JP3730391B2 - 蛍光表示装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子線の衝撃による蛍光体の発光を利用した蛍光表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
蛍光表示装置は、少なくとも一方が透明な真空容器の中で、電子放出部から放出される電子を、蛍光体に衝突発光させて発光させ、その発光光を利用する電子管である。
この蛍光表示装置は、通常では、電子の働きを制御するためのグリッドを備えた3極管構造のものが最も多く用いられている。
そして、従来では、電子放出部にフィラメントと呼ばれる陰極を用い、ここより放出される熱電子を蛍光体に衝突発光させていた。
このような蛍光表示装置の中で、大画面ディスプレイ装置の画素を構成する画像管がある。
【0003】
以下、画像管について図3を用いて説明する。
はじめに概略を説明すると、円筒形のガラスバルブ301内に、蛍光面304、陽極電極構体305、そして、および電子放出部を構成するカソード構体306を配置する。そして、円筒形のガラスバルブ301の開口端に、透光性を有するフェースガラス302を低融点フリットガラス303により接着固定する。そして、ガラスバルブ301のステムガラス308に一体形成されている排気管308aより真空排気することで、ガラスバルブ301内を真空状態としている。
【0004】
それらの中で、フェースガラス302は、前面側に凸型レンズ状の球面部302aを形成し、周縁部に鍔状に段差部302bを形成しておく。また、内面302cの主要面には、蛍光面304およびAlメタルバック膜307を順次積層して形成しておく。
また、フェースガラス302の内面302cの周辺部には、例えばステンレス材の薄板をプレス成形法により加工して形成した弾性力を有する接触片307aの一端側を挿入してある。また、その接触片307aは、例えばカーボンまたは銀とフリットガラスとの混合体からなる導電性接着材により、Alメタルバック膜307に接触してフェースガラス302の内面302cの所定部分に接着固定する。そして、この接触片307aの他端側は、ガラスバルブ301の内壁面方向に向けて延在した状態としておく。
【0005】
一方、ガラスバルブ301底部を構成するステムガラス308には、リードピン309a〜309eを挿通しておく。また、このステムガラス308上には、そのリードピン309aの先端部に陽極リード310を溶接により固定し、この陽極リード310の先端部に円筒状の陽極電極構体305を溶接により固定配置して搭載する。
この陽極電極構体305は、例えばステンレス材の金属線をリング状に丸めて成形したリング状陽極305aと、このリング状陽極305aの外周面に矩形状のステンレス材の薄板を巻き付けて重ね合った部分を2点で溶接などにより固定して円筒形状に形成した円筒状陽極305bとから構成する。
【0006】
また、この陽極電極構体305は、陽極リード310の先端部に対してリング状陽極305aと所定の箇所で溶接し、さらに陽極リード310の最先端部分で円筒状陽極305bの内側との接触部分で溶接して固定した状態とする。
さらにこのリング状陽極305aの一部には、Baゲッター305cを溶接などより取り付け固定しておく。
【0007】
また、リードピン309b〜309eの先端部には、カソードリード311b〜311eを溶接により固定し、このカソードリード311b〜311eの先端部には、カソード構体306を溶接により固定配置した状態とする。
このカソード構体306は、次に示すように形成する。まず、セラミック基板306a上の中央部に背面電極306bを配置して固定する。次に、その上部に所定の間隔を開けてフィラメントカソード306cを2本の支柱により固定する。そして、それらを覆うように、メッシュ部306eを有する楕円状のグリッドハウジング306dを、セラッミック基板306a上に搭載する。なお、メッシュ部306eは、蛍光面304の方向に球面状に突出した形状としておく。
【0008】
以上示したように形成される画像管は、まず、外部回路からリードピン309c,309dに電圧(加熱電源)を供給することで、カソードリード311c,311dを介し、フィラメントカソード306cに所定の電位を印加して熱電子が放出される状態とする。また、外部回路からリードピン309bに電圧を供給することで、カソードリード311bを介し、背面電極306bにフィラメントカソード306cに対して負の電位を印加する。加えて、外部回路からリードピン309eに電圧を供給することで、カソードリード311eを介し、グリトハウジング306dにフィラメントカソード306cに対して正の電位を印加することで、グリッドハウジング306dのメッシュ部306eより電子ビームを放出させる。
