JPH05132648A - アミノ樹脂水性分散体およびそれを用いた硬化性水性塗料 - Google Patents

アミノ樹脂水性分散体およびそれを用いた硬化性水性塗料

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JPH05132648A
JPH05132648A JP32389091A JP32389091A JPH05132648A JP H05132648 A JPH05132648 A JP H05132648A JP 32389091 A JP32389091 A JP 32389091A JP 32389091 A JP32389091 A JP 32389091A JP H05132648 A JPH05132648 A JP H05132648A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】水性塗料において使用を制限されるアミノ樹脂
を、アクリル系樹脂により水性分散体とする事により広
い適応性を実現することを目的とする。 【構成】本発明は、実質的に水不溶性のアミノ樹脂の存
在下、分子内にカルボキシル基またはアミノ基およびエ
チレン性α,β−不飽和二重結合を有する化合物,分子
内にアミノ樹脂と反応し得る官能基およびエチレン性
α,β−不飽和二重結合を有する化合物を必須成分とし
て、その他の分子内にエチレン性α,β−不飽和二重結
合を有する化合物と共にラジカル重合し、水性化するこ
とによりアミノ樹脂水性分散体を得る。 【効果】本発明により、熱硬化性付与成分として広く用
いられているアミノ樹脂を水系においても広範な自由度
を持って用いることが可能となる。また、本発明により
硬化物に高度の耐水性と機械的特性を付与することが可
能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、実質的に水不溶性アミ
ノ樹脂の水性分散体および該アミノ樹脂水性分散体を含
有してなる熱硬化性水性塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、メラミン系樹脂,グアナミン系樹
脂等のアミノ樹脂は、塗料等の樹脂組成物中、熱硬化性
付与成分として好適に用いられてきた。このようなアミ
ノ樹脂は、通常アルキッド樹脂,アクリル樹脂,エポキ
シ樹脂等と共に有機溶媒に溶解し溶剤型塗料等として用
いられる。熱硬化性付与成分として用いられるアミノ樹
脂は、得られるべき硬化物物性に鑑みメラミン系,ベン
ゾグアナミン系,アセトグアナミン系等を使い分け、ま
たそれらを適宜変性する事により使用される。一方近
年、労働安全衛生あるいは地球環境保全の見地から、塗
料等に用いられる溶媒を、環境に対する影響が少なくま
た引火等の危険性も低い水に置き換える動きが活発とな
ってきている。水性塗料用樹脂としてポリエステル樹
脂,アクリル樹脂,エポキシ樹脂等の水性化物は多く類
を見る事ができる。このような環境の中で、熱硬化性付
与成分として用いられるアミノ樹脂類に対しても、水系
塗料中で任意に使用できる事が要求されるのは当然であ
る。アミノ樹脂は、一般にホルムアルデヒドと縮合する
事によりメチロール化変性を施し、分子内に水酸基を導
入する事により親水化する事が行われている。しかしな
がら一般に、メチロール基が多すぎると硬化塗膜の耐水
性が悪くなったり、硬化反応に伴う脱ホルムアルデヒド
量が増大するため作業性にも問題を与える事が多い。ま
た、アミノ樹脂の親水性が十分でないと他の樹脂との相
溶性が劣り、塗液の均一性あるいは経時安定性が低下す
ることがある。このような場合、得られる硬化物には均
一性が望めない場合が多く、失透,被膜の耐久性の低下
といった問題を生じる。
【0003】そこでさらに、メチロール化したアミノ樹
脂を低級アルコールによりアルキルエーテル化変性しか
つ縮合度を小さくすることで他の樹脂類との相溶性,経
時安定性を改善する方策がとられる場合が多い。しかし
ながら一般に低級アルキルエーテル化物は高級アルキル
エーテル化物と比較した場合熱安定性は依然として低
く、塗料等に使用した場合には保存安定性の面で問題を
生じる。また、一般に低級アルコ−ルによるアルキルエ
ーテル化で親水性を付与したアミノ樹脂は、高級アルキ
ルエーテル化物と比較するとより親水性とする事ができ
るものの、水性塗料等に用いようとする場合には十分な
水溶性とは言い難い場合もある。従って、このようなア
ルキルエーテル化アミノ樹脂を水性塗料等に用いる場合
には、用いることのできる種類あるいは樹脂組成物中へ
の配合量等に少なからぬ制限を受け、得られる硬化物の
物性にもかなりの制限を受ける。また、アミノ樹脂の適
正な配合部数を確保するためには、アルコール等の親水
性溶媒を添加しなければならなくなる。
【0004】これらの制約を解消するためには、アミノ
