JP3790044B2 - 蛍光表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子線の衝撃による蛍光体の発光を利用した蛍光表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
蛍光表示装置は、少なくとも一方が透明な真空容器の中で、電子放出部から放出される電子を蛍光体に衝突させてその蛍光体を発光させ、その発光による光を利用する電子管である。この蛍光表示装置は、通常では、電子の働きを制御するためのグリッドを備えた3極管構造のものが最も多く用いられている。
そして、従来では、電子放出部にフィラメントと呼ばれる陰極を用い、ここより放出される熱電子を蛍光体に衝突発光させていた。
このような蛍光表示装置の中で、大画面ディスプレイ装置の画素を構成する画像管がある。
【0003】
以下、画像管について図2を用いて説明する。
まず、円筒形のガラスバルブ201に、透光性を有するフェースガラス202が低融点フリットガラス203により接着固定され、それらで真空容器(外囲器)を構成している。そして、この中に、蛍光面204、陽極電極構体205、および、電子放出部を構成するカソード構体206が配置している。
そのフェースガラス202は、前面側には凸型レンズ状の球面部202aが形成され、周縁部には鍔状に段差部202bが形成されている。また、内面202cの主要面には、蛍光面204およびAlメタルバック膜207が順次積層して形成されている。
【0004】
また、フェースガラス202の内面202cの周辺部には、例えばステンレス材の薄板をプレス成形法により加工して形成され、弾性力を有する接触片207aの一端側が挿入されている。また、その接触片207aは、例えばカーボンまたは銀とフリットガラスとの混合体からなる導電性接着材により、Alメタルバック膜207に接触してフェースガラス202の内面202cの所定部分に接着固定されている。そして、この接触片207aの他端側は、ガラスバルブ201の内壁面方向に向けて延在されている。
【0005】
一方、ガラスバルブ201底部を構成するステムガラス208には、リードピン209a〜209eが挿通され、加えて、排気管208aが一体的に形成されている。また、このステムガラス208上には、そのリードピン209aの先端部に陽極リード210が溶接により固定され、この陽極リード210の先端部に円筒状の陽極電極構体205が溶接により固定配置されて搭載される構造となっている。
この陽極電極構体205は、例えばステンレス材の金属線をリング状に丸めて成形されたリング状陽極205aと、このリング状陽極205aの外周面に矩形状のステンレス材の薄板を巻き付けて重ね合った部分を2点で溶接などにより固定させて円筒形状に形成された円筒状陽極205bとから構成されている。
【0006】
また、この陽極電極構体205は、陽極リード210の先端部に対してリング状陽極205aと所定の箇所で溶接され、さらに陽極リード210の最先端部分で円筒状陽極205bの内側との接触部分で溶接されて固定されて配置される構造となっている。
さらにこのリング状陽極205aの一部には、たとえば溶接などにより、Baゲッター205cが取り付け固定されて配置されている。
【0007】
また、リードピン209b〜209eの先端部には、カソードリード211b〜211eが溶接により固定され、このカソードリード211b〜211eの先端部には、カソード構体206が溶接により固定配置されて搭載される構造となっている。
このカソード構体206は、次に示すように構成されている。まず、セラミック基板206a上の中央部に背面電極206bが配置されている。また、その上部に所定の間隔を開けてフィラメントカソード206cが固定されている。そして、それらを覆うように、メッシュ部206eを有する楕円状のグリッドハウジング206dが、セラミック基板206a上に搭載されている。また、メッシュ部206eは、蛍光面204の方向に球面状に突出した形状となっている。
【0008】
以上示したように構成される画像管は、まず、外部回路からリードピン209c,209dに電圧(加熱電源)を供給することで、カソードリード211c,211dを介し、フィラメントカソード206cに所定の電位を印加して熱電子が放出される状態とする。また、外部回路からリードピン209bに電圧を供給することで、カソードリード211bを介し、背面電極206bにフィラメントカソード206cに対して負の電位を印加する。加えて、外部回路からリードピン209eに電圧を供給することで、カソードリード211eを介し、フィラメントカソード206cに対して正の電位をグリッドハウジング206dに印加することで、グリッドハウジング206dのメッシュ部206eより電子ビームを放出させる。
【0009】
