JP2911312B2 - 磁性薄膜メモリおよびその記録方法 - Google Patents
磁性薄膜メモリおよびその記録方法Info
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Description
およびその記録方法に関する。
学」(1977年)、丸善(株)発行254頁に示され
た従来の磁性薄膜メモリ素子を組み立てた状態を模式的
に示す説明図である。
する。平滑なガラス基板上に矩形の孔のあいたマスクを
密着させ、真空装置内で約2000Åの厚さにFeとN
iの合金の真空蒸着膜を形成させる。このようにして多
数のメモリ素子MFを一挙にマトリックス状に製作す
る。メモリ素子を駆動させるための駆動線は薄いエポキ
シ樹脂板やポリエステルシートの両面に、互いに直行す
るように銅線をホトエッチング技術で形成して作製す
る。シート両面の各線はそれぞれ語線および桁線であ
り、その交点が各メモリ素子の上に重なるように押しあ
てて組み立てる。
化容易軸に平行に配置されている線群W1〜W3は語線
(word line)で、それと直行している線群D
1〜D3は桁線(digit line)である。メモリ
状態を読みだす検出線は桁線と兼用する。
磁化の方向を示している。同図において、紙面で上向き
の矢印Aは「0」の情報が記録されており、紙面で下向
きの矢印Bは「1」の情報が記録されていることとす
る。また、桁電流Id、語電流Iwによって磁性薄膜に
作用する磁界をそれぞれHd、Hwとする。単極性パル
スであるIwを語線W1を選択して流すと、その線の下
のすべてのメモリ素子にはHwが作用し、磁化の方向は
困難軸方向に向く。このときの磁化の方向が「1」の状
態から回転したか、「0」の状態から回転したかによっ
て、各桁線にはそれぞれ異なった極性のパルス電圧が誘
起され、これが読出し電圧になる。記録時には、Iwの
パルスの立ち下がり時に重なるようにIdを流し、磁化
の方向が困難軸を向いた状態において情報信号に対応し
た極性のHdを重量させることで磁化の向きを決定し、
「1」または「0」の状態に情報を記録することができ
る。Iwは、磁性薄膜の磁化を容易軸から困難軸に回転
させるのに充分な磁界Hwを発生させるような電流値で
あり、Idは磁性薄膜の保磁力Hcの約1/2の磁界H
dを発生させる電流値である。
は、読出し方法として、磁化の方向の回転によって生じ
る極めて微少な電磁誘導電圧を用いているため、読出し
時のSN比が小さく、読出しが困難であるという問題が
ある。
大きさに比例するため、磁性薄膜のサイズを充分に大き
くする必要があり、このため、単位面積当りの記録量を
大きくすることが不可能であるなどの問題がある。
め、本発明者らは、先に磁性薄膜の磁化の向きによって
情報を記録し、記録した情報を磁気抵抗効果による素子
の抵抗変化を利用して読み出す方法を用いる磁性薄膜メ
モリ素子であって、前記磁性薄膜が保磁力の大きな磁性
層aと保磁力の小さな磁性層bとを非磁性層cを介して
a/c/b/c/a/c/b/c…というふうに積層し
て形成されていることを特徴とする磁性薄膜メモリ素
子、および磁性薄膜の磁化の向きによって情報を記録
し、記録した情報を磁気抵抗効果による素子の抵抗変化
を利用して読み出す方法を用いる磁性薄膜メモリ素子で
あって、前記磁性薄膜が保磁力の大きな磁性層aと保磁
力の小さな磁性層bとを非磁性層cを介してa/c/b
/c/a/c/b/c…というふうに積層して形成され
ており、前記保磁力の小さな磁性層bの磁化の向きによ
り、情報を記録することを特徴とする磁性薄膜メモリ素
子を提案した(特願平4−63028号明細書)。
