JPH05147Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は電気かみそり等の小形電気機器に関す
る。

〔従来の技術〕

例えば電気かみそり等は、合成樹脂製の前ケー
ス部材と後ケース部材とからなる本体ケースを備
えるとともに、これら前後一対のケース部材相互
は、そのうちのいずれか一方のケース部材の開口
縁に一体に突設した複数の爪を、他方のケース部
材の開口縁内面に形成した複数の爪受け凹部に
夫々掛合することによつて、連結されている。そ
して、この本体ケース内に回路部品が取付けられ
た印刷回路基板が収納されている。この基板はい
ずれか一方のケース部材の内面に位置決め用のリ
ブを複数一体に突設して、これらリブに印刷回路
基板の周縁を係合させ、それによつてケース部材
内の所定位置に印刷回路基板を保持するようにな
つていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、以上のように印刷回路基板を保持する
ための専用のリブを一方のケース部材内面に立て
る構成においては、リブ立て部分に対応するケー
ス部材に表面に、外観を損うヒケを生じるおそれ
が高いという問題があつた。しかも、既述のリブ
を複数設けることにより、このケース部材を成形
する型の構造が複雑となるから、成形コストが高
いという問題もあつた。

したがつて本考案の目的は、印刷回路基板を収
納する一方のケース部材表面のヒケを防止できる
安価な小径電気機器を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

そこで、上記問題点を解決するために本考案
は、一対の合成樹脂製ケース部材のうちのいずれ
か一方のケース部材の開口縁に一体に突設された
爪と、他方のケース部材の開口縁内面に形成され
た爪受け凹部とを掛合させてなる本体ケース内に
収納される印刷回路基板の保持を、その幅方向両
縁部を上記爪を有したケース部材の両縁部内面に
係合させるとともに、上記印刷配線基板の長さ方
向両縁部のうち少なくとも一方を上記爪の幅方向
の端面に係合させることにより実施したことを特
徴とする。

〔作用〕

このような本考案の構成によれば、ケース部材
の両縁部内面への印刷配線基板の幅方向両縁部の
係合により、印刷配線基板をその幅方向に位置決
めして保持できるとともに、一対のケース部材相
互を連結するための爪を利用して、この爪の幅方
向端面に印刷回路基板の長さ方向縁部を係合させ
たことにより、印刷回路基板をその長さ方向に位
置決めして保持できる。したがつて、このような
保持構造により、印刷配線基板を収納する一方の
ケース部材に、印刷回路基板を保持するためのリ
ブを設ける必要をなくすことができる。

〔実施例〕

第１図から第４図を参照して本考案の一実施例
を以下説明する。

図中１は電気かみそりの本体ケースであつて、
これは合成樹脂製の前ケース部材２と後ケース部
材３とを、その開口縁を互いに接合して連結する
ことによつて形成されている。前ケース部材２の
開口縁には、その上部左右２箇所において爪４が
夫々突設されているとともに、下部一箇所におい
て爪５が突設されている。これらの爪４，５の詳
細は第４図に示されている。しかも、第１図中６
は爪４の幅方向の下端面４ａから内向きにして一
体に成形されたリブ状の延出部で、これはかすが
い状に設けられるリブ状サポート部７で支えられ
ている。なお、これら各部６，７は省略しても差
支えないのものであるが、本実施例では爪４にの
み固有の付属構造で、他の爪５には設けられてい
ない。後ケース部材３の開口縁内面には上記爪
４，５に対向して３箇所に爪受け凹部８が形成さ
れている。この凹部８は第４図に代表して示され
ている。そして、前後一対のケース部材２，３
は、爪４，５を爪受け凹部８に弾性的に掛合させ
ることによつて、その開口縁を互いに接合して連
結されている。この連結状態の固定は、第２図に
示すように前ケース部材２の内面に一体に突設さ
れたねじ通し筒９に通した固定ねじ１０を、後ケ
ース部材３の内面に一体に突設されたねじ受けボ
ス１１に螺合することによつてなされている。な
お、第２図および第３図中１２は前ケース部材２
の前面に装着された化粧板である。

