JP2668925B2 - 磁気抵抗効果型磁気ヘッド - Google Patents

磁気抵抗効果型磁気ヘッド

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JP2668925B2 JP63080129A JP8012988A JP2668925B2 JP 2668925 B2 JP2668925 B2 JP 2668925B2 JP 63080129 A JP63080129 A JP 63080129A JP 8012988 A JP8012988 A JP 8012988A JP 2668925 B2 JP2668925 B2 JP 2668925B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気記録媒体に記録された磁気記録信号を
再生する磁気抵抗効果型磁気ヘッド(いわゆるMR型磁気
ヘッド。)に関し、特に高記録密度化に対応した構造の
MR型磁気ヘッドに関する。
〔発明の概要〕
本発明は、磁気記録媒体に記録された磁気記録信号を
発生する磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、感磁部に
センス電流を印加する前方電極層と後方電極層を上記感
磁部を介して該感磁部にバイアス磁界を印加するバイア
ス磁界発生用導体と反対側に位置させることにより、磁
気ギャップ長の短縮を図り、これにより周波数特性の向
上を達成しようとするものである。
〔従来の技術〕
一般に、磁気記録媒体に記録されている磁気記録信号
を読み出すものとして、例えば再生機能しか有しない
が、高出力が得られる磁気抵抗効果型磁気ヘッド(以
下、MR型磁気ヘッドと言う。)が知られている。
上記MR型磁気ヘッドは、遷移金属に見られる磁化の向
きとその内部を流れる電流の向きのなす角によって、電
気抵抗値が変化する磁気抵抗効果現象を利用した再生ヘ
ッドである。
すなわち、磁気記録媒体からの漏洩磁束MR磁性薄膜が
受けると、その磁束により上記MR磁性薄膜の磁化の向き
が回転し当該MR磁性薄膜内部を流れる電流の向きとは磁
束量に応じた角度をもつ。それ故にMR磁性薄膜の電気抵
抗値は変化し、この変化量に応じた電圧変化が電流を流
しているMR磁性薄膜の両端の電極に現れるので電圧信号
として磁気記録信号を読み出せることになる。
一般に、上記MR磁性薄膜には単層の薄膜が用いられ、
これが感磁部を構成する。ところが、この単層のMR磁性
薄膜よりなるMR型磁気ヘッドにおいては、バルクハウゼ
ンノイズ,すなわち磁壁の移動に基づくノイズの発生が
問題となる。すなわち、このMR磁性薄膜は磁気異方性エ
ネルギー、形状異方性等に起因する静磁エネルギー等の
和が層全体として最小限となるような状態を保持するべ
く磁区構成をとるために、この層に外部磁界が与えられ
ると磁壁が移動しバルクハウゼンノイズが発生する。
そこで、本願出願人は上記バルクハウゼンノイズの回
避を図るために、先に特願昭60−17913号明細書及び特
願昭62−011932号明細書に開示するように、非磁性中間
層を介して対の軟磁性薄膜を積層した積層型の感磁部を
用いたMR型磁気ヘッドを提案している。
そのMR型磁気ヘッドは、例えば第14図に示すような構
成とされている。
すなわち、上記MR型磁気ヘッドは、第14図に示すよう
に、感磁部(1)の一主面上に該感磁部(1)にセンス
電流を印加するための電極層(2),(3)が形成さ
れ、その上に絶縁層(4b)を介して上記感磁部(1)に
バイアス磁界を印加するためのバイアス磁界発生用導体
(5)が積層され、これらを絶縁層(4a),(4c)を介
して下部磁性体(6)と上部磁性体(7)により挟み込
んだいわゆるシールド型構造となっている。そして、上
記感磁部(1)は少なくとも一方が磁気抵抗効果を有す
る対の軟磁性薄膜(1a),(1b)が非磁性中間層(1c)
を介して積層された構造とされている。
このように、感磁部(1)を積層構造とすることによ
り、上記対の軟磁性薄膜(1a),(1b)の磁化容易軸が
同一方向となり、しかも磁化の向きが互いに逆向きとな
