JPH05139147A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JPH05139147A
JPH05139147A JP33608091A JP33608091A JPH05139147A JP H05139147 A JPH05139147 A JP H05139147A JP 33608091 A JP33608091 A JP 33608091A JP 33608091 A JP33608091 A JP 33608091A JP H05139147 A JPH05139147 A JP H05139147A
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JP
Japan
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heater core
temperature
cooling
cooling fluid
path
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Application number
JP33608091A
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English (en)
Inventor
Koji Nonoyama
浩司 野々山
Tetsumi Ikeda
哲見 池田
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両用空調装置がMAX COOL時でエンジン負荷
の高い状態におけるエンジンのオーバーヒートを防止す
ること 【構成】 弁装置25に対してエンジン22を冷却する
冷却系流路42側で、その冷却系流路42から冷却水を
ヒータコア21に導く往路44と、ヒータコア21から
排出された冷却水を冷却系流路42に帰還させる復路4
5とで構成されたヒータ系流路43、更に、往路44と
復路45とを連通するバイパス路47を有する。バイパ
ス路47中に配設されたサーモスタット48によりバイ
パス路47を流れる冷却水温が所定の温度以上になった
場合には、バイパス路47を閉鎖又は絞ってそのバイパ
ス路47を通過する冷却水の流量が調節される。この分
の流量がラジエータ41側に流れ込むことによりラジエ
ータ放熱量が増加しエンジン22のオーバーヒートが防
止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブロアにより吸入され
た空気をエンジンの冷却流体を循環させたヒータコアに
送風して、ヒータコアでの熱交換により所定温度の空気
流を得る車両用空調装置に関する。詳しくは、ヒータコ
アに流れる冷却流体の温度又は流量を調節することによ
り、空調空間を温度制御する装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来、車両用空調装置として、エアミック
ス方式とリヒート方式とを用いた装置が知られている。
エアミックス方式は、図24に示すように、冷房装置で
冷却された冷風と、その冷風の一部をヒータコアで加熱
して得られた温風とを混合させて、所定温度の空気流を
得る方式である。そして、この空気流の温度は、冷風と
温風との混合比をエアミックスダンパの開度によって変
化させることで、所望の温度に制御される。
【0003】この方式は、エアミックスダンパの作動空
間を多く必要とするので、空調装置の実装スペースが大
きくなるという問題がある。又、空調装置の実装スペー
スを限定した場合には、冷風の一部を加熱するという構
造のためにヒータコアの体格が小さくなり、その結果、
通気抵抗が大きくなるという問題がある。
【0004】一方、リヒート方式は、冷房装置で冷却さ
れた冷風を全てヒータコアを通過させて、再加熱して所
望の空気流を得る方式である。この方式は、上述のエア
ミッスク方式に比べて、空調装置の実装スペースを小さ
くできるし、実装スペースを限定した場合にはヒータコ
アの体格を大きくできるため通気抵抗を小さくできると
いう利点がある。そして、この空気流の温度は、ヒータ
コアの温度を制御することで、所望温度に制御される。
このヒータコアの温度制御は、エンジンを冷却する冷却
系流路からの冷却流体の流量を制御しても良いし、その
冷却流体の温度自体を上げ下げしても良い。よって、温
度制御方式として、図25に示すような温水流量制御方
式と、図26に示すような温水温度制御方式とが知られ
ている。
【0005】図25に示す温水流量制御方式は、ヒータ
コアに流れる高温の冷却流体の流量を、弁の開度をアナ
ログ的に又は弁のオンオフデューティ比を変化させるこ
とによりディジタル的に制御して、ヒータコアに供給さ
れる単位時間当りの熱量を制御することにより、ヒータ
コアの温度を制御する方式である。このアナログ制御は
既に実用化されており、ディジタル制御も外国で実用化
されている。このものにおいても、エンジンの回転数変
動を緩和するためにラジエータと並列にバイパス路を設
けることが有効な手段である。
【0006】これに対して、図26の温水温度制御方式
は、エンジンの冷却系統から供給される高温の冷却流体
と、ヒータコアにより放熱された後の低温の冷却流体と
を、2つの弁の開度をアナログ制御することによって混
合させて、ヒータコアに供給させる方式である。この方
式では、ヒータコアの温度は、冷却流体の混合比によっ
て制御される。この2つの弁の開度をダイヤフラムの変
位量に応じてアナログ的に制御する装置は、既に、本出
願人により実施されている。その装置では、エンジンの
冷却流路の高圧側から高温の冷却流体をヒータコアに分
流させ、ヒータコアで放熱された低温の冷却流体をエン
ジンの冷却流路の低圧側へ帰還させるようにヒータ系流
路が構成されている。そして、エンジンの回転数に拘わ
らず、ヒータ系流路に分流する高温の冷却流体の圧力が
ほぼ一定となるように、高圧側と低圧側とを連通するバ
イパス路が形成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、リヒ
