JPH05148429A - 発泡性熱硬化型粉体塗料用樹脂組成物及びそれを用いた樹脂発泡体被覆物 - Google Patents

発泡性熱硬化型粉体塗料用樹脂組成物及びそれを用いた樹脂発泡体被覆物

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JPH05148429A
JPH05148429A JP33612291A JP33612291A JPH05148429A JP H05148429 A JPH05148429 A JP H05148429A JP 33612291 A JP33612291 A JP 33612291A JP 33612291 A JP33612291 A JP 33612291A JP H05148429 A JPH05148429 A JP H05148429A
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vinyl
powder coating
group
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resin composition
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JP33612291A
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Mitsuyuki Mashita
光行 間下
Yoshiro Matsubara
義朗 松原
Tatsuo Kawashima
辰雄 川島
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】(A)ビニルエーテル化合物、ビニルチオエー
テル化合物又はビニル型二重結合をもつS又はOをヘテ
ロ原子とする複素環式化合物でブロックされたカルボキ
シル基を有するビニル系モノマー単位5〜80重量%と
該(A)単位に対するモル比が0.5〜2.0の(B)グ
リシジル基やβ−ヒドロキシアミド基含有ビニル系モノ
マー単位と(C)その他ビニル系モノマー単位とを含
む、ガラス転移温度40〜150℃、重量平均分子量2
000〜50000の樹脂成分を含有する発泡性熱硬化
型粉体塗料用樹脂組成物、及びこれを被塗物表面に粉体
塗装し、加熱発泡硬化させた樹脂発泡体被覆物。 【効果】発泡性、硬化性、貯蔵安定性に優れ、各種材料
表面上に発泡膜を付与する塗料材料として好適な樹脂組
成物が得られ、またこれを用いた発泡体被覆物は断熱性
や吸音性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な発泡性熱硬化型粉
体塗料用樹脂組成物及びそれを用いた樹脂発泡体被覆物
に関するものである。さらに詳しくいえば、本発明は、
優れた発泡性と硬化性とを有し、例えば各種金属、プラ
スチック、あるいは建築材料表面上に発泡膜を付与する
塗料材料として好適な発泡性熱硬化型粉体塗料用樹脂組
成物、及びこのものを用いて得られた良好な断熱特性や
吸音性などを有する樹脂発泡体被覆物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】断熱特性や吸音特性の向上を目的とし
て、金属あるいは建築材料表面に樹脂発泡体やゴム発泡
体、ロックウール、ガラスウールなどを被覆する技術は
熱効率改善や騒音防止の手法として一般的に広く用いら
れている。しかしながら、このような従来の被覆技術に
おいては、表面形状の複雑な部分に対しては極めて施工
しにくいという問題があり、したがって、このような問
題を解決するため、粉体塗料に固体の熱分解型発泡剤を
配合した発泡性粉体塗料を塗装し、加熱発泡硬化させる
ことが試みられている(特開昭51−57770号公
報、特開昭55−13749号公報、特公平3−938
65号公報)。この場合、断熱特性や吸音特性などに優
れる均質な発泡状態を示す粉体塗料を得るには、熱分解
型発泡剤を粉体塗料中に均一に分散させることが必要で
ある。しかしながら、常温で固体の粉体塗料に該発泡剤
を均一に分散させるには、単なる機械的混合では全く不
十分であり、したがって、通常粉体塗料用固体樹脂と熱
分解型発泡剤とを予備混合したのち、加熱して溶融させ
ながら分散させる溶融混練法が用いられているが、この
方法においては実質的な分散時間は数十秒程度であるた
め、十分に均質に分散したものが得られにくい上、加熱
工程を必要とすることから、低温分解型発泡剤を用いる
ことができず、高温分解型発泡剤を使用せざるをえず、
その結果発泡に180〜200℃の高温を必要とする発
泡性粉体塗料しか得られないなどの欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、優れた発泡性と硬化性とを有し、比較的
低温の硬化条件にて被塗物表面上に耐水性や耐溶剤性に
優れる熱硬化性樹脂発泡体塗膜を容易に形成しうる上、
貯蔵安定性の良好な発泡性熱硬化型粉体塗料用樹脂組成
物、及びこのものを用いて得られた樹脂発泡体被覆物を
提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定のビニル系
