JPH0513674Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は漁船等を陸上に上架する揚船台車にお
いて、台車の方向転換を容易に行うことができる
揚船台車に関する。

従来技術及びその問題点 従来の揚船台車は、縦移動台車、横移動台車が
夫々独立して別々に存在していた。そのため、縦
移動台車上の船体を横移動する場合は、一度船体
を縦移動台車から地上に下して再度横移動台車に
のせたり、船体を支持した横移動台車を横移動台
車にのせる等の、のせ換作業が必要であつた。

また、横移動状態で船体を陸上に降ろすと、一
番先に揚船した船が一番奥になるので、最後に下
架せざるを得ないという問題があつた。

問題点を解決するための手段 本考案は、上記従来技術の問題点を解決するた
め、船体を載架する互いに分離自在に連結された
複数の支承台枠と、夫々の支承台枠の下面中央に
垂設した円筒体に旋回自在に外嵌保持された旋回
台車と、前記円筒体内に伸縮動可能に収納支持さ
れた台車扛重器と、を有する揚船台車である。

作 用 台車扛重器の縮小時には、旋回台車は移動レー
ル上を走行して支承台枠に載架した船体を移動レ
ール上の所望の場所に運搬するが、移動レールの
交差位置において、旋回台車の走行方向を転換し
て船体を他の位置に運搬する際には、該交差位置
において台車扛重器を下方に伸長作動させること
により、旋回台車を移動レール上より浮上させ、
支承台枠の下面に垂設した円筒体の周りに旋回台
車を旋回操作し、次いで台車扛重器を縮小作動さ
せて旋回台車を降下させ、交差する他の移動レー
ル上に転轍する。したがつて、旋回台車は、交差
する他の移動レール上を走行して支承台枠上に載
架した船体を他の場所に運搬する。移動レールの
交差位置を複数設けて、夫々の交差位置で旋回台
車の旋回、転轍を行うことにより、船体を任意所
望の場所に運搬することができる。

実施例 第１図において船体Ｓ及びS′は、各々揚船前、
揚船後を示し、台車１は複数連結されて船体を載
架し、第２図に示すように、縦方向移動レール２
及び横方向移動レール３、そして、更に縦方向移
動レール４上を走行する。なお、符号Ｅは陸上、
Ｗは水面を示す。

そして、夫々の台車１は第３図、第４図に示す
ように、船体を載架する支承台枠１Ａと旋回台車
１Ｂとによつて構成されている。旋回台車１Ｂ
は、第５図、第６図に示すように、台枠１Ａの下
面中央部に垂設した円筒体５に旋回自在に外嵌保
持され、該円筒体５内には、台枠１Ａに取付けた
台車扛重器６が伸縮動可能に収納支持されてい
る。

また、複数の台枠１Ａは第３〜４図に示す如く
夫々縦連結棒７で前後方向を連結され、横連結棒
８により左右方向を連結され、旋回台車１Ｂは第
７図、第８図に示す如く、縦連結棒７上を移動可
能にした補助連結杆９に着脱自在に連結されてい
る。

そして、第７図の如く、台車扛重器６を縮小し
て縦方向移動レール２上を走行した台車１が横方
向移動レール３との交差点に到達すると、第８図
の如く、台車扛重器６を伸長操作して台車１を浮
上させ、旋回台車１Ｂの車輪を縦方向移動レール
２より浮上させ、次いで、補助連結杆９と旋回台
車１Ｂとの連結を解き、補助連結杆９を後退移動
させて旋回台車１Ｂを円筒体５の周りに旋回さ
せ、第９図に示すように、台車の車輪を横方向移
動レール３の直上位置に移動させる。しかるの
ち、台車扛重器６を縮小作動して台車を降下さ
せ、第１０図に示す如く車輪を横方向移動レール
３上に乗せ、補助連結杆９を引き寄せて旋回台車
１Ｂに連結する。

このようにして、船体S′を横方向移動レール３
上の任意の位置まで移動する。ついで、再度台車
扛重器６を伸長し船体S′を浮上させた後、船体
S′の底部と地面Ｅとの間に支持体（図示せず）を
挿入し、台車扛重器６を縮小すると、船体S′は支
持体に支承され、台車１は横方向移動レール３上
にのり、船体Ｓは台車１から支持体上に移載され
るから、縦連結棒７の一方を外して台車１を後退
移動させて前記支持体を通過させたのち、再び、
連結して元の位置に移動する。

また、横移動の後再度縦移動を行い、縦方向移
動レール４上にて船体を固定する場合は、横方向
移動レール３と縦方向移動レール４との交差位置
にて、前述した縦方向移動レール２と横方向移動
レール３との交差位置における操作と同様の操作
をして船体S′を縦方向移動レール上４上の任意の
位置まで移動し、再度台車扛重器６を伸ばし台車
１を浮上させた後、船体S′の底部と地面Ｅとの間
に支持体を挿入し、台車扛重器６を縮小し台車を
縦移動レール４にのせる。

次いで、第１１図、第１２図に示す如く、船体
の船首側の支承台枠１Ａ間をつなぐ横連結棒８の
連結ピン１０をはずし、横連結棒８を各々の側の
支承台枠１Ａに収納して台車を後退移動させ、前
記支持体を通過したのち、再び横連結棒８を連結
ピン１０で連結し、台車を元の位置へ移動させ
る。

考案の効果 上述のように、本考案によれば、複数の縦移動
台車及び横移動台車間での船体の乗せ換え作業
や、複数の台車の出し入れ作業等を行うことな
く、台車扛重器の伸縮操作と旋回台車の旋回操作
のみで縦移動、横移動の切り換えができ、安全か
つ迅速に作業を行うことができるとともに、船体
を所望の位置に選択的に下架させることができる
等の優れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による揚船説明図、第２図は台
車移動レールの平面配置図、第３図は台車連結状
態側面図、第４図は同じく平面図、第５図は台車
扛重器の縮小時における要部断面図、第６図は台
車扛重器の伸長時における要部断面図、第７図は
台車扛重器縮小時の台車の側面図、第８図は台車
浮上時の側面図、第９図は旋回台車が90°旋回し
た浮上状態の側面図、第１０図は90°旋回した台
車がレール上に降下した状態を示す側面図、第１
１図は横連結棒の連結状態を示す台車平面図、第
１２図は連結解除時における夫々の台車の平面図
である。 Ｓ，S′……船体、Ｅ……陸地、Ｗ……水面、１
……台車、２，３，４……移動レール、１Ａ……
船体の支承台枠、１Ｂ……旋回台車、５……円筒
体、６……台車扛重器、７……縦連結棒、８……
横連結棒、９……補助連結杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 船体を載架する互いに分離自在に連結された複
   数の支承台枠と、夫々の支承台枠の下面中央に垂
   設した円筒体に旋回自在に外嵌保持された旋回台
   車と、前記円筒体内に伸縮動可能に収納支持され
   た台車扛重器と、を有する揚船台車。