JPH05140891A - アルケニルコハク酸系エマルシヨンサイズ剤 - Google Patents

アルケニルコハク酸系エマルシヨンサイズ剤

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JPH05140891A
JPH05140891A JP19696291A JP19696291A JPH05140891A JP H05140891 A JPH05140891 A JP H05140891A JP 19696291 A JP19696291 A JP 19696291A JP 19696291 A JP19696291 A JP 19696291A JP H05140891 A JPH05140891 A JP H05140891A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、高温抄紙においても、また広いpH
領域においても、低添加率で抄紙直後から優れたサイズ
効果を示し、高濃度で貯蔵安定性に優れた新規なアルケ
ニルコハク酸のエマルションサイズ剤を提供することを
目的とする。 【構成】本発明は、エマルションサイズ剤の固形分10
0重量部あたり、炭素数12〜18の分岐内部オレフィ
ンと無水マレイン酸との反応生成物から得られたアルケ
ニルコハク酸を25重量部以上含有する組成物がアニオ
ン性高分子型乳化分散剤、またはアニオン性高分子型乳
化分散剤と乳化剤により水に分散されている、固形分濃
度25重量%以上のアルケニルコハク酸系エマルション
サイズ剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高濃度でかつ貯蔵安定
性に優れた新規なアルケニルコハク酸系エマルションサ
イズ剤に関するものであり、紙に対して高いサイズ効果
を付与するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、硫酸バン土を併用するいわゆる酸
性抄紙における製紙用内添サイズ剤としてケン化型(溶
液型)ロジンサイズ剤が古くから使用されてきている
が、この種のものは低添加率におけるサイズ効果が低
く、また近年の排水のクローズド化に伴う水温の上昇や
中性に近いpH域においてサイズ効果が低下することが知
られている。ケン化型ロジン系サイズ剤の上記のごとき
本質的な欠点を改良すべく見いだされたのがエマルショ
ン型ロジン系サイズ剤であるが、低添加率ではサイズ効
果が低く、まだ必ずしも満足できるものとはなっていな
いのが現状である。
【0003】これらのロジン系サイズ剤の欠点を補うも
のとして、近年アルケニルコハク酸をアルカリケン化し
て得たサイズ剤が低添加率におけるサイズ効果に優れて
いるサイズ剤として使用されている(特開昭58−21
4598号参照)が、高温抄紙や中性に近い抄紙pH域に
おいてはケン化型ロジン系サイズ剤と同様にサイズ効果
が低下する欠点がある。
【0004】また、アルケニルコハク酸系エマルション
サイズ剤としては、乳化剤を配合したアルケニルコハク
酸無水物をカチオン化デンプン溶液または水で0.5〜
3%程度の低濃度で乳化し、中性抄紙用サイズ剤として
使用する方法が知られている(米国特許第382106
9号参照)。
【0005】中性抄紙におけるアルケニルコハク酸無水
物の作用機構は、アルケニルコハク酸無水物の無水物基
とパルプの水酸基が直接反応することにより、パルプ繊
維上に定着されサイズ効果を発現するものである。した
がって、従来の中性抄紙におけるアルケニルコハク酸無
水物は、必然的に無水物のままパルプスラリーに添加す
る必要がある。しかしながら、アルケニルコハク酸無水
物は水との反応性も高いため、あらかじめアルケニルコ
ハク酸無水物を水に乳化分散させておくと、短時間のう
ちに水と反応して酸無水物基を失い、中性サイズ剤とし
ての機能を失うのみならず、アルケニルコハク酸無水物
がアルケニルコハク酸に変化する過程で乳化状態が変化
し、凝集、沈澱、分離がおこる。このように中性抄紙に
おけるアルケニルコハク酸無水物のエマルションサイズ
剤は、水性分散液の状態では数時間しか保存し得ないた
め、高濃度製品としてあらかじめエマルションにした商
品形態で供給できず、抄紙の直前で乳化機を用いて乳化
分散しなければならないという作業上の問題があるのみ
ならず、硫酸バン土を定着剤として用いる酸性領域では
サイズ効果の立ち上りが遅く、抄紙直後のサイズ効果が
悪いという欠点がある。
【0006】このように従来のアルケニルコハク酸無水
物のエマルションが酸性抄紙において抄紙直後のサイズ
効果が不良の原因は、このエマルションサイズ剤が酸無
水物のままパルプ繊維上に定着するため、酸性域ではア
ルケニルコハク酸無水物がパルプと反応する速度が遅
く、またアルケニルコハク酸無水物が水と反応してアル
ケニルコハク酸となり、さらに硫酸バン土と反応してサ
イズ効果を発現するまでに時間を要するためと考えられ
る。したがって、あらかじめアルケニルコハク酸無水物
をアルケニルコハク酸にして乳化できれば硫酸バン土と
の反応が速やかに進み、酸性域においても良好なサイズ
効果が期待できる。
【0007】しかしながら、アルケニルコハク酸は極め
て親水性に富む物質であるが故に乳化が極めて困難であ
り、従来高濃度かつ長期間にわたって安定状態を維持で
きるエマルションを得ることは従来の技術では困難であ
った。また、上記のように従来の方法でアルケニルコハ
ク酸無水物を乳化すれば、乳化液中でアルケニルコハク
酸無水物が水と反応してアルケニルコハク酸に変化し、
アルケニルコハク酸のエマルションとなるが、アルケニ
ルコハク酸無水物がアルケニルコハク酸に変わる過程で
乳化状態が変化し、安定なアルケニルコハク酸のエマル
ションが得られない。すなわち、一時的に高濃度でアル
ケニルコハク酸無水物のエマルションを調製し得ても、
アルケニルコハク酸無水物が乳化液中で水と反応してア