【0009】
そして、外部回路からリードピン309aに高電圧を供給し、陽極リード310→陽極電極構体305(円筒状陽極305b)→接触片307aの経路をそれぞれ導通してAlメタルバック膜307にその高電圧が印加された状態とすることで、放出された電子を円筒状陽極305bにより加速し、Alメタルバック膜307を貫通させて蛍光面304に衝撃させる。この結果、蛍光面304は電子衝撃により励起し、蛍光面304を構成する蛍光体の応じた発光色をフェースガラス302を透過して前面側に発光表示することになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の蛍光表装置に用いられていた電子放出部としてのフィラメント(フィラメントカソード)は、主に、直径7〜20μmのタングステンの細線に、電子放射性物質を塗布して形成している。その電子放出物質としては、一般に、酸化バリウム・酸化カルシウム・酸化ストロンチウムのいわゆる三元酸化物から構成するようにしている。
ここで、これら酸化物は空気中ではきわめて不安定である、このため、フィラメントの作製においては、炭酸バリウム・炭酸カルシウム・炭酸ストロンチウムのいわゆる炭酸塩の形でタングステン細線に外形が22〜35μmになるように塗布し、これを例えば、上述の画像管製造において、各部品とともに組み込んだ上で、外囲器内を真空排気してエージングする段階で酸化物にするようにしている。
【0011】
したがって、従来の蛍光表示装置では、電子放出部として上述したようなフィラメントを用いるようにしているため、次に示すような問題点があった。
すなわち、非常に細く脆弱なフィラメントを架張して取り付け組み立てなければならないため、取り扱いに不便があり、製造しにくいという問題があった。また、上述したように、フィラメントカソードを作製するためには工数が非常に多い状態であった。
【0012】
この発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、蛍光表示装置の電子放出部を、より容易に作製できるようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明の蛍光表示装置の製造方法では、基体上に円筒状のグラファイトの層からなる複数のカーボンナノチューブが炭素の多面体粒子とともに集合して構成された柱状グラファイトおよび導電体からなる粒子が分散された導電性ペーストからなるペーストパターンを選択的に形成し、ペーストパターンを焼成して柱状グラファイトが導電体膜で覆われた状態とし、導電成膜をその表面より所定量研磨することで柱状グラファイトを露出させて基体上に電子放出部を形成するようにした。
また、この発明の蛍光表示装置の製造方法では、基体上に円筒状のグラファイトの層からなる複数のカーボンナノチューブが炭素の多面体粒子とともに集合して構成された柱状グラファイトおよび導電体からなる粒子が分散された導電性ペーストからなるペーストパターンを選択的に形成し、ペーストパターンを焼成して柱状グラファイトが導電体膜で覆われた状態とし、カーボンナノチューブに比較して導電成膜の方がエッチングレートの早い条件でエッチングすることで柱状グラファイトを露出させて基体上に電子放出部を形成するようにした。
このように製造するようにしたので、その先端部が露出した状態のカーボンナノチューブが集合した柱状グラファイトからなる電子放出部と電子引き出し電極とで電界放出型冷陰極電子源を構成できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下この発明の実施の形態を図を参照して説明する。
図1は、この発明の実施の形態における蛍光表示装置である画像管の構成を示す構成図である。
以下、この実施の形態における画像管の構成について、その製造方法とともに説明すると、まず、円筒形のガラスバルブ101中に、蛍光面104、陽極電極構体105、そして、および電子放出部を構成するカソード構体106を配置する。また、ガラスバルブ101の開口端に、フェースガラス102を低融点フリットガラス103により接着固定する。そして、ガラスバルブ101の底部にはステムガラス108を配置し、このステムガラス108に一体形成した排気管108aより真空排気することで、ガラスバルブ101内を真空状態とする。
【0015】
まず、フェースガラス102は、前面側には凸型レンズ状の球面部102aを形成し、周縁部には鍔状に段差部102bを形成しておく。このフェースガラス102の内面102cには、その周辺部分の一部に窪み状の凹部も形成しておく。また、この内面102cの主要面には、蛍光面104を形成し、この蛍光面104表面にはAlメタルバック膜107を形成する。
