JPH0513538Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、穴明け機構を備えた樹脂成形金型に
関するものである。

＜従来の技術＞ 射出成形金型で成形する樹脂製品に金型内で穴
明け成形するために、穴抜きポンチを金型に設置
した技術は、例えば、特開昭58−107321号等で周
知である。

＜考案が解決しようとする問題点＞ しかしながら、上記従来の周知技術において
は、穴抜きポンチで穿穴した後のスクラツプの排
出は全く考慮されていない。

＜問題点を解決するための手段＞ 本考案は、穴抜きポンチで穿穴した後のスクラ
ツプの自動排出を可能とした樹脂成形金型を提供
するものであり、その構成は、固定型と可動型と
によつて製品形状の空間が形成され、この空間に
樹脂を注入充填して樹脂製品を成形する金型にお
いて、前記固定型または可動型に前記空間に充填
され硬化状態になつた樹脂を穿穴する穴抜きポン
チを設置し、前記可動型または固定型に前記穴抜
きポンチと対応する穴抜きダイを設置し、前記穴
抜きダイの設置側に前記穴抜きポンチと同軸線で
対向し、穴抜きダイを貫通してシリンダにより進
退移動可能に設けたスライドピンと、このスライ
ドピンの軸内を同軸線方向に摺動可能に貫通し、
スプリングにより常に前進方向に押圧付勢されス
ライドピンの先端面より出没する押し出しピンと
を備え、前記穴抜きダイはエア供給通路と連通
し、かつスクラツプの落下通路に連通しているこ
とを特徴とするものである。

＜作用＞ 上記の構成により、空間に樹脂が充填されると
きには穴抜きポンチは空間外に後退位置し、ウエ
ルドを発生することなく樹脂が充填される。そし
て、空間内で樹脂が硬化した状態で穴抜きポンチ
を前進作動し、スライドピンを後退移動させて樹
脂成形品に穴明けを行い、穴抜きポンチを後退移
動することによりスプリングで前進方向に押圧さ
れている押し出しピンがスライドピンの先端面か
ら突出してスクラツプを穴抜きダイ内のエア通路
部位に押し上げ、エアによつてスクラツプの落下
通路に強制的に落下排出するものである。

＜実施例＞ 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図において、１は固定型、２は前記固定
型１に対接並びに離間する可動型である。この可
動型２が固定型１に対接したときに成形すべき樹
脂製品Ｗの形状の空間３が形成され、樹脂注入口
Ｐより溶融樹脂を空間３に充填することにより樹
脂製品Ｗが成形される。

本考案は上記の射出成形金型において、固定型
１側に穴抜きポンチ４を設ける。この穴抜きポン
チ４は空間３に対して直交する軸線でエアシリン
ダ５によつて進退作動するようになつている。ま
た、前記穴抜きポンチ４と対応する穴抜きダイ６
を可動型２側に設置する。

前記穴抜きポンチ４で穴抜きしたスクラツプを
型外に積極的に排出する装置が設けられている。
その構成について第２図及び第３図によつて説明
する。穴抜きダイ６の直下に第１図で示すように
エアシリンダ７を設置し、このエアシリンダ７の
ヘツド７ａに保持体１２を固設する。前記保持体
１２には前記穴抜きダイ６に嵌合されるスライド
ピン１３が固着されている。

さらに、保持体１２内にブロツク１４が相対移
動可能に設けられ、このブロツク１４と一体の押
出ピン８が前記スライドピン１３の軸内を摺動可
能に貫通している。

前記ブロツク１４はスプリング１５により常に
上方に押し上げられ、かつブロツク１４に固着さ
れたストツパピン１７が保持体１２に設けられて
いる長穴１６によつて規制する範囲でブロツク１
４と保持体１２は相対移動するようになつてい
る。

さらに、穴抜きダイ６にはエア供給通路９とス
クラツプＳの落下通路１０とが設けられ、落下通
路１０の出口には第１図で示すようにスクラツプ
収納箱１１が配置されている。

