JPH05149369A - 流体封入式マウント装置 - Google Patents

流体封入式マウント装置

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JPH05149369A
JPH05149369A JP33987691A JP33987691A JPH05149369A JP H05149369 A JPH05149369 A JP H05149369A JP 33987691 A JP33987691 A JP 33987691A JP 33987691 A JP33987691 A JP 33987691A JP H05149369 A JPH05149369 A JP H05149369A
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vibration
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movable coil
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Toru Matsui
徹 松井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 流体室の内圧を制御する振動板に対して、大
きな加振力を安定して及ぼすことのできる駆動手段を備
えた流体封入式マウント装置の提供。 【構成】 流体室32の壁部の一部を構成する振動板2
7の背後に、永久磁石50を配設すると共に、該永久磁
石50の両極部にヨーク54,56,60を接続して、
環状のギャップ部62を有する磁路を形成し、更にかか
るギャップ部62の対向面間に可動コイル68を変位可
能に配設すると共に、該可動コイル68を前記振動板2
7に連結せしめて、該可動コイル68への通電にて、前
記振動板27を加振するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、自動車のエンジンマウント等に
用いられる流体封入式のマウント装置に係り、特に防振
特性を外部から制御することのできる流体封入式マウン
ト装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、自動車用エンジンマウントの如
く、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振連結
乃至は支持装置の一種として、ゴム弾性体の振動入力方
向に対向する両側部分に、それぞれ防振連結乃至は支持
される部材の各一方に取り付けられる第一の支持金具お
よび第二の支持金具を、それぞれ固着せしめてなる構造
のマウント装置が知られている。
【0003】また、近年では、より高度な防振特性を実
現するための一つの手法として、かかるマウント装置に
対して、壁部の一部が前記ゴム弾性体にて構成された、
内部に所定の非圧縮性流体が封入されてなる流体室を設
け、振動入力時に惹起される流体室の内圧を制御するこ
とにより、マウント防振特性を入力振動等に応じて切換
制御するようにした流体封入式マウント装置が、提案さ
れている。
【0004】例えば、特開昭60−8540号公報や特
開昭59−1828号公報等には、かかる流体室の壁部
の一部を磁性体或いは永久磁石から成る振動板にて構成
し、かかる振動板をソレノイドによって駆動することに
より、流体室の内部に脈動を生ぜしめて、その内圧を制
御するようにしたマウント装置が提案されている。ま
た、実開平3−73741号公報には、リング状の永久
磁石の内側または外側にリング状のコイルを同心的に配
し、それら永久磁石とコイルとの何れか一方を振動板に
固定することにより、コイルへの通電にて惹起される電
磁力に基づいて、かかる振動板を駆動せしめて、流体室
の内圧を制御するようにしたマウント装置が提案されて
いる。
【0005】しかしながら、それら何れのマウント装置
においても、振動板に対して及ぼされる駆動力を、有効
に且つ安定して得ることができず、振動板の加振力を十
分に得ることが困難であると共に、加振制御が極めて難
しいために、実用上、満足できる防振特性を得ることが
できなかった。
【0006】すなわち、上述の如きマウント装置にあっ
ては、ソレノイド或いは永久磁石によって形成される磁
路が、何れも、開磁路形態とされており、振動板或いは
