JPH05135569A - 磁性薄膜メモリ素子、それを用いた磁性薄膜メモリおよび磁性薄膜メモリに記録する方法 - Google Patents

磁性薄膜メモリ素子、それを用いた磁性薄膜メモリおよび磁性薄膜メモリに記録する方法

Info

Publication number
JPH05135569A
JPH05135569A JP4045603A JP4560392A JPH05135569A JP H05135569 A JPH05135569 A JP H05135569A JP 4045603 A JP4045603 A JP 4045603A JP 4560392 A JP4560392 A JP 4560392A JP H05135569 A JPH05135569 A JP H05135569A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
magnetic thin
magnetic
film memory
recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4045603A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3171638B2 (ja
Inventor
Motohisa Taguchi
元久 田口
Tatsuya Fukami
達也 深見
Kazuhiko Tsutsumi
和彦 堤
Hiroshi Shibata
浩 柴田
Shinji Tanabe
信二 田辺
Hiroshi Kobayashi
浩 小林
Yuuzou Oodoi
雄三 大土井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP4560392A priority Critical patent/JP3171638B2/ja
Priority to US08/025,250 priority patent/US5347485A/en
Publication of JPH05135569A publication Critical patent/JPH05135569A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3171638B2 publication Critical patent/JP3171638B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11CSTATIC STORES
    • G11C11/00Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor
    • G11C11/18Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using Hall-effect devices

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Mram Or Spin Memory Techniques (AREA)
  • Semiconductor Memories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 メモリ素子のサイズが小さくなっても充分に
大きな読み出し信号がえられる磁性薄膜メモリ素子、そ
れを用いた磁性薄膜メモリおよび磁性薄膜メモリに記録
する方法を提供する。 【構成】 本発明に係る磁性薄膜メモリ素子は、磁性体
のもつ異常ホール効果を利用し、読み出し信号として異
常ホール電圧またはその変化を検出する。メモリ素子と
してある特定の面内方向と垂直方向の間に磁化容易軸を
有する磁性薄膜を用いる。 【効果】 メモリ素子として磁化容易軸が垂直方向を含
む垂直方向と面内方向の間に存在する磁性薄膜を用いた
ので、ホール電圧を読み出し信号として利用することが
でき、高感度な読み出しと高密度化が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁性薄膜メモリ素子、そ
れを用いた磁性薄膜メモリおよび磁性薄膜メモリに記録
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図25は、「磁気工学講座5、磁性薄膜工
学」(1977年)丸善(株)p.254に示された従来の磁性
薄膜メモリ素子を組み立てた状態の模式的な説明図であ
る。
【0003】まず、前記磁性薄膜メモリ素子の作製方法
の一例を以下に説明する。平滑なガラス基板上に矩形の
孔のあいたマスクを密着させ、真空装置内で約2000Åの
厚さにFeとNiの合金の真空蒸着膜を形成させる。こ
のようにして多数のメモリ素子となる磁性薄膜MFを一
挙にマトリックス状に作製する。磁性薄膜メモリ素子を
駆動させるための駆動線は薄いエポキシ樹脂板やポリエ
ステルシートの両面に、たがいに直行するように銅線を
ホトエッチング技術で形成する。シート両面の各線はそ
れぞれ語線および桁線であり、その交点が各磁性薄膜の
上に重なるように押しあてて組み立てる。
【0004】つぎに、動作原理を説明する。図25の磁化
容易軸に平行に配置されている線群W1〜W3は語線(wor
d line)、それと直行している線群D1〜D3は桁線(digi
tline)である。メモリ状態を読み出す検出線は桁線と兼
用する。
【0005】
【外1】 印はメモリ状態に対応した膜内の磁化を示している。
【0006】
【外2】 は「0」、
【0007】
【外3】 は「1」の情報をメモリしていることとする。また、桁
電流Id、語電流Iwによって磁性薄膜に作用する磁界
を、それぞれHd、Hwとする。
【0008】単極性パルスであるIwを語線W1を選択
して流すと、その線の下のすべての磁性薄膜にはHwが
作用し、磁化は困難軸方向に向く。このときの磁化が
「1」の状態から回転したか、あるいは「0」の状態か
ら回転したかによって各桁線にはそれぞれ異なった極性
のパルス電圧が誘起され、これが読み出し電圧になる。
【0009】記録時には、Iwのパルスの立ち下がり時
に重なるようにIdを流し、磁化が困難軸を向いた状態