樹脂を水中に安定に分散し、いわゆるエマルションの形
状にして用いる事が有効であると思われる。通常、水中
に疎水性物質を分散乳化する場合には、低分子量の界面
活性剤を乳化剤として用いるのが一般的であり、適当な
粒径の、安定性の良いエマルションを得る事ができる。
しかしながら、乳化分散に用いた界面活性剤は分散相の
表面に吸着しているだけであるため、硬化物の充分な耐
水性が得られない。このような場合、アクリル樹脂等の
高分子乳化剤を用いてアミノ樹脂の分散を行う事により
硬化物の耐水性を改善する事ができ、このような方法が
特公昭63−63586号公報に開示されている。すな
わち、アミノ樹脂溶液中においてアクリル酸,メタクリ
ル酸のような分子内にカルボキシル基を有するビニルモ
ノマーを他のビニルモノマーと共重合し、さらにエポキ
シ樹脂を溶解して中和し、水を添加する事により水性分
散体を得る方法である。一般に、高分子乳化剤により水
性分散体を得る場合、高分子乳化剤を分散質の表面に化
学的に結合させ、得られる硬化物の耐水性をさらに改善
する所作をとる。前記した方法では、この高分子乳化剤
と分散質表面間に化学結合を生じさせる手段としてアク
リル樹脂中のカルボキシル基とアミノ樹脂との縮合を利
用している。この反応を効果的に進行せしめるために
は、アクリル樹脂中にカルボキシル基を大量に存在させ
る必要があり、得られる硬化物の耐水性は劣るものであ
る。また、カルボキシル基とアミノ樹脂の反応は、反応
条件によりその反応率が異なるため高分子乳化剤である
アクリル樹脂の酸価をコントロールする事は困難であ
る。一般に、高分子乳化剤の酸価は、分散体の分散状
態,安定性に大きく影響を与えるため、樹脂酸価を厳密
にコントロールする事は安定な水性分散体を得る上で、
必要不可欠であると言える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の水性
アミノ樹脂の有する欠点、例えば、 1)親水性が十分でない。親水性が十分でないため、他
の水性樹脂成分等との相溶性が劣ったりそれを解決する
ために配合部数に制限を受けたり、相溶性改良のために
有機溶剤を添加せざるを得なかったりする。 2)硬化物物性に制限を受ける。高メチロール化度変性
あるいは低級アルキルエーテル化変性を施したアミノ樹
脂であるため縮合性が高く、これを熱硬化性付与成分と
して用いた場合硬化物の可撓性が劣る場合が多い。 3)揮散ホルムアルデヒド量が多い。上記したように反
応性が高く、即ちメチロール基の縮合によるホルムアル
デヒドの生成が著しい。 等を改良し、水性塗料等における熱硬化性付与成分とし
て好適に用いることができるアミノ樹脂を得るべく鋭意
研究を行った結果、該特性に優れる新規なアミノ樹脂水
性分散体およびそれを用いた水性塗料を見いだし、本発
明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は水性塗料、イン
キ等において熱硬化性付与成分として好適に用いること
ができるアミノ樹脂水性分散体、すなわち、実質的に水
不溶性のアミノ樹脂の存在下、分子内にカルボキシル基
およびエチレン性α,β−不飽和二重結合を有する化合
物,分子内にアミノ樹脂と反応し得る官能基およびエチ
レン性α,β−不飽和二重結合を有する化合物を必須成
分として、その他の分子内にエチレン性α,β−不飽和
二重結合を有する化合物と共にラジカル重合し、塩基性
物質により少なくとも部分的に中和した後、水性化する
ことにより得られるアミノ樹脂水性分散体および実質的
に水不溶性のアミノ樹脂の存在下、分子内にアミノ基お
よびエチレン性α,β−不飽和二重結合を有する化合
物,分子内にアミノ樹脂と反応し得る官能基およびエチ
レン性α,β−不飽和二重結合を有する化合物を必須成
分として、その他の分子内にエチレン性α,β−不飽和
二重結合を有する化合物と共にラジカル重合し、酸性物
質により少なくとも部分的に中和した後、水性化するこ
とにより得られるアミノ樹脂水性分散体に関する。また
本発明は、樹脂固形分中に上記アミノ樹脂水性分散体の
5重量%以上を必須成分として含有してなることを特徴
とする、他水性樹脂類との相溶に優れ、また高度な硬化
物物性を与える硬化性水性塗料に関する。
【0007】本発明のアミノ樹脂水性分散体において
は、従来水性塗料等に用いられてきた親水性アミノ樹脂
すなわちアミノ樹脂の分子内に親水性官能基を持たせた
ものとは異なり、アミノ樹脂の分子構造に親水性基を残
留させる必要はない。また、水性分散体であるため用い
るアミノ樹脂の水への溶解性に制限を受けることなく使
用することができる。すなわち、所望する硬化物の硬
度,加工性等の特性に鑑み適宜アミノ樹脂の種類を選択
して使用することができる。また、本アミノ樹脂水性分
散体をアクリル樹脂,エポキシ樹脂,アルキッド樹脂,
ポリエステル樹脂等の様な樹脂と併用して水性塗料等に
用いた場合、アミノ樹脂分散体とその他の樹脂類とは硬
