JPH05148642A - マグネトロンスパツタ装置 - Google Patents

マグネトロンスパツタ装置

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JPH05148642A
JPH05148642A JP3338015A JP33801591A JPH05148642A JP H05148642 A JPH05148642 A JP H05148642A JP 3338015 A JP3338015 A JP 3338015A JP 33801591 A JP33801591 A JP 33801591A JP H05148642 A JPH05148642 A JP H05148642A
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JP
Japan
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target
substrate
magnetic field
magnet
film
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JP3338015A
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English (en)
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Ryoji Oritsuki
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ターゲットの局部的消耗を抑制し、基板移動な
しに均一な成膜を行う。 【構成】基板7と、基板に所定の間隔で対向配置したタ
ーゲット1の背面に該ターゲットの表面に沿って磁界パ
ターンを形成する磁界発生手段3を備え、ガスプラズマ
を前記ターゲット表面に閉じ込めると共に、前記ターゲ
ットの表面に形成される磁界のパターンを所定方向に順
送する。 【効果】ターゲット表面の磁界の方向とその大きさが変
化してターゲット面上のエロージョンエリアが面内を移
動し、基板に均一な成膜を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス板あるいは半導
体ウエハ等の被成膜対象に金属あるいは絶縁物の被膜を
形成するスパッタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】IC等の半導体素子、あるいは液晶表示
素子などの製造においては、その基板上に金属あるいは
絶縁物の薄膜形成工程が不可欠である。この薄膜形成工
程には、薄膜形成材料をターゲットとして直流高圧電界
あるいは高周波電界中でアルゴンガス等のガスをプラズ
マ化し、このプラズマ化ガスによって当該ターゲットの
材料を活性化して融解し基板表面に飛散させ被着させる
所謂スパッタ処理が多用されている。
【0003】従来、このスパッタ処理を高速化するため
に、ターゲットの裏側に磁石を配置してターゲット表面
に磁力線を平行に走らせることにより、ターゲット表面
にプラズマを閉じ込め、高密度プラズマを得る、云わゆ
るマグネトロンスパッタが主流となっている。図12は
従来技術によるマグネトロンスパッタ装置の要部構成を
説明する模式図であって、01はターゲット、07は基
板、03は磁石、012は磁力線、010はターゲツト
01が融解蒸発するエロージョンエリアである。
【0004】同図の構成において、ターゲット01の背
面に磁石03を配置してターゲット01と基板07との
間に高周波(RF)電力014、あるいは図中破線で示
した直流高圧電力015を印加し、そのN極とS極との
間のターゲツト01の表面に磁力線012を這わせるこ
とで当該ターゲツトの表面にプラズマを閉じ込め、高密
度プラズマを形成する。このプラズマによってターゲッ
ト01を溶解し、活性化したターゲット材料を矢印01
3に示したように基板07の表面に飛散させて薄膜を形
成する。この構成により、高速スパッタを達成する。
【0005】なお、この種のマグネトロンスパッタに関
する従来技術を開示したものとしては、例えば、日刊工
業新聞社発行,小沼光晴著,「プラズマと成膜の基礎」
(第131ページ)が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような従来のマグネトロンスパッタ装置においては、
