JP3002044B2 - 官能性シラザンポリマーの製造方法 - Google Patents

官能性シラザンポリマーの製造方法

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JP3002044B2
JP3002044B2 JP3341058A JP34105891A JP3002044B2 JP 3002044 B2 JP3002044 B2 JP 3002044B2 JP 3341058 A JP3341058 A JP 3341058A JP 34105891 A JP34105891 A JP 34105891A JP 3002044 B2 JP3002044 B2 JP 3002044B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G77/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G77/60Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule in which all the silicon atoms are connected by linkages other than oxygen atoms
    • C08G77/62Nitrogen atoms

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、N−H結合を含むシラ
ザンポリマーにケイ素官能基を付加する方法に関する。
この方法は、N−H結合を含むシラザンポリマーをアル
キルリチウムで処理してLiN結合を含むシラザンポリ
マーを形成することを含む。次いでこのLi結合を含む
シラザンポリマーをクロロシランと反応させてケイ素官
能基をそれに付加したシラザンポリマーを形成する。
【0002】本発明は又、上記方法で製造した変性シラ
ザンポリマー及びこれをセラミック材料の製造に使用す
ることにも関する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、有用な新し
いシラザンポリマーの製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルキルリチ
ウム(アルキルLi)を用いてシラザンポリマーに官能
基を付しうるということを発見したことに基づいてい
る。前記付加を起こす方法は次のように記述しうる:
【0005】
【化1】
【0006】ここにRは、独立に水素又は炭化水素基
で、この炭化水素基は、例えば、メチル、エチル、プロ
ピル等のアルキル基、ビニル、アリル、ヘキセニル等の
アルケニル基、シクロアルキル類及びシクロアルケニル
類並びにフェニルのような芳香族炭化水素基のような環
状炭化水素基である。上記式中の少なくとも1つのR基
が不飽和アルケニル基であることが特に好ましい。それ
は、そのような基は、生じた官能化されたポリマーを、
フリーラジカルの添加によって容易に硬化させうるから
である。
【0007】「感応性ポリマー」という用語を、ここで
は、N−H結合がN−Si結合で置き換えられ上記式
IIで生じたシラザンポリマーを指示するのに用いる。
又、「ケイ素官能性基」という用語を、上に定義した−
SiR3 基を指示するために用いる。
【0008】ここで有用なシラザンポリマーは1分子中
に少なくとも1つのN−H結合を持つものなら何でもよ
い。しかしながら、一般に少なくとも0.1%のN−H
を持つポリマーが用いられる。好ましくは、ここで用い
られるポリマーは非環式シラザンである。そのようなポ
リマーの特別な非制限的例としては、米国特許No.
4,312,970、4,395,460及び4,34
0,619に記載されたGaulのもの;米国特許N
o.4,540,803に記載されたCannadyの
もの;ヨーロッパ特許No.351,747に記載され
たGerdau et alのもの;米国特許No.
4,543,344のもの;ヨーロッパ特許No.33
2,374のもの並びに米国特許No.4,656,3
00及び4,689,252に記載されたLebrun
et alのものがある。これらの文献の中にはビニ
ル基を持ったシラザンポリマーを記載したものがあるこ
とに注意すべきである。しかしながらそのようなポリマ
ーは、ここに述べるようにフリーラジカルで硬化するこ
とはない。明らかに、それは、ビニル基が入手できない
からである。
【0009】ここで用いられる好ましいポリマーは、米
国特許No.4,340,619に記載されたゴール
(Gaul)のもの及び米国特許No.4,540,8
03に記載されたカナディ(Cannady)のもので
ある。ここでこれらの簡単な説明をしておく。ゴール
(Gaul)のシラザンポリマーは、不活性な、本質的
に無水の雰囲気中で、25〜300℃の温度で揮発性副
生物を蒸発させながら、次の一般式の塩素含有ジシラン
の単一種類の化合物又は複数種類の混合物に (Clx y Si)2 次の一般式を持つジシラザン (R′3 Si)2 NH を接触させ反応させることにより調される。但しここ
にRはビニル基、炭素原子数1〜3のアルキル基又はフ
ェニル基であり;R′はビニル基、水素原子、炭素原子
数1〜3のアルキル基又はフェニル基であり;xは0.
