JPH05131854A - 流体伝動装置のアンバランスマス低減組付方法 - Google Patents

流体伝動装置のアンバランスマス低減組付方法

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JPH05131854A
JPH05131854A JP3322343A JP32234391A JPH05131854A JP H05131854 A JPH05131854 A JP H05131854A JP 3322343 A JP3322343 A JP 3322343A JP 32234391 A JP32234391 A JP 32234391A JP H05131854 A JPH05131854 A JP H05131854A
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尚久 樅山
Hiroyuki Tsukamoto
広幸 塚本
Hideji Kato
秀二 加藤
Yoshiharu Harada
吉晴 原田
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Aisin AW Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 流体伝動装置のエンジンへの組付工程でアン
バランスマスを低減し、振動、騒音の発生を抑制する。 【構成】 流体伝動装置1単体の回転時のアンバランス
方向を計測し、アンバランス方向に応じて所定位置に指
示手段17を施し、互いに回転軸を水平に指向させた状
態での流体伝動装置1のエンジンEへの組付時に、指示
手段17を視認しつつ流体伝動装置1のアンバランス方
向に対して径方向反対側の位置を最下方位置に指向さ
せ、エンジンEの回転部材22に締結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体伝動装置のアンバ
ランスマスを低減するエンジンへの組付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】発進装置を流体伝動装置(流体継手、ト
ルクコンバータ)とする自動変速機において、流体伝動
装置は、大きな慣性質量をもつ構成要素であり、その回
転アンバランスマスが大きいと、車両エンジンアイドリ
ング時の振動、中高速走行時のこもり音、不快な音色の
発生等の原因となり、車両の乗り心地を損ねる恐れがあ
る。そこで、流体伝動装置は、それ単体で回転バランス
修正されているが、剛体のみで構成される要素とは異な
り、その内部に作動流体と一部空気を収容した状態で動
作するものなので、若干の残留回転アンバランスを避け
ることはできない。
【0003】従来、車両への搭載に先立ち、エンジンに
自動変速機を組付ける工程でエンジンクランク軸に自動
変速機のトルクコンバータを連結するには、クランク軸
後端の中心孔にトルクコンバータ前端のセンタピースを
嵌合して心出しし、次にクランク軸後端のドライブプレ
ートの複数の取付孔に、各締着ボルトの位置出しをし、
その後に各ボルトを締結する手順で組付作業を行ってい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、組付時にエ
ンジンと自動変速機はそれらの軸を水平状態に置かれる
ため、上記従来の技術では、クランク軸後端の中心孔の
径とトルクコンバータ前端のセンタピースの径との避け
られない遊隙のため、センタピースの軸心とクランク軸
の軸心とが自重による自動変速機側の軸心の下降分だけ
ずれて組付けられ、このずれの方向とトルクコンバータ
自体のアンバランス方向がたまたま一致した場合には、
上記のような問題は一層深刻なものとなる。
【0005】このような事情に鑑み、本発明は、自動変
速機のエンジンへの組付工程において、流体伝動装置に
不可避の回転アンバランスを組付誤差を利用して修正す
る、流体伝動装置のアンバランスマス低減組付方法を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は、流体伝動装置単体の回転時のアンバラン
ス方向を計測し、アンバランス方向に応じて所定位置に
指示手段を施す工程と、互いに回転軸を水平に指向させ
た状態での前記流体伝動装置のエンジンへの組付時に、
前記指示手段を視認しつつ前記流体伝動装置の軸回りの
前記アンバランス方向に対して径方向反対側の位置を最
下方位置に指向させ、該位置を保持したまま前記流体伝
動装置と前記エンジンの回転部材とを締着手段で締結す
る工程とを含むことを構成とする。
【0007】
【発明の作用及び効果】このような構成を採った本発明
に係るアンバランスマス低減組付方法では、従来の組付
方法に単に指示手段を視認しつつ組付ける操作を付加す
るのみで、組付工程において流体伝動装置に不可避の回
転アンバランスを組付誤差をも含めて低減する修正が可
能となり、車両エンジンアイドリング時の振動、走行時
のこもり音、不快な音色の発生を抑制し、駆動系のバラ
ンス修正をすることができる。
【0008】
【実施例】以下、図面に沿い、本発明の実施例について
説明する。この方法は、流体伝動装置単体の回転時のア
ンバランスを計測し、修正する工程に組込まれるマーキ
ング工程と、流体伝動装置のエンジンへの組付工程に組
込まれるアンバランス低減組付工程を特徴とする。以
下、これらの工程を順を追って説明する。
【0009】図2はマーキング工程を示す。先ず、
(a)に示すように、従来の工程と同様、バランス試験
機として構成された回転台T1上にトルクコンバータ1
単体をそのセットブロック11を下にし、センタピース
12を測定部Taに嵌合させて載置し、トルクコンバー
タ1内のロックアップクラッチハブ13とワンウェイク
ラッチインナレース14の内周及びインペラハブ15の
外周を回転可能に支持する固定治具Jを上方から挿入す
る。このように心出し及び端面位置決めした状態で回転
台T1を回転させつつイニシャルアンバランス量及び方
向を測定する。
【0010】次に、治具Jを取り去り、(b)に示すよ
うに、トルクコンバータ1単体を次工程の他のワークテ
ーブルT2に移し、センタピース12とセットブロック
11で同様に心出し及び端面位置決めしてから、前工程
