JPH05134433A - 正帯電型電子写真感光体 - Google Patents

正帯電型電子写真感光体

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JPH05134433A
JPH05134433A JP29421891A JP29421891A JPH05134433A JP H05134433 A JPH05134433 A JP H05134433A JP 29421891 A JP29421891 A JP 29421891A JP 29421891 A JP29421891 A JP 29421891A JP H05134433 A JPH05134433 A JP H05134433A
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JP
Japan
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carbon atoms
charge
less carbon
layer
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Application number
JP29421891A
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English (en)
Inventor
Masayuki Mishima
雅之 三島
Harumasa Yamazaki
晴正 山崎
Koji Akiyama
孝治 秋山
Tadashi Sakuma
正 佐久間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度、高耐久性の正帯電型電子写真感光体
を提供する。 【構成】 導電性支持体とその上に形成された感光層を
必須の構成要素とし、感光層中に一般式(1) で示される
ビナフチルテトラカルボン酸ジイミド化合物を含む正帯
電型電子写真感光体。 【化1】 (式中、 Rは炭素数8以下のアルキル基、アラルキル基
又はアリール基、R'、R"は同一もしくは相異なって炭素
数8以下のアルキレン基、Rcは炭素数8以下のシクロア
ルキレン基又はアリーレン基を示す。A1、A2は同一もし
くは相異なって、水素原子、炭素数4以下のアルキル
基、ニトロ基、シアノ基、カルボン酸エステル基又はハ
ロゲン原子を示す。k、m、nは同一もしくは相異なっ
て0又は1の整数であり、k、m、nすべてが0になる
ことはない。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は正帯電型電子写真感光体
に関し、更に詳しくは感光層中にビナフチルテトラカル
ボン酸ジイミド化合物を電子輸送材として含む高感度、
高耐久性の正帯電型電子写真感光体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
電子写真方式を用いた複写機、プリンターの発展は目覚
ましく、用途に応じて様々な形態、種類、機能の機種が
開発され、それに対応して用いられる感光体も多種多様
のものが開発されつつある。従来、電子写真感光体とし
ては、その感度、耐久性の面から硫化カドミウム、セレ
ン合金等の無機化合物が主として用いられてきた。しか
しながら、これらは有害物質を使用している場合が多
く、公害をもたらす原因となる。また、感度が良好なセ
レン合金を用いる場合、蒸着法等により導電性支持体上
に薄膜を形成する必要があり、生産性が劣り、コストア
ップの原因となる。
【0003】一方、有機感光体は、焼却が可能であり、
無公害の利点を有し、更に多くのものは塗工により薄膜
形成が可能で大量生産が容易である。それ故にコストが
大幅に低減でき、また用途に応じて様々な形状に加工す
ることができるという長所を有している。有機感光体と
しては、導電性支持体上に電荷発生層を設け、更にその
上にヒドラゾン化合物、トリアリールアミン化合物、ス
チルベン化合物等に代表される正孔輸送材を含む電荷輸
送層を設けた負帯電機能分離型が主流となっている。し
かしながらこの負帯電型感光体ではコロナ帯電器等によ
る負帯電過程においてオゾンや窒素酸化物が発生し、そ
れが上記正孔輸送材を酸化し、感光体劣化の大きな原因
の一つになっている。また感光体表面の負電荷は不安定
であり、解像度の悪化、像流れ等の原因ともなる。これ
らを解決する方法として酸化防止剤の添加や、オーバー