5〜3であり;yは0〜2.5であり;そしてx+yは
3である。
【0010】ゴール(Gaul)の塩素含有ジシランは
一般式(Clx y Si)2 で示され、ここにRはビニ
ル基、炭素原子数1〜3のアルキル基又はフェニル基で
ある。従ってR基は独立にメチル、エチル、プロピル、
ビニル及びフェニルからなる基から選ばれる。これら塩
素含有ジシランの例としては、〔Cl(CH3 2
i〕2 ,〔Cl2 CH3 Si〕2 ,〔Cl2 2 5
i〕2 ,〔Cl(C6 5 2 Si〕2 ,〔Cl2 CH
2 =CHSi〕2 ,Cl(CH3 2 SiSi(C
3 )Cl2 及びCl(C6 5 2 SiSi(C
3 2 Clがある。
【0011】上述の塩素含有ジシランと混合してモノシ
ランも用いうる。そのようなモノシランの例としては、
CH3 SiCl3 ,H(CH3 2 SiCl,(C
3 2 SiCl2 ,(CH3 3 SiCl,(CH2
=CH)(CH3 2 SiCl,(C2 5 2 SiC
2 ,C6 5 SiCl3 並びに(C6 5 2SiC
2 及び(C6 5 3 SiClがある。
【0012】ゴール(Gaul)の発明において用いら
れるジシラザンは式(R′3 Si) 2 NHで示され、こ
こにR′はビニル基、水素原子、炭素原子数1〜3のア
ルキル基又はフェニル基である。従ってR′基は独立に
水素原子、メチル、エチル、プロピル、ビニル及びフェ
ニルから成る基から選ばれる。適当なジシラザンの例と
しては、〔(CH3 3 Si〕2 NH,〔C6 5 (C
3 2 Si〕2 NH,〔C6 5 2 CH3 Si〕2
NH,〔CH2=CH(CH3 2 Si〕2 NH,〔C
2 =CH(CH3 )C6 5 Si〕2 NH,〔CH2
=CH(C6 5 2 Si〕2 NH,〔CH2 =CH
(C2 5 2 Si〕2 NH,〔H(CH 3 2 Si〕
2 NH及び〔CH2 =CH(C6 5 )(C2 5)S
i〕2 NHがある。
【0013】ゴール(Gaul)の特に好ましい具体例
としては、メチルクロロジシラン類とヘキサメチルジシ
ラザンとの反応がある。こうして生じたポリマー、メチ
ルポリジシリラザンは価値あるプレセラミック(pre
ceramic)性を持っていることが示された。
【0014】上記反応体は、不活性で、本質的に無水の
雰囲気中で合体させる。不活性とは、アルゴン、窒素又
はヘリウムのような不活性ガスのガスシールの下で行な
われることである。本質的に無水とは、反応が好ましく
は完全に無水の雰囲気中で行なわれるのが好ましいが、
微量の湿分は許容しうるということである。
【0015】反応体を相互に接触させるときはアミノ中
間化合物が形成される。加熱を継続するとR3 SiCl
が反応混合物から蒸発し、シラザンポリマーが形成され
る。反応温度を上げるに従って、より多くの縮合が起こ
り、架橋が生ずる。これを制御することにより、反応を
任意の点で止めて、殆んどどんな望みの粘度でも得るこ
とができる。反応の望ましい温度範囲は25〜300℃
であり、より好ましくは125〜300℃である。必要
な反応時間は、用いる温度及び所望の粘度にかかってい
る。
【0016】上述のゴールのジシラザンポリマーは塩素
イオン濃度が比較的高いようであるので、その濃度は、
本発明において使用する前に低くするのが好ましい。そ
の除去法は、Mahoneの米国特許No.4,77
2,516に述べられている。そこに述べられた方法
は、塩素を除くに充分な時間、ポリマーをアンモニアで
処理することを含む。
【0017】カナディ(Cannady)のシラザンポ
リマーは、不活性の本質的に無水の雰囲気中、25〜3
00℃の温度で、揮発性副生物を蒸留しながらトリクロ
ロシランをジシラザンと接触させ反応させることを含む
方法で調整する。この方法で用いるジシラザンは、式
(R3 Si)2 NHで示され、ここにRはビニル基、水
素原子、フェニル基及び炭素原子数1〜3のアルキル基
からなる基から選ばれる。
【0018】トリクロロシランは、塩素含有シラン中の