での測定結果から、アンバランス方向の反対側に、アン
バランス量を越えない重量の修正用マスバランス16を
スポット溶接により取付けてイニシャルアンバランスの
修正を行う。
【0011】さらに、(c)に示すように、トルクコン
バータ1単体を再度前工程の回転台T1に戻し、同様に
位置決めして修正アンバランス量と方向を確認する。必
要ならば再度同様の手順で修正を行う。そして、この工
程において、その後のエンジンへの組付時にエンジン側
の凹部から目視可能な位置に指示手段を施す。この例で
は、指示手段をマーク17とし、その位置をアンバラン
ス量最小の方向、すなわち、最終的な残留アンバランス
の方向と軸を挟んで反対側とする。なお、この位置は視
認位置との関係で定めればよく、特定の位置にマーク1
7を合わせたときにアンバランス量最小の方向が最下方
に向くような関係にあればどのような位置でもよい。
【0012】次に、当然ながらトルクコンバータの変速
機への組込工程があるが、この工程は従来のものと特に
変わるところがないので、説明を省略し、図1に示す組
付工程について説明する。(d)に示すように、自動変
速機MとエンジンEとは、それらの回転軸、即ちクラン
ク軸2及び動力伝達軸18を水平に指向させた状態に置
かれる。この状態で、自動変速機Mに組込んだトルクコ
ンバータ1の適宜位置のセットブロック11にガイドピ
ンPを植設し、マーク17をエンジンEの底部の凹所を
通して視認し、最下方に指向させたままガイドピンPと
ドライブプレート22の締着孔22a及びクランク軸端
21の中心孔23とセンタピース12をガイドとし、エ
ンジンEに自動変速機Mを合体させる。この操作で、ト
ルクコンバータ1に設けられた複数の締着孔11a〜1
1f(図1の(f)参照)とエンジンE側の回転部材た
るドライブプレート22に設けられた複数の締着孔22
a〜22f(図1の(f)参照)同士が自ずと位置合わ
せされる。
【0013】ここで、ガイドピンPを抜き、トルクコン
バータ1の前端のセンタピース12をクランク軸2の中
心孔23で支持する状態にすると、嵌合部を拡大且つ誇
張して(e’)に示すように、自動変速機Mの自重によ
る前傾で、センタピース12の外周最下面が中心孔23
の最下方内周面に支持され、上方部に遊隙Gが生じる。
この遊隙Gの方向は、マーク17との前記関係により回
転アンバランス方向となる。この状態で(e)に示すよ
うに、締着孔22aにボルトBを締結する。このボルト
Bの締着後は、従来の方法と同様、(f)に示すよう
に、合致した位置にある残りの各締着孔22b〜22
f、11b〜11fに、ドライブプレート22を1孔ピ
ッチ分回転させながら順次、あるいは、対角線位置のも
のを交互に、ボルトで締結する。
【0014】上記実施例の方法によれば、予めバランス
修正工程で付随的に付されたマーク17を最下方に指向
させた状態でボルトBの締結時に、自動的に上記遊隙G
が形成され、動力伝達軸18の前端がエンジンクランク
軸2の後端に対して所定の方向に偏心した組付状態とな
るため、従来の組付工程とほぼ同様の一工程で、トルク
コンバータ単体の残留アンバランスと組付け時の誤差に
よるアンバランスを併せて、自動的に修正することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の組付工程を模式的に示す工程図であ
る。
【図2】実施例のアンバランス修正工程を模式的に示す
工程図である。
【符号の説明】
E エンジン B ボルト(締着手段) 1 トルクコンバータ(流体伝動装置) 2 クランク軸(回転軸) 17 マーク(指示手段) 18 動力伝達軸(回転軸) 22 ドライブプレート(回転部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 秀二 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エイ・ダブリユ株式会社内 (72)発明者 原田 吉晴 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体伝動装置単体の回転時のアンバラン
    ス方向を計測し、アンバランス方向に応じて所定位置に
    指示手段を施す工程と、互いに回転軸を水平に指向させ
    た状態での前記流体伝動装置のエンジンへの組付時に、
    前記指示手段を視認しつつ前記流体伝動装置の軸回りの
    前記アンバランス方向に対して径方向反対側の位置を最
    下方位置に指向させ、該位置を保持したまま前記流体伝
    動装置と前記エンジンの回転部材とを締着手段で締結す
    る工程とを含むことを特徴とする流体伝動装置のアンバ
    ランスマス低減組付方法。
JP3322343A 1991-11-12 1991-11-12 流体伝動装置のアンバランスマス低減組付方法 Expired - Lifetime JP2957336B2 (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007239823A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Toyota Motor Corp 車両の振動低減方法
JP2009167974A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Toyota Motor Corp 内燃機関およびその製造方法
JP2015190616A (ja) * 2014-03-31 2015-11-02 ダイハツ工業株式会社 トルクコンバータのアンバランス計測方法及び装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009167974A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Toyota Motor Corp 内燃機関およびその製造方法
JP2015190616A (ja) * 2014-03-31 2015-11-02 ダイハツ工業株式会社 トルクコンバータのアンバランス計測方法及び装置

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