コート層の設置等が提案されているが、未だ満足するも
のは得られていない。一方、帯電時にオゾンや窒素酸化
物が発生しない方法として、正帯電型有機感光体が開発
されつつある。正帯電型にすることによりオゾンや窒素
酸化物の発生は10分の1にも低減することができ、感
光体の耐久性の向上をもたらすことが可能となる。また
正電荷は安定であるために高画質を与える感光体とする
ことができる。
【0004】正帯電型感光体としては、3つの型が考え
られる。即ち、逆層型、単層型及び電子移動機能分離型
である。逆層型とは前記負帯電機能分離型の電荷発生層
と電荷輸送層とを逆にしたものであり、電荷発生層が最
表面にくることになる。この電荷発生層はサブミクロン
に塗工されるものが多く、電子写真プロセスにおける摩
耗に耐えることが困難であり、耐久性に問題がある。単
層型とは電子輸送能力を持つ電荷発生材と上記正孔輸送
材とを導電性支持体上に同一層に設けたものであり、こ
の方法では電荷の再結合が避けられず、高感度な感光体
は得られ難い。電子移動機能分離型とは導電性支持体上
に電荷発生層を設け、さらにその上に電子輸送材を含む
電荷輸送層を設けたものである。この方法では機能分離
型であり、電荷の再結合は避けられ、また最表面層は数
10ミクロンの電荷輸送層であるため、機械的摩耗にも
耐えることができる。しかしながら、安定な電子輸送材
が殆ど知られておらず、例えばトリニトロフルオレノン
等のフルオレノン化合物(ジャーナル オブ アプライ
ド フィジクス,43巻,12号,5033頁(1972年)、ジャ
ーナル オブ イメージング サイエンス,29巻,2
号,69頁(1985年))、ジフェノキノン化合物(第65回
電子写真学会研究討論会論文集,77頁(1990年))等が
知られているのみであり、これらも繰り返し使用には充
分に耐えることができないのが現状である。また、トリ
ニトロフルオレノンは発ガン性物質であり、これらに代
わる安定で安全な電子輸送材の開発が強く望まれてい
る。
【0005】このように現在の正帯電型電子写真有機感
光体では多くの問題がみられ、これらを改良することが
当該分野で強く要請されているのが実情である。本発明
の目的は、まさにこの点にあり、かかる課題を解決する
ものとして優れた電子輸送材を含む正帯電型電子写真感
光体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至
った。すなわち本発明は、導電性支持体とその上に形成
された感光層を必須の構成要素とし、感光層中に一般式
(1) で示されるビナフチルテトラカルボン酸ジイミド化
合物を含むことを特徴とする正帯電型電子写真感光体を
提供するものである。
【0007】
【化2】
【0008】(式中、 Rは炭素数8以下のアルキル基、
アラルキル基又はアリール基、R'、R"は同一もしくは相
異なって炭素数8以下のアルキレン基、Rcは炭素数8以
下のシクロアルキレン基又はアリーレン基を示す。A1
A2は同一もしくは相異なって、水素原子、炭素数4以下
のアルキル基、ニトロ基、シアノ基、カルボン酸エステ
ル基又はハロゲン原子を示す。k、m、nは同一もしく
は相異なって0又は1の整数であり、k、m、nすべて
が0になることはない。) 一般式(1) において、 Rは炭素数8以下のアルキル基、
アラルキル基又はアリール基を示し、炭素数8以下のア
ルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、 sec−ブ
チル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n
−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル等の基をあげ
ることができる。アラルキル基としてはアリール基部分
が無置換もしくはアルキル基等で置換されたフェニル基
等で、アルキレン基部分が炭素数1〜3のものがあげら
れる。例えばベンジル基、フェニルエチル基等をあげる
ことができる。アリール基としては無置換もしくはアル
キル基等で置換されたフェニル基、ナフチル基をあげる
ことができる。R'、R"は同一もしくは相異なって炭素数
8以下の直鎖もしくは分岐のアルキレン基を示し、例え
ばメチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレ
ン、n−ブチレン、 sec−ブチレン、t−ブチレン、n
−ペンチレン、イソペンチレン、ネオペンチレン、n−
ヘキシレン、n−オクチレン等の基をあげることがで
