図及び第７図に二点鎖線Ａで示すように、水
平面１５に対して二次側通孔１２に向つて下向き
になるように適宜角度θだけ傾斜するようにすれ
ば、一次側２１のボア内壁面２１ａを伝い流下す
る燃料を、より積極的に二次側通孔１２の方に移
行できるので、更に効果的である。

〔考案の作用・効果〕 以上の通り本考案は、実用新案登録請求の範囲
に記載した構成にしたもので、これにより、気化
器における一次側のボア内壁面２１ａを伝つて流
下する燃料は、両突条の箇所に至り、該両突条を
その長手方向に沿つて二次側通孔の方向に伝い流
れ、長い区間から垂れ落ちるから、集合チヤンバ
内への混合気の全体に対して接触する一方、前記
突条は、前記先行技術におけるパイプのように、
一次側通孔及び二次側通孔の全周囲を囲うもので
はないから、混合気に対する流れ抵抗になること
が少ないのである。

従つて本考案によると、気化器からの混合気の
流れ抵抗を増大することなく、気化器における一
次側の供給燃料の気化を確実に促進できる効果を
有する。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は第１の実施例を示し、第１図
は一部切欠平面図、第２図は第１図の−視拡
大断面図、第３図は第２図の−視断面図、第
４図は第２図の−視断面図、第５図は第２図
の−視断面図、第６図〜第８図は第２の実施
例を示し、第６図は前記第３図と同じ箇所の断面
図、第７図は第６図の−視断面図、第８図は
第７図の−視断面図である。 １……内燃機関、……気筒、２……二連式気化
器、２１……気化器の一次側、２２……気化器の
二次側、３……吸気マニホールド、４……集合チ
ヤンバ、５，６……中間吸気管路、７，８，９，
１０……枝吸気管路、１１……一次側通孔、１２
……二次側通孔、１３，１４……突条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一次側及び二次側を有する二連式気化器と、該
   気化器からの混合気を内燃機関における各気筒に
   分配する吸気マニホールドとから成り、前記吸気
   マニホールドにおいて前記気化器が取付く集合チ
   ヤンバに、気化器における一次側に連通する一次
   側通孔と、気化器における二次側に連通する二次
   側通孔とを穿設して成る吸気装置において、前記
   吸気マニホールドにおける集合チヤンバの内面に
   は、当該集合チヤンバ内への前記一次側通孔及び
   二次側通孔の開口部の左右両側の部位に、一次側
   通孔から二次側通孔の方向に延びる突条を造形し
   たことを特徴とする内燃機関の吸気装置。