JPH05146652A - 気体分離膜 - Google Patents

気体分離膜

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JPH05146652A
JPH05146652A JP3317829A JP31782991A JPH05146652A JP H05146652 A JPH05146652 A JP H05146652A JP 3317829 A JP3317829 A JP 3317829A JP 31782991 A JP31782991 A JP 31782991A JP H05146652 A JPH05146652 A JP H05146652A
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radiation
oxygen
unsaturated bond
membrane
separation membrane
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JP3317829A
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English (en)
Inventor
Shinobu Watanabe
忍 渡辺
Hideo Ikezawa
秀男 池沢
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New Oji Paper Co Ltd
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Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23HWORKING OF METAL BY THE ACTION OF A HIGH CONCENTRATION OF ELECTRIC CURRENT ON A WORKPIECE USING AN ELECTRODE WHICH TAKES THE PLACE OF A TOOL; SUCH WORKING COMBINED WITH OTHER FORMS OF WORKING OF METAL
    • B23H1/00Electrical discharge machining, i.e. removing metal with a series of rapidly recurring electrical discharges between an electrode and a workpiece in the presence of a fluid dielectric
    • B23H1/02Electric circuits specially adapted therefor, e.g. power supply, control, preventing short circuits or other abnormal discharges

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸素の透過量と酸素の選択分離性という互に
相反する両方の特性を満足し、また膜厚を薄くしてもピ
ンホールが生じ難く、高い圧力にも耐え得る機械的強
度、および可撓性を有する気体分離膜を得ること。 【構成】 放射線照射により硬化可能な不飽和結合を有
する少なくとも1種のオルガノシロキサン化合物と、放
射線照射により硬化可能な不飽和結合を有する少なくと
も1種のポリエステル化合物と、放射線照射により硬化
可能な不飽和結合含有基およびベンゼン環含有基を有す
る少なくとも1種のポリエーテル化合物との組成物の、
放射線照射硬化体からなる気体分離膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気体分離膜に関するも
のである。さらに詳しく述べるならば、本発明は空気中
から酸素を選択的に分離濃縮するのに有用な気体分離膜
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】空気中から酸素を分離濃縮する方法とし
て大規模、高濃度富化のためには深冷分離法が知られて
おり、中規模、高濃度富化のためには吸着法(PSA
法)が知られており、また、低濃度富化のためには膜分
離法が知られている。これらの方法の中で膜分離法は、
消費エネルギーが少なく、保守管理が容易であるという
利点を有している。また酸素富化空気が工業的、および
医療用途などに利用される場合、その酸素濃度は35%
