JP2009167974A - 内燃機関およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動時の振動低減と生産性の向上とを図ることができる、内燃機関を提供する。
【解決手段】この内燃機関1は、クランクシャフト5を備える。また内燃機関1は、平面形状が円形状であって、その平面形状である円の中心においてクランクシャフト5の端部に装着されている、円形部材としてのクランクプーリ6およびフライホイール7を備える。円形部材には、内燃機関1を駆動すると円形部材に発生する、円形部材を偏心させる力の方向に対し、円形部材の平面形状である円の中心から円形部材の重心に向かう方向が逆方向となるように、アンバランスマスが設けられている。アンバランスマスは、内燃機関1の組立て完了以前に、円形部材に設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関およびその製造方法に関する。
車両などに搭載される内燃機関が駆動するとき、ピストンやコンロッドなどの往復運動部品の部品毎の質量バラツキ、クランクシャフトやプーリなどの回転部品の回転軸まわりの回転アンバランス、動弁系の開閉運動などを原因として、振動が発生する場合がある。内燃機関に振動が発生すると、騒音が発生するという問題があるために、内燃機関の駆動時の振動低減が重要視されている。
内燃機関の振動は、往復運動部品の公差を低減して個々の部品の質量バラツキを低減させる、また回転部品個々の加工精度を向上させてアンバランスを低減させるなどの対策を行ない、各気筒ごとのバラツキを低減することで、抑制することができる。機械力学上、各気筒ごとのバラツキが残存すれば、内燃機関にアンバランスが発生して、振動が発生することになる。しかしながら、個々の部品精度を向上させて部品毎のバラツキを低減するのは限界がある。
そこで、内燃機関の組立て後に駆動時の振動を測定し、アンバランスを低減するようにウエイトを付与するなどして、回転一次のバランスを上げ、振動を抑制する種々の技術が提案されている(たとえば特許文献1〜4参照)。特許文献1では、アンバランスマスを設けたバランサシャフトを配設し、クランクシャフトのトルク変動を相殺してバランスを向上させる技術が提案されている。特許文献2では、クランクシャフトのバランスを調整するためのウエイトマスをロータ本体に備える技術が提案されている。特許文献3では、クランク軸の端部に固定されたフライホイルに釣り合い錘部および補助釣り合い錘部を形成する技術が提案されている。特許文献4では、クランク軸に取付けられるフライホイルにダイナミックダンパを設ける技術が提案されている。
特開2000−248958号公報 特開2006−63836号公報 特開平9−25998号公報 実開平5−52400号公報
上記文献において提案されている従来の内燃機関の振動低減技術によると、内燃機関一台毎に組立て後のアンバランスを測定し、続いて、アンバランスを低減して規定値内のバランス率にするために、アンバランスマスを付与してバランス修正するなどの調整を行ない、その後さらに再検査する必要がある。そのため工程が複雑となり、また内燃機関一台毎のアンバランス測定には手間がかかるので、内燃機関の生産性の向上の点で難点があった。
また、たとえば特許文献1に提案されている、アンバランスマスを具備したバランサシャフトを取り付ける振動低減技術では、内燃機関の構造の複雑化および原価上昇の問題があった。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、駆動時の振動低減と生産性の向上とを図ることができる、内燃機関およびその製造方法を提供することである。
本発明者は、内燃機関の駆動時に発生するアンバランスについて鋭意検討した。その結果、内燃機関のアンバランスは、内燃機関の特性に依存して、内燃機関の種類毎に特定の方向に発生することを見出し、本発明を以下のような構成とした。
すなわち、本発明に係る内燃機関は、クランクシャフトと、平面形状が円形状である円形部材とを備える。円形部材は、その平面形状である円の中心において、クランクシャフトの端部に装着されている。円形部材には、内燃機関を駆動すると円形部材に発生する、円形部材を偏心させる力の方向に対し、円形部材の平面形状である円の中心から円形部材の重心に向かう方向が逆方向となるように、アンバランスマスが設けられている。アンバランスマスは、内燃機関の組立て完了以前に、円形部材に設けられている。
上記内燃機関において好ましくは、クランクシャフトの一端にクランクプーリが装着され、他端にフライホイールまたはドライブプレートが装着されている。円形部材は、クランクシャフトの一端に装着された、クランクプーリである。