ート方式ではエンジン回転数変動の影響を緩和するため
には、ヒータコアに並列でヒータ系流路の高圧側と低圧
側とを連通するバイパス路が有効である。ここで、図2
2に、一例として、温水温度制御方式におけるバイパス
路の通水抵抗をパラメータとした場合におけるポンプ
(電動ウォータポンプ)の出力である締切圧(KPa)と
エンジン回転数(4000rpm⇔1000rpm)変化時の吹出温度差
(℃)との関係を示した。ポンプが大きく締切圧が高い
程、又、バイパス路の通水抵抗が小さい程、吹出温度差
が小さくなってエンジン回転数変動の影響が少ないこと
が分かる。ポンプを大きくして締切圧を高くすることは
重量増大及びコストアップとなるため適当ではない。
又、図23に、バイパス路の通水抵抗をパラメータとし
た場合におけるエンジン回転数(rpm)とラジエータ流量
(l/min)との関係を示した。図から分かるように、バイ
パス路の通水抵抗が小さくなるとバイパス路に冷却流体
が多く流れることになる。すると、真夏などでヒータコ
アにヒータ系流路からの冷却流体が流れ込まないマック
スクール(MAX COOL)時には、冷却流体がバイパス路を流
れる分だけラジエータ側の流量が減少しラジエータ放熱
量の低下を招くという問題があった。
【0008】発明者等は、空調装置におけるラジエータ
放熱量がフル能力必要となるのは、マックスクール(MAX
COOL)時でも真夏の炎天下の登坂時といった限られた条
件下であることに着目した。この時、エンジンがオーバ
ーヒートする恐れのあるのは、冷却流体の温度が 100℃
以上となるような異常に高い時であることに気が付い
た。即ち、発明者等は、このような場合のみバイパス路
を開から閉又は絞れば良いという考えに至った。
【0009】本発明は、上記の課題を解決するために成
されたものであり、その目的とするところは、ヒータコ
アに並列にバイパス路が配設されたリヒート方式の車両
用空調装置において、マックスクール(MAX COOL)時でエ
ンジン負荷の高い状態におけるエンジンのオーバーヒー
トを防止することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の発明の構成における第1の特徴は、エンジンを冷却す
る冷却系流路からの冷却流体をヒータコアに導入し、該
ヒータコアと熱交換した風を車室内に吹き出すため、前
記冷却系流路から前記冷却流体をヒータコアに導く往路
と、ヒータコアから排出された前記冷却流体を前記冷却
系流路に帰還させる復路とで構成されたヒータ系流路
と、前記ヒータ系流路において前記ヒータコアに直列に
介設され、前記ヒータコアに前記冷却流体を流すポンプ
と、前記ヒータコアに対して直列に前記ヒータ系流路に
介設され、前記冷却流体の流れを通過状態と遮断状態と
の間で制御する弁手段と、前記弁手段に対して前記冷却
系流路側で、前記ヒータ系流路の前記往路と前記復路と
を連通するバイパス路と、前記弁手段に信号を印加し
て、前記冷却系流路から前記往路を介して前記ヒータコ
アに供給される前記冷却流体の温度又は流量を制御する
制御手段とを有する車両用空調装置であって、前記バイ
パス路中に配設され、該バイパス路を流れる前記冷却流
体の水温が所定の温度以上になった場合には前記バイパ
ス路を閉鎖又は絞って該バイパス路を通過する前記冷却
流体の流量を調節するバイパス弁を備えたことである。
【0011】又、第2の特徴は、エンジンを冷却する冷
却系流路からの冷却流体をヒータコアに導入し、該ヒー
タコアと熱交換した風を車室内に吹き出すため、前記冷
却系流路から前記冷却流体をヒータコアに導く往路と、
ヒータコアから排出された前記冷却流体を前記冷却系流
路に帰還させる復路とで構成されたヒータ系流路と、前
記ヒータ系流路において前記ヒータコアに直列に介設さ
れ、前記ヒータコアに前記冷却流体を流すポンプと、前
記ヒータコアに対して直列に前記ヒータ系流路に介設さ
れ、前記冷却流体の流れを通過状態と遮断状態との間で
制御する弁手段と、前記弁手段に対して前記冷却系流路
側で、前記ヒータ系流路の前記往路と前記復路とを連通
するバイパス路と、前記弁手段に信号を印加して、前記
冷却系流路から前記往路を介して前記ヒータコアに供給
される前記冷却流体の温度又は流量を制御する制御手段
とを有する車両用空調装置であって、前記バイパス路中
に配設され、前記ヒータコアに前記冷却流体を供給する
必要のないマックスクール(MAX COOL)時には前記制御手
段の制御により前記バイパス路を閉鎖又は絞って該バイ
パス路を通過する前記冷却流体の流量を調節するバイパ
ス弁を備えたことである。
【0012】
【作用】第1の特徴の作用としては、制御手段により弁
手段が冷却流体の通過状態と遮断状態との間で制御され
る。そして、上記弁手段に対してエンジンを冷却する冷
却系流路側で、その冷却系流路から上記冷却流体をヒー
タコアに導く往路と、ヒータコアから排出された上記冷
却流体を上記冷却系流路に帰還させる復路とで構成され
たヒータ系流路を有し、上記往路と上記復路とを連通す
るバイパス路を有している。バイパス弁は上記バイパス
路中に配設され、このバイパス弁によりバイパス路を流
れる上記冷却流体の水温が所定の温度以上になった場合
には、上記バイパス路が閉鎖又は絞られそのバイパス路
を通過する上記冷却流体の流量が調節される。即ち、こ
の場合には、温度変動に伴ってバイパス弁が制御され、
バイパス路側の流量が抑制されてラジエータ側にその分
だけ余計に流れ込むこととなりラジエータ放熱量が増加
する。
【0013】第2の特徴の作用としては、制御手段によ
り弁手段が冷却流体の通過状態と遮断状態との間で制御
される。そして、上記弁手段に対してエンジンを冷却す
る冷却系流路側で、その冷却系流路から上記冷却流体を
ヒータコアに導く往路と、ヒータコアから排出された上
記冷却流体を上記冷却系流路に帰還させる復路とで構成
されたヒータ系流路を有し、上記往路と上記復路とを連
通するバイパス路を有している。バイパス弁は上記バイ
パス路中に配設され、上記ヒータコアに上記冷却流体を
供給する必要のないマックスクール(MAX COOL)時には、
上記制御手段にて制御される。すると、上記バイパス路
