JP2630217B2 - 予圧可変式スピンドルユニット - Google Patents

予圧可変式スピンドルユニット

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JP2630217B2
JP2630217B2 JP5242494A JP24249493A JP2630217B2 JP 2630217 B2 JP2630217 B2 JP 2630217B2 JP 5242494 A JP5242494 A JP 5242494A JP 24249493 A JP24249493 A JP 24249493A JP 2630217 B2 JP2630217 B2 JP 2630217B2
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正秀 手塚
祐輔 小菅
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、予圧可変式スピンドル
ユニットに関し、詳しくは、主軸の低速から高速までの
回転速度等に応じて軸受にかかる予圧を制御するスピン
ドルユニットの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、工作機械のスピンドルユニット
では、低速から高速までの広範囲の回転域で主軸の組付
上の剛性を得るため、主軸を支持する軸受は軸方向の予
圧を与えて使用されている。
【0003】そして、軸受に対する予圧付与の手段とし
て、例えば、ばねによる定圧予圧の方式があるが、これ
は、主軸の回転速度に関わりなく一定の予圧しか与えら
れず、このため、高速回転が可能なばね予圧状態で低速
回転させると、切削加工の際、主軸の組付上の剛性が著
しく低いという問題がある。また、低速回転に合わせて
予圧を大きくした状態で高速回転させると、軸受に必要
以上の負荷がかかり、軸受に損傷を与える虞がある。
【0004】そこで、例えば、主軸の回転速度に応じて
軸受に対する予圧量を変化させるスピンドルユニット
が、例えば実開平5−2802号公報,特開平2−27
9203号公報に示すように提案されている。
【0005】これらのスピンドルユニットは、弾性部材
の押圧力により軸受箱が軸受の外輪を押して各軸受に初
期状態の重予圧を与えるとともに、主軸の回転速度の変
化に応じて各圧力室にそれぞれ高圧油を導入又は排出す
ることにより、弾性部材を変形させて予圧を変化させ、
主軸の回転速度に応じて予圧量を断続的にノコギリ状波
形になるように調整するものである。そして、圧力室に
それぞれ高圧油を導入又は排出するために、方向切換弁
やポンプ等を備える油圧制御装置が使用され、この方向
切換弁は、主軸の回転速度検出器からの回転速度の信号
により作動するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のスピ
ンドルユニットにあっては、主軸の回転速度に応じて予
圧量を断続的に変化させ、低速回転から高速回転まで軸
受に対する組付け剛性を高くすることができるものの、
回転速度の変化に対して予圧量がノコギリ型の波形で変
化する。このものは基本的に定位置予圧式であり、主軸
の回転数の増加に対する予圧量の増加が、定圧予圧式に
比べて著しく大きいため、低速回転域での予圧切換が必
要になる。従って、必ずしも低速回転域で重予圧,高速
回転域で軽予圧を付与してはおらず、回転速度の変化に
対して最適な予圧を与えることが困難という問題があっ
たり、加えて、予圧切換に伴って、軸受への負荷が大幅
に変動し、軸受の寿命を短くするとい問題もあった。
【0007】また、上述のスピンドルユニットや定圧予
圧を付与する構造のスピンドルユニットでは、高温にな
る軸受を冷却する構造を採用しないものでは、超高速回
転時に発生する大量の熱量を充分に除去することができ
ず、軸受が異常高温となり、著しい場合には、焼き付け
を起こすという問題があった。
【0008】そこで、超高速回転時に軸受に発生する大
量の熱量を除去するため、例えば、予圧付与のため軸受
を保持してこれを主軸方向の軸線方向に移動させる軸受
スリーブを固定スリーブ内に摺動自在に設け、該固定ス