以下で十分であるという点において膜分離法の利用が最
も経済的である。
【0003】また現在、酸素濃度30〜50%程度の酸
素富化空気を使用する燃焼用途、医療用途を中心とした
研究開発および商品化が行われている。燃焼用に酸素富
化空気を用いる場合、通常の空気内燃焼との違いは、単
位燃料当りの必要空気量が少ないことであり、それによ
って、燃焼ガスの容積が減り、火炎温度が上昇し、また
排ガス量も減少する。そのため、火炎温度上昇による熱
伝達量の増大と排ガス量の減少による排ガス損失熱量の
減少が可能になり、省エネルギー効果が達成される。
【0004】医療用に酸素富化空気を用いる場合、高濃
度酸素吸入による酸素中毒を防ぐため、濃度が過度に高
い酸素よりも、40%程度の酸素濃度を有する酸素富化
空気の使用が適当であり、酸素ボンベに充填された純酸
素を希釈して用いることは、酸素ボンベ等の重量が重い
こともあって取り扱いや管理に手間がかかり、また純酸
素には水分を含まないので、これを吸入用には直接には
使用できないなどの制約がある。これに対し膜分離法を
用いた場合、この膜は水蒸気の透過性が良好なため、膜
通過後の酸素富化空気中の水蒸気濃度は上昇しているか
ら、新たな加湿装置を設けることなしにこの酸素富化空
気を長期間使用しても気管支等への影響が少なく、装置
も軽量小型に作製できるなどの利点がある。日本におい
ても昭和60年3月より在宅酸素療法が健康保険の対象
として認められるようになり、軽量小型で運転音も静か
な膜を用いた酸素富化空気発生装置の需要は増大しつゝ
ある。
【0005】これらの分野において酸素富化空気を製造
するために用いられている分離膜は、その酸素の透過
量、酸素の選択分離性、および機械的強度の点で十分満
足できるものは未だ得られていない。膜を用いる酸素の
分離濃縮において、気体分離膜に要求される特性は、高
い酸素の透過係数を有し、かつ高い酸素選択性を有し、
さらに透過速度向上のための薄膜化が可能であり、しか
も実用上十分な機械的強度を有することである。
【0006】分離膜により得られる気体の透過量は次式
(I)により算出できる。
【数1】 〔但し、式中Qは気体透過量(cm3 ・(STP))、 PA :気体Aの気体透過係数(cm3 ・(STP)・cm/cm2
sec ・cmHg)、 △P:膜両面の気体の分圧差(cmHg)、 A :膜の面積(cm2)、 t :時間(sec )、 L :膜厚(cm)、STPは0℃、1気圧の標準状態を
表わす〕
【0007】したがって、膜の面積当りの、製造される
酸素富化空気量を多くするには、膜素材として酸素透過
係数(PA ) の大きいものを使用し、かつ膜厚(L)が
薄くなるように成膜し、膜の両面の圧力差(ΔP)を大
きくすればよい。通常の高分子膜において、気体の透過
性と選択分離性は相反する場合が多く、高い気体透過係
数を有する高分子膜は選択分離性が悪く、高い選択分離
性を有する高分子膜は気体透過係数が悪い。
【0008】ポリジメチルシロキサン(シリコーンゴ
ム)は、非常に大きな気体透過係数(PO2 =6×10-8
cm3(STP)・cm/cm2 ・sec ・cmHg)を有することが知ら
れているが、酸素と窒素の選択透過係数(α)は2であ
って比較的低く、またその機械的強度が不十分であり、
25μm以下の厚さになるとピンホールが生じやすいな
どの欠点を有している。
【0009】この機械的強度の面を改善するためにポリ
オルガノシロキサンと種々高分子の共重合が試みられて
いる。すなわち、米国のゼネラルエレクトリック社のオ
ルガノポリシロキサン−ポリカーボネート共重合体(特
開昭54−40868号参照)、主鎖に芳香環を有する
フェノール系樹脂と α、 ω−2官能性ポリシロキサン
から得られる架橋型共重合体(特開昭56−24019
号参照)、およびポリジメチルシロキサン−ポリヒドロ
キシスチレンのブロック共重合体(特開昭56−112
457号参照)等が研究されているが、いずれも機械的
強度の面は改善されたが、選択透過性が2. 3 前後で
あって不十分なものである。
【0010】また、ポリトリメチルシリルプロピンは、
ポリジメチルシロキサンよりも選択分離性においては劣
るが、非常に高い透過係数を示すものであり、ポリ(4
−メチルペンテン−1)は、透過係数が小さいが選択分
離性は大きいという特徴を有しているが、いずれも透過
性の安定性に欠け、経時的に膜が緻密化し、透過性が急
速に悪化するという問題点を有している。そのため、こ
れに紫外線を照射したり(特開昭60−206403号
参照)、或は非対称性膜や複合膜にすることが試みられ
ているが、満足な結果は得られていない。
【0011】放射線硬化を利用して得られた気体分離膜
