JPH05136460A - マイクロレンズ形成方法 - Google Patents

マイクロレンズ形成方法

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JPH05136460A
JPH05136460A JP11868592A JP11868592A JPH05136460A JP H05136460 A JPH05136460 A JP H05136460A JP 11868592 A JP11868592 A JP 11868592A JP 11868592 A JP11868592 A JP 11868592A JP H05136460 A JPH05136460 A JP H05136460A
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JP
Japan
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etching
mask
oxide film
microlens
silicon oxide
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Application number
JP11868592A
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English (en)
Inventor
Shinichi Wakabayashi
信一 若林
Hitomaro Togo
仁麿 東郷
Yukio Toyoda
幸雄 豊田
Yoshimasa Oki
芳正 大木
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 化合物半導体上へのマイクロレンズを簡易な
工程でかつ高温プロセスを用いることなく形成する方法
を提供する。 【構成】 ホトレジスト13とシリコン酸化膜12とG
aAs基板11の3層構造とする。ホトレジスト13を
マスクとしてシリコン酸化膜12に転写する。シリコン
酸化膜マスク14とGaAs基板11とを反応性イオン
ビームエッチング法により、塩素イオンビーム15を試
料に対して照射する。シリコン酸化膜と基板であるGa
Asは塩素イオンビーム15によってエッチングが進行
する。ここで、マスクに覆われていない部分は基板と垂
直方向に均一にあるエッチングレートで進む。もう一つ
のマスクに覆われている部分は、まずシリコン酸化膜が
エッチングされるが、そのなかでもテーパのついた薄い
部分の先端が先に完全にエッチングされる。そしてシリ
コン酸化膜が除去された部分のGaAs表面が露出す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光情報処理、光計測等の
分野で用いられる化合物半導体のマイクロレンズの形成
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光情報処理や光通信、光計測等で用いら
れる光電子集積回路においては、素子の微細化、高機能
化のために、例えば、発光素子である半導体レーザとマ
イクロレンズを同一基板上に作製することが必要とな
る。従来の化合物半導体基板上へのマイクロレンズ形成
方法は、例えばアプライド・フィジックス・レターズ誌
第55巻2号97項から99項(1989年)(Applie
d Physics Letters 55 (2)(1989) pp.97-99)に示され
ている。
【0003】図6はこの従来の化合物半導体基板上への
マイクロレンズ形成方法のプロセスの概略図を示すもの
であり、以下のような方法でマイクロレンズは形成され
る。GaP(ガリウムリン)基板61に通常ホトリソグ
ラフィーと、臭素:メタノールのエッチャントによるエ
ッチング方法とを、円形マスク62の大きさを順次大き
くさせながら繰り返す。するとGaP基板61は(d)
で示されるように階段状の同心円形状となる。次にこの
基板をホスフィン(PH3)と水素(H2)ガス雰囲気中
で1000゜C程度の高温に保つとマストランスポート
(Mass transport)が行われ、数10時間から100時