ルケニルコハク酸に変化すると共に凝集、沈澱、分離が
起こり、安定なエマルションを保持し得ないため、高濃
度でアルケニルコハク酸を含有する安定性の良好なエマ
ルションは得ることができなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
のようなケン化型アルケニルコハク酸系サイズ剤および
アルケニルコハク酸無水物のエマルションサイズ剤の欠
点を克服し、高温抄紙においても、また広いpH領域に
おいても、低添加率で抄紙直後から優れたサイズ効果を
示し、高濃度で貯蔵安定性に優れた新規なアルケニルコ
ハク酸のエマルションサイズ剤を提供することを課題と
したものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点を解決し、サイズ剤原料としてのアルケニルコハク
酸の優れた性質をエマルション型にして生かすべく鋭意
研究を重ねた結果、適切に選定した乳化剤および/また
は適切なモノマー組成を有するアニオン性高分子型乳化
分散剤の使用、および/または酸基をもたない炭化水素
系樹脂の配合により、高濃度で貯蔵安定性に優れたアル
ケニルコハク酸のエマルションサイズ剤が製造でき、し
かもこのエマルションは、極めて貯蔵安定性に優れ、低
添加率、高温抄紙、中性に近いpH領域における抄紙に
おいても従来のケン化型のアルケニルコハク酸系サイズ
剤には見られなかった卓越したサイズ効果を発揮するこ
とを見い出し本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、エマルションサイズ
剤の固形分100重量部当り、炭素数12〜18の分岐
内部オレフィンと無水マレイン酸との反応生成物から得
られたアルケニルコハク酸を25重量部以上含有する組
成物がアニオン性高分子型乳化分散剤、または該分散剤
と乳化剤により水に分散されている、固形分濃度25重
量%以上のアルケニルコハク酸系エマルションサイズ剤
に関する。
【0011】このような構成よりなる本発明のサイズ剤
の製造には、従来公知のいずれの乳化方法を用いても良
いが、反転法が最も簡便に使用できる。すなわちアルケ
ニルコハク酸を25重量部以上含有する組成物を十分に
溶融混合した後、さらに乳化剤またはアニオン性高分子
型乳化分散剤または乳化剤とアニオン性高分子型乳化分
散剤の両方を十分に混合し、撹拌しながら徐々に水を滴
下し相反転させることによって本発明のサイズ剤が容易
に得られる。
【0012】また、乳化剤および/またはアニオン性高
分子型乳化分散剤の一部または全部を予めアルケニルコ
ハク酸を25重量部以上含有する組成物に配合するかわ
りに添加する水に溶解し、反転法で乳化することも可能
である。
【0013】また、高圧乳化機を用いればさらに微細で
安定性に優れたアルケニルコハク酸のエマルションを得
ることができる。この場合は、アルケニルコハク酸を2
5重量部以上含有する組成物を加熱して溶融状態とし、
これに熱水と乳化剤および/またはアニオン性高分子型
乳化分散剤を添加してホモジナイザーで予備乳化した
後、高圧乳化機で乳化すればよい。
【0014】さらにアルケニルコハク酸を25重量部以
上含有する組成物を水不溶性有機溶媒、たとえばベンゼ
ン、トルエン等に溶解し、次いで水、乳化剤および/ま
たはアニオン性高分子型乳化分散剤を添加し、ホモジナ
イザー、または高圧乳化機等で乳化後、有機溶媒を留去
する乳化方法も使用できることは勿論である。
【0015】本発明においてアルケニルコハク酸を単独
で、アニオン性高分子型乳化分散剤により乳化しても安
定で優れたサイズ効果を示すエマルションサイズ剤が得
られるが、酸基を持たない炭化水素系樹脂を配合すれば
さらに一層安定で優れたサイズ効果を示すエマルション
が得られる。配合比率はアルケニルコハク酸25〜95
重量部に対して、炭化水素系樹脂が75〜5重量部であ
る。
【0016】また本発明に用いるアルケニルコハク酸と
してはアルケニルコハク酸無水物に等モルの水を反応さ
せることによって製造したものを使用することができ
る。アルケニルコハク酸無水物は、公知の方法により、
オレフィンと無水マレイン酸を付加反応させたものが使
用できるが、用いるオレフィンとしては、炭素数12〜
18の分岐内部オレフィンがサイズ効果に優れている点
で望ましい。直鎖オレフィンを原料としたアルケニルコ
ハク酸はサイズ効果が劣るが、分岐オレフィンを原料と
したアルケニルコハク酸に、本発明の効果を損なわない
範囲で、一部配合して使用することはできる。
【0017】またアルケニルコハク酸の替わりにアルケ
ニルコハク酸無水物を用い、同様に乳化を行なえば、ア
ルケニルコハク酸無水物を含有する水性エマルションが
得られる。この場合、アルケニルコハク酸無水物はエマ
ルション中の水と反応して、およそ1〜2日後にはアル
ケニルコハク酸に変化するが、本発明の特徴である炭化
水素系樹脂の共存によりアルケニルコハク酸無水物単独
のエマルションの場合と異なり、アルケニルコハク酸無
水物がアルケニルコハク酸に変化する過程においても乳
化状態はまったく変化せず、凝集、沈澱、分離等もなく
アルケニルコハク酸を安定な形で含有する本発明のサイ
ズ剤が得られる。
【0018】このように、アルケニルコハク酸無水物を
そのまま乳化する場合には炭化水素系樹脂の配合が必須
であるが、アルケニルコハク酸を乳化する場合には炭化
水素樹脂の配合は必ずしも必要ではない。
【0019】本発明に用いる炭化水素系樹脂としては、
酸基をまったく持たず、アルケニルコハク酸またはアル
ケニルコハク酸無水物に対し相溶性を有する樹脂が使用
できるが、アルケニルコハク酸の乳化性および乳化液の
安定性を向上させる点で、石油類の熱分解により得られ
る沸点範囲20〜280℃程度の分解油留分を重合して
製造される芳香族系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族−
脂肪族混合系石油樹脂、および芳香族化合物とホルムア
