JPH09110277A - 自動用紙搬送装置 - Google Patents

自動用紙搬送装置

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Publication number
JPH09110277A
JPH09110277A JP7273228A JP27322895A JPH09110277A JP H09110277 A JPH09110277 A JP H09110277A JP 7273228 A JP7273228 A JP 7273228A JP 27322895 A JP27322895 A JP 27322895A JP H09110277 A JPH09110277 A JP H09110277A
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JP
Japan
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tray
receiving tray
sensor
paper
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Pending
Application number
JP7273228A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhisa Kondo
一寿 近藤
Toru Nibu
亨 丹生
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Publication date
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Priority to US08/727,339 priority patent/US5832356A/en
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Abstract

(57)【要約】 【課題】装置の動作状態に応じてトレイを自動的に動作
させるようにした自動原稿搬送装置において、トレイに
排出された用紙の有無を検出するようにすること。 【解決手段】原稿セット面7の下方には、3つのセンサ
12,13,14が配置されている。センサ12はセッ
ト原稿検出センサ、センサ13は原稿サイズ検出センサ
であり、センサ14が、原稿受けトレイ11上の原稿の
有無を検出する排出原稿検出センサである。排出原稿検
出センサ14は、他のセンサと同様、固定部材である原
稿セット面7から上方を臨むように設けられている。こ
のため、センサ14に対する配線が容易に行える。セン
サ14により原稿受けトレイ11上の原稿の有無が検出
され、原稿がなくなった場合、原稿受けトレイ11は垂
直上方に立つように回動される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複写機,ファク
シミリ装置,原稿画像読取装置等の画像処理装置に装着
可能な自動用紙搬送装置に関する。特に、この発明は、
画像処理装置が読取るべき原稿を自動的に搬送するため
の自動原稿搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば複写機を例にとると、従来よ
り、複写機本体に装着される自動原稿搬送装置が公知で
ある。自動原稿搬送装置には、種々の形式や形状のもの
が存在するが、最近では、その幅や奥行きが、複写機本
体の幅や奥行きの範囲内に収まるよう、言い換えれば、
複写機本体よりも左右または前後方向に突出部が生じな
いように設計されている。
【0003】図15は、従来の複写機用自動原稿搬送装
置の一例を示す概略図であり、正面側から見た図であ
る。複写機本体91の上面に取り付けられた自動原稿搬
送装置92は、複写機本体91の幅および奥行き内に納
まる形状にされている。そのため、自動原稿搬送装置9
2の中央上面は、原稿セット面93とされている。原稿
セット面93にセットされた原稿は、左側の取入口94
から取り込まれ、180度反転されて複写機本体91の
上面に備えられたプラテンガラス95上に送られる。そ
してこの状態で原稿内容が読取られ、複写機本体91内
において原稿のコピーが形成される。その後プラテンガ
ラス95上の原稿は、右側へ移動され、180度反転さ
れて右側の排出口96からトレイ97上に排出される。
トレイ97は、その下端が原稿セット面93の左端付近
に回動可能に取り付けられ、原稿セット面93の上部空
間へ斜め上方に伸びている。トレイ97をこのように配
置することで、原稿セット面93上の空間が有効利用さ
れ、トレイ97が複写機本体91の外側へ突出しない。
【0004】ところで、原稿セット面93に大きなサイ
ズ、たとえば日本工業規格0列3番(以下「A3判」と
いう。)の原稿をセットしようとするとき、原稿セット
面93上に伸びるトレイ97が邪魔になる。従来装置で
は、このようなとき、手でトレイ97を破線で示すよう
に略垂直に立てて邪魔にならないようにしてから、原稿
セット面93に原稿を載せていた。また、原稿セット
後、トレイ97を元の斜め状態に戻していた。
【0005】ところで、トレイ97が破線で示す略垂直
に立った状態のままコピーが行われ、コピー済原稿が排
出口96から排出されると、コピー済原稿はトレイ97
にぶつかり、原稿ジャムが生じたり、原稿が傷む。そこ
で、従来装置では、排出口96近傍に近接センサ98が
設けられ、トレイ97にはマグネット99が埋設され
て、トレイ97が略垂直に立った状態を検出するように
され、その状態ではコピー処理を行えないようにされて
いた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来装置では、
原稿セット面93に原稿をセットする際、トレイ97が
邪魔になるときは、トレイ97を手で動かさなければな
らず、面倒である。また、トレイ97が回動可能である
ことを知らない場合は、原稿セット面93に苦労して原
稿をセットすることになる。
【0007】さらにまた、トレイ97が立った状態でコ
ピーをしようとしても、コピーができないので、操作に
不慣れなユーザは、装置の故障と勘違いすることもあ