化塗膜中でサブミクロンオーダーの微細な「海−島構
造」を形成することが期待される。このような構造が機
械的特性に多大なる貢献を及ぼす事は、今日のポリマー
アロイ技術が実証するところである。また、本アミノ樹
脂水性分散体は、その製造工程において加熱される場合
があり、アミノ樹脂同士の縮合,アミノ樹脂と水酸基含
有アクリル系単量体あるいはアクリルアミド誘導体ある
いはそれらの共重合の結果生ずるオリゴマーあるいはポ
リマーとの縮合が促進され、この段階で脱ホルムアルデ
ヒド反応が進行する。そのため、各種用途に適応した後
の脱ホルムアルデヒド量は軽減され、作業環境等の改善
にも貢献する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
アミノ樹脂分散体は、実質的に水不溶性のアミノ樹脂を
親水性アクリル樹脂の乳化能を利用して水中に安定に分
散せしめたものである。従って、本発明に用いられるア
ミノ樹脂には親水性は必要とされない。実際、親水性が
高い分散質を安定な水分散体とする事は、より疎水性の
強い分散質を水中に安定に分散する事に比べ容易でない
事は周知の事実である。本発明に用いられるアミノ樹脂
は、親水性の有無によらず用いることができるが、水と
任意の割合で混合するようなものは用いることができな
い。このようなものを用いた場合には分散体を得ること
ができず、水溶液となってしまい、前述した本アミノ樹
脂分散体の持つ優れた特性を発現することはできない。
【0009】本発明において用いられるアミノ樹脂とし
ては、尿素,メラミン,ベンゾグアナアミン,アセトグ
アナミン,スピログアナミン等のアミノ化合物とホルム
アルデヒド,アセトアルデヒド,プロピオンアルデヒ
ド,ブチルアルデヒド,アクロレイン等のアルデヒド類
との縮合物及びまたはそれらのアルキルエーテル化物を
例として挙げることができる。これらは水と任意の割合
で混合するようなものでなければ特に制限なく用いるこ
とができる。尿素,メラミン,グアナミン類の変性方法
としては特に制限はなく、通常行われている方法で行う
ことができる。すなわち、酸性もしくはアルカリ性の反
応雰囲気下、適当な反応温度においてアルデヒド類の適
当量を添加しアミノ樹脂類と縮合せしめることにより、
アルキロール化アミノ樹脂を得ることができる。アルデ
ヒド類の添加量は、所望するアルキロール化アミノ樹脂
のアルキロール化度により適宜調整されるべきである。
本発明で用いることができるアルキロール化変性アミノ
樹脂の適正なアルキロール化度は用いるアミノ化合物の
種類により一概には言えないが、アミノ化合物の有する
活性水素1当量当たり0.1当量以上のアルデヒド類を
反応させる事が好ましいと考えられる。アルキロール化
変性率が低すぎると、アミノ樹脂の特徴である熱硬化性
が発現されなくなる場合があり好ましくない。また、ア
ルキロール化変性を施したアミノ樹脂類は、更にアルコ
ール類と縮合する事によりアルキルエーテル化アミノ樹
脂とする事ができる。この変性も、通常行われている方
法により行うことができる。本発明において用いる事が
できるアルキルエーテル化アミノ樹脂類のアルキルエー
テル化変性率は、用いるアミノ化合物の種類、アルキル
エーテル化剤すなわちアルコール類の種類によって異な
り一概には言えないが、前述した制限すなわち水と任意
の割合で混合しないものであることを満たせば特に制限
なく用いることができる。
【0010】上述したアミノ樹脂及びその変性物は単独
あるいは2種類以上の混合物として用いることができ
る。これらのアミノ樹脂は、得られるアミノ樹脂水性分
散体の固形分中30〜95重量%となるよう配合する。
該アミノ樹脂の配合量が30重量%よりも少ないと、得
られるアミノ樹脂水性分散体中の熱硬化性成分すなわち
アミノ樹脂の比率が低減するため、本発明の主旨に照ら
して好ましくない。また、アミノ樹脂の配合割合が低す
ぎると後述する高分子乳化剤としてのアクリル系樹脂に
由来する粘度上昇が大きくなり、得られるアミノ樹脂水
性分散体の性状に支障を来す場合があるため好ましくな
い。また、アミノ樹脂の配合割合が95重量%より多い
と、分散質に対する高分子乳化剤の割合が低くなり過ぎ
るため、安定なアミノ樹脂水性分散体を得ることは困難
となる。
【0011】本発明のアミノ樹脂水性分散体は、上述し
たアミノ樹脂中においてカルボキシル基またはアミノ基
を含有するラジカル重合性単量体と、アミノ樹脂と反応
し得る官能基を含有するラジカル重合性単量体を必須成
分としてラジカル重合により該ラジカル重合性単量体を
樹脂化せしめ、適当なカウンターイオンにより少なくと
も部分的に中和し水性化することにより得られるもので
ある。上記したカルボキシル基またはアミノ基含有ラジ
カル重合性単量体は、本発明のアミノ樹脂水性分散体を
得る上で高分子乳化剤となるべきアクリル樹脂に乳化能
を持たせるため、必須成分として用いられる。該カルボ