としては、反応基を有する重合体を水面上に展開し、こ
れに光エネルギー、あるいは電子エネルギーを照射する
方法(特開昭61−278307号、および特開昭62
−125825号参照)が知られているが、この重合体
は、水面上に展開後に架橋するため、架橋が不十分にな
りやすく、また電子線を水面展開上に照射する場合、必
要な装置が大きくなり実際的ではないなどの問題があ
る。
【0012】放射線硬化を利用した他の気体分離膜とし
ては、液状のシロキサン化合物を多孔質体に塗布し、こ
の塗布層に紫外線、または電子線を照射して硬化させた
後、この被照射体から未硬化のシロキサン化合物を溶媒
抽出する方法(特開昭62−136212号参照)、あ
るいは多孔質体に液状のシロキサン化合物を片面から含
浸し、もう片面から紫外線または電子線を照射した後に
未硬化のシロキサン化合物を溶媒抽出する方法(特開昭
62−149308号参照)がある。しかし、これらの
方法においては、硬化すべき物質を多孔質体に含浸する
ため、紫外線または電子線が照射されない部分が発生す
るから未硬化のシロキサン化合物を溶媒抽出する必要が
あり、そのため多孔質体とシロキサン化合物硬化体との
接着性が低下し、機械的強度が悪化するばかりでなく、
形成した膜はポリシロキサン単独であり、選択透過性が
劣るという問題がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の気体
分離膜の先に述べたような欠点を解消し、酸素の透過量
と酸素の選択分離性との両方において満足でき、かつ膜
を薄くしてもピンホールが生じ難く、高い圧力差にも耐
え得る機械的強度、および実用上十分な可撓性を有する
気体分離膜を提供しようとするものである。
【0014】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは放射線重
合性組成物よりなる気体分離膜に関し鋭意検討を行った
結果、放射線照射により硬化可能な不飽和結合を有する
オルガノシロキサン化合物と、放射線照射により硬化可
能な不飽和結合を有するポリエステル化合物と、並びに
放射線照射により硬化可能な不飽和結合含有基およびベ
ンゼン環含有基を有するポリエーテル化合物とを含む放
射線重合性組成物に、紫外線または電子線などの放射線
を照射することにより硬化させて作成した気体分離膜
が、酸素の透過量、酸素の選択分離性、機械的強度およ
び可撓性に優れていることを見いだし、この知見に基づ
いて本発明を完成した。
【0015】すなわち、本発明の気体分離膜は、放射線
照射により硬化可能な、不飽和結合を有する少なくとも
1種のオルガノシロキサン化合物と、放射線照射により
硬化可能な、不飽和結合を有する少なくとも1種のポリ
エステル化合物と、並びに放射線照射により硬化可能
な、不飽和結合含有基およびベンゼン環含有基を有する
少なくとも1種のポリエーテル化合物とからなる放射線
重合性組成物の、放射線照射硬化体からなることを特徴
とするものである。
【0016】本発明による気体分離膜は、成膜性が良好
であり、かつ酸素の選択分離性が良好であり、架橋可能
な不飽和結合を有するポリエステル化合物成分と、酸素
の選択分離性が優れ、かつ高い伸長性を有し、可撓性の
優れた、放射線架橋性、不飽和結合含有基およびベンゼ
ン環含有基を有するポリエーテル化合物成分とを、酸素
透過性が良好であるが成膜性に劣る、放射線架橋性不飽
和結合を有するオルガノシロキサン化合物成分に混合
し、この混合物から得られた膜状体に放射線を照射する
ことによりこれを架橋硬化して膜強度および可撓性を増
大させ、かつ酸素の選択分離性を向上させたものであ
る。すなわち、本発明の気体分離膜内において、機械的
強度の高いポリエステル化合物成分と、可撓性の良好な
ベンゼン環含有ポリエーテル化合物成分により構成され
た網目構造中に、酸素透過性が良好なオルガノシロキサ
ン化合物成分が絡み合い、上記の特性を発現しているの
である。また、放射線照射による適度の架橋によって、
分子運動が抑制されているため、得られる分離膜の酸素
透過量がわづかに減少するが、しかし酸素の選択分離性
が著しく向上しているのである。
【0017】本発明において、放射線照射により硬化可
能な不飽和結合とは、ビニル基、アクリロイル基、メタ
クリロイル基、アクリルアミド基、アリル基などである
が、放射線照射により反応する官能基であれば、上記の
基に限定されるものではない。これらの不飽和基の中で
好ましいものはアクリロイル基、メタクリロイル基、お
よびビニル基である。
【0018】また、本発明において、放射線照射により
硬化可能な、不飽和結合を有するオルガノシロキサン化
