JPH05151916A - 電界放出素子を用いた画像表示装置 - Google Patents

電界放出素子を用いた画像表示装置

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JPH05151916A
JPH05151916A JP33594491A JP33594491A JPH05151916A JP H05151916 A JPH05151916 A JP H05151916A JP 33594491 A JP33594491 A JP 33594491A JP 33594491 A JP33594491 A JP 33594491A JP H05151916 A JPH05151916 A JP H05151916A
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三喜男 横山
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    • HELECTRICITY
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  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電界放出素子を用いた薄形の画像表示装置に
おいて、外囲器内にゲッターを設けられるようにする。 【構成】 ワイヤーゲッター20は、W芯線21と、W
芯線21に巻装されたW細線22に被着した絶縁層23
と、絶縁層23の間でW芯線21に被着したゲッター材
料24とを有している。W芯線21の表面からみた絶縁
層23の厚さはゲッター材料24の厚さよりも大きく、
外方に突出している。電界放出素子を用いた画像表示装
置の外囲器内に、4辺に沿ってこのワイヤーゲッター2
0を張設する。W芯線21への通電により、ゲッター材
料24が蒸発して外囲器の内面にゲッター膜が形成され
る。ワイヤーゲッター20は、絶縁層23の部分でのみ
外囲器の内面と接触しうる。W芯線21の熱は外囲器に
伝わりにくく、ワイヤーゲッター20が外囲器内面の電
極と電気的に導通する恐れも小さい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外囲器のカソード基板
に電界放出素子 (Field Emission Cathode,FEC)を陰極
として備え、この電界放出素子から取出した電子を外囲
器のアノード基板にあるアノード電極の蛍光体層に射突
させて発光表示を得る画像表示装置(FED)に係わ
り、特に外囲器内の真空度を保持するためのゲッターに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4は、電界放出素子を用いた従来の画
像表示装置100の一例を示す断面図である。この画像
表示装置100の外囲器101は、対面するカソード基
板102とアノード基板103をスペーサ104を介し
て封着した構造となっている。カソード基板102の内
面には電界放出素子が設けられ、これに対面するように
アノード基板103の内面には蛍光体層を備えた表示部
としてのアノード電極が設けられている。上記の構造に
おいて、電界放出素子とアノード電極を可能な限り接近
させるため、スペーサ104の厚さは一般に500μm
以下に設定されることが多い。ところが、従来のゲッタ
ー105は、図中に示すように環状の開口した金属容器
内にゲッター材料を充填したもので、その厚さは数mm
程度になっている。このため、従来はゲッター105を
外囲器101内に配設することができず、図4に示すよ
うに外囲器101のカソード基板102の裏面に箱形の
ゲッター室106を設けて外囲器101内と排気孔10
7で導通させ、このゲッター室106内にゲッター10
5を設けていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電界放出素子を用いた
従来の画像表示装置には次のような問題があった。 (1)電界放出素子を用いた画像表示装置は外囲器がき
わめて薄いという特長を有している。ところが、前述し
たように外囲器101にゲッター室106を取付ける
と、装置全体としての厚さが大きくなってしまい、薄形
であるという前記画像表示装置の特長のひとつが損われ
てしまうという問題があった。
【0004】(2)ゲッター室106内にゲッター10
5を設ける構造にすると、ゲッター室106を作る製造
工程が増えてコスト上昇を招く。
【0005】(3)外囲器101に取付けたゲッター室
106内にゲッター105を設け、ゲッター室106と
外囲器101を小さい排気孔107で連通させる構造に
すると、外囲器101内に発生したガスはこの小さな排
気孔107からゲッター室106内に入ってゲッター膜
108に吸着されなければならず、外囲器内面にゲッタ
ー膜を直接形成した場合に比べてゲッター効率が低下す
る。
【0006】本発明は、外囲器内にゲッターを設けるこ
とによってゲッター室を不要とし、これによって電界放
出素子を用いた画像表示装置の薄形であるという特長を
生かすことを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電界放出素
子を用いた画像表示装置は、カソード基板とアノード基
板がスペーサ部材を介して封着された外囲器と、前記カ