そして、外部回路からリードピン209aに高電圧を供給し、陽極リード210→陽極電極構体205(円筒状陽極205b)→接触片207aの経路をそれぞれ導通してAlメタルバック膜207にその高電圧が印加された状態とすることで、円筒状陽極205bにより放出された電子を加速し、Alメタルバック膜207を貫通させて蛍光面204に衝撃させる。この結果、蛍光面204は電子衝撃により励起され、蛍光面204を構成する蛍光体に応じた発光色をフェースガラス202を透過して前面側に発光表示することになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の蛍光表示装置に用いられていた電子放出部としてのフィラメント(フィラメントカソード)は、主に、直径7〜20μmのタングステンの細線に、電子放射性物質を塗布して形成している。その電子放出物質としては、一般に、酸化バリウム・酸化カルシウム・酸化ストロンチウムのいわゆる三元酸化物から構成するようにしている。
ここで、これら酸化物は、空気中ではきわめて不安定である。このため、フィラメントの作製においては、まず、炭酸バリウム・炭酸カルシウム・炭酸ストロンチウムを、タングステン細線に外形が22〜35μmになるように塗布する。これらは、いわゆる炭酸塩の形である。そして、それを例えば、上述の画像管製造において各部品とともに組み込んだ上で、外囲器内を真空排気してエージングする段階で酸化物にしている。
【0011】
したがって、従来の蛍光表示装置では、電子放出部として上述したようなフィラメントを用いるようにしているため、次に示すような問題点があった。
まず、非常に細く脆弱なフィラメントを架張して取り付け組み立てなければならないため、取り扱いに不便があった。また、上述したように、フィラメントカソードを作製するための工数も非常に多い状態であった。
次に、フィラメントカソードから放出される電子流は、フィラメントカソードの温度に大きく左右される。このため、フィラメントカソードの両端支持部からの放熱が大きいと、フィラメントの位置によって電子流にバラツキが生じてしまう。これは、用いる蛍光表示装置によっては、蛍光面の発光にむらが発生する要因となる。
また、フィラメントカソードの表面には、前述したように電子放射性物質が塗布されているが、これが蛍光表示装置の真空容器内における放出ガスに対して弱く、場合によっては、短時間に劣化してしまうことがあった。
【0012】
この発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、蛍光表示装置の電子放出部より、長期に安定して信頼性の高い状態で電子が放出できるようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明の蛍光表示装置は、電子放出部を、一端に開口部を有してその開口部が蛍光面に向けて配置された筒と、この筒の底部および内部側面に形成された電極膜と内面に電極膜が形成された筒の内部に充填されて、円筒状のグラファイトの層からなるカーボンナノチューブの集合体から構成された柱状グラファイトと、その筒の開口部側に配置され、カーボンナノチューブ先端より電子を引き出すための電子引き出し電極とから構成するようにした。
このように構成したので、電子放出部においては、電極膜と電子引き出し電極との間に電位を印加すると、カーボンナノチューブの先端に高電界が集中して電子が引き出される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下この発明の実施の形態を図を参照して説明する。
図1は、この発明の実施の形態における蛍光表示装置である画像管の構成を示す構成図である。
以下、この実施の形態における画像管の構成について、その製造方法とともに説明すると、まず、円筒形のガラスバルブ101にフェースガラス102が低融点フリットガラス103により接着固定され、真空容器(外囲器)が構成されている。
そして、この中に、蛍光面104、陽極電極構体105、および電子放出部を構成するカソード構体106を配置している。なお、当然であるが、それら蛍光面104、陽極電極構体105、および、電子放出部を構成するカソード構体106を配置した後で、フェースガラス102をガラスバルブ101に接着固定する。
【0015】
そのフェースガラス102は、前面側には凸型レンズ状の球面部102aが形成され、周縁部には鍔状に段差部102bが形成されている。このフェースガラス102の内面102cには、図示していないが、その周辺部分の一部に窪み状の凹部が形成されている。また、この内面102cの主要面には、蛍光面104が形成され、この蛍光面104表面にはAlメタルバック膜107が形成されている。
【0016】
なお、凹部内には蛍光面104は形成されず、Alメタルバック膜107のみが形成される構成となっている。この、凹部内には、弾性力を有する接触片107aの一端側が挿入されている。この接触辺107aは、例えばステンレス材の薄板をプレス成形法により加工して形成する。また、この接触片107aは、例えばカーボンまたは銀とフリットガラスとの混合体からなる導電性接着材により、その凹部の部分に接着固定されている。そして、この接触片107aの他端側は、ガラスバルブ101の内壁面方向に向けて延在されている。