き、好ましくはメチレン基、エチレン基である。Rcは炭
素数8以下のシクロアルキレン基又はアリーレン基を示
し、シクロアルキレン基としては、例えば、シクロブチ
レン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロヘ
プチレン、シクロオクチレン等の基をあげることがで
き、好ましくはシクロヘキシレン基である。また、アリ
ーレン基としてはフェニレン基、ナフチレン基等をあげ
ることができる。k、m、nは同一もしくは相異なって
0又は1の整数であり、すべてが0になることはない。
【0009】一般式(1) において、A1、A2は同一もしく
は相異なって水素原子、炭素数4以下のアルキル基、ニ
トロ基、シアノ基、カルボン酸エステル基又はハロゲン
原子を示すが、炭素数4以下のアルキル基としてはメチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、 sec−ブチル等の基をあげることがで
きる。ハロゲン原子としては塩素原子、フッ素原子、臭
素原子をあげることができる。又、A1、A2はナフタレン
環のいずれの位置に結合していてもよい。
【0010】本発明に用いられる一般式(1) で示される
ビナフチルテトラカルボン酸ジイミド化合物は通常のカ
ルボン酸イミドを合成する際に用いられている公知の方
法に準じて合成することができる。例えば、一般式(2) H2N-(R")n-(Rc)m-(R')k-COOR(2) (式中、R、R'、R"、Rc、k、m、nは式(1) と同じ) で示されるω−アミノ酸エステルとビナフチルテトラカ
ルボン酸二無水物とを縮合することにより得ることがで
きる。また別の方法としては、まず一般式(3) HN−(R”)−(Rc)−(R’)−COO
H(3) (式中、R’、R"、Rc、k、m、nは式(1) と同じ) で示されるω−アミノ酸とビナフチルテトラカルボン酸
二無水物とを縮合せしめ、その後にエステル化すること
により、高収率で目的化合物を得ることができる。
【0011】かくして製造される一般式(1) で示される
ビナフチルテトラカルボン酸ジイミド化合物のN置換ア
ルキル基の末端にはカルボン酸エステル基が置換されて
いる。このようにすることにより、高電子移動度を示す
ことができ、感光体の高感度化が可能となった。またそ
ればかりでなく、フルオレノン系の電子輸送材に比べて
格段にその安定性を増すことができ、溶剤、結着剤との
相溶性を大幅に改善することが可能になった。また結晶
性も殆どなく、常温でアモルファス状態を維持し、使用
中に劣化することは認められなかった。ビナフチルテト
ラカルボン酸ジイミド化合物については、ドイツ特許第
2306399号に記載されているが、そのものの電子
写真感光体への応用には全く触れられておらず、本発明
においてその有効性が明らかになった。また、同ドイツ
特許に末端エステル基のビナフチルテトラカルボン酸ジ
イミド化合物が例示されているが、そのエステル基の有
効性についても述べられていない。本発明はこのエステ
ル基による化合物の安定性、高電子移動性、相溶性の向
上を見出し、電子写真感光体への応用が有効であること
を見出したものである。
【0012】本発明に用いられる一般式(1) で示される
ビナフチルテトラカルボン酸ジイミド化合物の代表的な
例としては、次のようなもの(化合物(4) 〜(41)) があ
げられるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】
【化7】
【0018】
【化8】
【0019】
【化9】
【0020】
【化10】
【0021】
【化11】
【0022】
【化12】
【0023】これらの化合物は、多くの溶剤に可溶であ
り、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリ
ン、クロロベンゼン等の芳香族系溶剤;ジクロロメタ
ン、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロ
エチレン、四塩化炭素等のハロゲン系溶剤;酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ギ酸メチル、ギ酸エチ
ル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;ジエチルエー
テル、ジプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロ
フラン等のエーテル系溶剤;メタノール、エタノール、
イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤;ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスル
ホキシド等に可溶である。
【0024】電子写真感光体を作製するにあたっては、
例えば、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を
薄膜状に形成せしめる。導電性支持体の基材としては、
アルミニウム、ニッケル等の金属、金属蒸着高分子フィ
ルム、金属ラミネート高分子フィルム等を用いることが
でき、ドラム状、シート状又はベルト状の形態で導電性
支持体を形成する。
【0025】電荷発生層は、電荷発生材及び必要に応じ
て結合剤、添加剤よりなり、蒸着法、プラズマCVD
法、塗工法等の方法で作製することができる。電荷発生
材としては、特に限定されることはなく、照射される特
定の波長の光を吸収し、効率よく電荷を発生するものな
ら有機材料、無機材料のいずれも好適に使用することが
できる。有機電荷発生材料としては、例えばペリレン顔
料、多環キノン顔料、無金属フタロシアニン顔料、金属
フタロシアニン顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、
チアピリリウム塩、スクエアリウム塩、アズレニウム顔
料等があげられる。無機電荷発生材としては、例えば酸
化亜鉛、硫化カドミウム、セレン、セレン合金、アモル
ファスシリコン、アモルファスシリコンカーバイド等が
あげられる。有機電荷発生材は、主として結合剤中に分
散せしめ、塗工により電荷発生層を形成することができ
る。形成された電荷発生層の膜厚は 0.1乃至 2.0μm が
好ましく、更に好ましくは 0.1乃至 1.0μm である。
【0026】必要に応じて用いられる結合剤は絶縁性樹
脂なら特に限定されることはなく、例えばポリカーボネ
ート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド等の
縮合系重合体;ポリエチレン、ポリスチレン、スチレン
−アクリル共重合体;ポリアクリレート、ポリメタクリ
レート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマー
ル、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、アク
リロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の付加重合体;ポリ
スルホン、ポリエーテルスルホン、シリコン樹脂等が適
宜用いられ、一種もしくは二種以上のものを混合して用
いることができる。上記結合剤の使用量は、電荷発生材
に対して 0.1乃至3重量比であり、好ましくは 0.1乃至
2重量比である。
【0027】また必要に応じて用いられる添加剤として
は、酸化防止剤、消光剤、分散剤、接着補助剤、増感剤
等をあげることができる。電荷発生層の塗工手段は特に
限定されることはなく、例えばディップコーター、バー
コーター、カレンダーコーター、グラビアコーター、ス
ピンコーター等を適宜使用することができ、また、電着
塗工、スプレー塗工等も可能である。
【0028】次に、該電荷発生層の上部に、一般式(1)
で示されるビナフチルテトラカルボン酸ジイミド化合物
を含む電荷輸送層を薄膜状に形成せしめる。薄膜形成法
とししては主に塗工法が用いられ、一般式(1) で示され
るビナフチルテトラカルボン酸ジイミド化合物を必要に
応じて結合剤及び必要に応じて用いられる添加剤と共に
溶剤に溶解し、電荷発生層上に塗工せしめ、その後乾燥
せしめればよい。用いられる溶剤としては、上記の化合
物及び必要に応じて用いられる結合剤が溶解し、かつ電
荷発生層が溶解しない溶剤なら特に限定されることはな
く、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリ
ン、クロロベンゼン等の芳香族系溶剤;ジクロロメタ
ン、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロ
エチレン、四塩化炭素等のハロゲン系溶剤;酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ギ酸メチル、ギ酸エチ
