JPH05148366A - シラザン重合体の製造方法及びシラザン重合体からセラミツク材料の製造方法 - Google Patents

シラザン重合体の製造方法及びシラザン重合体からセラミツク材料の製造方法

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JPH05148366A
JPH05148366A JP4129804A JP12980492A JPH05148366A JP H05148366 A JPH05148366 A JP H05148366A JP 4129804 A JP4129804 A JP 4129804A JP 12980492 A JP12980492 A JP 12980492A JP H05148366 A JPH05148366 A JP H05148366A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 セラミック材料の先駆体として有用な有機シ
ラザン重合体を提供することを目的とする。 【構成】 式 【化1】R1SiHCl2 [上式中、R1=Cl、H、C1ないしC4−アルキル又
はフェニルである]の少なくとも一種のオルガノクロロ
シランを不活性溶剤中でアンモニアと反応させてアンモ
ノリシス生成物を形成させ、このアンモノリシス生成物
を式 【化2】R3456+- [上式中、R3、R4、R5及びR6は相互に独立に1ない
し24炭素原子を有する有機残基であり、A-は脱プロ
トンを生起することができる塩基性陰イオンである]に
対応する塩基性触媒の存在において不活性溶剤中で重合
させて有機シラザン重合体を生成させ、触媒をその分解
温度以上の温度で不活性化することを特徴とする、シラ
ザン重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規有機シラザン重合
体、その製造方法及びこれらのシラザン重合体からセラ
ミック材料の製造に関する。
【0002】
【従来の技術】最近窒化ケイ素/炭化ケイ素を含むセラ
ミック材料の製造に大きな関心が持たれている。窒化ケ
イ素及び炭化ケイ素は化学的に不活性であること、極め
て硬度が高いこと及び非常な高温における安定性等の多
数の望ましい性質を有する。
【0003】有機シラザン重合体の窒化ケイ素/炭化ケ
イ素を含むセラミック材料への熱分解は文献中に度々
[K.J.ワイン(Wynne)及びR.W.ライス(Rice)、Ann. Rev.
Mater. Sci.14巻、(1984)、297−334
頁;D.セイファース(Seyferth)著、“Transformation o
f Organometallics into Common and Exotic Material
s:De-sign and Activation"R.M.レイン(Laine)編、マ
ーチナス ニジョフ(Martinus Nijhoff)社刊、(198
8)133−154頁]記載されている。
【0004】窒化ケイ素/炭化ケイ素を含むセラミック
材料の重合体先駆体はとりわけセラミック被覆及び−繊
維の製造に使用されており、及びセラミック及び金属粉
末からの成形体又はセラミック繊維の製造に際して結合
剤又はマトリックス材料として用いられている。
【0005】オルガノシラザンの製造には一般に出発材
料としてオルガノクロロシラザンが用いられ、それをア
ンモニア又は第一又は第二アミンと反応させている。こ
れらのアンモノリシスの生成物は、800ないし200
0℃の温度で熱分解される時にセラミックの収量が低い
ので、セラミック材料の先駆体としては適当な範囲が限
られている。従って熱分解から得られる収量がもっと高
いことを特徴とする有機シラザン重合体の製造に関し
て、特に下記に記載されている引用文献に見られるよう
に、多くの提案がなされている。
【0006】ドイツ特許DE−A2,218,960はク
ロロシランをアミン又はアンモニアと反応させ、次いで
高温に加熱することから成るSiC/Si34セラミッ
ク材料の製造方法を開示している。工程中にカルボシラ
ザン樹脂が生成する。次いでカルボシラザン樹脂を紡糸
し、不融解性として、800ないし2000℃の温度で
焼結する。しかしカルボシラザン樹脂の生成には520
ないし650℃の高温が必要であり、そのためこの方法
はシラザン重合体の工業的製造法としては余り魅力ある
ものではない。更にカルボシラザン樹脂はそれから生成
するセラミック材料の収率が僅かに約55重量%である
という欠点を有する。この文献に示された実際の応用例
においては、使用されたクロロシラザンはメチルトリク
ロロシラン及びジメチルジクロロシランだけであり、使
用されたアミンはメチルアミンだけである。
【0007】米国特許第4,482,669号は有機シラ
ザン重合体の製造方法を記載しており、該特許において
はアンモニアが下記一般式(I)
【0008】
【化4】 に対応するオルガノクロロシランと反応し、アンモノリ
シス生成物が形成される。このアンモノリシス生成物が
次いで塩基性触媒を用いて重合されてシラザン重合体を
生成する。この方法によって得られたシラザン重合体は
一般に不融解性の固体であるが、800ないし2000
℃の温度で熱分解されると高収率でセラミック材料を生
じる。
【0009】米国特許第4,720,532号はアンモニ
アが一般式(I)及び(II)
【0010】
【化5】 に対応するオルガノクロロシランと反応し、アンモノリ
シス生成物が形成される、有機シラザン重合体の製造方
法を記載している。
【0011】このアンモノリシス生成物を米国特許第
4,482,669号のように塩基性触媒で重合させてシ
ラザン重合体を形成させる。この方法により得られたシ