合物とは、主たる繰り返し単位として下記化学式
(1):
【化1】 (但し、R1 およびR2 は、それぞれ他から独立に、水
素原子、およびアルキル基、ハロゲン化アルキル基、フ
ェニル基から選ばれる有機基を表わし、nは2〜10
0,000、好ましくは10〜10,000の整数であ
る)を有するものである。オルガノシロキサン化合物は
単一種の式(1)の繰り返し単位を有するものであって
もよいし、或は、2種以上の式(1)の繰り返し単位を
有する共重合体であってもよい。オルガノシロキサン化
合物の構造中に含まれる不飽和結合の数は、1〜12官
能であり、好ましくは2〜6官能である。
【0019】このようなオルガノシロキサンの例として
は、ジメチルシロキサンアクリレート、ジメチルシロキ
サンジアクリレート、ジメチルシロキサンヘキサアクリ
レート、メチルフェニルシロキサンアクリレート、メチ
ルフェニルシロキサンジアクリレート、メチルフェニル
シロキサンヘキサアクリレート、ジフェニルシロキサン
アクリレート、ジフェニルシロキサンジアクリレート、
ジフェニルシロキサンヘキサアクリレート、ジメチルビ
ニルシロキサン、ジメチルジビニルシロキサン、メチル
フェニルビニルシロキサン、メチルフェニルジビニルシ
ロキサン、ジフェニルビニルシロキサン、およびジフェ
ニルジビニルシロキサンなどがあげられるが、本発明に
おいて使用できるものはこれらに限定されるものではな
い。
【0020】本発明において、放射線照射により硬化可
能な、不飽和結合を有するポリエステル化合物とは、多
塩基酸と多価アルコールから得られ、かつ不飽和結合を
有するポリエステルであり、その分子量は200〜10
0,000であることが好ましい。また、その構造中に
含まれる不飽和結合の数は1〜8であることが好まし
く、より好ましくは2〜4である。これら不飽和ポリエ
ステル化合物の例としては、α、ω−ジアクリロイル−
(ビスエチレングリコール)−フタレート、α、ω−テ
トラアクリロイル−(ビストリメチロールプロパン)−
テトラヒドロフタレートなどがあげらるが、本発明にお
いて使用できるものはこれらに限るものではない。
【0021】本発明において、放射線照射により硬化可
能な、不飽和結合含有基およびベンゼン環含有基を有す
るポリエーテル化合物とは、その分子鎖の片末端に放射
線照射により架橋性を示す不飽和結合含有基を有し、も
う1つの片末端にベンゼン環含有基を有し、両末端基の
間にエーテル結合を含む主鎖が配置されているものであ
る。この不飽和結合含有基は、前述のようにビニル基、
アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド
基、アリル基などから選ぶことができる。その分子量は
120〜10,000であることが好ましく、また、ベ
ンゼン環含有基はメチル基、エチル基等のアルキル基、
塩素、臭素等のハロゲン基、ハロゲン化アルキル基、ニ
トロ基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、エステル
基、アシル基、シアノ基、イミノ基等の置換基を有して
もよく、これらの置換基の数は複数個であってもよい。
【0022】このようなポリエーテル化合物の例として
は、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチ
レングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレ
ングリコールアクリレート、ノニルフェノキシエチルア
クリレート、ノニルフェノキシジエチレングリコールア
クリレート、ノニルフェノキシテトラエチレングリコー
ルアクリレート、フェノキシジプロピレングリコールア
クリレート、フェノキシテトラプロピレングリコールア
クリレート、ノニルフェノキシジプロピレングリコール
アクリレート、ノニルフェノキシテトラプロピレングリ
コールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシ
プロピルアクリレート、エチレンオキサイド変性トリブ
ロモフェノールアクリレート、エチレンオキサイド変性
トリブロモフェノールメタクリレート、およびエチレン
グリコール変性フタール酸アクリレートなどがあげられ
るが、本発明において使用できるものはこれに限るもの
ではない。
【0023】本発明に用いられる放射線重合性組成物に
おいて、それに含まれる不飽和結合を有する放射線硬化
性ポリエステル化合物成分の配合比は2〜30重量%で
あることが好ましく、より好ましくは5〜15重量%で
ある。不飽和結合を有するポリエステル化合物の配合率
