JPH0514280Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、プリンタにおけるネガキヤリアユ
ニツト装置に関するものである。

〔従来の技術およびその問題点〕

光源とレンズとの間にネガフイルムをセツト
し、そのネガフイルムに光を照射し、レンズによ
り投映された像を引延用印画紙に焼付けを施すよ
うにしたプリンタにおいては、上記ネガフイルム
をネガキヤリアユニツトで支持して露光作業を行
なうようにしている。

上記ネガキヤリアユニツトは、第１図乃至第３
図を援用して説明すると、ネガマスク１の上面に
フイルム案内溝２を設け、そのフイルム案内溝２
の底面に露光用の開口３を形成し、上記フイルム
案内溝２に挿入したネガフイルムＦをネガ押え部
材４で押えるようにしてある。

ここで、ネガ押え部材４は、ネガ押えアーム５
と、そのネガ押えアーム５の下方に配置されたネ
ガ押え枠６とを備え、上記ネガ押えアーム５の両
側後部に設けた一対の突片７はネガマスク１の上
面後部から突設する一対の支持片８にピン９で揺
動可能に支持されている。またネガ押えアーム５
にはネガマスク１の開口３に対向する位置に透孔
９′が設けられ、その透孔９′の両側部に形成した
一対のピン挿入孔１０に前記ネガ押え枠６の上面
両側に設けた一対のピン１１を挿入して抜け止め
し、上記ピン１１の外側に嵌合したスプリング１
２でネガ押え枠６を下方向に押圧してある。

上記の構成から成るネガキヤリアユニツトＡ
は、ネガ押えアーム５を下方向に回動してフイル
ム案内溝２に挿入したネガフイルムＦをネガ押え
枠６で弾力的に押え、その状態で露光作業を行な
うようにしており、また、ネガ押えアーム５を上
方向に回動し、ネガフイルムＦの押圧を解除した
状態でネガフイルムＦをコマ送りするようにして
いる。

このようなネガフイルムＦの送りに際しては、
ネガフイルムＦの種類に応じてそのネガフイルム
Ｆを縦送りし、あるいは横送りする必要がある。
このため、上記のネガキヤリアユニツトＡは、フ
イルム案内溝２の向きを変更し得るように支持す
る必要がある。

ところで、従来は、ターンテーブル上にネガキ
ヤリアユニツトを取付け、上記ターンテーブルの
回転によつてフイルム案内溝の向きを変更する構
成であるため、ターンテーブルを回転可能に支持
してそのテーブル回転駆動装置を設け、さらには
ターンテーブルを回転停止位置で保持する機構等
が必要であるため、支持装置の構成がきわめて複
雑であり、組立てに非常に手間がかかるという不
都合がある。

〔考案の目的〕

そこで、この考案は上記の不都合を解消し、き
わめて簡単な操作によつてフイルムの送り方向を
変更することができる簡単な構成のネガキヤリア
ユニツトの支持装置を提供することを目的として
いる。

〔考案の構成〕

上記の目的を達成するために、この考案は、ネ
ガキヤリアユニツトを支持するネガマスク台の一
面前部に固定突起を突設し、ネガマスク台の同一
面後部には固定突起に対して移動可能に支持さ
れ、スプリングにより固定突起に向けて押される
可動突起を設け、前記ネガキヤリアユニツトを形
成するネガマスクの外周には上記固定突起および
可動突起が係合可能な４つの係合凹部を等角度に
設けた構成としたのである。

〔作用〕

上記ネガマスクの外周に形成した４つの係合凹
部のうち、その一つの係合凹部を可動突起に嵌合
してネガマスクをネガマスク台の一面後部に向け
て押し込むと、上記可動突起がスプリングの弾力
に抗して後退し、ネガマスクをネガマスク台に重
ね合わせることができる。そこで、上記スプリン
グの復元弾性によつて、あるいは人手によつてネ
ガマスクを手前に移動させると、固定突起に係合
凹部が嵌合し、ネガマスク台の所定の位置にネガ
マスクを位置決めすることができる。

したがつて、係合凹部に対する固定突起および
可動突起の係合位置を変えることにより、フイル
ム案内溝の向きを変更することができる。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

第２図および第３図に示すように、ネガマスク
台２０は角孔２１を備え、前面の中央部から前方
に張り出す突出部２２の上面には固定突起２３が
設けられている。また、ネガマスク台２０の上面
後部には、上記固定突起２３に向けて長いガイド
溝２４が形成され、そのガイド溝２４にスライダ
２５と、このスライダ２５を固定突起２３に向け
て押圧するスプリング２６とが嵌合されている。

上記スライダ２５の上面には可動突起２７が設
けられ、その可動突起２７と前記の固定突起２３
は上部径が下部径より大径のテーパピンから成つ
ている。

ネガマスク台２０の上面に載置される前述のネ
ガキヤリアユニツトＡのネガマスク１は角形にな
り、上面に形成したフイルム案内溝２の両端部
は、ネガマスク１の両側面で開放している。この
ネガマスク１の両側面と前面および後面の中央部
には前記の固定突起２３および可動突起２７が嵌
合可能なＶ字形の係合凹部１３が設けられ、その
係合凹部１３の両側面は第２図および第４図に示
すように、固定突起２３および可動突起２７の外
周面に適合するテーパ面１４になつている。