ラザン重合体は最高1000℃までの温度で熱分解する
と高収率でセラミック材料を生じる。しかしシラザン重
合体は不融解性の固体として得られる。
【0012】オルガノクロロシランのアンモノリシス生
成物の塩基性触媒を用いる重合による有機シラザン重合
体の製造のための他の方法の幾つかが特許出願DE−A
3,719,343、DE−A3,736,914、EP−
A0,296,433、EP−A0,296,434及びE
P−A0,323,062に記載されている。これらの方
法はアンモノリシスに使用されるオルガノクロシランを
適当に選択することによって、どうすれば可溶性且つ熔
融性のシラザン重合体が得られるかを記載している。し
かし総ての場合において、一般式(1)に対応するクロ
ロシランが最少量使用されている。これらの総ての方法
においてアルカリ金属含有触媒、好適には水素化カリウ
ムが使用されている。重合後、触媒を沃化メチル又はオ
ルガノクロロシランのようなハロゲン含有求電子化合物
で中和し、沈澱したハロゲン化カリウムが分離される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
方法は多数の欠点を有している。
【0014】好適な触媒である水素化カリウム、ナトリ
ウムアミド及びトリ−(第二ブチル)水素化ホウ素は極
めて可燃性の固体であり、又は大気中の水分の存在にお
いて引火性のガスを発生する、極めて可燃性の又は極め
て自然引火性の溶液を形成する。これらの物質を大量に
取り扱うことは火災及び爆発の危険をはらんでいる。従
ってこの方法を工業的に行う場合には、これらの危険を
避けるために経費のかかる配慮がはらわれなければなら
ない。
【0015】従来記載されてきた総ての塩基性触媒は、
対イオンとしてアルカリ金属又はアルカリ土類金属陽イ
オンを含んでいる。この陽イオンを除去するためには触
媒をハロゲン含有求電子性化合物で中和し、得られるハ
ロゲン化アルカリ金属塩又はハロゲン化アルカリ土類金
属塩を濾過により分離する。これらの中和及び濾過の段
階は経費を要するのみならず、比較的非能率的である。
ハロゲン化アルカリ金属塩又はハロゲン化アルカリ土類
金属塩の残渣は不可避的に不純物として生成物中に残留
する。こうした不純物は望ましいものではなく、こうし
た重合体から得られるセラミック材料の性質に悪影響を
与える。
【0016】記載された二三の方法は多くの用途に対応
するように成形される能力を有しない不熔融性の固体を
生じる。
【0017】熔融性のシラザン重合体を製造する二三の
方法においては、著量のオルガノクロロシラザンが使用
されており、セラミック材料中に高含量の炭素をもたら
している。例えばDE−A3,719,343では、熱分
解されたセラミック材料は19.2ないし20.3%Cの
炭素含量を有することが認められ、DE−A3,736,
914では17.3ないし19.3%Cの炭素含量を有す
ることが認められ、及びEP−A323,062では炭
素含量は21.1ないし22.5%Cであることが認めら
れている。セラミック中の高含量の炭素は望ましいこと
ではなく、Si34の収量の低下及びSiCの量の増大
を招くものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】従って本発明の目的はア
ルカリ金属塩又はアルカリ土類金属を含まず、無害であ
る触媒を使用し、良好な溶解性、熔融性及び加工性を有
するセラミック材料の改善された先駆体をもたらす有機
シラザン重合体の製造方法を提供することである。
【0019】要求に対応するシラザン重合体の製造を可
能とする方法が新規に見出された。即ち、本発明は a)式(I)
【0020】
【化6】 [上式中、R1=Cl、H、C1ないしC4−アルキル又
はフェニルである]に対応する一種又は多種のオルガノ
クロロシランを単独で、又は一種又は多種の式(II)
【0021】
【化7】 [上式中、R2=Cl、C1ないしC4−アルキル、ビニ
ル又はフェニルである]に対応するオルガノクロロシラ
ンと不活性溶剤中でアンモニアと反応させて、アンモノ
リシス生成物を形成させ、そして b)このアンモノリシス生成物を式(III)
【0022】
【化8】R3456+- (III) [上式中、R3、R4、R5及びR6は相互に独立に1ない
し24炭素原子を有する有機残基を示し、そしてA-
脱プロトン(deprotonation)を生起することができる塩
基性陰イオンを表す]に対応する塩基性触媒の存在にお
いて、不活性溶剤中で重合させて有機シラザン重合体を
生成させ、及び c)触媒をその分解温度以上の温度で不活性化すること
を特徴とする、融解性の有機シラザン重合体の製造方法
に関する。
【0023】上記式中でR1及びR2は好適にはメチル基
である。
【0024】既に述べたように、シラザン重合体の製造
のための出発物質としてクロロシランを使用すること、
及び対応するアンモノリシス生成物の塩基性触媒による
重合は既知である。しかし一般式(III)に対応する
触媒を用いる塩基性触媒による重合が或反応条件下で実
行可能であり、それにより優れた性質を有する融解性の
シラザン重合体が容易に得られることが従来記載され又
は示唆されたことはない。
【0025】本発明による方法で使用されるオルガノク
ロロシラン又はオルガノクロロシラン混合物は式(I)
のシラン又は式(I)及び(II)のシランの一種又は
多種の複合物から成っている。
【0026】この目的に適当な式(I)のオルガノクロ
ロシランの例は下記の通りである:メチルジクロロシラ
ン、フェニルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、
