JPH103850A - 真空気密容器 - Google Patents

真空気密容器

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JPH103850A
JPH103850A JP15126396A JP15126396A JPH103850A JP H103850 A JPH103850 A JP H103850A JP 15126396 A JP15126396 A JP 15126396A JP 15126396 A JP15126396 A JP 15126396A JP H103850 A JPH103850 A JP H103850A
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getter layer
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JP15126396A
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English (en)
Inventor
Shigeo Ito
茂生 伊藤
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Original Assignee
Futaba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲッターの吸着能力を損なわずに外囲器内を
十分な高真空状態に保持しつつも薄型平面パネルを実現
する。 【解決手段】 外囲器5内において陽極電極13が形成
されていない陽極基板2の内面には、異なる金属膜の接
合からなる冷却素子16Aが設けられる。金属膜の接合
部の表面にはゲッター層22が蒸着されている。冷却素
子16Aの電極間に電流が供給されると、冷却素子16
Aの吸熱効果により接合部上のゲッター層22が所望の
温度に直接冷却され、ゲッター層22とその周囲との間
に温度差を持たせることができる。これにより、別体の
ゲッター室を必要とせずに薄型平面パネルを構成でき、
ゲッター層22による吸着能力を損なうことなく、外囲
器5内のガスを効率的に吸着して外囲器5内が高真空状
態に保持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電界放射形
陰極を有する電界放射形表示装置のように、薄型に形成
された外囲器の内部が高真空状態に気密保持される真空
気密容器に関する。
【0002】
【従来の技術】内部が高真空状態に気密保持される真空
気密容器として、例えば電界放射形陰極を電子源とした
電界放射形表示装置(以下、FEDという)が知られて
いる。このFEDは、蛍光体層を有する表示部を備えた
陽極基板と、陽極基板の表示部と対面する内面側に電界
放射形陰極を備えた陰極基板とを、所定間隔をおいて外
周部で封止することにより外囲器が構成されている。
【0003】さらに説明すると、この種のFEDは、細
かいドットピッチで表示部が形成される陽極基板と、電
界放射形陰極の形成される陰極基板がいずれも薄いガラ
ス板で構成され、両基板の間隔も極めて狭く薄型に構成
されている。
【0004】ところで、この種のFEDを表示装置とし
て機能させるためには、電界放射形陰極より効率的に電
子が放出されるように、陽極基板と陰極基板とで構成さ
れる外囲器内を高真空状態に保持する必要がある。そこ
で、外囲器内の排気を行って外囲器内を例えば10-6
orrの真空状態に保持し、さらに外囲器内に発生する
ガスをゲッター部材により吸着させて例えば10-7To
rrの高真空状態に保持している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、FEDは、
上述したように、外囲器自体が極めて薄型に構成されて
いるので、外囲器内に発生するガスを吸着するためのゲ
ッター部材を外囲器内に設けることができなかった。
【0006】そこで、従来は、外囲器の外側に別途ゲッ
ター室を設け、このゲッター室内に蒸着によりゲッター
膜を形成させていた。図8(a),(b)は、外囲器の
外側にゲッター室を備えたFEDの一構成例を示してい
る。図におけるFEDの外囲器51は、内面に陽極導体
と蛍光体層からなる表示部が形成された陽極基板52
と、内面に電界放射形陰極が形成された陰極基板53と
が、面方向に位置をずらして対面してその外周部分にス
ペーサ部材54を介して固着されている。外囲器51の
側面部は一部が除去されており、外囲器51の側面には
内部に連通する排気孔55が形成されている。この排気
孔55に近接した陽極基板52の非対面部分及び外囲器
