JPH05155182A - 吸着式ページめくり装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 冊子原稿のページをエアー吸着して移動し改
ページする吸着式ページめくり装置において、簡単な機
構で、重送やページを飛ばさず確実に改ページを行うよ
うにする。 【構成】 冊子原稿のページを吸着装置により吸着し、
冊子原稿に対しページがほぼ垂直になったら、移動を停
止して、ページ移動空間外より重送判別吸着装置を移動
し重送を判別し、判別が終了したら重送判別吸着装置を
元位置のページ移動空間外へと戻す。その後再び吸着装
置を改ページ方向に移動して改ページを行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、自動読書機等に適用
される吸着式ページめくり装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】吸着式ページめくり装置では、エアーに
よる吸着装置を用いて改ページしたいページを吸着し改
ページ方向に移動した後、エアーを切断する方式が一般
的である。しかし、この方式だけでは、重送やページを
飛ばすなど、１ページずつの確実な改ページができない
場合がある。そこで特開昭５９−５３３１のように、改
ページしたいページを吸着する吸着装置の他に、重送防
止用の吸着装置を設け、両者で重送を防止した上で、両
者によりページを改ページ方向へ移動する方式がある。

【０００３】図５（Ａ）〜（Ｊ）は、従来のページめく
り装置の動作説明図の一例である。

【０００４】冊子原稿９１の改ページしたいページ９２
を原稿吸着装置９３により吸着し少し持ち上げたとき
に、原稿吸着装置９３と重送防止用の吸着装置９４とに
より重送を判別・防止した後、両吸着装置９３と９４の
エアーを切断し、図示するように両吸着装置でページを
挟んだ状態で、改ページの移動空間内を両吸着装置が移
動して改ページを行っている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような改ページ方式では、２つの吸着装置が改ページの
移動空間内を移動するため、機構部のメカニズムが複雑
になってしまい、部品点数の増加、製造工程の複雑化な
どにより、装置が大型化するとともにコストが高くなっ
てしまうという欠点がある。

【０００６】そこで、この発明の目的は、簡単な機構で
確実に１枚のページめくりを行える小型かつ安価な吸着
式ページめくり装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明の吸着式ページ
めくり装置では、冊子原稿のページを吸着した状態で改
ページ方向に移動する吸着装置と、前記冊子原稿の改ペ
ージ時のページ移動空間外より開いて載置された前記冊
子原稿のページ境界面へと移動可能な重送判別吸着装置
と、前記吸着装置と前記重送判別吸着装置との吸着状態
に基づいて重送か否かを判別する重送判別手段と、前記
ページが前記冊子原稿に対しほぼ垂直状態に達したと
き、前記吸着装置の移動を一時停止させ、前記重送判別
吸着装置を前記ページ境界面へと移動・動作させた後、
前記重送判別吸着装置を元位置に戻すとともに、前記吸
着装置を再び改ページ方向に移動させる移動制御手段
と、を設けたことを特徴とする。

【０００８】

【作用】この発明に係る吸着式ページめくり装置では、
冊子原稿の改ページしたいページを吸着装置により吸着
させ、その状態で吸着装置を移動させ、前記ページが前
記冊子原稿に対しほぼ垂直状態に達したら一時停止させ
る。このとき重送判別吸着装置を前記吸着装置により吸
着されているページの吸着面の反対側の方からページ境
界面（ほぼ垂直状態のページはページ境界面とほぼ一致
する。）へと移動させ、前記ページを吸着させる。すな
わち前記ページを両面より吸着して引っ張ることにな
る。このとき前記ページが１枚ではなく２枚であれば両
吸着装置のそれぞれに各ページが吸着された状態で分離
するので、重送を検知でき、再度両吸着装置により両面
より吸着して重送か否かを判別する。前記ページが１枚
であると判別されると、重送判別吸着装置のエアーを切
断し元位置に戻し、前記吸着装置を前記ページの吸着状
態のまま再び改ページ方向へ移動させ、エアーを切断し
て改ページを完了させる。

【０００９】

【実施例】図１は、本発明の実施例である吸着式ページ
めくり装置の動作説明図である。

【００１０】同図（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）、（Ｄ）、
（Ｅ）、（Ｆ）の順序で動作する。

【００１１】冊子原稿Ｂが図示せぬ台の上に載置され、
吸着装置（図示なし）の先端部分の吸着パッド１１が冊
子原稿Ｂの上方縦横に移動可能に設けられている。重送
判別吸着装置（図示なし）の吸着パッド２１は冊子原稿
Ｂの改ページに際しページが移動する空間の外に待機し
ていて、冊子原稿Ｂのページ境界面（ほぼ中央）の上方
へと移動可能となっている。