ルデヒドを触媒の存在下で反応させて得られる実質的に
酸素原子を含まない芳香族メチレン樹脂、および芳香族
環がメチレン、エーテル、アセタール、メチロール基等
で結合した芳香族ホルムアルデヒド樹脂が好ましい。
【0020】このように本発明で用いられる炭化水素系
樹脂はロジン物質のような酸基をまったく含有しないた
め、それ自体は低いサイズ効果しか示さないが、アルケ
ニルコハク酸と混合使用した場合には乳化性と乳化液の
安定性を著しく向上させる効果がある。本発明のサイズ
剤の主成分であるアルケニルコハク酸と炭化水素系樹脂
の混合割合は、アルケニルコハク酸25〜95重量部、
炭化水素系樹脂75〜5重量部の割合である。
【0021】望むならば、さらに他の樹脂状物質、たと
えばロジン、ロジンとα、β−不飽和多塩基酸との反応
生成物、不均化ロジン、重合ロジン、水添ロジン、ロジ
ンとホルムアルデヒドの反応生成物等の変性ロジン等
や、脂肪酸、トール油、あるいはパラフィンワックス、
石油系炭化水素等を配合した組成物とすることもできる
が、この場合は該組成物中に占めるアルケニルコハク酸
あるいはアルケニルコハク酸と酸基をもたない炭化水素
系樹脂合計の割合が50重量%以上であることが好まし
い。すなわち、該組成物中に占めるアルケニルコハク酸
あるいはアルケニルコハク酸と酸基をもたない炭化水素
系樹脂の混合物以外の樹脂状物質の割合が50重量%を
越えるとサイズ効果が低下するので好ましくない。
【0022】本発明で好ましく用いられる乳化剤として
は、アニオン系または非イオン系から選ばれる1種また
は2種以上の混合物が挙げられる。このような乳化剤と
しては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリ
オキシエチレンアラルキルフェニルエーテル硫酸エステ
ル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテルリン酸エステルおよびその塩、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エ
ステルおよびその塩、ポリオキシエチレンアラルキルフ
ェニルエーテルリン酸エステルおよびその塩等のアニオ
ン界面活性剤およびポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンアラルキルフェニルエーテル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル等の非イオン界面活性剤が挙げられる。そ
の中でも、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
リン酸エステルまたはポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル硫酸エステル塩が好ましい。
【0023】本発明で好ましく用いられる高分子型乳化
分散剤としては、親水基を構成する単量体である(A)
成分と疎水基を構成する単量体である(B)成分との共
重合物またはその部分または完全ケン化物からなるアニ
オン性のものが挙げられる。ここで(A)成分としては
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン
酸、イタコン酸、フマル酸などを使用することができ、
(B)成分としてはスチレン、α−メチルスチレン等の
スチレン系単量体、メチルアクリレート、メチルメタク
リレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレー
ト、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレートなどの
アクリルエステル類やメタクリルエステル類または(メ
タ)アクリルアミド、アクリロニトリルなどを1種また
は2種以上使用できる。
【0024】高分子型乳化分散剤の重合体または共重合
体を構成する全単量体中に占める割合は、上記(A)成
分が5〜100重量%、好ましくは20〜95重量%
で、(B)成分が95〜0重量%、好ましくは80〜5
重量%である。(A)成分が5重量%未満では分散効果
が現われない。上記分散安定剤を合成する場合の重合ま
たは共重合反応は、公知の乳化重合、溶液重合によって
行えば良く、共重合物の部分または完全ケン化物は、得
られた共重合物を水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どのアルカリによってケン化することによって得ること
ができる。その際のケン化率は使用法により異なり、特
に限定されるものではない。当該アニオン性高分子型乳
化分散剤の数平均分子量は100万以下、好ましくは1
万から30万である。
【0025】乳化剤および/または高分子型乳化分散剤
の配合比率は、アルケニルコハク酸を25重量部以上含
有する組成物100重量部に対して1〜20重量部であ
り、好ましくは3〜10重量部である。
【0026】また、得られたエマルションサイズ剤にア
ルケニルコハク酸またはアルケニルコハク酸と炭化水素
樹脂100重量部に対して、0〜15重量部、好ましく
は5〜10重量部のアクリルアミド系水溶性ポリマーを
配合すると、エマルションの機械的安定性が向上する。
ここにアクリルアミド系水溶性ポリマーとは、例えば
(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリル酸の共重合
体の完全または部分ケン化物または(メタ)アクリルア
ミドと(メタ)アクリル酸およびアクリロニトリルの共
重合体の完全または部分ケン化物、または(メタ)アク
リルアミドと(メタ)アクリル酸およびスチレンの共重
合体の完全または部分ケン化物で分子量が10万〜60
万のものをいう。
【0027】また本発明に係るサイズ剤は、従来のロジ
ン系サイズ剤と全く同様に抄紙操作終了前の任意の工程