キシル基またはアミノ基含有ラジカル重合性単量体は、
得られるアミノ樹脂水性分散体の固形分中0.1〜21
重量%となるように配合する。配合量が0.1重量%よ
り少ないと樹脂化したアクリル樹脂に十分な乳化能が発
現されず、安定なアミノ樹脂水性分散体を得ることがで
きない。また、配合量が21重量%より多いと生成され
るアクリル高分子乳化剤のイオン性が必要以上に高くな
り、得られるアミノ樹脂水性分散体の粘度が高くなりす
ぎることがあり好ましくない。また、このようなアミノ
樹脂水性分散体を熱硬化性付与成分として含有させた熱
硬化性塗料は、耐水性,透明性等に劣る場合があり好ま
しくない。
【0012】本発明で用いることができるカルボキシル
基含有ラジカル重合性単量体としては、アクリル酸,メ
タクリル酸,マレイン酸,イタコン酸,クロトン酸,フ
マル酸等を例として挙げることができるが、これらに限
定されるものではない。これらのカルボキシル基含有ラ
ジカル重合性単量体は1種類あるいは2種類以上の混合
物として用いることができる。また、本発明において用
いられるアミノ基含有ラジカル重合性単量体としては、
N,N−ジメチルエチルアミノメタクリレート,N,N
−ジエチルアミノエチルメタクリレート等を例として挙
げることができるが、これらに限定されるものではな
い。これらのアミノ基含有ラジカル重合性単量体は1種
類あるいは2種類以上の混合物として用いることができ
る。本発明においては、カルボキシル基含有ラジカル重
合性単量体とアミノ基含有ラジカル重合性単量体を併せ
て用いることはできない。カルボキシル基含有ラジカル
重合性単量体を必須成分として用いた場合には、得られ
るアミノ樹脂水性分散体はアニオン性分散体となり、ア
ミノ基含有ラジカル重合性単量体を必須成分として用い
た場合にはカチオン性分散体となる。どちらのラジカル
重合性単量体を必須成分として用いるかは、本アミノ樹
脂水性分散体を用いて熱硬化性を付与するべき樹脂の性
状により選択できる。すなわち、熱硬化性を付与するべ
き樹脂がアニオン性水性樹脂である場合には前者を、ま
たカチオン性水性樹脂である場合には後者を用いる等の
使い分けが出来る。
【0013】本発明のアミノ樹脂水性分散体を得るため
には、上述したカルボキシル基またはアミノ基含有ラジ
カル重合性単量体の他に、必須成分として分子内にアミ
ノ樹脂と反応し得る官能基を有するラジカル重合性単量
体を用いる必要がある。上述したアミノ樹脂と反応し得
る官能基を有するラジカル重合性単量体は、本発明のア
ミノ樹脂分散体中の分散質であるアミノ樹脂と高分子乳
化剤であるアクリル樹脂とを化学反応により結合せし
め、安定なアミノ樹脂水性分散体を得るために欠かすこ
との出来ないものでる。すなわち、単量体中の官能基と
アミノ樹脂の縮合により形成される共有結合により、生
成するアミノ樹脂微粒子表面にアクリル系高分子乳化剤
を結合させ、アクリル系高分子乳化剤を安定かつ効果的
に作用させるために配合するものである。アミノ樹脂と
反応し得る官能基としては、水酸基,イミノ基,N−メ
チロール基,N−アルキルエーテル化メチロール基等を
例として挙げる事ができる。アミノ樹脂とアクリル系高
分子乳化剤とを化学的に結合せしめる為にカルボキシル
基,アミノ基を用いる事は、前述した通り得られるべき
分散体の性状をコントロールし難くなるため、好ましく
ない。上述した分子内にアミノ樹脂と反応し得る官能基
を有するラジカル重合性単量体は、得られるアミノ樹脂
水性分散体の固形分中0.15〜21重量%を配合す
る。配合量が0.15重量%よりも少ないと、前述した
乳化の安定化及び効率化が十分行われず、安定なアミノ
樹脂水性分散体を得ることが困難な場合がある。また、
配合量が21重量%よりも多いと、アミノ樹脂−高分子
乳化剤間の結合が必要以上に多くなるため、反応時に系
の粘度が高くなりすぎ、作業に支障をきたしたり、また
ゲル化にいたることもあり適当ではない。
【0014】本発明において用いることが出来る分子内
にアミノ樹脂と反応し得る官能基を有するラジカル重合
性単量体としては、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト,2−ヒドロキシエチルメタクリレート,2−ヒドロ
キシプロピルアクリレート,2−ヒドロキシプロピルメ
タクリレート等の水酸基含有ラジカル重合性単量体や、
アクリルアミド,N−メチロールアクリルアミド,N−
メチロールメタクリルアミド,N−メトキシメチルアク
リルアミド,N−エトキシメチルアクリルアミド,N−
ブトキシメチルアクリルアミド等のアクリルアミド誘導
体を例示することが出来るが、これらに限定されるもの
ではない。これらの単量体類は、単独あるいは2種類以
上の混合物として用いることが出来る。
【0015】また、本発明において用いられるその他の
分子内にエチレン性α,β−不飽和二重結合を有する化