るので、該感磁部(1)は同一面内に複数の磁区をとる
ことがなくなる。このため、バルクハウゼンノイズの発
生の少ない磁気ヘッドが実現される。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上記MR型磁気ヘッドでは、電極層(2),
(3)及びバイアス磁界発生用導体(5)がいずれも感
磁部(1)の一主面上に積層された構成となっている。
このため、電極層(2),(3)とバイアス磁界発生用
導体(5)間,バイアス磁界発生用導体(5)と上記磁
性体(7)間にはそれぞれ絶縁をとるための絶縁層(4
b),(4c)が必要となるため、前記感磁部(1)と上
部磁性体(7)間のシールドギャップ長L1はこれら絶縁
層(4b),(4c)により制約を受けている。実際、前述
の構造をとった場合、そのシールドギャップ長L1はおよ
そ0.8μm程度とするのが限度である。
他方、上記感磁部(1)と下部磁性体(6)間の絶縁
層(4a)は、本来は上記感磁部(1)と下部磁性体
(6)間にも何も積層されるものがないためその絶縁膜
(4a)の膜厚は少なくとも絶縁がとれる程度の膜厚であ
ればよい。ところが、上記感磁部(1)と下部磁性体
(6)間のシールドギャップ長L2が前記感磁部(1)と
上部磁性体(7)間のシールドギャップ長L1と同じ長さ
でないと出力波形が非対称となるために、上記絶縁層
(4a)の膜厚は先のシールドギャップ長L1にあわせて等
しくされている。
したがって、上記絶縁層(4a)は余分な膜厚を有する
ので、当該磁気ヘッドの磁気ギャップ長Lは1.6μmと
なる。これは、感磁部(1)の膜厚を含まない値であ
る。
このように、磁気ギャップ長Lの大きなMR型磁気ヘッ
ドでは、その再生出力値が1/2になる記録密度D50値は、
22〜23KFCIとなっており、このD50値をさらに向上さ
せ、高記録密度化に対応させるようにするには、前記磁
気ギャップ長Lを短くする必要がある。しかし、上述の
構造では導体薄膜および絶縁膜の膜厚とも限界近く薄く
してあるため、これ以上狭ギャップ化を図ることは構造
を変えない限り不可能となっている。
そこで、本発明は、上記の課題を解消するべく提案さ
れたものであって、磁気ギャップ長が短くでき、周波数
特性の向上が図れ、しかも生産性の向上も図れる磁気抵
抗効果型磁気ヘッドを提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、磁気抵抗効果を示す軟磁性薄膜を有する感
磁部と、感磁部の前方端部と後方端部に各々被着された
前方電極層及び後方電極層と、感磁部を絶縁層を介して
横切るように延在するバイアス磁界発生用導体と、感磁
部、前方電極層、後方電極層及びバイアス磁界発生用導
体を挟持する一対の磁性体とを備え、前方電極層及び後
方電極層は、感磁部を介してバイアス磁界発生用導体と
反対側に配置されており、一方の磁性体と感磁部との間
隔と、他方の磁性体と感磁部との間隔とがほぼ等しいこ
とを特徴とするものである。
なお、この磁気抵抗効果型磁気ヘッドの感磁部は、少
なくとも一方が磁気抵抗効果を有する対の軟磁性薄膜が
非磁性中間層を介して積層されてなるものが好ましい。
このように、感磁部が磁気抵抗効果を有する対の軟磁性
薄膜間に非磁性中間層を介在させて積層したかたちとな
っていると、これら対の軟磁性薄膜は静磁的結合状態と
なり、クーロンの法則に従う相互作用による結合が十分
に強い状態となる。このため、対向する軟磁性薄膜の磁
化容易軸の向きを同一方向とすれば、その磁化の向きは
互いに逆向きとなるので、感磁部は同一面内に複数の磁
区をとることがない。したがって、バルクハウゼンノイ
ズの発生が有効に防止される。
〔作用〕
本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドでは、前方電極層
及び後方電極層が感磁部を介してバイアス磁界発生用導
体と反対側の位置に配設されているので、上記感磁部と
上部磁性体間にはバイアス磁界発生用導体のみが形成さ
れることになり、感磁部の同一面上に電極層及びバイア