ル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;ジエチルエー
テル、ジプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロ
フラン等のエーテル系溶剤;メタノール、エタノール、
イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤;ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスル
ホキシド等を挙げることができる。
【0029】必要に応じて用いられる結合剤は電荷発生
層に用いられるものと同様のものを用いることができ
る。結合剤の使用量は、電荷輸送材に対して0.1乃至3
重量比であり、好ましくは 0.1乃至2重量比である。結
合剤の使用量が3重量比よりも大であると、電荷輸送層
における電荷輸送材濃度が小さくなり、感度が悪くな
る。また、 0.1重量比よりも小さいと結合剤としての効
果を発揮しないようになる。また必要に応じて用いられ
る添加剤としては、酸化防止剤、消光剤、分散剤、接着
補助剤、増感剤等をあげることができる。電荷輸送層の
塗工手段は電荷発生層の時と同様の方法をとることがで
きる。
【0030】このようにして形成された電荷輸送層の膜
厚は10乃至50μm であり、更に好ましくは10乃至30μm
である。膜厚が50μm よりも大であると電荷の輸送に時
間を要するようになり、感度低下の原因となる。一方、
10μm より小であると機械的強度が低下し、感光体の寿
命が短いものとなり好ましくない。以上の如くにして一
般式(1) で示されるビナフチルテトラカルボン酸ジイミ
ド化合物を含む電子写真感光体を作製することができる
が、本発明では更に導電性支持体と電荷発生層の間に必
要に応じて下引き層、接着層、バリヤー層等を設けるこ
ともできる。
【0031】こうして得られた電子写真感光体の使用に
際しては、まず感光体表面をコロナ帯電器等により正に
帯電せしめる。帯電後、露光することにより電荷発生層
内で電荷が発生し、負電荷が電荷輸送層内に注入され、
これが電荷輸送層中を通って表面にまで輸送され、表面
の正電荷が中和される。一方、露光されなかった部分に
は正電荷が残ることになる。正規現像の場合、負トナー
が用いられ、この正電荷が残った部分にトナーが付着し
現像される。反転現像の場合には、正トナーが用いら
れ、電荷が中和された部分にトナーが付着し現像される
こととなる。本発明における電子写真感光体はいずれの
現像方法においても使用可能であり、高画質を与えるこ
とができる。
【0032】
【実施例】以下、合成例、実施例及び比較例により本発
明を具体的に例示するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0033】合成例 ビナフチルテトラカルボン酸ジイミド化合物の合成(例
示化合物(20)) 攪拌装置、冷却管を備え付けた 500ml三ツ口フラスコに
ビナフチルテトラカルボン酸二無水物73g(18.6mmol)、
4−(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸7g(4
4.8mmol)、ジメチルホルムアミド(DMF)300ml を入
れ、還流を15時間行った。この熱DMF溶液を濾過し、
濾液を室温にまで冷却した。1日放置後沈澱した結晶を
濾過し、水で2回、メタノールで2回洗浄し、乾燥し
た。以上のようにして末端がカルボン酸のジイミド化合
物を 9.6g(収率77%)得た。次に該結晶を攪拌装置、
冷却管を備え付けた 500ml三ツ口フラスコに入れ、そこ
へn−ブタノール 300ml、濃硫酸1mlを入れ、還流を8
時間行った。その後室温で1日放置し、生じた淡赤色結
晶を濾過した。該結晶をn−ブタノールで1回、メタノ
ールで2回洗浄し、乾燥することにより、目的化合物で
あるビナフチルテトラカルボン酸ジイミド化合物(例示
化合物(20)) を10.1g(収率90%)得た。
【0034】実施例1 X型無金属フタロシアニン5g、ブチラール樹脂(エス
レックBM−2、積水化学(株)製)5gをシクロヘキ
サノン90mlに溶解し、ボールミル中で24時間混練した。
得られた分散液をアルミ板上にバーコーターにて乾燥後
の膜厚が 0.15μm になるように塗布し、乾燥させ、電
荷発生層を形成した。次に、合成例により得られたビナ
フチルテトラカルボン酸ジイミド化合物(化合物(20))