また好ましくは、円形部材は、クランクシャフトの他端に装着された、フライホイールまたはドライブプレートである。
本発明に係る内燃機関の製造方法は、内燃機関を組み立てる工程と、次いで、内燃機関を検査する工程とを備える。内燃機関を組み立てる工程は、クランクシャフトを成形する工程と、平面形状が円形状の円形部材を形成する工程と、円形部材にアンバランスマスを設ける工程と、円形部材をクランクシャフトの端部に装着する工程とを含む。円形部材にアンバランスマスを設ける工程では、内燃機関を駆動すると円形部材に発生する、円形部材を偏心させる力の方向に対し、円形部材の平面形状である円の中心から円形部材の重心に向かう方向が逆方向となるように、円形部材にアンバランスマスを設ける。
本発明の内燃機関およびその製造方法によると、内燃機関の駆動時の振動を低減することができる。また、内燃機関の組立ての段階でバランス修正を完了しており、別途個々の内燃機関に対してアンバランス測定およびバランス修正をする工程を省略することができる。したがって、内燃機関の生産性を向上させることができる。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
図1は、本実施の形態の内燃機関の構成を示す部分断面模式図である。図1に示すように、内燃機関1は、円筒形状のシリンダ2を備える。シリンダ2の内部にはピストン3が配設されている。ピストン3はシリンダ2の円筒形状の軸方向に沿って往復運動を行なう、往復運動部品である。ピストン3は、コンロッド4を介在させて、クランクシャフト5に接続されている。コンロッド4は、ピストン3とクランクシャフト5とを連結する棒状の部材であって、ピストン3の往復運動をクランクシャフト5の回転運動に変換する働きをする。
クランクシャフト5は、シリンダ2の下部に設置されたクランクケース内に収納されている。クランクシャフト5は、回転運動を行なう回転軸を有する、回転部品である。クランクシャフト5の一方の端部である、内燃機関前方側の端部には、クランクプーリ6が装着されている。またクランクシャフト5の他方の端部である、内燃機関後方側の端部には、フライホイール7が装着されている。クランクプーリ6およびフライホイール7は、平面形状が円形状であり、その円形状の中心がクランクシャフト5の端部に装着固定されている、円形部材である。
ピストン3を収納するシリンダ2の外周部には、ウォータージャケット8が形成されており、ウォータージャケット8の内部には冷却水9が注入されている。シリンダ2およびピストン3は、冷却水9によって冷却される。そのため、内燃機関1は、熱によるピストン3の焼きつきや磨耗を抑制できる構造となっている。
クランクシャフト5を収納するクランクケースの下部は、オイルパン10となっており、その内部には潤滑オイル11が溜められている。潤滑オイル11は、内燃機関1の駆動中に発生する動力の一部を利用して図示しないオイルポンプをまわすことによって吸い上げられ、内燃機関1の各部に送られて各部品間の潤滑を行なうと共に、各部品の冷却を行なう。
クランクシャフト5の端部に装着されたクランクプーリ6の周囲には、タイミングベルト12が巻回されている。タイミングベルト12はまた、内燃機関1の上部のカムシャフト13の端部に設けられたプーリに巻回されている。クランクシャフト5の回転運動は、タイミングベルト12を介在させてカムシャフト13に伝達され、カムシャフト13を回転運動させる動力となる。
なお、クランクシャフト5およびカムシャフト13の、各々の内燃機関前方側の端部には、プーリに代えてスプロケットが設置され、クランクシャフト5とカムシャフト13とはタイミングチェーンを介在させて連結されている構造であってもよい。
カムシャフト13には、吸気バルブ14および排気バルブ15が連結されている。カムシャフト13の回転運動はロッカーアームによって往復運動に変換され、カムシャフト13の回転に従って吸気バルブ14および排気バルブ15の開閉運動が可能となっている。吸気バルブ14が開状態であるときに、シリンダ2内に燃料と空気との混合気が吸入される。ピストン3が上昇して上死点に近づく側へ移動すると、混合気は圧縮される。その状態で点火プラグ16において火花を発生させると、混合気が爆発して膨張し、ピストン3を押し下げる動力が発生する。この動力によって、ピストン3はシリンダ2の内部において往復運動を行なう。
