JPH05135976A - 永久磁石の製造方法 - Google Patents

永久磁石の製造方法

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JPH05135976A
JPH05135976A JP3299061A JP29906191A JPH05135976A JP H05135976 A JPH05135976 A JP H05135976A JP 3299061 A JP3299061 A JP 3299061A JP 29906191 A JP29906191 A JP 29906191A JP H05135976 A JPH05135976 A JP H05135976A
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permanent magnet
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melting point
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JP3299061A
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Seiji Ihara
清二 伊原
Osamu Kobayashi
理 小林
Fumio Takagi
富美男 高城
Sei Arai
聖 新井
Koji Akioka
宏治 秋岡
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
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    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
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    • H01F1/0576Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B in the form of particles, e.g. rapid quenched powders or ribbon flakes pressed, sintered or bonded together pressed, e.g. hot working

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 R−Fe−B系永久磁石の製造方法に於て、
低コスト化と高性能化を達成する。 【構成】 R(ただしRはYを含む希土類元素の内少な
くとも1種),Fe,Bを原料基本成分とし、該基本成
分とする合金を溶解・鋳造し、次いで鋳造インゴット1
を2個以上組み合わせて熱間加工する際に、インゴット
同士の接合界面に金属2を挿入する、インゴット接合界
面に空隙を形成する、また、この空隙部分を低融点金属
粉またはインゴット粉で充填する、のいずれかの操作を
行ない、融点が600℃以上の金属製カプセルに入れ密
封した上で500〜1100℃の温度において熱間加工
し、次に250〜1100℃の温度において熱処理す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械的配向による磁気
異方性を有する永久磁石の製造方法、特にR(ただしR
はYを含む希土類元素のうち少なくとも1種),Fe,
Bを原料基本成分とする永久磁石の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】永久磁石は、一般家庭の各種電気製品か
ら大型コンピューターの周辺端末機器まで、幅広い分野
で使用されている重要な電気・電子材料の一つであり、
最近の電気製品の小型化、高効率化の要求にともない、
永久磁石も益々高性能化が求められている。
【0003】永久磁石は、外部から電気的エネルギーを
供給しないで磁界を発生するための材料であり、保磁力
が大きく、また残留磁束密度も高いものが適している。
【0004】現在使用されている永久磁石のうち代表的
なものはアルニコ系鋳造磁石、フェライト磁石及び希土
類−遷移金属系磁石であり、特に希土類−遷移金属系磁
石であるR−Co系永久磁石やR−Fe−B系永久磁石
は、極めて高い保磁力とエネルギー積を持つ永久磁石と
して、従来から多くの研究開発がなされている。
【0005】従来、これらR−Fe−B系の高性能異方
性永久磁石の製造方法には、次のようなものがある。
【0006】(1)まず、特開昭59-46008号公報や M.Saga
wa,S.Fujimura,N.Togawa,H.Yamamotoand Y.Matsuura;J.