リーブを冷却することにより軸受スリーブを介して軸受
を間接的に冷却する構造を採用した装置が知られてい
る。
【0009】この装置における冷却方法では、(1)固
定スリーブが軸受から遠く、冷却効率が悪い。(2)軸
受スリーブと固定スリーブの冷却部との間に空気層から
なる摺動部があり、空気層に邪魔されることにより高温
の軸受スリーブから固定スリーブへの熱伝導率が低く、
冷却効率が悪い。(3)さらに、固定スリーブの冷却に
より該固定スリーブは縮小する一方、軸受スリーブは発
熱により膨張するため、摺動部における摺動抵抗が増大
し、最悪の場合には固定スリーブと軸受スリーブが固着
する等の問題がある。勿論、摺動部における隙間を大き
くすれば、かかる摺動抵抗は避けることができるが、摺
動部の空気層が断熱層として機能し、熱伝導率が一層低
くなると共に、主軸の剛性の低下や振動の増加を招くこ
とになり、好ましくない。
【0010】本発明は、上述の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、軸受に対する予圧を連続
的に変化させ、主軸の回転速度に応じた最適な軸受予圧
を付与することができるスピンドルユニットを提供する
ことである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
外筒内に挿通して配置された主軸を該外筒に対して回転
自在に支持する軸受と、外筒に固定された固定スリーブ
と、固定スリーブの内側に位置して前記軸受を保持した
状態で、軸方向に変位可能に配置され、固定スリーブの
内壁面との間に軸方向に沿って形成された隙間からなる
圧力室に供給される圧力流体により軸方向に変位する力
を受ける軸受スリーブと、主軸の回転速度に比例するパ
ラメータを検出する圧力制御用検出器と、固定スリーブ
と軸受スリーブの少なくとも一方に形成され、前記圧力
室に連通する流体供給路と、固定スリーブと軸受スリー
ブの少なくとも一方に形成され、前記圧力室に連通する
流体排出路と、流体供給路の入口と流体排出路の出口に
連結された配管と、配管の途中に装着された流体供給源
と、配管の途中に装着されて配管中を流れる流体の圧力
を変える制御バルブと、圧力制御用検出器に接続された
制御装置とを備え、制御装置は、主軸が低速回転のとき
流体の圧力を上昇させるように前記制御バルブを制御す
るとともに、主軸が高速回転のとき流体の圧力を下降さ
せるように制御バルブを制御する命令を出力する軸受予
圧制御手段と、主軸が低速回転のとき流体の圧力を上昇
させ、且つ、主軸が高速回転のとき流体の圧力を下降さ
せるように、主軸の回転速度に比例するパラメータと制
御バルブの変化度の相関関係を記憶した記憶手段とを有
していることを特徴とする。
【0012】請求項2記載の発明は、外筒内に挿通して
配置された主軸を該外筒に対して回転自在に支持する軸
受と、外筒に固定された固定スリーブと、固定スリーブ
の内側に位置して前記軸受を保持した状態で、軸方向に
変位可能に配置され、固定スリーブの内壁面との間に軸
方向に沿って形成された隙間からなる圧力室に供給され
る圧力流体により軸方向に変位する力を受ける軸受スリ
ーブと、固定スリーブと軸受スリーブの少なくとも一方
に形成され、前記圧力室に連通する流体供給路と、固定
スリーブと軸受スリーブの少なくとも一方に形成され、
前記圧力室に連通する流体排出路と、流体供給路の入口
と流体排出路の出口に連結された配管と、配管の途中に
装着され、前記圧力室に冷却流体を循環させる流体供給
源とを有していることを特徴とする。
【0013】
【作用】請求項1記載の発明においては、固定スリーブ
と軸受スリーブの間の圧力室における流体の圧力で、軸
受スリーブが軸方向に変位し、従って、軸受スリーブか
ら力を受ける軸受が変位し、主軸に軸受を介して引張力
が与えられる。即ち、軸受は予圧負荷状態に保持されて
いる。
【0014】そして、主軸の回転速度に比例するパラメ
ータが、圧力制御用検出器により検出され、その信号が
制御装置に送られる。制御装置においては、回転速度に
基づくパラメータの信号が 軸受予圧制御手段に送ら
れ、軸受予圧制御手段においては、記憶手段から取り込