で製紙材料に添加することができ、例えば叩解工程もし
くは叩解工程を経たパルプスラリーに本発明に係るサイ
ズ剤を添加する前または後で、硫酸バン土を添加してp
Hを約4.0〜7.0に調整することによってパルプに
定着させることができる。また使用にあたっては従来の
ロジン系サイズ剤、石油樹脂サイズ剤などその他のサイ
ズ剤と任意の割合で併用することもできる。
【0028】本発明に係るサイズ剤の使用料(添加量)
は、内添サイジングの場合は、乾燥パルプの重量に基づ
いて、パルプに対し0.01〜5.0重量%、好ましく
は0.05〜3.0重量%の範囲である。
【0029】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定
されるものではない。また、以下の場合は、特に記載の
ない限り「部」は重量部を表す。
【0030】<貯蔵安定性試験>実施例1〜20に記載
した方法により調製したアルケニルコハク酸系エマルシ
ョンサイズ剤および比較例1の市販品サイズ剤および比
較例3、4、6で調製したアルケニルコハク酸系エマル
ションサイズ剤を、50ミリリットル用ガラス瓶に25
gをとり、室温(25℃)に放置し、1日後、7日後、
60日後の安定性を目視観察した。安定性の悪いものは
ビン底部あるいは液上部に油状物質が分離析出した。
尚、比較例2および5は、ケン化型であってエマルショ
ン型ではないので、貯蔵安定性試験は行っていない。
【0031】結果を表1に示す。
【0032】<サイズ効果測定試験>晒クラフトパルプ
(LBKP)を市水により2.5%のパルプ濃度に希釈
し、ビーターを用いてカナディアンフリーネス約450
ミリリットルまで叩解する。次いで得られたパルプスラ
リーを50℃の市水で2.0重量%スラリーとし、撹拌
下、硫酸バン土(対パルプ1.0重量%)を添加する。
その後、pH4.5、50℃の水で0.5重量%に希釈
し、実施例1〜19および比較例1〜6のサイズ剤(対
パルプ0.3重量%)を添加し、TAPPIスタンダー
ドマシンを用いて抄紙する(成紙坪量60g/m2)。
ここに得られた湿紙を常法どおりプレス、乾燥する。得
られた成紙は乾燥直後および温度20℃、湿度65%R
Hの恒温恒湿室内で一日調湿後、JIS P 8122
に準拠し、サイズ効果をステキヒト法により測定した。
【0033】また、高pH抄紙試験を目的として、硫酸
バン土を対パルプ0.7重量%添加し、希釈水pHおよ
び抄造水pHを6.0とした場合についても評価を行な
った。実施例1〜20及び比較例4及び6のサイズ剤は
乳化10日後のものを用い、比較例3のアルケニルコハ
ク酸無水物のエマルションサイズ剤は貯蔵安定性が悪く
乳化10日後に乳化状態を保てないため、乳化直後のも
のを用いた。
【0034】<機械安定性試験>実施例15、実施例1
6および比較例1のサイズ剤の機械的安定性をJISK
−6387に記載された機械安定度試験に準じて行っ
た。すなわち、JISK−6387に示されている装置
(マーロン試験機)に10%濃度に希釈した各サイズ剤
を50g入れ、10kgの荷重で回転数1000rpm
にて30分間試験し、スラッジの発生を目視観察した。
その結果を表3に示すが、本発明の実施例15は比較例
1と比較してスラッジの発生が少なく、また、アクリル
アミド系水溶性ポリマーを添加した実施例16ではスラ
ッジの発生はまったく認められなかった。
【0035】<高分子型分散安定剤の合成> (合成例1)スチレン30部、アクリル酸n−ブチル3
0部、アクリル酸40部、イソプロピルアルコール5
部、ポリオキシエチレン(重合度13)ジスチリルフェ
ニルエーテル硫酸エステルアンモニウム4部、ポリオキ
シエチレン(重合度15)オクチルフェニルエーテル1
部、過硫酸アンモニウム2部、水600部を混合し、8
0℃で3時間撹拌重合した。次いで、60℃まで冷却し
た後、38.9%水酸化カリウム20部を徐々に滴下
し、60℃で30分間撹拌し、室温まで冷却した。この
スチレン−アクリル酸系共重合体ケン化物の固形分含有
量は15%(重量%、以下同じ)、ケン化率は25%、
ケン化前の共重合体の数平均分子量は約17万であっ
た。
【0036】(合成例2)スチレン35部、アクリル酸
n−ブチル30部、アクリル酸35部、イソプロピルア
ルコール5部、ポリオキシエチレン(重合度15)オレ
イルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム4部、
ポリオキシエチレン(重合度12)ドデシルフェニルエ
ーテル1部、過硫酸アンモニウム2部、水600部を混
合し、80℃で3時間撹拌重合した。次いで、60℃ま
で冷却した後、48.5%水酸化ナトリウム40部を徐
々に滴下し、60℃で30分間撹拌し、室温まで冷却し
た。このスチレン−アクリル酸系共重合体ケン化物の固
形分含有量は15%、ケン化率は100%、ケン化前の
共重合体の数平均分子量は約16万であった。
【0037】(合成例3)イソプロピルアルコール10
0部に無水マレイン酸40部を溶解させ窒素気流下で還
流温度まで加熱し、アクリル酸n−ブチル60部、アゾ
ビスイソブチロニトリル1部、イソプロピルアルコール
100部の混合液を2時間で滴下した。さらに2時間そ
の温度に保った後、水酸化ナトリウム29部、水520
部の混合液を滴下した。次に、沸点まで加熱しながらイ
ソプロピルアルコールを留去し、水を添加して固形分2
0%、ケン化率90%、分子量約1万の淡茶透明水溶液
を得た。
【0038】(合成例4)メタクリル酸ステアリル10
部、アクリル酸n−ブチル30部、アクリル酸60部、
イソプロピルアルコール5部、ポリオキシエチレン(重
合度13)ジスチリルフェニルエーテル硫酸エステルア
ンモニウム5部、水790部を混合し、攪拌しながら昇
温し、70℃になった時点で10%の過硫酸アンモニウ
ム10ミリリットルを添加し、さらに加温して80℃で
2時間重合した。次いで60℃まで冷却した後、20%
水酸化ナトリウム167部を徐々に滴下し、30分間攪