間程度で階段状の段差がなくなり、(e)に示されるよ
うななめらかな表面をもつレンズ63が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記のよ
うな構成では、化合物半導体基板上の同心円形状のエッ
チング段差を形成するため、ホトリソグラフィー工程と
エッチング工程とを繰り返し行わなくてはならない。ま
た、マストランスポート時の高温プロセスのため同一基
板上にあらかじめ作製されていた電子デバイスや光デバ
イスの熱による特性変化や劣化を生じるという問題点を
有していた。
【0005】本発明はかかる点に鑑み、化合物半導体上
へのマイクロレンズを簡易な工程でかつ高温プロセスを
用いることなく制御性よく形成する方法を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、化合物半導体
基板上にウェットエッチング工程で形成したシリコン酸
化膜からなる円柱状のエッチングマスクを形成する工程
と、前記化合物半導体基板とエッチングマスクとを方向
性をもつ粒子線によるエッチング方法でエッチングする
工程を備えたことを特徴とするマイクロレンズの形成方
法である。
【0007】また、エッチングマスクが半球状のホトレ
ジスト材料で構成される、もしくは、シリコン酸化膜か
らなるエッチングマスクの形成に、半球状のホトレジス
ト材料を用いて形成することを備えたマイクロレンズの
形成方法である。
【0008】また本発明は、化合物半導体基板上にシリ
コン酸化膜からなる円柱状のエッチングマスクをウェッ
トエッチング法で形成する工程と、前記化合物半導体基
板とエッチングマスクとを、方向性をもつ粒子線を基板
面に対し斜めから入射させてエッチングする工程とを備
えたことを特徴とするマイクロレンズの形成方法であ
る。
【0009】また、方向性をもつ粒子線によるエッチン
グ方法が反応性イオンビームエッチング法であり、イオ
ンの加速電圧を変化させながらエッチングするマイクロ
レンズの形成方法である。
【0010】
【作用】本発明は前記した構成により、化合物半導体基
板上にマイクロレンズを形成する手段として、単一の曲
率もしくは複数の曲率の複合された球面をもつ凸型の形
状を形成する際、化合物半導体基板上にあらかじめ形成
された円柱形状であるシリコン酸化膜のエッチングマス
クと化合物半導体とを方向性をもつ粒子線によるエッチ
ング方法でエッチングすることにより、エッチングマス
クであるシリコン酸化膜と化合物半導体とのエッチング
レート選択性の違いとウェットエッチングで形成したエ
ッチングマスク端のテーパによるマスクの後退効果によ
って、方向性をもつ粒子線による一回のエッチングプロ
セスで凸型形状のマイクロレンズを形成することができ
る。エッチング条件を適合させればエッチングの制御性
よく、微細加工性のすぐれたマイクロレンズを形成でき
る。2次元的に配置されたマイクロレンズアレーを制御
性よく均一に作製することも容易である。
【0011】二つめの発明は、エッチングマスクとして
ホトレジストを使用する場合であり、液体状のホトレジ
ストを微小量化合物半導体基板に滴下させると、表面張
力により半球形状になる。これをマスクとして上記のエ
ッチングを行えば、球面をもつ凸型形状のマイクロレン
ズを形成することができる。さらに、ホトレジストと化
合物半導体とのエッチングレート選択性の違いを利用す
れば、凸型の形状や曲率を任意に変化させることも可能
となり、焦点距離やNA(開口数)といったレンズの特
性パラメータはエッチングマスクの厚さ、形状、及びエ
ッチング条件等を選択することで容易に変化させること
ができる。
【0012】三つめの発明は、方向性をもつ粒子線を基
板面に対し斜めから入射するエッチング方法を用いるこ
とで、エッチングマスクであるシリコン酸化膜と化合物
半導体とのエッチングレート選択性の違いとウェットエ
ッチングで形成したエッチングマスク端のテーパによる
マスクの後退効果によって、方向性をもつ粒子線による
一回のエッチングプロセスで焦点方向を基板に対して垂
直方向からずらした凸型形状のマイクロレンズを形成す
ることが可能となる。エッチング条件を適合させればエ
ッチングの制御性よく、微細加工性のすぐれたマイクロ