信号がメモリサイズが小さくなってもえられるという効
果を有することが確認された。
らに高密度の磁性薄膜メモリを作製するため鋭意検討を
重ねた結果、前記薄膜メモリにスイッチング素子を設け
ることにより記録と再生とを同一の線で行え、さらに高
密度化ができることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
磁性体の磁化の向きによって情報が記録される磁性薄膜
メモリ素子を複数個有する磁性薄膜メモリであって、前
記磁性薄膜メモリ素子が少なくとも薄膜磁性体とスイッ
チング素子とで構成されており、前記薄膜磁性体とし
て、保磁力の大きな磁性層aと保磁力の小さな磁性層b
とを非磁性層cを介してa/c/b/c/a/c/b/
c…というふうに積層してなる人工格子膜が用いられ、
前記保磁力の小さな磁性層bの磁化の向きにより、情報
が記録されることを特徴とするものである。
メモリの記録方法は、保磁力の大きな磁性層aと保磁力
の小さな磁性層bとを非磁性層cを介してa/c/b/
c/a/c/b/c…というふうに積層されてなる薄膜
磁性体に接して配置されたデータ線のみを用い、そのデ
ータ線に流す電流の正、負によって、前記薄膜磁性体の
保磁力の小さな磁性層bの磁化の向きを変えることで記
録を行なうことを特徴とするものである。
メモリの記録方法は、前記した記録方法であって、前記
電流により発生する磁界では前記薄膜磁性体の保磁力の
大きな磁性層aの磁化の向きが変わらないようにデータ
線に電流を流すことを特徴とするものである。
法は、保磁力の大きな磁性層aと保磁力の小さな磁性層
bとを非磁性層cを介してa/c/b/c/a/c/b
/c…というふうに積層されてなる薄膜磁性体の保磁力
の小さな磁性層bの磁化の向きの違いにより薄膜磁性体
の抵抗の大きさが異なることを利用して再生信号を読み
出すことを特徴とするものである。
きな磁性層aと保磁力の小さな磁性層bとを非磁性層c
を介してa/c/b/c/a/c/b/c…というふう
に積層してなる磁性薄膜を用いたので、膜面に平行で異
なる方向の磁界を印加することにより、前記保磁力の小
さい磁性層bの磁化の向きを変えて「0」の状態と
「1」の状態の記録を行うことができる。
子を1つ設けることで記録を再生線と同一の線で行なう
ことが可能であるため、とくに記録線を設ける必要がな
くなり、高密度化が可能である。
きが同一の方向を向く平行のばあいと反対の方向を向く
反平行のばあいとで抵抗が変化することを利用している
ため、バイアス磁界を印加せずに再生することもでき、
また、その際の抵抗の変化率が大きいため、磁化の向き
が反平行のばあいの素子の両端の電圧VBと磁化の向き
が平行のばあいの素子の両端の電圧VAの大小を比較す
ることにより、「0」と「1」の記録状態を判別でき
る。
する。
図である。図1において、1は磁性薄膜メモリ素子で、
アドレスを示すために1aa、1ab、…1bbのよう
にサフィックスを付してあるが、とくに区別の必要のな
いばあいには単に1を用いる。他の符号についても同様
とする。2(2aa、2ab、2ac、2ba、2b
b、2bc)はいずれもスイッチング素子で、たとえば
FETである。3(3a、3b、3c)と5(5aa、
5ab、5ac、5ba、5bb、5bc)はデータ
線、4(4a、4b)はセンス線、6は抵抗である。ま
た、磁性薄膜メモリ素子1acの両端α、βの電圧をV
αβとする。図1に示すように基板上には横方向にセン
ス線4、縦方向にデータ線3が設けられ、前記スイッチ
ング素子であるFETのゲート電極が前記センス線4
に、FETのドレイン電極とソース電極がデータ線3と