において情報信号に対応した極性のHdを重畳させるこ
とで磁化の向きを決定し、「1」または「0」の状態に
情報を記録することができる。
【0010】Iwは、磁性薄膜の磁化を容易軸から困難
軸に回転させるのに充分な磁界Hwを発生するような電
流値であり、Idは磁性薄膜のHcの約1/2の磁界H
dを発生する電流値である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術において
は、読み出し方法として、磁化の回転によって生じるき
わめて微小な電磁誘導電圧が用いられているため、読み
出し時のSN比が小さく、読み出しが困難であるという
問題点がある。
【0012】さらに電磁誘導電圧は、磁気モーメントの
大きさに比例するため、磁性薄膜のサイズを充分に大き
くする必要があり、このため、単位面積あたりの記録量
を大きくすることが不可能であるなどの問題点がある。
【0013】本発明は前記問題点を解決するためになさ
れたものであり、メモリ素子として用いられる磁性薄膜
のサイズが小さくなっても充分に大きな読み出し信号が
えられる磁性薄膜メモリ素子、それを用いた磁性薄膜メ
モリおよび磁性薄膜メモリに記録する方法を提供するこ
とを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、薄膜磁性体の
磁化の向きによって情報を記憶し、記憶した情報を再生
信号としてホール電圧で読み出す磁性薄膜メモリ素子で
あって、磁化容易軸が薄膜磁性体の該磁性薄膜に対して
垂直方向と面内方向の間に存在していることを特徴とす
る磁性薄膜メモリ素子、前記磁性薄膜メモリ素子を2以
上連結してなるメモリであって、各磁性薄膜メモリ素子
が読み出し用の電流線と電圧線によって連結されたこと
を特徴とする磁性薄膜メモリ、前記磁性薄膜メモリにお
いて、導膜磁性体として垂直磁気異方性を有する磁性薄
膜が用いられたばあい、記録用線X、Yを流れる電流が
磁性薄膜メモリ素子に対して発生する垂直方向の磁界を
それぞれHx、Hyとし、磁性薄膜メモリ素子の印加磁
界に対する保磁力をHcとしたとき、 Hx<Hc (1) Hy<Hc (2) を満足し、さらにHxとHyがともに印加されたとき Hx+Hy>Hc (3) を満足するHxおよびHyを用いることを特徴とする磁
性薄膜メモリに記録する方法、前記磁性薄膜メモリを用
い、磁性薄膜の膜面に平行な磁界を印加することを特徴
とする磁性薄膜メモリに記録する方法および前記磁性薄
膜メモリにおいて記録用線x、yを流れる電流が磁性薄
膜メモリ素子に対して発生する磁界をそれぞれHix、
Hiyとし、磁性薄膜の面内方向の印加磁界に対する保
磁力をHcとし、記録用線x、yが磁性薄膜の面内方向
の容易軸方向に対してなす角をそれぞれθx、θyとし
たとき、 Hix×sinθx<Hc (4) Hiy×sinθy<Hc (5) を満足し、さらにHixとHiyがともに印加されたと
きに磁化反転しうるHixとHiyを用い、 Hix×sinθx+Hiy×sinθy>Hc
(6) を満足するHixおよびHiyを用いることを特徴とす
る磁性薄膜メモリに記録する方法に関する。
【0015】
【作用】本発明の磁性薄膜メモリ素子は、磁化容易軸が
薄膜磁性体の該磁性薄膜に対して垂直方向を含む垂直方
向と面内方向との間に存在しているため、読み出し信号
としてホール電圧を利用することができ、SN比の良好
な読み出し信号がえられ、そのためとくに記憶の高密度
化に有用である。
【0016】また、メモリ素子として、磁化容易軸が垂
直方向を含まない垂直方向と面内方向の間に存在する磁
性薄膜を用いたばあいには、膜面に平行な磁界を印加し
て記録を行なうことができ、記録線を磁性薄膜の直上ま
たは直下に配置することができるので省スペース化が行
なえ、記録線と磁性薄膜との間隔を小さくすることがで
き、省電力化とともに、さらなる高密度化が可能とな
る。
【0017】
【実施例】本発明のメモリ素子は、薄膜磁性体の磁化の
向きにより情報を記憶し、記憶した情報を再生信号とし
てホール電圧で読み出す磁性薄膜メモリ素子であり、磁
化容易軸が薄膜磁性体の該磁性薄膜に対して垂直方向を
含む垂直方向と面内方向との間に存在している磁性薄膜
メモリ素子である。
【0018】前記薄膜磁性体としては、磁化容易軸が磁
性薄膜に対しほぼ垂直の角度となる薄膜磁性体、すなわ
ち垂直磁気異方性を有する薄膜磁性体と前記以外の方向
で垂直方向と面内方向の間に磁化容易軸が存在する薄膜
磁性体があげられる。
【0019】前記薄膜磁性体としては、フェリ磁性を有
する薄膜があげられ、そのなかでも良好なホール電圧が
えられ、Hcなどの特性制御が容易であるという点から
希土類元素と遷移金属の合金が好ましい。
【0020】前記希土類元素としては、Gd、Ho、T
b、Nd、Dyなどのランタノイド系希土類元素があげ
られるが、これらのなかでもGdおよびHoの少なくと
も1種の元素が含まれていることが好ましい。また、前
記遷移金属としては、Fe、Co、Niなどがあげられ
る。希土類元素と遷移金属の合金の具体例としては、G
dCo、HoCo、GdHoCo、TbHoCo、Gd
FeCoなどがあげられる。
【0021】前記合金中の遷移金属の割合は、合金中に
遷移金属が70〜85at%含まれるのが、保磁力Hcおよ
び飽和磁化Msを適正な値にするために好ましい。
【0022】前記合金からなる薄膜磁性体の形や面積
は、とくに限定されず、その目的や用途に応じて適宜変
化させることができる。また、その膜厚は、通常500〜3
000Å程度であることが好ましい。
【0023】前記磁性薄膜の形成方法としては、スパッ
タ法などがあげられる。薄膜を作製する磁性薄膜メモリ
用の基板は、たとえば表面がSiO2またはSiNx
(x=0.8〜2.0程度)などの絶縁膜で覆われたSi基板
やガラス基板などがあげられる。
【0024】つぎに、磁化容易軸が磁性薄膜に対して垂
直方向を含まない垂直方向と面内方向との間に存在する
薄膜磁性体としては、磁化容易軸の磁性薄膜面に対する
角度が1〜70°、なかんづく3〜30°のものが好まし
い。
【0025】前記薄膜磁性体としては、良好なホール電
圧がえられ、特性制御が容易である点から、希土類元素
と遷移金属の合金が好ましい。