5g、ポリカーボネート樹脂(レキサン 131−111 、エ
ンジニアリングプラスチックス(株)製)5gをジクロ
ロエタン90mlに溶解し、これを先に形成した電荷発生層
上にブレードコーターにて乾燥後の膜厚が25μm になる
ように塗布して乾燥させ、電荷輸送層を形成した。
【0035】このように作製した電子写真感光体を
(株)川口電機製作所製、静電複写紙試験装置EPA−
8100を用いて、4.5kVのコロナ電圧で帯電させたとこ
ろ、初期表面電位V0 は 580Vであった。暗所にて2秒
放置後の表面電位V2 は 570Vとなった。次いで発振波
長 790nmの半導体レーザーを照射し、半減露光量E1/2
を求めたところ、0.35μJ/cm2 であり、残留電位VR
1.8Vであった。次に、5000回上記操作を繰り返した
後、V0 、V2 、E1/2 、VR を測定したところ、それ
ぞれ 560V、 550V、0.36μJ/cm2 、 4.7Vであり、ま
た感光体の作製後、試験の終了まで結晶の析出は全く認
めなかった。従って、感光体の性能は殆ど衰えておら
ず、高い耐久性を示すことがわかった。
【0036】実施例2〜10 電荷輸送材として、それぞれ表1に示した化合物番号の
ものを用いる以外は実施例1と同様にして感光体を作製
し、性能評価を行った。その結果を表1に示したが、実
施例1と同様の結果であった。
【0037】
【表1】
【0038】実施例11 実施例1において、X型無金属フタロシアニンの代わり
に下記式(42)で示されるジブロモアントアントロンを電
荷発生材として用いる以外は全く同様にして感光体を作
製し、また照射光源として790nmの半導体レーザーの代
わりに照度5 luxのハロゲンランプを用いる以外は全く
同様にして評価を行った。
【0039】
【化13】
【0040】その結果、初期のV0 、V2 、E1/2 、V
Rは、それぞれ 610V、 600V、1.2lux・sec 、 3.3
V、5000回後のV0、V2、E1/2 、VR は、それぞれ 6
00V、580V、 1.2 lux・sec 、 7.1Vであり、また感
光体の作製後、試験の終了まで結晶の析出を全く認めな
かった。従って、感光体としての性能は優れており、高
い耐久性を示すことがわかった。
【0041】実施例12〜18 電荷輸送材として、それぞれ表2に示した化合物番号の
ものを用いる以外は実施例11と同様にして感光体を作
製し、性能評価を行った。その結果を表2に示したが、
実施例11と同様の結果であった。
【0042】
【表2】
【0043】比較例1 実施例1において、ビナフチルテトラカルボン酸ジイミ
ド(化合物(20))の代わりに、次の式(43)で示される 2,
4,7−トリニトロ−9−フルオレノン化合物を用いる以
外は全く同様にして感光体を作製した。
【0044】
【化14】
【0045】このものを用いて実施例1と同様の方法で
性能評価を行った。4.5kVのコロナ電圧で帯電させたと
ころ、初期表面電位V0 は620Vであった。暗所にて2
秒放置後の表面電位V2 は 615Vとなった。次いで発振
波長 790nmの半導体レーザーを照射し、半減露光量E
1/2 を求めたところ、0.53μJ/cm2 であり、残留電位V
R は21.3Vであった。次に、5000回上記操作を繰り返し
た後、V0 、V2 、E1/2 、VR を測定したところ、そ
れぞれ 570V、 510V、1.27μJ/cm2 、82.5Vであり、
感光体の感度、耐久性ともに劣るものであった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体とその上に形成された感光
    層を必須の構成要素とし、感光層中に一般式(1) で示さ
    れるビナフチルテトラカルボン酸ジイミド化合物を含む
    ことを特徴とする正帯電型電子写真感光体。 【化1】 (式中、 Rは炭素数8以下のアルキル基、アラルキル基
    又はアリール基、R'、R"は同一もしくは相異なって炭素
    数8以下のアルキレン基、Rcは炭素数8以下のシクロア
    ルキレン基又はアリーレン基を示す。A1、A2は同一もし
    くは相異なって、水素原子、炭素数4以下のアルキル
    基、ニトロ基、シアノ基、カルボン酸エステル基又はハ
    ロゲン原子を示す。k、m、nは同一もしくは相異なっ
    て0又は1の整数であり、k、m、nすべてが0になる
    ことはない。)
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