る。同様の課題は、複写機用の自動原稿搬送装置以外の
自動用紙搬送装置も抱えている。そこでこの発明は、排
出される用紙を受けるトレイが備えられた自動用紙搬送
装置において、装置の動作状態に応じてトレイを自動的
に動作させるようにし、使い勝手を向上させた自動用紙
搬送装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、ある局面か
ら見ると、搬送する用紙をセットするためのセット面、
セット面の両側に、セット面を隔てて対向するように設
けられた取入口および排出口を有し、セット面にセット
された用紙を取入口から取り込み、所定の経路を搬送し
て、排出口からセット面方向へ排出する搬送手段、排出
口近傍に一端が取り付けられ、排出から排出される用紙
を受け止めるトレイ、前記トレイを、その一端を中心に
回動変位させるトレイ駆動手段、および前記セット面に
関連して配置され、セット面側からトレイ上に配置され
た用紙の有無を検出することのできる用紙センサ、を設
けたことを特徴とする自動用紙搬送装置である。
【0009】この発明は、他の局面から見ると、前記ト
レイには、前記用紙センサからの検出信号を通過させる
ための検出窓が形成されていることを特徴とする自動用
紙搬送装置である。この発明は、他の局面から見ると、
前記用紙センサは、セット面上にセットされた用紙が所
定サイズ以上か否かを検出するサイズ検出センサを兼ね
ており、セット面上に用紙がないときに、トレイに形成
された前記検出窓を通してトレイ上の用紙の有無を検出
することを特徴とする自動用紙搬送装置である。
【0010】上述の各構成によれば、用紙センサを原稿
セット面に関連して設けたので、用紙センサに対する配
線が容易になる。なぜなら、トレイ上の用紙の有無を検
出する用紙センサは、通常、トレイ上に設ければよい。
しかし、トレイ上に用紙センサを設けると、用紙センサ
に対する配線を、トレイの回動部を通して行わなければ
ならず、配線が複雑になったり、配線が故障しやすい等
の問題がある。
【0011】これに対して、用紙センサを固定部である
セット面に関連して設けることにより、用紙センサの取
り付けおよび配線が安価で、かつ用紙センサの信頼性も
向上する。また、用紙センサを原稿サイズ検出センサと
兼用することにより、構成部品点数が少なくなる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下には、この発明の一実施形態
として、複写機用の自動原稿搬送装置を例にとって詳し
く説明をする。しかし、この発明にかかる自動用紙搬送
装置は、複写機用の自動原稿搬送装置に限られるもので
はなく、ファクシミリ装置用の自動原稿搬送装置、コン
ピュータ等に接続される書類読取装置用の自動書類搬送
装置、印刷機用の自動用紙搬送装置等にも適用すること
ができるものである。
【0013】図1は、この発明の一実施形態にかかる自
動原稿搬送装置の外観構成を示す斜視図である。また、
図2は、図1に示す自動原稿搬送装置の正面図であり、
この実施形態に関連する部分を説明するために、構成が
図解的に示されている。さらに、図3は、図1に示す自
動原稿搬送装置を右側面から見た図である。自動原稿搬
送装置1は、複写機本体2の上面に装着されている。複
写機本体2の上面には、プラテンガラス15(複写する
原稿を配置するためのガラス)が備えられており、自動
原稿搬送装置1は、このカバーを兼ねている。そして、
原稿をプラテンガラス15上に手動でも配置できるよ
う、奥側を中心に手前側が上方に開くようにされている
(図3の二点鎖線参照)。
【0014】複写機本体2の上面手前側には、コピース
タートキー3を含む種々の操作キー群4および表示器5
を備える操作パネル6が配置されている。複写機本体2
および自動原稿搬送装置1に対する操作等は、この操作
パネル6を介して行う。自動原稿搬送装置1の上面中央
には原稿セット面7が形成されている。原稿セット面7
は、コピーする原稿をセットするための面である。この
セット面7上には、手前側および奥側に、対をなす原稿
幅規制ガイド8が備えられている。この規制ガイド8
は、互いに近接方向または離反方向へ連動して移動する
ようにされており、原稿セット面7にセットされる原稿
幅に合わせるように操作される。
【0015】原稿セット面7の左側には、原稿取り入れ
口9が形成されている。また、原稿セット面7の右側に
は原稿排出口10が形成されている。原稿セット面7に
セットされた原稿は、1枚ずつ、原稿取り入れ口9から
取り込まれ、前述したプラテンガラス15上に配置され
て画像が読取られ、原稿排出口10から排出される。な
お、原稿を搬送するためのフィード機構自体は、この発
明の特徴ではなく、また公知であるから、その説明は省
略する。
【0016】原稿排出口10に関連して、原稿受けトレ
イ11が備えられている。より具体的には、原稿受けト
レイ11は、その下端部が、原稿セット面7の右端付近
に取り付けられており、全体は、原稿セット面7の上部
空間へ向かって、左斜め上方へ伸び上がったいわゆる片
持ち保持状態とされている。原稿排出口10から排出さ
れる原稿は、この原稿受けトレイ11に案内され、原稿
受けトレイ11上に排出される。
【0017】原稿が原稿セット面7方向に排出されるよ
うに原稿排出口10を設け、かつ、原稿受けトレイ11
を、上述のように、原稿セット面7の上部空間に斜めに
伸び上がるように配置することにより、原稿受けトレイ
11が自動原稿搬送装置1の側方へ出っ張らない。とこ
ろが、原稿受けトレイ11が、原稿セット面7の上部空
間に斜めに伸び上がっていると、原稿セット面7に原稿
をセットする際、原稿受けトレイ11が邪魔になること
がある。特に、原稿セット面7にセットする原稿が、セ
ット可能な最大サイズの原稿、たとえばA3判原稿の場
合等に、原稿のセットがしづらい。
【0018】そこで、この実施形態では、自動原稿搬送
装置1の動作状態に合わせて、原稿受けトレイ11を、
図2において実線で示す斜めに倒れたダウン状態と、一
点鎖線で示す略垂直に立ったアップ状態とに駆動するよ
うにした。さらに、原稿セット面7の下方には、たとえ
ば3つのセンサ12,13,14が配置されている。セ
ンサ12は、原稿セット面7に原稿があるか否かを検出
するセット原稿検出センサである。センサ13は、原稿