フェニルメチルクロロシラン、トリクロロシラン及びジ
クロロシラン。
【0027】この目的に適当な式(II)のオルガノク
ロロシランの例は下記の通りである:メチルトリクロロ
シラン、ビニルトリクロロシラン、フェニルトリクロロ
シラン、エチルトリクロロシラン、プロピルトリクロロ
シラン、イソブチルトリクロロシラン及びテトラクロロ
シラン。
【0028】本発明による方法の好適な具体化におい
て、メチルジクロロシランは単独で又はメチルトリクロ
ロシラン又はビニルトリクロロシランとの混合物として
使用される。メチルジクロロシランと0ないし50モル
%のメチルトリクロロシラン又は0ないし50モル%の
ビニルトリクロロシランとの混合物が好適である。メチ
ルジクロロシランを単独で使用することが特に好適であ
る。
【0029】本発明による方法において使用されるオル
ガノクロロシラン又はオルガノクロロシラン混合物はア
ンモニアと反応してアンモノリシス生成物を生じる。ア
ンモノリシス生成物を製造する手段は特に問題となるも
のではなく、米国特許第4,482,669号(7、8、
9欄参照)に詳細に記載されている。例えばオルガノク
ロロシランを有機溶剤中で気体状アンモニアと反応させ
ることができ、副生物として生じた塩化アンモニウムを
濾別した後に有機溶剤を留去することができる。塩化ア
ンモニウムが難溶であり、容易に分離できる溶剤、例え
ばエーテル及び脂肪族、芳香族及び塩素化炭化水素が好
適である。アンモノリシスは確実に反応が完全に行われ
るように過剰のアンモニアを用いて行われ、最終生成物
はできるだけ塩素を含まないようにする。オルガノシラ
ン混合物のケイ素に結合した塩素原子1モル当たり少な
くとも1.5モルのアンモニアを使用することが好適で
ある。反応は一般に約−80ないし120℃、好適には
−40ないし40℃の温度で行われる。
【0030】次の段階において、アンモノリシス生成物
は式(III)に対応する塩基性触媒の存在において重
合されて融解性の有機シラザン重合体を生成する。
【0031】本発明による塩基性触媒は好適には水酸化
テトラアルキルアンモニウム又はテトラアルキルアンモ
ニウム アルコキシドである。例を挙げれば:テトラメ
チルアンモニウム−、テトラエチルアンモニウム−、テ
トラプロピルアンモニウム−、テトラブチルアンモニウ
ム−、ベンジルトリメチルアンモニウム−、ベンジルト
リエチルアンモニウム−、ベンジルトリブチルアンモニ
ウム−、トリメチル−(2−ヒドロキシエチル)アンモ
ニウム−、ドデシルトリメチルアンモニウム−、ドデシ
ルジメチル(2−ヒドロキシエチル)−アンモニウム−
及びメチルトリオクチルアンモニウム−とヒドロキシ−
及びメトキシ、エトキシ等のようなアルコキシ−陰イオ
ンとの複合体である。テトラメチルアンモニウム メト
キシド、テトラブチルアンモニウム メトキシド及びベ
ンジルトリメチルアンモニウム メトキシドが使用の容
易さ及び良好な溶解性の点で好適に用いられる。
【0032】触媒は各種の方法により反応混合物中に導
入することができる。触媒は純粋のまま又はプロトン性
又は非プロトン性有機溶剤中の溶液として使用できる。
非プロトン性有機溶剤中の溶液として使用することが好
適である。これらの触媒の多くはメタノール等のプロト
ン性溶剤中の溶液として入手可能である。ピリジン、ジ
メチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等
のような非プロトン性溶剤中の溶液はY.スプリンザク(S
prinzak)[J. Am. Chem. Soc. 、80巻(1958)5
449−5455頁]の方法により容易に製造できる。
【0033】本発明による重合は溶剤中で行われる。溶
剤としてテトラヒドロフラン(THF)、ジアルキルエ
ーテルのようなエーテル、ペンタン、ヘキサン等のよう
な脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
ような芳香族炭化水素、ジメチルスルホキシド(DMS
O)、N,N−ジメチルホルアミド(DMF)等の極性
非プロトン性有機溶剤が使用できる。アンモノリシス生
成物及び触媒の両者を溶解する溶剤を使用することが好
適である。
【0034】重合は希釈溶液中で触媒濃度を小さくし及
び室温において行われることが好ましい。10ないし5
00g/lのアンモノリシス生成物を含む溶液が好適で
ある。触媒はアンモノリシス生成物を基準として0.0
1ないし3重量%の量が使用される。0.1ないし1.0
重量%に相当する触媒量が好適に使用される。
【0035】重合は触媒の分解温度以下の温度で行われ
る。20ないし40℃の温度が好適である。
【0036】次いで温度を上げ、触媒を不活性化するこ
とにより重合が停止される。本発明による触媒は高温で
は一つ又は多数の分解反応が起こり、それにより不活性
化される。これらの分解反応はアンモニウム塩の構造に
より異なり、各種の温度で現れる。分解生成物は一般に
アミン及び炭化水素である。好適な方法においては、触
媒は60ないし140℃の温度で不活性化される。最終
的に50ないし200℃の範囲の融点を有するシラザン
重合体が得られる。
【0037】本発明による方法において、重合の度合及
びそれによるシラザン重合体の融点は重合に使用される
反応条件を適当に選択する事によって調節することがで
きる。重要な反応条件は温度及び重合の持続時間、並び
にアンモノリシス生成物及び触媒の濃度である。融点は
一般にシラザン重合体の重合度により決定される。得ら
れるシラザン重合体の融点は重合温度及び重合時間と共
に増大し、及びアンモノリシス生成物の濃度及び触媒の
濃度と共に増大する。従って最適な重合時間は選択され