レンズを形成できる。
【0013】四つめの発明は、方向性をもつ粒子線によ
るエッチング方法として反応性イオンビームエッチング
法であり、イオンの加速電圧を変化させながらエッチン
グする。イオンビームの加速電圧を変化させることでシ
リコン酸化膜や化合物半導体のエッチングレート及びシ
リコン酸化膜と化合物半導体とのエッチングレート選択
比を変化させることができるが、シリコン酸化膜と化合
物半導体とのエッチングレート選択比の違いを利用すれ
ば、凸型の形状や曲率を任意に変化させることが可能と
なり、焦点距離やNA(開口数)といったレンズの特性
パラメータを変化させることができる。
【0014】
【実施例】(実施例1)図1は本発明の第1の実施例に
おけるマイクロレンズ形成方法の工程図を示すものであ
る。図1において、11はマイクロレンズが形成される
GaAs基板、12はGaAs基板11上に形成された
シリコン酸化膜、13はエッチングマスクを形成するた
めの円形状のホトレジストパターン、14はGaAs基
板のエッチングマスクとなる円柱状のシリコン酸化膜パ
ターン、15はエッチングを行うための塩素イオンビー
ム、16はエッチング後形成されたマイクロレンズであ
る。
【0015】以上のように構成されたこの実施例のマイ
クロレンズ形成方法の工程において、以下その形成方法
を工程図に従って説明する。
【0016】円形状にパターニングされた直径50μ
m、厚さ0.5μmのホトレジスト13と厚さ1μmの
シリコン酸化膜12とGaAs基板14の3層構造の試
料を示している(a)。
【0017】ホトレジスト13をマスクとしてそのパタ
ーンをシリコン酸化膜12に転写する。この時、エッチ
ャントとして弗酸(HF)系のバッファ弗酸溶液(たと
えば弗化アンモニウム:弗酸=9:1)を使用するとエ
ッチングマスク14のようにマスクのすそが角度40゜
程度のテーパを持つ形状が得られる(b)。
【0018】このように形成されたシリコン酸化膜マス
クとGaAs基板とを反応性イオンビームエッチング法
により、塩素イオンビーム15を試料に対して照射す
る。使用する装置としては、たとえば日電アネルバ製E
CRー310Eを使用する。エッチング条件は以下のと
おりである。エッチングガス:Cl2、ガス圧力:2.
5×10-3Torr、イオン引出し電圧:400V、マ
イクロ波パワー:200W、基板温度:室温、入射ビー
ム角度:90゜(基板の法線方向から入射する)
(c)。
【0019】マスクであるシリコン酸化膜と基板である
GaAsは塩素イオンビーム15によってエッチングが
進行する。このときエッチングは2つの領域で異なった
メカニズムで進行していく。ひとつは、GaAs表面が
露出している部分、すなわちマスクに覆われていない部
分で、ここでは基板と垂直方向に均一にあるエッチング
レートで進む。もう一つの領域はGaAs表面が露出し
ていない部分、すなわちマスクに覆われている部分で、
ここではまずシリコン酸化膜がエッチングされるが、そ
のなかでもテーパのついた薄い部分の先端が先に完全に
エッチングされる。マスクであるシリコン酸化膜が除去
された部分のGaAs表面が露出し、GaAsがエッチ
ングされる。ここで、シリコン酸化膜のテーパの先端が
エッチングされていくと徐々にマスクである円柱状のシ
リコン酸化膜の径は小さくなっていく。すなわち、マス
クの後退をともなってエッチングが進行していくことと
なる(d)。
【0020】さらにエッチングが進み、マスクであるシ
リコン酸化膜が完全になくなった状態ではマイクロレン
ズが形成されることとなる。この場合シリコン酸化膜と
GaAsとのエッチング速度の違いから、作製されるレ
ンズは直径およそ50μm、厚さはおよそ3μmとなる
(e)。
【0021】以上のようにこの実施例1によれば、Ga
As基板へのマイクロレンズ作製に際し、GaAs基板
上に円柱状のシリコン酸化膜を形成し、それを反応性イ
オンビームエッチングでエッチングすることで、マイク
ロレンズを形成することが可能となる。マスクの種類、
厚さ、エッチング条件等を最適化することにより、単一
のエッチングプロセスで所望のサイズ、曲率を持ったマ
イクロレンズが得られる。
【0022】(実施例2)図2は本発明の第2の実施例