が2重量%未満であると、得られる分離膜の機械的強度
が不十分になり、また、それが30重量%を越えると得
られる分離膜の酸素透過性が悪化する。
【0024】また、放射線重合性組成物において、不飽
和結合含有基およびベンゼン環含有基を有するポリエー
テル化合物成分の配合比は、5〜40重量%であること
が好ましく、より好ましくは15〜30重量%である。
このベンゼン環含有ポリエーテル化合物の配合率が5重
量%未満であると、得られる分離膜の可撓性が悪化し、
また、それが40重量%を越えると得られる分離膜の酸
素透過性が悪化する。
【0025】また、放射線重合性組成物は、不飽和結合
を有するオルガノシロキサン化合物成分と不飽和結合を
有するポリエステル化合物成分と、不飽和結合含有基と
ベンゼン環含有基とを有するポリエーテル化合物成分と
を各々1種以上混合して得られるが、この不飽和オルガ
ノシロキサン化合物成分は、シロキサン単位の置換基の
種類と重合度、および官能基数の異なる2種以上の化合
物の混合物であってもよく、同様に不飽和ポリエステル
化合物成分も、種類と重合度、および官能基数の異なる
2種以上の化合物の混合物であってもよく、また不飽和
結合含有基およびベンゼン環含有基を有するポリエーテ
ル化合物成分も同様に種類と重合度の異なる2種以上の
化合物の混合物であってもよく、これらは得られる分離
膜の、酸素の透過量、酸素の選択分離性、強度、および
可撓性などの特性を考慮して配合すればよい。
【0026】本発明における気体分離膜の作成方法は、
不飽和オルガノシロキサン化合物成分と不飽和ポリエス
テル化合物成分と不飽和結合含有基とベンゼン環含有基
とを有するポリエーテル化合物成分とを混合して調製し
た放射線重合性組成物を、塗布操作に適した粘度に調整
した後、これを成形基材の成形表面上に塗布し、この塗
布層に電子線あるいは紫外線などの放射線を照射して硬
化させ、得られた硬化膜を基材より剥離する工程により
構成される。
【0027】本発明の気体分離膜の作成方法において
は、不飽和オルガノシロキサン化合物成分と不飽和ポリ
エステル化合物成分と不飽和結合含有基とベンゼン環含
有基とを有するポリエーテル化合物成分とを混合して塗
布用組成物が調製されるが、その際に適当な有機溶媒を
用いて塗布液の粘度を塗布に適した粘度に調整してもよ
い。有機溶媒を用いる場合は、不飽和オルガノシロキサ
ン化合物成分と不飽和ポリエステル化合物成分と不飽和
結合含有基およびベンゼン環含有基を有するポリエーテ
ル成分とを混合し、この混合物を適当な有機溶媒を用い
て希釈して、あるいは、各成分を、別個に適当な有機溶
媒を用いて希釈し、この希釈液を混合して用いてもよ
い。上述のように、有機溶媒を用いる場合は、得られた
放射線重合性組成物を基材に塗布し、塗布液層を乾燥さ
せて有機溶媒を取り除いた後に、これに電子線あるいは
紫外線を照射して硬化させる。
【0028】本発明に用いることのできる有機溶媒には
格別の制限はなく、例えばヘキサン、ヘプタン等の脂肪
族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベン
ゼン、トルエン等の芳香族系有機溶媒、クロロフォル
ム、二塩化エチレン、四塩化炭素等のハロゲン化アルキ
ル、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、およ
びジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン等のエーテル類を使用することができる。
【0029】本発明の気体分離膜は、支持体を用いるこ
となく膜単独でも使用可能であるが、もちろん支持体を
用いる複合膜であってもなんら差し支えない。その支持
体としては、紙、不織布、ポリオレフィンあるいはポリ
エステル製のメッシュ、ポリスルホンやポリエーテルス
ルホン、ポリプロピレン、ポリフルオロエチレン、ポリ
イミド、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、セルロー
スエステル、ポリエステル、および多孔質ガラス等の多
孔質支持体を用いることができる。支持体を用いる場合
は、放射線重合性組成物を支持体に直接塗布し、あるい
は含浸した後、これに放射線を照射して硬化させるか、
または基材上に塗布した放射線重合性組成物層に放射線
照射してこれを硬化した後、この硬化膜を基材より剥離
して支持体と貼り合わせて複合膜を形成する。
【0030】本発明気体分離膜の作成方法において、放
射線重合性組成物から分離膜体を形成するために用いら
れる硬化成形用基材としては、鉄板やステンレス板等の