た反応条件及びシラザン重合体の所望の融点に依存す
る。
【0038】重合は温度を上げ、触媒を不活性化するこ
とにより選択された時間に終了する。
【0039】重合はSi−HとNH基の反応により新し
くSi−N結合及びH2が生成することにより進行す
る。反応の進行はガスの発生により見ることができ、そ
してシラザン重合体の1H NMRスペクトルにより検出
できる。1H NMRスペクトルにおけるSi−H対Si
CH3の積分比(integral ratio)は反応の進行と共に減
少する。
【0040】アンモノリシス生成物の塩基性触媒重合に
関して従来既知の方法と対照的に、本発明による触媒は
重合後中和又は濾別する必要がないことに留意すべきで
ある。反応の終了後、溶剤及び揮発性成分の蒸発により
生成物を容易に得ることができる。
【0041】融解性の有機シラザン重合体の製造のため
の本発明による方法は質の高い有機シラザン重合体をも
たらす。シラザン重合体は良好な溶解性、融解性及び加
工性を有する。それらは不熔融性にすることができる。
焼結により、高収率、例えば70ないし85重量%の高
収率でセラミックが得られる。本発明による方法は有害
物質を使用しないので、シラザン重合体の工業的製造に
適当している。
【0042】本発明は又 a)式(I)
【0043】
【化9】 [上式中、R1=Cl、H、C1ないしC4−アルキル又
はフェニルである]に対応する一種又は多種のオルガノ
クロロシランを単独で又は一種又は多種の式(II)
【0044】
【化10】 [上式中、R2=Cl、C1ないしC4−アルキル、ビニ
ル又はフェニルである]に対応するオルガノクロロシラ
ンと不活性溶剤中でアンモニアと反応させてアンモノリ
シス生成物を形成させ、そして b)このアンモノリシス生成物を式(III)
【0045】
【化11】R3456+- (III) [上式中、R3、R4、R5及びR6は相互に独立に1ない
し24炭素原子を有する有機残基を示し、そしてA-
脱プロトンを生起することができる塩基性陰イオンを表
す]に対応する塩基性触媒の存在において不活性溶剤中
で重合させて有機シラザン重合体を生成させ、及び c)触媒をその分解温度以上の温度で不活性化すること
により得られる有機シラザン重合体に関する。
【0046】シラザン重合体は好適には50ないし20
0℃の融点を有し、アルカリ金属及びアルカリ土類金属
を含まない。
【0047】本発明は又セラミック材料の製造方法に関
する。この目的のために上記のようにして製造された各
種の有機シラザン重合体がセラミック材料の先駆体とし
て使用される。それにより所望の形状の、及び優れた物
理的性質を有する極めて純粋なセラミック製品が容易に
製造される。本方法は有機シラザン重合体を焼結してセ
ラミック材料を形成することを含んで成る。
【0048】本発明は又 a)式(I)
【0049】
【化12】 [上式中、R1=Cl、H、C1ないしC4−アルキル又
はフェニルである]に対応する一種又は多種のオルガノ
クロロシランを単独で又は一種又は多種の式(II)
【0050】
【化13】 [上式中、R2=Cl、C1ないしC4−アルキル、ビニ
ル又はフェニルである]に対応するオルガノクロロシラ
ンと不活性溶剤中でアンモニアと反応させてアンモノリ
シス生成物を形成させ、そして b)このアンモノリシス生成物を式(III)
【0051】
【化14】R3456+- (III) [上式中、R3、R4、R5及びR6は相互に独立に1ない
し24炭素原子を有する有機残基を示し、及びA-は脱
プロトンを生起することができる塩基性陰イオンを表
す]に対応する塩基性触媒の存在において不活性溶剤中
で重合させて有機シラザン重合体を生成させ、及び c)触媒をその分解温度以上の温度で不活性化させ、及
び d)シラザン重合体を焼結してセラミック材料を形成す
ること、を特徴とするセラミック材料の製造方法に関す
る。
【0052】好適な具体化において、シラザン重合体は
熔融され、成形され、及び焼結されてセラミック材料が
生成する。
【0053】特に好適な具体化においては、有機シラザ
ン重合体を表面に塗布して被覆を形成し、又は紡糸して
繊維を形成し、又は耐熱性粉末又は繊維と混合して熱及
び/又は圧力の作用により成形されて成形体が製造され
る。シラザン重合体は塗布、紡糸又は成形後、焼き戻し
(tempering)、酸化、加水分解又は照射により不融解性
とすることができる。次いでシラザン重合体を800な
いし1000℃の温度で焼結すればセラミック材料が形
成される。
【0054】成形方法は所望のセラミック物品の形状に
より各種の手段で行うことができる。被覆は溶液から製
造することができる。繊維は紡糸することができる。成
形体を製造するためには、重合体をセラミック又は金属
粉末又はセラミック繊維と混合し、次いで射出成形、圧
縮成形又は熱間圧縮により圧力又は加熱下に成形する。
【0055】次いで成形物品は空気中での加熱により又
は電子線を用いる照射又は紫外線を用いる照射又は他の
方法により不融解性とすることができる。
【0056】本発明による有機シラザン重合体を成形
後、成形物を800ないし200℃の範囲の温度で焼結
してセラミック材料を形成する。焼結は二段階で行うこ
とが好適である。シラザン重合体を800ないし150
0℃の温度で熱分解し、大部分が無定形であるセラミッ
ク材料に転化する。セラミック物品を使用された焼結助
剤に依存して1500ないし2000℃の温度で圧縮す
る。セラミックの収率は主として1500℃までの熱分
解工程により決定される。
【0057】焼結は真空中又はN2、He、Ar等の不
活性雰囲気中で行われる。SiC及びSi34から成る
セラミック材料がこうして得られる。焼結が少なくとも
