JPH05138493A - 回転軸の冷却構造 - Google Patents

回転軸の冷却構造

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JPH05138493A
JPH05138493A JP33397891A JP33397891A JPH05138493A JP H05138493 A JPH05138493 A JP H05138493A JP 33397891 A JP33397891 A JP 33397891A JP 33397891 A JP33397891 A JP 33397891A JP H05138493 A JPH05138493 A JP H05138493A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は熱膨張をきらう回転軸特に工作機械
等の主軸の冷却構造を提供する。 【構成】 ビルトインモータ形主軸13のステータの外
周を1巡する比較的大径の空気流路14を多数本形成
し、その1端にこの空気流路の断面積より数拾分の1小
さい断面積の細管の噴出口15を接続してこの部位で断
熱膨張を起こさせる。流路の他端は大気に開放してあ
る。主軸台11のステータ外周の温度を検出センサ2
1,外気温度を検出するセンサ22を設けて制御装置2
3に入力する。さらに圧縮空気を供給する細管には電磁
可変流量弁16を介在させ制御装置23からの指令で開
度が調整される。主軸台温度−外気温度を制御装置で演
算させ記憶された諸データにもとづき出力される指令に
より電磁可変流量分16の開度が調整され調整流量に対
応する温度降下で主軸台主軸まわりを冷却し温度を安定
なものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は産業機械の回転軸或いは
工作機械の主軸の冷却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、回転にもとづく軸受温度上昇,駆
動モータの温度上昇による熱変位が機械の性能に悪影響
を及ぼすことが多い。例えば精度が要求される工作機械
の主軸特に近年高速回転の要求から多用されるビルトイ
ンモータ形の主軸においては、モータの発熱による熱変
位をさけるための冷却構造として、図5に示すような装
置が用いられている。即ち主軸台1内のビルトインモー
タの外周に設けられた冷却油又は冷却水(以後冷却液と
称す)流路の入口側の管路2は冷却液タンク3のポンプ
4と接続され排出側の管路5はタンク3に接続されてい
る。そしてタンク3内の冷却液は冷却機6により冷却さ
れ、室温センサ7,液温センサ8の検出出力を入力する
制御装置9によって冷却機6が制御され、適温とされた
タンク3内の冷却液はポンプ4によって管路2より主軸
台1内の流路に送られ発熱するモータを外周より冷却し
て排出管路5よりタンク3へと循環させる。また特開平
3−111147号においては図6に示すように主軸箱
内に送り込む冷却媒体の空気を冷却し主軸回転数にもと
づきサーボ弁を制御して空気流量を制御している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように冷却媒体に
冷却した油,水,空気等を使用する間接冷却であるため
主軸台の温度変化の追従性に問題がある。また冷却液は
点検交換,補充等の管理を定期的に行う必要があり手間
がかかる問題がある。さらに冷却機,その制御装置を収
納するスペースが必要となり機械を不必要に大形化する
という問題がある。さらに発熱部位の温度を外気温に近
づけるには冷却媒体の温度は外気以下に冷却させる必要
がある。このため他の部位が図7のように外気温以下と
なり温度の不均一が是正され難いという問題がある。本
発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みなさ
れたもので、その目的とするところは冷却液を使用せず
発熱部位の効果的な冷却が行えて温度分布が均一化され
管理の容易な回転軸の冷却構造を提供しようとするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明は、工作機械等の回転軸の少なくとも発熱部
の近傍周囲の固定部位に空気又は冷媒の流路を形成し、
該流路は一端に細管によって送られる圧縮空気又は冷媒
の噴出口を接続し、該噴出口の断面積に対する前記流路
の断面積は圧縮空気又は冷媒噴射後に空気の断熱膨張に
よる温度降下現象が起きる大きさに形成してなるもので
ある。また可変流量弁を供給管路に介在させ、回転軸台
の温度,外気温度の各センサを設け、これらの出力にも
とづき制御装置が可変流量弁を制御する構成となしたも
のである。またビルトインモータ形主軸においてさらに