拌し、室温まで冷却した。このアクリル酸−メタクリル
酸系共重合体ケン化物の固形分含有量は13%、ケン化
率は100%であった。ケン化前の共重合体の数平均分
子量は約10万であった。
【0039】(合成例5)メタクリル酸ステアリル4
部、アクリル酸n−ブチル7部、アクリル酸89部、1
%2−メルカプトエタノール5部、ポリオキシエチレン
(重合度13)ジスチリルフェニルエーテル硫酸エステ
ルアンモニウム5部を混合し、以下合成例4と同様に重
合させ、20%水酸化ナトリウム148部でケン化し、
固形分含有量12%、ケン化率60%の共重合体を得
た。ケン化前の共重合体の数平均分子量は約5万であっ
た。
【0040】(合成例6)アクリル酸n−ブチル7部、
アクリル酸93部、1%2−メルカプトエタノール10
部、20%ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ25部を
混合し、以下合成例4と同様に重合させ、20%水酸化
ナトリウム103部でケン化し、固形分含有量12%、
ケン化率40%の共重合体を得た。ケン化前の共重合体
の数平均分子量は約2万であった。
【0041】(合成例7)メタクリル酸ステアリル4
部、アクリル酸n−ブチル7部、アクリル酸75部、ア
クリルアミド14部、1%2−メルカプトエタノール5
部、ポリオキシエチレン(重合度13)ジスチリルフェ
ニルエーテル硫酸エステルアンモニウム5部を混合し、
以下合成例4と同様に重合させ、20%水酸化ナトリウ
ム242部でケン化し、固形分含有量14%、ケン化率
100%の共重合体を得た。ケン化前の共重合体の数平
均分子量は5万であった。
【0042】(合成例8)メタクリル酸ステアリル4
部、アクリル酸n−ブチル15部、アクリル酸81部、
1%2−メルカプトエタノール5部、ポリオキシエチレ
ン(重合度13)ジスチリルフェニルエーテル硫酸エス
テルアンモニウム5部を混合し、以下合成例4と同様に
重合させ、20%水酸化ナトリウム226部でケン化
し、固形分含有量13%、ケン化率100%の共重合体
を得た。ケン化前の共重合体の数平均分子量は6万であ
った。
【0043】(合成例9)メタクリル酸100部、イソ
プロピルアルコール5部、ポリオキシエチレン(重合度
13)ジスチリルフェニルエーテル硫酸エステルアンモ
ニウム10部、水885部を混合し、攪拌しながら昇温
し70℃になった時点で10%の過硫酸アンモニウム5
mlを添加し、さらに加温して80℃で2時間重合し
た。次いで60℃まで冷却した後、20%水酸化ナトリ
ウム47部を徐々に滴下し、30分間攪拌し、室温まで
冷却した。このメタクリル酸重合体ケン化物の、固形分
含有量は11%、ケン化率20%、ケン化前の重合体の
数平均分子量は約15万であった。
【0044】(実施例1)プロピレンオリゴマー(平均
炭素数18)と無水マレイン酸の付加反応により得られ
たアルケニルコハク酸無水物70部に芳香族メチレン樹
脂(商品名:オリゴテック1400、三菱石油(株)、
平均分子量900)30部を混合し、ポリオキシエチレ
ン(重合度17)ノニルフェニルエーテルリン酸エステ
ル4部、ポリオキシエチレン(重合度4)ノニルフェニ
ルエーテル硫酸エステルアンモニウム3部を加えた後、
水を徐々に加え、転相乳化させて、全固形分40重量%
の水中油型のエマルションを調製した。
【0045】(実施例2)プロピレンオリゴマー(平均
炭素数15)と無水マレイン酸の付加反応により得られ
たアルケニルコハク酸無水物70部に市販芳香族メチレ
ン樹脂(商品名:オリゴテック1300、三菱石油
(株)、平均分子量700)30部を混合し、ポリオキ
シエチレン(重合度17)ノニルフェニルエーテルリン
酸エステル8部を加える。次に市販のスチレン−マレイ
ン酸共重合物(商品名:HASMA1100、ミサワセ
ラミックケミカル(株))をケン化率60%でケン化し
た20%水溶液10部を加えた後、水を徐々に加えて、
転相乳化させ、全固形分45重量%の水中油型のエマル
ションを調製した。
【0046】(実施例3)プロピレンオリゴマー(平均
炭素数15)と無水マレイン酸の付加反応により得られ
たアルケニルコハク酸無水物80部に市販芳香族メチレ
ン樹脂(商品名:オリゴテック1300、三菱石油
(株)、平均分子量700)20部を混合し、ポリオキ
シエチレン(重合度17)ノニルフェニルエーテルリン
酸エステル4部、ポリオキシエチレン(重合度4)ノニ
ルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム3部、オ
レイン酸2部を加える。合成例1の乳化分散剤13部を
加えた後、水を徐々に加えて、転相乳化させ、全固形分
40重量%の水中油型のエマルションを調製した。
【0047】(実施例4)プロピレンオリゴマー(平均
炭素数15)と無水マレイン酸の付加反応により得られ
たアルケニルコハク酸無水物60部に直鎖内部オレフィ
ン(平均炭素数16)と無水マレイン酸の付加反応によ
り得られたアルケニルコハク酸無水物10部、市販芳香
族メチレン樹脂(商品名:オリゴテック1400、三菱
石油(株)、平均分子量900)30部を混合し、ポリ
オキシエチレン(重合度17)ノニルフェニルエーテル
リン酸エステル4部、ポリオキシエチレン(重合度1
0)ジスチリルフェニルエーテルリン酸エステル1部、
ポリオキシエチレン(重合度4)ノニルフェニルエーテ
ル硫酸エステルアンモニウム3部を加える。次いで水を
徐々に加えて、転相乳化させ、全固形分40重量%の水
中油型のエマルションを調製した。
【0048】(実施例5)プロピレンオリゴマー(平均
炭素数15)と無水マレイン酸の付加反応により得られ
たアルケニルコハク酸無水物70部に市販芳香族メチレ
ン樹脂(商品名:オリゴテック1300、三菱石油
(株)、平均分子量700)25部、フマル化ロジン
(フマル化率9%)5部を混合し、ポリオキシエチレン
(重合度17)ノニルフェニルエーテルリン酸エステル