部分的にH2又はNH3の雰囲気中で行われるならば、得
られるセラミックは殆ど炭素を含まず、主としてSi3
4から成るものとなる。
【0058】単に本発明を例示するのに役立つものであ
り、本発明の範囲を決して制限するものではない、下記
の実施例において本発明を更に説明する。
【0059】
【実施例】
実施例1 メチルジクロシランのアンモノリシス 撹拌機、温度計、NH3ガス通気管及びドライアイス冷
却器を備えた3リットルの三つ口フラスコ中に、288
g(2.5モル)のメチルジクロロシラン及び2リット
ルの乾燥トルエンを導入した。外部冷却により温度を−
15℃ないし−20℃に下げ、190g(11.2モ
ル、50%過剰)のNH3を4時間に亙って導入した。
反応温度は10−15℃に上がったが、溶液が飽和する
につれて−20℃以下に低下した。冷却装置を外し、徐
々に溶液の温度を室温に上げて過剰のNH3を蒸発させ
た。沈澱した塩化アンモニウムを濾別し、濾過ケークを
100mlのトルエンで三回洗浄した。30℃で1mb
arまで減圧してトルエンを蒸発させた。
【0060】134gの量のアンモノリシスの生成物
)が50mPa.sの粘度(25℃)を有する僅か
に濁った、無色の液体として得られた。
【0061】1H−NMR(300MHz、CDCl3
ppm):δ 0.0−0.3(br、SiCH3、In
t.126)、0.5−1.1(br、NH、Int.3
3)、4.3−5.0(mult、SiH、Int.3
8)、分析値:Si、50.5%。
【0062】この生成物を窒素雰囲気中で、最高140
0℃の温度で及び1分間当たり摂氏5度の加熱速度で熱
分解した。
【0063】実施例2 50:50(モル%)の比率のメチルジクロロシラン及
びメチルトリクロロシランのアンモノリシス 撹拌機、温度計、NH3ガス通気管及びドライアイス冷
却器を備えた4リットルの四つ口フラスコ中に、150
g(1.3モル)のメチルジクロロシラン、194g
(1.3モル)のメチルトリクロロシラン及び2.5リッ
トルの乾燥トルエンを導入した。外部冷却により温度を
−15℃ないし−20℃に下げ、285g(16.8モ
ル、70%過剰)のNH3を7時間に亙って導入した。
この際反応温度は時間が経過するにつれて10−15℃
に上がったが、溶液の飽和後には−20℃以下に低下し
た。冷却装置を外して徐々に溶液の温度を室温に上げて
過剰のNH3を蒸発させた。沈澱した塩化アンモニウム
を濾別し、濾過ケークを100mlのトルエンで三回洗
浄した。60℃で1mbarまで減圧してトルエンを蒸
発させた。
【0064】137gの量のアンモノリシスの生成物
)が濁った、無色の液体として得られた。
【0065】1H−NMR(300MHz、CDCl3
ppm):δ 0.0−0.3(br、SiCH3、In
t.112)、0.5−1.3(br、NH、Int.3
8)、4.2−5.0(mult、SiH、Int.1
8)。
【0066】実施例3 0.25重量%のベンジルトリメチルアンモニウム メト
キシドを用いる()の重合 マグネチックスターラー及び冷却器を備えた500ml
の二口フラスコ中に、10gの実施例1のアンモノリシ
ス生成物()及び150gの乾燥THFを導入し、フ
ラスコの内容物をN2で覆った。ジメチルスルホキシド
に溶解したベンジルトリメチルアンモニウム メトキシ
ドの12.2%溶液0.2g(0.25重量%)及び5g
のTHFの混合物を調製し、5分間に亙って添加した。
僅かなガスの発生が観察された。溶液を30分間25℃
で撹拌し、そして還流下に3時間加熱した。40℃及び
1mbarで生成物からTHF及び揮発性成分を除去し
た。5.8gの量のシラザン重合体が75℃の融点を有
する桃色の脆い固体として得られた。
【0067】1H−NMR(300MHz、アセトン−
6、ppm):δ 0.00−0.5(br、SiC
3、Int.147.1)、1.0−2.4(br、N
H、Int.23.3)、3.4−3.5(br、SiO
CH3、Int.1)、4.4−5.1( br、Si
H、Int.31.6)。IR(KBr、cm-1):3
400(br、m)、2960(sh、m)、2900
(sh、w)、1400(br、w)、1260(s
h、s)、1175(br、s)、850−1020
(br、vs)、760(br、s)。分析値:C:2
2.9%;N:25.1%;O:4.6%;Si:44.0
%。
【0068】生成物を窒素雰囲気中で、最高1400℃
の温度で及び1分間当たり摂氏5度の加熱速度で熱分解
すると、窒化ケイ素を含み、且つ9.1重量%の炭素含
量を有するセラミック材料が78%の収率で得られた。
【0069】実施例4 0.25重量%の水酸化テトラブチルアンモニウムを用
いる()の重合 マグネチックスターラー及び冷却器を備えた250ml
の一口フラスコ中に、メタノールに溶解した0.1g
(0.25重量%)の水酸化テトラブチルアンモニウム
を導入し、水流ポンプ真空中で過剰のメタノールを25
℃で蒸発させた。アンモニウム塩を100gのTHFに
溶解し、N2で覆った。50gのTHFに溶解した10
gのアンモノリシス生成物()の溶液を添加した。僅
かなガスの発生が観察された。溶液を1時間25℃で撹
拌し、そして還流下に3時間加熱した。25℃及び30
mbarでTHFを留去し、60℃及び1mbarで揮
発性成分を除去した。
【0070】6.8gの量のシラザン重合体が105℃
の融点を有する白色の脆い固体として得られた。
【0071】1H−NMR(300MHz、CDCl3
ppm):δ 0.00−0.5(br、SiCH3、In
t.125)、0.6−1.3(br、NH、Int.3
1)、3.4−3.5(br、SiOCH3、Int.