コイルが置かれる領域の磁束密度を効率的に確保するこ
とができないために、特に入力振動荷重の大きな中低周
波数域の振動入力時に、振動板の駆動力を十分に確保し
て流体室の有効な内圧制御を実施することが難しく、し
かも、ソレノイドや永久磁石等が大型化してしまうため
に、マウント装置の大型化が避けられない等という問題
があったのである。
【0007】さらに、かかるマウント装置においては、
ソレノイド或いは永久磁石によって形成される磁路が、
何れも、開磁路形態とされており、磁束密度が略一定の
領域を形成することができないために、振動板が駆動さ
れて変位せしめられた際に、振動板或いはコイルに及ぼ
される磁束密度が大きく変化してしまい、その結果、振
動板に及ぼされる駆動力が不安定となって、振動板の加
振状態の制御が困難となる。そして、そのために、流体
室内に惹起される脈動波形が歪んでしまい、流体室内の
液圧制御に歪みが生じることが避けられないことから、
目的とするマウント防振特性を十分に得ることができな
いという問題を内在していたのである。
【0008】また、振動板の加振による流体室の内圧制
御により、或る特定周波数域の入力振動に対する防振特
性が向上されたとしても、上述の如き、流体室内に惹起
される脈動波形の歪みによって、他の周波数領域の振動
を増幅する結果となり、全体として有効な防振効果を得
ることが、極めて難しいという問題も有していた。
【0009】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、流体室の壁部の一部を構成する振動板に及
ぼされる駆動力を十分に得ることができると共に、その
駆動力における歪みが抑えられ得る振動板の駆動手段を
備えた、防振特性の制御が可能な流体封入式マウント装
置を提供することにある。
【0010】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明の特徴とするところは、ゴム弾性体の振動入力方向
に対向する両側部分に、第一の支持金具および第二の支
持金具をそれぞれ固着せしめると共に、内部に所定の非
圧縮性流体が封入された流体室を、かかるゴム弾性体に
て壁部の一部を構成して設けてなる流体封入式マウント
装置において、前記流体室の壁部の一部を、前記第二の
支持金具によって変位可能に支持された振動板にて構成
する一方、かかる振動板の背後に永久磁石を配設すると
共に、該永久磁石の両極部に第一のヨークおよび第二の
ヨークをそれぞれ接続して、それら第一のヨークと第二
のヨークとの端部対向面間に環状のギャップ部を有する
磁路を形成し、更にかかるギャップ部に沿って周方向に
延びるリング状の可動コイルを変位可能に配設すると共
に、該可動コイルを前記振動板に連結せしめて、該可動
コイルへの通電にて前記振動板を加振するようにしたこ
とにある。
【0011】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明することとする。
【0012】先ず、図1には、本発明に従う構造とされ
た自動車用エンジンマウントが示されている。かかる図
において、10は第一の支持金具、12は第二の支持金
具であり、互いに所定距離を隔てて対向配置されている
と共に、それらの間に介装されたゴム弾性体14にて、
互いに弾性的に連結されている。そして、かかるエンジ
ンマウントにあっては、第一の支持金具10および第二
の支持金具12の各一方が、パワーユニット側またはボ
デー側に取り付けられることにより、パワーユニットを
ボデーに対して防振支持せしめることとなる。
【0013】より詳細には、第一の支持金具10は、そ
れぞれ有底円筒形状を呈する上金具16と下金具18か
ら構成されている。上金具16は、筒壁部が円筒形状と
されていると共に、その開口部に外フランジ部20が形
成されている。また、下金具18は、筒壁部が開口側に
向って拡開するテーパ筒形状とされていると共に、その
開口部に外フランジ部22が形成されている。そして、
それら上下の金具16,18が、開口側において重ね合
わされて、両外フランジ部においてボルト連結されるこ
とにより、第一の支持金具10が構成されている。
【0014】また、この第一の支持金具10の内部に
は、上下金具16,18間において、それら上下金具1
6,18の凹部23,25により、空所が形成されてい
る。そして、この空所内に、略薄肉の円板形状を呈する