クランクシャフト5の内燃機関後方側、すなわち、エンジンにおいてトランスミッションが配置される側である出力側の端部に装着されている、フライホイール7は、クランクシャフト5の回転する勢いを保ち、回転力のむらを小さくして滑らかに回転させるための、はずみ車として機能する。図1に示すように、フライホイール7の外周部はリングギヤを形成しており、内燃機関1の始動時には、このリングギヤと図示しないスタータモータのピニオンギヤとが噛み合って、クランクシャフト5を回転できる構造とされている。またフライホイール7の、円板形状の表面は平らになっている。この表面に図示しないクラッチディスクが押し付けられると、クランクシャフト5の回転がクラッチディスクに伝えられて、内燃機関1の動力がトランスミッションに伝達するようになっている。
クランクシャフト5の内燃機関前方側の端部に装着されているクランクプーリ6は、クランクシャフト5の回転軸の振動を弾性体によって吸収減衰する、ダンパプーリとすることができる。図2は、ダンパプーリとしての、クランクプーリの構成を示す部分断面模式図である。図2に示すように、クランクプーリ6は、中空の円環形状のダンパマス21,23と、ダンパマス21の内部に円筒形状に配置された弾性体としてのダンパゴム22と、ダンパマス23の内部に円筒形状に配置された弾性体としてのダンパゴム24と、クランクプーリ6の内周部を形成しクランクシャフト5の回転軸に固定されるハブ26とを含む。ダンパマス21,23およびハブ26は、たとえば鋳鉄などの金属製とすることができる。ダンパゴム22,24は、たとえばEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合)ゴムを用いて形成することができる。
ダンパマス21の外周面には、当該外周面の周方向に沿って延在する、複数本のV溝25が形成されている。図1に示す、クランクシャフト5からカムシャフト13へ動力を伝達するタイミングベルト12は、V溝25が形成されているダンパマス21の外周面に巻き掛けられる。つまり、V溝25が形成されているダンパマス21の外周面が、プーリとして機能している。
図2に示すクランクプーリ6では、ハブ26とダンパマス21,23との間にダンパゴム22,24を配置している。そのため、クランクシャフト5の回転時に、ハブ26とダンパマス21,23とがダンパゴム22,24を挟んで共振運動することにより、クランクシャフト5の振動を吸収減衰することができる。なお、クランクプーリ6は、図2に示す構造に限られるものではなく、シングルタイプの構造であってもよい。
以下、円形部材としてのクランクプーリ6、フライホイール7の少なくともいずれか一方に設けられる、アンバランスマスについて説明する。図3は、内燃機関を駆動すると円形部材に発生する、円形部材を偏心させる力の方向の一例を示す図である。図3には、右回りに回転する、内燃機関としてのV型8気筒エンジンをエンジン前方側から見た場合の、エンジン駆動時に円形部材に発生する、円形部材を偏心させる力の例を示す。
エンジン駆動時には、主にピストン3の往復運動がコンロッド4によって回転運動に変換される動きにより、クランクシャフト5には振動が発生する。この振動によって、クランクシャフト5の回転軸および円形部材には、回転の中心を円形部材の平面形状である円の中心から偏らせる力が負荷される。この力が加えられる方向は、エンジンの種類毎に異なり、エンジンの特性に依存して特定の方向となる。たとえば右回りに回転するV型8気筒エンジンをエンジン前方側から見た場合には、図3に示すように、クランクプーリ6の平面形状である円の中心からキー溝側を向いた方向である、約270°の方向に偏る力が働くことになる。
そこで、円形部材には、上記力の加えられる方向に対し、円形部材の平面形状である円の中心から円形部材の重心に向かう方向が逆方向となるように、アンバランスマスを設けてやればよい。このようにすれば、アンバランスマスが、円形部材を偏心させる力を打ち消す方向にアンバランスを発現するために、エンジン駆動時の円形部材全体としてのアンバランスは低減する。アンバランスマスが発現するアンバランスがクランクシャフト5のトルク変動を相殺し、エンジンのトルク変動が打ち消される。その結果、円形部材の振動を低減することができるので、騒音の発生を抑制することができる。
クランクシャフト5に装着される部品のうち、ピストン3から最も遠く離れた位置にある、クランクプーリ6またはフライホイール7にアンバランスマスを設ける。そのため、アンバランスマスが発現するアンバランスの影響がより大きくなり、振動を低減する効果をより効率的に得ることができる。
図4は、円形部材に設けられるアンバランスマスの配置の一例を示す図である。図3に示す方向に円形部材を偏心させる力が働く場合には、たとえば図4に示すように、円形部材の外周部の2箇所に小片31を設置する。小片31を設置した箇所では小片31の重量が増加するので、小片31を設置した2箇所の重量が円形部材のその他の箇所に対して相対的に大きくなる。そのため、エンジンの駆動時にクランクシャフト5の回転に伴って円形部材が回転運動すると、小片31を設置した2箇所に対して加わる遠心力が、円形部材のその他の箇所に対して大きくなる。
