JPH05138404A - ワークの突切り加工方法 - Google Patents

ワークの突切り加工方法

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JPH05138404A
JPH05138404A JP33419891A JP33419891A JPH05138404A JP H05138404 A JPH05138404 A JP H05138404A JP 33419891 A JP33419891 A JP 33419891A JP 33419891 A JP33419891 A JP 33419891A JP H05138404 A JPH05138404 A JP H05138404A
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Nakamura Tome Precision Industry Co Ltd
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Nakamura Tome Precision Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 2主軸対向旋盤の第1主軸と第2主軸とでワ
ークの両端を把持して突切り(切離し)加工を行う際の
制御方法に関するもので、細長いワークやワークが細い
切り残し部分で繋がっているような場合でも、ワークや
チャックの爪を損傷することなく、ワークの切離しが完
全に行われたかどうかを正確かつ速やかに判定できる方
法を提供する。 【構成】 ワークが完全に切り離されたかどうかを第1
主軸と第2主軸との位相差によって判定する。具体的に
は、刃物が突切り完了位置まで進出したあと、同期制御
装置のフィードバック出力を遮断し、位相差比較手段8
0、レベル設定器81および位相差検出手段54の協同
作用により、第1主軸11aと第2主軸11bの位相差
が予め登録した所定の位相差を越えたことを条件として
突切り加工完了とし、旋盤に次工程の動作を行わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、2主軸対向旋盤にお
いて、ワークの両端を第1主軸と第2主軸とで把持した
状態で突切り(切離し)加工を行う際の制御方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】2主軸対向旋盤において、ワークの両端
を第1主軸と第2主軸で同時に把持して加工を行う際の
両主軸の同期制御装置として、主軸運転中に両主軸間の
位相同期制御を行う制御装置が特開平2−279253
号公報に開示されている。ここに開示された装置は、遅
速弁別回路と補正指令回路とを備え、主軸に加減速指令
が与えられているときには遅速弁別回路が第1主軸と第
2主軸の位相差を検出するように構成されており、補正
指令回路がその位相差に基づいてNC装置から第1主軸
モータと第2主軸モータに与えられる速度指令に補正値
を加算または減算するように構成されている。
【0003】一方、特開平1−316102号公報に
は、第1主軸と第2主軸の回転数検出手段とその回転数
の差を検出する判断手段とを備え、ワークの突切り加工
時において、刃物を加工完了位置まで進出させた後、第
1主軸と第2主軸とに異なる速度の回転数指令を与え、
第1主軸と第2主軸の回転数差が所定の値を越えたこと
を確認してから、突切り加工完了後の第2主軸の退避動
作を開始させる制御手段が開示されている。
【0004】この後者の制御は、刃物の折損等によって
刃物を所定の突切り完了位置まで進出させたにも関わら
ずワークが切り離されていないときには、第1主軸と第
2主軸に異なる速度指令を与えても第1主軸と第2主軸
が同じ速度で回転することを利用して、第1主軸と第2
主軸に速度差が生ずることをワークの切離し確認手段と
して利用しているものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】第1主軸と第2主軸の
回転数差でワークの切離しを判定する方法は、位相同期
制御手段を持たない2主軸対向旋盤においても実施し得
る点で有用であるが、ワークが細長いときはワークの捩
じれによって瞬間的に第1主軸と第2主軸に大きな速度
差が生ずることがあり、細長いワークの切離しの判定が