可撓性膜24が収容配置されており、外周縁部を、上下
金具16,18の外フランジ部20,22間で挟持され
ることにより装着されている。即ち、この可撓性膜24
により、かかる空所が、上金具16の凹部23側と下金
具18の凹部25側とに流体密に二分されているのであ
る。
【0015】一方、第二の支持金具12は、略大径の円
環ブロック形状を呈している。そして、この第二の支持
金具12は、第一の支持金具10の下金具18に対し
て、軸方向に所定距離を隔てて対向位置せしめられてい
る。なお、かかる第二の支持金具12における第一の支
持金具10に対向する軸方向端面は、下金具18の筒壁
部外周面に対応したテーパ面とされている。
【0016】そして、これら第一の支持金具10と第二
の支持金具12との間には、ゴム弾性体14が介装され
ており、該ゴム弾性体14にて、それら両金具10,1
2が、弾性的に連結されている。かかるゴム弾性体14
は、テーパが付された円筒形状を呈しており、その小径
側の開口端面に対して下金具18の筒壁部外周面が固着
されている一方、大径側の開口端面に対して第二の支持
金具12の軸方向端面が固着されている。即ち、このゴ
ム弾性体14は、下金具18と第二の支持金具12とを
有する一体加硫成形品として形成されているのである。
【0017】また、かかるゴム弾性体14にて、第一の
支持金具10と第二の支持金具12とが連結されること
により、それらの間に、第二の支持金具12の内孔を通
じて外部に開口する凹所26が形成されている。
【0018】さらに、第二の支持金具12の内部には、
前記凹所26の開口部に位置して、略薄肉円板形状を有
する振動板27が配設されている。この振動板27の外
周縁部には、径方向外方に広がる円環板状の支持ゴム2
8を介して、取付リング30が取り付けられており、こ
の取付リング30が第二の支持金具12に対してボルト
固定されることにより、かかる振動板27が、第二の支
持金具12に装着されている。即ち、この振動板27
は、第二の支持金具12に対し、支持ゴム28の弾性変
形に基づいて変位可能に、取り付けられているのであ
る。
【0019】また、かかる振動板27の第二の支持金具
12への装着により、前記凹所26の開口部が流体密に
覆蓋されている。そして、そこに所定の非圧縮性流体が
封入された流体室32が形成されている。なお、かかる
封入流体としては、例えば水やアルキレングリコール、
ポリアルキレングリコール、シリコーン油等が、好適に
用いられる。
【0020】すなわち、この流体室32にあっては、そ
の壁部の一部がゴム弾性体14にて構成されており、第
一の支持金具10と第二の支持金具12との間への振動
入力時に、かかるゴム弾性体14の弾性変形に基づい
て、内圧変動が惹起されるようになっているのである。
【0021】また一方、前記第一の支持金具10の内部
に形成された空所のうち、下金具18の凹部25側に
も、流体室と同一の非圧縮性流体が封入されている。そ
れによって、かかる下金具18の凹部25により、可撓
性膜24の変形に基づいて容易に容積変化が許容される
平衡室34が形成されている。なお、可撓性膜24を挟
んで、平衡室34と反対側に位置する、上金具16の凹
部23側の空所は、かかる可撓性膜24の変形を許容す
る空気室36とされている。
【0022】更にまた、それら流体室32と平衡室34
とを仕切る隔壁を構成する下金具18の底壁部には、円
板金具38が重ね合わされて、ボルト固定されている。
この円板金具38には、下金具18に対する重ね合わせ
面上に、周方向に延びる周溝40が設けられている。そ
れによって、下金具18に重ね合わされた際、それら円
板金具38と下金具18との重ね合わせ面間において、
周方向に所定長さで延び、その周方向両端部が、下金具
18および円板金具38に設けられた連通孔42,44
を通じて、流体室32乃至は平衡室34に連通せしめら
れたオリフィス通路46が形成されている。
【0023】そして、振動入力時に流体室32に内圧変
動が惹起された際、流体室32と平衡室34との間で、
オリフィス通路46を通じての流体の流動が生ぜしめら
れることにより、かかる流体の流動作用乃至は共振作用
に基づいて、所定の防振効果が発揮されることとなるの
である。なお、本実施例では、オリフィス通路46を通
じて流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、シェ