全塩素と反応させるために、充分な量のジシラザンと反
応させる。これは、トリクロロシランの塩素含量を基準
にして通常等モルである。
【0019】カナディ(Canady)の発明で用いら
れるジシラザンは式(R′3 Si) 2 NHで示され、こ
こにR′はビニル基、水素原子、炭素原子数1〜3のア
ルキル基又はフェニル基である。従ってR′基は水素原
子、メチル、エチル、プロピル、ビニル及びフェニルか
らなる群から独立に選ばれる。適当なジシラザンとして
は、〔(CH3 3 Si〕2 NH,〔C6 5 (C
32 Si〕2 NH,〔(C6 5 2 CH3 Si〕
2 NH,〔CH2 =CH(CH3 2 Si〕2 NH,
〔CH2 =CH(CH3 )C6 5 Si〕2 NH,〔C
2 =CH(C6 5 2 Si〕2 NH,〔CH2 =C
H(C2 5 2 Si〕2 NH,〔H(CH32
i〕2 NH及び〔CH2 =CH(C6 5 )C2 5
i〕2 NHがある。
【0020】カナディの特に好ましい態様はトリクロロ
シランとヘキサメチルジシラザンとの反応を含む。これ
によって生じたポリマー、ヒドロポリシラザンは価値あ
るプレセラミック性(preceramic prop
erties)を持つことが示されている。
【0021】上記反応体は、不活性で、本質的に無水の
雰囲気中で合体される。ここに不活性な、とは反応を、
アルゴン、窒素又はヘリウムのような不活性ガスのガス
シールの下で行なうという意味である。本質的に無水
の、とは反応が、好ましくは完全に無水の雰囲気中で行
なわれること、但し微量の湿分は許容できるという意味
である。
【0022】反応を相互に接触させるとアミノ中間化合
物が形成される。反応体を合体させるときは、初期の反
応発熱の維持は最小限にするのが好ましい。加熱を続け
ると追加のアミノ化合物が形成され、更に加熱するとR
3 SiClが反応混合物から蒸発され、シラザンポリマ
ーが形成される。最良の結果を得るためには、加熱速度
を約1℃/分未満の速度に制御すべきである。加熱速度
を約0.5℃/分又はそれ未満にするのが好ましい。反
応温度が上がるに従って、一層の縮合が起こり、架橋が
起こり、反応混合物から蒸発されなかった残留R3 Si
は連鎖停止剤として作用する。これをコントロールする
ことにより反応をどの時点ででも停止でき、殆どどんな
望みの粘度も得ることができる。望ましい反応温度範囲
は25〜300℃であり、より好ましくは125〜27
5℃の温度範囲である。反応に必要な時間の長さは、用
いた温度及び望みの粘度いかんによる。
【0023】上述のように、本発明に用いるポリマーは
上記工程で形成されるものでもよく、又、充分なN−H
結合を持つどんなシラザンであってもよい。一般に、こ
のポリマーは、後の反応を実施するために、溶媒に溶解
されている。ここで用いうる溶媒としては、初めのポリ
マー及びその官能化された誘導体の両方の溶媒として働
き、いずれの種の転位も引き起こさないものなら何でも
よい。そのような溶媒の例としては、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン等のアルカン、テトラヒドロフ
ランのようなエーテル及びベンゼン、トルエン、キシレ
ン等のような芳香族炭化水素がある。
【0024】次いで上記ポリマーを、N−H結合をN−
Li結合に変換するために、単にアルキルリチウムをポ
リマー溶液に混合することにより、アルキルリチウムと
反応させる。この反応は、どんな適当な温度又は圧力で
でも又どんな手近な雰囲気中ででも行いうる。しかし簡
単のため、それは、一般に室温で、空気中で、大気圧下
に、適当な反応容器中で2つの薬剤を攪拌することによ
り実施する。
【0025】ここに用いるアルキルリチウムは、当技術
分野でよく知られており、商業的に容易に入手できる。
そのような化合物の例としては、メチルリチウム、エチ
ルリチウム、プロピルリチウム及びブチルリチウムがあ
るが、ここではブチルリチウムが特に好ましい。これら