ソード基板の内面に形成された電界放出素子と、前記ア
ノード基板の内面に形成された蛍光体層を有するアノー
ド電極とを備えた画像表示装置において、金属芯線と、
前記金属芯線の表面の一部に形成された絶縁層と、前記
絶縁層間において前記金属芯線を被覆するゲッター材料
からなるワイヤーゲッターを、前記外囲器内の周縁部に
張設したことを特徴としている。
【0008】本発明によれば、前記画像表示装置におい
て、前記スペース部材の厚さを500μm以下にするこ
とができる。
【0009】また本発明によれば、前記画像表示装置の
ワイヤーゲッターを、Ti,V,Zr,Nb,Mo,T
a,Th,Ce,P,Zr−Al,Ag−Ti,Zr−
Ni等の物質群から選択した1以上の物質で構成した蒸
発形のゲッターとしてもよい。
【0010】さらに本発明によれば、前記画像表示装置
におけるワイヤーゲッターの絶縁層の外径を、ゲッター
材料の外径より大きくすることができる。
【0011】
【作用】ゲッターがワイヤー状なのでゲッター室が不要
になり、外囲器内の500μm以下の狭い空間にゲッタ
ーを設けることができる。
【0012】
【実施例】第1実施例の画像表示装置1(以下、FED
1とも呼ぶ。)を図1〜図3によって説明する。図1に
示すように、このFED1は、絶縁性及び透光性のある
アノード基板2と、絶縁性のカソード基板3とが、絶縁
性のスペーサ部材4を介して一体に封着された外囲器5
を有している。アノード基板2とカソード基板3の厚さ
は各々1〜5mm程度の厚さである。両基板2,3の間
隔は500μm以下とすることができ、本実施例では2
00μmに設定されている。前記カソード基板3の隅部
には排気孔6が形成されており、前記外囲器5内はこの
排気孔6から排気される。排気後、排気孔6は蓋部材7
によって封止され、前記外囲器5内は高真空状態に保た
れる。
【0013】図2に示すように、外囲器5内のカソード
基板3上には電界放出素子8が形成されている。電界放
出素子8は、カソード基板3の内面に形成されたカソー
ド電極9と、カソード電極9上に形成された絶縁層10
と、絶縁層10上に形成されたゲート電極11と、ゲー
ト電極11及び絶縁層10に形成されたホール内でカソ
ード電極9上に設けられたコーン形状のエミッタ12と
を有している。
【0014】図2に示すように、外囲器5内のアノード
基板2上にはアノード電極13が形成されている。アノ
ード電極13は、アノード基板2上に設けられた透光性
の陽極導体14と該陽極導体14上に設けられた蛍光体
層15から成る。従って、前記電界放出素子8から放出
された電子がアノード電極13の蛍光体層15に射突し
てこれを発光させると、その発光は陽極導体14と透光
性のアノード基板2を介して観察される。
【0015】図1及び図2に示すように、前記外囲器5
内の四辺には、外囲器5の内面に沿って合計4本のワイ
ヤーゲッター20がそれぞれ設けられている。各ワイヤ
ーゲッター20は、両端にリード電極が溶接されてお
り、所定の張力が加えられた状態で各リード電極を外囲
器5の封着部に固定されて張設されている。
【0016】図3に示すように、このワイヤーゲッター
20は、金属芯線としてのW芯線21と、W芯線21に
巻装されたW細線22に被着している絶縁層23と、絶
縁層23の間でW芯線21に被着しているゲッター材料
24を有している。
【0017】次に、このワイヤーゲッター20の製法と
各部の材質・寸法等について説明する。W芯線21は外
径25μmのワイヤーであり、その表面にアクリルコー
トを施しておく。その上に外径10μmのワイヤーであ
るW細線22を1mmのピッチで巻装する。
【0018】次に、Al2 3 粉末を分散させた電解液
中に前記W芯線21を浸漬し、電解液と該W細線22の
間に電圧を印加する。Al2 3 粉末は電気泳動の原理
に従ってW細線22の表面に電着する。W芯線21の表
面にはアクリルコートがあるのでAl2 3 粉末は電着
しない。
【0019】次に、Al2 3 粉末がW細線22に電着
した後、このW芯線21をH2 炉中において1700°
の温度で加熱する。Al2 3 粉末は焼結して約40μ
m厚の絶縁層23となる。前記アクリルコートは分解蒸
発する。
【0020】次に、ゲッター材料24の粉末を分散させ
た電解液中に前記W芯線21を浸漬し、電解液とW芯線
21の間に電圧を加える。ゲッター材料24は露出して
いるW芯線21の表面に電着する。W細線22の表面に
は絶縁層23があるのでゲッター材料24は電着しな
い。本実施例のゲッター材料24はBa−Alであり、
900〜1000℃で焼成した後の厚さは30μmであ
る。
【0021】本実施例によれば、ワイヤーゲッター20
全体の外径は125μmとなり、絶縁層23がゲッター
材料24よりも20μm外方に突出した形状となる。そ
して、このワイヤーゲッター20を前述したように前記
外囲器5の内部に設置し、真空中で通電して900〜1
000℃の温度に加熱する。これによって前記ゲッター
材料24が蒸発し、外囲器5の内面にゲッター膜25が
形成される。
【0022】本実施例によれば、絶縁層23がゲッター
材料24よりも突出しているので、ワイヤーゲッター2
0の絶縁層23が外囲器5の内面に接触しても、W芯線
21からの熱が外囲器5に容易に伝わることはない。従
って、前記W芯線21の温度が下がることはなく、また
外囲器5のカソード基板3やアノード基板2が熱で割れ