なお、凹部内には蛍光面104は形成せず、Alメタルバック膜107のみを形成するようにする。この、凹部内には、例えばステンレス材の薄板をプレス成形法により加工して形成された弾性力を有する接触片107aの一端側を挿入配置する。この接触片107aは、例えばカーボンまたは銀とフリットガラスとの混合体からなる導電性接着材により、その凹部部分に接着固定することで形成する。そして、この接触片107aの他端側は、ガラスバルブ101の内壁面方向に向けて延在しておく。
【0016】
ところで、蛍光面104は、白色蛍光体として、例えば、Y22S:Tb+Y23:Eu混合蛍光体を溶媒に溶かし、これにバインダーを加えたペーストを約20μm程度の厚さに内面102cに印刷塗布し、これを乾燥することで形成する。ここで、凹部内には蛍光面104は塗布しない状態としておく。なお、用いる蛍光体は、Y22S:Tb+Y23:Eu混合蛍光体に限るものではなく、他の蛍光体を用いるようにしてもよいことはいうまでもない。
また、蛍光面104表面には、蒸着により約厚さ150nm程度にアルミニウム膜を成膜することで、Alメタルバック膜107を形成する。ここで、凹部内には蛍光面104は塗布されていないので、Alメタルバック膜107のみが形成された状態となる。
【0017】
なお、このAlメタルバック膜107の厚さは薄すぎると、ピンホールが増加して蛍光面104の反射が減少する。一方、その厚さが厚すぎると、蛍光面104に対する電子ビームの電子の侵入が阻害されて発光が小さくなる。したがって、Alメタルバック膜107の厚さのコントロールは重要である。このため、前述したように、Alメタルバック膜107は厚さを約150nm程度とした方がよい。
なお、それら蛍光面104及びAlメタルバック膜107を形成した後、フェースガラス102を、例えば電気炉などにより560℃で30分程度空気中で焼成し、塗布膜中の溶媒類を除去する。
【0018】
そして、このフェースガラス102は、例えば、直径約20mm,長さ約50mmの両端が切断されたガラスバルブ101の一方の開口端に、フェースガラス102の周縁部に形成された鍔状の段差部102b部分で、低融点フリットガラス103により接着固定する。
これは、その接着面に低融点フリットガラスペーストを塗布し、フェースガラス102の段差部102b部分とガラスバルブ101の開口端とを、その低融点フリットガラスペーストを介してつき合わせ、これらを加熱焼成すればよい。
【0019】
一方、ガラスバルブ101底部のステムガラス108部分には、リードピン109を挿通して形成する。また、そのリードピン109の先端部に、陽極リード110を溶接により固定し、この陽極リード110の先端部に、円筒状の陽極電極構体(電子加速電極)105を溶接により固定配置する。
この陽極電極構体105の形成について説明すると、まず、例えばステンレス材の金属線(線径約0.5mm)をリング状に丸めることで、リング状陽極105aを成形する。そして、このリング状陽極105aの外周面に、矩形状のステンレス材の薄板(板厚0.01〜0.02mm)を巻き付け、重ね合った部分を溶接点105dと溶接点105eの2カ所で溶接して固定する。このことにより、円筒形状に円筒状陽極105bを形成できる。
【0020】
また、この陽極電極構体105は、陽極リード110の先端部に対してリング状陽極105aと所定の箇所で溶接し、さらに、陽極リード110の最先端部分で円筒状陽極105bの内側との接触部分で溶接して固定する。さらに、このリング状陽極105aの一部には、Baゲッター105cを溶接などより取り付け固定する。なお、図1(a)において、陽極電極構体105やリードピン109に関しては、断面を示していない。
【0021】
また、ステムガラス108には、リードピン109a,109bも挿通し、リードピン109a,109bの先端部には、カソードリード111a,111bを溶接により固定し、このカソードリード111a,111bの先端部には、カソード構体106を溶接により固定配置する。
このカソード構体106は、次に示すように形成する。まず、セラミック基板106a上の中央部に、電極(導電板)106bを配置する。
また、その上面の約3mmφの領域に、カーボンナノチューブの集合体からなる長さ数mmの針形状の柱状グラファイトより構成された電子放出部121を固定配置する。
【0022】
ところで、図1(b)に示すように、その柱状グラファイト131は、カーボンナノチューブ132が、ほぼ同一方向を向いて集合した構造体である。なお、この図1(b)は、柱状グラファイト131を途中で切った断面を見る斜視図である。