セット面7にセットされた原稿のサイズを検出する原稿
サイズ検出センサである。セット原稿検出センサ12が
原稿を検出しており、かつ、原稿サイズ検出センサ13
が原稿を検出していなければ、セットされている原稿
は、たとえば日本工業規格B列5番(以下「B5判」と
いう。)または日本工業規格A列4番(以下「A4判」
という。)であると判定される。一方、両方のセンサ1
2,13が原稿を検出している場合は、セットされてい
る原稿は日本工業規格B列4番(以下「B4判」とい
う。)またはA3判であると判別される。この実施形態
では、原稿サイズ検出センサ13は1つだけにしたの
で、上述の場合、たとえばB4判とA3判とは区別でき
ないが、原稿サイズ検出センサの数を増やせば、さらに
細かくサイズ判別が行える。
【0019】さらに、センサ14は、原稿受けトレイ1
1上の原稿の有無を検出する排出原稿検出センサであ
る。なお、排出原稿検出センサ14を、セット原稿検出
センサ12および原稿サイズ検出センサ13と同様に、
原稿セット面7の下方に設けると、センサ14に対する
配線が容易になるという利点がある。
【0020】より具体的に述べると、原稿受けトレイ1
1上の原稿の有無を検出するセンサは、たとえば原稿受
けトレイ11に取り付けることができる。ところが、原
稿受けトレイ11は、その下端部を中心に回動変位す
る。それゆえ原稿受けトレイ11に設けられた排出原稿
検出センサと、そのセンサの信号が入力される制御回路
とを接続するための配線を、原稿受けトレイ11を回動
させる回動部を通して行わなければならない。それゆえ
配線が複雑になる。
【0021】これに対し、排出原稿検出センサ14を、
原稿セット面7の下方という可動しない部分に設けるこ
とにより、センサ14に対する配線が安価で、かつセン
サ14に対する配線故障が少なくなり、信頼性も向上す
る。次に、原稿受けトレイ11の動作について、図4を
参照してより具体的に説明する。
【0022】原稿セット面7に原稿がセットされていな
い状態、すなわち待機状態においては、(A)に示すよ
うに、原稿受けトレイ11は、原稿セット面7からほぼ
垂直に立ったアップ状態にされる。それゆえ、原稿セッ
ト面7の上部空間にはトレイ11がなく、原稿セット面
7に原稿をセットしやすい。次に、原稿セット面7に原
稿がセットされた後、コピースタートキー3(図1参
照)が押圧されると、(B)に示すように、原稿受けト
レイ11は、斜めに寝たダウン状態にされる。この状態
では、原稿受けトレイ11は、原稿排出口10から排出
される原稿をスムーズに導くことができ、かつ、排出原
稿を揃えて受け止めることができる。
【0023】すべての原稿のコピーが終わった後に、
(C)に示すように、原稿受けトレイ11は、矢印17
に示すように、小刻みに上下に揺動される。これによ
り、原稿受けトレイ11上の原稿の乱れを正すことがで
き、原稿の下端部をきれいに揃えることができる。コピ
ーが終了後、原稿受けトレイ11上の原稿は、取り除か
れる。すると、(D)に示すように、原稿受けトレイ1
1は再び原稿セット面7に対して垂直に立上がったアッ
プ状態にされる。そして次のコピーに対して待機する。
【0024】以上のように、原稿受けトレイ11を、自
動原稿搬送装置1の動作状態に合わせて、自動的に、ア
ップ状態とダウン状態とに駆動するようにしたことが、
この実施形態における1つの特徴である。そしてこれに
より、原稿受けトレイ11は、原稿セット面7に原稿を
セットする際に邪魔にならず、また、排出口10から排
出される原稿を良好に案内し、かつ受け止めることがで
きる。
【0025】図5は、原稿受けトレイ11をアップ状態
とダウン状態とに駆動するための駆動機構の一例を示す
斜視図である。原稿受けトレイ11の駆動機構は、図5
に示すように、モータ20と、モータ20の回転力を伝
達するギヤ機構21と、ギヤ機構21から駆動力が与え
られるスリップ駆動機構22とを備えている。モータ2
2は、正転および逆転が可能なたとえばDCモータが用
いられる。モータ20の回転軸にはウォームギヤ23が
嵌合されている。このウォームギヤ23の回転は第1大
ギヤ24に伝達され、第1大ギヤ24の回転は同軸に連
結された第1小ギヤ25を回転させる。第1小ギヤ25
は第2大ギヤ26と噛合しており、第1小ギヤ25の回
転は第2大ギヤ26に伝えられる。第2大ギヤ26には
同軸に第2小ギヤ27が連結されており、第2大ギヤ2
6の回転は第2小ギヤ27へ伝達される。さらに、第2
小ギヤ27には第3大ギヤ28が噛合しており、第3大
ギヤ28には同軸に出力ギヤ29が設けられている。よ
ってモータ20の回転速度は、上記多数のギヤ23〜2
9を含むギヤ機構21で減速され、また、モータ20の
トルクはギヤ機構21で増幅されて、スリップ駆動機構
22へ伝達される。
【0026】スリップ駆動機構22には、ギヤ機構21
からの駆動力を受ける入力ギヤ37と、後述するスリッ
プ機構と、駆動軸31とが含まれており、駆動軸31に
より原稿受けトレイ11が駆動される。さらに、駆動軸
31に関連して、原稿受けトレイ11の状態を検出する
ためのトレイアップセンサ55およびダウンセンサ56
が設けられている。
【0027】図6は、この実施形態に備えられているス
リップ駆動機構22の構成を示す図である。スリップ駆
動機構22には、駆動軸31が備えられている。駆動軸
31は一対の支持部材32,33で支持されている。具
体的には、駆動軸31の一端(左端)は、支持部材32
に取り付けられた軸受34で回転自在に支持されてい
る。また、駆動軸31の他端(右端)寄り側は、支持部
材33を貫通しており、貫通部は、支持部材33に固定
された軸受35で回転自在に支持されている。駆動軸3
1は、支持部材32,33に対してその軸長方向にはス
ライド変位できないように支持されている。
【0028】そして、駆動軸31の右端側には、原稿受
けトレイ11を取り付けるためのトレイ取付突起36が
突設されている。それゆえ駆動軸31が回動されると、
トレイ取付突起36に取り付けられる図示しない原稿受
けトレイ11が前述したように駆動される。駆動軸31
には入力ギヤ37が外嵌されている。入力ギヤ37は、
前述したギヤ機構21の出力ギヤ29(図5参照)と噛
合している。入力ギヤ37は、駆動軸31に回転自在に
