JPH0515243A - 脱穀装置の選別部構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 グレンシーブから落下供給される処理物に対
して十分選別作用を施すことができる。 【構成】 扱胴３下方の受網４から漏下してくる処理物
をグレンパン１０で比重選別するとともに、グレンシー
ブ１１で漏下選別し、グレンシーブ１１下方の１番物回
収部１４へ落下供給する途中の処理物を前方からの唐箕
７による選別風で選別するように構成した脱穀装置の選
別部構造であって、処理物の１番物回収部１４への落下
供給路に、この落下供給路を前後の分岐する前後分岐装
置１５を設けるとともに、この前後分岐装置１５で分岐
される前後の落下供給路同士の間隔を変更調節可能に、
前後分岐装置１５を構成してある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、扱胴下方の受網から漏
下してくる処理物をグレンパンで比重選別するととも
に、グレンシーブで漏下選別し、グレンシーブ下方の１
番物回収部へ落下供給する途中の処理物を前方からの唐
箕による選別風で選別するように構成した脱穀装置の選
別部構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の脱穀装置の選別部構造と
しては、例えば特開平２−２７６５０９号公報に開示さ
れたような構造のものが周知である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来構
造のものにあっては、グレンシーブからの落下処理物が
一定箇所に集中して落下していたので、集中して落下し
ていく処理物中に対して選別風が十分選別作用しにくい
ものであり、１番物中に混入したワラ屑等の選別除去が
不十分になり易いものであった。本発明は、上記実情に
鑑みてなされたものであって、グレンシーブから落下供
給される処理物に対して十分選別作用を施すことができ
る脱穀装置の選別部構造の提供を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明にかかる脱穀装置
の選別部構造は、上記目的を達成するために、冒記構造
のものにおいて、前記処理物の前記１番物回収部への落
下供給路に、この落下供給路を前後に分岐する前後分岐
装置を設けるとともに、この前後分岐装置で分岐される
前後の落下供給路同士の間隔を変更調節可能に、前記前
後分岐装置を構成してあることを特徴構成とする。かか
る特徴構成による作用・効果は次の通りである。

【０００５】

【作用】即ち、処理物が前後分岐装置により前後に分岐
されるので、その前後に分岐された処理物の落下量は少
量になり、落下処理物が全体的に選別風を受け易くなる
とともに、前後分岐装置で分岐される前後の落下供給路
同士の間隔を変更調節することができるから、処理物の
量や乾燥状態等に応じて前記間隔を適宜に設定すればよ
り一層選別風を処理物に作用させることができる。

【０００６】

【発明の効果】従って、グレンシーブからの落下処理物
に対する選別風の作用が処理物全体に及ぶようになるの
で、１番物に混入しそうなワラ屑等を確実に選別処理で
きるようになり、処理物の条件に応じて１番物として回
収された処理物の精選度がきわめて高められるに至っ
た。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１に、コンバインに搭載した脱穀装置１を示し
ている。この脱穀装置１は、上部に扱室２を設け、この
扱室２に前後向き軸芯周りに回転駆動される状態で、扱
胴３を架設している。扱胴３の下方には扱処理された処
理物を漏下するための受網４を配設しているとともに、
受網４の下方には、この受網４から漏下した処理物を選
別する選別部５を装備している。この選別部５は、図１
に示すように、揺動選別装置６と、選別風を送る唐箕７
とからなるとともに、選別部５の下方には、回収部８を
設けている。

【０００８】揺動選別装置６は、揺動駆動自在なシーブ
ケース９の両側にわたって、グレンパン１０とグレンシ
ーブ１１とを前後に一連の状態で設けるとともに、グレ
ンシーブ１１の上がわにチャフシーブ１２を設け、か
つ、チャフシーブ１２の後方にストローラック１３を設
けている。受網４から漏下してくる処理物を、グレンパ
ン１０で比重選別するとともに、チャフシーブ１２で粗
選別し、またグレンシーブ１１で漏下選別し、グレンシ
ーブ１１下方の１番物回収部１４へ落下供給する。

