JP3790045B2 - 蛍光表示装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子線の衝撃による蛍光体の発光を利用した蛍光表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
蛍光表示装置は、少なくとも一方が透明な真空容器の中で、電子放出部から放出される電子を蛍光体に衝突させてその蛍光体を発光させ、その発光光を利用する電子管である。この蛍光表示装置は、通常では、電子の働きを制御するためのグリッドを備えた3極管構造のものが最も多く用いられている。
そして、従来では、電子放出部にフィラメントと呼ばれる陰極を用い、ここより放出される熱電子を蛍光体に衝突発光させていた。
このような蛍光表示装置の中で、大画面ディスプレイ装置の画素を構成する画像管がある。
【0003】
以下、画像管について図3を用いて説明する。
まず、円筒形のガラスバルブ301に、透光性を有するフェースガラス302が低融点フリットガラス303により接着固定され、それらで真空容器(外囲器)を構成している。そして、この中に、蛍光面304、陽極電極構体305、および、電子放出部を構成するカソード構体306が配置している。
そのフェースガラス302は、前面側には凸型レンズ状の球面部302aが形成され、周縁部には鍔状に段差部302bが形成されている。また、内面302cの主要面には、蛍光面304およびAlメタルバック膜307が順次積層して形成されている。
【0004】
また、フェースガラス302の内面302cの周辺部には、例えばステンレス材の薄板をプレス成形法により加工して形成され、弾性力を有する接触片307aの一端側が挿入されている。また、その接触片307aは、例えばカーボンまたは銀とフリットガラスとの混合体からなる導電性接着材により、Alメタルバック膜307に接触してフェースガラス302の内面302cの所定部分に接着固定されている。そして、この接触片307aの他端側は、ガラスバルブ301の内壁面方向に向けて延在されている。
【0005】
一方、ガラスバルブ301底部を構成するステムガラス308には、リードピン309a〜309eが挿通され、加えて、排気管308aが一体的に形成されている。また、このステムガラス308上には、そのリードピン309aの先端部に陽極リード310が溶接により固定され、この陽極リード310の先端部に円筒状の陽極電極構体305が溶接により固定配置されて搭載される構造となっている。
この陽極電極構体305は、例えばステンレス材の金属線をリング状に丸めて成形されたリング状陽極305aと、このリング状陽極305aの外周面に矩形状のステンレス材の薄板を巻き付けて重ね合った部分を3点で溶接などにより固定させて円筒形状に形成された円筒状陽極305bとから構成されている。
【0006】
また、この陽極電極構体305は、陽極リード310の先端部に対してリング状陽極305aと所定の箇所で溶接され、さらに陽極リード310の最先端部分で円筒状陽極305bの内側との接触部分で溶接されて固定されて配置される構造となっている。
さらにこのリング状陽極305aの一部には、たとえば溶接などにより、Baゲッター305cが取り付け固定されて配置されている。
【0007】
また、リードピン309b〜309eの先端部には、カソードリード311b〜311eが溶接により固定され、このカソードリード311b〜311eの先端部には、カソード構体306が溶接により固定配置されて搭載される構造となっている。
このカソード構体306は、次に示すように構成されている。まず、セラミック基板306a上の中央部に背面電極306bが配置されている。また、その上部に所定の間隔を開けてフィラメントカソード306cが固定されている。そして、それらを覆うように、メッシュ部306eを有する楕円状のグリッドハウジング306dが、セラミック基板306a上に搭載されている。また、メッシュ部306eは、蛍光面304の方向に球面状に突出した形状となっている。
【0008】
以上示したように構成される画像管は、まず、外部回路からリードピン309c,309dに電圧(加熱電源)を供給することで、カソードリード311c,311dを介し、フィラメントカソード306cに所定の電位を印加して熱電子が放出される状態とする。また、外部回路からリードピン309bに電圧を供給することで、カソードリード311bを介し、背面電極306bにフィラメントカソード306cに対して負の電位を印加する。加えて、外部回路からリードピン309eに電圧を供給することで、カソードリード311eを介し、フィラメントカソード306cに対して正の電位をグリッドハウジング306dに印加することで、グリッドハウジング306dのメッシュ部306eより電子ビームを放出させる。