取り付けられている。それゆえ、出力ギヤ29により入
力ギヤ37が回転されても、その回転力は、直接には駆
動軸31に伝達されない。入力ギヤ37の一端側、図で
は右側に対向して位置決め突起38が備えられている。
位置決め突起38は、駆動軸31に固着されたピンまた
はワッシャである。入力ギヤ37は、その右端部がその
位置決め突起37で受け止められるので、駆動軸31に
沿って右方向へはスライド移動できない。
【0029】入力ギヤ37の他端側、すなわち左側に
は、入力ギヤ37と一体的に形成され、入力ギヤ37の
軸方向に突出する丸みを帯びた円錐突起39が備えられ
ている。一方、駆動軸31には、円錐突起39と係合す
る駆動力受け部材40が取り付けられている。駆動力受
け部材40は、円錐突起39に対向する側に、円錐突起
39を受け入れ可能な受け入れ凹部41を備えている。
駆動力受け部材40は、駆動軸31と一体的に回転する
ように取り付けられるとともに、駆動軸31の軸長方向
にスライド移動可能にされている。具体的には、駆動軸
31にピン42が突設されており、駆動力受け部材40
には、このピン42と係合する切欠43が形成されてい
る。切欠43は、駆動軸31の軸長方向に長くされ、か
つ、駆動軸31の周面方向にはピン42が嵌まり込むだ
けの幅にされている。
【0030】さらに、駆動力受け部材40の左端面と支
持部材32との間には、駆動軸31に対して自由状態で
外嵌するコイルばね44が嵌められている。コイルばね
44は、駆動力受け部材40を右方向に常時押圧し、受
け入れ凹部41と円錐突起39とを所定の摩擦力で係合
させている。以上のような構成であるから、通常の状態
では、入力ギヤ37が回転されると、その回転力は円錐
突起39から受け入れ凹部41を介して駆動力受け部材
40に伝達される。そして駆動力受け部材40が回転さ
れると、駆動軸31も回転される。そしてこれにより原
稿受けトレイ11が駆動される。
【0031】一方、原稿受けトレイ11を手で駆動しよ
うとしたり、駆動される原稿受けトレイ11が何かに当
たって動かない場合には、円錐突起39と受け入れ凹部
41との間が滑り、入力ギヤ37の回転力は駆動力受け
部材40に伝達されない。どの程度の力が原稿受けトレ
イ11に加わった時、円錐突起39と受け入れ凹部41
との間が滑るかは、両者の材質やコイルばね44の張力
により決定することができる。
【0032】原稿受けトレイ11をモータ20で駆動す
る場合に、駆動力伝達経路内に、上述のスリップ駆動機
構22を介在させることにより、次のようなメリットが
ある。まず、駆動される原稿受けトレイ11でたとえば
ユーザの指等が挟まれた場合、原稿受けトレイ11が無
理やり駆動されることなく、原稿受けトレイ11を駆動
しようとする回転力はスリップ駆動機構22で空転され
る。よって原稿受けトレイ11で指等を挟んでも、怪我
等をすることがない。
【0033】原稿受けトレイ11が自動的に駆動される
ことをユーザが理解していない場合、ユーザは原稿受け
トレイ11を手でダウン状態にしたり、アップ状態にす
ることがある。かかる場合、原稿受けトレイ11を動か
すことにより駆動軸31は回転するが、その回転力は、
スリップ駆動機構22で空転されて、入力ギヤ37から
ギヤ機構21およびモータ20側へは伝わらない。それ
ゆえギヤ機構21等が壊れるおそれがない。
【0034】さらに、万一モータ20やギヤ機構21が
故障した場合でも、原稿受けトレイ11は手で駆動でき
るので、原稿受けトレイ21の駆動機構が故障した場合
でも、自動原稿搬送装置1自体は支障なく使用すること
が可能である。駆動軸31には、さらに、遮蔽板45が
固定されている。そしてこの遮蔽板45の近傍にはトレ
イアップセンサ55およびダウンセンサ56が配置され
ている。駆動軸31が回転されると、遮蔽板45が移動
し、トレイアップセンサ55およびダウンセンサ56を
横切る状態と、横切らない状態とに変化し得る。トレイ
アップセンサ55およびダウンセンサ56は、遮蔽板4
5の位置に基づき、原稿受けトレイ11がアップ状態か
ダウン状態かの信号を出力する。
【0035】図7,図8および図9は、上述したスリッ
プ駆動機構の他の例を示す図である。図6に示すスリッ
プ駆動機構22に代えて図7,図8または図9に示すス
リップ駆動機構を用いてもよい。まず、図7に示すスリ
ップ駆動機構の特徴は、入力ギヤ37から駆動力受け部
材40に駆動力を伝達するのに、対向する一対の摩擦板
46,47を用いている点である。すなわち、入力ギヤ
37には、一体的に形成された摩擦板46が備えられて
いる。そしてこの摩擦板46には摩擦板47が当接され
ている。摩擦板47は駆動力受け部材40と一体的に形
成されており、コイルばね44により摩擦板46方向に
所定の力で押し付けられている。よって、入力ギヤ37
の回転力は、摩擦板46と摩擦板47との間の摩擦力に
より駆動力受け部材40に伝達され、駆動軸31が回転
される。
【0036】その他の構成は、図6に示すスリップ駆動
機構の構成と同様であり、同一部分には同一番号を付し
て説明は省略する。図8に示すスリップ駆動機構は、入
力ギヤ37の駆動力を駆動力受け部材40に伝達するの
に、図7に示すような当接平面の摩擦力ではなく、周方
向に形成された鋸歯状の凸凹の係合により行われるよう
にされている。かかる構成によっても、原稿受けトレイ
11、すなわち駆動軸31に所定値以上の大きな負荷が
加わって駆動軸31が回転し得ない状態になったとき、
入力ギヤ37と駆動力受け部材との間が空転する。
【0037】その他の構成は、図7の構成と同様であ
り、同一部分には同一番号を付し、説明は省略する。図
9に示すスリップ駆動機構は、上述の各機構よりももっ
と簡単な構成である。図9を参照して、駆動軸31は、
その一部が軸径の細い細軸部51とされている。そして
この細軸部51には入力軸52が外嵌されている。入力
軸52は駆動軸31と同軸に配置されており、細軸部5
1に対して回転自在である。入力軸52には入力ギヤ3
7が嵌められ、入力ギヤ37は入力軸52に固着されて
いる。入力軸52および駆動軸31には、両者に跨がる
ようにラッピングコイル53が外嵌されている。ラッピ
ングコイル53は、入力軸52および駆動軸31の外周
に巻かれており、そのばね力で両者を抱き締めている。