イク等の低周波大振幅振動の入力時に高減衰効果が発揮
され得るように、オリフィス通路46の長さや断面積等
が、チューニングされている。
【0024】さらに、前記第二の支持金具12には、電
磁駆動手段48が装着されており、流体室32の壁部の
一部を構成する前記振動板27の背後に配設されてい
る。
【0025】かかる電磁駆動手段48は、円形ブロック
状の永久磁石50を有している。そして、この永久磁石
50は、開口周縁部に外フランジ部52が設けられた有
底円筒形状を呈する底金具54の内部に収容されてお
り、該底金具54の底部中央に対して、一方の磁極側端
面が当接して配されている。
【0026】また、かかる永久磁石50における他方の
磁極側端面には、略厚肉の円板形状を呈する端部金具5
6が、当接して配されている。ここにおいて、この端部
金具56の外径は、永久磁石50よりも大径で、且つ底
金具54の筒壁部内径よりも小径とされており、永久磁
石50から径方向外方に所定寸法で突出せしめられてい
る。そして、この端部金具56と底金具54とが、複数
本の固定ボルト58にて連結固定されることにより、永
久磁石50が、それら両金具56,54間で挟持されて
固定せしめられている。
【0027】更にまた、底金具54の開口部には、略円
環形状の周縁金具60が配設され、ボルト固定されてい
る。この周縁金具60は、底金具54の開口部におい
て、径方向内方に突出して位置せしめられており、その
外周面が底金具54に当接せしめられている一方、その
内周面が端部金具56の外周面に対して径方向に所定距
離を隔てて対向せしめられている。
【0028】また、これら底金具54、端部金具56お
よび周縁金具60が、何れも、鉄等の強磁性材料にて形
成されている。それによって、永久磁石50の周囲に、
略閉磁路形態の磁路が形成されていると共に、かかる磁
路上に位置する端部金具56と周縁金具60との径方向
対向面間において、周方向に連続した円環状乃至は円筒
状のギャップ部62が形成されているのである。
【0029】なお、このことから明らかなように、本実
施例では、底金具54と周縁金具60によって、磁路を
形成する第一のヨークが構成されている一方、端部金具
56によって、磁路を形成する第二のヨークが構成され
ている。また、底金具54と端部金具56とを連結する
前記固定ボルト58は、アルミニウム合金等の非磁性材
料にて形成されており、磁路の短絡が防止されている。
【0030】さらに、かかる磁路を形成する端部金具5
6上には、合成樹脂やアルミニウム合金等の非磁性材料
にて形成された可動部材64が、所定距離を隔てて配設
されている。この可動部材64は、全体として略有底円
筒形状をもって形成されており、その円筒状の筒壁部6
6が、磁路上のギャップ部62内に挿入されて、位置せ
しめられている。そして、この可動部材64の筒壁部6
6と、ギャップ部62を形成する対向面との間には、僅
かな隙間が形成されており、それによって、かかる可動
部材64が、軸方向に変位可能とされている。
【0031】また、この可動部材64の筒壁部66が位
置せしめられたギャップ部62内には、円環状乃至は円
筒状の可動コイル68が配設位置せしめられており、可
動部材64の筒壁部66の外周面に固定されている。そ
れによって、可動コイル68と可動部材64とが、ギャ
ップ部62内で、一体的に変位可能とされている。な
お、図中、70は、可動コイル68の給電用リード線で
あり、底金具54に設けられた貫通孔72を通じて、内
部に導かれている。
【0032】なお、特に本実施例では、かかる可動コイ
ル68の軸方向長さが、ギャップ部62を形成する周縁
金具60よりも、所定寸法短く設定されており、後述す
る如きギャップ部62内での可動コイル68の変位時に
も、可動コイル68が、かかる周縁金具60の軸方向端
部よりも突出しないようにされている。即ち、それによ
って、可動コイル68の変位時にも、該可動コイル68
に対して、略一定の磁束密度が及ぼされるようになって
いるのである。
【0033】そして、このようにして形成された電磁駆
動手段48は、図示されている如く、その底金具54の
外フランジ部52が、第二の支持金具12の軸方向端面
に重ね合わされてボルト固定されると共に、その可動部
材64が、振動板27の背面に重ね合わされてボルト固
定されることにより、一体的に組み付けられている。ま