そして、カーボンナノチューブ132は、例えば図1(c)に示すように、完全にグラファイト化して筒状をなし、その直径は4〜50nm程度であり、その長さはミクロンオーダである。そして、図1(d)に示すように、その先端部は五員環が入ることにより閉じている。
このカーボンナノチューブは、ヘリウムガス中で2本の炭素電極を1〜2mm程度離した状態で直流アーク放電を起こすことで、陽極側の炭素が蒸発して陰極側の炭素電極先端に凝集した堆積物中に形成できる。
【0023】
すなわち、炭素電極間のギャップを1mm程度に保った状態で、ヘリウム中で安定なアーク放電を持続させ、陽極の炭素電極の直径とほぼ同じ径をもつ円柱状の堆積物を陰極先端に形成する。その円柱状の堆積物は、外側の固い殻と、その内側のもろくて黒い芯との2つの領域から構成されている。そして、内側の芯は、堆積物柱の長さ方向にのびた繊維状の組織をもっている。その繊維状の組織が、上述した柱状グラファイトであり、堆積物柱を切り出すことなどにより、柱状グラファイトを得ることができる。なお、外側の固い殻は、グラファイトの多結晶体である。
【0024】
そして、その柱状グラファイトにおいて、カーボンナノチューブは、炭素の多面体微粒子(ナノポリヘドロン:nanopolyhedoron)とともに、複数が集合している。
そのカーボンナノチューブは、図1(c),(d)では模式的に示したように、グラファイトの単層が円筒状に閉じた形状と、複数のグラファイトの層が入れ子構造的に積層し、それぞれのグラファイト層が円筒状に閉じた同軸多層構造となっている形状とがある。そして、それらの中心部分は、空洞となっている。
【0025】
以上示したよう構成されているカーボンナノチューブよりなる柱状グラファイトで構成された電子放出部121は、その柱状グラファイト131が銀ペーストなどの導電性接着剤により固定されている。
以下、この実施の形態における電子放出部121に関してより詳細に説明する。まず、その作製方法について説明すると、金属板を加工することで、図2(a)に示すように、所定の形状の板状の電極106bがリードフレーム状にフレーム201に接続された状態とする。
【0026】
ついで、図2(b)に示すように、電極106b表面の所定領域に、ペーストパターン202を形成する。このペーストパターン202は、よく用いられている銀ペースト(導電性ペースト)に前述した柱状グラファイトを混合したペーストを用いたスクリーン印刷法などにより形成すればよい。そして、その溶剤などを揮発させた後、それらを空気中で40〜600℃程度に15〜60分間程度加温して焼成する。なお、この焼成は、例えば、1〜10-3Torr程度に真空排気された雰囲気で行うようにしてもよい。
【0027】
ここで、形成されたペーストパターン202のAA’断面を見ると、図2(c)に示すように、電極106b上に、柱状グラファイト131が銀203で覆われた状態に形成されている。
次に、そのペーストパタン202上部を研磨する。この結果、ペーストパターン202上部においては、柱状グラファイト131が露出するようになり、すなわち、図2(d)に示すように、柱状グラファイト131を構成しているカーボンナノチューブの先端が露出した状態となった電子放出部121が、電極106a上に形成された状態となる。
【0028】
次に、図2(e),(f)に示すように、電子放出部121が形成された電極106bを、フレーム201より切り出す。
そして、電極106bの両端201aを折曲げることで、図2(h)に示すように、表面に電子放出部121が形成された電極106bが形成される。そして、この電極106bを、図1(a)に示したように、セラミック基板106a上の中央部に配置するようにすればよい。
【0029】
このようにすることで、あらかじめ電子放出部である柱状グラファイトが固定された電極を複数形成しておくことが可能となり、例えば、あらかじめ電子放出特性を検査しておき、特性のよいものだけを用いるようにすることも可能である。
そして、それら電子放出部121が固定配置された電極(導電板)106bを覆うように、メッシュ部(電子引き出し電極)106eを備えたハウジング106dを配置する。
【0030】
以上示したように、この実施の形態においては、カーボンナノチューブからなる電子放出部121を電極106b上に固定配置し、そして、それらを覆うように、ハウジング106dをセラッミック基板106a上に搭載した状態とすることでカソード構体106を形成した。
なお、メッシュ部106eは、蛍光面104の方向に球面状に突出した形状とする。また、このハウジング106dは、板厚が約100μm程度のステンレス板材をプレス成形することにより形成する。また、メッシュ部106eは、例えば縦方向寸法が約6mm,横方向寸法が約4mmとし、高さが約1.25mmの大きさに形成する。そして、メッシュ部106eは、電子放出部121先端部より0.5〜1mm程度離間した状態とする。なお、これらの間隔は、接触しない状態でなるべく近づけた方がよい。