【0026】前記希土類元素としては、Gd、Nd、H
o、Tb、Dyなどのランタノイド系希土類元素があげ
られ、そのなかでもGd、Nd、Ho、Tbなどが好ま
しい。また、前記遷移金属としては、Fe、Co、Ni
などがあげられる。希土類元素と遷移金属の合金の具体
例としては、GdFe、GdNdFe、GdHoFeな
どがあげられる。
【0027】前記合金中の遷移金属の割合は、合金中に
遷移金属が60〜95at重量%含まれるのが好ましい。
【0028】前記合金からなる薄膜磁性体の形や面積
は、その目的や用途に応じて適宜変化させることができ
る。また、その膜厚は、500〜3000Å程度であることが
好ましい。
【0029】前記磁性薄膜の形成方法としては、たとえ
ばRFスパッタ法やDCマグネトロンスパッタ法などの
スパッタ法があげられるが、なかでもRFスパッタ法が
好ましい。
【0030】図1に磁化容易軸が面内方向と垂直方向の
間に存在する磁性薄膜の形成に用いたスパッタ装置の模
式的な断面図を示す。図中、1はターゲット、2は基板
を示す。ターゲット1としては、たとえばGdおよびF
eよりなる合金ターゲット、Feターゲット上にGdチ
ップを配置した複合ターゲットなどが用いられる。また
基板2としては、垂直磁気異方性を有する薄膜磁性体の
ばあいと同様の基板が用いられる。図1に示したよう
に、基板2はターゲット1の直上にはなく、基板の中心
とターゲットの中心を結ぶ線が基板面に対して60°以下
の角度をなすようにするのが好ましい。以上のようなセ
ッティングを行なったのち、スパッタリングを行なうこ
とができる。
【0031】つぎに、磁化容易軸が垂直方向と面内方向
の間に存在する薄膜磁性体を用いた磁性薄膜メモリにつ
いて説明する。
【0032】本発明の薄膜磁性体を用いたメモリは種々
考えられるが、基本的には、複数の磁性薄膜メモリ素子
が読み出し用の電流線と電圧線により連結されているの
が特徴である。
【0033】また、前記電流線と電圧線はたがいに直交
しているのが、記録した情報を効率よく読み出せる点か
ら好ましい。
【0034】すなわち、一定の方向に磁化された磁性薄
膜メモリ素子に電流線を用いて一定の電流を流すと、再
生信号として電流方向と磁界方向にともに垂直な方向に
電圧(ホール電圧)が発生するため、この電圧を読み出
し信号として用いることができる。
【0035】また、この信号は、従来用いられていた磁
化の回転によって生じる微小電圧に比較して1桁以上大
きいため、SN比がよく信頼性が高い。
【0036】前記磁気薄膜メモリに記録する方法として
は、記録用線を設けて記録用線に電流を流し、発生する
磁界によって磁性薄膜を磁化する方法などがある。
【0037】本発明では、2本の記録用線を用いるが記
録用線を配置する方法としては、たとえば2つの方法が
あげられる。
【0038】すなわち、磁性薄膜メモリ素子の面外に、
電圧線と平行に記録用線X、電流線と平行に記録用線Y
を設ける方法、または磁性薄膜メモリ素子の面の上また
は下に2本の記録用線を設ける方法である。
【0039】まず、磁性薄膜メモリ素子の面外に、電圧
線と平行に記録用線X、電流線と平行に記録用線Yが設
けられた磁性薄膜メモリの一実施例を図2〜5に基づい
て説明する。
【0040】このばあい、薄膜磁性体としては、垂直磁
気異方性を有する薄膜磁性体が用いられ、記録用線は磁
性薄膜メモリ素子から少しずらした位置に配置されてい
る。
【0041】まず、読み出し方法について説明する。
【0042】図2は、前記磁性薄膜メモリの読み出し原
理を示す説明図である。
【0043】図2において、3(図中では各素子の符号
として311〜313、321〜323、331〜333を用いた)は磁性
薄膜メモリ素子、4はこの磁性薄膜メモリ素子3に取り
付けられた読み出し用の電流線、5は磁性薄膜メモリ素
子3に取り付けられた読み出し用の電圧線である。電流
線4と電圧線5の延長線は磁性薄膜メモリ素子3上のほ
ぼ中央で互いに直行するように取り付けられている。
【0044】前記磁性薄膜メモリを用い、つぎのような
方法で情報の読み出しを行なうことができる。
【0045】いま、図中下向きに磁化された磁性薄膜メ
モリ素子332の情報を読み出したいばあい、電流線42に
電流Jを流し、そのときの電圧線53の電圧変化Vhjを
読めばよい。同様に、図中上向きに磁化された磁性薄膜
メモリ素子313の情報を読み出したいばあい、電流線43
に電流J′を流し、そのときの電圧線51の電圧変化
V′hjを読めばよい。このとき、ホール電圧Vhjと
V′hjは逆向きの変化となり、それぞれの情報に対応
した信号を読み出すことができる。
【0046】つぎに記録方法について説明する。
【0047】図3は図2の磁性薄膜メモリに記録用線を
配置した図である。
【0048】図3において6および7は横方向および縦
方向の記録用線である。記録用線6および7はたがいに
直行しており、磁性薄膜メモリ素子3から少しずらした
位置に配置されており、電流IxおよびIyを流したと
きに磁性薄膜メモリ素子3上に垂直方向に磁界がかかる
ようにする。一例として、メモリ素子332の磁化を図中
下向きにしたいばあいについて説明する。図中横方向の
記録線63に→の方向に電流Ixを流したときに発生する
磁界をHix、図中縦方向の記録線72に↑の方向に電流
Iyを流したときに発生する磁界をHiyとする。磁性
薄膜メモリ素子3の磁界に対するホール電圧の変化を図
4に示す。磁性薄膜メモリ素子3の印加磁界に対する保
磁力をHcとして、Hc、Hix、Hiyの間につぎの
関係が成り立つようにする。
【0049】Hiy<Hc (1) Hix<Hc (2) Hc<Hix+Hiy (3) つまり、電流IxおよびIyのいずれか一方を流しただ
けでは磁性薄膜メモリ素子1の磁化は変化せず、電流I
xにより発生する磁界Hixと電流Iyにより発生する
磁界Hiyの両方が相加されたばあいにのみ磁性薄膜メ
モリ素子3の磁化は変化し、磁化の方向が逆転する。H
ixとHiyが相加される部分は図5に示すように記録
用線6、7に対しての領域との領域である。いま、
図中→の方向に電流Ixを、図中↑の方向に電流Iyを
流したとするとの領域の磁界の向きは図中上向き、