合物としては、上記した分子内にカルボキシル基または
アミノ基およびエチレン性α,β−不飽和二重結合を有
する化合物及び分子内にアミノ樹脂と反応し得る官能基
およびエチレン性α,β−不飽和二重結合を有する化合
物に該当しないものであれば特に制限なく用いることが
出来る。このような単量体の例としては、スチレン,ビ
ニルトルエン,メチルスチレン,酢酸ビニル等のビニル
系単量体類,メチルアクリレート,エチルアクリレー
ト,ブチルアクリレート,イソプロピルアクリレート,
2−エチルヘキシルアクリレート,2−メトキシエチル
アクリレート,メチルメタクリレート,エチルメタクリ
レート,プロピルメタクリレート,ブチルメタクリレー
ト,2−エチルヘキシルメタクリレート,グリシジルメ
タクリレート等の(メタ)アクリル系単量体等を挙げる
ことが出来るが、これらに限定されるものではない。こ
れらの単量体類は、得られるべき硬化物物性にてらし単
独あるいは複数種の混合物として適宜選択して用いられ
るべきである。
【0016】上記説明したラジカル重合性単量体類は、
アミノ樹脂の固形分30〜95重量%の存在下、通常の
方法によりラジカル重合し樹脂化せしめられる。すなわ
ち、過酸化物系ラジカル重合開始剤、アゾ系ラジカル重
合開始剤等の存在下、還元剤の添加,加熱等によりラジ
カルを生成せしめ、樹脂化反応を進行させる。重合条件
には特に制限はないが、通常、重合温度は50〜120
℃、重合開始剤はラジカル重合性単量体類に対して0.
1〜10重量%程度添加して行われる。また、重合に際
してラジカル重合性単量体類は、予めアミノ樹脂と混合
しておいてもよく、また、アミノ樹脂に少量づつ滴下し
てもよい。ラジカル重合性単量体の樹脂化に要する時間
は、反応時間にもよるが通常1〜8時間程度である。ま
た、樹脂化反応において、粘度の調整,反応の制御等の
ために有機溶剤を併用することができる。得られるアミ
ノ樹脂水性分散体中の有機溶剤が、実用上支障ない量で
あれば、除去することなくそのまま使用に供する事もで
きる。有機溶剤溶液として樹脂化反応を行った場合に
は、必要に応じて該有機溶剤を除去した後アミノ樹脂水
性分散体を得ることが出来る。用いた有機溶剤の除去方
法には特に制限はないが、加熱による脱溶剤が通常行わ
れる。また、必要に応じて減圧下で行ってもよい。この
時、水を添加することにより共沸混合物として脱有機溶
剤を行ってもよい。したがってこのような場合にはより
脱有機溶剤を行い易いもの、すなわち比較的低沸点の有
機溶剤を使用することがより好ましい。なお、この脱有
機溶剤を行う場合には、後述する中和を施した後に行う
ことが好ましい。
【0017】樹脂化反応が終了した時点で、アミノ樹脂
及びアクリル系樹脂よりなる反応物は、均一で透明な液
体または溶液となる。このものは、アミノ樹脂とアクリ
ル系樹脂の部分縮合物よりなるものと考えられる。本発
明のアミノ樹脂水性分散体は、このアミノ樹脂−アクリ
ル樹脂部分縮合物中のカルボキシル基またはアミノ基を
塩基性物質または酸性物質により塩とする事により乳化
能を持たせた後、水を添加し乳化・分散することにより
得られるものである。本発明において、カルボキシル基
を中和し塩とするべき塩基性物質としては特に制限なく
用いることが出来るが、硬化物の耐水性等に鑑み容易に
揮散させることが出来る塩基性物質を用いることがより
好ましい。好ましく用いられる塩基性物質の例として
は、アンモニア,エチルアミン,ジエチルアミン,トリ
エチルアミン,エタノールアミン,ジエタノールアミ
ン,トリエタノールアミン,ジメチルアミノエタノー
ル,シクロヘキシルアミン等が挙げられるが、これらに
限定されるものではない。また本発明において、アミノ
基を中和し塩とするべき酸性物質としては特に制限なく
用いることが出来るが、硬化物の耐水性等に鑑み容易に
揮散させることが出来る酸性物質を用いることがより好
ましい。好ましく用いられる酸性物質の例としては、ギ
酸,酢酸等を挙げることが出来るが、これらに限定され
るものではない。アミノ樹脂−アクリル樹脂部分縮合物
の中和度には特に制限はないが、通常、80モル%以上
の中和を施すことがより好ましい。このようにして得ら
れたアミノ樹脂−アクリル樹脂部分縮合体中和物は水を
添加し撹拌することにより乳化し、アミノ樹脂水性分散
体が得られる。添加する水の量は、アミノ樹脂−アクリ
ル樹脂部分縮合体中和物を水中油滴型に分散できるよう
な量であれば特に制限はないが、所望するアミノ樹脂水
性分散体の固形分に鑑み適宜選択できるものであり、実
用的なアミノ樹脂水性分散体を得るためには、固形分1
0〜60重量%となるような量の水を添加することが望
ましい。
【0018】また、本発明の硬化性水性塗料は、その樹
脂固形分中に本発明のアミノ樹脂水性分散体の固形分5
重量%以上を含有せしめることにより得ることが出来
る。本硬化性水性塗料固形分中のアミノ樹脂水性分散体