Appl.Phys.Vol.55(6),15 March 1984,p2083 等には、原
子百分比で8〜30%のR(ただしRはYを含む希土類元素
の少なくとも1種)、2〜28%のB及び残部Feからなる
磁気異方性焼結体であることを特徴とする永久磁石が粉
末冶金法に基づく焼結によって製造されることが開示さ
れている。
【0007】この焼結法では、溶解・鋳造により合金イ
ンゴットを作製し、粉砕して適当な粒度(数μm)の磁
性粉を得る。磁性粉は成形助剤のバインダーと混練さ
れ、磁場中でプレス成形されて成形体が出来上がる。成
形体はアルゴン中で1100℃前後の温度1時間焼結され、
その後室温まで急冷される。焼結後、600 ℃前後の温度
で熱処理する事により永久磁石はさらに保磁力を向上さ
せる。
【0008】また、この焼結磁石の熱処理に関しては特
開昭61-217540 号公報、特開昭62-165305 号公報等に、
多段熱処理の効果が開示されている。
【0009】(2)特開昭59-211549 号公報や R.W.Lee;
Appl.Phys.Lett.Vol.46(8),15 April1985,p790には、非
常に微細な結晶性の磁性相を持つ、メルトスピニングさ
れた合金リボンの微細片が樹脂によって接着されたR−
Fe−B磁石が開示されている。 この永久磁石は、ア
モルファス合金を製造するに用いる急冷薄帯製造装置
で、厚さ30μm程度の急冷薄片を作り、その薄片を樹脂
と混練してプレス成形することにより製造される。
【0010】(3)特開昭60-100402 号公報や R.W.Lee; A
ppl. Phys.Lett.Vol.46(8),15 April1985,p790には、前
記(2) の方法で使用した急冷薄片を、真空中あるいは不
活性雰囲気中で2段階ホットプレス法と呼ばれる方法で
緻密で異方性を有するR−Fe−B磁石を得ることが開
示されている。
【0011】(4)特開昭62-276803 号公報には、R(た
だしRはYを含む希土類元素のうち少なくとも1種)8
〜30原子%,B 2〜28原子%,Co 50原子%以下,A
l 15原子%以下、及び残部が鉄及びその他の製造上不
可避な不純物からなる合金を溶解・鋳造後、該鋳造イン
ゴットを 500℃以上の温度で熱間加工することにより結
晶粒を微細化しまたその結晶軸を特定の方向に配向せし
めて、該鋳造合金を磁気的に異方性化することを特徴と
する希土類−鉄系永久磁石が開示されている。
【0012】また、この熱間加工磁石の製造法に於て、
複数個の鋳造インゴットを金属カプセルに入れて熱間圧
延することは、特開平2-252218に開示されている。ま
た、複数個の鋳造インゴットを組み合わせて圧延する場
合、鋳造インゴットの表面粗さRmax が50μm 以下とな
るように研削・研磨した後、金属カプセルに入れて熱間
圧延することは、特願平3-095700に開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】叙上の(1)〜(4)の従来
のR−Fe−B系永久磁石の製造方法は、次のごとき欠
点を有している。
【0014】(1)の永久磁石の製造方法は、合金を粉末
にすることを必須とするものであるが、R−Fe−B系
合金はたいへん酸素に対して活性を有するので、粉末化
すると余計酸化が激しくなり、焼結体中の酸素濃度はど
うしても高くなってしまう。
【0015】また粉末を成形するときに、例えばステア
リン酸亜鉛の様な成形助剤を使用しなければならず、こ
れは焼結工程で前もって取り除かれるのであるが、成形
助剤中の数割は、磁石体の中に炭素の形で残ってしま
い、この炭素は著しくR−Fe−B磁石の磁気性能を低
下させ好ましくない。
【0016】成形助剤を加えてプレス成形した後の成形
体はグリーン体と言われ、これは大変脆く、ハンドリン
グが難しい。従って焼結炉にきれいに並べて入れるのに
は、相当の手間が掛かることも大きな欠点である。
【0017】これらの欠点があるので、一般的に言って
R−Fe−B系の焼結磁石の製造には、高価な設備が必
要になるばかりでなく、その製造方法は生産効率が悪
く、結局磁石の製造コストが高くなってしまう。従っ
て、比較的原料費の安いR−Fe−B系磁石の長所を活
かすことが出来ない。
【0018】次に (2)並びに (3)の永久磁石の製造方法
は、真空メルトスピニング装置を使用するが、この装置
は、現在では大変生産性が悪くしかも高価である。