データ線5とのあいだに接続されている。データ線5は
磁性薄膜メモリ素子1の直上または直下に直接接するよ
うに配置され、その他端はアースに接続されている。
大きな磁性層aと保磁力の小さな磁性層bとを非磁性層
cを介してa/c/b/c/a/c/b/c…というふ
うに積層されてなる薄膜磁性体を用いる。
ばNiCoPt、NiCoTa、NiCoCr、NiC
oZr、NiCoなどの合金層があげられ、前記磁性層
aの磁化が反転しはじめる磁界が、保磁力の小さな磁性
層bの磁化が飽和する磁界よりも大きいことが好まし
く、その厚さは、10〜50Åが好ましい。また、保磁
力の小さな磁性層bとしては、たとえばNiFe、Ni
FeCoなどの合金層があげられ、その組成はNiFe
のばあい、Niが75〜85%、Feが15〜25%が
好ましい。
好ましく、その厚さは、10〜50Åが好ましい。ま
た、非磁性層cとしては、たとえばCu、Cr、V、
W、Al、Al−Taなどが用いられ、その厚さは20
〜100Åが好ましい。(a/c/b/c)層の厚さは
40〜200Åが好ましく、前記(a/c/b/c)層
は5〜30周期、さらには10〜20周期くり返すのが
好ましい。そして、前記(a/c/b/c)層をくり返
すことにより形成される薄膜磁性体の全体の厚さは50
0〜3000Åが好ましい。また、その大きさは、たて
0.5〜1.5μm、よこ0.5〜1.5μm程度が好
ましい。
(x=1〜1.33)などの絶縁膜で覆われたSi基板
やガラス基板などの絶縁基板上にたとえばスパッタ法、
MBE法、超高真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、真空蒸
着法などを用いて形成することができる。また、前記ス
パッタ法としては、たとえばパワー制御が比較的容易な
DCマグネトロンスパッタ法、またはRFスパッタ法が
あげられる。
とえば、磁性薄膜メモリ素子1の磁気シールドを行う前
に、面内方向のある方向に大きな磁界をメモリ全体に印
加するなどして、一定方向、たとえば紙面上で右向きに
揃えておく。
各磁性薄膜メモリ素子の磁化の向きを特定方向にするこ
とによって行われる。磁性薄膜メモリ素子の記録に携わ
る磁性層bの磁化は面内方向に存在するので、いま、デ
ータ線に流れる電流の方向と直交する方向(紙面上で、
たとえば左向き)を「1」、逆向きの磁化方向(紙面上
では右向き)を「0」として、それぞれ2値的デジタル
情報に対応させることとする。たとえば磁性薄膜メモリ
素子1acに「1」の記録を行うばあい、すなわち磁化
を紙面上で左向きに書き込むばあいについて図1〜2を
用いて説明する。
は、3a、3b、3c、4a、4bに電流は流れない。
磁性薄膜メモリ素子1acに「1」の記録を行うばあ
い、データ線3cには+V3の電位をかける。このと
き、センス線4aにV 4 の電圧をかけるとスイッチング
素子2acが開き、磁性薄膜メモリ素子1acおよびデ
ータ線5acに比較的大きな電流I1が流れる。前記ス
イッチング素子2は、センス線4に適当な電圧が印加さ
れたときのみ開くようになっているので、3cに連なる
他の磁性薄膜メモリ素子には電流は流れない。また、3
c以外のデータ線には電流は流れていないので、4aに
連なる他の磁性薄膜メモリ素子にも電流は流れない。こ
のときの電流の状態を図2に示す。図2は、磁性薄膜メ
モリ素子1acのAA方向の断面図を示し、図2におけ
る符号は図1に対応している。また、5acは磁性薄膜
の直下に設けられた配線5acを示す。図2に示される
ように、この紙面の裏から表への電流I1によって磁性
薄膜メモリ素子1acには磁界H1が印加され、磁性薄
