JPH05140713A - 溶融亜鉛系めつき鋼板の製造方法 - Google Patents
溶融亜鉛系めつき鋼板の製造方法Info
- Publication number
- JPH05140713A JPH05140713A JP32842191A JP32842191A JPH05140713A JP H05140713 A JPH05140713 A JP H05140713A JP 32842191 A JP32842191 A JP 32842191A JP 32842191 A JP32842191 A JP 32842191A JP H05140713 A JPH05140713 A JP H05140713A
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- JP
- Japan
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- plating
- steel sheet
- composite
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- galvanized steel
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法
に関するものである。 【構成】 予め鋼板表面にFe−C−N複合めっき鋼板
を施し、次いで溶融亜鉛系めっきを施す。 【効果】 かくすることにより、不めっきが確実になく
なり、均一めっきができる。
に関するものである。 【構成】 予め鋼板表面にFe−C−N複合めっき鋼板
を施し、次いで溶融亜鉛系めっきを施す。 【効果】 かくすることにより、不めっきが確実になく
なり、均一めっきができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融亜鉛系めっき鋼板
の製造方法に関して、Si添加鋼のごとき、特にめっき
濡れ性の低い鋼種に対して、そのめっき濡れ性を向上せ
さ、工業的製造を容易ならしめることを狙いとするもの
である。
の製造方法に関して、Si添加鋼のごとき、特にめっき
濡れ性の低い鋼種に対して、そのめっき濡れ性を向上せ
さ、工業的製造を容易ならしめることを狙いとするもの
である。
【0002】
【従来技術とその課題】溶融亜鉛めっき鋼板は、塗装耐
食性、プレス成形性、溶接性が優れていることから自動
車、家電、建材など広い産業分野に使用されている材料
である。その製造方法は、通常冷延鋼板あるいは熱延鋼
板を酸化性あるいは無酸化性雰囲気で昇温し、表面に付
着している油などの汚れを焼去し、次いで還元雰囲気中
で表面を清浄化した後、溶融亜鉛めっきを施す工程で実
施されている。高張力鋼板として実施されているSi添
加鋼では鋼中のSi含有量が高いと、鋼板表面にSi酸
化物を生成し、これが溶融亜鉛との濡れ性を阻害する。
この解決策として、めっきに先立ち鋼板表面にFeめっ
きを施すことが開示(特開昭59−23858号)され
ているが、効果は不十分であることがわかり、本発明は
その改善方法を提案するものである。
食性、プレス成形性、溶接性が優れていることから自動
車、家電、建材など広い産業分野に使用されている材料
である。その製造方法は、通常冷延鋼板あるいは熱延鋼
板を酸化性あるいは無酸化性雰囲気で昇温し、表面に付
着している油などの汚れを焼去し、次いで還元雰囲気中
で表面を清浄化した後、溶融亜鉛めっきを施す工程で実
施されている。高張力鋼板として実施されているSi添
加鋼では鋼中のSi含有量が高いと、鋼板表面にSi酸
化物を生成し、これが溶融亜鉛との濡れ性を阻害する。
この解決策として、めっきに先立ち鋼板表面にFeめっ
きを施すことが開示(特開昭59−23858号)され
ているが、効果は不十分であることがわかり、本発明は
その改善方法を提案するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の課題を