51の側面には、箱形の蓋部材56が固着され、排気孔
55に連通する排気室を兼ねたゲッター室57が形成さ
れている。ゲッター室57内にはゲッター部材58が設
けられており、このゲッター部材58の加熱によりゲッ
ター室57の壁面にゲッター膜59が形成されている。
【0007】そして、上記のように外囲器51が構成さ
れるFEDは、以下に示す方法により製造していた。ま
ず、陽極導体と蛍光体層からなる表示部を陽極基板52
の内面に形成し、電界放射形陰極を陰極基板53の内面
に形成する。次に、陽極基板52と陰極基板53とを封
着して外囲器51を組み立てる。又、外囲器51内に連
通するようにゲッター室57を外囲器51の外側に設け
て固着する。次に、外囲器51内の排気を行い、外囲器
51内を例えば10-6Torrの真空状態に保持して排
気管を封止する。その後、ゲッター室57の壁面にゲッ
ターを蒸着させてゲッター膜59を形成する。次に、オ
ーブン工程においてFEDをオーブンに入れて200℃
程度に加熱する。
【0008】これにより、外囲器51内に発生するガス
をゲッター膜59に吸着させて外囲器51内を例えば1
-7Torrの高真空状態に保持する。その後、FED
を発光駆動するエージング工程を経てFEDが完成す
る。
【0009】しかしながら、上述した従来の外囲器の構
成では、以下に示すような問題点があった。
【0010】1)オーブン工程において、ゲッター室5
7を含めて外囲器51全体をオーブンで加熱するので、
外囲器51と一緒にゲッター室57内のゲッター膜59
も加熱され、特にゲッター膜59が形成されたゲッター
膜59下部の壁面に付着したガス及びその近傍の周囲の
壁面に付着したガスと良く反応し、外囲器51内のガス
を効率的に吸着することができない。
【0011】2)オーブン工程において、オーブン温度
が例えば250℃〜300℃程度になると、ゲッター膜
59下部の壁面に付着したガス及びその近傍の周囲の壁
面に付着した例えばH2 O,CO,CO2 等のガスとの
反応によりBaOH,BaCO3 等を生成し、ゲッター
膜59の表面が変色して吸着能力が著しく低下する。こ
の結果、表示部上を浮遊するガスがゲッター膜59に到
達したとしても、完全に吸いきることができない。
【0012】3)ゲッター膜59でのガスの吸着によ
り、数値上では外囲器51内が10-7Torrの高真空
状態に保持されるが、その後のエージング工程での発光
駆動によって蛍光体層に付着したガスが放出され、外囲
器51内の真空度が例えば10 -5Torr程度に低下し
て十分な真空度を得ることができない。しかも、上記の
ように表示部上を浮遊するガスを十分に吸着することが
できないため、微細加工された電界放射形陰極のエミッ
タが浮遊するガスによって汚染され、その結果、発光輝
度の低下を招いて表示装置としての寿命が短くなる。
【0013】4)極めて薄型に構成された外囲器51に
対して厚いゲッター室57が外囲器51の外側に突出し
て設けられるので、表示装置として全体を見た場合の平
面性が失われ、真の薄型平面パネルの実現が困難であ
る。
【0014】5)外囲器51とゲッター室57とは排気
孔55を介して連通してはいるものの、実質的には別室
構成なので、外囲器51内のガスを効率的にゲッター室
57に導くことができず、ゲッター室57を局部的に冷
却する必要があるが、外囲器51の形状の不利から温度
制御の困難さが生じる。
【0015】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、ゲッターの吸着能力を損なわずに外囲器内を
十分な高真空状態に保持しつつも薄型平面パネルを構成
することができる真空気密容器を提供することを目的と
している。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明による真空気密容器は、表面にゲッ
ター層22が設けられたペルチェ効果を有する冷却素子
16を外囲器5内に備えたことを特徴とする。
【0017】請求項2の発明は、請求項1の真空気密容
器において、前記冷却素子16が、異なる2つの金属膜
17,18の接合からなり、該接合部分19に前記ゲッ
ター層22が形成された構成とされる。
【0018】請求項3の発明は、請求項1又は2の真空
気密容器において、前記冷却素子16は、電極20,2
1が前記外囲器5の外に導出され、該電極20,21間
に電流が供給されることによる吸熱効果で前記ゲッター
層22を冷却する構成とされる。
【0019】請求項4の発明は、請求項1又は2の真空
気密容器において、前記外囲器5内には、前記冷却素子
16に対向して電子を放出する電子供給部26(27又
は30)が設けられており、前記冷却素子16は、前記