固形分が5重量%未満であると、該水性塗料に十分な熱
硬化性を付与することができず、得られる硬化物の耐水
性等が劣るため好ましくない。本発明のアミノ樹脂水性
分散体は、該アミノ樹脂水性分散体単独でも硬化性水性
塗料として用いることができるが、必要であればその他
の水性樹脂成分を含有させることもできる。添加するこ
とができる樹脂成分としては、該アミノ樹脂水性分散体
の分散構造を破壊するようなものでなければ特に制限は
なく、水性アクリル樹脂,水性エポキシ樹脂,水性ポリ
エステル樹脂,水性ウレタン樹脂等を添加することがで
きる。これらの樹脂は、水溶性樹脂あるいは水分散体と
して添加することができる。通常これらの樹脂は、分子
内に部分的にイオン性を付与して水溶化あるいは水分散
化するが、本硬化性水性塗料中において用いるためには
該塗料中に必須成分として含有されるアミノ樹脂水性分
散体のイオン性を考慮して用いる必要がある。すなわ
ち、アニオン性のアミノ樹脂水性分散体にカチオン性の
水性樹脂を添加した場合には、凝集・沈降あるいはゲル
化することがあるため、アミノ樹脂水性分散体と同一の
極性を有する水性樹脂を用いることが好ましい。また、
本硬化性水性塗料には、必要に応じて着色等のための染
料,顔料、硬化物物性改良のための各種添加剤類、例え
ばフィラー類,レベリング剤,消泡剤,硬化剤,難燃
剤,増粘剤,水溶性有機溶剤,滑性付与剤等を含有せし
めることができる。本発明の硬化性水性塗料は、金属,
木材,ガラス,コンクリート,建築材料等の基材に使用
することができ、120〜250℃の温度で30秒〜1
0分程度焼き付けを行うことができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例を示し本発明を具体的に説明す
るが、これらは本発明に何等制限を与えるものではな
い。なお、以下の実施例及び比較例において、特に断ら
ない限り「部」は重量部を意味する。 〔実施例1〕撹拌装置付き反応容器に、n−ブタノール
3000部,ベンゾグアナミン3000部,ホルムアル
デヒド40%n−ブタノール溶液(広栄化学社製ホルミ
ットNB)3600部を入れ、ギ酸により反応溶液のp
Hを6に調整し、100℃で約1時間反応を行った。そ
の後、キシレン50部を添加し、約3時間共沸脱水し水
を除去した。反応溶液の温度を80℃に維持し、反応容
器内を窒素置換後、滴下管からスチレン400部,ブチ
ルアクリレート170部,アクリル酸80部,2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート150部及びアゾビスイソ
ブチロニトリル30部の混合物を約2時間で滴下した。
滴下終了後から2時間おきにアゾビスイソブチロニトリ
ルの10部を3回添加し、さらに2時間同温度で反応を
続けた後、液温を40℃まで下げた。N,N−ジメチル
アミノエタノール100部とイオン交換水100部の混
合物を徐々に添加し均一になるよう撹拌し、さらに十分
撹拌を行いながらイオン交換水6000部を徐々に添加
した。その後、液温を93℃に上げ、n−ブタノールの
1500部を溜除し、不揮発分約60重量%で乳白色の
アミノ樹脂水性分散体(a)を得た。レーザー散乱法に
よる粒子径測定を行ったところ、平均粒子径は約150
nmであった。これを50℃において約1ヶ月間静置保
存したところ、分離,凝集物ともに観察されなかった。
【0020】〔実施例2〕攪拌装置付き反応容器に、ブ
チルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂(三井サイアナミ
ッド社製 サイメル1128 70%n−ブタノール溶
液)3400部を入れ、約80℃に昇温し、反応容器内
を窒素置換した後、滴下管よりスチレン184部,エチ
ルアクリレート428部,2−エチルヘキシルアクリレ
ート153部,N−メトキシメチルアクリルアミド20
4部,メタクリル酸51部及びt−ブチルパーオキサイ
ド31部の混合物を約2時間で滴下した。滴下終了1時
間後、t−ブチルパーオキサイドの10部を添加しさら
に1時間反応を継続し、トリエタノールアミン90部と
イオン交換水90部の混合物を徐々に添加した。さらに
十分撹拌を行いながらイオン交換水5000部を徐々に
滴下し、液温を93℃に昇温しn−ブタノールの100
0部を溜除し、不揮発分約40%となるようイオン交換
水にて希釈し、乳白色のアミノ樹脂水性分散体(b)を
得た。レーザー散乱法により粒子径測定を行ったとこ
ろ、平均粒径は約200nmであった。これを50℃に
おいて約1ヶ月間静置保存したところ、分離,凝集物と
もに観察されなかった。
【0021】〔実施例3〕攪拌装置付き反応容器に、ブ
チルエーテル化メラミン(三井サイアナミッド社製 サ
イメル1156)2250部を入れ80℃に加熱し反応
容器内を窒素置換した。滴下管よりメチルメタクリレー