が閉鎖又は絞られそのバイパス路を通過する上記冷却流
体の流量が調節される。即ち、この場合には、制御手段
の判定によりバイパス弁が制御され、バイパス路側の流
量が抑制されてラジエータ側にその分だけ余計に流れ込
むこととなりラジエータ放熱量が増加する。
【0014】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説
明する。1.全体の構成 図2は、本実施例に係る車両用空調装置の全体の構成を
示した図である。この空調装置のエアダクト30内に
は、切換ドア33,ブロア11,エバポレータ12,ヒ
ータコア21,切換ドア70,72が配置されている。
切換ドア33は、手動により、エアダクト30の導入口
31を開いたとき車両の外部からエアダクト30内に外
気を導入し、エアダクト30の還流口32を開いたとき
車室34内の空気をエアダクト30内に還流させる。ブ
ロア11は、導入口31又は還流口32からの空気を吸
引し、その回転速度に応じた風量Wを有する空気流とし
てエバポレータ12に送る。エバポレータ12は、電磁
クラッチ74及びコンプレッサ75を含む冷却システム
との協働により、ブロア11からの空気流を冷却し、冷
却空気流として、ヒータコア21に送風する。尚、電磁
クラッチ74は、制御装置90の制御下にて駆動され
て、コンプレッサ75をエンジン22に選択的に接続す
る。
【0015】ヒータコア21は、後述のエンジン22の
冷却装置から冷却水(冷却流体)を受けてエバポレータ
12から送られる冷却空気流を温める。加熱された空気
は切換ドア70に送られる。切換ドア70はサーボモー
タ71に作動的に連結されており、このサーボモータ7
1が原点位置にあるとき、原位置(図2にて実線により
示す)に維持されてエアダクト30内を流れる混合空気
流をエアダクト30のHEAT吹出口14を通して車室34
内に吹出す。このことは、切換ドア70が、温風を足元
から吹き出すフットモード(以下、ヒートモードともい
う)下におかれていることを意味する。又、切換ドア7
0は切換ドア72と協働して混合空気流をエアダクト3
0のVENT吹出口15、HEAT吹出口14から車室34内に
吹出し或いはエアダクト30の DEF吹出口16から車室
34内に吹出すべく機能する。このことは、切換ドア7
0,72がベントモード,バイレベルモード或いはデフ
ロスタモード下におかれることを意味する。尚、切換ド
ア70は制御装置90の指令によるサーボモータ71の
回転により上動又は下動してベントモード,バイレベル
モード或いはデフロスタモード下におかれ、又、切換ド
ア72は制御装置90の指令によるサーボモータ73の
回転により上動又は下動してベントモード,バイレベル
或いはデフロスタモード下におかれる。
【0016】制御装置90は、各種センサ91a,91
b,92a,92b,93a,及び94を接続したA/
D変換器98と、温度設定器95、モード設定器96及
び制御スイッチ機構97に接続したマイクロコンピュー
タ99を備えている。内気温センサ91aは車室34内
に配置されており、車室34内の現実の温度Trを検出し
てこの内気温Trに対応したレベルを有するアナログ信号
を発生する。外気温センサ91bは当該車両のラジエタ
のフロントグリルに近接して配置されており、車外の空
気の現実の温度Tam を検出し、この外気温Tam に対応し
たレベルを有するアナログ信号を発生する。水温センサ
92aはヒータコア21の流入口に近接して配置されて
おり、冷却装置からの冷却水の現実の温度TWを検出し、
この検出水温TWに対応したレベルを有するアナログ信号
を発生する。空気温センサ92bはエバポレータ12の
流出口に近接して配置されており、エバポレータ12か
らの空気流の現実の温度TEを検出し、この検出空気温TE
に対応したレベルを有するアナログ信号を発生する。開
度センサ93aは、サーボモータ71により上下動する
ロッドに作動的に連結されており、このロッドの変位と
の関連において、切換ドア70の現実の開度位置APを検
出し、この検出結果に対応したレベルを有するアナログ
信号を発生する。日射センサ94は、車室34の窓際に
配置されており、現実の日射量TSを検出してこれに対応
したレベルを有するアナロ信号を発生する。
【0017】A/D変換器98は、マイクロコンピュー
タ99からの要求に基づいて、各センサ91a〜94か
らのアナログ信号をディジタル信号に変換し、これら各
ディジタル信号を内気温Tr,開度位置AP,外気温Tam ,
水温TW,空気温TE及び日射量TSを表すものとしてマイク
ロコンピュータ99に付与する。温度設定器95は車室
34内に設けられており、乗員の手動操作により所望の
設定温度Tsetを選定し、これを温度設定信号として発生
する。モード設定器96は、複数の手動スイッチにより
構成されており、これら各スイッチのいずれかを操作す
ることにより、オートエアコンモード、ヒートモード,
バイレベルモード, ベントモード, 或いはデフロスタモ
ードを表す指令信号を生じる。制御スイッチ機構97は
第1〜第4の自己復帰型操作スイッチによって構成され
ており、第1操作スイッチはその操作によりブロア11
を自動制御下におくに必要な第1指令信号を発生する。
第2,第3及び第4の操作スイッチはその操作によりブ
ロア11から生じる空気流の風量Wをそれぞれ所定の高
風量値H1,中間風量値Me及び低風量値LOに設定するに必
要な第2,第3及び第4の指令信号を発生する。
【0018】マイクロコンピュータ99は、単一チップ
のLSIから成り、定電圧回路(図示しない)から定電
圧を受けて作動準備完了状態におかれる。又、マイクロ
コンピュータ99は、CPU80、ROM81、RAM
82、入出力インタフェース83(以下I/Oと称す
る)及びクロック回路を備えている。RAM82はI/
O83を通してA/D変換器98からの各デイジタル信
号、温度設定器95からの温度設定信号、並びにモード
設定器96及び制御スイッチ機構97からの各指令信号
を受けて一時的に記憶し、これら各信号をCPU80に
選択的に付与する。又、本実施例においては、RAM8
2は直流電源Bから常時給電されており、記憶保持機能