モータの負荷をも検出してこれらの出力にもとづいて可
変流量弁を制御する構成となしたものである。さらに発
熱部の近傍に細管によって送られる冷媒の噴出口を設
け、該噴出口の前部に噴出口の断面積に対して冷媒が断
熱膨張することによる温度降下現象の起きる大きさの空
間を形成して断熱膨張または気化熱により発熱部の温度
を低下させるものである。
【0005】
【作用】細管より送られる圧縮空気又は冷媒が噴射口か
ら空気流路内に噴射されて断熱膨張すること或いは気化
熱による温度降下で発熱部を冷却する。また発熱部の近
傍の温度,外気温度のセンサ出力にもとづき制御装置が
可変流量弁の開度を制御して流量を規制し発熱部近傍温
度を低下させ主軸台等の温度を安定なものとする。さら
にビルトインモータ形主軸においてはモータ負荷を検出
して温度のデータとにもとづき可変流量弁の開度を調整
して流量を規制し主軸台の温度を安定なものとする。
【0006】
【実施例】以下本発明の実施例第1を図1,図2にもと
づき説明する。主軸台11の枠体にビルトインモータ1
2のステータが取付けられており、その中心に軸受で回
転可能に軸承された主軸13に同心にロータが嵌合され
ている。ステータの外周の主軸台11の枠体に約1周す
る断面積の大きな空気流路14が軸方向に間隔をおいて
多数本形成されている。この空気流路14の入口側には
断面積が数拾分の1の細管の噴出口15が開口してい
る。細管噴出口15の断面積と空気流路14の断面積の
大きさの比は噴出口15より噴出した圧力空気が空気流
路14内で断熱膨張したとき温度低下の現象が顕著に現
れる比率とするものである。
【0007】各空気流路入口の噴出口15は圧縮空気源
と電磁可変流量弁16を介する一本の細管17で接続さ
れている。大径の各空気流路14の出口側は主軸台11
外の大気に開放される大径の一本の管路18にそれぞれ
接続されている。主軸台11内には温度センサ21がス
テータ近くに設けられ、また主軸台11を有する本機近
傍にも外気温度センサ22が設けられており、これ等の
検出出力は制御装置23に入力される。この制御装置2
3にはまたビルトインモータ12を駆動するインバータ
24の負荷を負荷検出器25の出力が入力される。圧縮
空気の流量と主軸台11の温度上昇の時間的なデータ及
びモータ負荷と主軸台の温度上昇の時間的なデータ、外
気温度と主軸台の温度との関係のデータが実験により予
め求められ制御装置内の記憶回路に記憶されている。
【0008】このように構成された本発明の動作を説明
する。主軸回転が指令されるとインバータ24が作動さ
れ所定の高周波によってビルトインモータ12は高速回
転される。ビルトインモータ12の連続回転にともなっ
てステータ,ロータ,主軸の温度が次第に上昇する。ま
た外気温は午前中ゆるやかに上昇し、午後おそくなりゆ
るやかに下降する。ビルトインモータ12の駆動ととも
に圧縮空気源から圧力空気が供給され電流可変流量弁1
6を介して細管17の各噴出口15より空気流路14に
圧縮空気が噴出される。細管17の断面積より空気流路
14の断面積は数拾倍大きなものであるので、この部分
で断熱膨張が行われる。即ち、T:絶対温度,V:体
積,r:定圧比熱と定積比熱の比とするとき、TVr-1
=定数に従って温度が下がりこの冷却降下によってビル
トインモータ12,主軸13の温度上昇が抑制される。
【0009】主軸台温度センサ21からの検出出力t,
外気温度センサ22からの検出出力Tの刻々の図2のよ
うなデータが制御装置23に入力され演算回路において
主軸台温度t,外気温度T,モータ負荷Pの入力値より
記憶回路内の主軸台温度t−外気温度Tの演算を行わせ
記憶回路より関係データを読みだしこのデータにもとづ
き演算回路からの指令で電磁可変流量弁16の開度を調
整して圧縮空気の流量が制御され、空気流路14内にお
ける所定の温度降下を行われせる。この温度降下量と主
軸台の温度上昇量とがほぼ相殺するように制御され図2
のように発熱部の冷却を特に大きく本体温度をほぼ外気
温に規制され主軸台温度が安定にされるものである。な
お本実施例では工作機械のビルトインモータ形主軸の冷
却について述べたがこれに限られるものでなく産業機械
類の回転軸にも応用できることは言うまでもない。
【0010】次に実施例第2を図3にもとづき説明す
る。図1と同じ部分は同符号を付して説明を省略する。
断熱膨張させる圧縮空気に替え気化熱を利用する手法で
あって冷凍機の冷媒例えばフロンを用いる。排気側の流
路18を制御装置で制御される冷凍機のコンプレッサ2
6に接続し、圧縮され高温となった気体又は液体は管路
19より途中放熱器27を経て電磁可変流量弁16に接
続されるものである。ビルトインモータ12の回転とと
もにコンプレッサ26が作動しフロンが圧縮され高温の