有利に解決するためになされたものであり、溶融めっき
前のプレめっきの効果をさらに高める新規なめっき方法
に特徴がある。
有利に解決するためになされたものであり、溶融めっき
前のプレめっきの効果をさらに高める新規なめっき方法
に特徴がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は (1)予め鋼板表面にFe−C−N複合めっきを施し、
次いで溶融亜鉛系めっきを施すことを特徴とする溶融亜
鉛系めっき鋼板の製造方法 (2)Si 0.03〜3%含有する鋼板表面にFe−
C−N複合めっきを施し、次いで溶融亜鉛系めっきを施
すことを特徴とする溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法 (3)Fe2+イオンおよび0.01〜20g/lのポリ
アミン誘導体等のNを含む有機化合物を1種または2種
以上を含む酸性めっき浴を用いて、めっきすることを特
徴とする請求項(1)または(2)に記載のFe−C−
N複合めっきの製造方法である。
次いで溶融亜鉛系めっきを施すことを特徴とする溶融亜
鉛系めっき鋼板の製造方法 (2)Si 0.03〜3%含有する鋼板表面にFe−
C−N複合めっきを施し、次いで溶融亜鉛系めっきを施
すことを特徴とする溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法 (3)Fe2+イオンおよび0.01〜20g/lのポリ
アミン誘導体等のNを含む有機化合物を1種または2種
以上を含む酸性めっき浴を用いて、めっきすることを特
徴とする請求項(1)または(2)に記載のFe−C−
N複合めっきの製造方法である。
【0005】
【作用】Fe−C−N複合めっき層とはFe中にカーボ
ン質および窒素質物質が合金、混合、あるいは吸蔵され
ている構造のめっき層をさす。Fe−C−N複合めっき
層の形成方法として、電気めっき法の例を以下に示す。
鋼板を必要ならば通常の方法で脱脂、酸洗処理をした
後、硫酸第一鉄及びあるいは塩化第一鉄の水溶液にポリ
アミンを0.01から10g/l添加した浴に導き、鋼
板を陰極として電流密度30〜300A/dm2,0.
1〜30秒の電解処理をする事により、Feめっき層中
にCおよびN物質であるポリアミンがCとして0.01
〜1%,Nとして0.01〜0.5%共析する。次い
で、無機化炉中500〜700℃に昇温し、還元炉中で
500〜800℃に保持して熱処理をすると、Feめっ
き層が再結晶をするとともに、ポリアミンが分解してF
e−C−N複合めっき層が形成する。カーボン質分およ
び窒素質分が存在しない場合にはFeめっき層は再結晶
によって母材鋼板と同様な結晶粒を形成するが、この粒
界を通って、母材鋼板のSiがFeめっき層表面まで容
易に拡散する。Siは酸化性あるいは無酸化性雰囲気お
よび、還元雰囲気中での熱処理過程で鋼板表面において
酸化物を形成し、後の溶融亜鉛との濡れ性に重大な影響
を及ぼすものであるが、その表面酸化物の量が鋼種によ
って異なるので溶融亜鉛との濡れ性がそれぞれ異なるの
である。Feプレめっきではこのような理由でSiの酸
化物の量を低減する作用が不十分であった。これに対し
て、Fe−C−N複合めっきでは、再結晶過程でアモル
ファス様の微細結晶が生成し、明確な粒界が観察されな
い。また、CおよびNは粒内での拡散がSiと比較して
速く、粒界および表面に濃化しやすい。そのためSiの
めっき層表面への拡散が著しく抑制され、鋼中Si含有
量が高くてもSi酸化物の形成が抑制され、良好なめっ
き濡れ性が確保される。
ン質および窒素質物質が合金、混合、あるいは吸蔵され
ている構造のめっき層をさす。Fe−C−N複合めっき
層の形成方法として、電気めっき法の例を以下に示す。
鋼板を必要ならば通常の方法で脱脂、酸洗処理をした
後、硫酸第一鉄及びあるいは塩化第一鉄の水溶液にポリ
アミンを0.01から10g/l添加した浴に導き、鋼
板を陰極として電流密度30〜300A/dm2,0.