高密度プラズマを実現できる領域がターゲット01の裏
面に配置した磁石03のN極とS極で挾まれた部分に限
られるので、ターゲット01上で高速スパッタが実現さ
れる領域(すなわち、エロージョンエリア)はターゲッ
トの3分の1以下の狭い範囲に限定された領域010と
なっている。
【0007】このため、このエロージョンエリア010
でターゲットの消耗が激しく、ターゲット01に局部的
な消耗が発生し、ターゲット材料の大部分が残存した段
階で当該ターゲットの寿命となり、新しいターゲットを
補給する必要が生じ、極めて不経済であるという問題が
ある。さらに、従来技術においては、上記エロージョン
エリアが局部的に分布するために、基板07の表面でス
パッタ速度が増大するエリアが偏よってしまうので、膜
厚の均一化を図るためには基板07をスパッタ中に回転
もしくは移動させる必要がある。
【0008】基板07上に形成される薄膜の膜厚の均一
性の制御は、当該基板を回転させたり、あるいは平行移
動させることで行い、その膜厚は上記回転あるいは移動
の時間で制御することになる。しかし、その制御は極め
て精密に行われる必要があると共に、当該回転あるいは
移動を含めた基板搬送メカニズムを備えるスパッタ装置
の構造は極めて複雑になるという問題がある。
【0009】本発明の目的は、上記従来技術の問題を解
消し、上記エロージョンエリアをターゲツトの広い領域
に分布させることによって、基板を回転あるいは移動さ
せることなく、均一な膜厚を得ることのできる高速スパ
ッタを可能としたマグネトロンスパッタ装置を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、ターゲット
の背面に設置する磁界発生手段をターゲット面と平行な
軸の廻りで回転することにより、ターゲット面上に形成
される磁力線を移動させることでエロージョンエリアを
ターゲット面上で均等に動かすことにより、ターゲット
消耗の片偏りを防止し、かつ、基板内の膜厚分布を一定
にする構成を備えることのよって達成される。
【0011】すなわち、本発明は、基板7と、この基板
に所定の間隔で対向配置したターゲット1と、このター
ゲットの前記基板とは反対側に配置されて前記ターゲッ
トの表面に沿って磁界を形成し、ガスプラズマを前記タ
ーゲット表面に閉じ込めると共に、前記ターゲットの表
面に形成される磁界のパターンを所定方向に順送する磁
界発生手段3とを備え、前記基板に前記ガスプラズマを
作用させることより前記基板の表面に所定の薄膜を生成
することを特徴とする。
【0012】また、本発明は、基板7と、この基板に所
定の間隔で対向配置したターゲット1と、このターゲッ
トの前記基板とは反対側に配置されて前記ターゲットの
表面に沿って磁界を形成し、ガスプラズマを前記ターゲ
ット表面に閉じ込めると共に、前記ターゲットの表面に
形成される磁界のパターンを所定方向に順送する平行配
置された複数の磁石棒3−1〜3−7,・・・を備えて
なり、前記複数の磁石棒は、N極とS極とがその直径方
向の対向表面にその長手方向と平行に同磁極の各配列を
有し、その長手方向中心軸を回転軸として前記ターゲッ
トの面と平行な面で回転することを特徴とする。
【0013】さらに、本発明は、基板と、この基板に所
定の間隔で対向配置したターゲット1と、このターゲッ
トの前記基板とは反対側に配置されて前記ターゲットの
表面に沿って磁界を形成し、ガスプラズマを前記ターゲ
ット表面に閉じ込めると共に、前記ターゲットの表面に
形成される磁界のパターンを所定方向に順送する平行配
置された複数の磁石棒3−1〜3−7,・・・を備えて
なり、前記複数の磁石棒は、N極とS極とがその直径方
向の対向表面にその長手方向に関してらせん状の同磁極
の各配列を有し、その長手方向中心軸を回転軸として前
記ターゲットの面と平行な面で回転することを特徴とす
る。
【0014】さらにまた、本発明は、基板7と、この基
板に所定の間隔で対向配置したターゲット1と、このタ
ーゲットの前記基板とは反対側に配置されて前記ターゲ
ットの表面に沿って磁界を形成し、ガスプラズマを前記
ターゲット表面に閉じ込めると共に、前記ターゲットの
表面に形成される磁界のパターンを所定方向に順送する
磁界発生手段3と、この磁界発生手段からの磁界に閉磁
路を与えるための他の磁界発生手段6とを備え、前記基
板に前記ガスプラズマを作用させることより前記基板の
表面に所定の薄膜を生成することを特徴とする。