気体又は液体は管路19の放熱器27で放熱され常温と
されて電磁可変流量弁16を経て細管17よりノズル1
5から噴出され気体であれば断熱膨張,液体であれば気
化熱により流路14が冷やされ発熱部のステータ,ロー
タが冷却される。主軸台の温度センサ21,外気温度セ
ンサ22並びに負荷検出器25の出力にもとづき制御装
置23がコンプレッサ26及び電磁可変流量弁16を制
御してノズル15よりの噴出量が規制され主軸台の温度
上昇が押さえられ図2のように安定なものとなる。
【0011】次いで実施例第3を図4にもとづき説明す
る。図1と同じ部分は同符号を付して説明を省略する。
図1のステータ回りの巡回流路を特に設けず、ステータ
とロータの隙間に向かって、円周上複数個のノズル15
を設けたものである。細管17より送られた圧縮空気は
複数個のノズル15よりステータ,ロータの隙間に向か
って噴出され、モータ室30の空胴内で数拾倍の体積に
膨張し、この断熱膨張により温度が降下され低温となっ
た空気は隙間をぬけて後側のモータ室より排出路18を
経て大気に放出される。各センサ21・22,負荷検出
器25にもとづき制御装置23が電磁可変流量弁16を
制御して図2のような温度線図が得られるものである。
なお圧縮空気,フロンに限られるものでなく同等の作用
効果が得られる流体であれば用いることができる。
【0012】
【発明の効果】上述のようであるので、本発明は以下の
効果を奏する。従来の冷却構造のような冷却機,オイル
タンク,オイルポンプが不要とすることができ工場内設
置の圧力空気源と接続することで所期の効果が得られる
ため構造が小形,軽量,簡易化されコストダウンに寄与
する。また冷却液が不要であるので交換などの保守管理
の必要がなくなり、さらに制御が容易となる。さらに冷
凍機を用いるものでフロンを発熱部位に直接噴出する場
合は冷却効果は一層顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の主軸台の冷却構造の実施例第1を示す
説明図である。
【図2】本発明の冷却による機台発熱部の温度変化を示
す図である。
【図3】本発明の主軸台の冷却構造の実施例第2を示す
説明図である。
【図4】本発明の主軸台の冷却構造の実施例第3を示す
説明図である。
【図5】従来の主軸台の冷却構造を示す説明図である。
【図6】従来の主軸台の他の冷却構造を示す図である。
【図7】冷却による機台発熱部の温度変化を示す図であ
る。
【符号の説明】
11 主軸台 12 ビ
ルトインモータ 13 主軸 14 空
気流路 15 噴出口 16 電
磁可変流量弁 21 主軸台温度センサ 22 外
気温度センサ 23 制御装置 25 負
荷検出器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工作機械等の回転軸の少なくとも発熱部
    の近傍周囲の固定部位に空気又は冷媒の流路を形成し、
    該流路は一端に細管によって送られる圧縮空気又は冷媒
    の噴出口を接続し、該噴出口の断面積に対する前記流路
    の断面積は圧縮空気又は冷媒噴射後に空気の断熱膨張に
    よる温度降下現象が起きる大きさに形成してなることを
    特徴とする回転軸の冷却構造。
  2. 【請求項2】 細管に可変流量弁を設け回転軸台温度,
    外気温度をそれぞれ検出するセンサを設け、該センサの
    出力にもとづき前記可変流量弁の開度を調整する制御装
    置を設けたことを特徴とする請求項1に記載の回転軸の
    冷却構造。
  3. 【請求項3】 工作機械のビルトインモータ形主軸のス
    テータ外周部位を廻る空気流路を形成し,該空気流路の
    一端に細管によって送られる圧縮空気又は冷媒の噴出口
    を接続し、該噴出口の断面積に対する前記空気流路の断
    面積は圧縮空気噴射後の空気の断熱膨張による温度降下
    現象が起きる大きさに形成され、前記細管に可変流量弁
    を設け、主軸台温度,外気温度をそれぞれ検出するセン
    サを設け、さらに前記ビルトインモータの負荷を検出す
    るセンサを設け、前記主軸台温度,大気温度,モータ負
    荷の各検出値にもとづき、前記可変流量弁の開度を調整
    する制御装置を設けたことを特徴とする主軸の冷却構
    造。
  4. 【請求項4】 産業機械等の発熱部の近傍に細管によっ
    て送られる冷媒の噴出口を設け、該噴出口の前部に噴出
    口の断面積に対して冷媒が断熱膨張することによる温度
    降下現象の起きる大きさの空間を形成してなり、断熱膨
    張または気化熱により発熱部の温度を低下させることを
    特徴とする冷却構造。
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