1〜30秒の電解処理をする事により、Feめっき層中
にCおよびN物質であるポリアミンがCとして0.01
〜1%,Nとして0.01〜0.5%共析する。次い
で、無機化炉中500〜700℃に昇温し、還元炉中で
500〜800℃に保持して熱処理をすると、Feめっ
き層が再結晶をするとともに、ポリアミンが分解してF
e−C−N複合めっき層が形成する。カーボン質分およ
び窒素質分が存在しない場合にはFeめっき層は再結晶
によって母材鋼板と同様な結晶粒を形成するが、この粒
界を通って、母材鋼板のSiがFeめっき層表面まで容
易に拡散する。Siは酸化性あるいは無酸化性雰囲気お
よび、還元雰囲気中での熱処理過程で鋼板表面において
酸化物を形成し、後の溶融亜鉛との濡れ性に重大な影響
を及ぼすものであるが、その表面酸化物の量が鋼種によ
って異なるので溶融亜鉛との濡れ性がそれぞれ異なるの
である。Feプレめっきではこのような理由でSiの酸
化物の量を低減する作用が不十分であった。これに対し
て、Fe−C−N複合めっきでは、再結晶過程でアモル
ファス様の微細結晶が生成し、明確な粒界が観察されな
い。また、CおよびNは粒内での拡散がSiと比較して
速く、粒界および表面に濃化しやすい。そのためSiの
めっき層表面への拡散が著しく抑制され、鋼中Si含有
量が高くてもSi酸化物の形成が抑制され、良好なめっ
き濡れ性が確保される。
【0006】次に、Fe−C−N複合めっきのめっき方
法について述べる。まず、電気めっきによる方法である
が、硫酸第一鉄及びあるいは塩化第一鉄の水溶液にC質
分,N質分としてポリアミン誘導体やNを含有するアニ
オン系界面活性剤,カチオン系界面活性剤,非イオン系
界面活性剤,両イオン性界面活性剤の1種または2種以
上を0.01〜20g/l添加した酸性めっき浴を用い
て、鋼板を陰極として電解処理を行う。これらのC質
分,N質分物質はエーテル基やアミン基などの極性基の
作用により活性な点への吸着性が高いため、Feめっき
中に容易に均一に含有される。
法について述べる。まず、電気めっきによる方法である
が、硫酸第一鉄及びあるいは塩化第一鉄の水溶液にC質
分,N質分としてポリアミン誘導体やNを含有するアニ
オン系界面活性剤,カチオン系界面活性剤,非イオン系
界面活性剤,両イオン性界面活性剤の1種または2種以
上を0.01〜20g/l添加した酸性めっき浴を用い
て、鋼板を陰極として電解処理を行う。これらのC質
分,N質分物質はエーテル基やアミン基などの極性基の
作用により活性な点への吸着性が高いため、Feめっき
中に容易に均一に含有される。
【0007】これら添加剤は一般的に R2−X−(R1−Y)n−R3 及び、あるいは R2−(R1−X)n−R3 で示される化合物を指す。ここで、 X,Y:O(エーテル基),NH,NR(アミン基),
NR2+(アンモニウム基) R1:アルキレン基 及び、あるいは R2,R3:H,アルキル基,フェニル,ナフチルなどの
アリール基及びまたはその誘導体(カルボン酸,硫酸,
リン酸等の官能基,塩,エステル) n=1〜2000これら化合物はポリアミンの様に連鎖
化合物であってもよく、クラウンエーテルやモノラウリ
ン酸ソルビタンのアミン誘導体の様な環式化合物でもよ
く、ポリアミンスルホンの様な直鎖,環式混合化合物で
も良い。具体的な例を挙げれば、
NR2+(アンモニウム基) R1:アルキレン基 及び、あるいは R2,R3:H,アルキル基,フェニル,ナフチルなどの
アリール基及びまたはその誘導体(カルボン酸,硫酸,
リン酸等の官能基,塩,エステル) n=1〜2000これら化合物はポリアミンの様に連鎖
化合物であってもよく、クラウンエーテルやモノラウリ
ン酸ソルビタンのアミン誘導体の様な環式化合物でもよ