【0019】(2)の永久磁石は、原理的に等方性である
ので低エネルギー積であり、ヒステリシスループの角形
性も悪く、温度特性に対しても、使用する面においても
不利である。
【0020】(3)の永久磁石を製造する方法は、ホット
プレスを二段階に使うというユニークな方法であるが、
実際に量産を考えると非効率であることは否めないであ
ろう。更にこの方法では、高温例えば 800℃以上では結
晶粒の粗大化が著しく、それによって保磁力 iHc が極
端に低下し、実用的な永久磁石にはならない。
【0021】(4)の永久磁石を製造する方法は、粉末工
程を含まず、ホットプレスも一段階でよいために、最も
製造工程が簡略化され、量産コストの低減が図れる製造
法であるが、磁気特性が焼結法に比べやや低く、また、
インゴットを2枚以上組み合わせて熱間加工した場合、
インゴット同士の接着はインゴットの表面状態に左右さ
れ、インゴットの接合面において磁石の割れが発生すと
いう問題があった。
【0022】本発明は、以上の従来技術の欠点特に(4)
の永久磁石の割れの問題を解決するものであり、その目
的とするところは、高性能かつ低コストな永久磁石の製
造方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の永久磁石の製造
方法は、R(ただしRはYを含む希土類元素のうち少な
くとも1種),Fe,Bを原料基本成分とし、該基本成
分とする合金を溶解・鋳造し、次いで鋳造インゴットを
2個以上組み合わせて熱間加工する際に、インゴット同
士の接合界面に融点が1100℃以下である金属を挿入
し、融点が600℃以上の金属製カプセルに入れ密封し
た上で500〜1100℃の温度において熱間加工し、
次に250〜1100℃において熱処理する事を特徴と
する。
【0024】また、鋳造インゴットを2個以上組み合わ
せて熱間加工する際に、インゴット同士の接合界面にR
及びBとともに R214B相あるいはRT化合物を形成
するような金属Tを挿入し、融点が600℃以上の金属
製カプセルに入れ密封した上で500〜1100℃の温
度において熱間加工し、次に250〜1100℃におい
て熱処理する事を特徴とする。
【0025】また、鋳造インゴットを2個以上組み合わ
せる際に、インゴット間に0.05mm以上インゴット
の厚さの1/2以下の空隙を有するように配置し、融点
が600℃以上の金属製カプセルに入れ密封した上で5
00〜1100℃の温度において熱間加工し、次に25
0〜1100℃において熱処理する事を特徴とする。ま
た、鋳造インゴットを2個以上組み合わせて熱間加工す
る際に、インゴット同士の接合界面に枠状、格子状ある
いは網状の、融点が1100℃以下である金属あるいは
R及びBとともに R2Fe14B相あるいはRT化合物を
形成するような金属Tを挿入し、融点が600℃以上の
金属製カプセルに入れ密封した上で500〜1100℃
の温度において熱間加工し、次に250〜1100℃に
おいて熱処理する事を特徴とする。
【0026】また、鋳造インゴットを2個以上インゴッ
ト間に空隙を有するように配置するあるいは枠状、格子
状、網状の金属を用いてインゴット間に空隙が生じるよ
うに組み立て、インゴット間あるいは金属板とインゴッ
トで囲まれた空隙部分に全部または一部が融点が110
0℃以下である金属の粉を充填し、融点が600℃以上
の金属製カプセルに入れ密封した上で500〜1100
℃の温度において熱間加工し、次に250〜1100℃
において熱処理する事を特徴とする。
【0027】インゴット同士を熱間加工中に接着する場
合には、いわゆる固相接合という状態となる。インゴッ
ト同士の場合、接合面での反応が起こりにくく、このた
め、表面状態を厳格に規定し、高い加圧力で一様に加圧
する必要がある。本発明では、低融点金属を接合界面に
挿入することにより、低融点金属が接着剤の役割を果し
て、インゴット同士が強く接着されることを見いだし
た。また、R214B相あるいはRT化合物を形成する
ような金属Tの板を接合界面に挿入することにより、イ
ンゴットと金属板とが反応して金属板表面にも R214
B相あるいはRT化合物を形成し、接着効果を高めるこ
とを見いだした。また、インゴット間に枠状、格子状あ
るいは網状の金属を挿入する等によりインゴット間に空
間ができるように組み立てると、挿入した金属による接
着効果の外に、インゴット間の空隙部分に液相がトラッ
プされ接着剤としての効果を示すことも見いだされた。