を有している。ROM81には所定の制御プログラム及
びデューティ比と目標吹出温度との関係を示した図14
に示す特性のデータマップ及びブロアモータ11aに印
加する電圧と目標吹出温度との関係を示した図10,図
11に示す特性のデータマップが記憶されている。CP
U80は後述する制御プログラムに従って、ブロアモー
タ11aに印加すべき電圧を指令した信号を駆動回路8
5に出力し、後述する弁装置25a,25bを駆動する
ための制御信号を駆動回路84に出力する。更に、CP
U80は、サーボモータ71、73を制御して、決定さ
れた吹出モードに従って切換ドア70及び切換ドア72
の開度を制御する。
【0019】2.ヒータ系統の構成 図3の等価回路に示すように、エンジンの冷却装置とし
て、冷却系流路42、エンジン22、ポンプ40、ラジ
エータ41とで構成されている。又、ヒータ系流路43
は、冷却系流路42から高温の冷却水をヒータコア21
へ導く往路44と、ヒータコア21で冷却された低温の
冷却水を冷却系流路42へ帰還させる復路45とで構成
されている。そして、ヒータ系流路43の往路44に第
1弁25aとポンプ26とが介設されている。そして、
ヒータコア21から出力された低温の冷却水をヒータコ
ア21に還流させるために、復路45と往路44の第1
弁25aとポンプ26との間を接続した還流路46が形
成されている。又、第1弁25aに対して冷却系流路4
2側のヒータ系流路43において、往路45と復路44
とを連通するバイパス路47が形成されている。更に、
バイパス路47中にはバイパス弁である後述のサーモス
タット48が配設されている。このバイパス路47によ
って、第1弁25a及び第2弁25bが開閉するときの
ウォータハンマの発生を抑制することができる。これに
より、ヒータコア21に冷却水による衝撃圧が印加され
るのが防止される。
【0020】3.弁の構成 第1弁25aと第2弁25bと還流路46は、図1に示
すように同一の筐体内に組み込まれている。本実施例で
は、第1弁25aと第2弁25bとは連動して作動し、
第1弁25aが通過状態(オン状態)/遮断状態(オフ
状態)の時、第2弁25bは第1弁25aと反対の状態
である遮断状態(オフ状態)/通過状態(オン状態)を
とるように構成されている。
【0021】図1において、弁装置25は筐体50を有
し、その筐体50には冷却系流路42から高温の冷却水
を導入する第1導入口51と、その高温の冷却水をヒー
タコア21側に排出する第1排出口52と、ヒータコア
21から排出された低温の冷却水を導入する第2導入口
53と、その低温の冷却水を冷却系流路42側に排出す
る第2排出口54とが形成されている。第1導入口51
と第1排出口52とはヒータ系流路43の往路44に接
続される。又、第2導入口53と第2排出口54とはヒ
ータ系流路43の復路45に接続される。
【0022】筐体50の内部において、第1導入口51
と第1排出口52とを接続する流路に第1弁25aを構
成する第1弁体55と第1弁座56とが形成されてい
る。又、筐体50の内部には第1排出口52に繋がる還
流路46が形成されている。第2導入口53と第2排出
口54とは連通しており、これらの第2導入口53と第
2排出口54と還流路46とを接続する流路に第2弁2
5bを構成する第2弁体57と第2弁座58とが形成さ
れている。そして、第1弁体55と第2弁体57とはプ
ランジャ59に固定されている。このプランジャ59は
摺動子62と結合されており、その摺動子62と固定子
63との間にコイルスプリンク61が介在されている。
筐体50の上部に設けられたソレノイド60に通電され
ていない時には、コイルスプリンク61の付勢力により
摺動子62が固定子63との間隔を広げる方向に移動さ
れている。この結果、プランジャ59は第1弁25aを
開弁状態とし第2弁25bを閉弁状態とする方向に付勢
されている。一方、ソレノイド60に通電されると、摺
動子62が固定子63の方向に移動し、プランジャ59
は第1弁25aを閉弁状態とし第2弁25bを開弁状態
とする方向に駆動される。
【0023】4.本装置の作動 図2に示すように、本空調装置は、ブロワモ−タ11a
により駆動されるファン11bよって空気を送風し、こ
の空気をエバポレ−タ12での熱交換によって冷却する
とともに、ヒ−タコア21での熱交換によって加熱し、
その後、VENT吹出口15、HEAT吹出口14、 DEF吹出口
16から車室内へ吹き出す装置である。
【0024】又、VENT吹出口15、HEAT吹出口16、 D
EF吹出口14の何れから、空気を車室内へ吹き出させる
かの吹出口モ−ドは、切換ドア70、72の開度を調整
することによって設定される。
【0025】図4は図3の等価回路に相当する回路図で
ある。ヒ−タコア21は、図4(a) に示す如く、冷却水
のヒータ系流路43に配設されている。即ち、エンジン
22で加熱された冷却水は、通常、A→B→ポンプ26
→ヒ−タコア21→C→D→エンジン22→・・・のよ
うに、ヒータ系流路43を循環している。こうして、ヒ
−タコア21には高温の冷却水が供給され、前述のよう
に、ブロワ11によって送風される空気はヒータコア2
1により加熱される。
【0026】上記冷却水のヒータ系流路43には、図1
に示す弁装置25が図4(a) に示す如き位置に配設され
ている。即ち、弁装置25の通電が停止され消勢される
と、第1弁25aの第1弁体55(図1)は図4(b) に
示すように上方へ変位する。これにより、A→B→ポン
プ26→ヒ−タコア21→C→Dの回路内を、冷却水が
循環する。この場合、ヒ−タコア21には、エンジン2
2で加熱された冷却水が直接供給されるため、ヒ−タコ
ア21の温度は高い。以下、第1弁25aが全開状態に
ある時、弁装置25はオン状態にあるという。
【0027】一方、弁装置25に通電され付勢される
と、第1弁25aの第1弁体55及び第2弁25bの第
2弁57は、図4(c) に示すように下方へ変位する。こ
れにより、A→B間は遮断され、ヒ−タコア内の温水
は、ヒ−タコア21→C→E→B→ポンプ26→ヒ−タ
コア21→・・・のように、エンジン22に戻って加熱
されることなく、そのまま、再び、ヒ−タコア21へ戻