【0009】
そして、外部回路からリードピン309aに高電圧を供給し、陽極リード310→陽極電極構体305(円筒状陽極305b)→接触片307aの経路をそれぞれ導通してAlメタルバック膜307にその高電圧が印加された状態とすることで、円筒状陽極305bにより放出された電子を加速し、Alメタルバック膜307を貫通させて蛍光面304に衝撃させる。この結果、蛍光面304は電子衝撃により励起され、蛍光面304を構成する蛍光体に応じた発光色をフェースガラス302を透過して前面側に発光表示することになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の蛍光表示装置に用いられていた電子放出部としてのフィラメント(フィラメントカソード)は、主に、直径7〜30μmのタングステンの細線に、電子放射性物質を塗布して形成している。その電子放出物質としては、一般に、酸化バリウム・酸化カルシウム・酸化ストロンチウムのいわゆる三元酸化物から構成するようにしている。
ここで、これら酸化物は、空気中ではきわめて不安定である。このため、フィラメントの作製においては、まず、炭酸バリウム・炭酸カルシウム・炭酸ストロンチウムを、タングステン細線に外形が32〜35μmになるように塗布する。これらは、いわゆる炭酸塩の形である。そして、それを例えば、上述の画像管製造において各部品とともに組み込んだ上で、外囲器内を真空排気してエージングする段階で酸化物にしている。
【0011】
したがって、従来の蛍光表示装置では、電子放出部として上述したようなフィラメントを用いるようにしているため、次に示すような問題点があった。
まず、非常に細く脆弱なフィラメントを架張して取り付け組み立てなければならないため、取り扱いに不便があった。また、上述したように、フィラメントカソードを作製するための工数も非常に多い状態であった。
次に、フィラメントカソードから放出される電子流は、フィラメントカソードの温度に大きく左右される。このため、フィラメントカソードの両端支持部からの放熱が大きいと、フィラメントの位置によって電子流にバラツキが生じてしまう。これは、用いる蛍光表示装置によっては、蛍光面の発光にむらが発生する要因となる。
また、フィラメントカソードの表面には、前述したように電子放射性物質が塗布されているが、これが蛍光表示装置の真空容器内における放出ガスに対して弱く、場合によっては、短時間に劣化してしまうことがあった。
【0012】
この発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、蛍光表示装置の電子放出部より、長期に安定して信頼性の高い状態で電子が放出できるようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明の蛍光表示装置は、少なくとも一部が透光性を有する表示面を有して内部が真空排気された外囲器と、表示面の内側に形成された蛍光体からなる蛍光面と、外囲器内部に配置されて蛍光面に対して電子を放出するエミッタとから構成され、そのエミッタは、円筒状のグラファイトの層からなる複数のカーボンナノチューブが長手方向を同一方向に向けて炭素の多面体粒子とともに集合した集合体である柱状グラファイトの束から構成され、その柱状グラファイトの長手方向に垂直な電子放出面が、柱状グラファイトの先端部の位置がそろって平坦に形成されているようにした。
したがって、束に形成された複数の柱状グラファイトのそれぞれの先端部と蛍光面との距離が、ほぼ等しく形成された状態となる。
また、この発明の蛍光表示管の製造方法は、まず、円筒状のグラファイトの層からなる複数のカーボンナノチューブが長手方向を同一方向に向けて炭素の多面体粒子とともに集合した集合体である柱状グラファイトの束を用意する。次に、その束の側面から柱状グラファイトの長手方向に垂直にレーザビームを照射することで、その束を切断して柱状グラファイトの先端の位置がそろった平坦な切断面を電子放出面とした柱状グラファイトの束からなるエミッタを形成する。そして、外囲器内に、電子放出面を蛍光面に向けてエミッタを配置するようにした。
したがって、束に形成された複数の柱状グラファイトのそれぞれの先端部と蛍光面との距離が、ほぼ等しい状態でエミッタが形成される。
また、加えて、エミッタの電子放出面にレーザビームを照射し、電子放出面に露出している柱状グラファイトの先端部を、カーボンナノチューブが燃焼を始める温度未満に加熱するようにした。
