JPH0513609Y2 - - Google Patents

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JPH0513609Y2
JPH0513609Y2 JP1985130880U JP13088085U JPH0513609Y2 JP H0513609 Y2 JPH0513609 Y2 JP H0513609Y2 JP 1985130880 U JP1985130880 U JP 1985130880U JP 13088085 U JP13088085 U JP 13088085U JP H0513609 Y2 JPH0513609 Y2 JP H0513609Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は燃焼式加熱器の暖気が、空調装置の温
水式加熱器の出口側の室、即ち吹出室へ供給さ
れ、吹出室で熱を奪われないように車室へ吹き出
される、車両用暖房装置に関するものである。
[従来の技術] 機関の冷間始動後は、機関の暖気にはガソリン
機関の場合で10分、デイーゼル機関の場合に20分
以上を要するので、機関冷却水を利用する従来の
車両用暖房装置は全く働かず、車両の窓の霜や氷
を除去するデフロスタも作動しない。
また、車両が長い下り坂などを走行する場合
は、機関冷却水の温度が低下する。特に、デイー
ゼル機関は負荷に対応して排気や機関冷却水の温
度が敏感に変化するので、機関の低負荷運転では
十分な暖房能力が得られない。
上述の問題に対処し、例えば特開昭60−78817
号公報に開示される暖房装置では、燃焼式加熱器
で加熱した暖房用空気を既存の空調装置へ供給し
ている。しかし、急速暖房を行う場合に、吹出温
度を調整するダンパと吹出口を切り換えるシヤツ
タについて、機関冷却水による暖房を行う場合と
異なる状態に切り換える操作を、電気制御装置に
より制御するので、構成が複雑になる。また、燃
焼式加熱器から送られる暖房用空気は、ケースの
内部で機関冷却水を利用する温水式加熱器と接す
るので、熱容量の大きい温水式加熱器により暖房
用空気の熱が奪われて吹出温度が低くなるという
問題がある。
[考案が解決しようとする問題点] 本考案の目的は上述の問題に鑑み、機関の冷間
始動時、燃焼式加熱器からの加熱空気を既存の空
調装置の温水式加熱器と接しない吹出室へ導入
し、各吹出室から直接的に車室へ吹き出すことに
より、急速暖房を得る、車両用暖房装置を提供す
ることにある。
[問題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本考案の構成は空
調装置のケースに偏倚して配設した温水式加熱器
の入口と側路との間に温度制御ダンパを軸支持
し、温水式加熱器の出口と前記側路に連通する吹
出室との間に温水式加熱器の出口を開閉するシヤ
ツタを軸支持し、燃焼式加熱器の出口をダクトに
より吹出室へ接続し、シヤツタの軸に結合した扇
形の操作板に、周縁に沿う円弧溝と円弧溝の一端
に連なる屈曲溝とを設け、円弧溝と屈曲溝に摺動
ピンを係合支持し、摺動ピンに当接して摺動ピン
を屈曲溝から円弧溝へ排除する円板カムを、操作
板の屈曲溝に隣接する部分に軸支持し、温度制御
ダンパの軸に結合した部分溝車にケーブルを掛け
回し、かつ一端を部分溝車に、他端を摺動ピンに
それぞれ連結したものである。
[作用] 寒冷時、燃焼式加熱器は機関の始動と同時に起
動され、暖房用空気は燃焼式加熱器により加熱さ
れ、空調装置のケースへ送られる。暖房用空気は
ケースから吹出室を経てデフロスタ吹出口と車室
吹出口へ送られるので、機関冷却水の温度が十分
に高くなつていなくても、車室の急速な暖房が達
せられる。
空調装置の温水式加熱器の入口と出口は、温度
制御ダンパとシヤツタによりそれぞれ閉鎖され、
燃焼式加熱器からの暖房用空気はケース内部の吹
出室へ導入されるので、暖房用空気がまだ働いて
いない温水式加熱器に熱を奪われ、温度低下を来
たすことはない。
[考案の実施例] 第1図に示すように、空調装置10はケース1
の内部に、送風機23と冷却器3と温水式加熱器
2を収容して構成され、送風機23に取入口29
が、温水式加熱器2の出口側の吹出室24に、車
室吹出口5と窓ガラスの霜を取るためのデフロス
タ吹出口4とがそれぞれ接続される。
冷却器3は冷凍サイクルの冷媒蒸発器に相当す
るもので、冷却器3を通過する空気を冷却する。
温水式加熱器2は機関冷却水を貫流され、温水式