電子供給部26(27又は30)からの電子の流入によ
り電極20,21間に電流が供給されることによる吸熱
効果で前記ゲッター層22を冷却する構成とされる。
【0020】本発明の真空気密容器では、外囲器5とは
別体のゲッター室を不要とし、外囲器5内に設けられる
冷却素子(ペルチェ素子)16によりゲッター層22が
直接冷却されるので、ゲッター層22による吸着能力を
損なうことなく、外囲器5内のガスを効率的に吸着して
外囲器5内を所望の高真空度に保持することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は本発明による真空気密容器
が適用されるFEDの一般的構成を示す部分断面図であ
る。
【0022】図1に示すように、FED1は、絶縁性及
び透光性を有する陽極基板2と、絶縁性を有する陰極基
板3とが、絶縁性のスペーサ部材4を介して一体に封着
された薄い箱形の外囲器5を有している。両基板2,3
の間隔は例えば500μm以下に設定されている。
【0023】尚、図示はしないが、陰極基板3の隅部に
は排気孔が形成されており、外囲器5内の気体は排気孔
から排気される。排気後、この排気孔が封止されて外囲
器5内が高真空状態に保持される。
【0024】外囲器5内の陽極基板2と対面する陰極基
板3上には、表示部の電子源として縦型の電界放射素子
6が形成されている。電界放射素子6は、陰極基板3の
内面に形成された陰極電極7と、陰極電極7上に形成さ
れた抵抗層8と、抵抗層8上に形成された酸化シリコン
等の絶縁層9と、絶縁層9上に形成されたゲート電極1
0と、絶縁層9及びゲート電極10に形成されたホール
11内において抵抗層8上に設けられたコーン形状のエ
ミッタ12を有している。尚、FED1として抵抗層8
の無いものもある。
【0025】外囲器5内の陽極基板2の内面には、電界
放射素子6と対面する位置に、陽極電極13が形成され
ている。陽極電極13は、陽極基板2上に設けられた透
光性の陽極導体14と、陽極導体14上に設けられた蛍
光体層15からなる。
【0026】そして、このFED1では、電界放射素子
6から電子が放出されると、この電子が陽極電極13の
蛍光体層15に射突して励起発光する。このときの発光
は陽極導体14と透光性の陽極基板2を介して観察され
る。
【0027】外囲器5内において、表示部の妨げとなら
ない位置、図1の一点鎖線で示す位置には、薄膜状の冷
却素子16が設けられている。冷却素子16の具体的配
設構成については後で詳述する。冷却素子16は、異種
の金属の接触点を通して電流を流したときの接触面で熱
の吸収が起こるペルチェ効果を利用したペルチェ素子で
構成されている。冷却素子16は、例えばAg−Cu,
Bi−Cu,Sb−Cu,Sb−Bi,Cu−コンスタ
ンタン等の2種の金属膜で構成されている。
【0028】図2及び図3はペルチェ素子による冷却素
子16の概略構成を示す図である。図2に示す冷却素子
16Aは、各々がくし歯状に形成された2つの金属膜1
7,18を有している。各金属膜17,18のくし歯部
17a,18aは、互いに重ね合わされて接合面19を
形成しており、各金属膜17,18のくし歯部17a,
18aを連結する直線部が電極20,21を構成してい
る。電極20,21は、その延出部20a,21aが外
囲器5の外に引き出されている。この冷却素子16Aで
は、外部からの電源により電極20,21間に電流を供
給することによって接合面19で熱の吸収を行ってい
る。
【0029】図3に示す冷却素子16Bは、一方の金属
膜18の電極21に冷却素子16Aと同様の延出部21
aを有し、他方の金属膜17がくし歯部17aのみを有
しており、くし歯部17a,18aが互いに重ね合わさ
れて接合面19を形成した構造である。この場合、後述
する図4、図5、図7のいずれかの構成を採用すること
により電極20,21間に電流が供給され、接合面19
での熱の吸収が行われる。尚、図2及び図3に示す冷却
素子16A,16Bでは、各金属膜17,18に4つの
くし歯部17a,18を設けて重ね合わせ、その接合面
19にゲッター層22が設けられる構成としたが、くし
歯部17a,18の数、接合面19の形状は任意に設定
することができる。又、くし歯部17a,18aは、冷
却効果を上げるために、接合部分(接合面19)をより
多くした構造でもよい。
【0030】冷却素子16の接合面19には、外囲器5
内の壁面や表示部に付着したガス(例えばH2 O,C
O,CO2 等)を吸着して外囲器5内を高真空状態に保
持するためのゲッター層22が設けられている。ゲッタ
ー層22は、例えば数μm〜数百μmの厚さに設定され
ている。ゲッター層22の具体的配設構成については後
で詳述する。このゲッター層22は、冷却素子16の冷