この結果、エミッタの電子放出面に露出している柱状グラファイトの先端部においては、カーボンナノチューブが露出した状態が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下この発明の実施の形態を図を参照して説明する。
図1は、この発明の実施の形態における蛍光表示装置である画像管の構成を示す構成図である。
以下、この実施の形態における画像管の構成について、その製造方法とともに説明すると、まず、円筒形のガラスバルブ101にフェースガラス102が低融点フリットガラス103により接着固定され、真空容器(外囲器)が構成されている。
そして、この中に、蛍光面104、陽極電極構体105、および電子放出部を構成するカソード構体106を配置している。なお、当然であるが、それら蛍光面104、陽極電極構体105、および、電子放出部を構成するカソード構体106を配置した後で、フェースガラス102をガラスバルブ101に接着固定する。
【0015】
そのフェースガラス102は、前面側には凸型レンズ状の球面部102aが形成され、周縁部には鍔状に段差部102bが形成されている。このフェースガラス102の内面102cには、図示していないが、その周辺部分の一部に窪み状の凹部が形成されている。また、この内面102cの主要面には、蛍光面104が形成され、この蛍光面104表面にはAlメタルバック膜107が形成されている。
【0016】
なお、凹部内には蛍光面104は形成されず、Alメタルバック膜107のみが形成される構成となっている。この、凹部内には、弾性力を有する接触片107aの一端側が挿入されている。この接触辺107aは、例えばステンレス材の薄板をプレス成形法により加工して形成する。また、この接触片107aは、例えばカーボンまたは銀とフリットガラスとの混合体からなる導電性接着材により、その凹部の部分に接着固定されている。そして、この接触片107aの他端側は、ガラスバルブ101の内壁面方向に向けて延在されている。
【0017】
ところで、蛍光面104は、白色蛍光体として、例えば、Y22S:Tb+Y23:Eu混合蛍光体を溶媒に溶かした溶材を約20μm程度の厚さに内面102cに印刷塗布し、これを乾燥することで形成する。なお、凹部内には蛍光面104は塗布しない状態としておく。
また、蛍光面104表面には、蒸着により約厚さ150nm程度にアルミニウム膜を成膜することで、Alメタルバック膜107を形成する。ここで、凹部内には蛍光面104は塗布されていないので、Alメタルバック膜107のみが形成された状態となる。
【0018】
なお、このAlメタルバック膜107の厚さは薄すぎると、ピンホールが増加して蛍光面104の反射が減少する。一方、その厚さが厚すぎると、蛍光面104に対する電子ビームの電子の侵入が阻害されて発光が小さくなる。したがって、Alメタルバック膜107の厚さのコントロールは重要である。このため、前述したように、Alメタルバック膜107は厚さを約150nm程度とした方がよい。
なお、それら蛍光面104及びAlメタルバック膜107を形成した後、フェースガラス102を、例えば電気炉などにより560℃で30分程度空気中で焼成し、塗布膜中の溶媒類を除去する。
【0019】
そして、例えば、直径約20mm,長さ約50mmの両端が切断されたガラスバルブ101の一方の開口端に、フェースガラス102の周縁部に形成された鍔状の段差部102b部分が、低融点フリットガラス103により接着固定されている。
一方、ガラスバルブ101底部を構成するステムガラス108には、リードピン109が挿通され排気管108aが一体的に形成されている。また、このステムガラス108上には、そのリードピン109の先端部に陽極リード110が溶接により固定され、この陽極リード110の先端部に円筒状の陽極電極構体(電子加速電極)105が溶接により固定配置されて搭載される構造となっている。
【0020】
この陽極電極構体105は、次の部分から構成されている。
まず、例えばステンレス材の金属線(線径約0.5mm)をリング状に丸めて成形されたリング状陽極105a。
このリング状陽極105aの外周面に、矩形状のステンレス材の薄板(板厚0.01〜0.02mm)を巻き付けて重ね合った部分を2点で溶接などにより固定させて円筒形状に形成された円筒状陽極105b。
【0021】
また、この陽極電極構体105は、陽極リード110の先端部に対してリング状陽極105aと所定の箇所で溶接され、さらに、陽極リード110の最先端部分で円筒状陽極105bの内側との接触部分で溶接されて固定されて配置される構造となっている。さらにこのリング状陽極105aの一部には、Baゲッター105cが溶接などにより取り付け固定されて配置されている。なお、図1(a)において、陽極電極構体105やリードピン109に関しては、断面を示していない。