ス磁界発生用導体の両方を積層する構造のものと比べて
その間の膜厚は薄くなる。他方、上記感磁部と下部磁性
体間においても同様に、電極層のみが積層されるだけな
ので、やはりその間の膜厚は薄くなる。したがって、磁
気ヘッドの磁気ギャップ長は短くなり、周波数特性の一
層の向上が図れる。
しかも、本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドでは、一
方の磁性体と感磁部との間隔と、他方の磁性体と感磁部
との間隔とがほぼ等しくなるように、磁性体を配してい
るので、磁性体によるシールド効果が対称となり、良好
な出力が得られる。
〔実施例〕
以下、本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッドの
一実施例を図面を参照しながら説明する。
本発明のMR型磁気ヘッドは、第1図及び第2図に示す
ように、感磁部(8),前方電極層(9),後方電極層
(10),バイアス磁界発生用導体(11)を絶縁層(12
a),(12b),(12c),(12d)を介して上部磁性体
(13)と下部磁性体(14)とで挟み込んだいわゆるシー
ルド型構造とされている。
これら上部磁性体(13)と下部磁性体(14)間に形成
される感磁部(8),前方電極層(9),後方電極層
(10),バイアス磁界発生用導体(11)は、上記下部磁
性体(14)上に絶縁層(12d)を介して前方電極層
(9)及び後方電極層(10)がそれぞれ形成され、その
上に感磁部(8)が形成され、さらにその上に絶縁層
(12b)を介してバイアス磁界発生用導体(11)が積層
された積層構造となっている。
ここで、上記感磁部(8)は、少なくとも一方が磁気
抵抗効果を有する対の軟磁性薄膜(8a),(8b)が非磁
性中間層(8c)を介して積層された構成となっている。
そして上記両軟磁性薄膜(8a),(8b)は、その飽和磁
束密度及び厚み等の選定によって当該両軟磁性薄膜(8
a),(8b)の磁束量が一致するようにして磁束がその
両軟磁性薄膜(8a),(8b)に関して全体的に閉じるよ
うにされている。
この結果、上記感磁部(8)は非磁性中間層(8c)の
介在により静磁的結合状態となり、対向する軟磁性薄膜
(8a),(8b)の磁化容易軸の向きが同一方向となり、
その磁化の向きは互いに逆向きとなるので、感磁部
(8)は同一面内に複数の磁区をとることがない。この
ため、磁壁の移動に基づくバルクハウゼンノイズの発生
が有効に防止される。
上記軟磁性薄膜(8a),(8b)の材料としては、例え
ば、Ni,Fe,Co等の単体もしくはこれら2つ以上の合金、
例えばNi−Fe,Ni−Co,Ni−Fe−Co等が挙げられる。
また上記非磁性中間層(8c)の材料には、例えばAl2O
3やSiO2等の絶縁物あるいはMo,Ti,Ag等の非磁性金属等
が使用される。
なお、上記非磁性中間層(8c)の膜厚は、上記両軟磁
性薄膜(8a),(8b)間に交換相互作用に比し静磁的相
互作用が支配的に作用するような膜厚、例えば5Å〜10
000Åのうち特に、その作用がより良好に発揮されるÅ
〜500Å範囲の膜厚とすることが好ましい。
なお、上記感磁部(8)をいずれでも磁性抵抗効果を
有する軟磁性薄膜(8a),(8b)で構成するときには、
上記両軟磁性薄膜(8a),(8b)は同一材料及び同一寸
法にすることが望ましい。これに対して、感磁部(8)
を片方のみが磁気抵抗効果を有する軟磁性薄膜(8a)で
構成するときには、他方の軟磁性薄膜(8b)は上記磁性
抵抗効果のある軟磁性薄膜(8a)に比し充分大なる電気
抵抗を有するようにその材料及び厚み等の選定を行う。
その際、この場合にも両軟磁性薄膜(8a),(8b)の磁
束量が一致するような条件を満足する必要がある。
そして、このように積層構造とされた感磁部(8)の
下部磁性体(14)側の軟磁性薄膜(8b)には、上記感磁
部(8)にセンス電流を印加する前方電極層(9)及び
後方電極層(10)が被着形成されている。
上記前方電極層(9)は感磁部(8)の前方端部に、
後方電極層(10)はその後方端部に各々前記感磁部