てしまうこともない。さらに、ワイヤーゲッター20が
ゲッター膜25を介して外囲器5内面の電極類に導通し
てしまうこともなく、また電気的短絡によって外囲器5
及び外囲器5内面の電極類に機械的破損を与えることも
ない。
【0023】以上説明した一実施例では、ゲッター材料
としてBa−Alを用いたが、Ni,W,Ti,V,Z
r,Ba,Al,Ag,Mg,Ca,Mn,Ce,N
b,Mo,Ta,Th等の金属や、これら金属を含む金
属間化合物等を用いてもよい。また、Zr−Al,Ag
−Ti,Zr−Ni等の合金を用いることもできる。さ
らに、これら各物質から2種以上を任意に選んで組合せ
て用いることもできる。また、その厚さは、前記絶縁層
よりも小さければ具体的にはどのような寸法でもよい。
【0024】また、金属芯線及び金属細線としては、前
述のようなWのほか、Re3%含有W,Ni,Ta等を
用いることができる。そして、ワイヤーゲッター全体と
しての線径は、外囲器5を構成する両基板2,3の間隔
よりも小さくなるのであれば、実施例のものに限定され
ずどの程度の大きさでもよい。
【0025】また、絶縁層は絶縁性のある突起物として
機能すればよく、その材質は前述したAl2 3 のほか
例えばCaO,SiO2 ,MgO等のセラミックも使用
できる。また、その厚さは、前記ゲッター材料よりも大
きければ具体的にはどのような寸法でもよい。
【0026】さらに、一実施例では電着法によって絶縁
層23の突起を形成したが、他の方法を用いてもよい。
例えば、環状の絶縁層を金属芯線に所定間隔で取付けて
もよいし、溶融させたセラミックを金属芯線に溶射して
突状の絶縁層を形成してもよい。又は、ペースト状の絶
縁物質を金属芯線に印刷等の手法で付着させ、これを焼
成して絶縁層を形成することもできる。さらに、溶剤に
絶縁物質を溶かしたものをスプレー等で金属芯線に吹き
つけ、絶縁層を形成することもできる。
【0027】前述した一実施例ではゲッター材料24が
蒸発形であったが、これを非蒸発形としてもよい。一例
として、ジルコニウムとアルミニウムの金属間化合物
(Zr−Al)を非蒸発形のゲッター材料としてW芯線
21に被着させてもよい。絶縁層23等の構成は第1実
施例と同じでよい。このような非蒸発形のワイヤーゲッ
ッターを用いたFEDでは、初めにワイヤーゲッターを
900℃に加熱して活性化させ、点灯時には400℃以
下に加熱することによってガス吸着を行なわせる。な
お、条件によっては電圧を加えずに常温で使用すること
もできる。
【0028】
【発明の効果】
(1)ゲッターをワイヤー状に形成したので500μm
以下の狭い空間に配設でき、従来必要とされていたゲッ
ター室が不要になり、従来よりも薄いFEDが実現でき
る。
【0029】(2)ゲッター室が省略できるので、製造
工程が簡略化されてコストが低減する。
【0030】(3)ゲッター材料は金属芯線の周囲に被
着されているので、アノード基板、カソード基板及びス
ペーサ部材の各内面にそれぞれゲッター膜を形成でき
る。従って従来よりもゲッター膜の面積が広がり、ゲッ
ター効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の断面図である。
【図2】一実施例の部分拡大断面図である。
【図3】一実施例におけるワイヤーゲッターの断面図で
ある。
【図4】従来の画像表示装置の断面図である。
【符号の説明】
1 画像表示装置 2 アノード基板 3 カソード基板 4 スペーサ部材 5 外囲器 8 電界放出素子 13 アノード電極 15 蛍光体層 20 ワイヤーゲッター 21 金属芯線としてのW芯線 23 絶縁層 24 ゲッター材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新山 剛宏 千葉県茂原市大芝629 双葉電子工業株式 会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カソード基板とアノード基板がスペーサ
    部材を介して封着された外囲器と、前記カソード基板の
    内面に形成された電界放出素子と、前記アノード基板の
    内面に形成された蛍光体層を有するアノード電極とを備
    えた画像表示装置において、金属芯線と、前記金属芯線
    の表面の一部に形成された絶縁層と、前記絶縁層間にお
    いて前記金属芯線を被覆するゲッター材料からなるワイ
    ヤーゲッターを、前記外囲器内の周縁部に張設したこと
    を特徴とする電界放出素子を用いた画像表示装置。
  2. 【請求項2】 前記スペーサ部材の厚さが500μm以
    下である請求項1記載の電界放出素子を用いた画像表示
    装置。
  3. 【請求項3】 前記ワイヤーゲッターが、Ti,V,Z
    r,Nb,Mo,Ta,Th,Ce,P等からなる金属
    群又は/およびZr−Al,Ag−Ti,Zr−Ni等
    からなる合金群から選択された少なくとも一種以上の金
    属又は/および合金からなるゲッター材料で構成された
    蒸発形のワイヤーゲッターである請求項1記載の電界放
    出素子を用いた画像表示装置。
  4. 【請求項4】 前記絶縁層の外径が、前記ゲッター材料
    の外径よりも大きい請求項1記載の電界放出素子を用い
    た画像表示装置。
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