以上のことは、従来の画像管とほぼ同様である。
【0022】
また、ステムガラス108には、リードピン109a,109bも挿通され、リードピン109a,109bの先端部には、カソードリード111a,111bが溶接により固定され、このカソードリード111a,111bの先端部には、カソード構体106が溶接により固定配置されて搭載される構造となっている。
このカソード構体106は、次に示すように構成されている。まず、セラミック基板106a上の中央部に電極(導電板)106bが配置されている。また、図1(b)に拡大表示したように、電極106b上面の約3mmφの領域に、柱状グラファイト121aを束にすることで形成されたエミッタ121が、導電性接着剤122により固定配置されている。そして、それらを覆うように、メッシュ部(電子引き出し電極)106eを備えたハウジング106dが配置されている。
【0023】
なお、メッシュ部106eは、蛍光面104の方向にわずかに球面状に突出した形状となっている。ただし、メッシュ部106eは、平板状であってもよい。また、このハウジング106dは、板厚が約100μm程度のステンレス板材をプレス成形することにより形成されている。また、メッシュ部106eは、例えば縦方向寸法が約6mm,横方向寸法が約4mmとし、高さが約1.25mmの大きさで形成されている。そして、メッシュ部106eは、エミッタ121先端部より0.5〜1mm程度離間した状態とする。なお、これらの間隔は、接触しない状態でなるべく近づけた方がよい。
【0024】
ここでエミッタ121に関してより詳細に説明すると、エミッタ121は、先端がそろった状態で束にされた複数の柱状グラファイト121aから構成されているようにした。
柱状グラファイト121aは、長さ数μmから数mmの針形状である。そしてこの柱状グラファイト121aは、、図1(c)に示すように、カーボンナノチューブ121bが、ほぼ同一方向を向いて集合した構造体である。なお、この図1(c)は、柱状グラファイト121aの電子放出面をみる斜視図である。
【0025】
そして、カーボンナノチューブ121bは、例えば図1(d)に示すように、完全にグラファイト化して筒状をなし、その直径は4〜50nm程度であり、その長さは1μmオーダである。このカーボンナノチューブは、図1(d)では模式的に示したように、グラファイトの単層が円筒状に閉じた形状と、複数のグラファイトの層が入れ子構造的に積層し、それぞれのグラファイト層が円筒状に閉じた同軸多層構造となっている形状とがある。そして、それらの中心部分は、空洞となっている。また、その先端部は五員環が入ることにより閉じている。なお、おれることで先端が閉じていない場合もある。
【0026】
次に、エミッタ121の作製に関して説明する。
まず、カーボンナノチューブは、ヘリウムガス中で2本の炭素電極を1〜2mm程度離した状態で直流アーク放電を起こしたときに、陽極側の炭素が蒸発して陰極側の炭素電極先端に凝集した堆積物中に形成される。
すなわち、炭素電極間のギャップを1mm程度に保った状態で、ヘリウム中で安定なアーク放電を持続させると、陽極の炭素電極の直径とほぼ同じ径をもつ円柱状の堆積物が、陰極先端に形成される。
【0027】
その円柱状の堆積物は、外側の固い殻と、その内側のもろくて黒い芯との2つの領域から構成されている。そして、内側の芯は、堆積物柱の長さ方向にのびた繊維状の組織をもっている。その繊維状の組織が、上述した柱状グラファイトであり、堆積物柱を切り出すことなどにより、柱状グラファイトを得ることができる。なお、外側の固い殻は、グラファイトの多結晶体である。
【0028】
そして、その柱状グラファイトにおいて、カーボンナノチューブは、炭素の多面体微粒子(ナノポリヘドロン:nanopolyhedoron)とともに、複数が集合している。
そのカーボンナノチューブは、図1(c),(d)では模式的に示したようにグラファイトの単層が円筒状に閉じた形状の他に、複数のグラファイトの層が入れ子構造的に積層し、それぞれのグラファイト層が円筒状に閉じた同軸多層構造となっている形状がある。そして、それらの中心部分は、空洞となっている。
【0029】
以上説明したように、柱状グラファイト121aを製造した後、まず、図2(a)に示すように、その柱状グラファイト121aの束201を作製する。このとき、柱状グラファイト121aの先端部がそろっていないと、束201の電子放出面201aが凸凹な状態となっている。このように、電子放出面201aが凸凹な状態では、均一な電子放出が得られない。一方で、柱状グラファイト121aの先端部がそろうようにして、それらの束を形成し、電子放出面を平坦に形成することは容易ではない。