却効果により、外囲器5内の他の部分に対し、例えば5
0〜150℃程度の温度差を持たせて冷却される。これ
により、ゲッター層22の吸着能力の活性化を図り、ゲ
ッター効果を向上させている。
【0031】尚、ゲッター層22の材料としては、例え
ばTi−Zr−Al,Ti−Zr−V−Fe合金等によ
る非蒸発型の材料、又は例えばBa−Ai等による蒸発
型の材料が選択的に使用される。
【0032】次に、図4〜図7は本発明による真空気密
容器の各実施の形態を示す図であって、冷却素子16及
びゲッター層22が設けれた外囲器5の具体的構成を示
す図である。尚、各実施の形態において、図1と同一の
構成部分には同一番号を付し、その説明を省略する。こ
こで、冷却素子16の接合面19に設けられるゲッター
層22は、外囲器5を組み立てる前に設ける場合と、外
囲器5の組み立て後に外囲器5内に設ける場合とがあ
る。
【0033】まず、外囲器5を組み立てる前に設ける場
合には、図4の第1実施の形態、又は図5に示す第2実
施の形態の構成が採用される。
【0034】(第1実施の形態)この第1実施の形態の
構成では、冷却素子16として、図3に示す冷却素子1
6Bの構成が採用される。冷却素子16Bは、表示の妨
げにならない位置、すなわち電界放射素子6が形成され
ていない陰極基板3の絶縁層9上に設けられている。冷
却素子16Bの接合面19上には、ゲッター層22が予
め薄膜状に形成されている。絶縁層9上には、所定間隔
離れて短冊状のゲート25が形成されている。又、絶縁
層9上のゲート25を間に挟んでゲッター層22の反対
側には、鋸歯状の複数の突起部を有する電子供給部とし
てのエミッタ26が形成されている。
【0035】この第1実施の形態の構成では、陽極とし
て電子を捕集するゲッター層22に数十〜数kVの電圧
を印加してエミッタ26に電界を印加し、エミッタ26
の各突起部から電子を放出させる。これにより放出した
電子は、ゲッター層22に射突してこれを活性化する。
活性化されて他の原子との反応性が高まったゲッター層
22は外囲器5内のガスを吸着する。すなわち、FED
1の外囲器5内においてゲッタリングが行われる。
【0036】その際、ゲッター層22は導電性に優れた
薄膜で形成されているので、エミッタ26からの電子に
よる加熱で発熱することはほとんどない。又、エミッタ
26の各突起部から放出される電子は、接合面19に陽
極として電子を捕集するゲッター層22下の冷却素子1
6Bに流入される。これにより、電極20,21間に電
流が供給され、接合面19での熱の吸収が行われる。そ
して、冷却素子16Bの接合面19上のゲッター層22
が所望の温度に冷却される。
【0037】(第2実施の形態)この第2実施の形態の
構成では、表示の妨げにならない陰極基板3の隅部に、
電界放射素子6と同一の構造による電子供給部27が形
成されている。尚、電界放射素子6と同一の構成部分に
は同一符号を付す。この電子供給部27に対向して、陽
極基板2の内面には陽極導体31を介して冷却素子16
が設けられ、さらに冷却素子16の接合面19にゲッタ
ー層22が薄膜状に形成されている。この場合、ゲッタ
ー層22を冷却する冷却素子16としては、図3に示す
冷却素子16Bの構成が採用される。
【0038】この第2実施の形態の構成では、電子供給
部27から電子を電界放出させて対面する陽極基板2の
ゲッター層22に射突させれば、ゲッター層22を活性
化させてゲッタリングを行うことができる。その際、ゲ
ッター層22は導電性に優れた薄膜で形成されているの
で、電子供給部27からの電子による加熱で発熱するこ
とはほとんどない。又、電子供給部27から電子が陽極
導体31に射突すると、陽極導体31上に設けられた冷
却素子16Bに電子が流入し、電極20,21間に電流
が供給され、接合面19での熱の吸収が行われる。これ
による、冷却素子16Bの接合面19上のゲッター層2
2が所望の温度に冷却される。
【0039】次に、外囲器5の組み立て後に設ける場合
には、図6に示す第3実施の形態の構成が採用される。
【0040】(第3実施の形態)第3実施の形態の構成
では、表示の妨げにならず、電界放射素子6が形成され
ていない陽極基板2の隅の内面に冷却素子16が設けら
れている。この場合の冷却素子16としては、図2の示
す2つの電極20,21の延出部20a,21aが外囲
器5の外に導出された冷却素子16Aの構成が採用され
る。
【0041】冷却素子16Aと対面する陰極基板3上に
は、絶縁層9を支持体層として冷却素子16の接合面1
9に対応した形状の開口部28aを有するゲッター層2
8が形成されている。このゲッター層28の形成方法は
任意であるが、例えばフォトリソグラフィー法、印刷
法、蒸着法、スパッタリング法、PVD法、CVD法等