におけるマイクロレンズ形成方法の工程図を示すもので
ある。図2において、21はマイクロレンズが形成され
るGaAs基板、22はGaAs基板21上に形成され
たエッチングマスクとなるホトレジスト、23はエッチ
ングを行うためのイオンビーム、24はエッチング後形
成されたマイクロレンズである。
【0023】以上のように構成されたこの実施例のマイ
クロレンズ形成方法の工程において、以下その形成方法
を工程図に従って説明する。
【0024】ホトレジストをGaAs基板21上に微小
量滴下させる。すると、レジストはそれ自身の表面張力
によってある曲率をもった直径50μm、厚さ10μm
程度の図のような構造となる(a)。
【0025】このように形成されたホトレジストとGa
As基板とを反応性イオンビームエッチング法により、
Arイオンビーム23を試料に対して照射する。エッチ
ングガス:Ar、ガス圧力:2.5×10-3Torr、
イオン引出し電圧:400V、マイクロ波パワー:20
0W、基板温度:室温、入射ビーム角度:90゜(基板
の法線方向から入射する)。マスクであるシリコン酸化
膜と基板であるGaAsはArイオンビーム23によっ
てエッチングが進行する(b)。
【0026】マスクであるホトレジストと基板であるG
aAsはArイオンビーム23によってエッチングが進
行する。イオンビームが物理的なスパッタリングを生じ
させ、レジストとGaAsが等しいエッチングレートで
エッチングされており、マスクも徐々に小さくなってい
く(c)。
【0027】さらにエッチングが進み、マスクであるシ
リコン酸化膜が完全になくなった状態では、はじめのホ
トレジスト22の形状と同じ曲率を持った直径50μ
m、厚さ10μm程度のマイクロレンズ24が形成され
ることとなる(e)。
【0028】以上のようにこの実施例2によれば、Ga
As基板へのマイクロレンズ作製に際し、GaAs基板
上にある曲率をもったホトレジストのマスクを形成し、
それをイオンビームエッチングでエッチングすること
で、はじめのホトレジストマスク形状と同じ形状を持っ
たマイクロレンズが単一のエッチングプロセスで可能と
なる。
【0029】(実施例3)図3は本発明の第3の実施例
におけるマイクロレンズ形成方法の工程図を示すもので
ある。図3において、31はマイクロレンズが形成され
るGaAs基板、32はGaAs基板31上に形成され
たシリコン酸化膜、33はエッチングマスクを形成する
ための半円状のホトレジスト、34はエッチングを行う
ためのArイオンビーム、35はGaAs基板のエッチ
ングマスク、36はエッチング後形成されたマイクロレ
ンズである。
【0030】以上のように構成されたこの実施例のマイ
クロレンズ形成方法の工程において、以下その形成方法
を工程図に従って説明する。
【0031】ホトレジストをGaAs基板上のシリコン
酸化膜32に微小量滴下させると、ホトレジスト自身の
表面張力によってある曲率をもった直径50μm、厚さ
10μm程度の図のような構造となる(a)。
【0032】第1段階のエッチングとして、まずホトレ
ジスト33のパターンをシリコン酸化膜32に転写す
る。反応性イオンビームエッチング法により、Arイオ
ンビーム34を試料に対して照射する。エッチング条件
はエッチングガス:Ar、ガス圧力:2.5×10-3
orr、イオン引出し電圧:400V、マイクロ波パワ
ー:200W、基板温度:室温、入射ビーム角度:90
゜(基板の法線方向から入射する)。マスクであるシリ
コン酸化膜と基板であるGaAsはArイオンビーム3
4によってエッチングが進行する。ホトレジスト33と
シリコン酸化膜32はArイオンビーム34によってエ
ッチングが進行する。イオンビームが物理的なスパッタ
リングを生じさせ、ホトレジストとシリコン酸化膜が等
しいエッチングレートでエッチングされており、マスク
も徐々に小さくなっていく(c)。
【0033】さらにエッチングが進み、マスクであるホ
トレジストが完全にエチングされなくなった状態では、
はじめのホトレジスト33の形状と同じ曲率を持った直
径50μm、厚さ10μm程度のシリコン酸化膜ででき
たエッチングマスク35が形成されることとなる
(d)。
【0034】次に、第2段階のエッチングとして、シリ