の薬剤は、ポリマー自体及び望みの官能化の程度によっ
て、ポリマー上のN−H結合の全部又は一部と反応させ
るに充分な量で用いられる。従って、例えばN−H結合
あたり約0.01モルのアルキルLiを越える量を用い
うる。過剰のアルキルLiを使用することがしばしば好
ましい。それは前記過剰のものが、後のポリマー塩とク
ロロシランとの反応を促進するからである。
【0026】ここでは特にアルキルリチウムについての
み述べたが、他の同様な塩基(N−H結合よりも強いが
ポリマーの転移を起こさない塩基)も用いうることが予
想される。
【0027】シラザンポリマーをアルキルリチウムと反
応させて得られるシラザンポリマーのリチウム塩は、次
いでクロロシランと反応させてリチウム原子をシラン官
能基と置き換える。一般にこの反応は、単にクロロシラ
ンをポリマー塩に加えることにより行なわれる。反応の
速度と程度を増すために、攪拌、加熱又は還流のような
付随手段を用いうる。
【0028】リチウム塩とクロロシランとの上記反応
は、ある種の溶媒の存在下に大きく促進される。そのよ
うな溶媒としては、例えば、エーテル、エーテルの中で
もテトラヒドロフラン(THF)が特に好ましい。この
溶媒は、反応混合物に、アルキルリチウム反応に先立っ
て(これらの反応を通じて唯一の反応溶媒として)加え
てもよく、又、ポリマーがアルキルリチウムとの反応の
ための異なった溶媒に溶解されるのであれば、その溶媒
はポリマー塩の溶液にそれのクロロシランとの反応に先
立って加えてもよい。一般に、そのような溶媒の量は、
ポリマー10重量部あたりTHF約1重量部ないしポリ
マー1重量部あたりTHF約10重量部という広い範囲
で変化しうる。そのような溶媒を用いればある種のポリ
マーリチウム塩の溶解度を高めることにもなることに注
意すべきである。加えて、もしアルキルリチウム以外の
塩基が用いられるならば、他の代替溶媒が必要になりう
ることにも注意すべきである。
【0029】ここで働らくクロロシランは一般式Ra
iClbで示され、ここにRは独立に水素原子又は炭化
水素基であり、aは2又は3であり、bは1又は2であ
り、a+bは4である。適当な炭化水素基としては、例
えば、メチル、エチル、プロピル等のアルキル類、ビニ
ル、アリル、ヘキセニル等のようなアルケニル類、シク
ロアルキル及びシクロアルケニルのような環状炭化水素
類及びフェニルのような芳香族炭化水素類がある。上記
式において、R基の少なくとも1つが不飽和アルケニル
であることが特に好ましい。それは、そのような基は、
ラジカル前駆体の添加及びそれに続く加熱により、得ら
れた官能化重合体を容易に硬化しうるからである。その
ような硬化性ポリマーはセラミックスを形成するのに大
きな価値がある。
【0030】上記クロロシランはN−Li結合をN−S
i結合と置換するのに少なくとも充分な量で用いられ
る。従って、ジクロロシランについては、N−Li結合
あたり少なくとも約0.5モルのシランの範囲の、そし
てモノクロロシランについてはN−Li結合あたり少な
くとも約1モルのシランの範囲の量が一般に用いられ
る。
【0031】次いで上記反応で生じた官能化ポリマー
は、溶液から単純に回収される。しかしながら、回収に
先立って溶液を中和すること、特に過剰のアルキルリチ
ウムを用いたとき、そうすることが好ましい。
【0032】ポリマーの回収法は臨界的ではなく、どん
な便宜な方法を用いてもよい。加熱及び/又は減圧下に
単純に蒸発させるかストリッピングするような方法が当
技術分野で知られており、ここでも有用である。
【0033】上記方法で形成した官能化ポリマーは、窒
素上のケイ素官能基を除いて前駆体ポリマーと本質的に
同じである。これは、プリカーサーポリマーとほぼ同じ
ポリマーの性質(分子量、Tg、溶解性等)を持ち、そ
の上に官能基が与える利点(例えば、ビニル又は他の基
が存在するときは硬化性)がつけ加わった官能化ポリマ
ーを生ずる。
【0034】上に述べたように、本発明方法は、ポリマ
ーが容易に硬化するように、ポリマー上に不飽和アルケ