の領域の磁界の向きは図中下向きとなる。IxとIyの
向きを逆にすればの領域の磁界の向きは図中下向き、
の領域の磁界の向きは図中上向きとなる。
【0050】そこで、の領域にのみ磁性薄膜メモリ素
子1を配置すれば、電流IxとIyの向きを変えること
によって磁性薄膜メモリ素子1の磁化の向きを図中上向
きにしたり図中下向きにしたりできる。情報「1」に対
しては電流Ixを→の方向に、電流Iyを↑の方向に流
すことで磁性薄膜メモリ素子1の磁化の向きを図中下向
きに、情報「0」に対しては電流Ixを←の方向に、電
流Iyを↓の方向に流すことで磁性薄膜メモリ素子1の
磁化の向きを図中上向きに書き込むことが可能となる。
【0051】前記実施例では、薄膜磁性体として垂直磁
気異方性を示すものを用いたが、磁化容易軸が垂直方向
と面内方向の間に存在する薄膜磁性体であれば垂直磁気
異方性を有する磁性体に限らず同様に記録、読み出しを
行なうことができる。
【0052】つぎに磁性薄膜メモリ素子の面の上または
下に、2本の記録用線が設けられた磁性薄膜メモリの一
実施例について図6〜16を用いて説明する。
【0053】このばあい薄膜磁性体としては、磁化容易
軸が磁性薄膜に対して垂直方向を含まない、垂直方向と
面内方向との間に存在する薄膜磁性体が用いられ、記録
用線の位置は絶縁膜を介して薄膜磁性体の直上または直
下に設けられている。
【0054】図6は前記磁性薄膜が用いられた磁性薄膜
メモリの一実施例を示す回路図である。
【0055】図6において、8は磁性薄膜メモリ素子
で、アドレスを示すために、8aa、8ab、・・・・・・8
ccのようにサフィックスを付してあるが、とくに区別
の必要のないばあいには単に8を用いる。他の符号につ
いても同様とする。9〜14はいずれもスイッチング用
のトランジスタであり、15はコンデンサー、16はオペ
アンプなどの信号増幅器である。V1、V2は正の電圧
源、GNDは接地を示す。また、図中、実線は再生用の
配線、破線は記録用の配線を示す。
【0056】磁性薄膜メモリ素子8には前記のように磁
化容易軸が面内方向と垂直方向の間に存在する磁性薄膜
が用いられている。さらに、図6における磁性薄膜は、
その面内方向の容易軸方向が、磁性薄膜メモリ素子の直
上あるいは直下を通る2本の記録用配線(破線)に対し
て、それぞれθx、θy(図6においてはθx=θy=
45°)の角度になるように成膜されている。
【0057】まず、再生信号としてホール電圧を用いた
読み出し方法について説明する。前記薄膜磁性体が用い
られたばあいも、図7および図8に示すように、磁化さ
れた方向が反転すれば、生ずる電圧も反転することを利
用して読み出しを行なう。たとえば、図6における磁性
薄膜メモリ素子8acの情報を読みたいとき、スイッチ
9aを閉じる。これにより磁性薄膜メモリ素子8aa、
8ab、8acにそれぞれ図6の上から下に電流が流れ
る。この状態でαとβの電圧を測定することにより磁性
薄膜メモリ素子8acの磁化方向の読み出しができる。
【0058】また、別の読み出し方法として、磁化の変
化を利用して読む方法を使用することもできる。磁性薄
膜の磁化容易軸は面内方向と垂直方向との間に存在する
ので、いま、斜め上向きの磁化方向を「0」、斜め下向
きの磁化方向を「1」として、それぞれ2値的デジタル
情報に対応させることとする。図9は、磁性薄膜メモリ
素子8acの記録状態を読むときのスイッチの開閉動作
のタイムチャートを示す説明図である。チャートに示し
ていないスイッチはすべて開いた状態にある。まず、t
0〜t3においてはスイッチ9aと10cは閉じ、磁性薄膜
メモリ素子8acは読み出しのできる状態にある。t1
〜t2においては、スイッチ11a、12c、13はいずれも
閉じており、これにより、磁性薄膜メモリ素子8acに
は面内方向の容易軸方向に −(Hix×sinθx+Hiy×sinθy) の磁界が印加される。もし、素子の磁化の初期状態が斜
め上向きであれば、磁界により磁化方向は変化せず、し
たがって「0」が読み出される。他方、初期状態が斜め
下向きのときには、面内方向の容易軸方向に保磁力Hc
以上の磁界 −(Hix×sinθx+Hiy×sinθy) が作用するt〜tにおいて磁化は斜め上向きに反転
する。この反転は、読み出し信号として検出され、
「1」が読み出されたことになる。しかし、「1」が読
み出されたときには、読み出す前の磁化方向である斜め
下向きの磁化方向が失われているため、もう一度面内方
向の容易軸方向に Hix×sinθx+Hiy×sinθy を作用させて読み出す前の状態に戻す必要がある。t1
〜t3において読み出し信号の変化が観測されたときに
は、t4〜t5においてスイッチ11a、12c、14を閉じる
のは以上に述べた理由による。
【0059】つぎに、記録方法について説明する。記録
は各磁性薄膜の磁化の向きによって行なわれる。たとえ
ば磁性薄膜メモリ素子8acに「0」の記録を行なうば
あい、すなわち磁化を斜め上向きに書き込むばあいにつ
いて、図6および図10〜16を用いて説明する。
【0060】図6において、記録が行なわれないときに
は、11a、11b、11cおよび12a、12b、12cのスイッ
チはすべて開いており、破線に電流は流れない。磁性薄
膜メモリ素子8acに記録を行なうばあい、11a、12c
のスイッチを閉じる。さらに、「0」の記録を行なうば
あいには13を閉じる。
【0061】このとき、磁性薄膜メモリ素子8acの中
の磁性薄膜の直上または直下の記録用線に流れる電流の
状態を図10に示す。図10における81、82は、図6におい
て破線で示した記録用線である。81に流れる電流ixと
82に流れる電流iyより発生する磁界をそれぞれHi
x、Hiyとして図中に示してある。
【0062】つぎに、磁性薄膜メモリ素子8中の磁性薄
膜の面内方向の容易軸方向と電流ix、iyの関係を図
11に示す。図中、磁性薄膜の面内方向の容易軸方向を一
点鎖線で示してある。図中に示したように、電流ixと
磁性薄膜の面内方向の容易軸方向のなす角度をθx、電
流iyと磁性薄膜の面内方向の容易軸方向のなす角度を
θyとする。
【0063】図12に電流ixにより発生する磁界Hix
が磁性薄膜の面内方向の容易軸方向に及ぼす磁界の大き
さを、図13に電流iyにより発生する磁界Hiyが磁性