が適用される。
【0042】支持体層としての絶縁層9には、ゲッター
層28の開口部28aに対応した開口部29が形成され
ている。絶縁層9の開口部29は、ゲッター層28の下
方にある部分までえぐるように拡大されている。これに
より、ゲッター層28がその下面の一部において絶縁層
9に支持された構造となっている。この絶縁層9におけ
る開口部28は、エッチング液で開口部28内を等方向
にサイドエッチングすることによって得られる。
【0043】この構成では、図示しない外部リード端子
を介してゲッター層28に通電してゲッター層28を加
熱する。又は、外囲器5外から高周波誘導加熱によって
ゲッター層28を加熱する。ゲッター層28は、その下
面のごく一部において絶縁層9に接触しており、高い加
熱効率でゲッター物質が蒸発する。これにより、ゲッタ
ー層28と対面する冷却素子16Aの接合面19に薄膜
状のゲッター膜22が蒸着形成される。又、外部電源に
より冷却素子16Aの電極20,21間に電流を供給す
ると、冷却素子16Aの接合面19上のゲッター層22
が所望の温度に冷却される。
【0044】(第4実施の形態)この第4実施の形態の
構成では、表示の妨げにならない陽極基板2の隅部の内
面で、陽極基板2の幅方向に帯状の陽極導体31が形成
されている。陽極導体31上には、一定間隔をおいて冷
却素子16が設けられている。図示の例では、3箇所に
設けられている。冷却素子16の接合面19には、前述
したように薄膜状のゲッター層22が形成されている。
この場合、ゲッター層22を冷却する冷却素子16とし
ては、図3に示す冷却素子16Bの構成が採用される。
【0045】各冷却素子16Bの位置に対応する陰極基
板3上には、電界放射素子6と同一の構造による電子供
給部30が形成されている。尚、各電子供給部30にお
いて電界放射素子6と同一の構成部分には同一符号を付
す。
【0046】この第4実施の形態の構成では、電子供給
部30から電子を電界放出させ、対面する冷却素子16
Bの接合面19に形成されたゲッター層22に電子が射
突すると、ゲッター層22が活性化されてゲッタリング
を行うことができる。その際、電子供給部30から電子
が陽極導体31に射突することにより、陽極導体31上
の冷却素子16Bに電子が流入し、電極20,21間に
電流が供給され、接合面19での熱の吸収が行われる。
これにより、冷却素子16Bの接合面19上のゲッター
層22が所望の温度に冷却される。
【0047】そして、上記各実施の形態による真空気密
容器を使用したFED1では、冷却素子16の駆動によ
り外囲器5内の他の部分との間に温度差を持たせてゲッ
ター層22が冷却された状況下において、オーブン工程
で外囲器5内の温度が上昇すると、外囲器5内のガスが
激しく運動し、外囲器5の壁面や表示部をなす蛍光体層
15に付着していたガスも放出される。これらのガス
は、外囲器5内において他の部分よりも低い温度に冷却
されたゲッター層22に到達し易くなる。その際、外囲
器5内に浮遊するガスも平衡を保つべく温度の低いゲッ
ター層22に導かれる。そして、これらのガスは、ゲッ
ター層22により効率的に吸着される。
【0048】又、冷却素子16の駆動により外囲器5内
の他の部分との間に温度差を持たせてゲッター層22が
冷却された状況下において、エージング工程でFED1
を駆動させると、陽極基板2の表示部を構成する蛍光体
層15に電子が射突して表面がクリーニングされて脱ガ
スする。このガスは、外囲器5内において他の部分より
も低い温度に冷却されたゲッター層22に到達し易くな
り、ゲッター層22によって効率的に吸着される。
【0049】したがって、上述した各実施の形態によれ
ば、外囲器5内の一部がゲッター室を兼ねており、従来
のように外囲器5の外側に不要な突出部であるゲッター
室を設ける必要がなく、薄型平面状の真空気密容器を構
成することができる。しかも、外囲器5内の冷却素子1
6によりゲッター層22を直接冷却することができ、外
囲器5内におけるゲッター層22とその周囲との間に温
度差を持たせて効果的にガスを吸着することができる。
【0050】その際、温度差をつけすぎて熱歪みにより
クラックが生じたり、局部的に冷却しすぎて外囲器内の
局部的なガス出しが不足することなく、冷却素子16に
供給される電流を制御することにより、外囲器5内を所
望の高真空状態に保持することができる。
【0051】そして、上述した如く、不要な突出部を持
たないFED1のベーキングによるガス出しとゲッター
層22へのガス吸収効果の確実化により、外囲器5内の
真空度を長時間にわたって高く維持することができる。
【0052】又、接合面19にゲッター層22が形成さ
れた冷却素子16を、表示の妨げにならないように外囲