【0030】
ここで、図2(a)に示すように、束201に側面より垂直にレーザビーム211を照射することで切断し、レーザ切断による切断面を形成することで、図2(b)に示すように、平坦な電子放出面202aが得られた束202を形成する。
この切断では、束201に対して垂直な状態としたレーザビーム211を、切断面を含む平面上で走査する。たとえば、ビーム径約100μmのCO2 レーザビーム(連続発振)を出力60〜200W程度とし、走査速度約10mm/secとして繰り返して照射すればよい。
【0031】
ところで、束202の電子放出面202aに垂直にレーザを照射することで、電子放出面202aからの電子放出効率を向上させることができる。
電子放出面202aにおいては、柱状グラファイト121aの先端部が露出している状態となっている。ここで、前述したように、柱状グラファイト121aは、カーボンナノチューブと、炭素の多面体微粒子(ナノポリヘドロン)とが複数が集合して構成されている。そして、電子はカーボンナノチューブ先端部から放出されやすい状態となっている。このため、電子放出面202aにおいては、そのカーボンナノチューブの先端が、多く露出している状態の方がよい。
【0032】
ところで、カーボンナノチューブとナノポリヘドロン等ののカーボン粉とでは、その分解温度(燃焼開始温度)が異なる。カーボンナノチューブは、空気中で700℃以上に加熱すると分解して燃焼を始める。一方、ナノポリヘドロン等ののカーボン粉は、空気中で650℃以上に加熱すると分解して燃焼を始める。
したがって、レーザ照射により、その照射部位の温度が650℃を多少越える程度とすることで、電子放出面202aにおいて、カーボンナノチューブ以外のカーボン粉を除去することができる。この結果、電子放出面202aにおいては、カーボンナノチューブ先端部が露出している割合が増加し、電子放出面202aからの電子放出効率を向上させることができる。
【0033】
この選択除去のためのレーザビームの照射は、たとえば、電子放出面202aに対して垂直な状態とした、たとえば、ビーム径100〜200μmのCO2 レーザビーム(パルス発振)を出力200W程度とし、主走査速度約10mm/secとして照射すればよい。また、このとき、レーザビームの副走査の間隔は、50〜100μm程度の柱状グラファイト直径の1/5〜5倍の範囲とすればよい。
以上示したようにして、束202を形成したら、その束202を電極106b上に導電性接着剤122に接着固定することで、図2(c)に示すように、電極106b上に柱状グラファイトからなるエミッタ121が形成された状態が得られる。
なお、以上では、束202を形成してから、これを電極106b上に固定するようにしたが、これに限るものではない。平坦になっていない電子放出面201aの束201を電極106b上に固定してから、前述した加工を行って、平坦とした電子放出面202aを形成するようにしてもよい。
【0034】
以上示したように、この実施の形態においては、エミッタ121を電極106b上に固定配置し、そして、それらを覆うように、ハウジング106dをセラッミック基板106a上に搭載した状態とすることでカソード構体106を構成するようにした。
また、エミッタ121は、柱状グラファイト121aを束にし、それをレーザビームで切断することで電子放出面を平らにすることで形成した。
したがって、エミッタ121が配置されたカソード構体106においては、複数のカーボンナノチューブが、その先端部がそろった状態でその長手方向を蛍光面104の方向に向けている状態となっている。加えて、エミッタ121の電子放出面においては、カーボンナノチューブがより多く露出した状態が得られている。
【0035】
以上示したように構成されるこの実施の形態における画像管は、まず、外部回路からリードピン109a,109bに電圧を供給することで、カソードリード111a,111bを介して電極106とハウジング106dとの間に電界をかける。そして、このことにより、電極106上に固定配置されたエミッタ121のカーボンナノチューブ先端に高電界を集中させ、電子を引き出してメッシュ部106eより放出させる。すなわち、この実施の形態では、カソード構体106を、電界放出型冷陰極電子源の構成とした。
【0036】
そして、外部回路からリードピン109に高電圧を供給し、陽極リード110→陽極電極構体105(円筒状陽極105b)→接触片107aの経路をそれぞれ導通してAlメタルバック膜107にその高電圧が印加された状態とすることで、放出された電子を円筒状陽極105bにより加速し、Alメタルバック膜107を貫通させて蛍光面104に衝撃させる。この結果、蛍光面104は電子衝撃により励起し、蛍光面104を構成する蛍光体に応じた発光色を、フェースガラス102を透過して前面側に発光表示することになる。