【0015】なお、本発明は、さらに下記の具体的構成
を採用することで上記目的を達成することができる。 前記磁界発生手段もしくは磁石棒が、ターゲット背面
で同一方向に回転し、かつ、その周期が同一であるこ
と。 前記複数の磁界発生手段もしくは磁石棒間の磁極間の
相互配列が、一方向に90度づつ規則的に変化するよう
に構成したこと。
【0016】上記一方向に90度づつ規則的に変化す
るように構成した磁極の配列において、ターゲット表面
に対して垂直に磁極が並んだ磁界発生手段もしくは磁石
棒に対し、隣接する磁界発生手段もしくは磁石棒の磁極
がターゲット表面に平行に配列すると共に、該平行に配
列した磁極の極性が、垂直に配列した隣接する磁極のう
ち、ターゲット背面側の磁極の極性と同一としたこと。
【0017】上記一方向に90度づつ規則的に変化す
るように構成した磁極の配列において、ターゲット表面
に対して垂直に磁極が並んだ磁界発生手段もしくは磁石
棒に対し、隣接する磁界発生手段もしくは磁石棒の磁極
がターゲット表面に平行に配列すると共に、該平行に配
列した磁極の極性が、垂直に配列した隣接する磁極のう
ち、ターゲット背面側の磁極の極性と同一とし、ターゲ
ット背面に近接するN極とS極の組み合せが、連続して
配列されて磁路にループを作る構造としたこと。
【0018】上記複数の磁石棒は、N極とS極とがそ
の直径方向の対向表面にその長手方向に関してらせん状
の同磁極の各配列を有し、その長手方向中心軸を回転軸
として前記ターゲットの面と平行な面で回転し、隣接す
るらせんの方向が互いに異なる方向を持ち、かつ、隣接
する磁石棒の回転方向が、互いに異なる方向を有する構
成としたこと。
【0019】上記複数の磁石棒は、N極とS極とがそ
の直径方向の対向表面にその長手方向に関してらせん状
の同磁極の各配列を有し、その長手方向中心軸を回転軸
として前記ターゲットの面と平行な面で回転し、隣接す
るらせんの方向が互いに異なる方向を持ち、かつ、隣接
する磁石棒の回転方向が、互いに異なる方向を有すると
共に、上記隣接する磁石棒の磁極が互いに同極または異
極となるように配置したこと。
【0020】
【作用】ターゲット背面に設置した磁界発生手段(具体
的には磁石棒)は、N極とS極がその配列方向に交互に
並んでおり、この磁極配列によりターゲット面上で磁力
線のループを作る。この磁力線のループにおいて、フレ
ミングの法則により、プラズマ中で発生した電子はその
進行速度と磁場の両者に対して垂直となる方向に力を受
ける。
【0021】このため、電子はターゲット表面近傍に閉
じ込められて当該ターゲツト表面近傍に高密度プラズマ
が得られる。この状態で、ターゲットの表面と平行な軸
を中心にして、その円周上に磁石を埋め込んだ複数個の
磁石棒を当該ターゲットの背面で回転させる。この回転
によって、ターゲット背面の磁極が時間的に変化し、タ
ーゲット表面の磁場の方向とその大きさが変化する。こ
れにより、ターゲット面上のエロージョンエリアが面内
を移動する。
【0022】これによって、ターゲットの利用効率が向
上され、その寿命の延長が達成されると共に、被成膜基
板を回転させたり、その位置を移動することなく、膜厚
分布の均一化が図ることができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例につき、図面を参照し
て詳細に説明する。図1は本発明によるマグネトロンス
パッタ装置の第1実施例の構成を説明する概略斜視図で
あって、所謂スパッガンの外観を示す。同図において、
1はターゲット、2はスパッタガンの容器、3は磁石
棒、4はターゲットと基板間に電力を供給する電力ケー
ブル、5は冷却媒体循環パイプ、6はガス導入パイプ、
7は容器2の上部に載置された被成膜基板(以下、単に
基板という)である。
【0024】スパッタガンの容器2の内部にはターゲッ
ト1が収容され、このターゲット1を用いたスパッタリ
ング処理で成膜を施す基板7が容器2の上部に載置され
る。そして、電力ケーブル4を介して印加される高周波
(RF)電力あるいは直流高圧電力によって、ターゲッ
ト1と基板7との間に高圧の電界が形成される。また、
ガス導入パイプ6を介して高圧電界中でプラズマ化され
るアルゴン等のガスが容器2内に、導入される。
【0025】磁界発生手段3は、ターゲット1の背面に
平行配列された複数の磁石棒からなり、図示しない駆動
機構によってスパッタ処理中に所定の周期で一方向に回
転され、ターゲット1上のエロージョンエリアをターゲ
