JPH05148538A - 強化リングの製造方法 - Google Patents
強化リングの製造方法Info
- Publication number
- JPH05148538A JPH05148538A JP33603391A JP33603391A JPH05148538A JP H05148538 A JPH05148538 A JP H05148538A JP 33603391 A JP33603391 A JP 33603391A JP 33603391 A JP33603391 A JP 33603391A JP H05148538 A JPH05148538 A JP H05148538A
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- Japan
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- ring
- heat
- treatment
- subjected
- heat treatment
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高強度,高耐力なる金属製強化リングを製造
する方法を提供する。 【構成】 ニッケルとクロムを成分主体とする耐熱性金
属材料を素材としてリング1を成形し、該リング1を均
一固溶体になるような温度に加熱することにより溶体化
熱処理し、その後該リング1を機械的に拡径して2〜1
0%の冷間歪をリング1全体に均一に加え、さらにその
後に該リング1に時効熱処理をしてそのオーステナイト
地にγ´相を折出硬化させてなる。
する方法を提供する。 【構成】 ニッケルとクロムを成分主体とする耐熱性金
属材料を素材としてリング1を成形し、該リング1を均
一固溶体になるような温度に加熱することにより溶体化
熱処理し、その後該リング1を機械的に拡径して2〜1
0%の冷間歪をリング1全体に均一に加え、さらにその
後に該リング1に時効熱処理をしてそのオーステナイト
地にγ´相を折出硬化させてなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高強度,高耐力なる金
属製強化リングの製造方法に関するものである。
属製強化リングの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば電動機のローターコアの押えに使
用する金属製リングには耐熱性と高強度,高耐力が要求
される。従来このような金属製リングを製造するに際し
ては、例えばクロムとニッケルを成分主体する耐熱性金
属材料を素材とする棒材を環状に曲げてその両端を溶接
で接合することでリングを成形し、該リングの溶接部を
均質にするため該リングが均一固溶体となるような温度
に加熱し1時間程その温度を保持して急冷することによ
り溶体化熱処理し、次いでこのリングを真円度を付与す
るために矯正治具にセットして1%以下の変形率にて矯
正し、しかる後リングを再度加熱し16時間かけて時効
熱処理をすることによりオーステナイト地にγ´相を折
出硬化させ必要な機械的強度を得るようにしている。
用する金属製リングには耐熱性と高強度,高耐力が要求
される。従来このような金属製リングを製造するに際し
ては、例えばクロムとニッケルを成分主体する耐熱性金
属材料を素材とする棒材を環状に曲げてその両端を溶接
で接合することでリングを成形し、該リングの溶接部を
均質にするため該リングが均一固溶体となるような温度
に加熱し1時間程その温度を保持して急冷することによ
り溶体化熱処理し、次いでこのリングを真円度を付与す
るために矯正治具にセットして1%以下の変形率にて矯
正し、しかる後リングを再度加熱し16時間かけて時効
熱処理をすることによりオーステナイト地にγ´相を折
出硬化させ必要な機械的強度を得るようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来の強化
リングの製造方法は、例えば0.2%耐力(0.2%引
伸ばすに必要な力)を恒常的に80kgf/mm2 以上
にすることができず、このためさらに機械的強度を改善
することが望まれていた。
リングの製造方法は、例えば0.2%耐力(0.2%引
伸ばすに必要な力)を恒常的に80kgf/mm2 以上
にすることができず、このためさらに機械的強度を改善
することが望まれていた。
【0004】また、時効熱処理に必要な時間も長いため
に生産性が悪く製造コストもかかる欠点があった。
に生産性が悪く製造コストもかかる欠点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の強化リングの製
造方法は上記課題を解決しようとするもので、ニッケル
とクロムを成分主体とする耐熱性金属材料を素材として
リングを成形し、該リングを均一固溶体になるような温
度に加熱することにより溶体化熱処理し、その後該リン