される。このため、ヒ−タコア21の温度は低くなる。
以下、第1弁25aが全閉状態にある時、弁装置25は
オフ状態にあるという。
【0028】従って、弁装置25を或るデュ−ティ比で
オン・オフさせることにより、ヒ−タコア21の温度
を、所望の値付近に設定することができる。本装置で
は、上記デュ−ティ比制御の周期を、デューティ比、ブ
ロワモ−タへの印加電圧、及び、吹出モ−ドに応じて変
えることにより、温度変動を許容範囲内に抑えるととも
に、弁装置25の耐久性を向上させている。
【0029】5.空調制御 次に、図8,図13を参照して、CPU80による空調
制御の手順を説明する。図8に示す処理は、所定の時間
間隔の割込により繰り返し実行される。ステップ100
において、各種のセンサ、即ち、水温センサ92a, 内
気温センサ91a, 外気温センサ91b, 日射センサ9
4等の各出力値(Tw,Tr,Tam,Ts)と温度設定器95の出
力値(Tset)とモード設定器96の出力値と制御スイッチ
機構の状態出力値が入力される。次に、ステップ102
で、それらの値から目標吹出温度TAO が次式で演算され
る。 TAO=Ks・Tset-Kr・Tr-Kam・Tam-KS・TS+C 但し、Ksは温度設定ゲイン、Krは内気温度ゲイン、Kam
は外気温度ゲイン、KSは日射ゲイン、C は補正定数であ
る。
【0030】次に、ステップ104において、目標吹出
温度TAO が30℃以上か否かが判定される。この判定は、
図9に示す履歴特性に基づいて実行される。即ち、目標
吹出温度TAO が低温側から高温側にかけて変化する場合
には30℃より大きくなった時に判定値は「1」に変化
し、目標吹出温度TAO が高温側から低温側にかけて変化
する場合には27℃より小さくなった時に判定値は「0」
に変化する。ステップ104で、判定値が「1」と判定
された場合には、ステップ106において、図10に示
すブロア風量と冷却水温度との関係を示す特性図から冷
却水温度Twに基づいて演算されたブロア風量と、図11
に示す目標吹出温度とブロア風量との関係を示す特性図
から目標吹出温度TAO に基づいて演算されたブロア風量
との小さい方の値によってブロア風量が演算される。
【0031】一方、ステップ104において、判定値が
「0」と判定された時には、ステップ108において、
図11に示す特性から目標吹出温度TAO に基づいてブロ
ア風量が演算される。現実には図10,図11に対応し
てブロア風量を発生させるに必要なブロアモータ11a
の印加電圧V(以下、ブロア電圧という)と目標吹出温
度TAO との対応を示したマップがROM81に記憶され
ている。目標吹出温度TAO からこのマップを参照するこ
とで、ブロア電圧Vが決定される。
【0032】次に、ステップ110において、図12に
示す特性から目標吹出温度TAO に基づいて吹出モードM
が演算される。尚、図12に示すように、モードはFOOT
(フット) モード(ヒートモードともいう)、B/L(バイ
レベル) モード、FACE(フェイス) モード(VENT(ベン
ト)モードともいう)とから成る。
【0033】次に、ステップ112において、オンオフ
信号を出力するためのデューティ比及び周期が演算され
る。この処理手順は、図13に示されている。ステップ
200において、ROM81に記憶された図14に示す
特性のデータマップから目標吹出温度TAO に基づいて、
弁装置25を駆動するためのオンオフ信号のデューティ
比Rが演算される。弁装置25はオンオフ信号の高レベ
ル(オン)の期間、非通電状態であり、第1弁25aが
通過状態、第2弁25bが遮断状態となり、オンオフ信
号の低レベル(オフ)の期間、通電状態であり、第1弁
25aが遮断状態、第2弁25bが通過状態となる。デ
ューティ比Rはオンオフ信号の1周期Tに対する高レベ
ル期間の割合である。次に、ステップ202において、
ステップ106又は108で演算されたブロア電圧V
と、ステップ110で決定された吹出モードMが読み込
まれる。次に、ステップ204において、0.05<デュー
ティ比R<0.8 の不等式が不成立と判定された場合に
は、ステップ216へ移行して、オンオフ信号の周期T
が4sec に設定される。
【0034】デューティ比R≦0.05の場合には、時間平
均で第1弁25aの開度は0.05以下、第2弁25bの開
度は0.95以上と見なすことができるので、ヒータコア2
1に流れる冷却水は大部分がヒータコア21を還流する
低温冷却水である。従って、エンジンの冷却系流路42
から供給される高温の冷却水の混合量が僅かであるの
で、ヒータコア21を流れる冷却水の温度は弁装置25
のオンオフ動作によっても余り変動しない。従って、こ
の場合には、オンオフ信号の周期Tを長くすることが可
能である。よって、デューティ比R≦0.05の場合には、
周期Tを4sec としている。この周期Tを長くすること
で、弁装置25のオンオフ回数を減少させ、弁装置25
の耐久性を向上させることができる。
【0035】一方、デューティ比R≧0.8 の場合には、
時間平均で第1弁25aの開度は0.8 以上、第2弁25
bの開度は0.2 以下と見なすことができるので、ヒータ
コア21に流れる冷却水は大部分が冷却系流路42から
供給される高温冷却水である。従って、ヒータコア21
から排出された低温冷却水の混合量が僅かであるので、
ヒータコア21を流れる冷却水の温度は弁装置25のオ
ンオフ動作によっても余り変動しない。従って、この場
合にも、上記と同様に、オンオフ信号の周期Tを4sec
のように長くすることが可能である。この周期Tを長く
することで、弁装置25のオンオフ回数を減少させ、弁
装置25の耐久性を向上させることができる。
【0036】図5に示すように、実際に、弁装置25を
駆動するオンオフ信号のデューティ比と風量とを変化さ
せて、ヒータコア21の吹出空気の温度を測定した。冷
却系流路42から導入される高温冷却水の温度TW1 は80
℃であり、ヒータコア21の吸入空気温度Ta1 は5℃で
ある。上述したように、デューティ比R≦0.05の場合に
は風量に拘わらず、吹出温度は約15℃以下と低い。又、