いま、ネガマスク１の外周に形成した４つの係
合凹部１３のうち、一つの係合凹部１３を可動突
起２７に嵌合してそのネガマスク１を後方に押す
と、スライダ２５がスプリング２６の弾力に抗し
て後方に移動し、ネガマスク台２０の上面にネガ
マスク１を重ね合わせることができる。その状態
において、スプリング２６の弾力によりスライダ
２５および可動突起２７を介してネガマスク１を
手前に移動せしめ、あるいは人手によつてネガマ
スク１を手前に移動させると、ネガマスク１の手
前に位置する係合凹部１３に固定突起２３が嵌合
し、ネガマスク台２０上にネガキヤリアユニツト
Ａを取付けることができる。

そこで、ネガマスク１の前後面に形成した係合
凹部１３に固定突起２３および可動突起２７を嵌
合させると、第５図に示すように、ネガマスク１
のフイルム案内溝２は横向きに支持され、そのフ
イルム案内溝２挿入するネガフイルムＦを横送り
することができる。また、ネガマスク１の両側面
に形成した係合凹部１３に固定突起２３および可
動突起２７を嵌合させると、第６図に示すように
フイルム案内溝２が縦向きに支持され、ネガフイ
ルムＦを縦送りすることができる。

ところで、上記のようなネガキヤリアユニツト
Ａの取付けにおいて、ネガマスク１は固定突起２
３によつて位置決めされるため、ネガマスク台２
０の所定の位置にネガマスク１を正確に取付ける
ことができると共に、固定突起２３および可動突
起２７は係合凹部１３に嵌合しているため、ネガ
マスク１は前後、左右方向に移動せず、しかも固
定突起および可動突起２７の外周のテーパ面は係
合凹部１３の両側テーパ面１４に係合するため、
ネガマスク１が上方向へ移動することがない。

なお、フイルム案内溝２の向きの変更に際して
は、ネガマスク１を90°向きを変えて起き換える
ようにし、あるいはネガマスク台２０の上面に沿
つてネガマスク１を90°回転させるようにする。

実施例の場合は、固定突起２３および可動突起
２７としてテーパピンから成るものを示し、また
係合凹部１３としてＶ字形のものを示したが、固
定突起２３、可動突起２７および係合凹部１３の
形状は任意である。

また、実施例の場合は、鉛直方向から焼付露光
を行なうプリンタのネガキヤリア装置を示した
が、水平方向から焼付露光を行なうプリンタのネ
ガキヤリア装置にも利用できることはもちろんで
ある。

〔効果〕

以上のように、この考案においては、ネガマス
クの外周に形成した四つの係合凹部のうち、その
一つの係合凹部を可動突起に嵌合してネガマスク
を押し込み、そのネガマスクをネガマスク台に重
ねたのち手前に移動して固定突起にネガマスクの
手前の係合凹部を嵌合させる簡単な操作によつて
ネガマスク台にネガキヤリアユニツトを取付ける
ことができると共に、上記ネガマスクを90°向き
を変えて置き換え、あるいはネガマスク台の上面
に沿つて90°回転させることによつてフイルム案
内溝の向きを変えることができるため、ネガフイ
ルムの送り方向をきわめて簡単に変更することが
できる。

また、固定突起および可動突起の外側に係合凹
部を嵌合させるため、ネガマスク台の所定の位置
にネガキヤリアユニツトを精度よく取付けること
ができると共に、ネガキヤリアユニツトをきわめ
て安定よく取付けることができる。

さらに、ネガマスク台に固定突起と可動突起を
設け、ネガマスクの外周に係合凹部を形成するき
わめて簡単な構成であるため、組立てが容易であ
り、コストの低減に大きな効果を挙げることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係る支持装置の一実施例
を示す平面図、第２図は第１図の−線に沿つ
た断面図、第３図は同上のネガキヤリアユニツト
とネガマスク台を示す分解斜視図、第４図は同上
の固定突起と係合凹部の係合状態を示す平面図、
第５図はネガフイルムを横送りする場合のネガマ
スクの支持状態を示す平面図、第６図はネガフイ
ルムを縦送りする場合のネガマスクの支持状態を
示す平面図である。 Ａ……ネガキヤリアユニツト、１……ネガマス
ク、２……フイルム案内溝、４……ネガ押し部
材、１３……係合凹部、１４……テーパ面、２０
……ネガマスク台、２３……固定突起、２６……
スプリング、２７……可動突起。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ネガマスクの表面にフイルム案内溝を形成
   し、そのフイルム案内溝に挿入したネガフイル
   ムを上記ネガマスクの表面に対して移動可能に
   支持されたネガ押え部材で押えるようにしたネ
   ガキヤリアユニツトと、そのネガキヤリアユニ
   ツトを支持するネガマスク台とから成り、前記
   ネガマスク台の一面前部に固定突起を突設し、
   ネガマスク台の同一面後部には固定突起に対し
   て移動可能に支持され、スプリングにより固定
   突起に向けて押される可動突起を設け、前記ネ
   ガマスクの前後面および両側面に上記固定突起
   および可動突起が係合可能な係合凹部を設けた
   プリンタにおけるネガキヤリアユニツトの支持
   装置。 (2) 前記固定突起および可動突起がテーパピンか
   ら成り、そのテーパピンの上部径が下部径より
   大きくなり、前記係合凹部がＶ字形になり、そ
   のＶ字形係合凹部の両側面が固定突起および可
   動突起の外周テーパ面に適合するテーパ面にな
   つていることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載のプリンタにおけるネガキヤリ
   アユニツトの支持装置。