4部、ポリオキシエチレン(重合度4)ノニルフェニル
エーテル硫酸エステルアンモニウム3部を加える。次い
で水を徐々に加えて、転相乳化させ、全固形分40重量
%の水中油型のエマルションを調製した。
【0049】(実施例6)プロピレンオリゴマー(平均
炭素数15)と無水マレイン酸の付加反応により得られ
たアルケニルコハク酸無水物70部に芳香族ホルムアル
デヒド樹脂(平均分子量770)30部を混合し、ポリ
オキシエチレン(重合度17)ノニルフェニルエーテル
リン酸エステル6部、25%濃度のドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム水溶液12部を加える。次いで水を
徐々に加えて、転相乳化させ、全固形分40重量%の水
中油型のエマルションを調製した。
【0050】(実施例7)プロピレンオリゴマー(平均
炭素数15)と無水マレイン酸の付加反応により得られ
たアルケニルコハク酸無水物70部に芳香族ホルムアル
デヒド樹脂(平均分子量770)30部を混合し、ポリ
オキシエチレン(重合度17)ノニルフェニルエーテル
リン酸エステル5部、ポリオキシエチレン(重合度1
5)ノニルフェニルエーテル3部を加える。合成例3の
乳化分散剤8部を加えた後、水を徐々に加えて、転相乳
化させ、全固形分35重量%の水中油型のエマルション
を調製した。
【0051】(実施例8)プロピレンオリゴマー(平均
炭素数12)と無水マレイン酸の付加反応により得られ
たアルケニルコハク酸無水物60部に市販芳香族メチレ
ン樹脂(商品名:オリゴテック1400、三菱石油
(株)、平均分子量900)40部を混合し、ポリオキ
シエチレン(重合度17)ノニルフェニルエーテルリン
酸エステル4部、ポリオキシエチレン(重合度4)ノニ
ルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム3部を加
える。次いで水を徐々に加え、転相乳化させ、全固形分
40重量%の水中油型のエマルションを調製した。
【0052】(実施例9)プロピレンオリゴマー(平均
炭素数15)と無水マレイン酸の付加反応により得られ
たアルケニルコハク酸無水物80部に脂肪族系石油樹脂
(商品名:エスコレッツ1304、トーネックス
(株)、平均分子量1000)20部を混合し、ポリオ
キシエチレン(重合度17)ノニルフェニルエーテルリ
ン酸エステル7部を加える。次いで水を徐々に加えて、
転相乳化させ、全固形分40重量%の水中油型のエマル
ションを調製した。
【0053】(実施例10)プロピレンオリゴマー(平
均炭素数15)と無水マレイン酸の付加反応により得ら
れたアルケニルコハク酸無水物40部に市販芳香族メチ
レン樹脂(商品名:オリゴテック1300、三菱石油
(株)、平均分子量700)60部を混合し、ポリオキ
シエチレン(重量度17)ノニルフェニルエーテルリン
酸エステル8部を加え60℃に加温する。次に市販のア
ニオン性オリゴマー乳化剤(商品名:ポリウエットSN
−4、住友ノーガタック(株))45%水溶液6部を加
えた後、水を徐々に加えて、転相乳化させ、全固形分4
0重量%の水中油型のエマルションを調製した。
【0054】(実施例11)プロピレンオリゴマー(平
均炭素数15)と無水マレイン酸の付加反応により得ら
れたアルケニルコハク酸無水物90部に市販芳香族メチ
レン樹脂(商品名:オリゴテック1040、三菱石油
(株)、平均分子量300)10部を混合し、25%濃
度のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液40
部を加え、257部の温水と40℃にてホモミキサーで
混合した。続いてピストン型高圧乳化機(APV−ゴー
リン社製)に300kg/cm2 の圧力下で2回通し
て、全固形分30重量%の水中油型のエマルションを調
製した。
【0055】(実施例12)プロピレンオリゴマー(平
均炭素数15)と無水マレイン酸の付加反応により得ら
れたアルケニルコハク酸無水物に等モルの水を反応させ
てアルケニルコハク酸を調製した。このアルケニルコハ
ク酸60部と市販芳香族メチレン樹脂(商品名:オリゴ
テック1100、三菱石油(株)、平均分子量350)
40部を混合し、ポリオキシエチレン(重合度4)ノニ
ルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム4部、合
成例2の乳化分散剤40部を加えた後、257部の熱水
とホモミキサー (5000rpm) で混合した。冷却
後、全固形分30重量%の水中油型のエマルションを調
製した。
【0056】(実施例13)プロピレンオリゴマー(平
均炭素数15)と無水マレイン酸の付加反応により得ら
れたアルケニルコハク酸無水物90部に市販芳香族メチ
レン樹脂(商品名:オリゴテック1100、三菱石油
(株)、平均分子量350)10部を混合し、合成例2
の乳化分散剤67部を加え、315部の温水と90℃に
てホモミキサーで混合した。続いて、この乳化物をピス
トン型高圧乳化機(APV−ゴーリン社製)にて500
kg/cm2 の圧力下で2回通して均質化させた後、急
速に室温まで冷却し、全固形分35重量%の水中油型の
エマルションを調製した。
【0057】(実施例14)プロピレンオリゴマー(平
均炭素数15)と無水マレイン酸の付加反応により得ら
れたアルケニルコハク酸無水物に等モルの水を反応させ
てアルケニルコハク酸を調製した。このアルケニルコハ
ク酸100部に、合成例7の乳化分散剤21部を加えた
後、137部の温水を加え、50℃でホモミキサー(1
0000rpm)により混合した。続いて、この乳化物
をピストン型高圧乳化機(APV−ゴーリン社製)に
て、700kg/cm2 の圧力下で4回通して均質化さ
せた後、急速に室温まで冷却し、全固形分40重量%の
水中油型のエマルションを調製した。
【0058】(実施例15)プロピレンオリゴマー(平
均炭素数15)と無水マレイン酸の付加反応により得ら