ット1の表面近傍で均一に分布させる。図2はターゲッ
トと磁界発生手段の位置関係を示す図1のA方向からみ
た模式図であって、ターゲット1の背面(基板7とは反
対の側の面)に近接して丸棒に磁石を埋め込んだ第1の
磁石棒3−1,第2の磁石棒3−2,第3の磁石棒3−
3,第4の磁石棒3−4,第5の磁石棒3−5,第6の
磁石棒3−6,第7の磁石棒3−7,・・・がターゲッ
ト1と平行な平面にピッチPで配列されている。また、
図3は図2を矢印B方向からみた模式図である。
【0026】図2に示したように、磁石棒3−1,3−
2,3−3,3−4,3−5,3−6,3−7,・・・
の表面方向にはN極とS極が直径方向に対向して互いに
反対位置に並んでいる。また、隣接する磁石棒間では、
磁極の方向が90度同一方向に順次回転した配置をと
る。例えば図2に示したように左端の第1の磁石棒3−
1はN極の方向が上向き、第2の磁石棒3−2のN極は
左向き、第3の磁石棒3−3のN極は下向き、第4の磁
石棒3−4のN極は右向き・・・・の順に配置される。
このような磁極配列では、垂直方向に配列した磁石のタ
ーゲット背面側の磁極の極性と同一符号の極性が、隣接
する水平方向に並ぶ磁石の近接する磁極に出現する。磁
力線12はN極からS極に走るので、このような配列に
おいてはターゲット1の表面のエロージョンエリア10
は磁石の極性がターゲット表面と平行になった磁石棒
(図においては、磁石棒3−2,3−4,3−6)上に
出現する。
【0027】図4は図2に示した複数の磁石棒を図面内
に対し垂直な回転軸を中心として45度同一方向に右回
転した状態の説明図である。同図において、磁石棒3−
1,3−2,3−3,3−4,3−5,3−6,3−
7,・・・を図2に状態から図に向かって右回りに45
度回転させると、同図左から、N極の位置が第1の磁石
棒3−1と第2の磁石棒3−2の中間に位置し、S極が
第3の磁石棒3−3と第4の磁石棒3−4の中間に位置
する。以下、この順でN極とS極が磁石棒の中間に繰り
返し出現する。すなわち、図2の配置にくらべて、図4
の配置では、エロージョンエリア10の位置が磁石棒間
のピッチPの半分だけ図の右側に移動したことが分る。
【0028】図5は磁石棒を図4の状態から右側にさら
に45度回転した状態の説明図であり、N極は左から第
2の磁石棒3−2と第6の磁石棒3−6の直上に位置
し、S極は第4の磁石棒3−4と第8の磁石棒3−8
(図示せず)の直上に位置する。したがって、エロージ
ョンエリア10は第3,第5,第7,・・の磁石棒3−
3,3−5,3−7,・・の直上に移動し、第2図の配
列に較べて磁石棒間のピッチP分だけ動いたことが分か
る。
【0029】このように、図2から図5に示した状態に
複数の磁石棒3−1,3−2,3−3,3−4,3−
5,3−6,3−7,・・・を回転させることにより、
エロージョンエリア10をターゲットの図示左端から右
端に連続して一様に移動させることができる。図6は本
発明の第2実施例の説明図であって、図2における磁石
棒の配列をターゲット側からみたときの磁極の分布に対
応する説明図である。
【0030】同図において、N極とS極の中間に現れる
エロージョンエリア10の部分を斜線で示す。矢印12
は磁力線である。膜厚の均一性は磁石棒3−1〜3−1
0上の平面で得られる。短い磁石棒6−1,6−2,6
−3は磁石棒3−1〜3−10により発生するエロージ
ョンエリアにループを形成させるための磁極手段で、機
械的には丸棒30とつながった一本の磁石棒であるが、
磁極の配列が異なるので図では分けて示している。
【0031】上記短い磁石棒6−1,6−2,6−3を
設けることにより、図6の磁石棒配列では斜線で示すエ
ロージョンエリア10が連続して1つの閉じたループを
作っている。プラズマ中の電子は磁力線で囲まれたエロ
ージョンエリア10内あるいはエロージョンエリア10
上を螺旋状に回転しながら進むので、図示した構成によ
ればエロージョンエリア10が閉じたループとなり、閉
じ込められたプラズマ中の電子が安定し、均一なスパッ
タを施すことが可能となる。
【0032】図6は図2の断面図に相当する平面配置で
あるが、図2の状態から90度回転した図5に相当する
磁石棒の平面配置を第7図に示す。すなわち、図7は図
6で示した磁石棒の配列を90度回転したときのターゲ
ット側からみた磁極の分布の説明図である。同図から明
らかなように、エロージョンエリア10は、図6におけ