【0031】
以上示したように形成される画像管は、まず、外部回路からリードピン109a,109bに電圧を供給することで、カソードリード111a,111bを介して電極106とハウジング106dとの間に電界をかける。そして、このことにより、電極106上に固定配置された電子放出部121の先端部が露出したカーボンナノチューブの先端に高電界を集中させ、電子を引き出してメッシュ部106eより放出させる。すなわち、この実施の形態によれば、カソード構体106が、電子放出部121を構成するカーボンナノチューブをエミッタとした、電界放出型冷陰極電子源の構成となる。
【0032】
そして、外部回路からリードピン109に高電圧を供給し、陽極リード110→陽極電極構体105(円筒状陽極105b)→接触片107aの経路をそれぞれ導通してAlメタルバック膜107にその高電圧が印加された状態とすることで、放出された電子を円筒状陽極105bにより加速し、Alメタルバック膜107を貫通させて蛍光面104に衝撃させる。この結果、蛍光面104は電子衝撃により励起し、蛍光面104を構成する蛍光体の応じた発光色を、フェースガラス102を透過して前面側に発光表示することになる。
【0033】
以上示したように、この実施の形態によれば、カーボンナノチューブを配置することで電子放出部を形成した。この結果、電子放出部は電界放出型冷陰極電子源なる。したがって、この実施の形態によれば、電子放出部は、フィラメントのような脆弱な部品を用いるようにしていないので、簡便に取り扱うことができ、容易に形成することが可能となる。また、フィラメントの加熱電源も必要がないので、リードピンの数が減らせ、より製造を簡略化できる。
そして、この実施の形態では、印刷などにより容易な形成方法により、電子放出部をカーボンナノチューブの先端部が露出した状態とすることができる。すなわち、より簡便な方法で、良好な電子放出特性を得ることができるようになる。
【0034】
なお、上記実施の形態では、画像管について説明したが、これに限るものではな。この発明は、真空容器内に蛍光体からなる発光部と、これを発光させるための電子放出源とを備えた、その他の蛍光表示装置にも適用できることはいうまでもない。
例えば、フェースガラスと蛍光面との間に光学フィルターを形成してもよい。このように光学フィルターを形成することで、発光色を変化させた画像管とすることができる。また、同一の真空容器内に複数の蛍光面を備え、多色化をした画像管とするようにしてもよい。
また、蛍光面を所望の形状とし、所望の形状のキャラクタを表示する平型管とするようにしてもよい。
【0035】
ところで、上述では、図2(d)に示したように、研磨することでカーボンナノチューブが露出するようにしたが、これに限るものではなく、例えば、銀とカーボンとで選択比がとれるようなエッチングを用い、選択的に銀を除去するようにすることで、カーボンナノチューブの先端部を露出させるようにしてもよい。例えばエッチング液として硝酸と塩酸の混合液(1:1〜1:5)を用いたウエットエッチングにより、カーボンナノチューブの先端部を露出させるようにすればよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明は、少なくとも一部が透光性を有する表示面を有しかつ内部が真空排気された外囲器と、前記表示面の内側に形成された蛍光体からなり電子の衝撃により発光する蛍光面と、前記外囲器内に配置された基体上に電子を放出する電子放出部とを備えた蛍光表示管の製造方法において、特に、基体上に円筒状のグラファイトの層からなる複数のカーボンナノチューブが炭素の多面体粒子とともに集合して構成された柱状グラファイトおよび導電体からなる粒子が分散された導電性ペーストからなるペーストパターンを選択的に形成し、ペーストパターンを焼成して柱状グラファイトが導電体膜で覆われた状態とし、導電成膜をその表面より所定量研磨することで柱状グラファイトを露出させて基体上に電子放出部を形成するようにした。
また、この発明の蛍光表示装置の製造方法では、基体上に円筒状のグラファイトの層からなる複数のカーボンナノチューブが炭素の多面体粒子とともに集合して構成された柱状グラファイトおよび導電体からなる粒子が分散された導電性ペーストからなるペーストパターンを選択的に形成し、ペーストパターンを焼成して柱状グラファイトが導電体膜で覆われた状態とし、カーボンナノチューブに比較して導電成膜の方がエッチングレートの早い条件でエッチングすることで柱状グラファイトを露出させて基体上に電子放出部を形成するようにした。
【0037】