加熱器2を通過する空気を加熱する。
温水式加熱器2は冷却器3よりも下流側でケー
ス1の一側方に偏倚して配置される。温水式加熱
器2の入口側に、詳しくは温水式加熱器2と温水
式加熱器2の側路との間に、温度制御ダンパ12
が軸25により支持され、温度制御ダンパ12の
回動位置により冷却器3を通過した空気を温水式
加熱器2へ送る量とバイパスさせる量との割合を
加減する。すなわち、取入口29から送風機23
によりケース1の内部へ吸引された空気は、冷却
器3を通過する内に冷却されるか冷却されないで
(冷凍サイクルが停止状態にある時)、空気の一部
または全部が温水式加熱器2を通り、残余の空気
が側路を通つた後、両者は吹出室24で混合され
て車室吹出口5またはデフロスタ吹出口4から車
室へ吹き出される。このような構成は従来のもの
とほぼ同様である。
本考案によれば、温水式加熱器2の出口側に軸
32によりシヤツタ11が支持され、シヤツタ1
1が温水式加熱器2の出口を完全に閉鎖できるよ
うに構成される。こうして、図示の状態にある温
度制御ダンパ12とシヤツタ11により、ケース
1の内部に温水式加熱器2から隔離された吹出室
24が区画される。吹出室24は開口14を設け
られ、かつ出口ダクト9を経て燃焼式加熱器30
と接続される。燃焼式加熱器30は熱交換器7と
一体的に燃焼器6を接続され、燃焼器6で燃料が
燃焼されると、入口ダクト8から熱交換器7へ吸
引された暖房用空気は加熱され、出口ダクト9を
経て吹出室24へ送られる。
急速暖房時、温度制御ダンパ12とシヤツタ1
1を第1図に実線で示す状態とするために、第2
図に示すように、温度制御ダンパ12の軸25に
部分溝車16が結合され、シヤツタ11の軸32
に扇形の操作板17が結合される。部分溝車16
は溝に連結部材としてのケーブル19を掛け回さ
れる。操作板17は摺縁に沿つて円弧溝13を設
けられ、円弧溝13の一端は軸23の方へ屈曲す
る屈曲溝13aに連通される。通常は屈曲溝13
aに係合する摺動ピン19aは、操作板17に互
いに平行に軸支持した円板カム20の手動操作に
より円弧溝13へ押し出される。ケーブル19は
一端をピン19bにより部分溝車16に連結さ
れ、他端を摺動ピン19aに連結される。操作板
17に結合したケーブル31,22の一方を引く
ことにより操作板17と一緒にシヤツタ11と温
度制御ダンパ12が遠隔的に回動される。
次に、本考案による車両用暖房装置の作動につ
いて説明する。寒冷時、機関を始動しても機関冷
却水の温度はすぐには高くならないから、温水式
加熱器2へ供給される機関冷却水は、暖房の役に
立たない。そこで、温度制御ダンパ12とシヤツ
タ11を第1図に実線で示す状態にして、温水式
加熱器2の入口と出口を閉鎖する。
このため、急速暖房の際に、第2図において、
ケーブル31を引くと、操作板17と軸32とシ
ヤツタ11が破線で示す位置へ回動される。同時
に、ケーブル19により部分溝車16と軸25と
温度制御ダンパ12が、実線で示す位置へ回動さ
れる。次いで、円板カム20の軸を外部から手で
反時計方向に回動し、第3図に示すように、円板
カム20により摺動ピン19aを屈曲溝13aか
ら円弧溝13へ押し出す。次いで、ケーブル22
を引張ると、操作板17軸32とシヤツタ11が
第1,2図に実線で示す位置へ回動される。この
時、ケーブル19の摺動ピン19aは円弧溝13
に沿つて相対移動するだけで、温度制御ダンパ1
2は回動しない。
燃焼器6が始動され、燃焼ガスが熱交換器7へ
送られる。熱交換器7に組み込まれた送風機によ
り入口ダクト8から吸い込まれた空気は、熱交換
器7で加熱され、ダクト9、開口14を経て、空
調装置10の吹出室24へ送られる。吹出室24
はケース1の壁部と温度制御ダンパ12とシヤツ
タ11により閉鎖される。吹出室24へ送られた
暖房用空気は、デフロスタ吹出口4から窓ガラス
に沿つて吹き出され、同時に、車室吹出口5から
車室へ吹き出される。吹出室24は温水式加熱器
2の伝熱面から遮閉され、熱容量が小さいので、
出口ダクトから吹出口4,5へ至る空気の温度低
下は僅かなものであり、車室の効果的な急速暖房
が達せられる。
急速暖房運転から温水式加熱器2より暖房運転
へ切り換える場合は、ケーブル31を引張ると、
シヤツタ11は第1図に破線(第2図の実線)で
示す位置へ回動され、温水式加熱器2の出口が開
放される。摺動ピン31aは円板カム20を押し
戻して屈曲溝13aへ再び係合する。
取入口29から送風機23により吸引された空