金属板、ガラス板、並びにポリエチレンテレフタレート
やポリエチレン、ポリプロピレン等の高分子フィルム等
を用いることができるが、これ以外に電子線や紫外線に
より著しく構造が劣化し、あるいは著しく架橋して機械
的強度等の物性が著しく変化することがない限り、他の
物質を使用してもよく、好ましくは、放射線に対し、高
い耐久力を有する平滑なフィルム状、板状、円筒状等の
形状を有する材料が用いられる。
【0031】本発明の気体分離膜の膜厚は、支持体を用
いることなく膜単独で用いられる場合、および膜と支持
体を貼り合わせて複合膜として用いる場合のいづれであ
っても、0.05〜200μmであることが好ましく、
より好ましくは0.1〜10μmである。放射線重合性
組成物を支持体に直接塗布し、あるいは含浸して硬化さ
せて複合膜を形成する場合には、分離膜の厚さは、用い
られる支持体の種類、およびそれが多孔質支持体の場合
には、その孔径により異なるが通常0.1〜200μm
であることが好ましく、より好ましくは1〜20μmで
ある。
【0032】放射線重合性組成物を硬化させるための放
射線として電子線を用いる場合、気体分離膜の架橋の程
度を制御するために、加速電圧、照射線量などの条件
を、使用する放射線重合性組成物の種類に応じて適宜に
設定する。例えば、加速電圧は150〜200KV、照
射線量は1〜25Mradに設定されるが、これらの範
囲に限定されるものではない。
【0033】放射線重合性組成物を硬化させる放射線と
して紫外線を用いる場合、組成物に増感剤を添加するこ
とにより、照射時間を大幅に短縮することができる。こ
のような増感剤としては過酸化ベンゾイル等の過酸化
物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、ジア
セチル、ジベンジル等のカルボニル化合物、ジフェニル
モノ及びジスルフィド、ジベンゾイルモノ及びジスルフ
ィド等の硫黄化合物、四塩化炭素等のハロゲン化合物、
塩化第二鉄等の金属塩、およびベンゾインイソプロピル
エーテル等の化合物等を用いることができる。これらの
増感剤は放射線重合性組成物に対して通常0.1〜30
重量%の添加量で用いられることが好ましく、より好ま
しくは0.3〜6重量%である。また増感剤の使用に際
しては、放射線重合性組成物、あるいは放射線重合性組
成物の有機溶剤希釈物に対して、最も相溶性のよい増感
剤を選択することが重要である。紫外線の照射方式とし
ては通常に用いられている方法、すなわち、放電灯方
式、フラッシュランプ方式、レーザー方式、無電極ラン
プ方式等を用いることができる。
【0034】尚、本発明の気体分離膜は、その用途に応
じてフィルム状のものはもちろん、チューブ状、スパイ
ラル型、および中空糸膜等の種々の形態を有するものを
包含する。
【0035】
【実施例】本発明を下記実施例により具体的に説明する
が、本発明の範囲はこれら実施例により限定されるもの
ではない。
【0036】実施例1 0.35gのシロキサンジアクリレート(ダイセルUC
B製、商標:EBECRYL350)と、0. 35gの
シロキサンヘキサアクリレート(ダイセルUCB製、商
標:EBECRYL1360)と、0. 1gのポリエス
テルジアクリレート(東亜合成製、商標:M6100)
と、0. 2gフェノキシエチルアクリレート(第一工業
製薬製、商標:GX−8079)を混合し、これにクロ
ロフォルムを、上記混合物の濃度が10重量%になるよ
うに加えた。得られたクロロフォルム希釈液をガラス板
上に、乾燥後の膜厚が10μmになるように塗布し、こ
れを40℃で乾燥した後、得られた塗布層に電子線を加
速電圧175KV、照射線量8Mradで照射してこれ
を硬化し、得られた硬化膜をガラス板から剥離して気体
分離膜を製造した。
【0037】得られた気体分離膜試料の気体透過性を高
真空法で測定した。結果を表1に示す。
【0038】実施例2 0. 6gのEBECRYL350と、0. 2gのEBE
CRYL1360と、0. 05gのポリエステルテトラ
アクリレート(東亜合成製、商標:M7100)と、
0. 15gのノニルフェノキシテトラエチレングリコー
ルアクリレート(東亜合成製、商標:M102)とを混
合し、この混合物にクロロフォルムを、上記混合物の濃
度が10重量%になるように加えた。得られたクロロフ
ォルム希釈液をガラス板上に、乾燥後の膜厚が10μm
になるように塗布し、これを40℃で乾燥した後、得ら
れた塗布層に電子線を加速電圧175KV、照射線量6
Mradで照射してこれを硬化し、得られた硬化膜をガ
ラス板から、剥離して気体分離膜を製造した。テスト結
果を表1に示す。