まれた情報と、入力された回転速度に基づくパラメータ
の信号とを比較し、回転速度の大小(低速回転かまたは
高速回転)に応じて、制御バルブの適性な変化度が選択
され、その情報が制御バルブに送られる。即ち、軸受予
圧制御手段により制御バルブが制御され、主軸が低速回
転のとき流体の圧力を上昇させて軸受スリーブを所定方
向へ変位させ、従って、主軸の低速回転に対応した状態
で軸受が予圧を受ける。また、主軸が高速回転のとき流
体の圧力を下降させて、軸受スリーブの変位を減少さ
せ、従って、主軸の低速回転に対応した状態で軸受が予
圧を受ける。
【0015】請求項2記載の発明においては、冷却流体
が、固定スリーブと軸受スリーブの間の隙間,圧力室を
流れるので、この冷却流体と軸受から伝わった高温の軸
受スリーブとの間で熱交換が行なわれ、軸受スリーブを
介して軸受が冷却され、軸受の予圧が安定した状態で維
持される。
【0016】
【実施例】以下、図1ないし図8により本発明の実施例
に係る予圧可変式スピンドルユニットについて説明す
る。
【0017】図1において、符号1は主軸で、この主軸
1は外筒2内に挿通して配置されている。主軸1と外筒
2の間には電動モータ3が配置され、この電動モータ3
はステータが外筒2に固定して取り付けられ、ロータが
主軸1に固定され、該主軸1を高速回転駆動するように
なっている。外筒2の前端には蓋部材4が固設され、蓋
部材4の内側には前部軸受5が設けられ、軸受押え4A
によりその抜止めが施されている。
【0018】主軸1は前部軸受5及び後述の後部軸受2
4に支持されている。主軸1の前側には前部段部6が形
成され、主軸1の前部段部6の後側には環状突起部7が
形成され、その前側には小径部8が形成されている。こ
の小径部8の外周面には、前部軸受5の内輪を保持する
前部リング9が固定され、この前部リング9の後端面は
上記前部軸受5の前端面に当接している。
【0019】そして、外筒2の後端には固定スリーブ1
0が固定され、この固定スリーブ10の内側には軸受ス
リーブ11が配置されている。この固定スリーブ10は
外筒2と一体に形成しても良い。
【0020】固定スリーブ10は、その前端に突出する
環状内フランジ10Bが形成され、また、内壁面12の
後端にこれより大きい径の環状凹部13が形成されてお
り、一側には流体供給路14が、他側には流体排出路1
5がそれぞれ形成されている。流体供給路14の入口端
は固定スリーブ10の後端面10Aに開口し、出口端は
内壁面12に開口している。流体排出路15の出口端は
固定スリーブ10の後端面10Aに開口し、入口端は前
記流体供給路14の出口端に対向する側に位置させて内
壁面12に開口している。
【0021】軸受スリーブ11は、その前端に内方に突
出する環状内フランジ16を有するとともに後端に外周
方向に突出する環状外フランジ17を有しており、その
内筒部11Aが前記固定スリーブ10の環状内フランジ
10Bに軸方向に摺動自在に嵌合し、その環状フランジ
17が前記環状凹部13に軸方向に摺動自在に嵌合して
いる。
【0022】上記固定スリーブ10の内壁面12及び環
状凹部13の内壁面13Aと、軸受スリーブ11の円筒
部11Aの外周面11Bの間に軸方向に沿った環状隙間
18が形成され、固定スリーブ10の環状内フランジ1
0Bと、軸受スリーブ11の環状外フランジ17との間
の前記環状隙間18が圧力室19として形成されてい
る。
【0023】また、固定スリーブ10と軸受スリーブ1
1の間にはシール部材20,21が装着されている。そ
して、主軸1の後端には、後部段部22が形成され、主
軸1の後部段部22の後側には小径部23が形成され、
この小径部23に後部軸受24が外嵌されている。この
小径部23の外周面には、後部リング25が固定され、
この後部リング25の前端面は上記後部軸受24の後端
面に当接している。
【0024】軸受スリーブ11を軸方向に沿って変位さ
せることにより、その環状内フランジ16に後部軸受2
4が押圧され、従って、この後部軸受24は主軸1上の
後部リング25を介して主軸1に軸方向に引張力を与え
ている。即ち、前後部軸受5,24は主軸1により軸方
向の予圧を付与されており、主軸1の組付上の剛性を高