薄膜の面内方向の容易軸方向に及ぼす磁界の大きさを、
それぞれHix×sinθx、Hiy×sinθyとし
て示してある。磁性薄膜は、 Hix×sinθx<Hc (4) Hiy×sinθy<Hc (5) Hc<Hix×sinθx+Hiy×sinθy (6) が成り立つように面内方向の容易軸方向に印加された磁
界、すなわち磁性薄膜の膜面に平行な磁界に対して保磁
力Hcを持っている。
【0064】このために図14に示すように磁性薄膜メモ
リ素子8ab、8bcには記録されることなく電流ix
と電流iyが交差する磁性薄膜メモリ素子8acのみの
記録が可能となる。図中、磁性薄膜メモリ素子8ac内
の矢印は「0」の記録をされた磁化の磁性薄膜面内方向
の向きを示している。
【0065】本発明の磁性薄膜メモリ素子中の磁性薄膜
は、磁化容易軸が磁性薄膜に対して垂直方向と面内方向
の間に存在するので、前記操作において電流iyの向き
を変えることで、斜め上向き、または斜め下向きに磁化
される。
【0066】図15には、以上のような「0」の記録状態
の磁性薄膜メモリ素子8acの断面図を示してある。磁
性薄膜の磁化の向きは、図中に示したように垂直方向と
面内方向の間の斜め上向きとなる。
【0067】「1」の記録を行なうばあいは図6のスイ
ッチ13を開き、代わりにスイッチ14を閉じればよい。こ
のときの記録状態の断面図は図16に示してある。磁性薄
膜の磁化の向きは図中に示したように垂直方向と面内方
向の間の斜め下向きとなる。
【0068】他のメモリ素子への記録も同様に行なうこ
とができる。
【0069】なお、前記実施例に用いた磁化容易軸が磁
性薄膜に対して垂直方向と面内方向との間に存在する薄
膜磁性体は具体的にはつぎのような磁気特性を示す。
【0070】図17〜19は前記薄膜磁性体の典型的なホー
ルヒステリシスループを示す図である。図17は膜面に垂
直方向に外部より磁界を印加したときのホールヒステリ
シスループであり、図18は面内方向の容易軸方向に磁界
を印加したときのホールヒステリシスループであり、図
19は面内方向の困難軸方向に磁界を印加したときのホー
ルヒステリシスループである。
【0071】前記薄膜磁性体は垂直方向の磁界に対して
も面内方向の容易軸方向に磁界に対してもホール電圧が
同等に発生し、しかも面内方向の容易軸方向に磁界に対
しては10(0e)程度の小さな保磁力をもつ。このよう
な磁性薄膜をメモリ素子に用いたばあい、面内方向の印
加磁界によって記録が可能となり、しかもホール電圧を
再生信号として用いることができる。
【0072】つぎに、前記磁気薄膜メモリの作製方法の
一例について説明する。
【0073】まず、ガラス基板などの上に図20に示すよ
うな矩形の孔(たとえば、0.1μm×1.2μm)のあいた
マスクAを密着させ、読み出し用線としてCu、Au、
Alなどの導体をスパッタ法などにより膜厚0.1〜1.0μ
mで成膜する。さらに、図21に示すように別の正方形な
どの孔(たとえば0.5μm□)のあいたマスクBの矩形
の4つの辺のそれぞれが先に成膜したCu、Au、Al
などの導体の一端に重なるように密着させ、磁性薄膜と
してGdCoなどの磁性薄膜を、スパッタ法により膜厚
500〜3000Åで成膜する。その結果、図22のように各磁
性薄膜メモリ素子と読み出し用線とが連結される。磁性
薄膜メモリ素子上と読み出し用線上には保護膜としてS
iNx(x=0.7〜1.5)などの誘電体膜をスパッタ法に
より膜厚0.2〜0.5μmで成膜する。
【0074】前記SiNx上に縦方向の記録用線として
たとえばCu、Al、Auなどをスパッタ法などにより
膜厚0.5μmで成膜し、さらに全面に同様にSiNx膜
を膜厚0.2〜0.5μmで成膜したのち、横方向の記録用線
として、たとえばCu、Al、Auなどを膜厚0.5μm
で成膜する。このとき縦、横いずれの方向の記録用線も
矩形の磁性薄膜メモリ素子から少しずれた位置かまたは
直上になるように成膜する。
【0075】このときの記録用線の配置は、絶縁膜が介
在していれば直下になるように成膜の順序を変更しても
よい。
【0076】最後に樹脂により保護コーティングを行な
って磁性薄膜メモリをうる。
【0077】記録用線を磁性薄膜の直上または直下に配
したばあい、磁性薄膜と記録用線は、絶縁さえされてい
ればよく、絶縁層として前記SiNxやSiO2などの
誘導体を用いたばあい、記録用線と磁性薄膜との間隔を
2000〜5000Å程度にまで狭めることができ、また、記録
用線を磁性薄膜の直上または直下に配置しうるので省ス
ペース化を図ることができ、高密度化が可能となる。
【0078】以下、実施例に基づき、具体的に説明す
る。
【0079】[実施例1]ガラス基板上に図20に示すよ
うな矩形の孔(0.1μm×1.2μm)のあいたマスクAを
密着させ、読み出し用線としてCuをスパッタ法により
膜厚0.5μmで成膜した。さらに、図21に示すように別
の正方形の孔(0.5μm□)のあいたマスクBの矩形の
4つの辺のそれぞれが先に成膜した読み出し用線の一端
に重なるように密着させ、磁性薄膜としてGdCo膜
を、バイアス電圧(−50V)を加えてスパッタ法により
膜厚約2000Åで成膜した。その結果、図22に示すように
各磁性薄膜メモリ素子と読み出し用線とが連結された。
前記磁性薄膜メモリ素子上と読み出し用線上には保護膜
としてSiNx(x=1.0)からなる誘電体膜を膜厚0.1
μmで成膜した。
【0080】前記SiNx上に縦方向の記録用線として
Cuをスパッタ法により幅0.4μm膜厚0.5μmで成膜
し、さらに全面に前記SiNx膜を0.1μm成膜したの
ち、横方向の記録用線として、Cuを幅0.4μm、膜厚
0.5μmで成膜した。このとき縦、横いずれの方向の記
録用線も図3に示されるように矩形の磁性薄膜メモリ素
子3から少しずれた位置になるように成膜した。
【0081】最後に樹脂で保護コーティングを行ない、
図3に示されるような磁性薄膜メモリをえた。
【0082】本実施例で磁性薄膜として用いたGdCo
膜(Gd 25at%、Co 75at%)の保磁力Hcは
40(Oe)であり、記録用線にIx、Iyそれぞれ15m
Aの一定電流を流した。
【0083】パターンの周期は2μm、磁性薄膜3は0.