共重合体又は2種以上のビニル系重合体から成る特定の
樹脂混合物がそれ自体優れた発泡性と硬化性を有し、こ
れらを含有する樹脂組成物は熱分解型発泡剤を用いなく
ても、比較的低温の硬化条件で耐水性や耐溶剤性に優れ
る熱硬化性樹脂発泡体塗膜を容易に形成することがで
き、しかも貯蔵安定性が良好であることを見い出し、こ
の知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、樹脂成分として、ガラス転移温度40〜
150℃及び重量平均分子量2000〜50000のビ
ニル系共重合体単独、又は2種以上のビニル系重合体か
ら成るガラス転移温度40〜150℃及び重量平均分子
量2000〜50000の樹脂混合物を含有するもので
あって、該樹脂成分が、(A)一般式
【0005】
【化2】
【0006】(式中のR1、R2、R3、R4、R5、R6
びR7はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜18の有機
基、R8は炭素数1〜18の有機基であって、R7及びR
8はたがいに結合してYをヘテロ原子とする複素環を形
成していてもよく、Yは酸素原子又はイオウ原子、kは
0又は1である)で表されるビニル系モノマーの単位5
〜80重量%と、該(A)単位に対するモル比が0.5
〜2.0の(B)グリシジル基含有ビニル系モノマー単
位及び/又はβ−ヒドロキシアルキルアミド基含有ビニ
ル系モノマー単位と、(C)その他のビニル系モノマー
単位とを含有することを特徴とする発泡性熱硬化型粉体
塗料用樹脂組成物、及び被塗物表面に、前記の発泡性熱
硬化型粉体塗料用樹脂組成物を粉体塗装し、加熱発泡硬
化させてから成る樹脂発泡体被覆物を提供するものであ
る。以下、本発明を詳細に説明する。本発明組成物の樹
脂成分において、(A)単位を形成する一般式
【0007】
【化3】
【0008】(式中のR1ないしR8、Y及びkは前記と
同じ意味をもつ)で表されるビニル系モノマーは、一般
【0009】
【化4】
【0010】(式中のR1、R2、R3、R4及びkは前記
と同じ意味をもつ)で表される一分子中にビニル基とカ
ルボキシル基とを併用する化合物と、一般式
【0011】
【化5】
【0012】(式中のR5、R6、R7、R8及びkは前記
と同じ意味をもつ)で表されるビニルエーテル化合物、
ビニルチオエーテル化合物、あるいは酸素原子又はイオ
ウ原子をヘテロ原子とするビニル型二重結合をもつ複素
環式化合物とを、通常酸性触媒の存在下、室温ないし1
00℃の範囲の温度において反応させることにより、容
易に製造することができる。前記一般式[1]における
1ないしR7、一般式[2]におけるR1ないしR4及び
一般式[3]におけるR5ないしR7は、それぞれ水素原
子又は炭素数1〜18のアルキル基、アリール基、アル
カリール基などの有機基、一般式[1]及び[3]にお
けるR8は炭素数1〜18のアルキル基、アリール基、
アルカリール基などの有機基であって、これらの有機基
は適当な置換基を有していてもよく、また、R7とR
8は、たがいに結合してYをヘテロ原子とする置換基を
有しない又は有する複素環を形成していてもよい。
【0013】前記一般式[2]で表される一分子中にビ
ニル基とカルボキシル基とを併有する化合物としては、
例えばメタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、イタコ
ン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステ
ル、フマル酸、フマル酸モノエステル、2−メタクリロ
イルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシ
エチルフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク
酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸などが挙げ
られる。一方、前記一般式[3]で表されるビニルエー
テル化合物、ビニルチオエーテル化合物及びビニル型二
重結合を有する複素環式化合物としては、好ましくは炭
素数12以下のもの、例えばメチルビニルエーテル、エ
チルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イ
ソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテ
ル、イソブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテ
ル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシ
ルビニルエーテルなどの脂肪族ビニルエーテル化合物、
これらに対応する脂肪族ビニルチオエーテル化合物、
2,3−ジヒドロフラン、3,4−ジヒドロフラン、2,
3−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2H
−ピラン、3,4−ジヒドロ−2−メトキシ−2H−ピ
ラン、3,4−ジヒドロ−4,4−ジメチル−2H−ピラ
ン−2−オン、3,4−ジヒドロ−2−エトキシ−2H
−ピラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−カル
ボン酸ナトリウムなどの環状ビニルエーテル化合物及び
これらに対応する環状ビニルチオエーテル化合物などが
挙げられる。
【0014】前記一般式[2]で表される一分子中にビ
ニル基とカルボキシル基とを併有する化合物として、例
えばメタクリル酸を用いた場合、一般式[1]で表され
るビニル系モノマーの具体例としては、1−エトキシエ
チルメタクリレート、1−プロポキシエチルメタクリレ
ート、1−イソブトキシエチルメタクリレート、1−シ
クロヘキシルオキシエチルメタクリレート、1−(2−
エチルヘキシルオキシ)エチルメタクリレート、テトラ
ヒドロピラニルメタクリレートなどが挙げられる。これ
らのビニル系モノマーは1種用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。また、本発明組成物にお
いて、前記(B)単位を形成するビニル系モノマーは、
一分子中にビニル基とグリシジル基とを併有する化合物
及び/又は一分子中にビニル基とβ−ヒドロキシアルキ
ルアミド基とを併用する化合物であって、前者の一分子
中にビニル基とグリシジル基とを併用する化合物として
は、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレート、β−メチルグリシジルアクリレート、β−メ
チルグリシジルメタクリレートなどの(メタ)アクリル
酸のグリシジルエステル類、アリルアルコールの(メチ
ル)グリシジルエーテル類、メタリルアルコールの(メ
チル)グリシジルエーテル類、N−グリシジルアクリル
酸アミド、ビニルスルホン酸グリシジルなどが挙げら
れ、後者の一分子中にビニル基とβ−ヒドロキシアルキ
ルアミド基とを併有する化合物としては、例えばN−
(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒ
ドロキシエチル)メタクリルアミド、N,N−ジ(2−
ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N,N−ジ(2−
ヒドロキシエチル)メタアクリルアミドなどが挙げられ
る。これらのビニル系モノマーは1種用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0015】さらに、本発明組成物において、前記
(C)単位を形成するビニル系モノマーは、前記(A)
単位及び(B)単位を形成するビニル系モノマー以外の
分子中にビニル基を有する化合物であって、このような
ものとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アク
リレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブ
チル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリ
レート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テ
トラシクロドデシル(メタ)アクリレート、ノルボルニ
ル(メタ)アクリレートなどの反応性官能基をもたない
(メタ)アクリル酸のエステル類、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート及びそれらのε−カプロラクトン付加体などの
水酸基をもつ(メタ)アクリル酸のエステル類、(メ
タ)アクリルアミド、アルコキシメチル(メタ)アクリ
ルアミドなどの(メタ)アクリル酸アミド類、あるいは
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、フマ
ル酸ジアルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステ
ル、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、塩化ビニルなどのエチレン性不飽和モノマ
ーが挙げられる。これらのビニル系モノマーは1種用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0016】本発明組成物においては、樹脂成分とし
て、前記(A)単位と(B)単位と(C)単位とから成
るビニル系共重合体単独を用いてもよいし、2種以上の
ビニル系単独重合体及び/又はビニル系共重合体から成
る前記(A)単位と(B)単位と(C)単位とを含有す
る樹脂混合物を用いてもよいが、樹脂成分中の該(A)
単位の含有量は5〜80重量%の範囲にあることが必要
である。この量が5重量%未満では発泡性が不十分であ
るし、80重量%を超えると熱硬化性に劣り、塗膜性能
が低下する。また、該(A)単位に対する(B)単位の
モル比は0.5〜2.0の範囲にあることが必要であり、
このモル比が前記範囲を逸脱すると硬化性が不十分とな
り、塗膜性能が低下する。
【0017】さらに、該樹脂成分は、ガラス転移温度が
40〜150℃の範囲にあることが必要であり、このガ
ラス転移温度が40℃未満では粉体塗料としての安定性
が極めて悪く、ブロッキングなどを起こし、粉体を安定