【００１２】図１（Ａ）で冊子原稿Ｂの改ページしたい
ページＢ１の上に吸着装置の吸着パッド１１を移動し、
同図（Ｂ）で吸着パッド１１をページＢ１に押し当てエ
アー吸着を行う。同図（Ｃ）では吸着パッド１１をペー
ジＢ１をエアー吸着した状態で移動させ冊子原稿のほぼ
中央でページＢ１を垂直状態にして、吸着パッド１１を
停止させる。この状態で同図（Ｄ）のように吸着パッド
２１をページＢ１に対し吸着パッド１１と反対側より近
付け、同図（Ｅ）のように吸着パッド２１によりページ
Ｂ１の反対面（今吸着されていない方の面）を吸着させ
る。ページＢ１は吸着パッド１１と２１により両面から
吸着されることになる。重送の判別は後述のように、そ
れぞれの吸着パッドに接続されたバキュームセンサの検
出結果に基づいて重送判別手段により判別する。重送で
あれば、吸着パッド２１が不要のページを吸着して吸着
パッド１１から分離するので、一度吸着パッド２１のエ
アーを切断して、再び同図（Ｄ）と（Ｅ）を繰り返す。
重送がないことを判別すると同図（Ｆ）のように、吸着
パッド２１をエアーを切断して元位置に戻すとともに、
吸着パッド１１を改ページ方向へ移動させて、エアーを
切断し改ページを完了する。

【００１３】図４は、同吸着式ページめくり装置の外観
概略図である。

【００１４】吸着装置１は、原稿を吸着する吸着パッド
１１、吸着パッド１１を支える支持棒１２、支持棒１２
とモータを繋ぐアーム１３、吸着パッド１１を円弧状に
移動するためのモータ１４、ガイド板１５、エアー管１
６などが含まれている。支持棒１２は２段構造となって
いてエアー管１２ａを介してエアーを投入・切断するこ
とにより冊子原稿Ｂの上下方向に伸縮するようになって
いる。支持棒１２にはモータ１４の回転を伝達するアー
ム１３がアームガイド部１３ａで固定され、モータ１４
を駆動させるとアーム１３が回動する。アームガイド部
１３ａはガイド板１５に形成されたスリット１５ａに沿
って移動し、吸着パッド１１を円弧状（改ページ時のペ
ージ先端部の軌道）に移動させる。吸着装置１へのエア
ー投入（吸着パッド１１により吸着）はエアー管１６に
よる。エアー管１６には吸着パッド１１の圧力印加状態
を検出するバキュームサンセ１６ａが設けられている。

【００１５】重送判別吸着装置２は、原稿を吸着する吸
着パッド２１、吸着パッド２１の水平方向の移動を行う
モータ２２と、歯車２２ａ、ラック２３、重送判別吸着
装置２にエアーを投入し吸着パッド２１にエアー吸着さ
せるエアー管２４、吸着パッド２１の圧力印加状態を検
出するバキュームセンサ２５などから構成されている。

【００１６】次に改ページ動作を説明する。吸着装置１
のエアー管１２ａにエアーを投入して支持棒１２を伸ば
し、吸着パッド１１を改ページしたいページＢ１の端部
中央の上に移動し、ページＢ１に押し当てページＢ１を
吸着する。モータ１４を回転させると、アーム１３が回
転し、アームガイド部１３ａがガイド板１５のスリット
１５ａに沿って円弧状に移動する。吸着パッド１１の面
の向きは支持棒１２に対してほぼ垂直に固定されている
ため、円弧の半径方向と常に平行になる。ページＢ１が
冊子原稿Ｂのほぼ中央で垂直状態に達したら、モータ１
４を停止させ、重送判別吸着装置２のモータ２２を駆動
開始し、歯車２２ａとラック２３により吸着パッド２１
を、ページＢ１に対し吸着パッド１１と反対側から移動
させ、ページＢ１を吸着させ、両面からページＢ１を引
っ張る。このとき吸着パッド１１の圧力を吸着パッド２
１の圧力より強くしてあるので、吸着されたページが１
枚であれば、圧力差により吸着パッド２１はページＢ１
より離れ、バキュームセンサ２５の圧力が減少する。逆
に、ページが重送されている場合は、吸着パッド１１と
２１を引っ張ると、それぞれにページが吸着されたまま
分離し、バキュームセンサ１６ａと２５の圧力は印加さ
れたままであり、重送が検出される。

【００１７】以上のようにして、重送を検出し、確実に
ページＢ１のみであると判別すると、吸着パッド２１の
エアーを切断して元位置にもどし、ページＢ１を吸着し
た状態のまま吸着パッド１１をモータ１４により円弧状
に移動させ、ページをめくったら、エアーを切断して改
ページを完了する。