5μm角の正方形、記録用線と磁性薄膜メモリ素子3の
中心間距離は約1μmであった。
【0084】このとき、磁性薄膜3の中心部における記
録用線による発生磁界は、それぞれ約30(Oe)であ
り、両方の磁界が重ね合わさったときのみ磁性薄膜の保
磁力40(Oe)を充分にこえ、良好な記録が行なわれ
た。
【0085】また、電流線2を通して1個の磁性薄膜メ
モリ素子3の両端に約4.5mVの電圧を印加した。磁性
薄膜メモリ素子3の磁化が「0」から「1」に反転した
とき、電圧線3に現われる電圧の変化は約40μVであり
良好な読み出し動作が行なえた。
【0086】[実施例2]実施例1と同様にマスクなど
を用いて、シリコン基板上にスパッタ法により、以下の
順に成膜を行ない、図23に示されるような磁性薄膜メ
モリをえた。
【0087】 記録用線6 幅0.3μm、膜厚1μm 絶縁膜 膜厚0.1μm 電流線4および電圧線5 幅0.5μm、膜厚0.5μm 磁性薄膜メモリ素子 縦0.5μm、横0.5μm 膜厚0.05μm 絶縁膜 膜厚0.1μm 記録用線7 幅0.3μm、膜厚1μm その結果、図23に示したパターンをえた。磁性薄膜メモ
リ素子3としては、垂直方向に磁化容易軸を有する保磁
力30(Oe)のTbHoCo膜(Tb 7at%、Ho
19at%、Co 74at%)を用いた。
【0088】パターンの周期は2μm、磁性薄膜メモリ
素子3は0.5μm角の正方形、記録用線と磁性薄膜メモ
リ素子3の中心間距離は約1μmであった。素子数は10
00×1000個とした。
【0089】読み出しおよび記録方法は実施例1と同様
に行なった。
【0090】記録用線6および7には、それぞれ10mA
の電流を流した。このときの磁性薄膜メモリ素子3の中
心部における記録用線6および7による発生磁界は、そ
れぞれ約20(Oe)であり、両方の磁界が重ね合わさっ
たときのみ磁性薄膜メモリ素子3の保磁力30(Oe)を
充分にこえ、良好な記録が行なわれた。
【0091】また、電流線2の両端には5Vの電圧を印
加し、このとき1個の磁性薄膜メモリ素子1の両端には
約3.5mVが印加された。磁性薄膜メモリ素子1の磁化
が「0」から「1」に反転したとき、電圧線3に現れる
電圧の変化は約30μVであった。これにより熱的な雑音
よりも充分に大きく良好な読み出し動作を行なえたこと
がわかる。
【0092】[実施例3]図24に示すように磁性薄膜メ
モリ素子3の両側に記録用線を設けたほかは実施例2と
同様にして磁性薄膜メモリを作製した。両側に設けた記
録用線と磁性薄膜の中心間距離も同様とした。しかるの
ち、それぞれの記録用線に反対方向の電流を実施例2と
同様の値となるよう流したところ良好な記録を行なえ
た。すなわち、図24の○印で示した磁性薄膜メモリ素子
3の磁化を図中下向きに記録するときには、磁性薄膜メ
モリ素子1の近傍を通る4本の記録用線に矢印で示す向
きに電流を流し、磁化を図中上向きに記録するときに
は、それぞれ矢印と逆方向の電流を流した。本実施例で
は、1本の記録用線に流す電流は、磁性薄膜メモリ素子
3の片側だけに記録用線を配置したばあいと比べて半分
にすればよい。
【0093】[実施例4]磁性薄膜メモリ素子の数が異
なるほかは、図6に示されるものと同様の回路を有する
磁性薄膜メモリを使用した。
【0094】まず、磁性薄膜メモリ素子8は0.5μm角
の正方形とし、前記素子と素子との間隔を2μm、磁性
薄膜メモリ素子の数を10×10とした。
【0095】2本の記録用線にはそれぞれ1.3mAの電
流を流すことにより各記録線からの発生磁界は実効的に
6.2(Oe)となるので、2本の記録線の両方から磁界
が発生したばあいにのみ10(Oe)をこえ、記録可能と
なる。読み出しは、1mAの印加電流に対して1.5mV
のホール電圧がえられ、増幅することで100mV以上の
出力がえられ、良好な読み出し動作が行なえた。
【0096】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、磁化容易
軸が磁性薄膜に対し垂直方向と面内方向の間に存在する
薄膜磁性体を用いたため、ホール電圧を読み出し信号と
して利用することができ、高感度な読み出しと高密度化
が可能であるなどの効果がある。
【0097】また、メモリ素子として磁化容易軸が垂直
方向を含まない垂直方向と面内方向の間に存在する磁性
薄膜を用いたばあい、膜面に平行な磁界を印加して記録
を行なうことができ、記録用線を磁性薄膜素子の直上も
しくは直下に配置することで省スペース化が行なえ、記
録用線と磁性薄膜との間隔を小さくすることができ、省
電力化とともに、さらなる高密度化が可能となる。
【0098】また、素子のサイズを小さくしても、充分
に大きな再生出力がえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スパッタ装置の模式的な断面図である。
【図2】本発明の一実施例における磁性薄膜メモリの読
み出し原理の説明図である。
【図3】本発明の一実施例における磁性薄膜メモリを示
した説明図である。
【図4】本発明の一実施例における磁性薄膜メモリ素子
の磁界に対するホール電圧の変化の説明図である。
【図5】本発明の一実施例における記録用線と磁性薄膜
の具体的な位置関係を示した説明図である。
【図6】本発明の一実施例を示す回路図である。
【図7】本発明の磁性薄膜メモリ素子の読み出し動作を
説明する説明図である。
【図8】本発明の磁性薄膜メモリ素子の読み出し動作を
説明する説明図である。
【図9】本発明の磁性薄膜メモリ素子の読み出し方法を
説明する説明図である。
【図10】本発明の磁性薄膜メモリ素子の記録動作を説
明する説明図である。
【図11】本発明の磁性薄膜メモリ素子の記録動作を説
明する説明図である。
【図12】本発明の磁性薄膜メモリ素子の記録動作を説
明する説明図である。
【図13】本発明の磁性薄膜メモリ素子の記録動作を説
明する説明図である。
【図14】本発明の磁性薄膜メモリ素子の記録動作を説
明する説明図である。
【図15】本発明の磁性薄膜メモリ素子の記録動作を説
明する説明図である。
【図16】本発明の磁性薄膜メモリ素子の記録動作を説
明する説明図である。
【図17】本発明で用いる磁性薄膜面に垂直方向に外部
より磁界を印加したときのホールヒステリシスループを
表わす説明図である。
【図18】本発明で用いる磁性薄膜の面内方向の容易軸
方向に磁界を印加したときのホールヒステリシスループ
を表わす説明図である。
【図19】本発明で用いる磁性薄膜の面内方向の困難軸
方向に磁界を印加したときのホールヒステリシスループ
を表わす説明図である。
【図20】本発明の実施例1に用いられた磁性薄膜メモ
リ素子の読み出し用線作成のためのマスクの説明図であ
る。
【図21】本発明の実施例1に用いられた磁性薄膜メモ
リ素子の作成のためのマスクの説明図である。
【図22】本発明の実施例1によりえられた磁性薄膜メ
モリ素子のパターンの概略図である。
【図23】本発明の実施例2の磁性薄膜メモリの説明図
である。
【図24】本発明の実施例3の磁性薄膜メモリの説明図
である。
【図25】従来の磁性薄膜メモリ素子を組み立てた状態
を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
3 磁性薄膜メモリ素子 4 電流線 5 電圧線 6 記録用線 7 記録用線 8 磁性薄膜メモリ素子
【手続補正書】
【提出日】平成4年5月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、薄膜磁性体の
磁化の向きによって情報を記憶し、記憶した情報を再生
信号としてホール電圧で読み出す磁性薄膜メモリ素子で
あって、磁化容易軸が薄膜磁性体の該磁性薄膜に対して
垂直方向と面内方向の間に存在していることを特徴とす
る磁性薄膜メモリ素子、前記磁性薄膜メモリ素子を2以
上連結してなるメモリであって、各磁性薄膜メモリ素子
が読み出し用の電流線と電圧線によって連結されたこと
を特徴とする磁性薄膜メモリ、前記磁性薄膜メモリにお