グを機械的に拡径して2〜10%の冷間歪をリング全体
に均一に加え、さらにその後に該リングに時効熱処理を
してそのオーステナイト地にγ´相等を折出硬化させて
なることを特徴としたものである。
造方法は上記課題を解決しようとするもので、ニッケル
とクロムを成分主体とする耐熱性金属材料を素材として
リングを成形し、該リングを均一固溶体になるような温
度に加熱することにより溶体化熱処理し、その後該リン
グを機械的に拡径して2〜10%の冷間歪をリング全体
に均一に加え、さらにその後に該リングに時効熱処理を
してそのオーステナイト地にγ´相等を折出硬化させて
なることを特徴としたものである。
【0006】
【作用】溶体化熱処理した後のリングを拡径して2〜1
0%冷間歪を生じさせ、時効熱処理をすることで時効硬
化を促進し機械的強度をさらに向上させる。
0%冷間歪を生じさせ、時効熱処理をすることで時効硬
化を促進し機械的強度をさらに向上させる。
【0007】
【実施例】次に本発明の実施例をオーステナイト系耐熱
鋼について説明する。オーステナイ系耐熱鋼はニッケル
とクロムを成分主体とするもので、その1種である金属
記号SUH660の化学成分は表1に示したとおりであ
る。
鋼について説明する。オーステナイ系耐熱鋼はニッケル
とクロムを成分主体とするもので、その1種である金属
記号SUH660の化学成分は表1に示したとおりであ
る。
【表1】
【0008】上記組成の金属材料よりリング1を成形す
る。成形方法としては上記金属材料の棒材を環状に折り
曲げてその両端を溶接により接合するようにするか、或
いはブランクから熱間鋳造により成形するようにしても
よい。
る。成形方法としては上記金属材料の棒材を環状に折り
曲げてその両端を溶接により接合するようにするか、或
いはブランクから熱間鋳造により成形するようにしても
よい。
【0009】こうして成形したリング1を均一な固溶体
になるような温度980〜982℃に加熱し1時間保持
した後空冷することにより溶体化熱処理をして組織を均
質にする。
になるような温度980〜982℃に加熱し1時間保持
した後空冷することにより溶体化熱処理をして組織を均
質にする。
【0010】次にこのリング1を図2,図3に示したよ
うな拡径機2(エキスパンダー)を使用して機械的に拡
径し、2〜10%の冷間歪をリング全体に均一に加え
る。即ち、このエキスパンダーはテーブル6上にリング
1に内接する数個の扇形駒3とさらに該扇形駒3に内接
するテーパ状の内周面を有する数個の扇形駒4が同心状
に配置され、該扇形駒4中にコーン5を圧入することに
より該扇形駒4,扇形駒3が外方に押し出され、該扇形
駒3の外周に嵌合されたリング1を拡径させる。なおこ
のエキスパンダーにて2〜10%の均一な拡径をするに
は10分間程度の時間を費し除々にコーンを押圧してゆ
くのがよい。
うな拡径機2(エキスパンダー)を使用して機械的に拡
径し、2〜10%の冷間歪をリング全体に均一に加え
る。即ち、このエキスパンダーはテーブル6上にリング
1に内接する数個の扇形駒3とさらに該扇形駒3に内接
するテーパ状の内周面を有する数個の扇形駒4が同心状
に配置され、該扇形駒4中にコーン5を圧入することに
より該扇形駒4,扇形駒3が外方に押し出され、該扇形
駒3の外周に嵌合されたリング1を拡径させる。なおこ
のエキスパンダーにて2〜10%の均一な拡径をするに
は10分間程度の時間を費し除々にコーンを押圧してゆ
くのがよい。
【0011】次にこのリング1に時効熱処理をすること
によりそのオーステナイト地にγ´相[Ni3(Ti,
Al)]を折出硬化させる。表2に上記リング1のEX
P率(拡径率=歪率)を種々異ならしめると共に、エー
ジング条件(時効熱処理温度および保持時間)を温度7
18℃とし保持時間を1時間乃至16時間として製造し
たNo1〜No6の各リングについてその機械的性質を
列挙した。
によりそのオーステナイト地にγ´相[Ni3(Ti,
Al)]を折出硬化させる。表2に上記リング1のEX
P率(拡径率=歪率)を種々異ならしめると共に、エー
ジング条件(時効熱処理温度および保持時間)を温度7
18℃とし保持時間を1時間乃至16時間として製造し
たNo1〜No6の各リングについてその機械的性質を
列挙した。
【表2】
【0012】表2に示したNo1のリングはEXP率
(冷間歪)を夫々2.5%とし、718℃,16時間の
エージング条件で時効熱処理を行なったものである。ま
た、No2のリングはEXP率を5.0%とし、No1
と同条件で時効熱処理をしたもの,No3はEXP率を
さらに8.0%に増し同条件で時効熱処理をしたもので
ある。これら本発明に係るNo1〜No3のリングはN
o6に示した従来のEXP率1.0%のものに比べてブ
リネル硬さには差異はないものの0.2%耐力に顕著な
差異が認められ、本発明より高耐力のリングが製造され
ることが判明した。また本発明は伸び率も少なく高強度
であることが認められた。
(冷間歪)を夫々2.5%とし、718℃,16時間の