【0039】実施例3 0. 7gのポリジメチルシロキサンメタクリレート(チ
ッソ製、商標:FM0725)と、0. 05gのM61
00と、0. 05gのM7100と、0. 2gのM10
2とを混合し、この混合物にクロロフォルムを、上記混
合物の濃度が10重量%になるように加えた。得られた
クロロフォルム希釈液をガラス板上に、乾燥後の膜厚が
10μmになるように塗布し、これを40℃で乾燥した
後、得られた塗布層に電子線を加速電圧175KV、照
射線量6Mradで照射してこれを硬化し、得られた硬
化膜をガラス板から、剥離して気体分離膜を製造した。
テスト結果を表1に示す。
【0040】実施例4 0. 75gのFM0725と、0. 05gのM6100
と、0.1gのGX8079と、0. 1gのM102と
を混合し、この混合物にクロロフォルムを、上記混合物
の濃度が10重量%になるように加えた。得られたクロ
ロフォルム希釈液をガラス板上に、乾燥後の膜厚が10
μmになるように塗布し、これを40℃で乾燥した後、
得られた塗布層に電子線を加速電圧175kv、照射線
量6Mradで照射してこれを硬化し、得られた硬化膜
をガラス板から、剥離して気体分離膜を製造した。テス
ト結果を表1に示す。
【0041】比較例1 1gのEBECRYL350に、クロロフォルムを、E
BECRYL350の濃度が10重量%になるように加
えた。得られたクロロフォルム希釈液をガラス板上に、
乾燥後の膜厚が10μmになるように塗布し、これを4
0℃で乾燥した後、得られた塗布層に電子線を加速電圧
175KV、照射線量6Mradで照射してこれを硬化
し、得られた硬化膜をガラス板から、剥離して気体分離
膜を製造した。テスト結果を表1に示す。
【0042】比較例2 0. 8gのEBECRYL350と、0. 2gのEBE
CRYL1360とを混合し、これにクロロフォルム
を、上記混合物の濃度が10重量%になるように加え
た。得られたクロロフォルム希釈液をガラス板上に、乾
燥後の膜厚が10μmになるように塗布し、これを40
℃で乾燥した後、得られた塗布層に電子線を加速電圧1
75KV、照射線量6Mradで照射してこれを硬化
し、得られた硬化膜をガラス板から剥離して気体分離膜
を製造した。テスト結果を表1に示す。
【0043】比較例3 0. 8gのEBECRYL350に、0. 2gのスチレ
ンモノマーを混合し、これにクロロフォルムを、上記混
合物の濃度が10重量%になるように加えた。得られた
クロロフォルム希釈液をガラス板上に、乾燥後の膜厚が
10μmになるように塗布し、これを40℃で乾燥した
後、得られた塗布層に電子線を加速電圧175KV、照
射線量6Mradで照射してこれを硬化し、得られた硬
化膜をガラス板から、剥離して気体分離膜を製造した。
テスト結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】不飽和オルガノシロキサン化合物成分と不
飽和ポリエステル化合物成分と、不飽和結合含有基およ
びベンゼン環含有基を有するポリエーテル化合物成分か
らなる混合物に電子線を照射し硬化して得られた本発明
の気体分離膜は、高真空法による繰り返し測定によって
も、或は膜を二つ折りに曲げても、膜の破損は全く見ら
れなかった。また、その酸素透過係数および酸素の選択
分離性はともに満足できるものであった。それに対し
て、不飽和オルガノシロキサン化合物単独、あるいは、
これにスチレンモノマーを混合して製造された比較膜
は、ガラス板上から剥離する際に破損するか、或はピン
ホールを有するものであった。
【0046】
【発明の効果】本発明の気体分離膜は、酸素の透過量、
酸素の選択分離性、および機械的強度においてすぐれた
ものであって、しかも容易にかつ簡便に作成できるとい
う利点を有し、実用上きわめてすぐれたものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線照射により硬化可能な不飽和結合
    を有する少なくとも1種のオルガノシロキサン化合物
    と、放射線照射により硬化可能な不飽和結合を有する少
    なくとも1種のポリエステル化合物と、並びに放射線照
    射により硬化可能な不飽和結合含有基およびベンゼン環
    含有基を有する少なくとも1種のポリエーテル化合物と
    からなる放射線重合性組成物の、放射線照射硬化体より
    なる気体分離膜。
JP3317829A 1991-12-02 1991-12-02 気体分離膜 Pending JPH05146652A (ja)

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