【０００９】そして、図１及び図２に示すように、グレ
ンシーブ１１の下方位置には、グレンシーブ１１から漏
下した処理物を前後に振り分けて１番物回収部１４へ落
下供給する前後分岐装置１５を設けている。この前後分
岐装置１５は、前後一対の案内板１６，１６を、側面視
山型を成す状態でグレンシーブ１１の直下方位置にグレ
ンシーブ１１の左右幅間にわたって配設して構成してい
る。これら案内板１６，１６は、その頂点部の横軸芯Ｐ
周りで上下揺動自在に枢着しているとともに、各案内板
１６，１６の下方に配され、かつ互いに横向き軸芯周り
で相対揺動可能に枢着した一対のリンクアーム１７，１
７を、夫々各案内板１６，１６の先端部に枢着してお
り、これらリンクアーム１７，１７の前記横向き軸芯近
くに、人為操作具に連係したプシュプルワイヤ１８の端
部を取り付けている。従って、人為操作具を操作するこ
とで、リンクアーム１７，１７の横向き軸芯位置を上下
に変更でき、この変更に伴ってリンクアーム１７，１７
の傾斜角度、ひいては案内板１６，１６の傾斜角度を変
更して、両案内板１６，１６の先端部同士の前後間隔、
つまり前後分岐装置１５で分岐される前後の落下供給路
同士の間隔を変更調節できるように構成している。

【００１０】上記構成により、グレンシーブ１１から１
番物回収部１４へ落下供給される処理物は、前後分岐装
置１５で前後に振り分けられることになるとともに、そ
の前後に振り分けられて少量となって落下する処理物に
選別風が送風されることになり、従って、少量となって
落下する処理物に対して選別作用は十分なされる。ま
た、例えば処理物の乾燥度の高いものほど選別風の選別
作用を弱めるよう分岐された処理物の落下通路の前後間
隔が小さくなるよう前後分岐装置１５を調整する。

【００１１】次に、第２実施例を説明する。図３に示す
ように、唐箕７の送風口に選別風を上下に振り分ける上
下分岐装置１９を設けるとともに、この上下分岐装置１
９の後方に選別風の送風向きを左右方向に偏らせるルー
バを備えた偏向装置２０を設けている。上下分岐装置１
９は、送風の上下の分岐向きを変更調節可能に構成して
いるとともに、偏向装置２０も、その送風の左右方向へ
の偏向度合いを調節可能に、またルーバの向きを左右幅
方向での中間より右がわと左がわとで異なる調整も可能
に構成している。グレンシーブ１１の下方位置には、グ
レンシーブ１１から漏下した処理物を前後に振り分けて
１番物回収部１４へ落下供給する前後分岐装置２１を設
けている。この前後分岐装置２１は、前後一対の案内板
２２，２２を、側面視山型を成す状態でグレンシーブ１
１の直下方位置にグレンシーブ１１の左右幅間にわたっ
て配設して構成している。これら案内板２２，２２は、
図５に示すように、その頂点部の横軸芯Ｐ周りで上下揺
動自在に枢着しているとともに、脱穀装置１の左右側壁
部分に設けた案内板保持部材２３に形成の前後向き長孔
２４に、案内板２２，２２の左右側辺縁を係入支持する
雄ネジ部材２５，２５を挿通してあり、この雄ネジ部材
２５，２５をナットで案内板保持部材２３に締結固定で
きるよう構成している。従って、ナットを緩めて雄ネジ
部材２５，２５を前後向き長孔２４に沿って移動するこ
とで、案内板２２，２２の傾斜角を変更できる。尚、横
軸芯Ｐも案内保持部材２３に形成の上下長孔に挿通支持
してある。

【００１２】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例の脱穀装置を示す側面図

【図２】第１実施例の前後分岐装置の作動構造を示す側
面図

【図３】第２実施例の脱穀装置を示す側面図

【図４】上下分岐装置の作動構造を示す側面図

【図５】第２実施例の前後分岐装置の作動構造を示す側
面図

【図６】偏向装置を示す横断平面図

【符号の説明】

３ 扱胴 ４ 受網 ７ 唐箕 １０ グレンパン １１ グレンシーブ １４ １番物回収部 １５，２１ 前後分岐装置

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 扱胴（３）下方の受網（４）から漏下し
   てくる処理物をグレンパン（１０）で比重選別するとと
   もに、グレンシーブ（１１）で漏下選別し、グレンシー
   ブ（１１）下方の１番物回収部（１４）へ落下供給する
   途中の処理物を前方からの唐箕（７）による選別風で選
   別するように構成した脱穀装置の選別部構造であって、
   前記処理物の前記１番物回収部（１４）への落下供給路
   に、この落下供給路を前後に分岐する前後分岐装置（１
   ５），（２１）を設けるとともに、この前後分岐装置
   （１５），（２１）で分岐される前後の落下供給路同士
   の間隔を変更調節可能に、前記前後分岐装置（１５），
   （２１）を構成してある脱穀装置の選別部構造。