円形部材の小片31を設置した2箇所に働く遠心力を図4中の矢印32に示す。この2つの矢印32によって示される遠心力を合成すると、円形部材には、矢印33によって示される方向に、力が加えられることになる。この矢印33で示す方向は、円形部材の平面形状である円の中心から円形部材の重心に向かう方向であって、エンジン駆動時に円形部材に発生する円形部材を偏心させる力に対して逆方向の力となる。このようにして、円形部材を偏心させる力は打ち消されるので、円形部材全体としてのアンバランスを低減することができる。
円形部材の円の中心から離れた外周部に小片31を設置するので、遠心力を大きくする効果をより効率的に得ることができる。また、2つの重量物である小片31が設置されており、円形部材の複数箇所に重量が付加されているために、円形部材をより安定して回転させることが可能な構造とされている。
円形部材に付与するアンバランスマスとしては、図4に示す小片31を追加するほか、円形部材の中心から見て円形部材を偏心させる力が加えられる方向に沿った円形部材の一部を除去して、当該方向の円形部材の重量を低減することにより、当該方向に働く遠心力を低減することも可能である。除去される一部は円形部材の外周部であれば、遠心力を低減させる効果がより大きくなるため好ましい。たとえば円形部材がクランクプーリ6である場合には、ダンパマス23の外周部に小片31などの錘部材を設置する、または、ダンパマス23の外周部に切欠きや穴あけ加工を施す、もしくはダンパマス23を薄肉化するなどの各種加工によって、クランクプーリ6にアンバランスマスを付与することができる。
図3および図4に示すように、円形部材にアンバランスマスを付与するために最適な位置は、エンジンの種類によって決定される。そのため、アンバランスマスは、エンジンの組立ての段階で、円形部材に設けることが可能である。アンバランスマスは、内燃機関の組立て完了以前に、円形部材に設けることができる。すなわち、アンバランスマスは、内燃機関を構成する複数の部品の個々を組み合わせて一つのまとまった内燃機関の形状を作り上げる工程中において、換言すると、各部品が組み付けられ結合された後に内燃機関を検査または調整する工程よりも前の工程において、円形部材に設けることができる。
エンジンの組立ての段階でアンバランスマスを設置してエンジンのバランス修正を完了すれば、個々のエンジンについてアンバランス測定を行なう検査において、規定のアンバランス値を外れる不合格品の数を大幅に低減することができる。つまり、上記検査において規定のアンバランス値を満足したエンジンについて、検査後にバランス修正を行ないその後再検査する必要はない。したがって、エンジンの製造工程を短縮することができるので、エンジンの生産性を向上させることができ、エンジンのコスト低減を達成することができる。
次に、本実施の形態の内燃機関の製造方法について説明する。図5は、内燃機関の製造方法の一部工程を示す流れ図である。図5には、内燃機関の製造方法を示す工程のうち、本発明と関連する一部の工程のみを示しており、本発明と関連しない他の工程については省略されている。
図5に示すように、工程(S10)において、クランクシャフト5を形成する。次に工程(S20)において、平面形状が円形状の円形部材、すなわち、クランクプーリ6およびフライホイール7を形成する。次に工程(S30)において、円形部材にアンバランスマスを設ける。このときアンバランスマスは、内燃機関を駆動すると円形部材に発生する、円形部材を偏心させる力の方向に対し、円形部材の平面形状である円の中心から円形部材の重心に向かう方向が逆方向となるように、円形部材に設けられる。次に工程(S40)において、円形部材をクランクシャフト5の端部に装着する。つまりアンバランスマスは、円形部材がクランクシャフト5の端部に装着される以前に、円形部材に設けられている。
上記(S10)〜(S40)は、内燃機関1を組み立てる工程(S100)に含まれる。次いで、工程(S200)において、内燃機関1を検査する。ここで、この内燃機関1の製造方法によると、内燃機関1を組み立てる工程(S100)の段階で円形部材にアンバランスマスが設けられている。つまり、アンバランスマスは内燃機関1の組立て完了以前に円形部材に設けられており、内燃機関1の組立て完了以前にバランス調整が完了している。そのため、工程(S200)の検査において、規定のアンバランス値を外れる不合格品の数は、従来の製造方法と比較して大幅に低減している。工程(S200)の検査において規定のアンバランス値を満足した内燃機関1は、検査後にバランス修正を行ないその後再度検査する必要はない。