1)、4.5−5.0(br、SiH、Int.18.
5)。IR(KBr、cm-1):3400(br、
s)、2980(sh、m)、2900(sh、w)、
2120(sh、m)、1630(br、m)、140
0(br、w)、1260(sh、s)、1170(
br、s)、850−1020(br、vs)、760
(br、s)。分析値:Si:43.6%。シラザン重
合体のカリウム含量は10ppm以下であった。
【0072】実施例5ないし11 ベンジルトリメチルアンモニウム メトキシドを用いる
)の重合 10gの実施例1のアンモノリシス生成物()の重合
を実施例3のようにして行った。触媒としてPhCH2
NMe3 +MeO-の12%ジメチルスルホキシド溶液を
使用した。各種の反応条件及び結果は表1に総括されて
いる。
【0073】
【表1】 表1 実施例 濃度 触媒 温度 時間 収率 融点番号 g/la) 重量%b) ℃ 分間c) % ℃ 5 55 0.25 25 30 61 70 6 55 0.25 25 60 80 89 7 55 0.25 25 180 95 96 8 55 0.25 40 60 78 135 9 130 0.25 25 30 72 120 10 55 0.5 25 30 80 130 11 180 1.0 25 60 88 −d) a)アンモノリシス生成物のTHF中の濃度 b)アンモノリシス生成物の重量(g)を基準とした重
量% c)引き続いて還流下に3時間加熱された d)熔融せず 実施例12 0.25重量%のベンジルトリメチルアンモニウム メト
キシドを用いる()の重合 マグネチックスターラー及び冷却器を備えた250ml
の二口フラスコ中に10gのアンモノリシス生成物
)及び140gの乾燥THFを導入し、フラスコの
内容物をN2で覆った。ジメチルスルホキシドに溶解し
たベンジルトリメチルアンモニウム メトキシドの12.
2%溶液0.2g(0.25重量%)及び10gのTHF
の混合物を調製し、10分間以内に添加した。激しいガ
スの発生が観察された。溶液を25℃で30分間撹拌
し、次いで還流下に3時間加熱した。40℃及び1mb
arで生成物からTHF及び揮発成分を除去した。6.
4gの量のシラザン重合体が60℃の軟化点を有する可
溶性の桃色の固体として得られた。
【0074】IR(KBr、cm-1):3400(b
r、m)、2955(sh、m)、2120(sh、
m)、1410(br、w)、1260(sh、s)、
1170(br、s)、1170(br、s)、700
−1000(br、vs)。
【0075】実施例13 メチルジクロロシランのアンモノリシス及び水酸化テト
ラブチルアンモニウムを用いる重合 撹拌機、温度計、NH3ガス通気管及びドライアイス冷
却器を備えた4リットルの四つ口フラスコ中に、368
g(3.2モル)のメチルジクロロシラン及び2.5リッ
トルの乾燥THFを導入した。外部冷却を行うことな
く、245g(17.5モル、過剰)のNH3を4時間に
亙って導入した。この際反応温度は30℃に上がった
が、20℃以下に低下した。冷却装置を外して過剰のN
3を蒸発させた。沈澱した塩化アンモニウムを濾別
し、濾過ケークを100mlのTHFで三回洗浄した。
【0076】撹拌機、温度計、滴下濾斗及び水冷却器を
備えた3リットルの四つ口フラスコ中に濾液(2150
g)を導入した。次いで水酸化テトラブチルアンモニウ
ムの25%メタノール溶液1.36g(約0.25重量
%)から真空中で過剰のメタノールを除去し、残渣を4
5gのTHFに溶解した。この溶液を5分間に亙って滴
下して加えると、激しいガスの発生が観察された。溶液
を25℃で30時間撹拌し、そして還流下に3時間加熱
した。生成物から1mbar及び最高60℃の温度でT
HF及び揮発性成分を除去した。130gの量のシラザ
ン重合体が85℃の融点を有する微紅色の脆い固体とし
て得られた。
【0077】1H−NMR(300MHz、CDCl3
ppm):δ 0.00−0.5(br、SiCH3、In
t.124.7)、0.6−1.3(br、NH、In
t.27)、3.4−3.5(br、SiOCH3、In
t.1)、4.3−5.0(br、SiH、Int.1
8.2)。分析値:Si:45.5%;K:<1ppm。
【0078】実施例14(比較実施例) 水素化カリウムを用いる重合 撹拌機、温度計、滴下濾斗及び冷却器を備えた2リット
ルの三つ口フラスコ中に、鉱物油中のKHの35%分散
物5.71g(2.7重量%)を導入した。分散物を50
mlの乾燥ヘキサンで三回洗浄し、鉱物油を除いた。次
いで800mlの乾燥THFを添加した。200mlの
THFに溶解した74gのアンモノリシス生成物(
の溶液を定常的に撹拌しながら10分間に亙って滴下し
て加えた。ガスの発生が観察され、2.5時間後に完了
した。更に10.6gの沃化メチルを添加し、反応混合
物を終夜撹拌した。30mbar及び25℃でTHFを
留去し、残渣を300mlのヘキサンに溶解した。沈澱