また、この空間部に全部または一部が融点が1100℃
以下である金属の粉を充填する事により更に接着効果が
増し、金属粉としてインゴット粉砕粉を用いることによ
り磁気性能を損なうことなく大きな接着効果を得ること
ができることも見いだした。
【0028】以下、本発明における永久磁石の好ましい
組成範囲について説明する。
【0029】希土類としては、Y,La,Ce,Pr,
Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,T
m,Yb,Luが候補として挙げられ、これらのうちの
1種あるいは2種以上を組み合わせて用いる。最も高い
磁気性能はPrで得られるので、実用的には Pr,P
r−Nd合金,Ce−Pr−Nd合金等が用いられる。
少量の重希土元素、例えばDy,Tb等は保磁力の向上
に有効である。
【0030】R−Fe−B系磁石の主相はR2Fe14
である。従ってRが8原子%未満では、もはや上記化合
物を形成せず高磁気特性は得られない。一方Rが30原
子%を越えると非磁性のRリッチ相が多くなり磁気特性
は著しく低下する。よってRの範囲は8〜30原子%が
適当である。しかし高い残留磁束密度のためには、好ま
しくはR8〜25原子%が適当である。
【0031】Bは、R2Fe14B 相を形成するための必
須元素であり、2原子%未満では菱面体のR−Fe系に
なるために高保磁力は望めない。また28原子%を越え
るとBに富む非磁性相が多くなり、残留磁束密度は著し
く低下してくる。しかし高保磁力を得るためには、好ま
しくはB8原子%以下がよく、それ以上では微細なR2
Fe14B 相を得ることが困難で、保磁力は小さい。
【0032】熱間加工における温度は再結晶温度以上が
望ましく、本発明R−Fe−B系合金においては好まし
くは 500℃以上である。そして、1100℃以上ではR2
14B相が急激に粒成長して保磁力を失うのでそれ以下
の温度が好ましい。
【0033】そして、熱処理温度は初晶のFeを拡散す
るために250℃以上が好ましく、R2Fe14B 相が 1100
℃以上では急激に粒成長して保磁力を失うのでそれ以下
の温度が好ましい。
【0034】また、2段階以上の熱処理を施す場合の温
度は、1段目は初晶のFeが早く拡散するように750
℃以上が好ましく、2段目は粒界のRリッチ相の融点付
近以下の温度、即ち750℃以下が好ましく、250℃
以下では熱処理の効果に時間が掛かりすぎるのでそれ以
上がよい。
【0035】インゴット間に挿入する金属であるが、低
融点金属の場合、熱間加工中にある程度は溶融し、接着
剤の働きをしなければならないので、融点が1100℃
以下の範囲のものがよい。また、磁気特性に対して悪影
響を与えるものは避けなければならない。これらのこと
から、Cu,Al,Ag,Au,Sn,Ga等がよい。
R及びBとともに R214B相あるいはRT化合物を形
成するような金属Tには、Fe,Co等がある。
【0036】インゴット間の空隙部分の幅については、
磁気特性を損なわずに高い接着効果を得るためには0.
05mm以上インゴットの厚さの1/2以下がよい。
【0037】インゴット間に充填する金属粉について
は、前記の低融点金属の外に、Pr−Cu合金、インゴ
ット粉砕粉なども適している。
【0038】次に本発明の実施例について述べる。
【0039】
【実施例】(実施例1)アルゴン雰囲気中で誘導加熱炉
を用いて、Pr16Fe77.65.1Cu1.3なる組成の合金
を溶解し、鋳造した。この時、希土類、鉄及び銅の原料
としては99.9%の純度のものを用い、ボロンはフェ
ロボロンを用いた。この鋳造インゴットを、200L×
200H×25Tの大きさに切断・研磨した。この時イ
ンゴットの表面粗さRmaxは、40μm≦Rmax≦
70μmであった。
【0040】次に、この鋳造インゴットを有機溶剤で洗
浄後5個並べた。この時、図1に示すようにインゴット
間に、200L×200Hの大きさの、表1に示す金属
板を挿入した。これを600L×450H×600Wの
SS41鋼製のカプセルに入れ、脱気し、密封し、加工
温度975℃で熱間圧延を施した。この時、加工度20
%の熱間圧延を空気中で2回、つぎに加工度30%の熱
間圧延を空気中で3回行い、最終的に加工度が78%に
なるようにした。この熱間加工時においては、合金の押
される方向に平行になるように結晶の磁化容易軸が配向
して磁気異方性が形成された。この後、この圧延インゴ
ットから切り出したサンプルに対して1000℃の温度