いて、膜磁性体として垂直磁気異方性を有する磁性薄
膜が用いられたばあい、記録用線X、Yを流れる電流が
磁性薄膜メモリ素子に対して発生する垂直方向の磁界を
それぞれHx、Hyとし、磁性薄膜メモリ素子の印加磁
界に対する保磁力をHcとしたとき、 Hx<Hc (1) Hy<Hc (2) を満足し、さらにHxとHyがともに印加されたとき Hx+Hy>Hc (3) を満足するHxおよびHyを用いることを特徴とする磁
性薄膜メモリに記録する方法、前記磁性薄膜メモリを用
い、磁性薄膜の膜面に平行な磁界を印加することを特徴
とする磁性薄膜メモリに記録する方法および前記磁性薄
膜メモリにおいて記録用線x、yを流れる電流が磁性薄
膜メモリ素子に対して発生する磁界をそれぞれHix、
Hiyとし、磁性薄膜の面内方向の印加磁界に対する保
磁力をHcとし、記録用線x、yが磁性薄膜の面内方向
の容易軸方向に対してなす角をそれぞれθx、θyとし
たとき、 Hix×sinθx<Hc (4) Hiy×sinθy<Hc (5) を満足し、さらにHixとHiyがともに印加されたと
きに磁化反転しうるHixとHiyを用い、 Hix×sinθx+Hiy×sinθy>Hc (6) を満足するHixおよびHiyを用いることを特徴とす
る磁性薄膜メモリに記録する方法に関する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】前記希土類元素としては、Gd、Ho、T
b、Nd、Dyなどのランタノイド系希土類元素があげ
られるが、これらのなかでもGdおよびHoの少なくと
も1種の元素が含まれていることが好ましい。また、前
記遷移金属としては、Fe、Co、Niなどがあげられ
る。希土類元素と遷移金属の合金の具体例としては、G
dCo、HoCo、GdFe、GdHoCo、TbHo
Co、GdFeCoなどがあげられる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】前記磁性薄膜の形成方法としては、スパッ
タ法などがあげられる。薄膜を作製する磁性薄膜メモリ
用の基板は、たとえば表面がSiOまたはSiNx
(x=0.7〜1.5程度)などの絶縁膜で覆われたSi基板
やガラス基板などがあげられる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】前記合金中の遷移金属の割合は、合金中に
遷移金属が60〜95at%含まれるのが好ましい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 浩 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社材料研究所内 (72)発明者 田辺 信二 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社材料研究所内 (72)発明者 小林 浩 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社材料研究所内 (72)発明者 大土井 雄三 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社材料研究所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜磁性体の磁化の向きによって情報を
    記憶する磁性薄膜メモリ素子であって、記録した情報を
    読み出す手段として薄膜磁性体の異常ホール効果を用い
    ることを特徴とする磁性薄膜メモリ素子。
  2. 【請求項2】 薄膜磁性体の磁化の向きによって情報を
    記憶し、記憶した情報を再生信号としてホール電圧で読
    み出す磁性薄膜メモリ素子であって、磁化容易軸が薄膜
    磁性体の該磁性薄膜に対して垂直方向と面内方向の間に
    存在していることを特徴とする磁性薄膜メモリ素子。
  3. 【請求項3】 薄膜磁性体の磁化の向きによって情報を
    記憶し、記憶した情報を再生信号としてホール電圧で読
    み出す磁性薄膜メモリ素子であって、薄膜磁性体として
    垂直磁気異方性を有する磁性薄膜が用いられたことを特
    徴とする磁性薄膜メモリ素子。
  4. 【請求項4】 薄膜磁性体としてフェリ磁性薄膜が用い
    られた請求項1、請求項2または請求項3記載の磁性薄
    膜メモリ素子。
  5. 【請求項5】 フェリ磁性薄膜として希土類元素と遷移
    金属の合金が用いられた請求項4記載の磁性薄膜メモリ
    素子。
  6. 【請求項6】 合金がGdおよびHoの少なくとも1種
    の元素を含有したものである請求項5記載の磁性薄膜メ
    モリ素子。
  7. 【請求項7】 請求項1、請求項2または請求項3記載
    の磁性薄膜メモリ素子を2以上連結してなるメモリであ
    って、各磁性薄膜メモリ素子が読み出し用の電流線と電
    圧線によって連結されたことを特徴とする磁性薄膜メモ
    リ。
  8. 【請求項8】 電流線と電圧線がたがいに直交している
    請求項7記載の磁性薄膜メモリ。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の磁性薄膜メモリ中の磁性
    薄膜メモリ素子の面外に、電圧線と平行に記録用線X、
    電流線と平行に記録用線Yが設けられた磁性薄膜メモ
    リ。
  10. 【請求項10】 請求項7記載の磁性薄膜メモリ中の磁
    性薄膜素子の面の上または下に、2本の記録用線が設け
    られた磁性薄膜メモリ。
  11. 【請求項11】 薄膜磁性体の磁化の向きによって情報
    を記憶する磁性薄膜メモリ素子として、記憶した情報を
    読み出す再生方法として、磁性薄膜メモリ素子の膜面に
    平行な磁界を印加することによる異常ホール信号の変化
    を観測し、磁性薄膜メモリ素子に記載されていた情報を
    判読することを特徴とする磁性薄膜メモリにおいて、磁
    性薄膜メモリ素子として、磁化容易軸が垂直方向と面内
    方向の間に存在する磁性薄膜を用いることを特徴とする
    磁性薄膜メモリ。
  12. 【請求項12】 請求項9記載の磁性薄膜メモリにおい
    て、記録用線X、Yを流れる電流が磁性薄膜メモリ素子
    に対して発生する磁界をそれぞれHx、Hyとし、請求
    項3記載の磁性薄膜メモリ素子の該磁性薄膜に対して垂
    直方向の印加磁界に対する保磁力をHcとしたとき、 Hx<Hc (1) Hy<Hc (2) を満足し、さらにHxとHyがともに印加されたとき Hx+Hy>Hc (3) を満足するHxおよびHyを用いることを特徴とする磁
    性薄膜メモリに記録する方法。
  13. 【請求項13】 請求項10記載の磁性薄膜メモリを用
    い、磁性薄膜の膜面に平行な磁界を印加することを特徴
    とする磁性薄膜メモリに記録する方法。
  14. 【請求項14】 請求項10または請求項11記載の磁
    性薄膜メモリにおいて、磁性薄膜素子の直上もしくは直
    下に2本の記録用線x、yを設け、各記録用線は磁性薄
    膜素子の面内方向の容易軸方向に対してそれぞれθx、
    θyの角度をなし、記録用線xより発生する磁界Hix
    と記録用線yより発生する磁界Hiyと磁性薄膜の面内
    方向の印加磁界に対する保磁力をHcの関係が Hix×sinθx<Hc (4) Hiy×sinθy<Hc (5) を満足し、さらにHixとHiyが共に印加されたとき
    に磁化反転しうるHixとHiyを用いることを特徴と
    する磁性薄膜メモリの記録方法。
  15. 【請求項15】 HixとHiyが共に印加されたとき
    に Hc<Hix×sinθx+Hiy×sinθy (6) を満足することを特徴とする請求項14記載の磁性薄膜
    メモリの記録方法。