膜メモリ素子の記録に携わる磁性層bの磁化の向きは磁
界の向きである左を向く。磁性薄膜メモリ素子1acに
もともと「1」が記録されていたばあいには、この磁界
H1によって紙面左向きの磁化は方向を変えることな
く、「1」の記録は保持される。図中、磁性薄膜メモリ
素子1ac内の矢印は電流I1によって発生する磁界H1
の向きを示している。磁性薄膜メモリ素子1acに
「0」の記録を行うばあいは、データ線3cには−V3
の電圧をかける。このとき、センス線4aにV' 4 の電圧
をかけることでスイッチング素子2acが開き、磁性薄
膜素子1acおよびデータ線5acにI1とは逆向き
(紙面の表から裏向き)の比較的大きな電流I0がなが
れる。図2に示すようにこの電流I0によって磁性薄膜
メモリ素子1acには磁界H0が印加され、磁性薄膜メ
モリ素子の記録に携わる磁性層bの磁化の向きは磁界の
向きである右を向く。磁性薄膜素子1acにもともと
「0」が記録されていたばあいには、この磁界H0によ
って紙面右向きの磁化は方向を変えることなく、「0」
の記録は保持される。図中、磁性薄膜素子1ac内の矢
印は電流I0によって発生する磁界H0の向きを示してい
る。
「1」の記録状態の磁性薄膜メモリ素子1の断面図を示
している。磁性薄膜素子1acの磁性層aの磁化の向き
と磁性層bの向きは「0」では平行、「1」では反平行
となっている。配線5acを前記メモリ素子の直上に配
置したばあいは、電流によって発生する前記メモリ素子
1ac内の磁界の向きが逆になる。
ができる。
ッチング素子には明確な指向性がなく、いずれの方向の
電流も流すことができる半導体素子が用いられている。
したがってデータ線3およびセンス線4に+V3、V 4 の
電圧を印加したばあいと−V3、V' 4 の電圧を印加した
ばあいでは、スイッチング素子を流れる電流の方向が異
なる。
ル型MOS−FETを用いているがソース側とドレイン
側を全く同一に作成している為にソース、ドレイン電圧
の正負により両方向の電流が流せる。スイッチング素子
としては、他にサイリスタやバイポーラ型トランジスタ
を用いることもできる。
ので、データ線を記録線として使用することができ、と
くに記録線用のスペースをとる必要がなくなり、省スペ
ース化が行え、高密度化が可能となる。
モリ素子に用いた磁性薄膜について簡単に説明する。磁
性薄膜には保磁力の大きな磁性層aと保磁力の小さな磁
性層bとを非磁性層cを介してa/c/b/c/a/c
/b/c…というふうに積層してなる人工格子膜を用い
た。
加磁界に対する磁化Mの変化と前記人工格子膜の外部印
加磁界に対する抵抗MRの変化を対比させて示してあ
る。図4においてポイントまで磁界を印加すると磁性
層aと磁性層bの磁化の向きは平行、たとえば左向きに
揃う。この状態からポイントを経て0まで磁界を戻し
ても磁性層aと磁性層bの磁化の向きは左向きに揃った
状態を維持する。さらに磁界を逆向きにポイントまで
印加すると磁性層bのみ磁化反転し、磁性層aと磁性層
bの磁化の向きは反平行となり、同時に抵抗も増加す
る。この状態から磁界を0まで戻しても磁性層aと磁性
層bの磁化の向きは反平行を維持する。こののち、磁界
をポイントまで印加すれば、磁性層bの磁化は再度反
転し、再び、磁性層aと磁性層bの磁化の向きは平行状
態となり、同時に抵抗も減少し、元に戻る。
で磁界を変化させることで、そののち磁界0の状態に戻
しても磁性層aと磁性層bの磁化の向きを平行にした
り、反平行にしたりすることが可能となる。また、磁性
層aと磁性層bの磁化の向きが平行のときを「0」、反
平行のときを「1」とすることで2値的デジタル情報を
記録させることができる。さらに、磁性層aと磁性層b