デューティ比R≧0.8の場合には風量300m3/h では吹出
温度は約63℃以上であり、風量100m3/h では吹出温度は
約75℃以上である。つまり、風量によって吹出温度が大
きく変化する。
【0037】又、図6に示すように、実際に、風量を30
0m3/h にして、弁装置25を駆動するオンオフ信号のデ
ューティ比Rと周期Tを変化させて、ヒータコア21の
吹出空気のオンオフ制御に伴って生じる温度変動ΔTを
測定した。冷却系流路42から導入される高温冷却水の
温度TW1 は80℃であり、ヒータコア21の吸入空気温度
Ta1 は5℃である。図6から、デューティ比R≦0.05又
はデューティ比R≧0.8 の場合には、オンオフ信号の周
期Tを長くしても吹出空気の温度変動ΔTは大きくなら
ないことが理解される。又、オンオフ信号の周期Tを4
sec 、デューティ比Rを0.2 に固定して、風量と吹出空
気の温度変動ΔTとの関係を測定した。冷却系流路42
から導入される高温冷却水の温度TW1 は80℃であり、ヒ
ータコア21の吸入空気温度Ta1 は5℃である。その結
果を図7に示す。風量が少なければ、弁装置25のオン
オフ制御に基づく温度変動ΔTも小さいことが理解され
る。
【0038】一方、デューティ比Rが0.05〜0.8 の範囲
内にある場合には、図6に示す実験結果から理解される
ように、オンオフ信号の周期Tを長くすると、吹出空気
の温度変動ΔTが大きくなる。従って、この場合には、
周期Tを短く設定することが必要となる。この場合に
は、ステップ204の判定結果がYES となり、ステップ
206に移行して、ステップ110で演算された吹出モ
ードMが判定される。吹出モードMが顔に吹出空気が当
たるモードであるVENTモード(ベントモード)(FACE モ
ードともいう) 、又は、B/L モード( バイレベルモー
ド) で設定されていると判定された場合には、ステップ
208以下のステップが実行される。このモードの場合
には、吹出空気の温度変動ΔTが3℃以内であれば不快
感を覚えない。ステップ208において、ステップ10
6,108で設定されたブロア電圧Vが8Vを越えてい
るか否かが判定され、判定結果がYES であり従って送風
量が大きい場合には、ステップ210において、オンオ
フ信号の周期Tが2sec に設定される。図6から周期T
が2sec の場合には吹出空気の温度変動ΔTは3℃以内
となることが理解される。このように、モードに応じて
不快感を覚えない温度変動ΔTの値が異なるので、吹出
空気の温度がその温度変動ΔT以下になるように、送風
量が大きいときには周期Tを小さくしている。
【0039】又、ステップ208において、ブロワ電圧
Vが8Vより小さい、即ち、送風量が小さいと判定され
た場合には、ステップ214において、オンオフ信号の
周期Tは、3sec に設定される。送風量が小さい場合に
は、図7から明らかなように温度変動ΔTは小さくな
る。よって、オンオフ信号の周期Tを長く設定しても、
温度変動ΔTは小さく、吹出空気の温度変動ΔTを3℃
以内に保つことができる。
【0040】一方、ステップ206において、吹出モー
ドが、直接、顔に吹出空気が当たらないモードであるHE
ATモードであると判定された場合には、ステップ212
以下のステップが実行される。HEATモードである場合に
は、6 ℃以内の温度変動であれば不快感を覚えない。こ
のため、ステップ212において、ブロワ電圧Vが8V
より大きく、従って、送風量が大きいと判定された場合
には、ステップ214に移行して、オンオフ信号の周期
Tが3sec に設定される。即ち、この場合は、図7に示
すように、送風量が大きいとオンオフ制御に基づく温度
変動ΔTが大きくなるので、オンオフ信号の周期Tを比
較的短く設定することにより、吹出空気の温度変動を6
℃以内に抑えることができる。又、ステップ212にお
いて、ブロワ電圧Vが8Vに満たず、従って、送風量が
比較的小さいと判定された場合には、ステップ216に
おいてオンオフ信号の周期Tが4sec に設定される。こ
の場合は、図7に示すように、送風量が小さい場合に
は、オンオフ制御に基づく吹出空気の温度変動ΔTが小
さいので、周期Tを比較的長く設定しても、温度変動Δ
Tを6℃以内に抑えることができる。
【0041】このようにして、吹出空気の温度変動ΔT
が人に不快感を与えない範囲で、オンオフ信号の周期T
は長くなるように設定される。よって、良好な空調環境
の実現と弁装置25の耐久性の向上を図ることができ
る。
【0042】このように、オンオフ信号のデューティ比
Rと周期Tとが決定されると、図8のステップ114に
戻り、ブロア電圧Vの出力指令信号が駆動回路85に出
力される。この結果、ブロアモータ11bは要求された
風量を生じるような速度で回転する。次に、ステップ1
16において、駆動回路84に出力するオンオフ信号の
出力開始が指令される。この出力開始指令が発生される
と、CPU80は、オンオフ信号発生処理を開始する。
このオンオフ信号の発生処理は、微小時間毎のタイマ割
込によって起動される。CPU80はこのオンオフ信号
発生処理において、タイマ計測によりデューティ比R×
周期Tの期間高レベルのオン信号を駆動回路84に出力
し、(1−デューティ比R)×周期Tの期間低レベルの
オフ信号を駆動回路84に出力するという処理を繰り返
し実行する。この処理によりオンオフ信号は駆動回路8
4により増幅されて弁装置25に印加され、弁装置25
は周期Tデューティ比Rでオンオフする。
【0043】次に、図8のステップ118において、吹
出モードMに応じてドアー70、72の開度を制御する
ようにサーボモータ71、73に指令信号が付与され
る。その結果、ドアー70、72は吹出モードMに応じ
た開度に制御される。
【0044】上記の実施例では、オンオフ信号の制御周
期Tをデューティ比R、要求されたブロア電圧、即ち、
要求された風量と、吹出モードに基づいて決定している
が、いづれか1つの変量又は、任意の2つの変量の組み
合わせ、又は、目標吹出温度TAO に基づいて決定しても
良い。
【0045】ここで、前述したように、空調装置におけ
るラジエータ放熱量がフル能力必要となるのは、MAX CO