したKIを濾別した。1mbar及び最高30℃の温度
で生成物からTHF及び揮発性成分を除去した。生成物
として融点を示さない74gの量の白色の固体が得られ
た。
【0079】1H−NMR(300MHz、CDCl3
ppm):δ 0.00−0.5(br、SiCH3、In
t.102)、0.5−1.8(br、NH、Int.4
4)、2.5(br、NCH3、Int.3)、4.5−
5.0(br、SiH、Int.18)。IR(KB
r、cm-1):3400(br、m)、2960(s
h、m)、2900(sh、w)、2130(sh、
m)、1410(br、w)、1260(sh、s)、
1150−1200(br、s)、820−1030
(br、s)、750(br、m)。分析値:C:2
2.3%;N:21.0%;Si:42.7%。生成物は
又90ppmのカリウム及び350ppmの沃素を含ん
でいる。
【0080】このシラザン重合体を窒素雰囲気中で、最
高1400℃の温度で及び1分間当たり摂氏5度の加熱
速度で熱分解すると、セラミック材料が71%の収率で
得られた。セラミックの収率が良好であるにもかかわら
ず、このシラザン重合体は熔融性を欠いているために多
くの用途でセラミック先駆体材料として使用するのには
不適当である。
【0081】実施例15(比較実施例) 67:33(モル%)の比率のメチルジクロロシラン及
びジメチルジクロロシランのアンモノリシス及びKHを
用いる重合 a)アンモノリシス 撹拌機、温度計、NH3ガス通気管及びドライアイス冷
却器を備えた4リットルの四つ口フラスコ中に、413
g(3.6モル)のメチルジクロロシラン、150g
(1.16モル)のジメチルジクロロシラン及び2.2リ
ットルの乾燥THFを導入した。外部冷却により温度を
−15℃ないし−20℃に下げ、365g(21.5モ
ル、50%過剰)のNH3を7時間に亙って導入した。
冷却装置を外して徐々に溶液の温度を室温に上げて過剰
のNH3を蒸発させた。沈澱した塩化アンモニウムを濾
別し、濾過ケークを100mlのTHFで三回洗浄し
た。
【0082】b)重合 撹拌機、温度計、滴下濾斗及び冷却器を備えた3リット
ルの三つ口フラスコ中に、鉱物油中のKHの35%分散
物11.5g(約2重量%)を導入した。分散物を50
mlの乾燥ヘキサンで三回洗浄し、鉱物油を除いた。
(a)で得られたアンモノリシス生成物のTHF溶液を
15分間に亙って添加した。激しいガスの発生が観察さ
れた。ガスの発生は5時間後に完了した。更に15gの
沃化メチルを添加し、反応混合物を終夜撹拌した。30
mbar及び25℃でTHFを留去し、残渣を1200
mlのヘキサンに溶解した。沈澱したKIを濾別した。
40℃及び1mbarで生成物からTHF及び揮発性成
分を除去した。生成物として198gの量の95℃の融
点を有する白色の固体が得られた。
【0083】1H−NMR(300MHz、CDCl3
ppm):δ 0.00−0.5(br、SiCH3、In
t.146)、0.5−1.8(br、NH、Int.2
3)、2.5(br、NCH3、Int.1)、4.5−
5.0(br、SiH、Int.14)。IR(KB
r、cm-1):3400(br、m)、2960(s
h、m)、2900(sh、w)、2120(sh、
m)、1410(br、w)、1260(sh、s)、
1160(br、s)、870−1020(br、v
s)、790(br、w)。
【0084】分析値:Si、44.2%。生成物は20
ppmのカリウム及び30ppmの沃素を含んでいる。
【0085】このシラザン重合体を窒素雰囲気中で、最
高1400℃の温度で及び1分間当たり5℃の加熱速度
で熱分解すると、14.1重量%の炭素含量を有するセ
ラミック材料が64%の収率で得られた。
【0086】明細書及び実施例は本発明を説明するため
のものであって、本発明を制限するものではなく、又当
業者には本発明の精神及び範囲内で他の具体化が示唆さ
れ得ることが理解されよう。
【0087】本発明の主なる特徴及び態様は以下の通り
である。
【0088】1.a)式
【0089】
【化15】 [上式中、R1=Cl、H、C1ないしC4−アルキル又
はフェニルである]の少なくとも一種のオルガノクロロ
シランを、随意下記式
【0090】
【化16】 [上式中、R2=Cl、C1ないしC4−アルキル、ビニ
ル又はフェニルである]の少なくとも一種のオルガノク
ロロシランと共に、不活性溶剤中でアンモニアと反応さ
せてアンモノリシス生成物を形成させ、 b)このアンモノリシス生成物を式
【0091】
【化17】R3456+- (III) [上式中、R3、R4、R5及びR6は相互に独立に1ない
し24炭素原子を有する有機残基であり、そしてA-
脱プロトン(deprotonation)を生起することができる塩
基性陰イオンである]の塩基性触媒の存在において不活
性溶剤中で重合させて有機シラザン重合体を生成させ、 c)触媒をその分解温度以上の温度で不活性化すること