【００１８】図２は、同吸着式ページめくり装置のブロ
ック構成図である。

【００１９】同吸着式ページめくり装置は、吸着装置と
重送判別吸着装置とを含む吸着部４０、両吸着装置の移
動とエアーの投入・切断などを制御する制御部４１、両
吸着装置の吸着状態により重送か否かを判別する重送判
別部４２（本実施例の重送判別手段であり２つバキュー
ムセンサ、その他を含む）とから構成されている。

【００２０】制御部４１は、改ページを開始すると吸着
部４０を次のように制御する。吸着装置の吸着パッドを
改ページしたいページに移動し、吸着装置にエアーを投
入してページを吸着させ、ページを中央まで移動させる
と吸着パッドを一時停止させ、重送判別吸着装置の吸着
パッドを移動させて吸着装置と反対の面を吸着させる。
これにより重送判別部４２が重送か否かを判別する。重
送判別部４２からの重送判別終了信号により制御部４１
は、吸着部４０に、重送判別吸着装置の吸着パッドの元
位置復帰、および吸着装置の吸着パッドの改ページ方向
への移動の再開の信号を出力する。

【００２１】図３は、同吸着式ページめくり装置の制御
動作のフローチャートである。

【００２２】改ページがスタートすると、まずｎ１で吸
着装置の吸着パッドを移動し、吸着装置にエアーを投入
し（ｎ２）改ページしたいページを吸着パッドにより吸
着する。吸着パッドを円弧移動させページを移動させる
（ｎ３）。ページが冊子原稿に対しほぼ垂直状態に達す
ると（ｎ４）吸着パッドを停止させページを停止させる
（ｎ５）。次に重送判別吸着装置の吸着パッドを移動さ
せ（ｎ６）重送判別吸着装置にエアーを投入し（ｎ
７）、ページを２つの吸着パッドで両面から吸着する
（ｎ８）。両面吸着により重送を判別し（ｎ９）、重送
であれば重送判別吸着装置の吸着パッドのエアーを切断
した（ｎ１０）後ｎ６に戻り繰り返す。重送でなく確実
に一枚であることを判別したらｎ１１で重送判別吸着装
置の吸着パッドを元位置に戻すとともにエアーを切断す
る。吸着装置の吸着パッドを移動させページを移動させ
る（ｎ１２）。改ページが終了すると（ｎ１３）吸着装
置の吸着パッドのエアーを切断し（ｎ１４）吸着パッド
を元位置に戻して終了する。

【００２３】以上の構成でｎ４からｎ１２までが移動制
御手段に相応する。なお、これは移動制御の一例であ
り、重送検出をページがほぼ垂直状態のときに行うとと
もに、重送検出吸着装置の吸着パッドが重送検出時以外
は改ページ移動空間内にないように制御すれば、本実施
例に限られるものではない。

【００２４】また、２つの吸着パッドの移動機構、重送
判別手段の判別方法など本実施例に限られることはな
く、重送判別吸着装置の吸着パッドが重送判別時以外は
改ページ時のページ移動空間にない構成であれば差し支
えない。

【００２５】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば、重送
判別吸着装置の吸着パッドが重送判別時のみページ移動
空間に移動するため、改ページ時には吸着装置の吸着パ
ッドだけがページ移動空間を移動する。したがって移動
機構および移動コントロールが簡素化され、価格の低減
および装置の小型化を図ることができた。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例である吸着式ページめくり装
置の動作説明図である。

【図２】同吸着式ページめくり装置のブロック構成図で
ある。

【図３】同吸着式ページめくり装置の制御動作のフロー
チャートである。

【図４】同吸着式ページめくり装置の外観概略図であ
る。

【図５】従来の吸着式ページめくり装置の動作説明図の
一例である。

【符号の説明】

Ｂ 冊子原稿 Ｂ１ 冊子原稿の改ページされるページ １ 吸着装置 １１ （吸着装置の）吸着パッド １８ バキュームセンサ（重送判別手段） ２ 重送判別吸着装置 ２１ （重送判別吸着装置の）吸着パッド ２５ バキュームセンサ（重送判別手段） ４２ 重送判別部（重送判別手段）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 冊子原稿のページを吸着した状態で改ペ
   ージ方向に移動する吸着装置と、 前記冊子原稿の改ページ時のページ移動空間外より開い
   て載置された前記冊子原稿のページ境界面へと移動可能
   な重送判別吸着装置と、 前記吸着装置と前記重送判別吸着装置との吸着状態に基
   づいて重送か否かを判別する重送判別手段と、 前記ページが前記冊子原稿に対しほぼ垂直状態に達した
   とき、前記吸着装置の移動を一時停止させ、前記重送判
   別吸着装置を前記ページ境界面へと移動・動作させた
   後、前記重送判別吸着装置を元位置に戻すとともに、前
   記吸着装置を再び改ページ方向に移動させる移動制御手
   段と、 を設けたことを特徴とする吸着式ページめくり装置。