JPH05135251A - 現金自動預金支払機のキー入力方式 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は現金自動預金支払機のキー入力方式に
関し，操作内容の機密性を一層高めることを目的とす
る。 【構成】現金自動預金支払機用カードにカード所有者が
希望するキー配列を含む操作画面データを記憶する。現
金自動預金支払機の処理部は，前記カードの操作画面デ
ータを解読することにより対応する操作画面を入力表示
部に表示し，入力表示部へのキー操作入力を解読するこ
とにより対応する処理を行うよう構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は銀行等で利用者が操作す
る現金自動預金支払機のキー入力方式に関する。近年，
銀行等の金融機関において利用者が保持する現金自動預
金支払機用のカードを用い自分でキーを操作することに
より現金の入出金を行う現金自動預金支払機が広く利用
されるようになった。この現金自動預金支払機では，テ
ンキーを操作して自己の暗証番号（ＩＤ番号）や，金額
を入力するが，他人により操作内容が分かる可能性があ
るため，秘密性を保つことができるキー入力方式が望ま
れている。

【０００２】

【従来の技術】図９は従来の現金自動預金支払機におけ
る操作画面の出力例である。最初の画面Ａ．は，利用者
が自己の所有する現金自動預金支払機用のカードをカー
ド挿入口に入れると表示される現金自動預金支払機の初
期の操作画面であり，この機械により実行可能な業務
（残高照会，入金，引き出し，振り込み等）が表示され
ている。この中から利用者が実行を希望する業務を選ん
で，表示画面上に設けられたタッチセンサで構成する操
作パネルの対応する表示位置を押すことにより入力が行
われる。

【０００３】利用者が希望する業務として「引き出し」
を指定すると，Ｂ．に示すような操作画面が表示され，
０〜９のテンキーの表示及び，訂正，確認，取消等の各
業務を指定するキーが表示され，暗証番号の入力を催促
する。この画面に対し利用者がテンキーにより暗証番号
を入力すると，カードに記録された口座番号等の情報を
用いて銀行のセンタのコンピュータと連携して照合等が
行われ，本人の確認が取れるとＣ．の画面が表示され，
金額を入力するよう催促する。この画面でもテンキーが
表示され，希望する金額を入力する等の処理が行われ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の現金自動預
金支払機では，利用者が操作するための操作キー（テン
キー）の配列が，固定であり，上記のようなディスプレ
イに表示する形式でない場合には機械的にテンキーが組
み込まれており，ディスプレイ型の場合にも機械内のプ
ログラムが固定したテンキーの配列をディスプレイ上に
出力している。

【０００５】このため，利用者が操作するため，同一数
字の押下は誰が操作しても同一の動作となり，操作内容
が他人に知られてしまう可能性が高い。つまり，現金の
引き出しを行った時に操作者が幾らの金額を引き出した
かが知られてしまったり，暗証番号の内容を知られる恐
れがあった。表現をかえれば，操作内容の機密が損なわ
れ，犯罪発生の危険度が高いという問題があった。

【０００６】この問題に対し，各金融機関は，後続の人
に操作者の後ろより一定の距離離れた位置で待つてもら
う等の対応をしていたが，操作動作を隠すことは不可能
であった。本発明は操作内容の機密性を一層高めること
ができる現金自動預金支払機のキー入力方式を提供する
ことを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】図１は本発明の原理的構
成図である。図１において，１は現金自動預金支払機，
１０は現金自動預金支払機の各部を制御する処理装置，
１１はカード情報入力解析部，１２は操作画面作成表示
部，１３はキー操作入力解読部，１４は業務処理部，１
５はカード情報更新処理部，１６は表示画面とタッチパ
ネルを含む操作パネル，２は利用者が保持する書き変え
可能なメモリを備える現金自動預金支払機用のカードで
ある。

【０００８】本発明は上記問題を解決するための手段と
して，現金自動預金支払機の利用者が所有するカード内
に，口座番号等のデータの他にカード所有者独自の操作
画面を記憶しておき，操作時にカード内の画面を操作画
面表示部に表示することにより操作内容を他人から分か
らないようにするものである。

【０００９】

【作用】利用者が自己の所有するカード２を現金自動預
金支払機１に挿入すると，内容が読出され処理装置１０
のカード情報入力解析部１１において解読され，その中
のテンキー，機能キーの配列を含む個人向けの操作画面
に関する情報は操作画面作成表示部１２に送られ，その
情報に基づいて個人向けの操作画面が作成され，操作画
面作成表示部１２から表示出力が発生し操作パネル１６
に表示される。

