JP2019128035A - エンジンのバランサー - Google Patents
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Abstract
Description
従来のエンジン・バランサー装置は、バランサーシャフトがエンジンケースの内部に収納されており、バランサーシャフトがクランクシャフト(8)に連動して回転し、前記クランクシャフトのバランスウェイト(7)が発生する一次慣性力とは逆向きの一次慣性力を発生させて振動を軽減していた。
このバランサーは、クランクシャフト(8)にチェーンなどを介して回転させている。
これにより、回転ロスによる出力低下、バランサー増設による製造コスト削減とエンジン重量の増加やエンジンケースの大型化を防止することを目的とする。
そして、請求項3、請求項4、請求項5に記載された発明は、同じく請求項1の構成に加えて、バランサーとなった円盤状のベース部品が回転しても一次慣性力を発生させず、第2半面(15)が重くなったことでピストン(1)が上下運動をする際にクランクシャフト(8)の回転ムラを軽減させるバランスウェイト(7)の働きを助長して、クランクシャフト(8)の発生する一次慣性力の変動を抑えることで振動を軽減するものである。(図4及び図5参照)
また、円盤状のベースとなるフライホイールの重量変更を加減することで、使用目的によってエンジンに求められる回転特性を作り出すこともできる。
それにより従来の単気筒エンジンよりも高回転化を図ることができる。
また、円盤状のベースとなるフライホイールの重量変更を加減することで、使用目的によってエンジンに求められる回転特性を作り出すこともできる。
そのため、従来のバランサーとは異なり、エンジンの重量増加や大型化を防止することができる。
実際に単気筒エンジンのフライホイールへクランクピン(9)と同位相付近に数グラムのボルトを付けて錘にすると、エンジンブレーキの利き具合を変えることができ、クランクピン(9)よりも回転方向側にボルトを付けるとエンジンブレーキは弱くなりエンジンのトルク感も希薄になって、クランクピン(9)よりも回転方向の逆側にボルトを付けるとエンジンブレーキは強くなりエンジンのトルク感が増した。
実験は大成功であった。
本発明は、このアイデアを進化させて、フライホイールがクランクシャフト(8)に与える影響を考慮してバランサー化できないか、また、フライホイールの総重量を重くし、回転運動による慣性モーメントを大きく得ようとした場合でもエンジンの反応を緩慢にせずに済むのではないかという発想から発明されたものである。
しかし、その半面でフライホイールが軽くなったことで、急坂などの登坂でエンジン回転を上げて走る必要があったが、このエンジン特性はサーキットなどのコースでは威力を発揮すると考えられる。
重量変更を錘(3)で行った場合は、市街地での走行に向いていることが実施例1で予想できたため、市街地での試走を行った。
フライホイールの重量が増えたことによるエンジン回転の緩慢さは感じられず、むしろエンジンの反応が良くなっている印象を受けた。
尚、気になる急坂の登坂走行では、同じアクセル開度だとノーマル時よりも速度が高くなる傾向が見受けられた。
また、発進もノーマル時よりもエンジントルクが増して楽にできた。
計測方法は満タン法を用いる。
ったことから3割ほどの燃費向上が確認された。
尚、このテスト車両はインジェクション(電子制御燃料噴射装置)で燃料調整を行うため、燃費計測時には特に燃料調整について手を加えていない。
この時のフライホイール総重量は1075gとした。
テストコースは急勾配の坂が多いモトクロス場(秋田県秋田市・協和オートランド)を使い、金属ワッシャーの錘(3)による本発明の効果を確認する。
エンジンの振動はこれまで同様に軽減しており、フライホイールの重量が重くなったことでのエンジンの反応はノーマル時と比べて良くなって登坂走行も楽に走ることができた。
尚、本発明の効果を確かめるために、2.5gの金属ワッシャーをフライホイールの第1半面(14)に3つ、第2半面(15)に3つをボルト留めで固定し、それぞれを60度の角度、フライホイールの中心軸から同距離で設置して重量変更を実施した。
この時のフライホイール総重量も1075gとした。
試走の結果、フライホイール総重量が増して回転運動による慣性モーメントを大きくなったが、アクセルの開きに対して反応が緩慢になり、エンジン回転はノーマル時よりも回らず、速さが失われた。
本発明と比較しても、メリットは少なく、むしろデメリットが目立つ結果となった。
尚、本テスト車両はキャブレターで燃料調整を行うため、フライホイールの重量変更後に必ずキャブレター・セッティングを行う。
フライホイールを重くしたことで、振動軽減の度合いは前回の試走よりも大きく、重くなったフライホイールが高回転まで一気に回ることからエンジンパワーが向上し、坂道のアップダウンに強くなり、今までよりも使うギア段数が一段上がった。
主催者側から、「あまりにも速い。」とのクレームにより、2ヒート目は『レジェンド・クラス(元国際ライセンス所持者のベテランライダー)』に出走しても1位を獲得することができた。
子供向け入門用オフロードバイクに本発明を施すことで、エンジンの振動が軽減するだけではなく、エンジンの回転が良くなり、エンジンパワーが向上することが実証できたのである。