において20時間の熱処理をAr雰囲気炉で施し、炉内
で500℃まで冷却した。この時の冷却速度は、10℃
/分である。この後引続き500℃において4時間の熱
処理を施した。
【0041】これらの熱処理後のサンプルの接合界面を
含む部分と含まない部分についての磁気特性とインゴッ
ト間の接着面4箇所に目視で観察された境界の長さを表
2に示す。なお境界の延べ長さは3150mmであり、
磁気特性はすべて40kOeでパルス着磁後B−Hトレ
ーサーを用いて測定した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】インゴット接合界面内に、融点が1100
℃以下の間の金属板あるいはR及びBとともに R214
B相あるいはRT化合物を形成する金属Tの板を挿入す
ることにより、割れが防止でき、境界も目視で観察でき
ないほど良好な接着が得られることがわかる。また、磁
気性能に対しての悪影響もない。
【0045】(実施例2)実施例1と同様に、Pr15.5
Fe78.75.2Cu1.0なる組成の合金を溶解・鋳造し
た。また用いた原料も同様の純度のものを用いた。イン
ゴットの表面粗さも実施例1と同じく40μm≦Rma
x≦70μmであった。このインゴットを200L×2
00H×25Tの寸法に切断後、洗浄し、表3に示す条
件で4個を並べて組み立てた。なお、このとき金属板の
寸法は200L×200Hであり、70×70の大きさ
に4箇所切り抜いて、田形にしてある。これを500L
×400H×320TのSS41鋼製のカプセルに封入
し、脱気した。これを950℃に加熱後、加工度30%
の熱間圧延を空気中で4回行い、最終的に加工度が76
%になるようにした。
【0046】この後、この圧延インゴットからサンプル
を切り出し、研磨した後、1020℃において20時間
の熱処理をAr雰囲気炉で施し、炉内でガス冷却により
400℃までを15℃/分の速度で冷却し、次に500
℃において4時間の熱処理を施し、室温までを10℃/
分の速度で冷却した。
【0047】これらの熱処理後のサンプルの接合界面を
含む部分及び接合界面を含まない部分についての磁気特
性と接着状況を表4に示す。
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】(実施例3)実施例1と同様に、表5に示
す組成の合金を溶解・鋳造した。用いた原料も同様の純
度のものを用いた。このインゴットを200L×200
H×25Tの寸法に切断、洗浄後、4個を並べて組み立
てた。この時のインゴットの表面粗さも、実施例1と同
じく40μm≦Rmax≦70μmであった。このと
き、インゴット接合界面には格子間隔が0.5mmの銅
製の網を挿入し、空間部にはインゴット粉砕粉を充填し
た。これを500L×400H×320TのS10C鋼
製のカプセルに封入、脱気し、加工温度975℃におい
て熱間圧延を行なった。このとき、加工度30%の圧延
を4回行い、最終的な加工度が76%になるようにし
た。
【0051】得られた圧延インゴットは、インゴット表
面に観察される境界の長さを測定した後、圧延方向に対
して垂直な方向に3箇所切断し、切断面において観察さ
れるインゴット接合界面の状態を評価した。ここで、イ
ンゴット表面の境界の長さは延べ2400mmである。
また、切断面は全部で6面であり、切断面に存在するイ
ンゴット接合界面の長さは850mmである。その結果
を表6に示す。
【0052】
【表5】
【0053】
【表6】
【0054】以上の実施例から、R(ただしRはYを含
む希土類元素のうち少なくとも1種),Fe,Bを原料
基本成分とする鋳造インゴットを2個以上組み合わせて
金属製カプセルに入れて熱間圧延を行なう際に、インゴ
ット同士の接合界面に融点が1100℃以下の金属ある
いはR及びBとともに R214B相あるいはRT化合物
を形成する金属Tを挿入する事により、インゴット同士
が強固に接着でき、また、枠状、格子状あるいは網状の
金属を挿入するなどして生じた空間を低融点金属粉ある
いはインゴット粉で充填することによっても強力な接着
効果が得られることは明らかである。
【0055】
【発明の効果】叙上のごとく本発明の永久磁石の製造方
法は、次のごとき効果を持つ。
【0056】(1)c軸配向率を高めることができ、残留
磁束密度Brを著しく高めることができ、結晶粒を微細
化することにより保磁力iHcを高めることができ、最