器5内の複数箇所に設ければ、外囲器5の形状に関係な
く、特定のゲッター層22のみの温度を外部から制御で
き、さらにパネルの品質向上を図ることができる。
【0053】さらに、ゲッター層22を活性化させる際
に放出される電子供給部26,27,30から電子を利
用することにより、冷却素子16の電極20,21間に
電流が供給されるので、冷却素子16を別電源によって
駆動することなく、ゲッター層22を活性化させるため
の電源を共用して接合面19上のゲッター層22を冷却
することができ、さらに構成の簡素化が図れる。
【0054】ところで、上述した実施の形態では、真空
気密容器としてFED1を例にとって説明したが、高真
空状態で薄型の気密構造が要求される容器であれば、こ
れに限ることはなく、例えば真空マイクロ磁気センサ、
高速スイッチング素子、撮像素子、読取装置等の真空気
密容器として使用することもできる。
【0055】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、従来のように外囲器と別体にゲッター室を設け
る必要がなく、外囲器内の一部をゲッター室として兼用
できる。又、外囲器内に設けられる冷却素子によりゲッ
ター層が直接冷却されるので、外囲器内においてゲッタ
ー層とその周囲との間に温度差を持たせることができ、
ゲッター層による吸着能力を損なうことなく、その吸着
能力を最大限に生かして外囲器内のガスを効率的に吸着
し、外囲器内を高真空状態に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空気密容器が適用されるFEDの一
般的構成を示す部分断面図
【図2】同真空気密容器内に設けられる冷却素子の拡大
平面図
【図3】同真空気密容器内に設けられる他の構成による
冷却素子の拡大平面図
【図4】(a)本発明による真空気密容器の第1実施の
形態を示す断面図 (b)(a)における陰極基板側の部分拡大斜視図
【図5】本発明による真空気密容器の第2実施の形態を
示す断面図
【図6】(a)本発明による真空気密容器の第3実施の
形態を示す断面図 (b)(a)における陰極基板側の部分拡大斜視図
【図7】本発明による真空気密容器の第4実施の形態を
示す陽極基板側の拡大平面図
【図8】(a)FEDの外囲器として使用される従来の
真空気密容器の一構成例を示す図 (b)(a)の断面図
【符号の説明】
1…FED、2…陽極基板、3…陰極基板、5…外囲
器、6…電界放射素子、16(16A,16B)…冷却
素子、17,18…金属膜、19…接合面、20,21
…電極、22…ゲッター層、26,27,30…電子供
給部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にゲッター層が設けられたペルチェ
    効果を有する冷却素子を外囲器内に備えたことを特徴と
    する真空気密容器。
  2. 【請求項2】 前記冷却素子は、異なる2つの金属膜の
    接合からなり、該接合部分に前記ゲッター層が形成され
    た請求項1記載の真空気密容器。
  3. 【請求項3】 前記冷却素子は、電極が前記外囲器の外
    に導出され、該電極間に電流が供給されることにより、
    前記ゲッター層を冷却する請求項1又は2記載の真空気
    密容器。
  4. 【請求項4】 前記外囲器内には、前記冷却素子に対向
    して電子を放出する電子供給部が設けられており、 前記冷却素子は、前記電子供給部からの電子の流入によ
    り電極間に電流が供給されて前記ゲッター層を冷却する
    請求項1又は2記載の真空気密容器。
JP15126396A 1996-06-12 1996-06-12 真空気密容器 Pending JPH103850A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100728771B1 (ko) * 2000-03-20 2007-06-19 삼성에스디아이 주식회사 게터를 갖는 형광 표시관과 이 게터의 제조 방법
JP2008060082A (ja) * 2006-08-09 2008-03-13 Forward Electronics Co Ltd 平面型電界放出照明モジュール
JP2009211075A (ja) * 2008-03-05 2009-09-17 Samsung Sdi Co Ltd 平板ディスプレイ装置
JP2015106546A (ja) * 2013-12-03 2015-06-08 株式会社日立メディコ X線管装置及びx線撮影装置

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