コン酸化膜でできたエッチングマスクのパターンをGa
As基板31に転写する。エッチングマスク35とGa
As基板31はArイオンビーム34によってエッチン
グが進行する。エッチング条件は前と同じ条件である。
イオンビームが物理的なスパッタリングを生じさせ、シ
リコン酸化膜とGaAsとが等しいエッチングレートで
エッチングされており、マスクも徐々に小さくなってい
く。さらにエッチングが進み、マスクであるシリコン酸
化膜が完全になくなった状態では、エッチングマスク3
5の形状と同じ曲率を持ったマイクロレンズ36が形成
されることとなる。すなわち、はじめのホトレジスト3
3の形状と同じ曲率を持った直径50μm、厚さ10μ
m程度のマイクロレンズ34が形成されることとなる
(e)。
【0035】以上のようにこの実施例3によれば、Ga
As基板へのマイクロレンズ作製に際し、シリコン酸化
膜/GaAs基板上にある曲率をもったホトレジストの
マスクを形成し、それをイオンビームエッチングでエッ
チングすることで、まずホトレジストパターンシリコン
酸化膜へ転写し、つぎにGaAs基板に転写することで
はじめのレジストマスク形状と同じ形状を持ったマイク
ロレンズの形成が可能となる。シリコン酸化膜への転写
というプロセスを挿入することにより、ホトレジストと
GaAs基板とが直接接触しない。一般に、イオンビー
ムを照射した際にホトレジストの性質変化に伴う剥離の
困難さを生じ、酸素プラズマ等による剥離工程を必要と
するが、この実施例の場合はGaAs基板と接触してい
ないため、ホトレジスト剥離時に半導体基板表面を劣化
させるはなく、きわめて清浄な表面を持つマイクロレン
ズが作製できる。エッチング条件を最適化することによ
り、連続的にエッチングを進行させ、単一エッチングプ
ロセスでもマイクロレンズが形成できる。
【0036】(実施例4)図4は本発明の第1の実施例
におけるマイクロレンズ形成方法の工程図を示すもので
ある。図4において、41はマイクロレンズが形成され
るGaAs基板、42はGaAs基板のエッチングマス
クとなる円柱状のシリコン酸化膜パターン、43はエッ
チングを行うため基板面に対し斜めから入射する塩素イ
オンビーム、44はエッチング後形成されたマイクロレ
ンズである。
【0037】以上のように構成されたこの実施例のマイ
クロレンズ形成方法の工程において、以下その形成方法
を工程図に従って説明する。
【0038】円形状にパターニングされた直径50μ
m、厚さ1μmのシリコン酸化膜42とGaAs基板4
1の2層構造の試料を示している。マスクとなるシリコ
ン酸化膜42のパターンを形成するとき、エッチャント
として弗酸(HF)系のバッファ弗酸溶液(たとえば弗
化アンモニウム:弗酸=9:1)を使用するとエッチン
グマスク42のようにマスクのすそがテーパを持つ形状
が得られる(a)。
【0039】形成されたシリコン酸化膜マスクとGaA
s基板とを例えば反応性イオンビームエッチング法によ
り、塩素イオンビーム43を試料に対して照射する。エ
ッチング条件は以下のとおりである。エッチングガス:
Cl2、ガス圧力:2.5×10-3Torr、イオン引
出し電圧:400V、マイクロ波パワー:200W、基
板温度:室温である。また、このときイオンビームの方
向は基板面の法線方向からずらして斜めに入射する
(b)。
【0040】マスクであるシリコン酸化膜と基板である
GaAsは塩素イオンビーム43によってエッチングが
進行する。このときエッチングは2つの領域で異なった
メカニズムで進行していく。ひとつは、GaAs表面が
露出している部分、すなわちマスクに覆われていない部
分で、ここでは基板と垂直方向に均一にあるエッチング
レートで進む。もう一つの領域はGaAs表面が露出し
ていない部分、すなわちマスクに覆われている部分で、
ここではまずシリコン酸化膜がエッチングされるが、そ
のなかでもテーパのついた薄い部分の先端が先に完全に
エッチングされる。マスクであるシリコン酸化膜が除去
された部分のGaAs表面が露出し、GaAsがエッチ
ングされる。ここで、シリコン酸化膜のテーパの先端が
エッチングされていくと徐々にマスクである円柱状のシ
リコン酸化膜の径は小さくなっていく。すなわち、マス