【００１０】この操作パネル１６の表示を見て利用者が
暗証番号や金額等を入力するために操作パネル上のキー
を操作（押下）すると，キー操作入力解読部１３におい
て，それぞれのキーの意味を個人向けの操作画面情報を
用いて解読する。解読された内容は，業務処理部１４に
供給されてその時の業務，例えば，暗証番号の照合，現
金の引き出し，照会，入金等の処理を行う。

【００１１】また，カード２の更新を希望する場合は，
利用者により更新を指定するキー操作によりカード情報
更新処理部１５が動作し，予め登録されている多数の操
作画面の中の一つを選択するか，利用者が作成した操作
画面のイメージデータを入力するかにより新たな操作画
面を入力すると，操作画面と関連するデータがカード
２，及び関連するデータが処理装置内（図示しないメモ
リ）に保存されて更新処理が終了する。

【００１２】

【実施例】図２は本発明が実施される現金自動預金支払
機のハードウェア構成，図３は実施例の処理フロー，図
４は個人向け操作画面パターンの具体例である。図２に
おいて，２０はメモリ，２１は装置全体をプログラムに
より処理する処理装置（ＣＰＵ），２２はカード２が挿
入されるとその内容を読み出したり，更新情報を書き込
むカード情報読み出し・書き込み部，２３は操作画面を
表示するディスプレイ上に設けられたタッチセンサで構
成する操作パネル，２４は操作パネル２３を利用者が押
した（タッチした）時に，その押圧位置（座標）を解析
するキー入力値解読部，２５は現在表示されている操作
画面の情報を保持する画面記憶部，２６は表示画面のイ
メージデータを保持する画面バッファ，２７は画面バッ
ファの内容を表示するディスプレイ（ＣＲＴまたは液
晶）である。

【００１３】また，２８は利用者により選択された各業
務に応じて通信線を介して暗証番号，口座データ（残高
等），振り替え情報等の離れた位置にあるセンタのホス
トと連携するデータを送受信するホスト連携部，２９は
利用者が挿入するカードをカード情報読み出し・書き込
み部２２の位置に移動したり，排出する機構で構成する
カード搬入出部，３０は現金搬入出部，３１は取引の内
容をプリントして搬出する明細書作成・搬出部，３２は
取引内容を記録しておくためのジャーナル（明細書控
え）取得部，３３は障害の発生や異常事態を知らせるた
めの警報部である。

【００１４】上記のような現金自動預金支払機のハード
ウェア構成において，個人向けの操作画面を用いた実施
例の処理フローが図３に示されている。カード２には，
従来と同様の口座番号等の情報の他に操作画面情報が記
憶されている。このカード２に記憶される操作画面情報
に関する処理及びその更新処理の構成は後述する図５乃
至図８を用いて説明する。

【００１５】図３において，カード２を現金自動預金支
払機のカード挿入口に入力すると，カード搬入出部２９
（図２）によりカード情報読み出し・書き込み部２２に
搬送されて，カード情報がメモリ２０（図２）に読み込
まれる（図３のａ）。そのカード情報に従って，操作画
面が作成され，画面記憶部２５に記憶されると共にディ
スプレイ２７に表示される（図３のｂ）。

【００１６】次にこの操作画面に対応して操作パネル２
３の操作キー入力が行われると（図３のｃ），入力位置
がキー入力値解読部２４により解析されると共に，現在
の画面記憶部２５の情報を参照することにより各入力キ
ーの対応付け（キー位置とそのキーが意味する数値との
対応付け）や，処理の振り分け（暗証番号のチェック，
入金，出金，照会等の業務）をこのＣＰＵで解析する
（図３のｄ）。

【００１７】次に解析結果を判定して（図３のｅ），エ
ラーなら再度入力されるのを待ち（図３のｆ），業務が
選択されると対応する業務に移行し（図３のｇ），次の
操作画面を出力が行われ（図３のｂ），その業務におけ
るキー入力（金額処理等）の処理が引き続いて行われ
る。暗証番号の入力を実行している場合は，暗証番号を
退避する処理を行い（図３のｈ），預金または支払いの
金額処理時には，ホスト連携処理が行われ（図３の
ｉ），図２の現金搬入出部３０における現金入出力や，
明細書作成・搬出部３１における入出金の明細書，照会
結果（残高照会時）の明細書の作成及びジャーナル取得
部３２におけるジャーナル出力処理等の処理が行われる
（図３のｊ）。