(8)の延在方向と略直交するように延在されている。
そしてさらに、これら前方電極層(9),後方電極層
(10)は上部磁性体(13)から離れた位置でそれぞれ前
方電極層(9),後方電極層(10)の両端から先の感磁
部(8)の延在の方向に延在し端子導出部(9a),(10
a)をそれぞれ形成している。そして、その両端子導出
部(9a),(10a)の一部がセンス電流を流すための端
子t1,t2となっている。
したがって、この両端子t1,t2間にセンス電流iを流
せば、前方電極層(9),感磁部(8),後方電極層
(10)の順に該センス電流iが流れる。なお、上記セン
ス電流iの向きは、バルクハウゼンノイズの発生を防止
する上からも磁気記録媒体からの信号磁界と同一方向と
することが好ましい。また、上記前方電極層(9)及び
後方電極層(10)には、通常の金属導体が使用できる
が、本実施例ではTi/Cu/Tiの順に積層された積層型の金
属導体を用いた。
また、上記前方電極層(9)と後方電極層(10)間に
は絶縁層(12a)が形成されている。この絶縁層(12a)
は、上記前方電極層(9)と後方電極層(10)間を埋め
る如くスパッタリングされた後、ポリッシングされてそ
の表面が平坦化され、上記両電極層(9),(10)の膜
厚と同じ膜厚とされたものである。
そして、これら前方電極層(9)及び後方電極層(1
0)が被着形成された感磁部(8)は、磁気記録媒体
(図示は省略する。)との対接面(15)と略直交するよ
うに延在して絶縁層(12d)を介して基板すなわち下部
磁性体(14)上に配設されている。
なお、上記感磁部(8)の前方端面とその前方端に配
設された前方電極層(9)の前方端面は、上記対接面
(15)に臨んで配設されている。
上記下部磁性体(15)の材料としては、例えばNi−Zn
系フェライトやMn−Zn系フェライト及び金属磁性薄膜等
が用いられる。また、上記絶縁層(12d)の材料として
は、通常の絶縁膜として使用されるAl2O3やSiO2等が使
用される。
また、上記感磁部(8)を介して前記した前方電極層
(9)及び後方電極層(10)とは反対側の感磁部(8)
上には、絶縁層(12b)を介して該感磁部(8)にバイ
アス磁界を印加するためのバイアス磁界発生用導体(1
1)が形成されている。
すなわち、上記バイアス磁界発生用導体(11)は、上
記前方電極層(9)と後方電極層(10)間の略中間部に
相当する位置の感磁部(8)〔上部磁性体(13)側の軟
磁性薄膜(8a)〕上に形成されるとともに、上記感磁部
(8)を横切るように延在して形成されている。
そして、上記バイアス磁界発生用導体(11)は、その
両端からさらに、上記感磁部(8)の延在方向に延在さ
れバイアス用端子導出部(11a),(11b)を形成してい
る。そのバイアス用端子導出部(11a),(11b)の一部
に端子T1,T2が設けられ、この両端子T1,T2間にバイアス
磁界発生用の電流が通電されるようになっている。な
お、その電流により発生するバイアス磁界の向きは、前
記感磁部(8)の軟磁性薄膜(8a),(8b)の磁化の向
きがセンス電流の方向に対して所要の角度、例えば約45
゜となるような向きに設定することが好ましい。
そして、上記バイアス磁界発生用導体(11)上に絶縁
層(12c)が介され、その上に金属磁性材料からなる上
部磁性体(13)が形成されている。
上部磁性体(13)の材料には、前記した下部磁性体
(14)と同様、Ni−Zn系フェライトやMn−Zn系ェライト
及び金属磁性薄膜等が用いられる。
なお、上述のように構成されたMR型磁性ヘッドに対
し、磁気記録媒体からの信号磁界と感磁部(8)に通ず
るセンス電流iとを同方向に選定すればバルクハウゼン
ノイズの低減が図れるMR型磁気ヘッドが実現される。
このように構成されたMR型磁気ヘッドでは、前方電極
層(9)及び後方電極層(10)が感磁部(8)を介して
前記バイアス磁界発生用導体(11)と反対側に形成され
ているため、その磁気ギャップ長Tの短縮が図れる。
すなわち、上記感磁部(8)上に形成されるのはバイ
アス磁界発生用導体(11)のみであるため、従来のMR型