ニル基(ビニルのような)を付加しているために特に価
値がある。そのような硬化性はセラミックスマトリック
ス複合物のような応用における深部硬化(deep s
ection curing)に不可欠である。そして
そのようなものとしてこのポリマーは、これらの分野で
特別に有用である。そのようなポリマーの硬化法は、一
般にラジカル前駆体の添加とそれに続く加熱を含む。こ
こで用いうるラジカル前駆体は、当技術分野でよく知ら
れており、ジアロイル、ジアルキル、ジアラルキル、ア
ルキルアリール、アルキルアロイル及びアルキルアシル
のような、加熱するとラジカルを生じる種々のパーオキ
サイドを含む。ラジカル前駆体の具体例としては、ジベ
ンゾイルパーオキサイド、ビス−2,4−ジクロロベン
ゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド等がある。
【0035】上記方法で形成したポリマーは、セラミッ
クスの製造に有用である。そのようなポリマーをセラミ
ックスに変換する方法は、不活性ガス中又は真空中で少
なくとも約750℃の温度でそれらを単に熱分解して炭
化ケイ素含有物質を生ぜしめることを含む。このポリマ
ーは熱分解に先立って成形し硬化して、例えば繊維を含
む種々の物体に形成してもよい。加えて、このポリマー
は、SiC又はSi3 4 のような従来のセラミック型
充填剤を充填してセラミック体を成形してもよく、ある
いは又セラミックス複合体用マトリックスとして用いて
もよい。
【0036】
【実施例】以下に、当業者が本発明を一層容易に理解し
うるように、非限定的例を挙げる。
【0037】例1 ゴール(Gaul)の米国特許No.4,340,61
9の方法により、フェニルビニルメチルポリジシリラザ
ンポリマーを調製した。即ち、28ポンドのメチルクロ
ロジシラン、4.8ポンドのフェニルビニルジクロロシ
ラン及び52ポンドのヘキサメチルジシラザンを230
℃で3.8時間反応させた。生じたポリマー(Tg:1
08℃)をヘプタン中固体分28%となるように希釈
し、90psiで約12時間アンモニアで処理した。こ
のポリマー溶液を濾過し、塩素のないポリマーを得た。
この溶液をポリマー1g当たり1.67mモルのBuL
iで処理し不溶性ポリマーを生じさせた。この溶液にテ
トラヒドロフランを加え、ポリマーを溶解した。得られ
た溶液は18重量%のポリマー、27重量%のTHF及
び55重量%のヘプタンを含んでいた。
【0038】この溶液の一部を複数個採り、種々のシラ
ンの前記ポリマーのリチウム塩との反応性を見るために
これらシランで処理した。次の第1表にその結果を示
す。
【0039】 第1表 実験 ポリマー量 シ ラ ン No(mモル) 薬 剤 mモル 備 考 1 6.0 Me2 ViSiCl 4.1 10分後沈澱 2 6.0 PhMeViSiCl 4.1 10分後沈澱 3 6.0 MeHSiCl2 1.0 0.3mlのガス発生 4 1.5 Me2 HSiCl 1.0 0.2mlのガス発生 5 1.5 (HMe2 Si)20 1.0 0.15mlのガス発生 6 3.0 Me2 SiCl2 3.0 3分かけて塩形成 7 3.0 MeHSiCl2 3.0 発熱し急激な反応 8 3.0 Me2 SiCl2 1.5 3分かけて塩形成9 3.0 MeHSiCl2 1.5 発熱し急激な反応 注)Me:メチル、Vi:ビニル、Ph:フェニル
【0040】例2 18gのポリマー及び46.2gのヘプタンを含む例1
の塩素のないポリマーの試料に26gのテトラヒドロフ
ラン及びヘキサン中2.6M BuLi溶液11.5m
L(BuLi30mモル)を加え、溶解性ポリマーを得
た。この溶液を18mモルのMe2 HSiClで処理し
たところ直ちに発熱し、固体が生じた。この試料を遠心
分離し固体を取り除いた。キャストフィルムのモルIR
吸収はA 2110/A1250(SiH/SiMe)=0.10
8を示した。これは理論値0.070に近い。このポリ
マーの溶液をストリップしたところ、Tgが103℃の
固体を生じた。