OL時でも真夏の炎天下の登坂時といった限られた条件下
である。そして、エンジンがオーバーヒートする恐れの
あるのは、冷却流体の温度が100℃以上となるような異
常に高い時である。図15は、バイパス路47中に配設
されるサーモスタット48を示した斜視図である。この
サーモスタット48の作動特性としては、例えば、冷却
水温 100℃以上で開状態から閉状態又は絞り状態となる
ものが採用される。
【0046】図16は、図15のサーモスタット48を
ワックス式とした場合の作動を示した図である。尚、図
16(a) は冷却水温が 100℃未満の時の状態を示した縦
断面図及びその下面図であり、図16(b) は冷却水温が
100℃以上の時の状態を示した縦断面図である。サーモ
スタット48のハウジング48aのフランジ部内には、
ラバー48bにて封止されたワックス48cが配設され
ている。このワックス48cは、 100℃以上となると固
相から液相に変化すると共に膨張し、ラバー48bを変
形させる。これにより、サーモスタット48のフランジ
部内のラバー48bのリブで囲まれた開口部48dが閉
鎖又は絞られるため、バイパス路47を流れる冷却水の
流量がなくなる又は少なくなることになる。
【0047】図17は、図15のサーモスタット48を
プランジャ式とした場合の作動を示した図である。尚、
図17(a) は冷却水温が 100℃未満の時の状態を示した
縦断面図、図17(b) は冷却水温が 100℃以上の時の状
態を示した縦断面図、又、図17(c) は図17(a) のA
矢視方向からプランジャを見た図である。サーモスタッ
ト48のハウジング48aのフランジ部内には、プラン
ジャ48eと形状記憶合金から成るスプリング48fが
配設されている。図17(a) に示したように、スプリン
グ48fは 100℃未満では縮んだままの状態を保持し力
を発生しない。この時には、プランジャ48eは冷却水
の圧力で図の上方に押し上げられ、プランジャ48eの
四方の開口部48gによってバイパス路47は連通状態
となる。次に、図17(b) に示したように、冷却水温が
100℃以上となると、スプリング48fには伸びる力が
発生する。すると、プランジャ48eは冷却水の圧力に
打ち勝って図の下方に押し下げられその通路が閉鎖さ
れ、バイパス路47は遮断状態となる。
【0048】本発明に係るバイパス弁としては、高温時
に閉鎖又は絞るという動作を満足するだけで良いため、
上述のサーモスタット48のような単純な構造で良い。
又、サーモスタット48は配線が不要であり、車両レイ
アウト上も簡単である。以上述べたように、サーモスタ
ット48をバイパス路47中に配設することにより、空
調装置の温度コントロール時にはサーモスタット48が
開状態であり、バイパス路47の通水抵抗が小さいため
出力の小さいポンプ26ではエンジン回転数変動に伴う
吹出温度差を小さくすることができる。一方、真夏の登
坂時で空調装置がMAX COOL時となっている場合で、エン
ジン冷却が苦しくなり冷却水温が100℃以上になると、
サーモスタット48が閉鎖又は絞られるためラジエータ
流量は十分確保されエンジン22はオーバーヒートに陥
ることを防止される。
【0049】上述の実施例では、弁手段を構成する弁装
置25のデューティ比制御によって水温を制御する方式
への適用を説明したが、図18に示したように、弁装置
であるウォータバルブの開度をアナログ制御する温水温
度制御方式にも同様に適用できることは明白である。
又、図19に示したように、デューティ比又はウォータ
バルブの開度でヒータコアへの温水流量を制御する温水
流量制御方式にも同様に適用できる。
【0050】更に、バイパス弁48の他の実施例として
は、常開型の電磁弁を採用することもできる。この場合
には、バイパス路47を流れる冷却水温を検出して電磁
弁を開状態から閉状態とするようにすれば良い。この場
合においては、図20,図21に示したように、駆動回
路84を介してCPU80から供給されたパルスのデュ
ーティ比が零、即ち、MAX COOL時に、バイパス弁48を
構成する電磁弁を閉状態としても良い。
【0051】
【発明の効果】本発明の車両用空調装置の第1の効果と
しては、制御手段により冷却流体の通過状態と遮断状態
との間で制御される弁手段に対してエンジンを冷却する
冷却系流路側で、その冷却系流路から冷却流体をヒータ
コアに導く往路と、ヒータコアから排出された冷却流体
を冷却系流路に帰還させる復路とで構成されたヒータ系
流路と、往路と復路とを連通するバイパス路を有し、そ
のバイパス路中に配設され、バイパス路を流れる冷却流
体の水温が所定の温度以上になった場合には、バイパス
路を閉鎖又は絞ってそのバイパス路を通過する冷却流体
の流量を調節するバイパス弁を備えているので、空調装
置の冷却流体の温度が異常に高くなるとバイパス路側の
流量が抑制される。このバイパス路側の流量の減少分が
ラジエータ側に余計に流れ込むことによりラジエータ放
熱量が増加しエンジンのオーバーヒートが防止される。
【0052】第2の効果としては、制御手段により冷却
流体の通過状態と遮断状態との間で制御される弁手段に
対してエンジンを冷却する冷却系流路側で、その冷却系
流路から冷却流体をヒータコアに導く往路と、ヒータコ
アから排出された冷却流体を冷却系流路に帰還させる復
路とで構成されたヒータ系流路と、往路と復路とを連通
するバイパス路を有し、そのバイパス路中に制御手段に
より制御されるバイパス弁を備えているので、ヒータコ
アに冷却流体を供給する必要のないMAX COOL時には、制
御手段の制御によりバイパス路側の流量が抑制される。
このバイパス路側の流量の減少分がラジエータ側に余計
に流れ込むことによりラジエータ放熱量が増加しエンジ
ンのオーバーヒートが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的な一実施例に係る空調装置の構
成を示した構造図である。
【図2】同実施例装置の電気系統の構成を示したブロッ
ク図である。
【図3】同実施例装置の加熱系統を等価的に示したブロ
ック図である。
【図4】同実施例装置に係る弁装置を用いた場合の加熱
系統を示した説明図である。