磁気ヘッドのように感磁部(8)の同一面上に電極層
(9),(10)及びバイアス磁界発生用導体(11)の両
方を積層していたものと比べ、その電極層(9),(1
0)が積層されない分だけ上記感磁部(8)と上部磁性
体(13)間の膜厚は薄くなる。したがって、上記感磁部
(8)と上部磁性体(13)間のシールドギャップ長T1
短縮される。
他方、上記感磁部(8)と下部磁性体(14)間におい
ても同様、前方電極層(9),後方電極層(10)が積層
されるだけなので、やはりその間の膜厚も薄くなる。し
かも、この間の膜厚を先のシールドギャップ長T1と同じ
膜厚とし再生出力波形が非対称とならないようにした場
合であっても、この薄い膜で充分絶縁性が確保される。
このため、上記感磁部(8)と下部磁性体(14)間のシ
ールドギャップ長T2も同様短縮される。
したがって、上記MR型磁気ヘッドの磁気ギャップ長T
は、従来のものと比べて極めて短いものとなる。例え
ば、その磁気ギャップ長Tは従来では1.6μmであった
が本例では1.0μmとすることが可能となった。この磁
気ヘッドがシュミレーションした結果、磁気ギャップ長
Tが1.6μmのときは当該磁気ヘッドの再生出力値が1/2
になる記録密度D50値は26.4KFCIであるが、磁気ギャッ
プ長Tが1.0μmの場合は33.7KFCIとなる。つまり、0.6
μmの磁気ギャップ長の短縮で28%程度D50値が延びる
ことになる。このため、周波数特性の向上が図れより高
記録密度に適したMR型磁気ヘッドが実現される。また、
さらに高BPI(最大ビット密度)化及び高TPI(トラック
密度)化にも対応可能となる。
ここで、上述の構造を有する磁気ヘッドの動作を第3
図ないし第5図を参照しながら説明する。
上記第3図ないし第5図は前記感磁部(8)の両軟磁
性薄膜(8a),(8b)のみを模式的に示したもので、こ
れら軟磁性薄膜(8a),(8b)は、第3図中aで示す方
向に初期状態で磁化容易軸を有する。すなわち、両端子
t1,t2間にセンス電流iを通電する場合、それとも直交
する方向に磁化容易軸aを有する。そして、これら軟磁
性薄膜(8a),(8b)にセンス電流iを通電することに
よって非磁性中間層(図示は省略する。)を挟んで対向
する両軟磁性薄膜(8a),(8b)にはセンス電流iと直
交する互いに逆向きの磁界が発生し、これによって両軟
磁性薄膜(8a),(8b)は同図に実線矢印M1及び破線矢
印M2で示すように磁化される。
一方、この感磁部(8)にはセンス電流iに沿う方向
に、第4図に示すように外部からバイアス磁界HBが与え
られると、このバイアス磁界HBによって軟磁性薄膜(8
a),(8b)の磁化の向きは第4図に矢印MB1及びMB2
示すように、所要の角度だけ回転される。このバイアス
磁界HBによって与えられる磁化の方向はセンス電流iの
方向に対して略45゜となるようにそのバイアス電界HB
大きさが選ばれる。なお上記バイアス磁界HBは、前記し
たバイアス磁界発生用導体(11)によって得られる。
このようにバイアス磁界HBによってセンス電流iに対
して略45゜の磁化を与えるようにすることは、磁界−抵
抗特性曲線が高い感度と直進性を示す部分において動作
させるためになされるものであって、通常のMR型磁気ヘ
ッドに行われていると同様である。
この状態で第5図に示すように信号磁界HSがセンス電
流iに沿う方向、すなわち磁化困難軸方向に与えられる
と磁化が回転し、それぞれの磁化の方向が矢印MS1及びM
S2に示すように反時計方向及び時計方向に角度θ及び
−θ回転する。これによって、各軟磁性薄膜(8a),
(8b)が例えば共にこのMR磁性薄膜である場合には、そ
れぞれ抵抗変化が生じることになるが、このMR磁性薄膜
の抵抗の変化は角度の変化をθとするときcos2θに比例
するので、第4図における両軟磁性薄膜(8a),(8b)
の磁化MB1及びMB2が互いに90゜ずれているとすると、角
度θ及び−θの変化で両軟磁性薄膜(8a),(8b)
に関して抵抗の変化の増減が一致する。
つまり、一方の軟磁性薄膜(8a)の抵抗が増加すれば
他方の軟磁性薄膜(8b)もその抵抗は増加する方向に変