く、ポリアミンスルホンの様な直鎖,環式混合化合物で
も良い。具体的な例を挙げれば、
【0008】・第1アミン RNH2 R:アルキル ・第2アミン R2NH R:アルキル ・第3アミン RNR′2 R,R′:アルキル
【0009】
【化1】
【0010】・ジアミン RNH(CH2)3NH2 R:アルキル ・第4アンモニウム塩 〔RNR′3〕+X- R,R′:アルキル X:Cl,Br,HSO4
【0011】
【化2】
【0012】
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】
【0015】・尿素及びその誘導体 CO(NH2)2 等である。これら添加剤のめっき浴中の添加量は0.0
1〜20g/lが好ましい範囲である。0.01g/l
未満ではほとんど効果が認められない。また20g/l
を越えるとC,Nの含有量が飽和し、めっき浴中への溶
解度に制約される。上記添加剤は1種または2種以上混
合して使用することもできる。Fe2+イオン濃度は特に
制限されるものではないが、通常10〜150g/lの
範囲で、目的とするめっきを電流効率を勘案して最適条
件を採用することができる。さらに、Na+,K+,NH
4+,Mg2+イオン等の無関係塩を添加することは、浴の
電気伝導度を高めるために有効である。なお、目的に応
じてはNi,Co,Cr,Mn,Cu,Cd,Sn,P
bなどのイオンを少量添加してめっき層に第3成分を少
量共析させても本発明の効果は本質的には変わらない。
1〜20g/lが好ましい範囲である。0.01g/l
未満ではほとんど効果が認められない。また20g/l
を越えるとC,Nの含有量が飽和し、めっき浴中への溶
解度に制約される。上記添加剤は1種または2種以上混
合して使用することもできる。Fe2+イオン濃度は特に
制限されるものではないが、通常10〜150g/lの
範囲で、目的とするめっきを電流効率を勘案して最適条
件を採用することができる。さらに、Na+,K+,NH
4+,Mg2+イオン等の無関係塩を添加することは、浴の
電気伝導度を高めるために有効である。なお、目的に応
じてはNi,Co,Cr,Mn,Cu,Cd,Sn,P
bなどのイオンを少量添加してめっき層に第3成分を少
量共析させても本発明の効果は本質的には変わらない。
【0016】次に、めっき条件について説明する。電流
密度30A/dm2以上で鋼板にめっきを行うことが好
ましい。30A/dm2以下では合金化向上を行うに十
分なFe−C−Nめっきのめっき量を得るのに時間がか
かり工業的でない。めっき液の流速は鋼帯との相対速度
として、10〜200m/min、めっき温度は40〜
70℃が適当である。めっき量としては、0.2〜10
g/m2のめっきを施す。めっき量が0.2g/m2未満
であると、効果が少なく、また10g/m2超になると
効果はほとんど変わらず、コスト的にも不利になるので
10g/m2以下が好ましい。また、Fe−C−Nめっ
き中のC量としては、0.01%以上1.0%以下が好
ましい。C量が0.01%未満であるとめっき濡れ性に
及ぼす作用が小さく、また1.0%超ではめっき層が脆
くなり、炉内で剥離する傾向がでるので好ましくない。
また、Fe−C−Nめっき中のN量としては、0.00
1%以上0.5%以下が好ましい。N量が0.005%
未満であるとめっき濡れ性に及ぼす作用が小さく、また
0.5%超ではめっき層が脆くなり、炉内で剥離する傾
向がでるので好ましくない。なお、めっき前に鋼板を必
要ならば通常の方法で脱脂、酸洗処理を行ってもよい。
また、窒化物微粒子をそのまま、あるいは上記の界面活
性剤と一緒に添加することも可能である。
密度30A/dm2以上で鋼板にめっきを行うことが好