【図5】弁装置に印加されるオンオフ信号のデューティ
比とヒータコアから吹出される空気の平均吹出温度との
関係を示す測定図である。
【図6】弁装置に印加されるオンオフ信号のデューティ
比とヒータコアから吹出される空気のオンオフ制御に伴
う温度変動との関係を示す測定図である。
【図7】ヒータコアから吹出される空気の風量とオンオ
フ制御に伴う温度変動との関係を示す測定図である。
【図8】本実施例装置のCPUによる空調制御の処理手
順を示したフローチャートである。
【図9】目標吹出温度と判定値との関係を示した特性図
である。
【図10】冷却水温とブロア風量との関係を示した特性
図である。
【図11】目標吹出温度とブロア風量との関係を示した
特性図である。
【図12】目標吹出温度と吹出モードとの関係を示した
特性図である。
【図13】本実施例装置のCPUによるオンオフ信号の
デューティ比及び周期を決定する処理手順を示したフロ
ーチャートである。
【図14】目標吹出温度とオンオフ信号のデューティ比
との関係を示した特性図である。
【図15】同実施例装置に係るバイパス路に配設される
サーモスタットを示した外観図である。
【図16】図15のサーモスタットをワックス式とした
場合の作動を示した図である。
【図17】図15のサーモスタットをプランジャ式とし
た場合の作動を示した図である。
【図18】本発明に係る他の実施例としてアナログ制御
による温水温度制御方式への適用を示した説明図であ
る。
【図19】本発明に係る他の実施例としてアナログ制御
による温水流量制御方式への適用を示した説明図であ
る。
【図20】本発明に係る更に他の実施例としてデューテ
ィ比による温水流量制御方式への適用を示した構造図で
ある。
【図21】図20の加熱系統を等価的に示したブロック
図である。
【図22】バイパス路の通水抵抗をパラメータとした場
合におけるポンプの出力である締切圧とエンジン回転数
(4000rpm⇔1000rpm)変化時の吹出温度差との関係を示し
た特性図である。
【図23】バイパス路の通水抵抗をパラメータとした場
合におけるエンジン回転数とラジエータ流量との関係を
示した特性図である。
【図24】従来装置で使用されているエアミックス方式
を示した説明図である。
【図25】従来装置で使用されている温水流量制御方式
を示した説明図である。
【図26】従来装置で使用されているアナログ制御によ
る温水温度制御方式を示した説明図である。
【符号の説明】
11−ブロア 12−エバポレータ 21−ヒータ
コア 22−エンジン 25−弁装置(弁手段) 41−
ラジエータ 42−冷却系流路 43−ヒータ系流路 44−往
路 45−復路 46−還流路 47−バイパス路 48−サーモス
タット(バイパス弁) 90−制御装置(制御手段) 99−マイクロコンピ
ュータ(制御手段)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンを冷却する冷却系流路からの冷
    却流体をヒータコアに導入し、該ヒータコアと熱交換し
    た風を車室内に吹き出すため、前記冷却系流路から前記
    冷却流体をヒータコアに導く往路と、ヒータコアから排
    出された前記冷却流体を前記冷却系流路に帰還させる復
    路とで構成されたヒータ系流路と、前記ヒータ系流路に
    おいて前記ヒータコアに直列に介設され、前記ヒータコ
    アに前記冷却流体を流すポンプと、前記ヒータコアに対
    して直列に前記ヒータ系流路に介設され、前記冷却流体
    の流れを通過状態と遮断状態との間で制御する弁手段
    と、前記弁手段に対して前記冷却系流路側で、前記ヒー
    タ系流路の前記往路と前記復路とを連通するバイパス路
    と、前記弁手段に信号を印加して、前記冷却系流路から
    前記往路を介して前記ヒータコアに供給される前記冷却
    流体の温度又は流量を制御する制御手段とを有する車両
    用空調装置であって、 前記バイパス路中に配設され、該バイパス路を流れる前
    記冷却流体の水温が所定の温度以上になった場合には前
    記バイパス路を閉鎖又は絞って該バイパス路を通過する
    前記冷却流体の流量を調節するバイパス弁を備えたこと
    を特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 エンジンを冷却する冷却系流路からの冷
    却流体をヒータコアに導入し、該ヒータコアと熱交換し
    た風を車室内に吹き出すため、前記冷却系流路から前記
    冷却流体をヒータコアに導く往路と、ヒータコアから排
    出された前記冷却流体を前記冷却系流路に帰還させる復
    路とで構成されたヒータ系流路と、前記ヒータ系流路に
    おいて前記ヒータコアに直列に介設され、前記ヒータコ
    アに前記冷却流体を流すポンプと、前記ヒータコアに対
    して直列に前記ヒータ系流路に介設され、前記冷却流体
    の流れを通過状態と遮断状態との間で制御する弁手段
    と、前記弁手段に対して前記冷却系流路側で、前記ヒー
    タ系流路の前記往路と前記復路とを連通するバイパス路
    と、前記弁手段に信号を印加して、前記冷却系流路から
    前記往路を介して前記ヒータコアに供給される前記冷却
    流体の温度又は流量を制御する制御手段とを有する車両
    用空調装置であって、 前記バイパス路中に配設され、前記ヒータコアに前記冷
    却流体を供給する必要のないマックスクール(MAX COOL)
    時には前記制御手段の制御により前記バイパス路を閉鎖
    又は絞って該バイパス路を通過する前記冷却流体の流量
    を調節するバイパス弁を備えたことを特徴とする車両用
    空調装置。
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JP2002213837A (ja) * 2001-01-22 2002-07-31 Sanyo Electric Co Ltd エンジン冷却装置及び冷凍装置
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