の磁化の向きが平行、反平行によって抵抗が異なるので
これを電圧に変換すれば、外部磁界0の状態のままで
「0」、「1」の判別が可能となる。
ついて説明する。たとえば、図1における磁性薄膜メモ
リ素子1acの情報を読みたいとき、3cに再生用の一
定電流I3を流し、2acが開くように適当な電圧Vを
4aにかける。これにより磁性薄膜素子1ac(データ
線5ac)にのみ図1の上から下に電流が流れる。この
状態でαとβの電圧Vαβを測定することにより磁性薄
膜メモリ素子1acの磁性層aと磁性層bの磁化の向き
が平行のばあいの電圧VAと反平行のばあいの電圧VBと
を再生出力として検出できる。VAとVBは配線の抵抗を
考慮してもなお、5%以上の差が生じるので適当な大き
さの臨界電圧を定めておけば、再生出力が臨界電圧より
大きいか小さいかでスピンの向きが平行「0」か反平行
「1」かを判別できる。
的な例を作製方法と共に説明する。
て、保磁力の大きな磁性層aと保磁力の小さな磁性層b
とを非磁性層cを介してa/c/b/c/a/c/b/
c…というふうに積層してなる人工格子膜を作製した。
磁性層aにはNiCoPt合金(Ni39%、Co59
%、Pt2%)(以下、NiCoPtという)を用い、
磁性層bにはNiFe合金(Ni80%、Fe20%)
(以下、NiFeという)を用いた。非磁性層cにはC
uを用いた。成膜方法としては、DCマグネトロンスパ
ッタ法を用いた。スパッタ装置にはNiFe、NiCo
Pt、Cuの3つのターゲットを1つのチャンバー内に
配置した。基板には表面をSiO2やSiNxなどの絶縁
膜で覆われたSi基板やガラス基板を用いた。スパッタ
時の圧力は1〜8mTorrで成膜速度は毎分約30Å
で行った。(NiCoPt(35Å)/Cu(65Å)
/NiFe(35Å)/Cu(65Å))の層を15周
期繰り返し、トータル膜厚約3000Åでその大きさが
0.5×1.5μmの人工格子膜を作製した。前記人工
格子膜の下には、データ線が形成されている。
型的な磁化曲線とMR曲線を図5〜6に示す。図5は面
内方向で外部より磁界を印加したときの磁化曲線で、横
軸に印加磁界Hexの強さ(Oe)、縦軸に磁化Mの強
さを表している。図6は面内の方向で外部より磁界He
xを印加したときの素子両端の抵抗MRの曲線、および
印加磁界による各層のスピンの向きの変化を示し、横軸
に印加磁界Hexの強さ(Oe)、縦軸に抵抗の大きさ
を表している。磁化曲線は2段階の変化を示し、1段目
の6(Oe)付近での変化が磁性層bの磁化反転、2段
目の850(Oe)付近の変化が磁性層aの磁化反転を
示している。また、1段目の変化は10(Oe)で飽和
している。MR曲線より抵抗も6(Oe)付近から大き
くなり始め、10(Oe)付近で飽和している。このこ
とは磁性層bの磁化反転とよい一致を示している。ま
た、10(Oe)付近で大きくなった抵抗は、さらに磁
界を印加してもしばらく維持され、また、磁界をゼロに
戻しても維持されており、磁界印加前との変化率は12
%を示した。これにより、(NiCoPt/Cu/Ni
Fe/Cu)×15の人工格子膜を用いたばあい、10
(Oe)以上の印加磁界で記録および再生が可能である
ことがわかる。
Si基板上に、図1に示すような磁性薄膜メモリを作製
した。薄膜磁性体は、実施例1と同様にして(NiCo
Pt/Cu/NiFe/Cu)×15の人工格子膜を作
製して用い、スイッチング素子は、MOS−FETを用
いた。
ング素子を作製し、ドレイン電極上およびソース電極上
にデータ線3、5を巾0.5μm、厚さ0.5μmで作
製した。データ線5の磁性層と接する部分は厚さが0.