【0017】
ところで、蛍光面104は、白色蛍光体として、例えば、Y22S:Tb+Y23:Eu混合蛍光体を溶媒に溶かした溶材を約20μm程度の厚さに内面102cに印刷塗布し、これを乾燥することで形成する。なお、凹部内には蛍光面104は塗布しない状態としておく。
また、蛍光面104表面には、蒸着により約厚さ150nm程度にアルミニウム膜を成膜することで、Alメタルバック膜107を形成する。ここで、凹部内には蛍光面104は塗布されていないので、Alメタルバック膜107のみが形成された状態となる。
【0018】
なお、このAlメタルバック膜107の厚さは薄すぎると、ピンホールが増加して蛍光面104の反射が減少する。一方、その厚さが厚すぎると、蛍光面104に対する電子ビームの電子の侵入が阻害されて発光が小さくなる。したがって、Alメタルバック膜107の厚さのコントロールは重要である。このため、前述したように、Alメタルバック膜107は厚さを約150nm程度とした方がよい。
なお、それら蛍光面104及びAlメタルバック膜107を形成した後、フェースガラス102を、例えば電気炉などにより560℃で30分程度空気中で焼成し、塗布膜中の溶媒類を除去する。
【0019】
そして、例えば、直径約20mm,長さ約50mmの両端が切断されたガラスバルブ101の一方の開口端に、フェースガラス102の周縁部に形成された鍔状の段差部102b部分が、低融点フリットガラス103により接着固定されている。
一方、ガラスバルブ101底部を構成するステムガラス108には、リードピン109が挿通され排気管108aが一体的に形成されている。また、このステムガラス108上には、そのリードピン109の先端部に陽極リード110が溶接により固定され、この陽極リード110の先端部に円筒状の陽極電極構体(電子加速電極)105が溶接により固定配置されて搭載される構造となっている。
【0020】
この陽極電極構体105は、次の部分から構成されている。
まず、例えばステンレス材の金属線(線径約0.5mm)をリング状に丸めて成形されたリング状陽極105a。
このリング状陽極105aの外周面に、矩形状のステンレス材の薄板(板厚0.01〜0.02mm)を巻き付けて重ね合った部分を2点で溶接などにより固定させて円筒形状に形成された円筒状陽極105b。
【0021】
また、この陽極電極構体105は、陽極リード110の先端部に対してリング状陽極105aと所定の箇所で溶接され、さらに、陽極リード110の最先端部分で円筒状陽極105bの内側との接触部分で溶接されて固定されて配置される構造となっている。さらにこのリング状陽極105aの一部には、Baゲッター105cが溶接などにより取り付け固定されて配置されている。なお、図1(a)において、陽極電極構体105やリードピン109に関しては、断面を示していない。
以上のことは、従来の画像管とほぼ同様である。
【0022】
また、ステムガラス108には、リードピン109a,109bも挿通され、リードピン109a,109bの先端部には、カソードリード111a,111bが溶接により固定され、このカソードリード111a,111bの先端部には、カソード構体106が溶接により固定配置されて搭載される構造となっている。
このカソード構体106は、次に示すように構成されている。まず、セラミック基板106a上に、絶縁材料からなる筒121が配置され、その筒121の底部および内部側面には電極膜122が形成されている。なお、図示していないが、電極膜122はカソードリード111aに接続されている。
【0023】
そして、内面に電極膜122が形成された筒121内部には、図1(b)に拡大表示したように、カーボンナノチューブの集合体からなる長さ数μmから数mmの針形状の柱状グラファイト123が、その長手方向をほぼ蛍光面104の方向に向けて充填されている。そして、それらを覆うように、メッシュ部(電子引き出し電極)106eを備えたハウジング106dが配置されている。
この柱状グラファイト123は、図1(b)に示すように、カーボンナノチューブ123aが、ほぼ同一方向を向いて集合した構造体である。なお、この図1(b)は、柱状グラファイト123を途中で切った断面をみる斜視図である。
【0024】
そして、カーボンナノチューブ123aは、例えば図1(c)に示すように、完全にグラファイト化して筒状をなし、その直径は4〜50nm程度であり、その長さは1μmオーダである。そして、図1(d)に示すように、その先端部は五員環が入ることにより閉じている。なお、おれることで先端が閉じていない場合もある。
このカーボンナノチューブは、ヘリウムガス中で2本の炭素電極を1〜2mm程度離した状態で直流アーク放電を起こしたときに、陽極側の炭素が蒸発して陰極側の炭素電極先端に凝集した堆積物中に形成される。
【0025】
すなわち、炭素電極間のギャップを1mm程度に保った状態で、ヘリウム中で安定なアーク放電を持続させると、陽極の炭素電極の直径とほぼ同じ径をもつ円柱状の堆積物が、陰極先端に形成される。