【0037】
以上示したように、この実施の形態によれば、電子放出部をカーボンナノチューブから構成し、これを電界放出型冷陰極電子源として用いるようにした。
したがって、この実施の形態によれば、電子放出部は、フィラメントのような脆弱な部品を用いるようにしていないので、取り扱いが容易で、真空容器内における放出ガスによる劣化などがない。
また、フィラメントの加熱電源も必要がないので、リードピンの数が減らせ、消費電力も抑制できるようになる。
そして、電極106bとハウジング106dとの間に電界を形成すと、エミッタ121におけるほぼすべてのカーボンナノチューブ先端より電子が放出され、蛍光面104に導かれることになるので、より高い輝度を得ることが可能となる。
【0038】
なお、上記実施の形態では、画像管について説明したが、これに限るものではない。この発明は、真空容器内に蛍光体からなる発光部と、これを発光させるための電子放出源とを備えた、その他の蛍光表示装置にも適用できることはいうまでもない。
例えば、フェースガラスと蛍光面との間に光学フィルターを配置し、発光色を変化させた画像管にも同様に適用できる。また、同一の真空容器内に、複数の蛍光面を備えて多色化をした画像管にも同様に適用できる。
また、所望の形状とした蛍光面により、所望の形状のキャラクタを表示する平型管に適用することも可能である。
また、エミッタとこれに対向配置するドット状の蛍光面とを、二次元的に複数配置した平面ディスプレイ(FED)に適用するようにしてもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明では、少なくとも一部が透光性を有する表示面を有して内部が真空排気された外囲器と、表示面の内側に形成された蛍光体からなる蛍光面と、外囲器内部に配置されて蛍光面に対して電子を放出するエミッタとから構成され、そのエミッタは、円筒状のグラファイトの層からなる複数のカーボンナノチューブが長手方向を同一方向に向けて炭素の多面体粒子とともに集合した集合体である柱状グラファイトの束から構成され、その柱状グラファイトの長手方向に垂直な電子放出面が、柱状グラファイトの先端部の位置がそろって平坦に形成されているようにした。
したがって、束に形成された複数の柱状グラファイトのそれぞれの先端部と蛍光面との距離が、ほぼ等しく形成された状態となる。そして、エミッタと電子引き出し電極との間に電位を印加すると、エミッタを構成するカーボンナノチューブの先端に高電界が集中して電子が引き出される電界放出型冷陰極電子源となる。
そして、この発明によれば、フィラメントなどや化学的に不安定な電子放射性物質などの脆弱な部品を用いることなく電子放出部を構成するようにしたので、まず、取り扱いが容易になり、また、劣化しにくいものとなる。この結果、この発明によれば、長期に安定して信頼性の高い状態で電子が放出できるようになるという効果がある。加えて、電子放出面となる切断面が、平坦に形成されているので、均一な電子放出状態が得られる。
【0040】
また、この発明の蛍光表示管の製造方法は、まず、円筒状のグラファイトの層からなる複数のカーボンナノチューブが長手方向を同一方向に向けて炭素の多面体粒子とともに集合した集合体である柱状グラファイトの束を用意する。次に、その束の側面から柱状グラファイトの長手方向に垂直にレーザビームを照射することで、その束を切断して柱状グラファイトの先端の位置がそろった平坦な切断面を電子放出面とした柱状グラファイトの束からなるエミッタを形成する。そして、外囲器内に、電子放出面を蛍光面に向けてエミッタを配置するようにした。
また、加えて、エミッタの電子放出面にレーザビームを照射し、電子放出面に露出している柱状グラファイトの先端部を、カーボンナノチューブが燃焼を始める温度度未満に加熱するようにした。
この結果、このエミッタと電子引き出し電極とで、電界放出型冷陰極電子源が構成できる。このように、この発明によれば、蛍光表示装置の電子放出部を、フィラメントのような脆弱な部品を用いることなく作製できるようになり、ひいては、蛍光表示装置をより容易に製造できるようになる。
また、エミッタを構成する柱状グラファイトのそれぞれの先端部と蛍光面との距離がほぼ等しい状態とすることが容易にでき、したがって、均一な電子放出状態を容易に得ることができる。また、実際に電子が放出されるカーボンナノチューブを容易に露出した状態とでき、したがって、電子放出特性の向上を容易に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による画像管の構成を示す構成図である。