このように製造するようにしたので、その先端部が露出した状態のカーボンナノチューブからなる電子放出部と電子引き出し電極とで電界放出型冷陰極電子源を構成できる。この結果、この発明によれば、蛍光表示装置の電子放出部を、フィラメントのような脆弱な部品を用いることなく作製できるようになり、ひいては、蛍光表示装置をより容易に製造できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態における画像管の構成を示す構成図である。
【図2】 電子放出部品である電子放出部121が形成された電極106bの作製を説明するための説明図である。
【図3】 従来の画像管の構成を示す構成図である。
【符号の説明】
101…ガラスバルブ、102…フェースガラス、103…低融点フリットガラス、104…蛍光面、105…陽極電極構体、105a…リング状陽極、105b…円筒状陽極、105c…Baゲッター、106…カソード構体、106a…セラミック基板、106b…電極(導電板)、106d…ハウジング、106e…メッシュ部(電子引き出し電極)、107…Alメタルバック膜、107a…接触片、108…ステムガラス、108a…排気管、109,109a,109b…リードピン、110…陽極リード、111a,111b…カソードリード、121…電子放出部、131…柱状グラファイト、132…カーボンナノチューブ、201…フレーム、202…ペーストパターン、203…銀。

Claims (5)

  1. 少なくとも一部が透光性を有する表示面を有しかつ内部が真空排気された外囲器と、前記表示面の内側に形成された蛍光体からなり電子の衝撃により発光する蛍光面と、前記外囲器内に配置された基体上に電子を放出する電子放出部とを備えた蛍光表示管の製造方法において、
    前記基体上に円筒状のグラファイトの層からなる複数のカーボンナノチューブが炭素の多面体粒子とともに集合して構成された柱状グラファイトおよび導電体からなる粒子が分散された導電性ペーストからなるペーストパターンを選択的に形成し、
    前記ペーストパターンを焼成して前記柱状グラファイトが前記導電体膜で覆われた状態とし、
    前記導電成膜をその表面より所定量研磨することで前記柱状グラファイトを露出させて前記基体上に前記電子放出部を形成し、
    前記電子放出部が形成された前記基体を前記外囲器内の所定位置に配置し、
    前記外囲器内で前記電子放出部の電子放出側に前記電子放出部より電子を引き出すための電子引き出し電極を配置する
    ことを特徴とする蛍光表示装置の製造方法。
  2. 少なくとも一部が透光性を有する表示面を有しかつ内部が真空排気された外囲器と、前記表示面の内側に形成された蛍光体からなり電子の衝撃により発光する蛍光面と、基体上に電子を放出する電子放出部とを備えた蛍光表示管の製造方法において、
    前記基体上に円筒状のグラファイトの層からなる複数のカーボンナノチューブが炭素の多面体粒子とともに集合して構成された柱状グラファイトおよび導電体からなる粒子が分散された導電性ペーストからなるペーストパターンを選択的に形成し、
    前記ペーストパターンを焼成して前記柱状グラファイトが前記導電体膜で覆われた状態とし、
    前記カーボンナノチューブに比較して前記導電成膜の方がエッチングレートの早い条件でエッチングすることで前記柱状グラファイトを露出させて前記基体上に前記電子放出部を形成し、
    前記電子放出部が形成された前記基体を前記外囲器内の所定位置に配置し、
    前記外囲器内で前記電子放出部の電子放出側に前記電子放出部より電子を引き出すための電子引き出し電極を配置する
    ことを特徴とする蛍光表示装置の製造方法。
  3. 請求項1〜2のいずれか1項に記載の蛍光表示装置の製造方法において、
    前記引き出し電極は、前記蛍光面と前記電子放出部との間に配置することを特徴とする蛍光表示装置の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の蛍光表示装置の製造方法において、
    前記蛍光面と前記表示面との間に光学フィルターが配置されることを特徴とする蛍光表示装置の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光表示装置の製造方法において、
    前記蛍光面を形成した後でこの表面に金属膜を形成し、
    さらに、前記蛍光面と前記電子引き出し電極との間に、前記金属膜に電気的に接続させて、前記電子引き出し電極より高い電位が印加される電子加速電極を配置する
    ことを特徴とする蛍光表示装置の製造方法。
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