クの後退をともなってエッチングが進行していくことと
なる。イオンビームを斜めに入射することで左右の領域
において、エッチング断面の形状が異なり、左側は角度
の浅い断面角度が得られる一方、右側は角度の深い(垂
直に近い)断面角度が得られていく(c)。
【0041】さらにエッチングが進み、マスクであるシ
リコン酸化膜が完全になくなった状態ではマイクロレン
ズが形成されることとなる。このマイクロレンズは左右
対照形にはならず、焦点位置が右方向にずれた特性が得
られる(d)。
【0042】以上のようにこの実施例4によれば、Ga
As基板へのマイクロレンズ作製に際し、GaAs基板
上に円柱状のシリコン酸化膜を形成し、それを反応性イ
オンビームエッチングでエッチングすることで、直径5
0μm、厚さ10μm程度のマイクロレンズ44が形成
されることとなる。エッチング条件を最適化することに
より、単一エッチングプロセスで所望の曲率、焦点距
離、焦点位置をもつマイクロレンズが得られる。
【0043】(実施例5)図5は本発明の第5の実施例
におけるマイクロレンズ形成方法の工程図を示すもので
ある。図5において、51はマイクロレンズが形成され
るGaAs基板、52はGaAs基板51上に形成され
たエッチングマスクとなるシリコン酸化膜、53はエッ
チングを行うための塩素イオンビームA、54はエッチ
ングを行うための塩素イオンビームB、55はエッチン
グ後形成されたマイクロレンズである。
【0044】以上のように構成されたこの実施例のマイ
クロレンズ形成方法の工程において、以下その形成方法
を工程図に従って説明する。
【0045】円形状にパターニングされた直径50μ
m、厚さ1μmのシリコン酸化膜52とGaAs基板5
1の2層構造の試料を示している。マスクとなるシリコ
ン酸化膜52のパターンを形成するとき、エッチャント
として弗酸(HF)系のバッファ弗酸溶液(たとえば弗
化アンモニウム:弗酸=9:1)を使用するとエッチン
グマスク52のようにマスクのすそがテーパを持つ形状
が得られる(a)。
【0046】形成されたシリコン酸化膜マスクとGaA
s基板とを例えば反応性イオンビームエッチング法によ
り、塩素イオンビームA53を試料に対して照射する。
エッチング初期の条件は以下のとおりである。エッチン
グガス:Cl2、ガス圧力:2.5×10-3Torr、
イオン引出し電圧:30V、マイクロ波パワー:200
W、基板温度:室温、入射ビーム角度:90゜(基板の
法線方向から入射する)である。このときイオンビーム
の加速電圧は低く設定してある。この加速電圧ではシリ
コン酸化膜マスク52はエッチングされず、GaAs基
板51のみがエッチングされる条件である(b)。
【0047】GaAs基板51は塩素イオンビームA5
3によってエッチングが進行する。一方シリコン酸化膜
マスク52はエッチングされない。GaAs基板51が
10μm程度エッチングされたところでこの条件による
エッチングを終了する(c)。
【0048】次にイオンビームの加速電圧を400Vの
高い状態に変化させる。この加速電圧では、マスクであ
るシリコン酸化膜と基板であるGaAsは塩素イオンビ
ームB54によってともにエッチングが進行する。マス
クも徐々に小さくなっていく。さらにエッチングが進
み、マスクであるシリコン酸化膜が完全になくなった状
態では、直径50μm、厚さ20μm程度マイクロレン
ズ55が形成されることとなる(d)。
【0049】以上のようにこの実施例5によれば、Ga
As基板へのマイクロレンズ作製に際し、2種類のイオ
ンビームの加速電圧を用いてエッチングすることで、レ
ンズの厚み、曲率、焦点距離といったレンズのパラメー
タを変化させることができ、所望のマイクロレンズが単
一のエッチングプロセスで作製可能となる。また、加速
電圧を連続的に変化させながら作製することも可能であ
る。
【0050】なお、実施例において化合物半導体基板1
1、21、31、41、51はいずれもGaAs基板と
したが、InP等の他の化合物半導体としてもよい。ま
た、実施例においては、レンズは一つだけ形成していた
が、2次元的に多数配置したアレイ状のマイクロレンズ
もマスクの大きさや配置によって任意に形成できること