めている。
【0025】また、主軸1の後端には、後部リング25
の後側に位置して速度検出リング26が装着され、この
速度検出リング26の外側に近接して、回転速度検出器
からなる圧力制御用検出器27が軸受スリーブ11に取
り付けられている。圧力制御用検出器27は、主軸1の
回転速度を検出するものである。
【0026】そして、固定スリーブ10の流体供給路1
4の入口端と、流体排出路15の出口端は配管28を介
して接続されている。配管28の途中には、オイルタン
ク29,オイルポンプからなる流体供給源30が設けら
れ、配管28の流体排出路15の出口端とオイルタンク
29の間には、パルスモータ駆動により絞りが調整でき
る流量制御弁からなる制御バルブ31が装着されてい
る。配管29の流体供給路14の入口端と流体供給源3
0の間には、オイルクーラ21が装着されている。
【0027】上記の圧力制御用検出器27に制御装置3
2の入力側が接続され、この制御装置32の出力側は上
記制御バルブ31に接続されている。制御装置32は、
図2に示すように、記憶手段33と、CPU34と、パ
ルス制御回路35と、インターフェース36とから構成
されている。インターフェース36の入力部に圧力制御
用検出器27が接続され、出力部に制御バルブ31が接
続されている。CPU34は軸受予圧制御手段34Aを
有してなる。軸受予圧制御手段34Aは、主軸1が低速
回転のときオイルの圧力を上昇させるように制御バルブ
31を制御するとともに、主軸1が高速回転のとき流体
の圧力を下降させるように制御バルブ31を制御する命
令を出力するようになっている。
【0028】記憶手段33には、プログラムを記憶する
プログラムエリアと、図3に示す演算用エリアと、図
4,図5に示す第1,第2データ保存用エリアとがあ
り、第1データ保存用エリアには主軸回転速度と軸受予
圧設定量の関係を示すテーブル(図6)が、また、第2
データ保存用エリアには、軸受予圧設定量と制御バルブ
31の絞り量の関係を示すテーブル(図7)がそれぞれ
格納されている。
【0029】次に、本実施例の作用を、流体としてオイ
ルを使用した例を挙げて説明する。配管28のオイル
が、流体供給源30により、オイルクーラ21を介して
流体供給路14に導かれ、固定スリーブ10と軸受スリ
ーブ11の間の環状隙間18に入って圧力室19を満た
す。圧力室19においては、固定スリーブ10を基準と
して、軸受スリーブ11の環状外フランジ17が軸方向
に沿った力を受ける。この力により、軸受スリーブ11
が軸方向に変位し、後部軸受24が変位し、主軸1に引
張力が与えられる。即ち、前記力により前部軸受5と後
部軸受24とが予圧負荷状態に保持し、主軸1の組付上
の剛性が高められている。
【0030】また、環状隙間18には、冷却されたオイ
ルが供給されるので、このオイルにより、主軸1の回転
で高温になった後部軸受24から熱を伝達された軸受ス
リーブ11が冷却される。環状隙間18で高温の軸受ス
リーブ11と熱交換して温度上昇したオイルは、流体排
出路15を通って配管28に導かれ、再び、オイルクー
ラ21で冷却される。
【0031】一方、主軸1の回転速度が、圧力制御用検
出器27により検出され、その信号が制御装置32に送
られる。制御装置32は上記信号が入力されると、CP
U34が動作して、主軸1の回転速度に応じて前記環状
隙間18に供給されるオイルの圧力を制御する。
【0032】CPU34における動作を図8に基づいて
説明する。CPU34は、制御装置32の電源をオンに
すると、記憶手段33のプログラムエリアに記憶された
プログラムが起動する(ステップS1)。
【0033】ステップS2において、CPU34のアキ
ュムレータに主軸1の回転速度”ゼロ”が初期設定さ
れ、記憶手段33の演算用エリア内の主軸速度レジスタ
に書き込まれる。
【0034】ステップS3において、主軸1の現在の回
転速度(Sn)の信号がインターフェース36を介して
CPU34のアキュムレータに取り込まれる。ステップ
S4において、この取り込んだ現在の回転速度(Sn)
と回転速度”ゼロ”が同じか否かが判断される。同じ
(YES)ならば、プログラムを終了する(ステップS
5)。同じでない(NO)ならば、プログラムを続行
し、次のステップS6に進む。
【0035】ステップS6において、取り込んだ現在の
回転速度(Sn)と、記憶手段33の演算用エリア内の
主軸速度レジスタ(図3)の前回の回転速度(Sp)と
が判断される。即ち、アキュムレータに(Sn)が取り
込まれており、一方、主軸速度レジスタには、その処理
以前に格納されたSpがある。この両者を比較して主軸
の回転速度が変化したか否かが検出される。
【0036】また、前回の回転速度(Sp)は、電源投
入後、最初の1回目の処理時には”ゼロ”が設定される
(ステップS2)。その後、この”ゼロ”と違う数値が
アキュムレータに取り込まれ、その時点で、主軸速度レ
ジスタの内容が更新される。
【0037】同じ(YES)と判断されれば、ステップ
S3に戻る。同じでない(NO)と判断されれば、主軸
速度レジスタ(図3)に取り込んで格納する。ステップ
S7において、主軸速度レジスタ(図3)に取り込んだ
回転速度と、第1データ保存用エリアの主軸回転速度と
軸受予圧設定量のテーブル(図4)の主軸回転速度を順
次大小比較する。取り込んだ回転速度と同じ回転速度或
いはこの取り込んだ回転速度より大きい主軸回転速度の
1つ前の(小さい)主軸回転速度に対応する予圧設定量
を、アキュムレータに取り込み、図3の演算用エリアの
予圧設定量レジスタへ格納する。
【0038】次いで、ステップS8において、同様の手
順で、第2データ保存用エリアの軸受予圧設定量と絞り
量のテーブル(図5)からステップS7で得られた軸受
予圧設定量に対応する絞り量を検索し、演算用エリアの
絞り量レジスタへ格納する。
【0039】ステップS9において、検索された制御バ
ルブ31の絞り量は、パルス制御回路35に入力し、所
定のパルス数に変換された後、インターフェース36を
介して制御バルブ31へ出力される。
【0040】要するに、主軸1の回転速度の信号が 軸
受予圧制御手段34Aに送られ、軸受予圧制御手段34
Aにおいては、記憶手段33から取り込まれた図6,図
7に示す主軸回転速度と絞り量のテーブルに基づき入力
された回転速度の信号に応じた制御バルブ31の絞り量
の適性量が連続的に選択され、軸受予圧制御手段34A
から、この絞り量の信号が制御バルブ31に送られる。
【0041】軸受予圧制御手段34Aにより、主軸1が
低速回転のときオイルの圧力を上昇させるように制御バ
ルブ31が連続的に制御される。図6,図7で詳しく説
明すると、例えば主軸1の回転速度がS1 の時、図6の
テーブルにより軸受予圧設定量はPL1 が設定され、こ
の軸受予圧設定量PL1 は、図7のテーブルにより制御
バルブ31の絞り量V1 に設定される。即ち、主軸1の
回転速度がS1 の時(低速回転)、制御バルブ31の絞
り量V1 に設定され、絞り量が大きくなる。従って、制
御バルブ31の上流側におけるオイルの圧力が高くな
り、軸受スリーブ11の変位量が大きくなり、前後部軸
受5,24の予圧が大きくなる。
【0042】同様にして、主軸1が高速回転のとき、制
御バルブ31が開き、オイルの圧力を下降させるように
制御バルブ31が制御される。従って、制御バルブ31
の上流側におけるオイルの圧力が低くなり、軸受スリー
ブ11の変位量が小さくなり、前後部軸受5,24の予
圧が小さくなる。
【0043】以上の如き構成によれば、回転速度の変化
に対して前後部軸受5,24への予圧量を連続的に変化
させ、低速回転域で重予圧,高速回転域で軽予圧を付与
することができ、回転速度の変化に対して最適な軸受予
圧を与えることができる。
【0044】また、オイルが、固定スリーブ10と軸受
スリーブ11の間の環状隙間18の圧力室19を流れる
ので、このオイルと、後部軸受24から伝わった高温の
軸受スリーブ11との間で熱交換が行なわれ、軸受スリ
ーブ11を介して後部軸受24が冷却される。従って、
環状隙間18からの軸受スリーブ11を介しての後部軸
受24の効率的な冷却を可能にし、後部軸受24が異常
に高温になることを防止し、主軸1の超高速回転を可能
にすることができる。
【0045】また、固定スリーブ10と軸受スリーブ1
1の間の環状隙間18は、発熱による相対変化が少な
く、適性値に維持でき、さらに、オイルで環状隙間18
が満たされているので、シール部材20,21と軸受ス
リーブ11との潤滑性を確保し、該軸受スリーブ11の
摺動を円滑にできる。
【0046】特に、軸受予圧制御手段34Aにより制御
バルブ31が制御されるが、制御バルブ31として流量
制御弁を使用した場合には、主軸1が低速回転のとき制
御バルブ31を絞ることにより、オイルの圧力を上昇さ
せて軸受スリーブ10を所定方向へ比較的大きく変位さ
せ、従って、主軸1の低速回転に対応した状態で前後部
軸受5,24が予圧を受ける。同時に、配管28内を流
れるオイルの流量を減少させ、これにより、環状隙間1
8の冷却能力を抑え、適性な冷却能力を与えている。
【0047】また、主軸1が高速回転のときオイルの圧
力を下降させて、軸受スリーブ10を比較的小さく変位
させ、従って、主軸1の高速回転に対応した状態で後部
軸受24が軽予圧を受ける。同時に、配管28内を流れ
るオイルの流量を増加させ、これにより、オイルの環状
隙間18の冷却能力を向上させ、後部軸受24の効率的
な冷却をさらに高め、主軸1の超高速回転をより可能に
することができる。
【0048】なお、本実施例においては、軸受予圧を付
与する制御手段を、後部軸受に設けた例を挙げて説明し
たが、これに限定されることなく、前部軸受に対して設
けることもできる。
【0049】また、本実施例においては、流体としてオ
イルが使用されてるが、これに限定されることなく、例
えば、空気でも良い。また、本実施例においては、圧力
室19に連通する供給路と流体排出路とを固定スリーブ
10に形成したが、それらは、軸受スリーブ11に形成
しても良く、固定スリーブ10と軸受スリーブ11の両
方に形成しても良い。
【0050】さらに、本実施例においては、隙間は環状
隙間となっているが、これに限定されることはない。そ
して、本実施例においては、環状隙間18は、軸受スリ
ーブ11の外周面11Bと固定スリーブ10の内壁面1
2との間の隙間と、環状凹部13の内端面13Bと軸受
スリーブ11の環状外フランジ17の内端面17Aとの
間の隙間とが連通してなる1つの圧力室として形成され
ているが、必ずしもそれらの隙間を連通しなくても良
く、独立した圧力室を形成するようにしても良い。
【0051】そして、また、本実施例においては、制御
バルブの例として流量制御弁を使用しているが、これに
限定されることなく、例えば、圧力制御弁を使用するこ
ともできる。
【0052】そして、さらに、本実施例においては、オ
イルを冷却するための手段として、オイルクーラを使用
しているが、このオイルクーラが無くても良く、主軸の
回転速度に応じてオイルの圧力を変化させることができ
る。
【0053】或いは、本実施例においては、圧力制御用
検出器として主軸の回転速度を検出する回転速度検出器
を例にとり、回転速度検出器からの信号を制御装置に入
力し、主軸の回転速度が低速回転のとき流体の圧力を上
昇させるように制御バルブを制御するとともに、主軸の
回転速度が高速回転のとき流体の圧力を下降させるよう
に制御バルブを制御しているが、主軸の回転速度と軸受
温度がほぼ比例関係にあることから、圧力制御用検出器
として上記の回転速度検出器に限定されることなく、主
軸の回転速度に比例するパラメータとしての軸受付近の
温度を、主軸の回転速度に代えて直接検出する温度検出
器を採用し、この温度検出器からの信号を制御装置に入
力し、温度が低いとき流体の圧力を上昇させ、且つ、温
度が高いとき流体の圧力を下降させるように、制御バル
ブを制御することもできる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、主軸の回転速度の変化に対して軸受への予
圧量を連続的に変化させることができ、主軸の低速回転
域で重予圧,主軸の高速回転域で軽予圧を付与すること
ができ、主軸の回転速度の変化に対して最適な予圧を与
えることができる。しかも、軸受に対する予圧を連続的
に変化させることができるので、主軸の回転速度に応じ
た最適な軸受予圧を付与することができる。
【0055】請求項2記載の発明によれば、冷却流体
が、固定スリーブと軸受スリーブの間の隙間,圧力室を
流れるので、この冷却流体と、軸受から伝わった高温の
軸受スリーブとの間で熱交換が行なわれ、軸受スリーブ
を介して軸受が冷却される。従って、上記隙間からの軸
受スリーブを介しての軸受の効率的な冷却を可能にし、
軸受が異常に高温になることを防止し、軸受への予圧を
安定して維持することができ、主軸の超高速回転を可能
にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る予圧可変式スピンドルユ
ニットの断面図である。
【図2】同制御装置のブロック図である。
【図3】同制御装置の演算用エリアの説明図である。
【図4】同制御装置の主軸回転速度と軸受予圧設定量の
関係を示すデータ保存用エリアの説明図である。
【図5】同制御装置の軸受予圧設定量と絞り量の関係を
示すデータ保存用エリアの説明図である。
【図6】主軸回転速度と軸受予圧設定量の関係を示すテ
ーブルである。
【図7】軸受予圧設定量と制御バルブの絞り量の関係を
示すテーブルである。
【図8】同制御装置のフローチャート図である。
【符号の説明】
1 主軸 2 外筒 10 固定スリーブ 11 軸受スリーブ 14 流体供給路 15 流体排出路 18 環状隙間 19 圧力室 24 後部軸受 27 圧力制御用検出器 28 配管 30 流体供給源(オイルコントローラ) 31 制御バルブ(流量制御弁) 32 制御装置 33 記憶手段 34A 軸受予圧制御手段

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外筒内に挿通して配置された主軸を該外
    筒に対して回転自在に支持する軸受と、 外筒に固定された固定スリーブと、 固定スリーブの内側に位置して前記軸受を保持した状態
    で、軸方向に変位可能に配置され、固定スリーブの内壁
    面との間に軸方向に沿って形成された隙間からなる圧力
    室に供給される圧力流体により軸方向に変位する力を受
    ける軸受スリーブと、 主軸の回転速度に比例するパラメータを検出する圧力制
    御用検出器と、 固定スリーブと軸受スリーブの少なくとも一方に形成さ
    れ、前記圧力室に連通する流体供給路と、 固定スリーブと軸受スリーブの少なくとも一方に形成さ
    れ、前記圧力室に連通する流体排出路と、 流体供給路の入口と流体排出路の出口に連結された配管
    と、 配管の途中に装着された流体供給源と、 配管の途中に装着されて配管中を流れる流体の圧力を変
    える制御バルブと、 圧力制御用検出器に接続された制御装置とを備え、 制御装置は、 主軸が低速回転のとき流体の圧力を上昇させるように前
    記制御バルブを制御するとともに、主軸が高速回転のと
    き流体の圧力を下降させるように制御バルブを制御する
    命令を出力する軸受予圧制御手段と、 主軸が低速回転のとき流体の圧力を上昇させ、且つ、主
    軸が高速回転のとき流体の圧力を下降させるように、主
    軸の回転速度に比例するパラメータと制御バルブの変化
    度の相関関係を記憶した記憶手段とを有していることを
    特徴とするスピンドルユニット。
  2. 【請求項2】 外筒内に挿通して配置された主軸を該外
    筒に対して回転自在に支持する軸受と、 外筒に固定された固定スリーブと、 固定スリーブの内側に位置して前記軸受を保持した状態
    で、軸方向に変位可能に配置され、固定スリーブの内壁
    面との間に軸方向に沿って形成された隙間からなる圧力
    室に供給される圧力流体により軸方向に変位する力を受
    ける軸受スリーブと、 固定スリーブと軸受スリーブの少なくとも一方に形成さ
    れ、前記圧力室に連通する流体供給路と、 固定スリーブと軸受スリーブの少なくとも一方に形成さ
    れ、前記圧力室に連通する流体排出路と、 流体供給路の入口と流体排出路の出口に連結された配管
    と、 配管の途中に装着され、前記圧力室に冷却流体を循環さ
    せる流体供給源とを有していることを特徴とするスピン
    ドルユニット。
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