JP4560392A 1991-03-06 1992-03-03 磁性薄膜メモリ素子、それを用いた磁性薄膜メモリおよび磁性薄膜メモリに記録する方法 Expired - Fee Related JP3171638B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4560392A JP3171638B2 (ja) 1991-03-06 1992-03-03 磁性薄膜メモリ素子、それを用いた磁性薄膜メモリおよび磁性薄膜メモリに記録する方法
US08/025,250 US5347485A (en) 1992-03-03 1993-03-02 Magnetic thin film memory

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3989191 1991-03-06
JP3-39891 1991-03-06
JP4560392A JP3171638B2 (ja) 1991-03-06 1992-03-03 磁性薄膜メモリ素子、それを用いた磁性薄膜メモリおよび磁性薄膜メモリに記録する方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05135569A true JPH05135569A (ja) 1993-06-01
JP3171638B2 JP3171638B2 (ja) 2001-05-28

Family

ID=26379300

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4560392A Expired - Fee Related JP3171638B2 (ja) 1991-03-06 1992-03-03 磁性薄膜メモリ素子、それを用いた磁性薄膜メモリおよび磁性薄膜メモリに記録する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3171638B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003124539A (ja) * 2001-10-09 2003-04-25 Canon Inc 磁気抵抗効果膜およびそれを用いたメモリ
KR20030069037A (ko) * 2002-02-18 2003-08-25 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 통신 기능을 구비한 박막 자성체 기억 장치와 이를 이용한유통 관리 시스템 및 제조 공정 관리 시스템
US7379321B2 (en) 2005-02-04 2008-05-27 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Memory cell and programmable logic having ferromagnetic structures exhibiting the extraordinary hall effect

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003124539A (ja) * 2001-10-09 2003-04-25 Canon Inc 磁気抵抗効果膜およびそれを用いたメモリ
KR20030069037A (ko) * 2002-02-18 2003-08-25 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 통신 기능을 구비한 박막 자성체 기억 장치와 이를 이용한유통 관리 시스템 및 제조 공정 관리 시스템
US7379321B2 (en) 2005-02-04 2008-05-27 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Memory cell and programmable logic having ferromagnetic structures exhibiting the extraordinary hall effect

Also Published As

Publication number Publication date
JP3171638B2 (ja) 2001-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5347485A (en) Magnetic thin film memory
KR970009765B1 (ko) 자성박막 메모리 및 그 기록 · 재생 방법
US5448515A (en) Magnetic thin film memory and recording/reproduction method therefor
JP3293437B2 (ja) 磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果型ヘッド及びメモリー素子
US6988414B2 (en) Sensor device having a magnetostrictive force sensor
JPS59210630A (ja) 磁気薄膜構造体の製造方法
JP2001195878A (ja) 磁気抵抗効果メモリ、および、それに記録される情報の再生方法とその再生装置
JPH08212517A (ja) バイアスされた巨大磁気抵抗(gmr)要素を有する小型の読出/書込磁気ヘッド、その製造方法、及びそれによるフラックス遷移検出方法
JPH0660336A (ja) スピン・バルブ効果による磁気抵抗センサおよびその利用システム
JPH04358310A (ja) 磁気抵抗センサ
JP2000067418A (ja) 磁気トンネル接合センサ用の低モ―メント/高飽和保磁力ピン層
US5828526A (en) Magnetoresistance effect element and magnetic field detection device
JP2812826B2 (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッドおよびその製造方法
JP2911312B2 (ja) 磁性薄膜メモリおよびその記録方法
US20090176129A1 (en) Galvanomagnetic device and magnetic sensor
JPH05275769A (ja) 磁界センサ
US6340886B1 (en) Magnetic field sensor with a plurality of magnetoresistive thin-film layers having an end at a common surface
US4547866A (en) Magnetic thin film memory with all dual function films
JP3171638B2 (ja) 磁性薄膜メモリ素子、それを用いた磁性薄膜メモリおよび磁性薄膜メモリに記録する方法
JP3815601B2 (ja) トンネル磁気抵抗素子および磁気ランダムアクセスメモリ
JP3190193B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドの使用方法
Mitsuoka et al. Magnetic domains of permalloy films for magnetic recording thin film heads observed by spin-polarized SEM
JP2668925B2 (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッド
JP2911290B2 (ja) 磁性薄膜メモリ素子およびその記録方法
JP3449160B2 (ja) 磁気抵抗効果素子及びそれを用いた回転センサ

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees