JPH0513425U - 電動車椅子の乗降装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電動車椅子への乗降を容易に行なう。 【構成】 電動車椅子の肘掛４を上方へ退避回動自在に
設けこの操作に伴って椅子２とその支持装置１との間に
設ける係止装置３の係止作用を解除し、椅子２を水平回
動可能に構成する。 【効果】 電動車椅子への乗降の際に肘掛４を上方へ退
避回動させると、この操作に伴って椅子２とその支持装
置１との間の係止装置３の係止作用が解除され、次いで
椅子２を機体に対し斜め方向に回動させるのみで椅子２
の前側方が広く開放される為、簡単な操作で容易に電動
車椅子へ乗降できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、高齢者等が利用する電動車椅子の乗降装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

電動車椅子にあって、乗降を容易にする為椅子を水平方向に回動自在に設ける 技術は実開昭６１−１６３６２９号等に、又、肘掛を上方へ退避回動自在に設け る技術は実開平２−１３０６２８号等に開示されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来、肘掛付椅子を有する電動車椅子への乗降時には、該椅子を水平方向に回 動させ機体真横に向けて位置させ、該椅子前方にハンドル等の障害物が全く存在 しない状態で乗降する場合が多い。しかしながらこの場合には、椅子の回動に伴 ってハンドル等の機体構成部材から順次手足が離れ、特に身体の不自由な者にと っては自身が搭乗する椅子を機体構成部材を押して機体真横位置まで回動させる ことは大変な作業である。 又、椅子を機体に対し斜め方向まで回動させるとともに、肘掛を上方へ回動さ せると椅子の前側方が開放され比較的容易に乗降できる。しかしながらこの場合 にあっては、椅子の固定を解除する操作と肘掛を上方へ回動させる繁雑な操作が 必要であり、特に、椅子の固定状態を解除する係止解除レバーは走行上支障がな く、且つ、搭乗車の邪魔にならない椅子の下側方に設けるものであるから、視認 が困難であり、又、その操作も容易ではない。 この考案は、この様な問題点を解決して乗降の容易な電動車を提供しようとす るものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

支持装置１に対し左右回動自在に椅子２を取着し、この両者間に椅子２を支持装 置１に固定する状態と、回動を許容する状態とに切替可能な係止装置３を設ける とともに、椅子２に肘掛４を上方へ退避回動可能に取着し該肘掛４の上方への回 動に連動して係止装置３の係止を解除し椅子２の回動を許容すべく構成してなる 電動車椅子の乗降装置の構成とする。

【０００５】

【考案の作用】

電動車椅子に乗降する際には、肘掛４を椅子２への枢支部を中心に上方へ回動 させると、この操作に連動して支持装置１と椅子２との間に設ける係止装置３が 解除され、椅子２が水平方向に回動可能な状態となる。 次に、椅子２を支持装置１を中心に回動させ機体に対し斜め方向まで回動させ ると、該椅子２の前側方位置には肘掛４はもちろんハンドル等も存在せず広く開 放され、乗降者はこの位置から容易に乗降することができる。又、乗降が終れば 、椅子２を支持設置１を中心に回動させ運転位置に復帰させるとともに、肘掛４ を下方に回動させれば係止装置３により椅子２を支持装置１へ固定することがで きる。

【０００６】

【考案の効果】

この考案は前述の如く構成するものであるから、肘掛４を上方へ回動させれば 支持装置１と椅子２との間の係止装置３が解除され、乗降に際して肘掛４の上方 への回動操作と椅子２の固定解除操作とを格別に行なう心配がなくその操作が簡 単であるとともに、従来の如く係止装置３の係止解除レバーを椅子２の下側方に 設けたものに比し、常時使用し手元に位置する肘掛４が係止解除レバーの機能を も奏する為その操作が極めて容易である。 又、椅子２の水平回動及び肘掛４の上方への回動を共に行えるものであるから 、椅子２を操作の困難な機体真横位置まで回動させることなく、機体斜め方向位 置まで回動させるのみで椅子２の前側方を広く開放させることができるものであ る。

【０００７】

【実施例】

図例において、機体５前部には一個の前輪６を軸架するとともに、ハンドル７ の操作によりハンドル軸８を介して該前輪６を操舵可能に構成してある。 機体後部には左右一対の後輪９，９を軸架し、リヤカバー１０内に収納する電 動機やギヤボックス等により駆動回転可能に構成してある。１２はバッテリカバ ーであって、内部にバッテリー等を収納してある。

【０００８】 該バッテリーカバー１２前方の機体５上面はステップ１３に形成し、更に、該 ステップ１３の前部には前照灯１４等を備えるフロントカバー１５を設けてある 。１６はフットカバーであって透明材により半球状に形成して足元を覆うべく構 成してある。 椅子２はリヤカバー１０上に支持装置１を介して保持され、座板１７、背凭１ ８、両側の肘掛４，４等から構成してある。

【０００９】 支持装置１は立設するパイプ１９と該パイプ１９上部に固着され外周を下方に 折曲する支板２０とから構成され、更に、該支板２０の後部折曲面に係止孔２１ を設けてある。 ２２は取付枠であり、鉄板をプレス加工により折曲して溝型状に形成する底板 ２３と両側板２４，２４及び、更に該両側板２４，２４から外側方へ水平状に折 曲延設する取付部２５，２５とから構成され、該取付部２５，２５を椅子２の座 板１７下面にボルト等により止着してある。

【００１０】 該取付枠２２の底板２３下面にはピン２６を溶着するとともに、該ピン２６を 支持装置１のパイプ１９に嵌入させるとことにより、椅子２を支持装置１に対し て水平方向に回動可能に構成してある。 又、取付枠２２の後部両側板２４，２４間には軸２７を回動自在に軸架すると ともに、該軸２７の中央部には係止体２８を固着してあり、該軸２７の回動に伴 って該係止体２８を支持装置１の係止孔２１に嵌脱自在になし、これらによって 係止装置３を構成してある。なお、取付枠２２の底板２３には係止体２８の通路 となるスリット２９を設けてある。

【００１１】 軸２７の両端には扇型板３０，３０の基部を取着してあり、更に、該扇型板３ ０の外周部には長孔３１を穿設してある。 椅子２の背凭１８上下中間部両側面には取付板３２，３２を取着してあり、該 取付板３２にはピン３３を夫々外側方へ突出させて固着し、更に、該ピン３３に はコの字状のブラケット３４を回動自在に嵌合させてある。該ブラケット３４基 部には肘掛４を取着し、又、該ブラケット３４の遊端側に設ける係止孔３５には 連結杆３６の一端を回動自在に係合させ、更に、該連結杆３６の他端は前述の扇 型板３０の長孔３１に係止させてある。

【００１２】 電動車椅子に乗降する際には、肘掛４を上方へ持上ると該肘掛４はブラケッッ ト３４と共にピン３３を中心矢印（イ）方向に回動され、該ブラケット３４に係 止される連結杆３６を押下げる。従って、連結杆３６下端に係止される扇型板３ ０は軸２７と共に矢印（ロ）方向へ回動され、該軸２７中央に取着の係止体２８ は矢印（ハ）方向へ回動され支持装置１の係止孔２１から離脱され、椅子２と支 持装置１との間の係止装置３が解除される。 この状態で、椅子２を支持装置１のパイプ１９に嵌合されるピン２６を中心に 水平方向に回動させ、機体に対し斜め方向まで回動させると、該椅子２の前側方 には肘掛４や機体構成部材が存在しない開放状態となり容易に椅子２に着席でき る。

【００１３】 続いて、椅子２を再び回動させ運転位置へ復帰させるとともに肘掛４を下方へ 回動させると、前記とは逆にブラケット３４が反矢印（イ）方向に回動され、連 結杆３６が引上げられて扇型板３０を反矢印（ロ）方向へ回動させる。従って扇 型板３０を一体的に固着する軸２７も同様に回動され、該軸２７中央に固着の係 止体２８は反矢印（イ）方向に回動されて支持装置１の係止孔２１に係合され椅 子２は機体に固定される。尚、扇型板３０に設ける長孔３１は、それぞれの部材 の回動角度が一致すれば不要である。 又、降車時にも乗降時と同様の操作を行なうことにより容易に降車できるもの である。 尚、安全の為椅子２が確実に固定されてから走行させる為、係止体２８の係止 孔２１への係止位置にリミットスイッチ等のセンサを設け、該センサ感知時にの み制御駆動装置を駆動可能に構成するもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】要部の側面図である。

【図２】要部の背面図である。

【図３】全体の側面図である。

【符号の説明】

１ 支持装置 ２ 椅子 ３ 係止装置 ４ 肘掛

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】 支持装置（１）に対し左右回動自在に椅子（２）を取着
し、この両者間に椅子（２）を支持装置（１）に固定す
る状態と、回動を許容する状態とに切替可能な係止装置
（３）を設けるとともに、椅子（２）に肘掛（４）を上
方へ退避回動可能に取着し該肘掛（４）の上方への回動
に連動して係止装置（３）の係止を解除し椅子（２）の
回動を許容すべく構成してなる電動車椅子の乗降装置。
1. 【請求項１】