ましい。30A/dm2以下では合金化向上を行うに十
分なFe−C−Nめっきのめっき量を得るのに時間がか
かり工業的でない。めっき液の流速は鋼帯との相対速度
として、10〜200m/min、めっき温度は40〜
70℃が適当である。めっき量としては、0.2〜10
g/m2のめっきを施す。めっき量が0.2g/m2未満
であると、効果が少なく、また10g/m2超になると
効果はほとんど変わらず、コスト的にも不利になるので
10g/m2以下が好ましい。また、Fe−C−Nめっ
き中のC量としては、0.01%以上1.0%以下が好
ましい。C量が0.01%未満であるとめっき濡れ性に
及ぼす作用が小さく、また1.0%超ではめっき層が脆
くなり、炉内で剥離する傾向がでるので好ましくない。
また、Fe−C−Nめっき中のN量としては、0.00
1%以上0.5%以下が好ましい。N量が0.005%
未満であるとめっき濡れ性に及ぼす作用が小さく、また
0.5%超ではめっき層が脆くなり、炉内で剥離する傾
向がでるので好ましくない。なお、めっき前に鋼板を必
要ならば通常の方法で脱脂、酸洗処理を行ってもよい。
また、窒化物微粒子をそのまま、あるいは上記の界面活
性剤と一緒に添加することも可能である。
【0017】次に上記以外の態様例を示す。電気めっき
法は溶融めっき法の直前で行っても良い。電気めっき
後、必要ならフラックスを塗布し、400〜500℃に
加熱して溶融めっき浴に導くか、あるいは直接常温のま
ま溶融めっき浴に導き、浴内で加熱してめっきをしても
良い。この場合、Fe−C−N複合めっき層のC,N含
有物質は未分解あるいは部分分解状態で溶融めっきされ
るが、溶融めっき浴内でのSi拡散に十分の抑制作用が
ある。Fe−C−N複合めっきはFe,C,Nをターゲ
ットとする物理蒸着法、気化性Fe塩と有機物蒸気を用
いて分解析出させる化学蒸着法でも適用できる。これら
の方法でのFe−C−N複合めっきの作用機構は上述と
同じで自明であろう。本発明のFe−C−N複合めっき
層の厚さは、0.2〜10g/m2が好適である。0.
2g/m2未満であると、効果が判然とせず、また10
g/m2超になると効果はほとんど変わらず、コスト的
にも不利になる。Si添加鋼においては0.2〜3%の
Si含有量の鋼板で溶融亜鉛との濡れ性改善効果が大き
い。0.2%未満では普通鋼と変わらず、3%Siを越
えると本発明のFe−C−N複合めっきをもってしても
効果が不十分となる。なお、溶融亜鉛めっき鋼板の溶融
めっき浴は通常Alを0〜0.20%添加しており、そ
の他にPb,Cd,Sb,Snも少量存在してもよく、
さらには品質改善を目的として、Ni,Mn,Ti,Z
r,Mg,Ca,Li,ランタナイドなどが少量添加さ
れる場合があるが、本質的には本発明の方法は全く適用
可能である。Fe−C−N複合めっきにおいて、他の元
素、例えば、Ni,Zn,Mn,Cu,P,B,O,
S,Cl,H,Naなどが少量混入しても本質的には本
発明と同一である。
法は溶融めっき法の直前で行っても良い。電気めっき
後、必要ならフラックスを塗布し、400〜500℃に
加熱して溶融めっき浴に導くか、あるいは直接常温のま
ま溶融めっき浴に導き、浴内で加熱してめっきをしても
良い。この場合、Fe−C−N複合めっき層のC,N含
有物質は未分解あるいは部分分解状態で溶融めっきされ
るが、溶融めっき浴内でのSi拡散に十分の抑制作用が
ある。Fe−C−N複合めっきはFe,C,Nをターゲ
ットとする物理蒸着法、気化性Fe塩と有機物蒸気を用
いて分解析出させる化学蒸着法でも適用できる。これら
の方法でのFe−C−N複合めっきの作用機構は上述と
同じで自明であろう。本発明のFe−C−N複合めっき
層の厚さは、0.2〜10g/m2が好適である。0.