【0038】このような構成にすると、通常状態では、
入力ギヤ37が回転されると入力軸52が回転し、その
回転力はラッピングコイル53を介して駆動軸31に伝
達される。そしてもし駆動軸31に所定値以上の負荷が
かかると、駆動軸31とラッピングコイル53との間、
または入力軸52とラッピングコイル53との間にスリ
ップが生じる。よって入力ギヤ37が回転され続けて
も、駆動軸31は回転しない。
【0039】図10は、原稿受けトレイ11の形状およ
び構造を説明するための図である。図10では、図3に
示す方向と反対側から見た原稿受けトレイ11が示され
ている。図10を参照して、原稿受けトレイ11には、
メイントレイ61と、メイントレイ61に対して揺動可
能に連結されたサブトレイ62とが備えられている。メ
イントレイ61は、その下方部の一端が、前述した駆動
軸31の取付突起36(図6参照)に連結される。ま
た、メイントレイ61の下方他端は、たとえば原稿セッ
ト面7上に設けられたピン60により回動自在に保持さ
れる。
【0040】サブトレイ62は、支軸63によりメイン
トレイ61に連結されている。サブトレイ62は、メイ
ントレイ61に対して、支軸63を中心に回動自在であ
る。メイントレイ61とサブトレイ62との間には、ま
た、ガイド溝64およびガイドピン65が設けられてい
る。ガイド溝64は、サブトレイ62に形成されてお
り、支軸63を中心とする円弧状をしている。ガイドピ
ン65はメイントレイ61に突設されており、サブトレ
イ62のガイド溝64と係合している。それゆえサブト
レイ62は、支軸63を中心にガイド溝64の範囲内で
揺動し得る。
【0041】なおこの例では、メイントレイ61にガイ
ドピン65を設け、サブトレイ62にガイド溝64を設
けたが、これを逆にして、メイントレイ61にガイド溝
を設け、サブトレイ62にガイドピンを設けてもよい。
メイントレイ61とサブトレイ62との間には、さら
に、ばね66が配置されている。ばね66の一端はメイ
ントレイ61に嵌合され、その他端はサブトレイ62に
嵌合されている。ばね66は、メイントレイ61に対し
てサブトレイ62が伸び出した伸長状態になるように付
勢するためのものである。よって通常、サブトレイ62
は、ばね66の張力により、実線で示す伸長状態になっ
ている。一方、サブトレイ62に矢印67方向の外力が
加わると、サブトレイ62は、ばね66の張力に抗して
回動し、外力が加わっている間は、二点鎖線で示す屈折
状態となる。
【0042】原稿受けトレイ11を、このように伸長状
態と屈折状態とに可変可能にすると、次のようなメリッ
トがある。図3を参照して説明したように、自動原稿搬
送装置1は、プラテンガラス15のカバーを兼ねてい
る。それゆえ手で原稿をプラテンガラス15上にセット
する場合には、自動原稿搬送装置1を図3に二点鎖線で
示すように開く必要がある。このとき、自動原稿搬送装
置1に備えられた原稿受けトレイ11は、アップ状態で
あるから、原稿受けトレイ11が、複写機本体2の後方
空間へ突出する。それゆえ後方空間に壁等があるときに
は、壁にぶつかる。原稿受けトレイ11を、前述した屈
折可能な構造にすると、自動原稿搬送装置1が開かれた
とき、原稿受けトレイ11の上端が複写機本体2の後方
にある壁等にぶつかっても、サブトレイ62が回動し、
支障がない。
【0043】なお、この実施形態では、原稿受けトレイ
11を、上述のような屈折可能な構造にした他、後述す
るように、自動原稿搬送装置1が開かれる際には、原稿
受けトレイ11がアップ状態からダウン状態に自動的に
移動するようにされている。したがって、原稿受けトレ
イ11がたとえ屈折しない場合であっても、原稿受けト
レイ11が複写機本体2の後方にある壁等にぶつからな
いようにされている。
【0044】以上のように、原稿受けトレイ11は、少
なくともメイントレイ61およびサブトレイ62に分
け、サブトレイ62が回動することによって、メイント
レイ61とサブトレイ62のトレイ面同士が重なったり
重なり合わなかったりする屈折構造とすることができ
る。また、メイントレイと、2以上のサブトレイの連結
体としてもよい。あるいは、以下に説明する変形例のよ
うに、メイントレイ61とサブトレイ62との連結部が
折れるような屈折構造とすることもできる。
【0045】図11は、原稿受けトレイ11における他
の屈折構造の例を表わす図である。図11では、原稿受
けトレイ11を自動原稿搬送装置1の正面側から見た状
態が図解的に示されている。図11に示す原稿受けトレ
イ11は、メイントレイ61とサブトレイ62とを備え
ている。メイントレイ61の上辺とサブトレイ62の下
辺とはヒンジピン69で回動自在に連結されている。そ
してこのヒンジピン69に関連して、たとえばつるまき
コイルばね70が装着されている。つるまきコイルばね
70は、その弾性力によって、メイントレイ61とサブ
トレイ62とをほぼ真っ直ぐな状態に付勢する。また、
サブトレイ62に矢印71方向の力が加わると、サブト
レイ62はつるまきコイルばね70の弾性力に抗して一
点鎖線で示すように屈折する。
【0046】なお、サブトレイ62とメイントレイ61
との間の連結構造が工夫され、サブトレイ62は、図1
1に実線で示す状態よりも左側へは屈折しないようにさ
れている。図10を参照して説明した原稿受けトレイ1
1の構造または図11を参照して説明した原稿受けトレ
イ11の構造は、この実施形態で説明しているような原
稿受けトレイ11が自動的に駆動される装置以外にも使
用することができる。すなわち、先に述べた従来の自動
原稿搬送装置における原稿受けトレイを、図10で説明
した屈折構造または図11で説明した屈折構造のトレイ
としてもよい。原稿受けトレイを上述のような屈折構造
にすることにより、自動原稿搬送装置を開いたときに、
原稿受けトレイが装置後部の壁等の障害物にぶつかって
も、トレイが壊れたり、障害物を壊さない等の利点があ
る。
【0047】図12は、この実施形態にかかる自動原稿
搬送装置1の制御回路ブロック図であり、複写機本体2
の制御部との関係も示されている。図12を参照して、
自動原稿搬送装置1には、駆動制御の中枢としてのDF
用CPU81が備えられている。このDF用CPU81
には、セット原稿検出センサ12、原稿サイズ検出セン