エージング条件で時効熱処理を行なったものである。ま
た、No2のリングはEXP率を5.0%とし、No1
と同条件で時効熱処理をしたもの,No3はEXP率を
さらに8.0%に増し同条件で時効熱処理をしたもので
ある。これら本発明に係るNo1〜No3のリングはN
o6に示した従来のEXP率1.0%のものに比べてブ
リネル硬さには差異はないものの0.2%耐力に顕著な
差異が認められ、本発明より高耐力のリングが製造され
ることが判明した。また本発明は伸び率も少なく高強度
であることが認められた。
【0013】また、表2のNo4およびNo5のリング
は、EXP率8%で保持時間を夫々1時間,3時間に短
縮して時効熱処理したリングについてその機械的性質を
示したものであるが、このようにEXP率を8%とした
場合、保持時間を大幅に短縮させても機械的性質は従来
より大幅に改善される。
は、EXP率8%で保持時間を夫々1時間,3時間に短
縮して時効熱処理したリングについてその機械的性質を
示したものであるが、このようにEXP率を8%とした
場合、保持時間を大幅に短縮させても機械的性質は従来
より大幅に改善される。
【0014】なお、この実施例では表1に示したオース
テナイト系耐熱鋼を素材としたものについて説明した
が、表3に示した折出硬化系ステンス鋼(SUS63
0)を素材とすることもできる。また、折出物もγ´相
に限らず、他のものでもよい。
テナイト系耐熱鋼を素材としたものについて説明した
が、表3に示した折出硬化系ステンス鋼(SUS63
0)を素材とすることもできる。また、折出物もγ´相
に限らず、他のものでもよい。
【表3】
【0015】
【発明の効果】このように本発明の強化リングの製造方
法は、時効熱処理を行う前に該リングを拡径して2〜1
0%の大幅な冷間歪をリング全体に均一に加えることに
よってオーステナイト地にγ´相等を微細に折出させる
ことによって高強度なリングが製造でき、あるいは時効
処理時間を短縮することができる効果がある。
法は、時効熱処理を行う前に該リングを拡径して2〜1
0%の大幅な冷間歪をリング全体に均一に加えることに
よってオーステナイト地にγ´相等を微細に折出させる
ことによって高強度なリングが製造でき、あるいは時効
処理時間を短縮することができる効果がある。
【図1】本発明の強化リングの製造方法の行程図。
【図2】本発明の一実施例を示す拡径機の斜視図。
【図3】図2の縦断面図。
1 リング 2 拡径機
Claims (1)
- 【請求項1】 ニッケルとクロムを成分主体とする耐熱
性金属材料を素材としてリングを成形し、該リングを均
一固溶体になるような温度に加熱することにより溶体化
熱処理し、その後該リングを機械的に拡径して2〜10
%の冷間歪をリング全体に均一に加え、さらにその後に
該リングに時効熱処理をしてそのオーステナイト地にγ
´相等を折出硬化させてなることを特徴とした強化リン
グの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33603391A JPH05148538A (ja) | 1991-11-26 | 1991-11-26 | 強化リングの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33603391A JPH05148538A (ja) | 1991-11-26 | 1991-11-26 | 強化リングの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05148538A true JPH05148538A (ja) | 1993-06-15 |
Family
ID=18295013
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33603391A Pending JPH05148538A (ja) | 1991-11-26 | 1991-11-26 | 強化リングの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05148538A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002173712A (ja) * | 2000-12-05 | 2002-06-21 | Honda Motor Co Ltd | 金属リングの熱処理方法 |
-
1991
- 1991-11-26 JP JP33603391A patent/JPH05148538A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002173712A (ja) * | 2000-12-05 | 2002-06-21 | Honda Motor Co Ltd | 金属リングの熱処理方法 |
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