1μm程度になるまでエッチングを行ない、その上に磁
性層をスパッタリング法により積層した。
よび再生を試みた。
cにV3=5V(−V3=−5V)を印加し、センス線4
aにV4=0.1V(V' 4 =0.05V)を印加するこ
とによりスイッチング素子2acを開き、磁性薄膜メモ
リ素子1ac(データ線5ac)に±5mA程度の電流
を流すことができ、記録が行えた。
定電流を流し、4aに適当な電圧V(0.5V)を印加
してスイッチング素子2acを開き、そのときの1ac
の両端の電圧Vαβを測定したところ、「1」が記録さ
れている状態(3.43V)と「0」が記録されている
状態(3.27V)で5%程度の差が生じ、臨界電圧と
して3.35Vを設定することで「1」と「0」を判別
することができた。
大きな磁性層aと保磁力の小さな磁性層bとを非磁性層
cを介してa/c/b/c/a/c/b/c…というふ
うに積層してなる磁性薄膜とスイッチング素子より構成
されているので、磁性薄膜の膜面に平行な磁界を再生線
と同一の線より印加して、その線を流れる電流の向きを
変えることにより磁性層bのスピンの向きを変えること
ができ、これにより「0」と「1」の記録を行うことが
できる。また、再生は磁性層aと磁性層bのスピンの向
きが平行のばあいと反平行のばあいとで抵抗が大きく変
化することを利用し、スピンの向きが反平行のばあいの
素子の両端の電圧VBと、スピンの向きが平行のばあい
の素子の両端の電圧VAの大小とを比較することで
「0」と「1」の記録状態を判別することができる。
と保磁力の小さな磁性層bとを非磁性層cを介してa/
c/b/c/a/c/b/c…というふうに積層してな
る磁性薄膜を用いたので、膜面に平行な磁界を印加して
記録を行うことができ、さらに、センシングのためにス
イッチング素子を1つ設けることで記録と再生とを同一
の線で行うことが可能となり、とくに記録用の線を設け
る必要がなくなるので、高密度化が可能となる。
が平行のばあいと反平行のばあいとで抵抗が変化するこ
とを利用しているため、バイアス磁界を印加せずに再生
することもでき、また、その際の抵抗の変化率が大きい
ため、再生信号の検出が容易である。
示す説明図である。
る電流とそれにより発生する磁界の方向を表わす説明図
である。
る。
変化を表わす説明図である。
である。
である。
模式的に示す説明図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 薄膜磁性体の磁化の向きによって情報を
記録し、記録された情報を前記薄膜磁性体の磁気抵抗効
果による膜面に平行な方向の抵抗値変化として読み出す
磁性薄膜メモリ素子を複数個有する磁性薄膜メモリであ
って、前記磁性薄膜メモリ素子が少なくとも薄膜磁性体
とスイッチング素子と、前記薄膜磁性体に平行に接し、
前記スイッチング素子に直列に接続され、磁性薄膜の膜
面に平行な磁界を印加する記録再生兼用配線とを備え、
前記薄膜磁性体として、保磁力の大きな磁性層aと保磁
力の小さな磁性層bとを非磁性層cを介してa/c/b
/c/a/c/b/c…というふうに積層してなる人工
格子膜が用いられ、前記保磁力の小さな磁性層bの磁化
の向きにより、情報が記録されることを特徴とする磁性
薄膜メモリ。 - 【請求項2】 保磁力の大きな磁性層aと保磁力の小さ
な磁性層bとが非磁性層cを介してa/c/b/c/a
/c/b/c…というふうに積層されてなる薄膜磁性体
に接して配置された薄膜磁性体の膜面に平行な磁界を印
加する記録再生兼用配線を用い、その記録再生兼用配線
に流す電流の正、負によって、前記薄膜磁性体の保磁力
の小さな磁性層bの磁化の向きを変えることにより薄膜
磁性体の膜面に平行な方向の抵抗値を変化させて記録を
行うことを特徴とする磁性薄膜メモリの記録方法。 - 【請求項3】 請求項2記載の記録方法であって、前記
電流により発生する磁界では前記薄膜磁性体の保磁力の
大きな磁性層aの磁化の向きが変わらないことを特徴と
する磁性薄膜メモリの記録方法。 - 【請求項4】 保磁力の大きな磁性層aと保磁力の小さ
な磁性層bとを非磁性層cを介してa/c/b/c/a
/c/b/c…というふうに積層されてなる薄膜磁性体
の膜面に平行な磁界を記録再生兼用配線により印加して
記録された保磁力の小さな磁性層bの磁化の向きの違い
により薄膜磁性体の膜面に平行な方向の抵抗の大きさが
異なることを利用して再生信号を読み出すことを特徴と
する磁性薄膜メモリの再生方法。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP4234539A JP2911312B2 (ja) | 1992-09-02 | 1992-09-02 | 磁性薄膜メモリおよびその記録方法 |
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JP2911312B2 true JP2911312B2 (ja) | 1999-06-23 |
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-
1992
- 1992-09-02 JP JP4234539A patent/JP2911312B2/ja not_active Expired - Lifetime
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