【0041】例3 216gのヘプタン中に84gのポリマーを含む例1の
塩素のないポリマーの試料に140mlのTHF及び8
0.8mlのヘキサン中2.6M BuLi(210mモ
ル)を加えたところ、可溶性ポリマーを生じた。この溶
液を210mモルのMe2 HSiClで処理し、次いで
還流下に4時間加熱した。この混合物を冷却し、20g
の塩化アンモニウムを加えた。この混合物をストリップ
しTHF及びヘキサンを除いた。この混合物を濾過し1
90℃、5TorrでストリップしたところTgが13
3℃のポリマーを生じた。NMRの基比はSiMeが
1.00,SiPhが0.50,SiViが0.130
であった。
【0042】例4 カナディ(Cannady)の米国特許No.4,54
0,803の方法で調製したヒドリドポリシラザンポリ
マー(Mw12,696;Mn2898;Tg119
℃)380gをキシレン572gに希釈した。攪拌機及
びストリッピングヘッドを備えた攪拌された三ツ口フラ
スコに上記溶液を仕込んだ。この溶液に、攪拌しつつ1
00gのTHF及び88mlのBuLi(ヘキサン中0.
15M)を加えた。次いで5分かけて21.4gの5−
ヘキセニルジメチルクロロシランを加えた。この溶液は
曇った状態に変わり、これを30分放置した。次いで
5.3gの塩化アンモニウムを加え、この混合物を2時
間攪拌した。この混合物を100℃でストリップし、冷
却し、濾過した。生成物はMwが11,604,Mnが
2749,Tgが110℃であり、ビニル基を0.8w
t%含んでいた。
【0043】次いで、このビニル含有ポリマーの3部分
を0,2.5及び7パーセントのビス(t−ブチルパー
オキシ−2,5−ジメチルヘキサン)を加え、窒素中2
時間200℃に加熱することにより、硬化することを試
みた。パーオキサイドを含むポリマーの部分は硬化して
いた(トルエンによる溶解性で判断)が、パーオキサイ
ドを含まない部分は硬化しなかった。アルゴン中120
0℃での熱分解したところ、硬化試料は、次のようなチ
ャー収率であった:2.5%パーオキサイド…59.5
%チャー収率、7%パーオキサイド…63.8%チャー
収率。
【0044】例5 カナディの米国特許No.4,540,803の方法に
より調製したヒドリドポリシラザンポリマー(Mw1
2,696;Mn2898;Tg119℃)380gを
キシレン572gに希釈した。この溶液をポット温度2
50℃で100Torrでストリップし、キシレンを除
いた。冷却して、572gのトルエンと175mLのB
uLi(ヘキサン中1.7M)を攪拌しつつ加えたとこ
ろ透明な溶液が生じた。この溶液に100gのTHFを
加えた。
【0045】上記溶液の複数の部分を次の第2表にリス
トしたシランで処理した。得られたポリマーを塩化アン
モニウム及び酢酸で中和した。これらのポリマーのMw
及びMnをこの表に示す。
【0046】 第2表 ポリマー量 シラン量 (ml) (mg当量) シ ラ ン Mw Mn 7.5 2 Me2 SiCl2 12,702 3115 7.5 2 MeHSiCl2 15,263 3384 7.5 1.8 13,798 3599 7.5 1.0 PhMeViSiCl 12,455 2764 残 り 30.9g ViMe2 SiCl 12,122 2803

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N−H結合を含むシラザンポリマーにケ
    イ素官能基を付加する方法において、前記N−H結合を
    含むシラザンポリマーをアルキルリチウムで処理してL
    iN結合を含むシラザンポリマーを形成し、このLi−
    N結合を含むシラザンポリマーをクロロシランと反応さ
    せてケイ素官能基を持つシラザンポリマーを形成する、
    前記方法。
  2. 【請求項2】 前記処理と反応とを溶媒中で行なう、請
    求項1の方法。
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