しかし、速度が乗る路面を走る場合とは異なり、極端に摩擦が少ない雪道等の路面ではエンジンの反応が良過ぎるために駆動輪がスリップしてグリップしないことが判明した。本テスト車両で参加した北海道のモーターサイクルによる雪上レースでは、これが原因で前に進むのにも苦労することから苦戦を強いられた。
そこで実施例4では、第1半面(14)に真鍮製ウェイト(18g)を1つ、第2半面(15)に真鍮製ウェイト(18g)を2つボルト留めで固定し、それぞれを120度の角度、フライホイールの中心軸から同距離で設置して設置して、第1半面(14)よりも第2半面(15)を重くしてみた。
すると、実施例3の時よりも更にエンジンの振動が減り、エンジン回転が滑らかに上昇する様になった。
これにより雪道での走行も駆動輪のスリップが格段に減り、エンジン回転上昇は滑らかにはなったが緩慢にはならず、これまでと同様に高回転まで気持ちよく回る。
モーターサイクルに本発明の実施するにおいて、実施例4が最も適していると思われた。
これにより単気筒エンジンの高回転化が可能となる。(図1及ぶ図2参照)
これにより低速度から高速度までのエンジン回転が滑らかになり、エンジンの操作性が向上する。(図4及び図5参照)
これらのエンジンは振動の軽減が最大の課題となっており、本発明の有効性は大きい。
また、その機構が単純なことにより、主に単気筒エンジンが使われるチェーンソーや草刈り機などに用いることができるため、機械の振動によって使用者が白蝋病(血行障害により手足が白くなる病気。)を発症することを予防できる。
2 コネクティングロッド
3 錘
4 肉抜き部
5 ピストンピン
6 ジャーナル
7 バランスウェイト
8 クランクシャフト(6、7、9の集合体)
9 クランクピン
10 バランサー
11 バランサー
12 バランサー
13 バランサー
14 第1半面
15 第2半面
Claims (5)
- クランクピン(9)1つ、および前記クランクピンに対して一対のバランスウェイト(7)が取り付けられたクランクシャフト(8)を有するエンジンのバランサー(10、11、12、13)であって、バランサー本体が回転による一次慣性力を発生させないことを特徴とするエンジンのバランサー。
- クランクピン(9)1つ、および前記クランクピンに対して一対のバランスウェイト(7)が取り付けられたくランクシャフトを有するエンジンのバランサー(10、11)であって、クランクジャーナルに同軸で固定された円盤状のベースと、前記ベースに設けられた3ヶ所の重量変更手段を備え、ベース中心軸からクランクシャフトのクランクピン側とバランスウエイト側とで二分して、クランクピン側にある第1半面(14)と、バランスウエイト側にある第2半面(15)を有し、前記第1半面(14)は前記第2半面(15)よりも重いことを特徴とする請求項1記載のエンジンのバランサー。
- クランクピン(9)1つ、および前記クランクピンに対して一対のバランスウェイト(7)が取り付けられたクランクシャフト(8)を有するエンジンのバランサー(12、13)であって、クランクジャーナルに同軸で固定された円盤状のベースと、前記ベースに設けられた3ヶ所の重量変更手段を備え、ベース中心軸からクランクシャフトのクランクピン側とバランスウエイト側とで二分して、クランクピン側にある第1半面(14)と、バランスウエイト側にある第2半面(15)を有し、前記第2半面(15)は前記第1半面(14)よりも重いことを特徴とする請求項1記載のエンジンのバランサー。
- 前記重量変更手段は錘で構成され、錘は同重量であり、第1半面(14)に2ヶ所、第2半面(15)に1ヶ所を設けられ、もしくは、第一半面(14)に1ヶ所、第2半面に2ヶ所を設けて、錘の位置関係は円盤状のベースの軸中心に対して3ヶ所の錘が同じ距離、120度ずつの角度でそれぞれが配置されている請求項2又は3記載のエンジンのバランサー。
- 前記重量変更手段は肉抜き部で構成され、肉抜き部は同量であり、肉抜き部を第1半面(14)に1ヶ所、第2半面(15)に2ヶ所を設けられ、もしくは、第1半面(14)に2ヶ所、第2半面(15)に1ヶ所を設けて。肉抜き部の位置関係は円盤状のベースの軸中心に対して3ヶ所の肉抜き部が同じ距離、120度ずつの角度でそれぞれが配置されている請求項2又は3記載のエンジンのバランサー。
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JPS49129006A (ja) * | 1973-04-24 | 1974-12-10 | ||
JPH0434251A (ja) * | 1990-05-30 | 1992-02-05 | Honda Motor Co Ltd | 内燃機関の振動方向変換方法 |
JP2003500618A (ja) * | 1999-05-26 | 2003-01-07 | ドゥレク ダニエル | 周期的障害の低減手段を含むエンジン |
JP2009167974A (ja) * | 2008-01-18 | 2009-07-30 | Toyota Motor Corp | 内燃機関およびその製造方法 |
-
2018
- 2018-09-13 JP JP2018188652A patent/JP2019128035A/ja active Pending
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