次に上記構成の作用について説明する。溶融樹
脂が空間３に充填されるときには第２図で示すよ
うに穴抜きポンチ４は後退移動し、穴抜きポンチ
４の先端面は空間３の上壁面と同一面で位置して
いる。また、エアシリンダ７のヘツド７ａは上昇
端に移動しており、スライドピン１３並びに押出
しピン８は空間３の下壁面と同一面となるよう押
し上げられている。従つて空間３に充填される溶
融樹脂は穴明け予定部位も通常に流動して満たさ
れる。

前記空間３に溶融樹脂が充填され、これが硬化
状態となつた時点で上下２つのエアシリンダ５，
７が略同時に下降動する。これにより、穴抜きポ
ンチ４は下降動し、またスライドピン１３も下降
動するため、穴抜きポンチ４と穴抜きダイ６とに
よつて空間３に充填硬化した樹脂を穴明けする。
そして穴明けしたスクラツプＳを穴抜きポンチ４
の下端面とスライドピン１３の上端面とで挾んだ
状態で規定された下降端に移動し、その後上方の
エアシリンダ５によつて穴抜きポンチ４が上昇動
する。この穴抜きポンチ４の上昇動によつてスプ
リング１５により上方に押し上げ力が付勢されて
いる押出しピン８が上昇動して第３図で示すよう
に、スクラツプＳを穴抜きダイ６内で押し上げ
る。

これと同時にエア供給通路９よりエアが穴抜き
ダイ６に供給され、押出しピン８で穴抜きダイ６
内のエア通路部位に押し上げられているスクラツ
プＳを落下通路１０に吹き飛ばして落下排出す
る。

その後下方のエアシリンダ７によりスライドピ
ン１３を上昇して原位置に戻され、可動型２を固
定型１より引き離し、穴明けされた樹脂製品Ｗが
取り出される。

上記の実施例は穴抜きポンチ４を固定型１側に
設け、穴抜きダイ６とスクラツプの排出装置を可
動型側に設けたが、その逆の配置にすることも可
能である。

＜考案の効果＞ 以上のように本考案によると、固定型または可
動型に前記空間に充填され硬化状態になつた樹脂
を穿穴する穴抜きポンチを設置し、前記可動型ま
たは固定型に前記穴抜きポンチと対応する穴抜き
ダイを設置し、前記穴抜きダイの設置側に前記穴
抜きポンチと同軸線で対向し、穴抜きダイを貫通
してシリンダにより進退移動可能に設けたスライ
ドピンと、このスライドピンの軸内を同軸線方向
に摺動可能に貫通し、スプリングにより常に前進
方向に押圧付勢されスライドピンの先端面より出
没する押し出しピンとを備え、前記穴抜きダイは
エア供給通路と連通し、かつスクラツプの落下通
路に連通した構成であるから、樹脂製品の穴抜き
後のスクラツプを金型外へ自動で強制的に確実に
排出することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の断面図、第２図及び第３図は
本考案の主要部断面図である。 １……固定型、２……可動型、３……空間、４
……穴抜きポンチ、５……エアシリンダ、６……
穴抜きダイ、７……エアシリンダ、８……押し出
しピン、９……エア供給通路、１０……スクラツ
プの落下通路、１３……スライドピン、１５……
スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定型と可動型とによつて製品形状の空間が形
   成され、この空間に樹脂を注入充填して樹脂製品
   を成形する金型において、前記固定型または可動
   型に前記空間に充填され硬化状態になつた樹脂を
   穿穴する穴抜きポンチを設置し、前記可動型また
   は固定型に前記穴抜きポンチと対応する穴抜きダ
   イを設置し、前記穴抜きダイの設置側に前記穴抜
   きポンチと同軸線で対向し、穴抜きダイを貫通し
   てシリンダにより進退移動可能に設けたスライド
   ピンと、このスライドピンの軸内を同軸線方向に
   摺動可能に貫通し、スプリングにより常に前進方
   向に押圧付勢されスライドピンの先端面より出没
   する押し出しピンとを備え、前記穴抜きダイはエ
   ア供給通路と連通し、かつスクラツプの落下通路
   に連通していることを特徴とする樹脂成形金型。