れたアルケニルコハク酸無水物に等モルの水を反応させ
てアルケニルコハク酸を調製した。このアルケニルコハ
ク酸80部と市販芳香族メチレン樹脂(商品名:オリゴ
テック1100、三菱石油(株)、平均分子量350)
20部を混合し、合成例4の乳化分散剤23部を加えた
後、135部の熱水と90℃にてホモミキサー(100
00rpm)で混合した。続いてこの乳化物をピストン
型高圧乳化機(APV−ゴーリン社製)にて、700k
g/cm2 の圧力下で4回通して均質化させた後、急速
に室温まで冷却し、全固形分40重量%の水中油型のエ
マルションを調製した。
【0059】(実施例16)実施例15で調製したエマ
ルション250部に、固形分15%の市販アニオン性ア
クリルアミド系ポリマー(商品名:ポリアクロンV、ミ
サワセラミックケミカル(株))20部を混合し、全固
形分38重量%の水中油型エマルションとした。
【0060】(実施例17)プロピレンオリゴマー(平
均炭素数12)と無水マレイン酸の付加反応により得ら
れたアルケニルコハク酸無水物に等モルの水を反応させ
てアルケニルコハク酸を調製した。このアルケニルコハ
ク酸100部に合成例5の乳化分散剤33部を加えた
後、164部の温水と40℃にてホモミキサー(100
00rpm)で混合した。続いて、この乳化物をピスト
ン型高圧乳化機(APV−ゴーリン社製)にて、700
kg/cm2 の圧力下で4回通して均質化させた後、急
速に室温まで冷却し、全固形分35重量%の水中油型の
エマルションを調製した。
【0061】(実施例18)プロピレンオリゴマー(平
均炭素数15)を無水マレイン酸の付加反応により得ら
れたアルケニルコハク酸無水物に等モルの水を反応させ
てアルケニルコハク酸を調製した。このアルケニルコハ
ク酸100部に合成例8の乳化分散剤23部を加えた
後、135部の温水と50℃にてホモミキサー(100
00rpm)で混合した。続いて、この乳化物をピスト
ン型高圧乳化機(APV−ゴーリン社製)にて、700
kg/cm2 の圧力下で4回通して均質化させた後、急
速に室温まで冷却し、全固形分40重量%の水中油型の
エマルションを調製した。
【0062】(実施例19)プロピレンオリゴマー(平
均炭素数15)と無水マレイン酸の付加反応により得ら
れたアルケニルコハク酸無水物に等モルの水を反応させ
てアルケニルコハク酸を調製した。このアルケニルコハ
ク酸80部とシリンダーストック20部を混合し、合成
例6の乳化分散剤17部を加えた後、174部の熱水と
90℃にてホモミキサー(10000rpm)で混合し
た。続いてこの乳化物をピストン型高圧乳化機(APV
−ゴーリン社製)にて700kg/cm2 の圧力下で4
回通して均質化させた後、急速に室温まで冷却し、全固
形分35重量%の水中油型のエマルションを調製した。
【0063】(実施例20)プロピレンオリゴマー(平
均炭素数15)と無水マレイン酸の付加反応により得ら
れたアルケニルコハク酸無水物に等モルの水を反応させ
てアルケニルコハク酸を調製した。このアルケニルコハ
ク酸80部とトール油(商品名:SR−30、ハリマ化
成(株))20部を混合し、合成例4の乳化分散剤23
部を加えた後171部の熱水と90℃にてホモミキサー
(10000rpm)で混合した。続いてこの乳化物を
ピストン型高圧乳化機(APV−ゴーリン社製)にて7
00Kg/cmの圧力下で4回通して均質化させた
後、急速に室温まで冷却し、全固形分35重量%の水中
油型のエマルションを調製した。
【0064】(実施例21)n−ブテンオリゴマー(平
均炭素数16)と無水マレイン酸の付加反応により得ら
れたアルケニルコハク酸無水物に等モルの水を反応させ
てアルケニルコハク酸を調製した。このアルケニルコハ
ク酸100部に合成例7の乳化分散剤21部を加えた
後、137部の温水を加え、50℃でホモミキサー(1
0000rpm)により混合した。続いて、この乳化物
をピストン型高圧乳化機(APV−ゴーリン社製)に
て、700kg/cm2 の圧力下で4回通して均質化さ
せた後、急速に室温まで冷却し、全固形分40重量%の
水中油型のエマルションを調製した。
【0065】(実施例22)プロピレンオリゴマー(平
均炭素数15)と無水マレイン酸の付加反応により得ら
れたアルケニルコハク酸無水物に等モルの水を反応させ
てアルケニルコハク酸を調製した。このアルケニルコハ
ク酸80部と市販芳香族メチレン樹脂(商品名:オリゴ
テック1100、三菱石油(株)、平均分子量350)
20部を混合し、合成例9の乳化分散剤27部を加えた
後、134部の熱水と90℃にてホモミキサー(100
00rpm)で混合した。続いてこの乳化物をピストン
型高圧乳化機(APV−ゴーリン社製)にて700Kg
/cmの圧力下で4回通して均質化させた後、急速に
室温まで冷却し、全固形分40重量%の水中油型のエマ
ルションを調製した。
【0066】(比較例1)フマル化ロジンを主成分とす
る成分を高分子型乳化分散剤で乳化した固形分50%の
市販エマルション型ロジン系サイズ剤(ディックハーキ
ュレス(株)製、OT−500J)を用いた。
【0067】(比較例2)マレイン化ロジンを主成分と
する成分をカセイカリでケン化した固形分50%の市販
ケン化型ロジン系サイズ剤(ミサワセラミックケミカル
(株)製、PFサイズ800L)を用いた。
【0068】(比較例3)プロピレンオリゴマー(平均
炭素数15)と無水マレイン酸の付加反応により得られ
たアルケニルコハク酸無水物100部にポリオキシエチ
レン(重合度4)ノニルフェニルエーテル硫酸エステル
アンモニウム10部を加え、50℃で良く攪拌した後、
この混合物1部を水99部と混合し、ホモミキサーで1
0000rpm、1分間攪拌乳化し、全固形分1重量%
の水中油型のエマルションを得た。
【0069】(比較例4)直鎖内部オレフィン(平均炭
素数16)と無水マレイン酸の付加反応により得られた
アルケニルコハク酸無水物60部に市販芳香族メチレン