して維持することができないし、150℃を超えると溶
融粘性が高すぎるため、硬化時のレベリング性が低下
し、均質で平滑な発泡膜が形成されにくくなる。さら
に、該樹脂成分は、重量平均分子量が2000〜500
00の範囲にあることが必要であり、この重量平均分子
量が2000未満では塗膜の硬化性が不十分で、強度や
耐溶剤性などの塗膜性能が劣るし、50000を超える
と溶融粘性が高くなりすぎて硬化時のレベリング性が低
下し、均質で平滑な発泡膜が得られにくくなる。この樹
脂成分の製造方法については特に制限はなく、公知の溶
液重合法、溶融重合法、乳化重合法、懸濁重合法、分散
重合法、放射線重合法など任意の重合法を用いることが
できる。
【0018】本発明組成物における発泡及び硬化のメカ
ニズムについては次のように説明することができる。す
なわち、硬化のための加熱により、まず樹脂成分中の
(A)単位がビニル(チオ)エーテルとカルボン酸とに
熱解離し、この熱解離によって生成したカルボン酸がた
だちにグリシジル基やβ−ヒドロキシアルキルアミド基
と反応して硬化を開始するとともに、熱解離によって生
成したビニル(チオ)エーテルは硬化温度がその沸点以
上の場合、ただちに気化し、硬化過程にある膜中におい
て気泡化し、発泡膜となる。本発明の樹脂組成物は、こ
のように発泡と硬化とを同時に起こし、極めて効率よく
発泡膜を形成することができる。本発明組成物は、従来
粉体塗料に慣用されている各種塗料用添加成分を、必要
に応じ1種又は2種以上含有させ、粉体塗料として実用
に供せられる。該添加成分としては、例えばアクリル樹
脂、ポリエステル、ポリアミドなどの各種樹脂、有機顔
料や無機顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、
ワキ防止剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、可塑
剤、流動調整剤などが用いられる。
【0019】本発明の樹脂組成物を用いて発泡性粉体塗
料を調製するには、加熱ロール、エクストルーダーなど
の溶融混練機を用いたいわゆる乾式法の他に、該樹脂組
成物の高い熱安定性を利用した湿式法が適用可能であ
る。すなわち、樹脂成分中の(A)単位がビニル(チ
オ)エーテルとカルボン酸とに熱解離する温度までは硬
化反応が全く進行しない特徴を利用して、120℃以下
の沸点を有する溶剤中で、所要の樹脂を溶液重合したの
ち、前記塗料用添加成分を加え、サンドミル、ボールミ
ル、ロールミルなどの湿式分散機を用いて分散させ、次
いで減圧蒸留又は薄膜蒸留により溶剤を留去後、粉砕し
て直接粉体塗料化することが可能である。この湿式法を
採用することにより、粉体塗料製造時の工程数やコスト
を大幅に削減できるとともに、品質の安定化が図れる。
このようにして得られた粉体塗料を、静電塗装法や流動
浸漬法などの公知の方法によって被塗物の表面に塗装
し、通常140〜180℃の温度で5分間ないし2時間
程度焼付けることにより、十分に硬化した発泡膜を得る
ことができる。
【0020】
【実施例】次に、実施例により発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。なお、塗膜性能は次のようにして評価し
た。 (1)発泡性 光学顕微鏡にて焼付け後の塗膜を観察し、以下の基準で
評価した。 ○:発泡体が独立気泡であり、その直径が100ミクロ
ン未満である。 △:発泡体が連続気泡か、又はその直径が100ミクロ
ン以上である。 ×:発泡性なし。 (2)発泡倍率 次式により算出した。 発泡倍率=発泡体の膜厚/未発泡体の膜厚 (3)耐溶剤性 キシレンを浸したネルで硬化塗膜を10回ラビングし、
塗膜状態の変化を以下の基準で評価した。 ○:塗膜に変化なし。 △:塗膜白化。 ×:塗膜溶解。 (4)耐水性 硬化塗膜を20℃の水中に24時間浸せきし、塗膜状態
の変化を以下の基準で評価した。 ○:塗膜に変化なし。 △:塗膜白化。 ×:塗膜軟化。 (5)貯蔵安定性 粉体塗料を30℃で30日間貯蔵し、塗料状態の変化を
評価する。 ○:変化なし。 △:塗料凝集。 ×:塗料ブロッキング。
【0021】製造例1〜9 温度計、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管を備えた反
応容器中に酢酸エチルを第1表に記載された量仕込み、
窒素ガスで反応容器内の空気を置換し、撹拌しながら加
熱還流させた。そこに第1表に示す種類と量のモノマー
混合物を2時間にわたって滴下しながら加え、さらに還
流下で30分保持したのち、第1表に示す種類と量の追
加触媒成分を加え、還流状態にて2時間残モノマーの重
合を行い、重合を完結させた。次に、減圧下で酢酸エチ
ルを留去することにより固体化し、微粉砕した後に減圧
乾燥を行い、残留溶剤を除去して、それぞれ第1表に示
す樹脂組成と特性値を有する粉体塗料を得た。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】製造例10 別々に合成した製造例8と製造例9の樹脂溶液を同量混
合して十分に撹拌したのち、減圧下で酢酸エチルを留去
することにより固体化し、微粉砕したのちに減圧乾燥を