【００１８】さらに，カード機能（カードの更新）が指
定されいる時は，カード情報更新処理が実行され（同
ｋ），取消が指定されている時は何も処理を実行せず
に，操作画面の出力の状態に戻る（同ｌ）。図４は，上
記の処理においてカードを入力した時に表示される個人
向け操作画面の表示例である。は操作画面の初期の内
容（固定）であり，この状態で，業務を指定すると，利
用者が所有するカードに記憶された操作画面情報に応じ
た画面パターンが発生する。は画面パターン１の例
で，暗証番号を入力する時のパターンで，この暗証番号
によりチェックが良好の場合，に示すような金額を入
力する操作画面のパターンが発生する。このパターン１
は操作キーの配列が変えられている例である。

【００１９】，は画面パターン２の場合の，暗証番
号を入力する時のパターンと金額を入力する時のパター
ンである。この例のように各機能（暗証番号入力と金額
入力）に応じて操作画面のパターンを変えているが，同
じ利用者による一連の処理に共通のパターンを使用して
もよい。このパターン２は画面レイアウト自体を変えた
例である。

【００２０】次にカードに操作画面の情報を保持及び変
更するための実施例の構成を図５乃至図８により説明す
る。現金自動預金支払機用のカードに操作画面の情報を
保持する形態として，次の２つがある。

【００２１】(1) カード内に操作画面のパターン番号を
記憶し，現金自動預金支払機内に各パターン番号に対応
する操作画面のイメージデータ及び対応付けのデータ
（テーブル）が格納されている形態。 (2) カード内に操作画面のイメージデータと対応付けの
データ（テーブル）を記憶し，現金自動預金支払機内で
その内容に基づいて処理する形態。

【００２２】上記の(1) の形態をとる場合の，構成例を
図５，図６に示す。図５は上記(1) のカード内に操作画
面のパターン番号を記憶した場合の, 画面表示及び操作
キーの認識の構成例，図６はカード内に操作画面のパタ
ーン番号を記憶した場合にその内容を更新するための構
成例である。

【００２３】図５の各部は，図２と同様に，２は現金自
動預金支払機用のカード，２０はメモリ，２３はディス
プレイ２７の表示画面に設けられた操作パネルを表す。
現金自動預金支払機用のカード２には，パターン番号と
キー位置情報が記憶されている。キー位置情報として
は，図５の右下に示すような雛形キー値対応表が用いら
れる。この対応表は，パターン番号に対応する操作画面
上の各キー（数値キー）位置に対して雛形キー値（場所
を表す番号を意味する）が付与され，これらの各位置が
実際にどの数値を意味するかを定義する値がカード内キ
ー値として記憶されている。図の例では，キー番号０
（雛形キー値）は，数値「４」を意味し，キー番号１は
数値「７」を意味する。

【００２４】メモリ２０には予め各パターン番号に対応
する操作画面のレイアウト情報（数字キーや業務指定キ
ー等のイメージデータ）が画面パターン群として格納さ
れている。現金自動預金支払機用のカード２を現金自動
預金支払機に挿入すると，カード情報の読込処理（図５
の，図３のａに対応）が行われ，カード内のパターン
番号は操作画面出力処理（図５の，図３のｂに対応）
に供給され，キー位置情報はメモリ２０に蓄積される。

【００２５】この操作画面出力処理によりメモリ２０の
画面パターン群の中から対応するパターン番号の画面レ
イアウト情報を得る。また，キー位置情報からキーレイ
アウトを得て画面を出力して表示する。操作パネル２３
に対して入力操作が行われると，操作キー値（雛形キー
値）が読込まれ，次にその操作キー値をメモリ２０に蓄
積したキー位置情報を参照して実際に表す数値を認識す
る（図５の，，図３のｃに対応）。

【００２６】図６によりカードに記憶されたパターン情
報を更新する場合，カードを挿入した状態において，パ
ターンの更新を指定すると（図６の），画面パターン
出力処理が行われて図５と同様のメモリ２０に記憶され
た画面パターン群のレイアウト（この場合，テンキーの
レイアウト）が複数個操作パネル上に出力表示され（図
６の），その中から希望する画面が選択できる状態に
なる。図の場合は，４つのレイアウトが出力された例で
あり，テンキーの配列位置が網掛けのエリアである。

【００２７】この表示内容から１つを選択する（操作パ
ネル上で対応するパターン位置を押す）と，対応する画
面パターンの読込処理が行われる（図６の）。次に，
キーパターン出力処理が起動して，メモリ２０のキー位
置情報を読み出して操作パネル上に表示する（同）。
この場合，雛形操作キーレイアウト（基本的なキーの配
列だけ）が表示される。

【００２８】この雛形操作キーレイアウトの各キーに対
して独自に利用者が希望する数値を設定（例えば，操作
したキーの順番に数値が付与される）して，独自の操作
キーレイアウトを作成する。終了すると，キーパターン
読込処理が実行される（図６の）。画面情報書込み処
理は，画面パターン読込みとキーパターン読込み処理が
終了すると，読込まれた画面パターンとキーパターン情
報を現金自動預金支払機用のカード２の画面情報として
書き込む処理を行い（同），更新されたカード２が得
られる。

