JPH0513692U - スクリユープレスの原液の送り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スクリュープレスにおいて、送り軸に設ける
螺旋翼を送り始端部において多重に巻回し、圧搾部から
の反力を受け止めるようにして高圧搾可能なスクリュー
プレスを得る。 【構成】 スクリュー軸の送り始端部から外筒の送り中
央部に対応する部位に渉って、同一ピッチの複数条の送
り羽根を巻回する。送り終端部にケーキが充満し、送り
不能となり、送り軸と共回わりあるいは逆流せんとする
場合、上記複数条の螺旋翼によってその送り手前側への
逆圧を受け止めてケーキを搬送し、高圧圧搾をすること
ができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、スクリュープレスの原液の送り装置の改良に関し、圧搾部に充満 したケーキの圧搾圧力を受け止めてケーキおよび原液が逆流するのを防止してケ ーキを強圧搾することができる装置を提案するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、スクリュープレスにおいて、送り軸にピッチの異なる送り羽根を巻回す ことは公知である。特公平１−３９８７８号、特公昭６０−２０１２０号はその 例であり、これらに図示されているスクリュープレスでは、何れも、その送り羽 根のピッチを送り終端部で短縮している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

然しながら、上述のような送り終端部で送り羽根のビッケを短縮したものでは 、ケーキの送り力が小さく半径方向への加圧力が大きくなり、該部にケーキが詰 り、無理に送るとケーキがスクリーンの目から押出され、回収率が低下する難点 がある。また、等ピッチの送り羽根を巻回したものでも、圧搾部にケーキが充満 すると送り不能となり、なおも送り軸を駆動すると、ケーキが送り軸と共回わり して固液分離運転ができなくなる。そして、このときのケーキに対する送り力の 反力が送り始端側の送り羽根にかかることになる。

【０００４】 この考案は、上述のような圧搾部にケーキが充満したとき、その送り反力を支 持した上で強力にケーキを供給して圧搾部のケーキを押し抜き、高圧搾での固液 分離を可能にしたものであって、その要旨とするところは、スクリーンを張設し た外筒内に、同心状に送り羽根を有する送り軸を支架して外筒内に供給された原 液を加圧搬送して固液分離するようにしたスクリュープレスにおいて、送り軸の 外周にその送り始端から終端に渉って等ピッチの一連の螺旋翼を巻回するととも に、さらに、その送り軸の外周に、上記外筒の中位部に対応する部位から送り始 端側に渉って上記螺旋翼と同じビッケの螺旋翼を円周方向に位相をずらせて巻回 したものである。

【０００５】

【作用】

この考案では、送り軸の終端部にケーキが充満した場合、その前段の送り軸の 外周に多重に螺旋翼が巻回わしてあるので、この螺旋翼によってケーキ充満部に 強力にケーキ化した原液を供給しさらに高い圧力で固液分離をすることができる 。そして、この場合、多重巻回わした螺旋翼は、全長に渉って巻回わした螺旋翼 と等ピッチであるので、ケーキに対してより高い半径方向の力を加えることなく 、推力の増加のみで、圧搾部においてケーキがスクリーンの目から抜けることが なく、回収率を悪化させることもないものである。すなわち、この考案では、圧 搾部に対して原液を間断なく供給し、高圧搾力で固液分離をすることができ、な お、且つ、ケーキがスクリーンの目から抜けることもないもので高効率の固液分 離作業が可能なものである。以下、図面に基づいて、この考案を具体的に説明す る。

【０００６】

【実施例】

図１において、符号１は、周部にスクリーンを張設した外筒、２は外筒１内に 同心状に支架した送り軸、３は送り軸２に巻回した送り用の螺旋翼であり、送り 軸２の始端から終端迄等ピッチのものが巻回してある。３ａは、送り軸２の始端 部から外筒１の中位部に対応する位置までに巻回した螺旋翼であり、前記の螺旋 翼３と同じピッチのものが周方向に１８０゜位相をずらせて巻回してある。尚、 図例のスクリュープレスは、外筒が回転するように構成してあり、符号４は、外 筒の支持ローラーである。また、送り軸２を中空状として、その周部にスクリー ンを張設している。尚、図１において、符号５は送り軸２のスクリーンの洗浄用 のパイプ、符号６は、外筒１に連接した原液の供給筒である。

【０００７】 この考案に係る装置は、上述のように構成してあり、供給筒６から外筒１内に 供給された原液は、螺旋翼３で図中左方に搬送される間に、外筒１および送り軸 ２のスクリーンで固液分離され、外筒１からのろ液は受皿７に、送り軸２からの ろ液は取出管８に集液されて機外に取出され、固形分は外筒１の左端からケーキ シュート９中に落下し、機外に取出される。

【０００８】 上述のような原液の処理運転において、送り軸の終端部には、供給された原液 が分離されてケーキ化することと、外筒１とのクリアランスがせまくなることで ケーキが充満し、このケーキが送り軸２と共回わりせんとするが、この考案では 、外筒１の中位部に対応する部分迄に送り軸２の外周に螺旋翼３ａが多重に設け てあるので、この螺旋翼３ａによって、終端部に詰ったケーキの逆流する方向へ の反力を受けとめると共に、この螺旋翼３ａによって原液を間断させることなく 供給し、圧搾部に充満するケーキを押し抜くことができる。すなわち、従来のス クリュープレスでは、送り軸２の終端部がケーキにより閉塞すると螺旋翼３の送 り力が不足し、ケーキが送り軸２と共回わりして排出不能に落ち入ったものであ るが、この考案では、共回わりせんとするケーキに対して螺旋翼３ａによってケ ーキ化した原液を供給して、共回わりせんとするケーを押出し、より高い圧力で ケーキを圧搾し乍ら運転を継続することができるものである。

【０００９】

【考案の効果】

このように、この考案に係る装置は、スクリュープレスにおける螺旋翼の配列 に工夫を旋すことによって、ケーキが送り軸と共回わりせんとするのを防止して 、これを搬送し、さらに高圧の圧搾操作を可能にして固液分離効率を格別に高め 得るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係るスクリュープレスの縦断側面図
である。

【図２】図１の送り軸を取出して示す側面図である。

【符号の説明】

１ 外筒 ２ 送り軸 ３ 螺旋翼 ３ａ 螺旋翼

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スクリーンを張設した外筒１内に、その
   外周に送り羽根を巻回した送り軸２を支架して外筒１内
   に供給された原液を加圧搬送して固液分離するようにし
   たスクリュープレスにおいて、上記送り軸２の外周にそ
   の送り始端から終端に渉って等ピッチの一連の螺旋翼３
   を巻回するとともに、さらに、その送り軸２の外周に、
   上記外筒の中位部に対応する部位から送り始端側に渉っ
   て上記螺旋翼３と同じピッチの螺旋翼３ａを円周方向に
   位相をずらせて巻回したことを特長とするスクリュープ
   レスの原液の送り装置。