また、本体ケース１内にはトランスや図示しな
い抵抗およびダイオードなど回路部品１３が取付
けられた印刷回路基板１４が収納されている。こ
の回路基板１４は第１図および第２図に示すよ
う、その幅方向両縁部を上記爪４，５を有した前
ケース部材２の左右両縁部内面に係合させるとと
もに、長さ方向上縁部を上記爪４の幅方向端面４
ａに係合させて設けられている。さらに、印刷回
路基板１４の下縁部側は下側のねじ通し筒９の外
面に成形されたリブ状部９ａに係合されている。
このようにして、印刷配線基板１４は前ケース部
材２内に位置決めされて保持されている。なお、
印刷回路基板１４は前ケース部材１の内面に形成
された図示しない座部に周縁部を載置し、前ケー
ス部材２の内面から浮かされているとともに、上
記回路部品１３たるトランスが上記後ケース部材
３の内面に接触して、本体ケース１の厚み方向に
も位置決め保持されている。

さらに、本体ケース１内には印刷回路基板１４
の切欠部１４ａに位置して蓄電池１５が収納さ
れ、この蓄電池１５の外面は第３図中矢印方向に
上記爪５を押している。このようにして本体ケー
ス１の内蔵部品によつて爪５を外向きに押すこと
によつて、爪受け凹部８への爪５の掛合力を高め
て、前後一対のケース部材２，３の連結強度を向
上させるようになつている。したがつて、この工
夫を全ての爪係合部に適用する場合には上記固定
ねじ１０を省略ないしは少なくすることが可能で
あるとともに、そのようにしても落下時等におい
て不用意に本体ケース１が分解することを防止で
きるものである。

なお、第１図および第２図中１６は本体ケース
１からプラグ刃を出し入れ自在な充電用のプラ
グ、１７はモータ、１８は内刃、１９は外刃、２
０はスイツチを示している。

上記構成の電気かみそりにおいて、爪４，５を
有した前ケース部材２の両縁部内面への印刷配線
基板１４の幅方向両縁部の係合により、印刷配線
基板１４をその幅方向に位置決めして保持でき
る。これとともに、前後一対のケース部材２，３
相互を連結するための爪４を利用して、これの幅
方向の端面４ａに印刷回路基板１４の長さ方向縁
部を係合させたことにより、第１図中矢印方向の
移動を防止して、印刷回路基板１４をその長さ方
向に位置決めして保持できる。

このような印刷配線基板１４の保持構造によ
り、この基板１４を収納する前ケース部材２に、
印刷回路基板１４を保持するためのリブを殊更に
設ける必要をなくすことができる。したがつて、
リブ立てに伴う前ケース部材２の表面におけるヒ
ケの発生を防止できるとともに、前ケース部材２
を成形する型の構造も簡単となるから、型費が安
くなつて安価に前ケース部材２を成形でき、電気
かみそりの低コスト化に役立つものである。

なお、本考案において印刷回路基板１４の下端
部も下側の爪の幅方向端面に係合させて位置決め
するようにしても差支えない。また、本考案は電
気かみそりに制約されることはなく、ヘアードラ
イヤのハンドル部に収納される印刷回路基板の位
置決め保持にも適用できる他、他の小形電気機器
にも実施できることは勿論である。

〔考案の効果〕 以上説明したように本考案は、一対のケース部
材を連結するための爪を利用して印刷配線基板を
長さ方向に位置決めするとともに、上記爪を有し
たケース部材の両縁部を利用して印刷配線基板を
幅方向に位置決めした構成であるから、爪を有し
た上記ケース部材の内面に位置決めのためのリブ
を殊更立てる必要がなく、印刷回路基板を収納す
るケース部材表面のヒケを防止できるとともに、
安価に得ることができるという実用上の効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図から第４図は本考案の一実施例を示し、
第１図は後ケース部材を取外した状態の背面図、
第２図は縦断側面図、第３図は外刃を取外して示
す第２図中−線に沿う断面図、第４図は爪と
爪受け凹部とを分離して示す斜視図である。 １……本体ケース、２……前ケース部材、３…
…後ケース部材、４，５……爪、４ａ……爪の幅
方向端面、８……爪受け凹部、１３……回路部
品、１４……印刷回路基板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 開口縁を互いに接合して連結される一対の合成
   樹脂製ケース部材のうちのいずれか一方のケース
   部材の開口縁に一体に突設された爪と、他方のケ
   ース部材の開口縁内面に形成された爪受け凹部と
   を掛合させて、上記一対のケース部材を連結する
   とともに、これら両ケース部材よりなる本体ケー
   ス内に回路部品が装着された印刷回路基板を収納
   した小形電気機器において、 上記印刷配線基板の幅方向両縁部を、上記爪を
   有したケース部材の両縁部内面に係合させるとと
   もに、上記印刷配線基板の長さ方向両縁部のうち
   少なくとも一方を、上記爪の幅方向の端面に係合
   させて、この印刷配線基板を保持したことを特徴
   とする小形電気機器。