た、そのような組付状態下では、可動部材64に装着さ
れた可動コイル68が、電磁駆動手段48における磁路
のギャップ部62上の略中央部に位置せしめられるよう
になっている。
【0034】従って、上述の如き構造とされたエンジン
マウントにおいては、可動コイル68に交番電流を通電
することにより、可動コイル68に対してフレミングの
左手の法則に従う電磁力(ローレンツ力)が発生し、そ
れによって、かかる可動コイル68が装着された可動部
材64を介して、振動板27に対して電流に比例する駆
動力が及ぼされることとなる。そして、この可動コイル
68に対する通電を制御し、入力振動によって生ぜしめ
られる流体室32の内圧変動に応じて、振動板27を加
振することにより、流体室32の内圧を制御することが
できるのであり、それによって、マウントの防振特性
を、適宜、変更することが可能となるのである。
【0035】具体的には、例えば、低周波振動の入力時
には、振動板27を、入力振動と同位相で振動させて、
流体室32の内圧を積極的に発生せしめ、オリフィス通
路46を通じて流動せしめられる流体の流通量の増大を
図ることにより、高減衰特性を発揮させることができる
のであり、また、中乃至高周波振動の入力時には、振動
板27を、入力振動と逆位相で振動させて、流体室32
の内圧を吸収乃至は軽減せしめることにより、低動ばね
特性を発揮させることができるのである。
【0036】そこにおいて、特に、かかるエンジンマウ
ントにあっては、可動コイル68が配設された領域の磁
界が、閉磁路上のギャップ部62によって形成されてい
ることから、そこにおける磁束密度を十分に且つ容易に
確保することができる。それによって、可動コイル68
に対して、大きな磁束密度が及ぼされることから、大き
な電磁力が発生せしめられることとなり、コンパクトな
マウント構造をもって、振動板27の駆動力を十分に確
保することが可能となって、流体室の有効な内圧制御が
可能となることから、目的とする防振特性が十分に発揮
され得るのである。
【0037】また、可動コイル68が配設された領域の
磁界が、閉磁路上のギャップ62によって形成されてい
ることから、かかる領域内における磁束密度の均一化が
達成されることとなり、可動コイル68が変位せしめら
れた際にも、該可動コイル68に及ぼされる磁束密度、
延いては発生する電磁力が、略一定値に維持され得る。
それ故、可動コイル68に通電する電流量に略比例した
電磁力を安定して得ることが可能となることから、可動
コイル68、延いては振動板27の加振制御が容易とな
ると共に、歪みの発生が効果的に防止され得るのであ
り、それによって、流体室32の内圧を高制度に制御す
ることが可能となり、目的とする防振特性が、より高度
に且つ安定して発揮され得るのである。
【0038】しかも、振動板27の加振制御が高精度に
為され得て、流体室32に生ぜしめられる脈動(内圧変
動)の歪みが、軽減乃至は防止されることから、そのよ
うな歪みによって、防振を目的とする周波数以外の領域
の振動が増幅される等といった不具合が問題となるよう
なこともない。
【0039】因みに、上述の如き構造とされたエンジン
マウントについて、その防振特性を測定した実験結果
を、下記表1に示すこととする。なお、実験に際して
は、静的ばね定数:Ks=24.0(kg/mm)のものを用
い、振動板27を加振制御した場合としない場合とにつ
いて、動ばね定数:K*(kg/mm)および位相角:δ(de
g)を、それぞれ同一の振動入力条件下で測定し、防振特
性の向上効果を、動ばね定数の低減率で評価した。
【0040】
【表1】
【0041】上記表1の結果からも、本実施例構造のエ
ンジンマウントが、アイドリング振動からコモリ音やエ
ンジン二次振動等にまで亘る広い周波数域の入力振動に
対して、優れた防振特性を発揮するものであり、十分に
実用に供され得るものであることが、理解されるところ
である。
【0042】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0043】例えば、前記実施例では、流体室32に対
して、オリフィス通路46を通じて連通された平衡室3
4が設けられていたが、それらオリフィス通路や平衡室
は、必ずしも設ける必要はない。
【0044】そして、それらオリフィス通路や平衡室を
有しないマウント装置であっても、流体室の内圧を制御
することにより、防振特性の切換制御に基づく、前述の