ト255部,ブチルメタクリレート75部,ブチルアク
リレート150部,N−メトキシメチルアクリルアミド
120部,ジメチルアミノエチルメタクリレート150
部及びt−ブチルパーオキサイド45部の混合物を約2
時間で滴下した。滴下終了後1時間おきにt−ブチルパ
ーオキサイドの4.5部を2回添加しさらに1時間反応
を継続し、液温を50℃に下げた。これに酢酸57部と
イオン交換水57部の混合物を徐々に添加し、さらに十
分撹拌を行いながらイオン交換水3000部を徐々に滴
下し、乳白色で不揮発分約50%のアミノ樹脂水性分散
体(c)を得た。レーザー散乱法により粒子径測定を行
ったところ、平均粒径は約185nmであった。これを
50℃において約1ヶ月間静置保存したところ、分離,
凝集物ともに観察されなかった。
【0022】〔実施例4〕攪拌装置付き反応容器に、ブ
チルエーテル化メラミン(三井サイアナミッド社製 サ
イメル1156)1440部を入れ80℃に加熱し反応
容器内を窒素置換した。滴下管よりブチルアクリレート
432部,2−エチルヘキシルアクリレート216部,
N−メトキシメチルアクリルアミド259部,ジメチル
アミノエチルメタクリレート389部及びt−ブチルパ
ーオキサイド130部の混合物を約2時間で滴下した。
滴下終了後1時間おきにt−ブチルパーオキサイドの2
6部を2回添加しさらに1時間反応を継続し、液温を5
0℃に下げた。これに酢酸57部とイオン交換水57部
の混合物を徐々に添加し、さらに十分撹拌を行いながら
イオン交換水2400部を徐々に滴下し、乳白色粘稠な
不揮発分約60%のアミノ樹脂水性分散体(d)を得
た。レーザー散乱法により粒子径測定を行ったところ、
平均粒径は約160nmであった。これを50℃におい
て約1ヶ月間静置保存したところ、分離,凝集物ともに
観察されなかった。
【0023】〔実施例5〕実施例1において作成したア
ミノ樹脂水性分散体(a)600部にアクリル樹脂水性
分散体(三洋化成社製 サンスパールPS−2 不揮発
分39%)400部,ヒドロキシエチルセルロース10
部及びリン酸2部を添加し、十分混合して硬化性水性樹
脂組成物(A)を得た。
【0024】〔実施例6〕実施例2において作成したア
ミノ樹脂水性分散体(b)350部にアクリル樹脂水性
分散体(東洋インキ製造社製 トークリルBCX−10
07 不揮発分40%)210部,エポキシ樹脂水性分
散体(東都化成社製 アクアトート3520 不揮発分
55%)100部,酸化チタン120部及びリン酸1.
5部を添加し、十分撹拌・分散し、硬化性水性樹脂組成
物(B)を得た。
【0025】〔実施例7〕実施例3において作成したア
ミノ樹脂水性分散体(c)500部にアクリル樹脂水性
分散体(東洋インキ製造社製 トークリルBCX−81
93 不揮発分40%)300部,エポキシ樹脂水性分
散体(東都化成社製 アクアトート3520)150部
及びp−トルエンスルホン酸ナトリウム2部を添加し、
十分混合して硬化性水性樹脂組成物(C)を得た。
【0026】〔比較例1〕攪拌装置付き反応容器に、ブ
チルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂(三井サイアナミ
ッド社製 サイメル1128 70%n−ブタノール溶
液)3400部を入れ、約80℃に昇温し、反応容器内
を窒素置換した後、滴下管よりスチレン208部,エチ
ルアクリレート508部,2−エチルヘキシルアクリレ
ート153部,メタクリル酸151部及びt−ブチルパ
ーオキサイド31部の混合物を約2時間で滴下した。滴
下終了1時間後、t−ブチルパーオキサイドの10部を
添加しさらに1時間反応を継続し、トリエタノールアミ
ン90部とイオン交換水90部の混合物を徐々に添加し
た。さらに十分撹拌を行いながらイオン交換水5000
部を徐々に滴下し、液温を93℃に昇温しn−ブタノー
ルの1000部を溜除し、不揮発分約40%となるよう
イオン交換水にて希釈し、白色パール状外観を呈するア
ミノ樹脂水性分散体(e)を得た。レーザー散乱法によ
り粒子径測定を行ったところ、平均粒径は約1200n
mであった。これを室温において約2日間静置保存した
ところ、二層に分離した。
【0027】〔比較例2〕攪拌装置付き反応容器に、ブ
チルエーテル化メラミン(三井サイアナミッド社製 サ
イメル1156)2250部を入れ80℃に加熱し反応
容器内を窒素置換した。滴下管よりメチルメタクリレー
ト335部,ブチルメタクリレート100部,ブチルア
クリレート195部,N−メトキシメチルアクリルアミ
ド120部及びt−ブチルパーオキサイド45部の混合
物を約2時間で滴下した。滴下終了後1時間おきにt−
ブチルパーオキサイドの4.5部を2回添加しさらに1
時間反応を継続し、液温を50℃に下げた。これに酢酸
57部とイオン交換水57部の混合物を徐々に添加し、
さらに十分撹拌を行いながらイオン交換水3000部を
徐々に滴下したところ、乳化させることはできず分離し