気は、非作動状態にある冷却器3を通り、全量が
温水式加熱器2で加熱されて吹出室24へ送ら
れ、吹出室24からデフロスタ吹出口4と車室吹
出口5へ送られる。
吹出温度は温度制御シヤツタ12の開度により
制御される。温度制御ダンパ12とシヤツタ11
はケーブル31とケーブル22の操作により正逆
回動され、温度制御シヤツタ12を温水式加熱器
2の入口を閉鎖する方向へ回動すると、シヤツタ
11も連動して温水式加熱器2の出口を閉鎖する
方向へ回動する。
[考案の効果] 本考案は上述のように、空調装置のケースに偏
倚して配設した温水式加熱器の入口と側路との間
に温度制御ダンパを軸支持し、温水式加熱器の出
口と前記側路に連通する吹出室との間に温水式加
熱器の出口を開閉するシヤツタを軸支持し、燃焼
式加熱器の出口をダクトにより吹出室へ接続し、
シヤツタの軸に結合した扇形の操作板に、周縁に
沿う円弧溝と円弧溝の一端に連なる屈曲溝とを設
け、円弧溝と屈曲溝に摺動ピンを係合支持し、摺
動ピンに当接して摺動ピンを屈曲溝から円弧溝へ
排除する円板カムを、操作板の屈曲溝に隣接する
部分に軸支持し、温度制御ダンパの軸に結合した
部分溝車にケーブルを掛け回し、かつ一端を部分
溝車に、他端を摺動ピンにそれぞれ連結したか
ら、次の効果を奏する。
(a) 従来の空調装置を部分的に改造するだけで、
燃焼式加熱器で加熱された暖房用空気を空調装
置の温水式加熱器を通らず吹出室へ導き、吹出
室で温度低下をもたらすことなく、デフロスタ
吹出口と車室吹出口へ供給し、寒冷時機関の始
動と同時に車室を急速に暖房できる。
(b) 暖機中は機関冷却水の熱は暖房に利用されな
いので、機関全体が高温に保たれ、機関の燃焼
状態が向上され、青白煙や臭気の発生が抑えら
れる。
(c) 燃焼式加熱器からの暖房用空気の温度が高い
ので、デフロスタの除霜効果が向上される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る車両用暖房装置の構成を
示す平面図、第2,3図は同装置の温度制御ダン
パとシヤツタとの作動を説明する平面図である。 1……ケース、2……温水式加熱器、5……車
室吹出口、9……出口ダクト、10……空調装
置、11……シヤツタ、12……温度制御ダン
パ、13……円弧溝、13a……屈曲溝、16…
…部分溝車、17……操作板、19……ケーブ
ル、19a……摺動ピン、20……円板カム、2
4……吹出室、30……燃焼式加熱器。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 空調装置のケースに偏倚して配設した温水式加
    熱器の入口と側路との間に温度制御ダンパを軸支
    持し、温水式加熱器の出口と前記側路に連通する
    吹出室との間に温水式加熱器の出口を開閉するシ
    ヤツタを軸支持し、燃焼式加熱器の出口をダクト
    により吹出室へ接続し、シヤツタの軸に結合した
    扇形の操作板に、周縁に沿う円弧溝と円弧溝の一
    端に連なる屈曲溝とを設け、円弧溝と屈曲溝に摺
    動ピンを係合支持し、摺動ピンに当接して摺動ピ
    ンを屈曲溝から円弧溝へ排除する円板カムを、操
    作板の屈曲溝に隣接する部分に軸支持し、温度制
    御ダンパの軸に結合した部分溝車にケーブルを掛
    け回し、かつ一端を部分溝車に、他端を摺動ピン
    にそれぞれ連結したことを特徴とする、車両用暖
    房装置。
JP1985130880U 1985-08-29 1985-08-29 Expired - Lifetime JPH0513609Y2 (ja)

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JPS6238708U JPS6238708U (ja) 1987-03-07
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5427713U (ja) * 1977-07-26 1979-02-23
JPS60128016A (ja) * 1983-12-16 1985-07-08 Nippon Denso Co Ltd 車両用暖房装置

Patent Citations (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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