行い、残留溶剤を除去して、製造例10の粉体塗料を得
た。 製造例11 製造例9で得た粉体塗料用樹脂と、1,12−ドデカン
ジカルボン酸とをグリシジル基とカルボキシル基が当モ
ルになるように混合し、エクストルーダーにて80℃で
溶融混練したあと粉砕し、製造例11の粉体塗料を得
た。
【0025】実施例1 製造例1で得られた粉体塗料を150メッシュのふるい
で分級したのち、粉体塗料用静電スプレー塗装機を用い
て、厚さ0.3mmのブリキ板上に塗装し、160℃で3
0分間焼付けて硬化させ、塗膜性能試験板を得た。得ら
れた発泡膜は気泡径100μm以下の独立気泡より構成
され、その気泡倍率は2.5〜3.0倍であり良好な発泡
性を示した。またこの発泡膜はキシレンラビングによる
耐溶剤性試験及び耐水性試験において十分な硬化性を示
した。一方、製造例1で得られた粉体塗料を30℃で1
か月間貯蔵した後もブロッキングすることなく、粉体塗
料として優れた貯蔵安定性を示した。 実施例2〜8 第2表に示す製造例番号に対応するそれぞれの粉体塗料
を実施例1と同様な方法で塗装し、第2表で示す硬化温
度で30分間焼付けて硬化させ塗膜性能試験板を得た。
次に、実施例1と同様な項目で塗膜性能を評価したとこ
ろ、いずれも実施例1と同様に優れた発泡性、硬化性及
び貯蔵安定性を示した。
【0026】比較例1 製造例8で得た粉体塗料を実施例1と同様な方法で塗装
し、160℃で30分間焼付けて塗膜性能試験板を得
た。次に、実施例1と同様な項目で塗膜性能を評価し
た。その結果、発泡性は示すが硬化性が全く認められな
かった。 比較例2 製造例9で得た粉体塗料を実施例1と同様な方法で塗装
し、160℃で30分間焼付けて塗膜性能試験板を得
た。次に、実施例1と同様な項目で塗膜性能を評価し
た。その結果、発泡性及び硬化性が全く認められなかっ
た。 比較例3 製造例11で得た粉体塗料を実施例1と同様な方法で塗
装し、160℃で30分間焼付けて塗膜性能試験板を得
た。次に、実施例1と同様な項目で塗膜性能を評価し
た。その結果、十分な硬化性は示すが発泡性は全く認め
られなかった。
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】第2表から明らかなように、本発明による
実施例1〜8は優れた発泡性、硬化性、貯蔵安定性を同
時に達成する。これに対し、樹脂成分が(A)単位のビ
ニル系モノマー単位のみしか含まない比較例1では、発
泡性は認められるものの、硬化性が認められず、耐溶剤
性及び耐水性などの塗膜性能が劣る。また、樹脂成分中
に、(B)単位のビニル系モノマー単位しか含まない比
較例2では発泡性、硬化性ともに認められない。さら
に、通常粉体塗料の硬化に用いられているカルボキシル
基とエポキシ基とから成る比較例3では、硬化性は認め
られるものの、(A)単位のビニル系モノマー単位が導
入されていないため、発泡性は全く認められない。
【0030】
【発明の効果】本発明の発泡性熱硬化型粉体塗料用樹脂
組成物は、発泡性及び硬化性が共に優れ、かつ良好な貯
蔵安定性を有し、例えば各種金属、プラスチック、ある
いは建築材料表面上に、発泡膜を付与する塗料材料とし
て好適に用いられる。また、この樹脂組成物を用いて得
られた発泡体被覆物は良好な断熱特性及び吸音性に優
れ、それらの性質が要求される各種用途に好適に使用さ
れる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂成分として、ガラス転移温度40〜1
    50℃及び重量平均分子量2000〜50000のビニ
    ル系共重合体単独、又は2種以上のビニル系重合体から
    成るガラス転移温度40〜150℃及び重量平均分子量
    2000〜50000の樹脂混合物を含有するものであ
    って、該樹脂成分が、(A)一般式 【化1】 (式中のR1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7はそれ
    ぞれ水素原子又は炭素数1〜18の有機基、R8は炭素
    数1〜18の有機基であって、R7及びR8はたがいに結
    合してYをヘテロ原子とする複素環を形成していてもよ
    く、Yは酸素原子又はイオウ原子、kは0又は1であ
    る)で表されるビニル系モノマーの単位5〜80重量%
    と、該(A)単位に対するモル比が0.5〜2.0の
    (B)グリシジル基含有ビニル系モノマー単位及び/又
    はβ−ヒドロキシアルキルアミド基含有ビニル系モノマ
    ー単位と、(C)その他のビニル系モノマー単位とを含
    有することを特徴とする発泡性熱硬化型粉体塗料用樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】被塗物表面に、請求項1記載の発泡性熱硬
    化型粉体塗料用樹脂組成物を粉体塗装し、加熱発泡硬化
    させて成る樹脂発泡体被覆物。
JP33612291A 1991-11-26 1991-11-26 発泡性熱硬化型粉体塗料用樹脂組成物及びそれを用いた樹脂発泡体被覆物 Pending JPH05148429A (ja)

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