従来の内燃機関の製造方法では、個々の内燃機関を組み立てた後にアンバランスを測定し、規定のアンバランス値を満たさない製品についてバランス修正を行なって、その後さらに再検査を行なう必要があった。これに対し、本発明の内燃機関の製造方法によると、規定のアンバランス値を満足した個々の内燃機関に対して、アンバランス測定およびバランス修正をする工程を省略することができる。したがって、内燃機関の生産性を向上させることができるので、内燃機関の製造コストを低減させることができる。
なお、円形部材をクランクシャフトの端部に装着する工程(S40)の後に、アンバランスマスを円形部材に形成してもよい。つまり、図5に示す工程(S30)と(S40)とは、順序を入れ替えても構わない。
これまでの説明においては、クランクシャフト5の内燃機関後方側の端部にはフライホイール7が装着されている例について説明したが、オートマチックトランスミッションが取り付けられた車両に搭載される内燃機関の場合、クランクシャフト5の内燃機関後方側の端部には、フライホイール7に代えてドライブプレートが設けられる。この場合には、ドライブプレートにアンバランスマスを設けることにより、内燃機関のバランス修正を行なうことができる。
また、上記実施の形態では、図3および図4によって右回りのV型8気筒エンジンに発生するアンバランスの例を示したが、本発明は、右回りのV型8気筒エンジンに限られず、たとえばV型6気筒エンジンなどの多気筒エンジン、単気筒、直列型などの各種形式の内燃機関にも適用できることは勿論である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の内燃機関およびその製造方法は、車両に搭載される内燃機関およびその製造方法に、特に有利に適用され得る。
本実施の形態の内燃機関の構成を示す部分断面模式図である。 クランクプーリの構成を示す部分断面模式図である。 内燃機関を駆動すると円形部材に発生する、円形部材を偏心させる力の方向の一例を示す図である。 円形部材に設けられるアンバランスマスの配置の一例を示す図である。 内燃機関の製造方法の一部工程を示す流れ図である。
符号の説明
1 内燃機関、2 シリンダ、3 ピストン、4 コンロッド、5 クランクシャフト、6 クランクプーリ、7 フライホイール、8 ウォータージャケット、9 冷却水、10 オイルパン、11 潤滑オイル、12 タイミングベルト、13 カムシャフト、14 吸気バルブ、15 排気バルブ、16 点火プラグ、21,23 ダンパマス、22,24 ダンパゴム、25 V溝、26 ハブ、31 小片。

Claims (4)

  1. クランクシャフトと、
    平面形状が円形状であり、前記円形状の中心が前記クランクシャフトの端部に装着されている、円形部材とを備える内燃機関であって、
    前記円形部材には、内燃機関を駆動すると前記円形部材に発生する、前記円形部材を偏心させる力の方向に対し、前記円形部材の平面形状である円の中心から前記円形部材の重心に向かう方向が逆方向となるように、アンバランスマスが設けられており、
    前記アンバランスマスは、前記内燃機関の組立て完了以前に、前記円形部材に設けられている、内燃機関。
  2. 前記クランクシャフトの一端にクランクプーリが装着され、他端にフライホイールまたはドライブプレートが装着されており、
    前記円形部材は、クランクプーリである、請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記クランクシャフトの一端にクランクプーリが装着され、他端にフライホイールまたはドライブプレートが装着されており、
    前記円形部材は、フライホイールまたはドライブプレートである、請求項1に記載の内燃機関。
  4. 内燃機関の製造方法であって、
    前記内燃機関を組み立てる工程と、
    次いで、前記内燃機関を検査する工程とを備え、
    前記内燃機関を組み立てる工程は、
    クランクシャフトを成形する工程と、
    平面形状が円形状の円形部材を形成する工程と、
    内燃機関を駆動すると前記円形部材に発生する、前記円形部材を偏心させる力の方向に対し、前記円形部材の平面形状である円の中心から前記円形部材の重心に向かう方向が逆方向となるように、前記円形部材にアンバランスマスを設ける工程と、
    前記円形部材を前記クランクシャフトの端部に装着する工程とを含む、内燃機関の製造方法。
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