化する。そして、これら軟磁性薄膜(8a),(8b)の抵
抗変化,すなわち感磁部(8)の両端の端子t1及びt2
に抵抗変化が生じ、この抵抗変化を両端子t1,t2間の電
圧変化として検出することができることになる。
次に、上記MR型磁気ヘッドの構成をより理解し易くす
るために、上記磁気ヘッドの製造方法を図面を参照しな
がら説明する。
先ず、第6図に示すように、磁性フェライト等の金属
磁性材料あるいは基板よりなる下部磁性体(14)上に絶
縁性を有するAl2O3を通常のスパッタリングにより被着
し、その膜厚が例えば3500Å(ポリッシングした後の厚
み)となるように絶縁層(12d)を形成する。
次に、第7図に示すように、上記絶縁層(12d)上にT
i/Cu/Tiの順に金属導体をスパッタリングにより被着
し、これをフォトリソグラフィ技術、例えばエッチング
によりパターン化して前方電極層(9)及び後方電極層
(10)を形成する。
この結果、上記前方電極層(9)及び後方電極層(1
0)は、後工程で形成される感磁部の延在方向と略直交
する方向に形成されるとともに、上記感磁部の前方端部
に前方電極層(9)が後方端部に後方電極層(10)がそ
れぞれ形成されることになる。
また、上記前方電極層(9)及び後方電極層(10)形
成と同時に上記後方電極層(10)の両端から端子導出部
(図示は省略する。)を延在するように形成する。
なお、本実施例では上記金属導体の膜厚は、最初2000
Å程度被着した後、ポリッシングしてその表面を平坦化
しその膜厚が1500Åとなるようにした。
次に、第8図に示すように、上記前方電極層(9)と
後方電極層(10)上にAl2O3をやはりスパッタリングに
より被着する。その際、上記前方電極層(9)及び後方
電極層(10)がAl2O3により完全に埋まるように、本実
施例では上記Al2O3の膜厚を2000Åとした。
続いて、第9図に示すように、先の前方電極層(9)
と後方電極層(10)の表面が露出するように上記絶縁層
(12a)をポリッシングする。
この結果、上記絶縁層(12a)の膜厚は先の前方電極
層(9)及び後方電極層(10)の膜厚と同じになり、こ
れら電極層(9),(10)及び絶縁層(12a)の表面は
平坦化され面一となる。したがって、この上に形成され
る導体薄膜は短絡するようなことがなく信頼性が確保さ
れる。
次に、第10図に示すように、上記平坦化された表面の
前方電極層(9),後方電極層(10),絶縁層(12a)
上に磁気抵抗効果を有する磁性金属、例えばNi−Feを蒸
着した後、この上にAl2O3をスパッタリングし、さらにN
i−Feを蒸着する。
その後、これらをエッチングしてパターン化すると、
両軟磁性薄膜(8a),(8b)が非磁性中間層(8c)を介
して積層された感磁部(8)が形成される。その際、上
記感磁部(8)は、磁気記録媒体との摺接面と略直交す
る向きに延在するように形成される。
なお、本実施例ではNi−Feの膜厚を各々300Å,Al2O3
の膜厚を40Åとした。
次に、第11図に示すように、上記感磁部(8)上にSi
3N4をスパッタリングにより被着し、エッチングを施し
て絶縁層(12b)を形成する。
上記Si3N4は感磁部(8)の酸化を防止する作用をす
るものであるから、当該感磁部(8)の機能が損なわれ
ることがなく信頼性を向上させることができる。なお、
本実施例では上記Si3N4の膜厚を3000Åとした。
次に、第12図に示すように、上記絶縁層(12b)上に
通常のCu等の金属導体をスパッタリングにより被着す
る。続いて、上記金属導体に対してエッチングを施し、
先の感磁部(8)の延在方向と直交方向に当該感磁部
(8)を横切るように延在するバイアス磁界発生用導体
(11)を形成する。
なお、上記バイアス磁界発生用導体(11)形成と同時
に、その両端からバイアス用端子導出部(図示は省略す
る。)を延在形成する。また、本実施例では上記金属導
体の膜厚を2500Åとした。
次に、第13図に示すように、上記バイアス磁界発生用
導体(11)上に後工程で形成される上部磁性体(13)と
の絶縁を図るためにSiO2をスパッタリングにより被着し