困難である。またワークの突切り部分が直径数mmの切
り残しを残して繋がっているような場合、第1主軸と第
2主軸の回転数差が所定の回転数差になるまでに第1主
軸と第2主軸の間に相当大きな位相差が生じてしまうた
め、主軸の駆動トルクで切り残し部が捩じ切られたり、
素材側に大きな瑕を残したり、主軸の把持装置の爪や内
面を損傷して滑らせたりすることがある。従来装置で
は、このような場合にも突切り加工が完全に行われたか
どうかを判定することは困難である。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこでこの発明では、突
切り加工時にワークが完全に切り離されたかどうかを第
1主軸と第2主軸との位相差によって判定することによ
り、上記課題を解決している。
【0007】この発明の方法を実施するための2主軸対
向旋盤の制御装置には、回転中の第1主軸11aと第2
主軸11bの位相差を検出する位相差検出手段54と、
この位相差検出手段の出力に基づいてNC装置から主軸
モータ21a、bに与えられる速度指令を補正する補正
指令手段56と、位相差検出手段54の出力を予め設定
されたレベルと比較して判別信号を出力する位相差比較
手段80およびレベル設定器81とが設けられる。
【0008】この発明の方法による突切り加工は、第1
主軸11aと第2主軸11bでワークの両端を把持し
て、同期制御装置53による位相同期制御により、第1
主軸11aと第2主軸11bとを同期回転させて行う。
刃物が突切り完了位置まで進出したら、切換器57を作
動させて補正指令手段56のフィードバック出力を遮断
し、必要があれば第1主軸11aと第2主軸11bとに
僅かに異なる速度指令を与える。この状態で位相差比較
手段80、レベル設定器81および位相差検出手段54
の協同作用により、第1主軸11aと第2主軸11bの
位相差が予め登録した所定の位相差を越えたことを条件
として突切り加工完了とし、旋盤に次工程の動作を行わ
せる。
【0009】なお、位相差比較手段80は、内部に時間
設定部を持ち、所定時間経過後も主軸の位相差が所定値
を越えない場合には加工不完全の信号をNC装置46に
与えて機械を停止させる。
【0010】
【作用】NC装置46からの速度指令に対する補正指令
手段56からのフィードバック出力が遮断されると、突
切り加工が完了しているときは、第1主軸11aと第2
主軸11bの回転慣性の差や摩擦負荷の差により両者の
間に速度差が生じ、これにより第1主軸11aと第2主
軸11bとの間に位相差が生ずる。ワークが切り離され
ていなけれは、第1主軸11aと第2主軸11bとはワ
ークを介して機械的に連結された状態となっているの
で、ワークに捩じれ変形が生じたとしても、第1主軸1
1aと第2主軸11bとの間に生じる位相差はある値以
下に制限される。従ってワークの捩じれによって生ずる
位相差以上の値を設定値として登録しておき、位相差検
出手段54の出力を位相差比較手段80で設定値と比較
してやれば、ワークが現実に切り離されたかどうかを検
知することができる。
【0011】第1主軸11aと第2主軸11bとの間の
位相差は、ワークが繋がっている限り、たとえワークに
捩じれが発生したとしても固有の限界値を越えることは
できないから、ワークの切離しを正確かつ速やかに検出
することができる。また主軸の速度が急激に変化するこ
ともないから、主軸の駆動トルクの変化も小さく、従っ
てワークに大きな捩じりトルクを与えたり、チャックの
爪が滑ってワークや爪を損傷したりするおそれもない。
【0012】
【実施例】次に図面に示す実施例について説明する。図
2は2主軸対向型CNC旋盤の一例を模式的に示す平面
図で、主軸方向をZ軸方向、Z軸と直交する方向をX軸
方向とする。
【0013】図2中、1はベース、2aは第1主軸台、
2bは第2主軸台、3aはタレット型の第1刃物台、3
bは同第2刃物台である。第1主軸台2aはベース1に
固定されており、第2主軸台2bはZスライド6を介し
てZ軸方向にのみ摺動自在に装着されている。
【0014】第1刃物台3aと第2刃物台3bは、主軸
台2a、bの奥側に配置されている。第1刃物台3aは
Z軸およびX軸両方向に移動自在であり、第2刃物台3
bはX軸方向にのみ移動自在である。第1主軸台2a側
に装填されたワークは、第1刃物台3aのZ軸およびX
軸方向移動により所望形状に旋削加工され、また第2主
軸台2b側に装填されたワークは、第2主軸台2bのZ
軸方向移動と第2刃物台3bのX軸方向移動とにより、
所望形状に旋削加工される。
【0015】第2主軸台2bを搭載するZスライド6に
は、送りモータ12bで回転駆動される送りネジ14b
が螺合している。第1主軸台2aおよび第2主軸台2b
にはそれぞれ第1主軸11a、第2主軸11bが軸支さ
れ、これらの主軸の先端にはそれぞれ第1チャック19
a、第2チャック19bが装着され、かつ基端にチャッ
ク開閉シリンダ20a、bが装着されており、それぞれ
の主軸11aおよび11bは、各独立に第1主軸モータ
21aおよび第2主軸モータ21bでベルト28を介し
て駆動されている。また図2には示してないが第1主軸
11aおよび第2主軸11bの回転数は、それぞれの軸
に連結した第1主軸エンコーダ27aおよび第2主軸エ
ンコーダ27bによって検出されている。
【0016】図3は主軸モータ21a、bの制御ブロッ
ク図である。第1および第2主軸モータ21a、bは、
個別運転されるときはCNC装置46からの個別の速度
指令を受けたモータ制御部52a、bが個々にその速度
を制御している。
【0017】図3に想像線で囲んで示す同期制御装置5
3は、位相差検出回路54、補正値設定器55、補正指
令回路56、切換器57ならびに第1および第2速度指
令補正回路58a、bからなっている。位相差検出回路
54はミリセカンド単位の微小時間における第1および
第2主軸エンコーダ27a、bの出力パルスをカウント
し、その大小により第1主軸11aと第2主軸11bと
に位相差が生じているかどうかを監視している。
【0018】第1主軸11aと第2主軸11bを同期駆
動するときには、切換器57で第1主軸側の速度指令が
第1および第2モータ制御部52a、bに与えられるよ
うにするとともに、補正指令回路56からの補正信号が
速度指令補正回路58a、bに与えられるように回路が
切り換えられる。
【0019】図4は位相差検出回路54の一例を示した
もので、第1および第2主軸の主軸エンコーダ27a、
bのカウントパルスを所定幅で切り出してカウンタ63
a、bで個別に計数し、その差を比較器64で弁別する
ようにしたものである。主軸エンコーダ27a、bは所
定角毎にカウントパルスを発生する位相検出スリット6
5と前記パルスの所定数毎に基準角パルスを発生する基
準角検出スリット65A(図5)とを有し、カウントパ
ルスはそれからパルス列を切り出すアンドゲート69
a、bに個別に入力されている。またパルス列の切出し
幅を規定する共通のワンショット回路72が設けられ、
このワンショット回路は所定の時間間隔(サンプリング
時間間隔)で与えられるタイミングパルスTPでトリガ
され、その出力は切出しアンドゲート69a、bの入力
信号となっている。またエンコーダ27a、bの発生す
る基準角パルスでトリガされる個別のワンショット回路
66a、bが設けられ、その出力もアンドゲート69
a、bに個別に入力されている。
【0020】上記構成において、主軸11a、bが定速
運転中のときは、主軸エンコーダ27a、bのカウント
パルスは、パルスの切り出し幅を規定するワンショット
回路72のパルスが立ち上がった後、基準角パルスでト
リガされたそれぞれのワンショット回路66a、bのパ
ルスが立ち上がってからカウントが開始され、ワンショ
ット回路72のパルスが立ち下がった時点でカウントが
終了する(アンドゲート69a、bの作用)ので、位相
が速い側のカウント開始時点が速くなり、たとえ第1主
軸と第2主軸の速度が同じであったとしても、位相の速
い側のカウント値が大きくなる。従って、第1カウンタ
63aと第2カウンタ63bのカウント値を比較するこ
とにより、第1主軸と第2主軸の位相差を弁別すること
ができる。
【0021】図3の補正値設定器55には、単位時間間
隔毎に与える速度補正値が設定されている。補正指令回
路56は、位相差検出回路54の出力を受けて補正値設
定器55に設定された補正値を減算または加算指令とし
て速度指令補正回路58a、bに与える。もちろん位相
が進んだ側には減算指令として、遅れた側には加算指令
として補正値が与えられる。速度指令補正回路58a、
bはCNC装置46から与えられた速度指令にこの補正
値を加減してモータ制御部52a、bに速度指令を与え
る。
【0022】上述した同期制御装置53と突切り確認回
路としての位相差比較手段80、81は、ハードロジッ
クであるが、これらの作用を制御マイクロコンピュータ
を使用してソフトウエアにより実施してもよい。
【0023】図1はこの発明の突切り加工方法を示すフ
ローチャートである。ワークの両端を第1主軸11aと
第2主軸11bで把持した状態で第1および第2主軸モ
ータ21a、bに同期駆動指令(加減速同期を含む)が
与えられる。この状態では第1主軸モータ21aと第2
主軸モータ21bに同一の速度指令が与えられ、補正指
令回路56の出力が速度指令補正回路58a、bに与え
られることにより、第1主軸21aと第2主軸21bと
は同期回転している。そして第1刃物台3aを所望のZ
軸方向に移動して第1刃物台3aを位置決めした後、X
軸方向に進出させて突切り加工が行われる。
【0024】第1刃物台3aが突切り完了位置に達した
ら、第1刃物台3aを後退させると共に第1および第2
主軸モータ21a、bに減速指令を与え、且つ制御状態
を位相検出制御に切り換える。すなわち、切り換え器5
7で第1主軸モータ21aと第2主軸モータ21bとを
個別運転に切り換え、補正指令回路56の出力が速度指
令補正回路58a、bに与えられないようにフィードバ
ック出力を遮断し、位相差検出回路54の出力レベルを
監視する体制になる。そして第1主軸と第2主軸との間
に5回転程度の指令速度差を与える。
【0025】この状態で位相差検出回路54は、図4の
トリガパルスTPが与えられる毎に第1および第2カウ
ンタ63a、bのカウント差として検出される位相差を
出力するから、その出力をレベル設定器81の設定値と
比較し、位相差が予め設定されたレベルに達したことを
条件として突切り加工の完了を確認し、制御を次のステ
ップに移す。なお所定時間経過しても位相差検出回路5
4の出力が設定値を越えないときは、刃物の折損等によ
ってワークの突切りが完了していないと判断して、警報
を表示して装置を停止させる。
【0026】
【発明の効果】上記作用の項で詳述したように、この発
明の方法によれば、ワークの突切り加工において、ワー
クが実際に切り離されたかどうかを従来方法に比べては
るかに正確に検出することができ、また検出時にワーク
に過大なトルクを与える虞がないので、ワークが細い場
合やワークの中心に小径の切残し部が残った場合等でも
ワークを捩じ切ることなく、高い精度でのワークの切離
しを検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明方法の一例を示すフローチャート
【図2】2主軸対向旋盤の模式的な平面図
【図3】主軸同期制御装置の全体構成を示すブロック図
【図4】位相差検出回路の回路例を示す図
【図5】主軸エンコーダの模式図
【符号の説明】
3a 刃物台 11a,b 主軸 21a,b 主軸モータ 27a,b エンコーダ 46 CNC装置 53 同期制御装置 54 位相差検出回路 55 補正値設定器 56 補正指令回路 57 切換器 58a,b 速度指令補正回路 80 位相差比較回路 81 レベル設定器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同軸上で対向する第1主軸(11a) と第2
    主軸(11b) 間の位相同期制御手段(53)を備え、この位相
    同期制御手段(53)は、回転中の第1主軸(11a) と第2主
    軸(11b) との位相差を検出する位相差検出手段(54)と、
    検出された位相差に基づいてNC装置(46)から主軸モー
    タ(21a,21b) に与えられる速度指令を補正する補正指令
    手段(56)とを備えている2主軸対向旋盤におけるワーク
    の突切り加工方法において、第1主軸(11a) と第2主軸
    (11b) でワークの両端を把持し、第1主軸モータ(21a)
    と第2主軸モータ(21b) を同期運転してワークの突切り
    加工を行い、刃物台(3a)を突切り完了位置まで進出させ
    た後、上記補正指令手段(56)のフィードバック出力を遮
    断した状態で上記位相同期制御手段(53)を動作させ、位
    相差検出手段(54)から出力される位相差が所定の値を越
    えたことを条件として突切り加工を終了することを特徴
    とする、2主軸対向旋盤におけるワークの突切り加工方
    法。
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