その円柱状の堆積物は、外側の固い殻と、その内側のもろくて黒い芯との2つの領域から構成されている。そして、内側の芯は、堆積物柱の長さ方向にのびた繊維状の組織をもっている。その繊維状の組織が、上述した柱状グラファイトであり、堆積物柱を切り出すことなどにより、柱状グラファイトを得ることができる。なお、外側の固い殻は、グラファイトの多結晶体である。
【0026】
そして、その柱状グラファイトにおいて、カーボンナノチューブは、炭素の多面体微粒子(ナノポリヘドロン:nanopolyhedoron)とともに、複数が集合している。
そのカーボンナノチューブは、図1(c),(d)では模式的に示したようにグラファイトの単層が円筒状に閉じた形状の他に、複数のグラファイトの層が入れ子構造的に積層し、それぞれのグラファイト層が円筒状に閉じた同軸多層構造となっている形状がある。そして、それらの中心部分は、空洞となっている。
【0027】
以上示したように、この実施の形態においては、カーボンナノチューブ123aからなる柱状グラファイト123が充填された筒121をセラミック基板106a上に固定配置し、そして、それらを覆うように、ハウジング106dをセラミック基板106a上に搭載した状態とすることでカソード構体106を構成するようにした。
なお、メッシュ部106eは、蛍光面104の方向にわずかに球面状に突出した形状となっている。なお、メッシュ部106eは、平板状であってもよい。また、このハウジング106dは、板厚が約100μm程度のステンレス板材をプレス成形することにより形成されている。また、メッシュ部106eは、例えば縦方向寸法が約6mm,横方向寸法が約4mmとされ、高さが約1.25mmの大きさで形成されている。そして、メッシュ部106eは、筒121上部より0.5〜1mm程度離間した状態とする。なお、これらの間隔は、接触しない状態でなるべく近づけた方がよい。
【0028】
以上示したように構成されるこの実施の形態における画像管は、まず、外部回路からリードピン109a,109bに電圧を供給することで、カソードリード111a,111bを介し、電極膜122とハウジング106dとの間に電界をかける。そして、このことにより、電極膜122に接触して筒121に充填された柱状グラファイト123のカーボンナノチューブ先端に高電界を集中させ、電子を引き出してメッシュ部106eより放出させる。すなわち、この実施の形態では、柱状グラファイト123のカーボンナノチューブ123aをエミッタとした電界放出型の冷陰極電子源に、カソード構体106を構成した。
【0029】
そして、外部回路からリードピン109に高電圧を供給し、陽極リード110→陽極電極構体105(円筒状陽極105b)→接触片107aの経路をそれぞれ導通してAlメタルバック膜107にその高電圧が印加された状態とすることで、放出された電子を円筒状陽極105bにより加速し、Alメタルバック膜107を貫通させて蛍光面104に衝撃させる。この結果、蛍光面104は電子衝撃により励起され、蛍光面104を構成する蛍光体に応じた発光色を、フェースガラス102を透過して前面側に発光表示することになる。
【0030】
以上示したように、この実施の形態によれば、電子放出部をカーボンナノチューブから構成し、これを電界放出型冷陰極電子源として用いるようにした。
したがって、この実施の形態によれば、電子放出部は、フィラメントのような脆弱な部品を用いるようにしていないので、取り扱いが容易で、真空容器内における放出ガスによる劣化などがない。
また、フィラメントの加熱電源も必要がないので、リードピンの数が減らせ、消費電力も抑制できるようになる。
【0031】
加えて、そのカーボンナノチューブを、筒121に充填するようにしたので、筒121に充填されたカーボンナノチューブから放出される電子は、筒121の開口部から飛び出していくことになる。すなわち、筒121の開口部が絞りのように作用し、充填されているカーボンナノチューブから放出される電子の飛行方向をより狭い領域にまとめるようにしている。
この結果、筒121に充填されたカーボンナノチューブから放出される電子は、より多くが蛍光面104方向に飛行していくことになる。そして、充填している表面を、筒121の開口部平面より筒121内側とすることで、その絞りの効果をより高めることができる。
【0032】
筒内に充填するのではなく、平面的な電極上にカーボンナノチューブを配置しただけでは、放出された電子が蛍光面104方向に飛行する割合が10%程度と少ない。しかしながら、上述したように、筒121内にカーボンナノチューブ(柱状グラファイト123)を充填して電子放出部とすれば、放出された電子が蛍光面104方向に飛行する割合を60%以上に増加させることができる。この結果、同じ電圧を印加するようにしても、より多くの発光光を得ることができるようになる。
【0033】
なお、上述では、筒を絶縁材料から構成し、その内面に電極膜を形成するようにしたが、これに限るものではなく、筒を導電性材料から構成するようにしてもよい。このようにすることで、筒内面に電極膜を新たに形成する必要がなくなる。
また、上記実施の形態では、画像管について説明したが、これに限るものではない。この発明は、真空容器内に蛍光体からなる発光部と、これを発光させるための電子放出源とを備えた、その他の蛍光表示装置にも適用できることはいうまでもない。
例えば、フェースガラスと蛍光面との間に光学フィルターを配置し、発光色を変化させた画像管にも同様に適用できる。また、同一の真空容器内に、複数の蛍光面を備えて多色化をした画像管にも同様に適用できる。
また、所望の形状とした蛍光面により、所望の形状のキャラクタを表示する平型管に適用することも可能である。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明では、電子放出部を、一端に開口部を有してその開口部が蛍光面に向けて配置された筒と、この筒の底部および内部側面に形成された電極膜と内面に電極膜が形成された筒の内部に充填されて、円筒状のグラファイトの層からなるカーボンナノチューブの集合体から構成された柱状グラファイトと、その筒の開口部側に配置され、カーボンナノチューブ先端より電子を引き出すための電子引き出し電極とから構成するようにした。
このように構成したので、電子放出部は、電極膜と電子引き出し電極との間に電位を印加すると、カーボンナノチューブの先端に高電界が集中して電子が引き出される電界放出型冷陰極電子源となる。
そして、この発明によれば、フィラメントなどや化学的に不安定な電子放射性物質などの脆弱な部品を用いることなく電子放出部を構成するようにしたので、まず、取り扱いが容易になり、また、劣化しにくいものとなる。この結果、この発明によれば、長期に安定して信頼性の高い状態で電子が放出できるようになるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による画像管の構成を示す構成図である。
【図2】 従来の画像管の構成を示す構成図である。
【符号の説明】
101…ガラスバルブ、102…フェースガラス、103…低融点フリットガラス、104…蛍光面、105…陽極電極構体、105a…リング状陽極、105b…円筒状陽極、105c…Baゲッター、106…カソード構体、106a…セラミック基板、106d…ハウジング、106e…メッシュ部(電子引き出し電極)、107…Alメタルバック膜、107a…接触片、108…ステムガラス、108a…排気管、109,109a,109b…リードピン、110…陽極リード、111a,111b…カソードリード、121…筒、122…電極膜、123…柱状グラファイト、123a…カーボンナノチューブ。

Claims (7)

  1. 少なくとも一部が透光性を有する表示面を有して内部が真空排気された外囲器と、
    前記表示面の内側に形成された蛍光体からなる蛍光面と、
    前記外囲器内部に配置されて前記蛍光面に対して電子を放出する電子放出部と
    から構成され、
    前記電子放出部は、
    一端に開口部を有してその開口部が前記蛍光面に向けて配置された筒と、
    この筒の底部および内部側面に形成された電極膜と
    内面に前記電極膜が形成された前記筒の内部に充填されて、円筒状のグラファイトの層からなるカーボンナノチューブの集合体から構成された柱状グラファイトと、
    前記筒の開口部側に配置され、前記カーボンナノチューブ先端より電子を引き出すための電子引き出し電極と
    から構成されていることを特徴とする蛍光表示装置。
  2. 請求項1記載の蛍光表示装置において、
    前記柱状グラファイトは、その先端部が前記蛍光面に向けて配置されていることを特徴とする蛍光表示装置。
  3. 請求項1又は2記載の蛍光表示装置において、
    前記蛍光面に所定の電位が印加されることを特徴とする蛍光表示装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の蛍光表示装置において、
    前記引き出し電極は、前記蛍光面と前記筒との間に配置されることを特徴とする蛍光表示装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光表示装置において、
    前記蛍光面と前記表示面との間に光学フィルターが配置されることを特徴とする蛍光表示装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の蛍光表示装置において、
    前記蛍光面表面に形成された金属膜と、
    前記蛍光面と前記電子引き出し電極との間に配置され、前記電子引き出し電極より高い電位が印加される電子加速電極と
    を備えたことを特徴とする蛍光表示装置。
  7. 請求項6記載の蛍光表示装置において、
    前記金属膜と前記電子加速電極とは電気的に接続されていることを特徴とする蛍光表示装置。
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