て絶縁層(12c)を形成する。なお、本実施例では上記S
iO2の膜厚を4000Åとした。
そして、上記絶縁層(12c)上に例えば磁性フェライ
ト等の金属材料あるいは基板よりなる上部磁性体(13)
を形成する。そして、その上部磁性体(13)にメッキ下
地膜をスパッタリングした後、メッキを施す。その後、
上部磁性体(13)から下部磁性体(14)に亘ってその前
方端面を研磨して磁気記録媒体との対接面(15)を形成
し、上記感磁部(8)の各前方端部とこれらを電気的に
結合する前方電極層(9)の前方端面を上記対接面(1
5)に臨ませて、第1図に示すMR型磁気ヘッドを完成す
る。
以上の工程によれば、感磁部の同一面上に各電極層と
バイアス磁界発生用導体とを積層してなるMR型磁気ヘッ
ドの製造工程に比べて僅かながらもその工程及び作業工
程時間を減らすことができるため製造コストの低下が図
れる。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなように、本発明の磁気抵抗効
果型磁気ヘッドにおいては、電極層が感磁部を介してバ
イアス磁界発生用導体と反対側に形成されているので、
上記感磁部と上部磁性体間,該感磁部と下部磁性体間に
はそれぞれ電極層,バイアス磁界発生用導体のみが積層
されることになり、これにより上記感磁部と上部磁性体
間の膜厚を薄くすることができ、同様に感磁部と下部磁
性体間の膜厚も薄くすることができる。したがって、磁
気ギャップ長の短縮が図れる。
これにより、周波数特性の向上が図れ、より高記録密
度に適したMR型磁気ヘッドが実現される。
さらに、本発明のMR型磁気ヘッドは、電極層を感磁部
を介してバイアス磁界発生用導体と反対側に設けた構造
の磁気ヘッドとしているので、その製造工程の簡略化が
図れ、製造コストの低減を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッドの
一例を示す要部拡大断面図であり、第2図はその要部拡
大平面図である。 第3図ないし第5図は本発明を適用した磁気ヘッドの動
作を示すもので、第3図は初期状態の軟磁性薄膜の磁化
の向きを示す模式図、第4図はバイアス磁界を印加した
際の軟磁性薄膜の磁化の向きを示す模式図、第5図は信
号磁界を印加した際の軟磁性薄膜の磁化の向きを示す模
式図である。 第6図ないし第13図はその磁気抵抗効果型磁気ヘッドの
製造方法の一例を工程順に示すもので、第6図は絶縁層
形成工程を示す要部拡大断面図、第7図は電極層形成工
程を示す要部拡大断面図、第8図は絶縁層形成工程を示
す要部拡大断面図、第9図はポリッシング加工工程を示
す要部拡大断面図、第10図は感磁部形成工程を示す要部
拡大断面図、第11図は絶縁層形成工程を示す要部拡大断
面図、第12図はバイアス磁界発生用導体形成工程を示す
要部拡大断面図、第13図は絶縁層形成工程を示す要部拡
大断面図である。 第14図は従来の磁気抵抗効果型磁気ヘッドの一例を示す
要部拡大断面図である。 8……感磁部 9……前方電極層 10……後方電極層 11……バイアス磁界発生用導体 13……上部磁性体 14……下部磁性体

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気抵抗効果を示す軟磁性薄膜を有する感
    磁部と、 感磁部の前方端部と後方端部に各々被着された前方電極
    層及び後方電極層と、 感磁部を絶縁層を介して横切るように延在するバイアス
    磁界発生用導体と、 感磁部、前方電極層、後方電極層及びバイアス磁界発生
    用導体を挟持する一対の磁性体とを備え、 前方電極層及び後方電極層は、感磁部を介してバイアス
    磁界発生用導体と反対側に配置されており、 一方の磁性体と感磁部との間隔と、他方の磁性体と感磁
    部との間隔とがほぼ等しいこと を特徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
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