サ13、排出原稿検出センサ14およびトレイアップセ
ンサ55およびダウンセンサ56からの出力が与えられ
る。DF用CPU81では、これら各センサからの信号
および複写機本体CPU82からの制御命令等に基づ
き、モータ20および原稿フィード機構83の駆動を制
御する。
【0048】DF用CPU81には、前述した複写機本
体CPU82が接続されている。複写機本体CPU82
には、自動原稿搬送装置1が開けられたか(手動で原稿
をプラテンガラス15にセットするために開けられた場
合等)閉じられているかを検知するDF開閉検知スイッ
チ84からの信号、複写機本体1のプラテンガラス15
上に取り残し原稿があるか否かを検出する原稿センサ8
5からの信号、および、コピースタートキー3を含む操
作キー群4からの信号が与えられる。複写機本体CPU
82は、これらの信号に基づき、複写機本体2の駆動を
制御するとともに、自動原稿搬送装置1の駆動に必要な
データや命令等を、DF用CPU81へ与える。また、
DF用CPU81の制御信号等は、複写機本体CPU8
2へ送られ、複写機本体2の制御に利用される。
【0049】図13および図14は、自動原稿搬送装置
1の制御動作を表わすフローチャートである。次に、図
13および図14の流れに従って、他の図も参照しなが
ら、自動原稿搬送装置1の動作について、複写機本体2
の動作と関連づけて説明する。制御が開始されると、ま
ず、自動原稿搬送装置1が開いているか否かが判別され
る(ステップS1)。この判別は、DF開閉検知スイッ
チ84がオンかオフかにより行われる。自動原稿搬送装
置1が開いたことが判別されたときには、原稿受けトレ
イ11がダウン状態か否かの判別がされる(ステップS
2)。この判別は、トレイアップセンサ55およびダウ
ンセンサ56の出力に基づいてなされる。原稿受けトレ
イ11がダウン状態でなければ、すなわち原稿受けトレ
イ11がアップ状態では、モータ20が逆転されて(ス
テップS3)、原稿受けトレイ11はダウン状態にされ
る。そして、原稿受けトレイ11がダウン状態になれ
ば、モータ20は停止される(ステップS4)。
【0050】このように自動原稿搬送装置1が開いたこ
とが判別されたときに、原稿受けトレイ11をダウン状
態にするようにすると、原稿受けトレイ11がたとえ屈
折しない場合であっても、原稿受けトレイ11が複写機
本体2の後方にある壁等にぶつからない。すなわち、図
3に示すように、原稿受けトレイ11がアップ状態のと
きには、自動原稿搬送装置1が開いたとき、原稿受けト
レイ11の上方部が後方空間へ大きく突出する。
【0051】しかし、原稿受けトレイ11をダウン状態
にすると、たとえ自動原稿搬送装置1を開いたときであ
っても、原稿受けトレイ11が複写機本体2の後方空間
へ突出する量が少なくなり、原稿受けトレイ11が複写
機本体2の後方にある壁等にぶつからないようにでき
る。一方、ステップS1において、自動原稿搬送装置1
が閉じていると判別された場合は、次いで原稿受けトレ
イ11がアップ状態か否かの判別がされる(ステップS
5)。原稿受けトレイ11がアップ状態でなければ、モ
ータ20が正転され(ステップS6)、原稿受けトレイ
11はアップ状態にされて、モータ20は停止される
(ステップS7)。
【0052】次に、複写機本体2に備えられたコピース
タートキー3が押されたか否かの判別がされる(ステッ
プS8)。自動原稿搬送装置1を用いて原稿搬送を行い
コピーがされる場合には、この時点ではまだコピースタ
ートキー3は押圧されない。なお、手動操作によりコピ
ーが行われる場合には、この時点でコピースタートキー
が押されることがある。
【0053】ステップS8においてコピースタートキー
が押されていないと判別された場合には、さらに、原稿
セット面7に原稿がセットされている否かの判別がされ
る(ステップS9)。この判別は、セット原稿検出セン
サ12の出力の有無により行われる。そして、原稿セッ
ト面7に原稿がセットされていることが判別されると、
さらに、その原稿のサイズが判別される(ステップS1
0)。この判別は、原稿サイズ検出センサ13からの出
力の有無によりなされる。この実施形態では、原稿セッ
ト面7にセットされた原稿がA3判かB4判の場合は、
大きなサイズの原稿であることを表わすLフラグがオン
される(ステップS11)。原稿セット面7にセットさ
れた原稿がA4サイズやB5サイズのときには、このL
フラグはオンされない。
【0054】なお、フラグは、DF用CPU81内のワ
ークレジスタ等により実現される。次に、原稿セット面
7に原稿がセットされた後、コピースタートキー3が押
圧される。そこで、処理は、ステップS8からステップ
S12に進む。ステップS12では、原稿受けトレイ1
1がダウン状態か否かの判別がされる。この判別も、ト
レイアップセンサ55およびダウンセンサ56の出力に
基づいて行われる。原稿受けトレイ11は、ステップS
5,6,7においてアップ状態にされているから、通常
この時点では、原稿受けトレイ11はアップ状態であ
る。それゆえ、モータ20が逆転され(ステップS1
3)、原稿受けトレイ11はダウン状態にされて、モー
タ20が停止される(ステップS4)。
【0055】もし、ユーザが、手で原稿受けトレイ11
をダウン状態にしていたとき等には、ステップS13の
モータ逆転処理は省略される。このステップS12〜S
14の処理と並行して、ステップS15〜S18の処理
が行われる。すなわち、ステップS15において、複写
機本体2のプラテンガラス15上に取り忘れ原稿が存在
しているか否かの判別がされる。この判別は、複写機本
体2に備えられた原稿センサ85の出力の有無により行
われる。
【0056】もし取り忘れ原稿がある場合には、所定の
時間動作を待機させた後(ステップS16)、取り忘れ
原稿の送り処理が行われる(ステップS17)。取り忘
れ原稿の送り処理とは、取り忘れ原稿を自動原稿搬送装
置1で送り、原稿排出口10から原稿受けトレイ11へ
排出することである。上述のように、ステップS15〜
S18の処理は、ステップS12〜S14の処理と並行
に行われる。それゆえ、取り忘れ原稿がある場合、すぐ
に取り忘れ原稿の送り処理がされると、原稿受けトレイ
11がダウン状態にされる前に、取り忘れ原稿が原稿排
出口10から排出されるおそれがある。そこで、それを
なくすため、ステップS16において、所定時間待機す
ることにしている。
【0057】このような処理に代えて、取り忘れ原稿が
ある場合、取り忘れ原稿の送り処理を低速で行い、その
間に原稿受けトレイ11が確実にダウン状態になるよう
にしてもよい。取り忘れ原稿がない場合、ステップS1
6,S17の処理は省略される。次いで、ステップS1
8において、コピー処理が行われる。コピー処理では、
原稿セット面7にセットされた原稿は1枚ずつ原稿取り
入れ口9から取り込まれて、プラテンガラス15上にセ
ットされ、複写機本体2が原稿内容を読取り、それをコ
ピーする。内容が読取られたコピー済の原稿は原稿排出
口10から原稿受けトレイへ排出される。
【0058】やがて、原稿セット面7にセットされた原
稿がすべてコピーされ終える。この実施形態では、原稿
セット面7の原稿を検出するセット原稿検出センサ12
の出力に基づき、コピー処理が終了か否かの判別がされ
る(ステップS19)。コピー処理終了時には、Lフラ
グがオンしているか否かの判別がされる(ステップS2
0)。そして、Lフラグがオンしているときには、原稿
受けトレイ11へ排出された原稿は相対的に大きなサイ
ズの原稿であるから、その大きなサイズの原稿の後端を
揃えるように、一定時間、モータ20を繰返し正転およ
び逆転させる。これにより、ダウン状態の原稿受けトレ
イ11が上下に揺動される。そしてこれにより、原稿受
けトレイ11上に排出された原稿が原稿受けトレイ11
に沿って下方へずり下がり、排出された原稿の後端がき
れいに揃う。
【0059】また、原稿受けトレイ11を揺動させ、ト
レイ11上の原稿の後端をセット面7の上に揃えると、
排出原稿検出センサ14による誤検知が生じないという
利点もある。なお、この実施形態では、Lフラグがオン
されている場合のみ、すなわち原稿受けトレイ11に排
出された原稿がA3判またはB4判という比較的大きな
サイズの原稿の場合にのみステップS21の処理を行う
ようにした。
【0060】しかし、原稿サイズにかかわらず、ステッ
プS21の処理を行うようにしてもよい。また、この実
施形態では、コピー終了時に、ステップS21の処理、
すなわち原稿受けトレイ11を上下に揺動させる処理を
行うようにした。しかし、コピー処理中に、1枚の原稿
が排出されるごとに、モータ20を正転および逆転駆動
させて、原稿受けトレイ11を上下に揺動させるように
してもよい。
【0061】コピー終了後、原稿受けトレイ11の原稿
は取り去られる。原稿受けトレイ11に原稿があるか否
かは、排出原稿検出センサ14の出力に基づいて判別さ
れる(ステップS22)。そして原稿受けトレイ11上
の原稿がなくなったことが判別されると、さらに原稿受
けトレイ11がアップ状態か否かの判別がされる(ステ
ップS23)。原稿受けトレイ11が手で動かされてい
なければ、原稿受けトレイ11はダウン状態であるか
ら、モータ20が正転されて(ステップS24)、原稿
受けトレイ11がアップ状態になったら、モータ20が
停止される(ステップS25)。
【0062】これにより、自動原稿搬送装置1は、原稿
受けトレイ11がアップ状態のコピー待機状態に戻る。
上述の制御動作では、ステップS2,S5,S12およ
びS23において、それぞれ、原稿受けトレイ11がア
ップ状態かダウン状態かを判別し、その結果によりモー
タ20を正転または逆転させて、原稿受けトレイ11を
所望の状態にするようにした。
【0063】しかし、かかる制御に代えて、原稿受けト
レイ11のアップ状態またはダウン状態を判別すること
なく、モータ20を、予め定める一定時間だけ、正転ま
たは逆転させて、原稿受けトレイ11が所望の状態、す
なわちステップS2〜4ではダウン状態、ステップS5
〜S7ではアップ状態、ステップS12〜14ではダウ
ン状態、ステップS23〜S25ではアップ状態、にな
るようにしてもよい。原稿受けトレイ11がアップ状態
かダウン状態かを判別せず、モータ20を正転または逆
転させても、モータ20の回転力は、前述のスリップ駆
動機構22(図6参照)を介して原稿受けトレイ11へ
与えられる。それゆえ、たとえばステップS2〜S4の
制御において、原稿受けトレイ11が手でダウン状態に
されている状態において、さらにモータ20が所定時間
逆転されても、モータ20の回転はスリップ駆動機構2
2で空転されるだけであり、何ら問題はない。
【0064】このように、トレイアップセンサ55およ
びダウンセンサ56の出力を用いない制御を行うことも
可能であり、この場合には、トレイアップセンサ55お
よびダウンセンサ56を省略することができ、制御動作
も簡単になる。また、原稿受けトイレ11をダウン状態
にする場合において、たとえばトレイダウンセンサ56
を複数個設け、原稿受けトレイ11のダウン状態におけ
る角度を検出できるようにするか、あるいは、モータ2
0の回転を制御する(たとえば、パルスモータやステッ
プモータで、回転角度や回転数を制御する。)ことによ
り、原稿受けトレイ11のダウン状態の角度を調整でき
るようにして、排出される原稿のサイズに応じて、原稿
受けトレイ11のダウン状態の角度を変えてもよい。
【0065】具体的には、排出原稿のサイズが相対的に
小さい場合は、原稿受けトレイ11は、傾斜角度が少な
いダウン状態とされるのが好ましい。一方、排出原稿の
サイズが相対的に大きい場合は、原稿受けトレイ11は
傾斜角度が大きなダウン状態とするのが好ましい。それ
ゆえ、排出原稿のサイズに応じて、原稿受けトレイ11
のダウン状態の傾斜角度を変えるようにしてもよい。
【0066】さらに、図2を再び参照して、上述の実施
形態では、原稿受けトレイ11上の原稿の有無を検出す
るために専用の排出原稿検出センサ14を設けた例を説
明した。しかし、このセンサ14を省略して、たとえば
原稿サイズ検出センサ13が、原稿セット面7上の原稿
サイズのみでなく、原稿受けトレイ11上の原稿の有無
を検出できるようにしてもよい。
【0067】この場合、原稿受けトレイ11にセンサ1
3の検出信号が通過する孔等を設けて、センサ13によ
って原稿受けトレイ11上の原稿の有無を検出するよう
にすればよい。この場合、センサ13の信号をDF用C
PU81が読込むタイミングを異ならせることによっ
て、センサ13を原稿サイズ検出センサとして使用し、
また、排出原稿検出センサとして使用できる。
【0068】上述の説明の他、この発明の構成は、特許
請求の範囲記載の範囲に記載の要件にしばられるだけで
あり、必要があれば種々の変更を加えることが可能であ
る。
【0069】
【発明の効果】この発明によれば、トレイ駆動手段によ
りトレイが自動的に駆動されるので、セット面に用紙を
セットする際にトレイが邪魔にならず、また、排出口か
ら用紙が排出される際は、排出用紙はトレイにより良好
に受け止められる。また、トレイ上に排出された用紙の
有無が用紙センサで検出されるので、用紙がトレイに排
出後、その用紙が取り除かれると、トレイを自動的にア
ップ状態にすることができ、次の用紙セットに備えるこ
とができる。
【0070】よって、この発明によれば、トレイを手で
操作する必要がなく、使い勝手の向上された自動用紙搬
送装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる自動原稿搬送装
置の外観構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す自動原稿搬送装置の正面図である。
【図3】図1に示す自動原稿搬送装置を右側面から見た
図である。
【図4】原稿受けトレイの動作を説明するための図解図
である。
【図5】トレイ駆動機構の一例を示す斜視図である。
【図6】トレイ駆動機構に含まれているスリップ駆動機
構の構成の一例を示す図である。
【図7】スリップ駆動機構の他の構成例を示す図であ
る。
【図8】スリップ駆動機構のさらに他の構成例を示す図
である。
【図9】スリップ駆動機構のさらに他の構成例を示す図
である。
【図10】原稿受けトレイの形状および構造の一例を説
明するための図である。
【図11】原稿受けトレイの他の構造例を示す図であ
る。
【図12】一実施形態にかかる自動原稿搬送装置の制御
回路ブロック図である。
【図13】一実施形態にかかる自動原稿搬送装置の制御
動作を表わすフローチャートである。
【図14】一実施形態にかかる自動原稿搬送装置の制御
動作を表わすフローチャートである。
【図15】従来の複写機用自動原稿搬送装置の一例を示
す概略図である。
【符号の説明】 1 自動原稿搬送装置 7 原稿セット面 9 原稿取入口 10 原稿排出口 11 原稿受けトレイ 12 セット原稿検出センサ 13 原稿サイズ検出センサ 14 排出原稿検出センサ 20 モータ 22 スリップ駆動機構 31 駆動軸 39 円錐突起 40 駆動力受け部材 41 受入れ凹部 44 コイルばね 46,47 摩擦板 53 ラッピングコイル 55 トレイアップセンサ 56 トレイダウンセンサ 61 メイントレイ 62 サブトレイ 63 支軸 64 ガイド溝 65 ガイドピン 66 ばね 69 ヒンジピン 70 つるまきコイルばね 81 DF用CPU 83 フィード機構 84 DF開閉検知スイッチ 85 原稿センサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】搬送する用紙をセットするためのセット
    面、 セット面の両側に、セット面を隔てて対向するように設
    けられた取入口および排出口を有し、セット面にセット
    された用紙を取入口から取り込み、所定の経路を搬送し
    て、排出口からセット面方向へ排出する搬送手段、 排出口近傍に一端が取り付けられ、排出から排出される
    用紙を受け止めるトレイ、 前記トレイを、その一端を中心に回動変位させるトレイ
    駆動手段、および前記セット面に関連して配置され、セ
    ット面側からトレイ上に配置された用紙の有無を検出す
    ることのできる用紙センサ、を設けたことを特徴とする
    自動用紙搬送装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の自動用紙搬送装置におい
    て、 前記トレイには、前記用紙センサからの検出信号を通過
    させるための検出窓が形成されていることを特徴とする
    自動用紙搬送装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の自動用紙搬送装置におい
    て、 前記用紙センサは、セット面上にセットされた用紙が所
    定サイズ以上か否かを検出するサイズ検出センサを兼ね
    ており、セット面上に用紙がないときに、トレイに形成
    された前記検出窓を通してトレイ上の用紙の有無を検出
    することを特徴とする自動用紙搬送装置。
JP7273228A 1995-10-20 1995-10-20 自動用紙搬送装置 Pending JPH09110277A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7273228A JPH09110277A (ja) 1995-10-20 1995-10-20 自動用紙搬送装置
US08/727,339 US5832356A (en) 1995-10-20 1996-10-08 Automatic paper feeder with a tray and tray driver that rotates the tray based upon operating conditions of the feeder

Applications Claiming Priority (1)

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JP7273228A JPH09110277A (ja) 1995-10-20 1995-10-20 自動用紙搬送装置

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008285268A (ja) * 2007-05-16 2008-11-27 Ricoh Co Ltd 自動原稿搬送装置
JP2012012132A (ja) * 2010-06-29 2012-01-19 Ricoh Co Ltd 原稿搬送装置、画像読取装置、画像形成装置および画像出力装置
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