る位置から図の右側に1ピッチPだけずれる。
【0033】図7の状態から磁石棒をさらに90度回転
すると、左端の磁石棒3−1がS極となり2番目の磁石
棒3−2の直上がエロージョンエリアとなる。磁石棒3
−1の左端がS極なので、斜線に示したエロージョンエ
リア10で1つのループを作るため、短かい磁石棒6−
2の磁極の向きを反対にしなければならないため、図6
でN極,S極とある短かい磁石棒6−2の磁極をそれぞ
れS極,N極と入れ換える。すなわち、6−2で示した
短い磁石棒は、3−1,3−2,・・・・3−10で示
した主たる磁石棒の一部であり、同一の磁極の配列を持
ち、かつ、同一の回転をするが、主たる磁極である磁石
棒3−1,3−2,・・・・3−10との間に磁極を持
たない領域を挟んだ構造をとる。
【0034】又、第6図および第7図で示す配列では磁
石が作るループが上下方向で非対称なので、ターゲット
の図中上下の領域に偏りが生じる。これを改善したのが
第8図および第9図で示す配列である。図8と図9は本
発明の第3の実施例の説明図であって、磁石棒3−1〜
3−10の回転が90度ずれた時点のエロージョンエリ
アを示しており、横方向に走るエロージョンエリア10
が、第8図では下側を走り、第9図では上側を走ること
により、ターゲットの上下方向での対称性を保証してい
る。
【0035】又、図10は本発明の第4実施例の説明図
であって、この実施例では磁石棒3−1〜3−4内に設
置する磁極の配列をらせん状としている。図中の実線8
はN極の位置を、破線9はS極の位置を示し、磁石棒の
長手方向にらせん状に配置されている。なお、同図の上
部に示す長方形は磁石棒の平面図で下部に示す円が磁石
棒の断面図である。
【0036】磁力線は矢印12で示す位置にくる。そし
て、磁石棒を隣接する磁石棒間で互いに反対向きになる
ように回転すると、矢印10で示すエロージョンエリア
は磁石棒3−1〜3−3の長さ方向に移動する。なお、
磁石棒間の方向の膜厚分布は磁石棒内のらせんのピッチ
P’と磁石棒の間隔で調整する。また、図10に示した
構成においては、エロージョンエリア10のループが磁
石棒上のN極およびS極上に複数個発生するが、これら
ループは接続しているのでプラズマ中の電子は各ループ
間を出入りし、均一な膜厚分布が得られる。
【0037】図11は本発明の第5実施例の説明図であ
って、前記図10で説明した磁極のらせん配置におい
て、隣接する磁石棒間の磁極を同極とした構成である。
同図において、エロージョンエリアは、磁石棒3−1を
左回転,3−2を右回転,3−3を左回転,・・のよう
に、互いに異なる回転方向をとることにより、図の下か
ら上に順次移動していく。なお、第11図では、これら
横方向につながるエロージョンエリア同士をつないで1
つの閉じたループを作るため、磁石棒3−1,3−2,
3−3の配列方向の右端と左端にループ形成用の磁石6
−7,6−8,6−9を配置している。
【0038】この実施例によれば、ターゲットの広い領
域にエロージョンエリアを分布させてターゲットの局部
的消耗を抑制し、また基板に形成され膜厚を均一化する
ことができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ターゲット面に対し、エロージョンエリアを少なくとも
その面積の略々半分までとれ、また基板を固定してスパ
ッタ処理でき、エロージョンエリアは基板面積の略々半
分までとることができる。すなわち、エロージョンエリ
アが基板の1/3程度の従来の移動式スパッタ装置に較
べて、スパッタ速度を略々50%向上できる。
【0040】また、本発明によれば、ターゲット裏面に
当該ターゲット面と平行な軸の廻りに回転する磁石を埋
め込んだ複数の磁石棒丸棒を設けてプラズマをターゲツ
ト表面に閉じ込めることによって、エロージョンエリア
をターゲットの広い領域にわたって移動させることがで
き、被成膜対称である基板の移動,あるいは回転機構を
設けることなく均一な膜厚分布を得ることが可能とな
る。
【0041】また、磁石棒の回転機構をスパッガンの側
面に設置可能であるので、スパッタガンを薄型に作るこ
とができる。そして、上記エロージョンエリアがターゲ
ツト状を動くのでターゲットの寿命が長くなり、ターゲ
ツトの交換頻度を低減でき、スパッタ装置の稼動率を向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるマグネトロンスパッタ装置の第1
実施例の構成を説明する概略斜視図である。