【図2】 この発明による画像管におけるエミッタの作製に関して説明するための説明図である。
【図3】 従来の画像管の構成を示す構成図である。
【符号の説明】
101…ガラスバルブ、102…フェースガラス、103…低融点フリットガラス、104…蛍光面、105…陽極電極構体、105a…リング状陽極、105b…円筒状陽極、105c…Baゲッター、106…カソード構体、106a…セラミック基板、106b…電極(導電板)、106d…ハウジング、106e…メッシュ部(電子引き出し電極)、107…Alメタルバック膜、107a…接触片、108…ステムガラス、108a…排気管、109,109a,109b…リードピン、110…陽極リード、111a,111b…カソードリード、121…エミッタ、121a…柱状グラファイト、121b…カーボンナノチューブ、122…導電性接着剤。

Claims (11)

  1. 少なくとも一部が透光性を有する表示面を有して内部が真空排気された外囲器と、
    前記表示面の内側に形成された蛍光体からなる蛍光面と、
    前記外囲器内部に配置されて前記蛍光面に対して電子を放出するエミッタと
    から構成され、
    前記エミッタは、円筒状のグラファイトの層からなる複数のカーボンナノチューブが長手方向を同一方向に向けて炭素の多面体粒子とともに集合した集合体である柱状グラファイトの束から構成され、前記柱状グラファイトの長手方向に垂直な電子放出面が、前記柱状グラファイトの先端部の位置がそろって平坦に形成されている
    ことを特徴とする蛍光表示装置。
  2. 請求項1記載の蛍光表示装置において、
    前記エミッタの電子放出側に配置された前記エミッタより電子を引き出すための電子引き出し電極を新たに備えたことを特徴とする蛍光表示装置。
  3. 請求項2記載の蛍光表示装置において、
    前記引き出し電極は、前記蛍光面と前記エミッタとの間に配置されることを特徴とする蛍光表示装置。
  4. 請求項1〜3記載の蛍光表示装置において、
    前記蛍光面と前記表示面との間に光学フィルターが配置されることを特徴とする蛍光表示装置。
  5. 請求項2〜4記載の蛍光表示装置において、
    前記蛍光面表面に形成された金属膜と、
    前記蛍光面と前記電子引き出し電極との間に配置され、前記電子引き出し電極より高い電位が印加される電子加速電極と
    を備えたことを特徴とする蛍光表示装置。
  6. 請求項5記載の蛍光表示装置において、
    前記金属膜と前記電子加速電極とは電気的に接続されていることを特徴とする蛍光表示装置。
  7. 請求項1〜6いずれか1項記載の蛍光表示装置において、
    前記エミッタは、表面を前記蛍光面に向けて配置された板状の導電板上に導電性を有する接着剤で固定されていることを特徴とする蛍光表示装置。
  8. 請求項1〜7いずれか1項記載の蛍光表示装置において、
    前記蛍光面に所定の電位が印加されることを特徴とする蛍光表示装置。
  9. 少なくとも一部が透光性を有する表示面を有しかつ内部が真空排気された外囲器と、前記表示面の内側に形成された蛍光体からなり電子の衝撃により発光する蛍光面を備えた蛍光表示管の製造方法において、
    円筒状のグラファイトの層からなる複数のカーボンナノチューブが長手方向を同一方向に向けて炭素の多面体粒子とともに集合した集合体である柱状グラファイトの束を用意し、
    前記柱状グラファイトの束の側面から前記柱状グラファイトの長手方向に垂直にレーザビームを照射することで、前記柱状グラファイトの束を切断して前記柱状グラファイトの先端の位置がそろった平坦な切断面を電子放出面とした前記柱状グラファイトの束からなるエミッタを形成し、
    前記外囲器内に、前記電子放出面を前記蛍光面に向けて前記エミッタを配置する
    ことを特徴とする蛍光表示装置の製造方法。
  10. 請求項9記載の蛍光表示装置の製造方法において、
    前記エミッタの前記電子放出面にレーザビームを照射し、前記電子放出面に露出している前記柱状グラファイトの先端部を、カーボンナノチューブが燃焼を始める温度未満に加熱する
    ことを特徴とする蛍光表示装置の製造方法。
  11. 請求項9または1記載の蛍光表示装置の製造方法において、
    前記エミッタは、前記外囲器内で表面を前記蛍光面に向けて配置した板状の導電板上に、導電性を有する接着剤で固定することにより形成される
    ことを特徴とする蛍光表示装置の製造方法。
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