2g/m2未満であると、効果が判然とせず、また10
g/m2超になると効果はほとんど変わらず、コスト的
にも不利になる。Si添加鋼においては0.2〜3%の
Si含有量の鋼板で溶融亜鉛との濡れ性改善効果が大き
い。0.2%未満では普通鋼と変わらず、3%Siを越
えると本発明のFe−C−N複合めっきをもってしても
効果が不十分となる。なお、溶融亜鉛めっき鋼板の溶融
めっき浴は通常Alを0〜0.20%添加しており、そ
の他にPb,Cd,Sb,Snも少量存在してもよく、
さらには品質改善を目的として、Ni,Mn,Ti,Z
r,Mg,Ca,Li,ランタナイドなどが少量添加さ
れる場合があるが、本質的には本発明の方法は全く適用
可能である。Fe−C−N複合めっきにおいて、他の元
素、例えば、Ni,Zn,Mn,Cu,P,B,O,
S,Cl,H,Naなどが少量混入しても本質的には本
発明と同一である。
【0018】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに挙げ
る。表1は各鋼板の化学組成を示す。また、表2A、表
2B、表2C、表2Dは、それぞれ事前(予め)めっき
条件である。このような事前のめっき条件によってめっ
きした後、連続溶融亜鉛系めっき設備前処理炉の直火無
酸化炉出側で650℃(板温)、還元熱処理炉で750
〜800℃×30秒の熱処理を施し、次いで亜鉛系めっ
き浴へ導きめっきを施した。表3A、表3Bに上記めっ
き鋼板のめっき濡れ性を示した、×は鋼板の大部分でめ
っきが付着していないことを、△は一部めっきが付着し
ていないことを、○は良好にめっきが付着していること
をそれぞれ示す。
る。表1は各鋼板の化学組成を示す。また、表2A、表
2B、表2C、表2Dは、それぞれ事前(予め)めっき
条件である。このような事前のめっき条件によってめっ
きした後、連続溶融亜鉛系めっき設備前処理炉の直火無
酸化炉出側で650℃(板温)、還元熱処理炉で750
〜800℃×30秒の熱処理を施し、次いで亜鉛系めっ
き浴へ導きめっきを施した。表3A、表3Bに上記めっ
き鋼板のめっき濡れ性を示した、×は鋼板の大部分でめ
っきが付着していないことを、△は一部めっきが付着し
ていないことを、○は良好にめっきが付着していること
をそれぞれ示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2A】
【0021】
【表2B】
【0022】
【表2C】
【0023】
【表2D】
【0024】
【表3A】
【0025】
【表3B】
【0026】
【発明の効果】このように本発明によれば、高いSi含
有量を持つ高張力鋼板のごとき、めっきの濡れ性が低く
溶融めっきが困難な鋼種でもこれを容易にできる。かく
することにより、従来溶融めっきが困難とされていた高
いSi含有量を持つ高張力鋼板でも工業的に安定して、
しかも確実に溶融めっきができる。
有量を持つ高張力鋼板のごとき、めっきの濡れ性が低く
溶融めっきが困難な鋼種でもこれを容易にできる。かく
することにより、従来溶融めっきが困難とされていた高
いSi含有量を持つ高張力鋼板でも工業的に安定して、
しかも確実に溶融めっきができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 予め鋼板表面にFe−C−N複合めっき
を施し、次いで溶融亜鉛系めっきを施すことを特徴とす
る溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法 - 【請求項2】 Si 0.03〜0.3%含有する鋼板
表面にFe−C−N複合めっきを施し、次いで溶融亜鉛
系めっきを施すことを特徴とする溶融亜鉛系めっき鋼板
の製造方法 - 【請求項3】 Fe2+イオンおよび0.01〜20g/
lのポリアミン誘導体等のNを含む有機化合物を1種ま
たは2種以上を含む酸性めっき浴を用いて、めっきする
ことを特徴とする請求項(1)または(2)に記載のF
e−C−N複合めっきの製造方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32842191A JPH05140713A (ja) | 1991-11-18 | 1991-11-18 | 溶融亜鉛系めつき鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32842191A JPH05140713A (ja) | 1991-11-18 | 1991-11-18 | 溶融亜鉛系めつき鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05140713A true JPH05140713A (ja) | 1993-06-08 |
Family
ID=18210075
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32842191A Withdrawn JPH05140713A (ja) | 1991-11-18 | 1991-11-18 | 溶融亜鉛系めつき鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05140713A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007332415A (ja) * | 2006-06-14 | 2007-12-27 | Jfe Steel Kk | 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
-
1991
- 1991-11-18 JP JP32842191A patent/JPH05140713A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007332415A (ja) * | 2006-06-14 | 2007-12-27 | Jfe Steel Kk | 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
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