如き効果は、有効に発揮され得ることとなる。
【0045】また、永久磁石を含んで磁路を形成するた
めのヨーク部の構造は、前記実施例のものに限定して解
釈されるものでは決してなく、要求されるマウント装置
の形状や大きさ等に応じて、適宜、変更され得るもので
ある。
【0046】更にまた、可動コイルの変位時にも、該可
動コイルに対して及ぼされる磁束密度を略一定値に、よ
り有利に維持するためには、例えば、図2に示されてい
る如く、ギャップ部74を形成するヨーク部材76,7
8の軸方向長さよりも十分に長い可動コイル80を採用
したり、或いは図3に示されている如く、ギャップ部7
4を形成するヨーク部材76,78の軸方向長さより
も、その変位量を考慮して十分に短い可動コイル82を
採用することも、有効である。
【0047】加えて、前記実施例では、本発明を自動車
用エンジンマウントに対して適用したものの具体例を示
したが、その他、自動車用ボデーマウントやデフマウン
ト、或いは自動車以外の各種装置における防振連結乃至
は支持マウント装置に対しても、同様に、適用され得る
ことは、勿論である。
【0048】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【0049】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた流体封入式マウント装置において
は、可動コイルが配設されることとなる領域が、閉磁路
形態をもって形成された磁路上において、ヨークが対向
位置せしめられたギャップ部として形成されることか
ら、かかる領域において、十分且つ均一な磁束密度が確
保され得る。
【0050】それによって、可動コイルに対して大きな
磁束密度が及ぼされて、可動コイルへの通電時に、振動
板に対する大きな駆動力が発揮され得るのであり、しか
も、可動コイルが変位した際にも、それに及ぼされる磁
束密度の変化が防止されて、安定した駆動力が発揮され
得るのである。
【0051】それ故、本発明に係る流体封入式マウント
装置においては、振動板の加振を、十分な駆動力をもっ
て且つ安定して行なうことが可能であり、その制御も容
易であることから、目的とする防振特性が、高度に且つ
安定して発揮され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての自動車用エンジンマ
ウントを示す縦断面図である。
【図2】本発明に係るマウント装置において好適に採用
される、可動コイルのギャップ部への配設形態の一例を
概略的に示す説明図である。
【図3】本発明に係るマウント装置において好適に採用
される、可動コイルのギャップ部への配設形態の別の例
を概略的に示す説明図である。
【符号の説明】
10 第一の支持金具 12 第二の支持金具 14 ゴム弾性体 27 振動板 28 支持ゴム 32 流体室 48 電磁駆動手段 50 永久磁石 54 底金具 56 端部金具 60 周縁金具 62 ギャップ部 64 可動部材 66 筒壁部 68 可動コイル 74 ギャップ部 76,78 ヨーク部材 80,82 可動コイル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム弾性体の振動入力方向に対向する両
    側部分に、第一の支持金具および第二の支持金具をそれ
    ぞれ固着せしめると共に、内部に所定の非圧縮性流体が
    封入された流体室を、かかるゴム弾性体にて壁部の一部
    を構成して設けてなる流体封入式マウント装置におい
    て、 前記流体室の壁部の一部を、前記第二の支持金具によっ
    て変位可能に支持された振動板にて構成する一方、かか
    る振動板の背後に永久磁石を配設すると共に、該永久磁
    石の両極部に第一のヨークおよび第二のヨークをそれぞ
    れ接続して、それら第一のヨークと第二のヨークとの端
    部対向面間に環状のギャップ部を有する磁路を形成し、
    更にかかるギャップ部に沿って周方向に延びるリング状
    の可動コイルを変位可能に配設すると共に、該可動コイ
    ルを前記振動板に連結せしめて、該可動コイルへの通電
    にて前記振動板を加振するようにしたことを特徴とする
    流体封入式マウント装置。
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