を特徴とする、熔融性の有機シラザン重合体の製造方
法。
【0092】2.(I)がメチルジクロロシランであ
る、上記1に記載の方法。
【0093】3.段階(a)において0ないし約50モ
ル%のメチルトリクロロシラン及び約50ないし100
モル%のメチルジクロロシランの混合物が使用される、
上記1に記載の方法。
【0094】4.段階(b)において触媒が水酸化テト
ラアルキルアンモニウム又はテトラアルキルアンモニウ
ム アルコキシドである、上記1に記載の方法。
【0095】5.段階(b)において触媒が水酸化テト
ラメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム メ
トキシド、水酸化テトラエチルアンモニウム、テトラエ
チルアンモニウム メトキシド、水酸化テトラブチルア
ンモニウム、テトラブチルアンモニウム メトキシド、
水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリ
メチルアンモニウム メトキシド、水酸化(C4−C24
アルキル)−トリメチルアンモニウム又は(C4−C24
−アルキル)−トリメチルアンモニウム メトキシドで
ある、上記1に記載の方法。
【0096】6.不活性溶剤中で約25ないし150g
/lの濃度のアンモノリシス生成物を式(III)の塩
基性触媒を用いて始め比較的低い温度で反応させ、次い
で触媒の分解温度以上の温度に加熱することにより触媒
を不活性化させることを特徴とする、上記4に記載の方
法。
【0097】7.上記1に記載の方法により製造された
有機シラザン重合体。
【0098】8.約50ないし200℃の融点を有し、
アルカリ金属及びアルカリ土類金属を含まない、上記7
に記載の有機シラザン重合体。
【0099】9.(d)上記7に記載の有機シラザン重
合体を焼結することを含んで成る、セラミック材料の製
造方法。
【0100】10.シラザン重合体を熔融し、成形し及
び焼結してセラミック材料を形成する、上記9に記載の
方法。
【0101】11.シラザン重合体を表面に塗布して基
材を被覆し、及び焼結してセラミック被覆を形成する、
上記9に記載の方法。
【0102】12.シラザン重合体をセラミック又は金
属粉末又はセラミック繊維と混合して、混合物を少なく
とも熱及び圧力の一つの作用下に成形し、及び焼結して
セラミック材料を形成する、上記9に記載の方法。
【0103】13.シラザン重合体を成形後、焼き戻
し、酸化、加水分解又は照射により不熔融性とし、及び
焼結してセラミック材料を形成する、上記9に記載の方
法。
【0104】14.不熔融性化が約800ないし200
0℃の温度で焼結することにより行われる、上記13に
記載の方法。
【0105】15.焼結が真空中で又は不活性ガス雰囲
気中で行われる、上記14に記載の方法。
【0106】16.焼結が少なくとも部分にH2又はN
3の雰囲気中で行われ、それにより殆ど炭素を含まな
いセラミックが得られる、上記14に記載の方法。
【0107】17.上記9に記載の方法により製造され
たセラミック材料。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)式 【化1】 [上式中、R1=Cl、H、C1ないしC4−アルキル又
    はフェニルである]の少なくとも一種のオルガノクロロ
    シランを、随意下記式 【化2】 [上式中、R2=Cl、C1ないしC4−アルキル、ビニ
    ル又はフェニルである]の少なくとも一種のオルガノク
    ロロシランと共に、不活性溶剤中でアンモニアと反応さ
    せてアンモノリシス生成物を形成させ、 b)このアンモノリシス生成物を式 【化3】R3456+- (III) [上式中、R3、R4、R5及びR6は相互に独立に1ない
    し24炭素原子を有する有機残基であり、そしてA-
    脱プロトンを生起することができる塩基性陰イオンであ
    る]の塩基性触媒の存在において不活性溶剤中で重合さ
    せて有機シラザン重合体を生成させ、 c)触媒をその分解温度以上の温度で不活性化すること
    を特徴とする、熔融性の有機シラザン重合体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法により製造された
    有機シラザン重合体。
  3. 【請求項3】 約50ないし200℃の融点を有し、ア
    ルカリ金属及びアルカリ土類金属を含まない、請求項2
    に記載の有機シラザン重合体。
  4. 【請求項4】 (d)請求項2に記載の有機シラザン重
    合体を焼結することを含んで成る、セラミック材料の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の方法により製造された
    セラミック材料。
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