は言うまでもない。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
化合物半導体上へのマイクロレンズを簡易な工程でかつ
高温プロセスを用いることなく制御性よく形成する方法
を提供することができ、その実用的効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるマイクロレンズ
形成方法の工程断面図
【図2】本発明の第2の実施例におけるマイクロレンズ
形成方法の工程断面図
【図3】本発明の第3の実施例におけるマイクロレンズ
形成方法の工程断面図
【図4】本発明の第4の実施例におけるマイクロレンズ
形成方法の工程断面図
【図5】本発明の第5の実施例におけるマイクロレンズ
形成方法の工程断面図
【図6】従来の化合物半導体基板上へのマイクロレンズ
形成方法のプロセスの概略図
【符号の説明】
11 GaAs基板 12 シリコン酸化膜 13 ホトレジスト 14 エッチングマスク 15 塩素イオンビーム 16 マイクロレンズ 21 GaAs基板 22 ホトレジスト 23 イオンビーム 24 マイクロレンズ 31 GaAs基板 32 シリコン酸化膜 33 ホトレジスト 34 イオンビーム 35 エッチングマスク 36 マイクロレンズ 41 GaAs基板 42 シリコン酸化膜 43 塩素イオンビーム 44 マイクロレンズ 51 GaAs基板 52 シリコン酸化膜 53 塩素イオンビームA 54 塩素イオンビームB 55 マイクロレンズ 61 GaP基板 62 階段状の同心円形状のエッチング表面 63 マイクロレンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大木 芳正 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化合物半導体基板上に、第1の膜を形成す
    る工程と、前記第1の膜をエッチングして、前記膜の端
    にテーパーをもつ前記基板のエッチングマスクに加工す
    る第1のエッチング工程と、前記化合物半導体基板と前
    記エッチングマスクとを方向性をもつ粒子線により、前
    記エッチングマスクがなくなるまでエッチングして、前
    記基板にマイクロレンズを形成する第2のエッチング工
    程とを有するマイクロレンズ形成方法。
  2. 【請求項2】第1の膜としてシリコン酸化膜を用いるこ
    とを特徴とする請求項1記載のマイクロレンズ形成方
    法。
  3. 【請求項3】第1の膜を化合物半導体基板のエッチング
    マスクとなる第1のエッチング工程において、ウェット
    エッチングを用いて、前記第1の膜をエッチングしてエ
    ッチングマスクとすることを特徴とする請求項1記載の
    マイクロレンズ形成方法。
  4. 【請求項4】第1の膜として半球状のホトレジスト材料
    を用い、化合物半導体基板のエッチングマスクとするこ
    とを特徴とする請求項1記載のマイクロレンズ形成方
    法。
  5. 【請求項5】第1の膜からなる、化合物半導体基板のエ
    ッチングマスクの形成に、前記第1の膜上に形成した半
    球状のホトレジスト材料をマスクとし、方向性をもつ粒
    子線により前記第1の膜をエッチングして、基板に対す
    るエッチングマスクとすることを特徴とする請求項1記
    載のマイクロレンズ形成方法。
  6. 【請求項6】第2のエッチング工程において、方向性を
    もつ粒子線を基板面に対し斜めから入射させてエッチン
    グし、前記基板にマイクロレンズを形成することを特徴
    とする請求項1記載のマイクロレンズ形成方法。
  7. 【請求項7】第1,2のエッチング工程が塩素イオンビ
    ームにより行なわれることを特徴とする請求項7記載の
    マイクロレンズ形成方法。
  8. 【請求項8】第2のエッチング工程のイオンビームのエ
    ネルギーが、第1のエッチング工程のエネルギーより大
    きいことを特徴とする請求項7記載のマイクロレンズ形
    成方法。
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