た。
【0028】〔比較例3〕 攪拌装置付き反応容器に、
ブチルエーテル化メラミン(三井サイアナミッド社製
サイメル1156)1200部を入れ80℃に加熱し反
応容器内を窒素置換した。滴下管よりメチルメタクリレ
ート400部,ブチルメタクリレート200部,ブチル
アクリレート300部,2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート150部,メタクリル酸750部及びt−ブチル
パーオキサイド54部の混合物を約2時間で滴下した。
滴下終了後1時間おきにt−ブチルパーオキサイドの5
部を2回添加しさらに1時間反応を継続したところ、ゲ
ル化した。
【0029】〔比較例4〕実施例2において作成したア
ミノ樹脂水性分散体(b)30部にアクリル樹脂水性分
散体(三洋化成社製 サンスパールPS−2)315
部,エポキシ樹脂水性分散体(東都化成社製 アクアト
ート3520)255部,酸化チタン120部及びリン
酸1.5部を添加し、十分撹拌・分散し、水性樹脂組成
物(D)を得た。
【0030】〔比較例5〕実施例2において作成したア
ミノ樹脂水性分散体(b)30部にベンゾグアナミン誘
導体樹脂(三井サイアナミッド社製 サイメル1125
−80)235部,アクリル樹脂水性分散体(三洋化成
社製 サンスパールPS−2)200部,エポキシ樹脂
水性分散体(東都化成社製 アクアトート3520)2
20部及びリン酸8部を添加し、十分撹拌・分散し、水
性樹脂組成物(E)を得た。
【0031】実施例5〜7及び比較例4,5において得
られた水性樹脂組成物を、亜鉛メッキ鋼板に乾燥塗膜厚
が10μmとなるようにバーコータを用いて塗装し、2
00℃において10分間熱処理を行った。このようにし
て得たテストピースの物性評価結果及び水性樹脂組成物
の保存安定性を表1にまとめた。耐衝撃性試験はデュポ
ン衝撃試験を行った後ゴバン目セロテープ剥離試験を行
い1×1mmの100個のマス目の内、剥離せずに残っ
たマス目数を表示した。また、耐水性試験は沸水中に3
0分間浸漬し、ゴバン目セロテープ剥離試験を行い1×
1mmの100個のマス目の内、剥離せずに残ったマス
目数を表示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明により、熱硬化性付与成分として
広く用いられているアミノ樹脂を水系においても広範な
自由度をもって用いることが可能となる。また、本発明
により硬化物に硬度の耐水性と機械的特性を付与するこ
とが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 雅子 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内 (72)発明者 中村 正 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に水不溶性のアミノ樹脂30〜9
    5重量%の存在下、分子内にカルボキシル基およびエチ
    レン性α,β−不飽和二重結合を有する化合物0.1〜
    21重量%,分子内にアミノ樹脂と反応し得る官能基お
    よびエチレン性α,β−不飽和二重結合を有する化合物
    0.15〜21重量%を必須成分として、その他の分子
    内にエチレン性α,β−不飽和二重結合を有する化合物
    の少なくとも1種類以上と共にラジカル重合し、塩基性
    物質により少なくとも部分的に中和した後、水性化する
    ことにより得られるアミノ樹脂水性分散体。
  2. 【請求項2】 実質的に水不溶性のアミノ樹脂30〜9
    5重量%の存在下、分子内にアミノ基およびエチレン性
    α,β−不飽和二重結合を有する化合物0.1〜21重
    量%,分子内にアミノ樹脂と反応し得る官能基およびエ
    チレン性α,β−不飽和二重結合を有する化合物0.1
    5〜21重量%を必須成分として、その他の分子内にエ
    チレン性α,β−不飽和二重結合を有する化合物の少な
    くとも1種類以上と共にラジカル重合し、酸性物質によ
    り少なくとも部分的に中和した後、水性化することによ
    り得られるアミノ樹脂水性分散体。
  3. 【請求項3】 樹脂固形分中に、請求項1記載のアミノ
    樹脂水性分散体の固形分5重量%以上を必須成分として
    含有してなることを特徴とする硬化性水性塗料。
  4. 【請求項4】 樹脂固形分中に、請求項2記載のアミノ
    樹脂水性分散体の固形分5重量%以上を必須成分として
    含有してなることを特徴とする硬化性水性塗料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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