樹脂(商品名:オリゴテック1400、三菱石油
(株)、平均分子量900)40部を混合し、ポリオキ
シエチレン(重合度17)ノニルフェニルエーテルリン
酸エステル8部、ポリオキシエチレン(重合度10)ジ
スチリルフェニルエーテルリン酸エステル2部を加え、
転相乳化させて、全固形分40重量%の水中油型のエマ
ルションを得た。
【0070】(比較例5)プロピレンオリゴマー(平均
炭素数12)と無水マレイン酸の付加反応により得られ
たアルケニルコハク酸無水物60部に水酸化カリウム2
6部と水126部から成る水溶液を添加し、温度を90
℃〜100℃に保持し、撹拌する。3時間後、室温まで
冷却し、全固形分40重量%のケン化型アルケニルコハ
ク酸系サイズ剤を得た。
【0071】(比較例6)プロピレンオリゴマー(平均
炭素数15)と無水マレイン酸の付加反応により得られ
たアルケニルコハク酸無水物40部にフマル化ロジン
(フマル化率9%)60部を混合し、ポリオキシエチレ
ン(重合度17)ノニルフェニルエーテルリン酸エステ
ル4部、ポリオキシエチレン(重合度4)ノニルフェニ
ルエーテル硫酸エステルアンモニウム3部を加える。次
いで水を徐々に加え、転相乳化させて、全固形分40重
量%の水中油型のエマルションを得た。
【0072】
【発明の効果】本発明に係るアルケニルコハク酸系エマ
ルションサイズ剤は、従来のアルケニルコハク酸無水物
のエマルションサイズ剤に比べ、高濃度で貯蔵安定性に
優れ、かつ、抄紙直後から優れたサイズ効果を示す。ま
た、ケン化型アルケニルコハク酸系サイズ剤に比べ、高
温抄紙においても広いpH領域においてもサイズ効果の
低下が小さい。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エマルションサイズ剤の固形分100重量
    部当り、炭素数12〜18の分岐内部オレフィンと無水
    マレイン酸との反応生成物から得られたアルケニルコハ
    ク酸を25重量部以上含有する組成物がアニオン性高分
    子型乳化分散剤、またはアニオン性高分子型乳化分散剤
    と乳化剤により水に分散されている、固形分濃度25重
    量%以上のアルケニルコハク酸系エマルションサイズ
    剤。
  2. 【請求項2】炭素数12〜18の分岐内部オレフィンと
    無水マレイン酸との反応生成物から得られたアルケニル
    コハク酸25〜95重量部と酸基を持たない炭化水素系
    樹脂75〜5重量部の混合物を主成分とする組成物が乳
    化剤および/またはアニオン性高分子型乳化分散剤によ
    り水に分散されている、固形分濃度25重量%以上のア
    ルケニルコハク酸系エマルションサイズ剤。
  3. 【請求項3】炭素数12〜18の分岐内部オレフィンと
    無水マレイン酸との反応生成物から得られたアルケニル
    コハク酸50〜95重量部とロジン、ロジン誘導体、ト
    ール油、脂肪酸、パラフィンワックス、石油系炭化水素
    から選ばれた1種または2種以上の成分50〜5重量部
    の混合物を主成分とする組成物がアニオン性高分子型乳
    化分散剤により水に分散されている、固形分濃度25重
    量%以上のアルケニルコハク酸系エマルションサイズ
    剤。
  4. 【請求項4】請求項2記載のサイズ剤において、炭化水
    素系樹脂が石油樹脂、芳香族メチレン樹脂、芳香族−ホ
    ルムアルデヒド樹脂から選ばれた1種または2種以上の
    混合物であることを特徴とするアルケニルコハク酸系エ
    マルションサイズ剤。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3または4記載のサイズ剤
    において、アニオン性高分子型乳化分散剤が(A)アク
    リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、
    イタコン酸、フマル酸より選ばれる1種または2種以上
    のアニオン性不飽和単量体5〜100重量%ならびに
    (B)スチレン系、アクリルエステル類、メタクリルエ
    ステル類(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリルよ
    り選ばれる1種または2種以上のノニオン性不飽和単量
    体95〜0重量%からなる重合体または共重合体または
    その部分または完全ケン化物であることを特徴とするア
    ルケニルコハク酸系エマルションサイズ剤。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3、4または5記載のサイ
    ズ剤において、(メタ)アクリルアミドと(メタ)アク
    リル酸の共重合体の完全または部分ケン化物、または
    (メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリル酸およびア
    クリロニトリルの共重合体の完全または部分ケン化物ま
    たは(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリル酸およ
    びスチレンの共重合体の完全または部分ケン化物で分子
    量が10万〜60万のものをエマルションの固形分10
    0重量部に対して、固形分で0〜15重量部含有するア
    ルケニルコハク酸系エマルションサイズ剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0707110A1 (en) 1994-10-14 1996-04-17 Mitsubishi Oil Co., Ltd. Alkenylsuccinic acid emulsion sizing agent (1)

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