大エネルギー積(BH)maxを格段に向上させること
が出来た。
【0057】(2)製造プロセスが簡単なのでコストが安
い。
【0058】(3)従来の焼結法と比較して、加工工数及
び生産投資額を著しく低減させることが出来る。
【0059】(4)従来のメルトスピニング法による磁石
の製造方法と比較して、高性能でしかも低コストの磁石
を作ることが出来る。
【0060】(5)従来の熱間加工磁石と比較して、割れ
の無い大型磁石が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例のインゴットと金属板の組立
方を示す図である。
【符号の説明】
1 インゴット 2 金属板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 聖 長野県諏訪市大和3丁目3番5号セイコー エプソン株式会社内 (72)発明者 秋岡 宏治 長野県諏訪市大和3丁目3番5号セイコー エプソン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R(ただしRはYを含む希土類元素のう
    ち少なくとも1種),Fe,Bを原料基本成分とし、該
    基本成分とする合金を溶解・鋳造し、次いで鋳造インゴ
    ットを2個以上組み合わせて熱間加工する際に、インゴ
    ット同士の接合界面に融点が1100℃以下である金属
    を挿入し、、融点が600℃以上の金属製カプセルに入
    れ密封した上で500〜1100℃の温度において熱間
    加工し、次に250〜1100℃において熱処理する事
    を特徴とする永久磁石の製造方法。
  2. 【請求項2】 R(ただしRはYを含む希土類元素のう
    ち少なくとも1種),Fe,Bを原料基本成分とし、該
    基本成分とする合金を溶解・鋳造し、次いで鋳造インゴ
    ットを2個以上組み合わせて熱間加工する際に、インゴ
    ット同士の接合界面にR及びBとともに R214B相あ
    るいはRT化合物を形成するような金属Tを挿入し、融
    点が600℃以上の金属製カプセルに入れ密封した上で
    500〜1100℃の温度において熱間加工し、次に2
    50〜1100℃において熱処理する事を特徴とする永
    久磁石の製造方法。
  3. 【請求項3】 R(ただしRはYを含む希土類元素のう
    ち少なくとも1種),Fe,Bを原料基本成分とし、該
    基本成分とする合金を溶解・鋳造し、次いで鋳造インゴ
    ットを2個以上組み合わせる際に、インゴット間に0.
    05mm以上インゴットの厚さの1/2以下の空隙を有
    するように配置し、融点が600℃以上の金属製カプセ
    ルに入れ密封した上で500〜1100℃の温度におい
    て熱間加工し、次に250〜1100℃において熱処理
    する事を特徴とする永久磁石の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の永久磁石の製造方法にお
    いて、インゴット間に0.05mm以上インゴットの厚
    さの1/2以下の空隙をつくる際に、インゴット同士の
    接合界面に枠状、格子状あるいは網状の請求項1あるい
    は請求項2に記載の金属を挿入する事を特徴とする永久
    磁石の製造方法。
  5. 【請求項5】 R(ただしRはYを含む希土類元素のう
    ち少なくとも1種),Fe,Bを原料基本成分とし、該
    基本成分とする合金を溶解・鋳造し、次いで鋳造インゴ
    ットを2個以上請求項3あるいは請求項4に記載の方法
    で組み合わせる際に、インゴット間あるいは金属板とイ
    ンゴットで囲まれた空隙部分に全部または一部が融点が
    1100℃以下である金属の粉を充填し、融点が600
    ℃以上の金属製カプセルに入れ密封した上で500〜1
    100℃の温度において熱間加工し、次に250〜11
    00℃において熱処理する事を特徴とする永久磁石の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の永久磁石の製造方法にお
    いて、インゴット間に形成された空隙部分に充填する金
    属粉にインゴット粉砕粉を用いる事を特徴とする永久磁
    石の製造方法。
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