【図2】ターゲットと磁界発生手段の位置関係を示す図
1のA方向からみた模式図である。
【図3】図2の矢印B方向からみたターゲットと磁界発
生手段の位置関係を示す模式図である。
【図4】図2に示した複数の磁石棒を図面内に対し垂直
な回転軸を中心として45度右回転した状態の説明図で
ある。
【図5】磁石棒を図4の状態から右側にさらに45度回
転した状態の説明図である。
【図6】本発明によるマグネトロンスパッタ装置の第2
実施例の説明図であって、図2における磁石棒の配列を
ターゲット側からみたときの磁極の分布に対応する説明
図である。
【図7】図6で示した磁石棒の配列を90度回転したと
きのターゲット側からみた磁極の分布の説明図である。
【図8】本発明によるマグネトロンスパッタ装置の第3
実施例の磁石棒の配置の説明図である。
【図9】図8の状態から磁石棒を回転された状態の説明
図である。
【図10】本発明によるマグネトロンスパッタ装置の第
4実施例の説明図である。
【図11】本発明によるマグネトロンスパッタ装置の第
5実施例の説明図である。
【図12】従来技術によるマグネトロンスパッタ装置の
要部構成を説明する模式図である。
【符号の説明】
1・・・・ターゲット、2・・・・スパッタガン容器、
3・・・・磁界発生手段、3・・・・磁石棒、4・・・
・電力ケーブル、5・・・・冷却媒体循環パイプ、6・
・・・ガス導入パイプ、7・・・・基板。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被成膜基板と、 前記被成膜基板に所定の間隔で対向配置したターゲット
    と、 前記ターゲットの前記被成膜基板とは反対側に配置され
    て前記ターゲットの表面に沿って磁界を形成し、ガスプ
    ラズマを前記ターゲット表面に閉じ込めると共に、前記
    ターゲットの表面に形成される磁界のパターンを所定方
    向に順送する磁界発生手段とを備え、 前記被成膜基板に前記ガスプラズマを作用させることよ
    り前記被成膜基板の表面に所定の薄膜を生成することを
    特徴とするマグネトロンスパッタ装置。
  2. 【請求項2】被成膜基板と、 前記被成膜基板に所定の間隔で対向配置したターゲット
    と、 前記ターゲットの前記被成膜基板とは反対側に配置され
    て前記ターゲットの表面に沿って磁界を形成し、ガスプ
    ラズマを前記ターゲット表面に閉じ込めると共に、前記
    ターゲットの表面に形成される磁界のパターンを所定方
    向に順送する平行配置された複数の磁石棒を備えてな
    り、 前記複数の磁石棒は、N極とS極とがその直径方向の対
    向表面にその長手方向と平行に同磁極の各配列を有し、
    その長手方向中心軸を回転軸として前記ターゲットの面
    と平行な面で回転することを特徴とするマグネトロンス
    パッタ装置。
  3. 【請求項3】被成膜基板と、 前記被成膜基板に所定の間隔で対向配置したターゲット
    と、 前記ターゲットの前記被成膜基板とは反対側に配置され
    て前記ターゲットの表面に沿って磁界を形成し、ガスプ
    ラズマを前記ターゲット表面に閉じ込めると共に、前記
    ターゲットの表面に形成される磁界のパターンを所定方
    向に順送する平行配置された複数の磁石棒を備えてな
    り、 前記複数の磁石棒は、N極とS極とがその直径方向の対
    向表面にその長手方向に関してらせん状の同磁極の各配
    列を有し、その長手方向中心軸を回転軸として前記ター
    ゲットの面と平行な面で回転することを特徴とするマグ
    ネトロンスパッタ装置。
  4. 【請求項4】被成膜基板と、 前記被成膜基板に所定の間隔で対向配置したターゲット
    と、 前記ターゲットの前記被成膜基板とは反対側に配置され
    て前記ターゲットの表面に沿って磁界を形成し、ガスプ
    ラズマを前記ターゲット表面に閉じ込めると共に、前記
    ターゲットの表面に形成される磁界のパターンを所定方
    向に順送する磁界発生手段と、 前記磁界発生手段からの磁界に閉磁路を与えるためのた
    の磁界発生手段とを備え、 前記被成膜基板に前記ガスプラズマを作用させることよ
    り前記被成膜基板の表面に所定の薄膜を生成することを
    特徴とするマグネトロンスパッタ装置。
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