【００２９】次に上記の(2) として挙げたカード内に操
作画面のイメージデータと対応付けのデータ（テーブ
ル）を記憶する場合の構成例を図７，図８に示す。図７
はカードにイメージデータを記憶する場合の画面表示及
び操作キーの認識のための構成例，図８はカードにイメ
ージデータを記憶する場合の更新のための構成例であ
る。

【００３０】図７において，２，２０，２３は上記図５
と同様の装置を表す。現金自動預金支払機用のカード２
には，画面のイメージデータと，操作キーの位置を表す
情報が記憶され，カード利用時は常にキー位置情報を用
いてキー値を認識する。またカード内の画面レイアウト
変更時は操作キー位置情報も同時に更新する。図７の右
下にカードに記憶された操作キーの位置情報の内部形式
が示され，各キーのＸＹ軸座標位置とそこに設定された
キー値の対応表により構成される。

【００３１】画面表示と操作キー値認識の構成を説明す
ると，カードから画面データ（イメージデータ），キー
位置情報の読込処理が行われ，メモリ２０にそれぞれ格
納される（図７の）。次に操作画面出力処理が実行さ
れ（図７の），メモリ２０の画面データとキー位置情
報（前記対応表）を参照しながら出力処理が行われて操
作パネルに操作画面を出力する。この表示画面に対して
利用者が入力操作を行うと，操作キー値が操作パネルか
ら読込まれ，操作キー値読込処理が実行される（図７の
）。この時，メモリ２０のキー位置情報（前記対応
表）を参照することにより押下されたキー値を認識する
（図７の）。

【００３２】イメージデータで画面を記憶したカードを
更新する場合，図８に示すように，画面登録用紙に画面
レイアウト及びキー情報（位置情報）を書き込む。この
中の画面レイアウトは登録用紙読込処理によりイメージ
データとして読込まれ，キー情報（ＸＹ軸座標・キー値
対応表）はデータとして別途キー入力処理される（図８
の）。読込まれたイメージデータはメモリ２０に画面
データとして格納され，入力されたキー位置情報もメモ
リ２０に一旦格納され，続いて画面情報書込み処理が実
行されることにより，現金自動預金支払機用カード２に
メモリ２０から画面データとキー位置情報が書込まれ
る。（図８の）。

【００３３】

【発明の効果】本発明によれば操作画面のパターン及び
操作キー配列を利用者が変えられ，利用時に利用者が設
定（選択）した操作画面で操作できるので現金自動預金
支払機の操作の機密保護を達成することができ，利用者
の操作も簡単になり操作性を向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の原理構成図である。

【図２】本発明が実施されるハードウェア構成図であ
る。

【図３】実施例の処理フローである。

【図４】個人向け操作パターンの具体例である。

【図５】カード内に操作画面のパターン番号を記憶した
場合の, 画面表示及び操作キーの認識の構成例である。

【図６】カード内に操作画面のパターン番号を記憶した
場合にその内容を更新するための構成例である。

【図７】カードにイメージデータを記憶する場合の画面
表示及び操作キーの認識のための構成例である。

【図８】カードにイメージデータを記憶する場合の更新
のための構成例である。

【図９】従来の現金自動預金支払機における操作画面の
出力例である。

【符号の説明】

１ 現金自動預金支払機 １０ 処理装置 １１ カード情報入力解析部 １２ 操作画面作成表示部 １３ キー操作入力解読部 １４ 業務処理部 １５ カード情報更新処理部 １６ 操作パネル ２ 現金自動預金支払機用のカード

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 現金自動預金支払機のキー入力方式にお
   いて，カード所有者が希望するキー配列情報を含む操作
   画面情報を記憶した現金自動預金支払機用カードを設
   け，現金自動預金支払機にカード読み取り手段と，表示
   画面上でキー入力が可能な操作パネルと，各部の制御を
   行う処理装置を備え，前記処理装置は，前記カードの操
   作画面情報を解読すると対応する操作画面を作成表示
   し，前記操作パネルへのキー入力を解読して対応する業
   務処理を起動することを特徴とする現金自動預金支払機
   のキー入力方式。
2. 【請求項２】 請求項１において，前記現金自動預金支
   払機の処理装置は，前記カード内の操作画面情報を更新
   指示により，予め用意した複数のパターンの中から１つ
   を選択した入力または，操作画面のイメージデータの入
   力をカードに書き込むことにより更新されることを特徴
   とする現金自動預金支払機のキー入力方式。